JPH11246412A - 粉末状黄色着色剤と固体着色物及び医薬品 - Google Patents
粉末状黄色着色剤と固体着色物及び医薬品Info
- Publication number
- JPH11246412A JPH11246412A JP10048068A JP4806898A JPH11246412A JP H11246412 A JPH11246412 A JP H11246412A JP 10048068 A JP10048068 A JP 10048068A JP 4806898 A JP4806898 A JP 4806898A JP H11246412 A JPH11246412 A JP H11246412A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- colored
- powdery
- yellow
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
て、被着色物を鮮明なレモン系の黄色に着色でき、被着
色物が水やアルコールに対して不安定な成分を含む場合
でも支障なく使用可能であり、極めて容易に安価に製造
できるものを提供する。 【解決手段】 二糖類、多糖類、糖アルコール及びこれ
らの誘導体より選ばれる少なくとも一種の糖類粉末と、
橙色の酪酸リボフラビン粉末とを粉末形態で混合し、両
者の固相状態での相互作用によって酪酸リボフラビンを
元の橙色から黄色へ転化させる。
Description
分野に好適に使用される酪酸リボフラビンを含む粉末状
黄色着色剤と、この粉末状黄色着色剤によって着色され
た固体着色物及び医薬品に関する。
着色剤としては、タール系色素である食用黄色4号、食
用黄色4号アルミニウムレーキ、食用5号、食用黄色5
号アルミニウムレーキ(第6版食品添加物)、ビタミン
B2 であるリボフラビン(特公昭46−26989号、
特公昭61−3224号公報)及び酪酸リボフラビン
(日本薬局方:第13改正、局方外成分規格1986年
版、食品添加物公定書:第五版)等が代表的である。
色素で安全性が高い上に褪色しにくく、食品や医薬品の
着色を兼ねてビタミンB2 付与を行えるという利点があ
るが、元々橙色の粉末であり、被着色物の色合いも橙色
からやや暗い黄橙色になることから、例えば着色対象が
ビタミンC主薬製剤等の一般的にレモン色を想起させる
ようなものである場合、商品イメージを損なうという難
点があった。
酪酸リボフラビンをメタノール又はメタノール/水混液
に溶解して再結晶させることによって結晶形が変化(報
告者はC型と名付けている)し、得られる酪酸リボフラ
ビンがレモン系の鮮黄色を呈することが報告(蛯谷,薬
学雑誌108(1):39−43,1988)されている。
そして、この鮮黄色の酪酸リボフラビンによって薬剤成
分を含む被着色物を着色することが提案されている(特
許第2574176号)。
手段は、前記報告におけるメタノールをエタノールに代
えて溶解させた酪酸リボフラビンを水で再結晶させて懸
濁液を調製し、この懸濁液を被着色物に添加もしくはス
プレーするか、該懸濁液を真空乾燥して得られる酪酸リ
ボフラビン粉末を被着色物と混合したり造粒用の結合液
に添加するものである。しかしながら、前者の懸濁液を
使用する場合、被着色物に含まれる薬剤成分や他の配合
成分の種類によっては、水やアルコールによる化学変
化、物理変化、溶出等を生じて変質する懸念があった。
また後者の粉末とする場合は、酪酸リボフラビンの溶解
と再結晶に加えて真空乾燥を行うため、製造工程が煩雑
となって多大な労力及び時間を要する上に設備費が嵩
み、もって製造コストが非常に高く付くという難点があ
った。
ラビンを含む粉末状着色剤として、被着色物を鮮明なレ
モン系の黄色に着色でき、しかも被着色物が水やアルコ
ールに対して不安定な成分を含む場合でも支障なく使用
可能であり、且つ極めて容易に安価に製造できるものを
究明し、この黄色着色剤を用いて商品価値の高い固体着
色物及び医薬品を提供することを目的としている。
を達成するために綿密な実験研究を重ねた結果、特定の
糖類粉末と通常の橙色の酪酸リボフラビン粉末とを単に
粉末形態で混合した際に、酪酸リボフラビンの色調が橙
色からレモン系の明るい鮮黄色へ変化し、この色調がほ
ぼ恒久的に維持されることを発見した。そして、この黄
色化した酪酸リボフラビン粉末と前記の糖類粉末とを含
む粉末混合物を着色剤として用いたところ、被着色物が
レモン系の明るい鮮黄色に着色され、この着色状態が安
定に保たれて褪色等の問題を生じにくいことを見出し、
この発明をなすに至った。
色着色剤は、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール及
びこれらの誘導体より選ばれる少なくとも一種の糖類粉
末と、この糖類粉末に対する粉末形態での混合によって
黄色化した酪酸リボフラビン粉末とを含有してなるもの
としている。
末状黄色着色剤における酪酸リボフラビン粉末の含有量
が糖類粉末との合量中における0.1〜50重量%を占
める範囲にある構成、請求項3の発明は請求項1又は2
の粉末状黄色着色剤における糖類粉末が、乳糖、白糖、
精製白糖、デンプン、カルメロースカルシウム、結晶セ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、マンニトール、ソルビトー
ルより選ばれる少なくとも一種の粉末である構成、をそ
れぞれ採用している。
状黄色着色剤において、請求項4の発明は、CIELA
B表色系における色度座標のL* 値が80〜95、a*
値が0〜+10、b* 値が+40〜+65の各範囲にあ
る色調を有する構成としている。同じく請求項5の発明
は、上記色度座標のL* 値が85〜92、a* 値が+3
〜+8、b* 値が+45〜+62の各範囲にある色調を
有する構成としている。
は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の粉末状黄色着
色剤によって被着色物を黄色に着色してなるものであ
る。
体着色物における被着色物が薬剤成分を含むものである
構成、請求項8の発明では請求項6又は7の固体着色物
における被着色物が薬剤成分としてアスコルビン酸とア
スコルビン酸ナトリウムの一方又は両方を含むものであ
る構成、請求項9の発明では請求項6〜8のいずれかの
固体着色物における被着色物が粉末状ないし顆粒状又は
粒状である構成、をそれぞれ採用している。
に記載の粉末状ないし顆粒状又は粒状の固体着色物を所
要の形状及び大きさに成形してなるものである。なお、
ここでいう成形とは、造粒、打錠、型内成形等の造形加
工全般を指すものとする。
定の糖類粉末との混合によって黄色化した酪酸リボフラ
ビン粉末を含有するものであり、この酪酸リボフラビン
が色素成分となってレモン系の明るい鮮黄色を呈する。
しかして、この色調は、元の酪酸リボフラビンの橙色が
糖類粉末の白色によって薄まった色とは明確に異なり、
酪酸リボフラビン自体の構造変化に基づくものと考えら
れる。従って、この酪酸リボフラビンの橙色から鮮黄色
への変化は、糖類成分と酪酸リボフラビンとの間で固相
状態における相互作用つまり固相反応を生じることによ
ると想定される。
色化は、既述した従来における橙色の酪酸リボフラビン
をアルコール又はアルコール/水混液に溶解して再結晶
させることによる黄色化とは全く相違している。このた
め、本発明の粉末状黄色着色剤に含まれる酪酸リボフラ
ビンの分子状態ないし結晶形は、元の橙色の酪酸リボフ
ラビンとは異なるものと推測される。
性状的に非常に安定しており、上記の固相反応にて表出
した鮮黄色が恒久的に維持され、元の橙色に戻ったり褪
色したりすることはないから、着色剤として充分な特性
を具備している。従って、この粉末状黄色着色剤によれ
ば、被着色物をレモン系の明るい鮮黄色に着色でき、こ
の着色の色合いが安定に保持されることになる。また、
この黄色着色剤は粉末状であるため、被着色物が水やア
ルコール等に対して不安定な成分を含むものであって
も、単に添加ないし混合するだけで支障なく鮮やかな黄
色に着色できるという利点がある。
ては、糖類粉末と通常の橙色の酪酸リボフラビン粉末と
を単に混合するだけでよく、既述した従来における黄色
の酪酸リボフラビンを得る方法のようにアルコール又は
アルコール/水混液に溶解して再結晶を行うといった湿
式処理工程を一切必要とせず、また従来のような粉末を
得るための懸濁液の真空乾燥も不要であるから、操作的
に極めて簡便であると共に、設備的にも必要となるのは
混合機程度であるから、従来における黄色の酪酸リボフ
ラビンに比較して製造コストを格段に低減できる。
分として使用する橙色の酪酸リボフラビンは、リボフラ
ビン酪酸エステルやビタミンB2 酪酸エステルとも称さ
れるリボフラビンテトラブチレートであり、天然色素と
して日本薬局方(第13改正)に収載されているもので
ある。しかして、本発明の粉末状黄色着色剤は、この酪
酸リボフラビンが既述のように糖類粉末との粉末形態で
の混合により黄色に変化した粉末として含まれる。
類、糖アルコール及びこれらの誘導体より選ばれる少な
くとも一種の粉末である。そして、単糖類としてはグル
コース等が、二糖類としては乳糖、白糖、精製白糖等
が、同じく多糖類としてはデンプン、カルメロースカル
シウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が、同じく
糖アルコールとしてはマンニトール、ソルビトール等
が、それぞれ挙げられるが、これらの中でも二糖類、多
糖類、糖アルコールに属するものが特に酪酸リボフラビ
ンをより鮮やかなレモン系の黄色に転化し得るものとし
て推奨される。
酸リボフラビン粉末の比率は、酪酸リボフラビン粉末の
含有量が糖類粉末との合量中における0.1〜50重量
%を占める範囲とするのがよい。この酪酸リボフラビン
粉末の比率が0.1重量%未満では、着色剤の色が薄く
なって充分な着色力を発揮できない。また逆に上記比率
が50重量%を超えると、酪酸リボフラビンの黄色化が
不完全になり、色調が所期するレモン系の明るい鮮黄色
から外れて橙色を帯びることになる。
類粉末と黄色化した酪酸リボフラビンと共に、必要に応
じて崩壊剤、滑沢剤、香料、甘味剤などの適当な添加剤
を配合可能である。
は、CIELAB表色系における色度座標のL* 値が8
0〜95、a* 値が0〜+10、b* 値が+40〜+6
5の各範囲にある黄色、より好適にはL* 値が85〜9
2、a* 値が+3〜+8、b * 値が+45〜+62の各
範囲にある黄色に設定するのがよい。なお、L* は明度
方向、a* は赤−緑方向(赤が+、緑が−)、b* は黄
−青方向(黄が+、青が−)の座標をそれぞれ表してお
り、a* とb* の値によって色相と彩度が表現される。
しかして、このような色調の設定は、前記の糖類粉末と
酪酸リボフラビン粉末との含有比率、ならびに他の添加
剤の配合比率を適当に選択することによって容易に行え
る。
被着色物としては、特に制約はないが、例えば医薬品や
食品等の分野における粉末状、顆粒状、粒状、錠剤形等
の種々の形態の原料や中間製品が推奨され、これらの中
でも固形製剤を製造する際の原料となる薬剤成分を含む
材料が特に好適なものとして挙げられる。しかして、こ
の着色剤に含有される糖類粉末は、医薬品の賦形剤、崩
壊剤、結合剤等として汎用される成分でもあるため、薬
剤成分を含む被着色物を着色対象とした場合、酪酸リボ
フラビンを黄色化させる作用と前記の賦形剤、崩壊剤、
結合剤等としての作用とを併せて発揮させることができ
る。
例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ア
スコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、硝
酸チアミン、塩酸チアミン、塩酸フルスルチアミン、塩
酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カル
シウム、ビオチン、L−システイン、シアノコバラミ
ン、酢酸ヒドロキソコバラミン、γ−オリザノール、リ
ン酸水素カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシ
ウム、ビサコジル、カフェイン、塩酸フェニルプロパノ
ールアミン、塩化リゾチーム、マレイン酸クロルフェニ
ラミン等が挙げられる。また、薬剤成分を含む被着色物
における他の含有成分としては、例えば滑沢剤等として
用いられるステアリン酸マグネシウム、タルク、軟質無
水ケイ酸等が挙げられる。
着色を行うには、例えば被着色物が粉末状ないし顆粒状
又は粒状である場合は、これらの被着色物に対して当該
着色剤を添加混合すればよい。従って、特に水やアルコ
ールなどに対して不安定な成分を含む被着色物を対象と
した場合でも、その変質を生じることなく着色可能であ
る。しかして、これらの着色過程で同時に造粒を行って
着色造粒物を製造することもできる。
は粒状の固体着色物は、適宜整粒して種々の粒度の粒状
着色製品とできると共に、これらを直接に打錠もしくは
他の薬剤等の成分と混合した上で打錠することによって
レモン系の明るく鮮やかな黄色に着色された錠剤形製品
としたり、適当な成形機によって所要形状の成形品とす
ることができる。なお、これら打錠や成形に際しては、
必要に応じて原料の固体着色物に崩壊剤、滑沢剤、香
料、甘味剤などの適当な添加剤を配合することが可能で
ある。
酪酸リボフラビンの含有比率によって変化する着色剤自
体の着色力、目的とする着色濃度、着色方法、被着色物
の形態や性状等に応じて適宜最適量を決定すれば良い。
は、色むらのない明るいレモン系の鮮やかな黄色に着色
されており、その色調が長期にわたって安定的に維持さ
れるものであり、そのまま散剤、顆粒剤、錠剤の如き医
薬品や食品として用いることができる。しかして、この
固体着色物は、口に含んだ際に苦みは感じられず、口中
での着色現象も認められない。また本発明の粉末状黄色
着色剤は、含有される酪酸リボフラビンがビタミンB2
成分であるから、被着色物が医薬品や食品となるもので
は着色と同時にビタミンB2 の付与を行えることにな
り、特にビタミン主薬製剤である場合は主薬成分として
機能する。
する。なお、実施例にて原料として使用した橙色の酪酸
リボフラビンは、医薬品成分として日本薬局方(第13
改正)に収載されている橙色のリボフラビンテトラブチ
レートである。
とを同表記載の種々の配合比率に設定したものを、各々
めのう乳鉢を用い、混合粉末の色調が略一定になるまで
継続して混合することにより、粉末混合物を調製した。
また、比較のために、糖類粉末に代えて、酪酸リボフラ
ビンのスペクトルに有意な影響を与えない硫酸ナトリウ
ム粉末を用い、同様に混合して粉末混合物を調製した。
得られた各粉末混合物の色調を表1に示す。なお、これ
ら粉末混合物をガラス容器に収容し、温度25℃,湿度
50%の室内で6カ月間保存したが、色調の変化は認め
られなかった。
スカルシウム、Cel…結晶セルロース、HPC…ヒド
ロキシプロピルセルロース、HPM…ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、である。また、原料である橙色の
酪酸リボフラビンをRTBとした。なお、表中のRTB
配合比率(%)は、酪酸リボフラビン粉末と糖類粉末の
合量中における酪酸リボフラビン粉末の割合(重量%)
にて表した。また、色調の表現における「微黄」は黄味
を帯びた白色、同「微橙」は橙味を帯びた白色、をそれ
ぞれ意味する。
フラビンと糖類とを粉末形態で単に混合することによ
り、混合粉末の色調が酪酸リボフラビンの元の橙色から
黄色へと変化し、粉末状黄色着色剤が得られる。しかる
に、糖類粉末に代えて硫酸ナトリウム粉末を混合したも
のでは、色の濃淡はあっても色調は橙色のままで変化し
ていない。この結果は、橙色の酪酸リボフラビン粉末と
糖類粉末とを混合した場合に、両者間で固相反応を生じ
て酪酸リボフラビンの分子状態ないし結晶形が変化し、
この変化に起因して色調が変わることを表している。な
お、表1より、好ましい黄色を呈する粉末状着色剤とす
るためには、酪酸リボフラビン粉末の配合比率を糖類粉
末との合量中の0.1〜50重量%を占める範囲に設定
すべきであり、また糖類の中でも二糖類、多糖類、糖ア
ルコールを用いた場合に特に鮮やかな黄色となることが
判る。
ビン粉末の配合量を糖類粉末との合量中の3重量%を占
める割合とした各粉末混合物と、糖類粉末に代えて硫酸
ナトリウム粉末を用いた粉末混合物と、原料である橙色
の酪酸リボフラビンの単独粉末のそれぞれの色調につい
て、島津分光光度計UV−2500PCを用い、CIE
LAB表色系における色度座標のL* 、a* 、b* の各
パラメータ値を測定すると共に、前記の硫酸ナトリウム
粉末を用いた粉末混合物を対照(基準の原点)としてL
* a* b* 座標点の原点からの直線距離(色差)をΔE
*abとして算出した結果を表2に示す。なお、a* ,b
* 座標値の+,−の符号については、後記の表3を含
め、+符号は省略し、−符号のみを記すものとする。Δ
E *abの計算式は、ΔE *ab=〔(ΔL* )2+(Δ
a* )2+(Δb* )2〕1/2 である。
剤に相当する粉末混合物の色調は、橙色の酪酸リボフラ
ビン単独粉末に比較して各座標のパラメータ値、とりわ
けa * の値に大きな差があり、ΔE *abも非常に大きい
ことから、元の酪酸リボフラビンとは全く異なると共
に、元の酪酸リボフラビンの橙色に白色が付加した色で
もなく、またL* の値が高いために明るい色であること
が判る。なお、ΔE *abは、色差を表し、一般な基準で
は3.0〜6.0の範囲で『著しく異なる』、6.0〜
12、0の範囲で『きわめて著しく異なる』、12.0
以上で『別の色系統になる』と評価される。従って、本
発明の粉末状黄色着色剤は、元の酪酸リボフラビンの橙
色が糖類粉末の白色によって薄まった結果として表れる
色調を有するものではなく、前記固相反応によって酪酸
リボフラビン自体の色が変化して異なる色系統になった
ものであることが明らかである。
糖類粉末97重量部とを長筒状のポリエチレン袋に投入
し、この袋を激しく震盪させて両粉末を均一に混合し、
粉末状着色剤を調製した。また糖類粉末に代えて同量の
硫酸ナトリウム粉末を使用したものを上記同様に混合し
て粉末状着色剤を調製した。次いで、これらの粉末状着
色剤の各90重量部と、アスコルビン酸−アスコルビン
酸ナトリウムの等重量の混合粉末910重量部とをバー
チカルグラニュレーター(パウレック社製)を用いて均
一に混合し、粉末状の固体着色物を得た。これら固体着
色物の色調について、前記同様にCIELAB表色系に
おける色度座標のL* 、a * 、b* の各パラメータ値
と、前記の硫酸ナトリウム粉末を用いた粉末状着色剤に
て着色した固体着色物を対照とする色差ΔE *abを測定
した。その結果を目視による固体着色物の色調と共に表
3に示す。
よって着色された固体着色物は、橙色の酪酸リボフラビ
ン粉末とこれに対して不活性な硫酸ナトリウム粉末の混
合物からなる粉末状着色剤によって着色された固体着色
物に比較して、色調的に大きく異なった好ましい黄色に
着色されていることが判る。また、特に糖類粉末として
二糖類、多糖類、糖アルコールを用いた粉末状着色剤に
よれば、単糖類を用いた粉末状着色剤による場合よりも
鮮やかな黄色に着色できることが判る。
と硫酸ナトリウム粉末を含む粉末状着色剤A2とを調製
する一方、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウ
ムを各々造粒してアスコルビン酸顆粒及びアスコルビン
酸ナトリウム顆粒を得た。そして、粉末状着色剤A1,
A2の各々90重量部と、アスコルビン酸顆粒−アスコ
ルビン酸ナトリウム顆粒の等重量の混合物910重量部
とを、バーチカルグラニュレーター(前出)を用いて均
一に混合し、着色顆粒B1,B2を製造した。これらの
色調は、粉末状着色剤A1を混合した着色顆粒B1では
全体が均一なレモン系の鮮黄色であったのに対し、粉末
状着色剤A2を混合した着色顆粒B2では橙黄色で色む
らがあった。
に、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム7.5重量
部と崩壊剤としてクロスポピドン10重量部を添加混合
し、打錠機(菊水製作所社製LIBRA 45)を用い
て打錠を行い、着色錠剤C1,C2を製造した。これら
の色調は、着色顆粒B1を原料とした着色錠剤C1では
全体が均一なレモン系の鮮黄色であったのに対し、着色
顆粒B2を原料とした着色錠剤C2では橙黄色で色むら
があった。
ビンを含む粉末状黄色着色剤として、被着色物を鮮明な
レモン系の黄色に着色でき、しかも被着色物が水やアル
コールに対して不安定な成分を含む場合でも支障なく使
用可能であり、且つ極めて容易に安価に製造できるもの
が提供される。
記の粉末状黄色着色剤として、被着色物をより確実に鮮
明なレモン系の黄色に着色できるものが提供される。
色着色剤として、被着色物をより明るく鮮明なレモン系
の黄色に着色できるものが提供される。
色着色剤として、被着色物をより明るく且つより鮮明な
レモン系の黄色に着色できるものが提供される。
色着色剤にて着色されていることから、鮮明なレモン系
の黄色を呈して色むらがなく、且つ褪色を生じにくく長
期にわたって好ましい鮮黄色を保つ固体着色物が提供さ
れる。
物として薬剤成分を含むものが提供される。
を含む固体着色物として、鮮黄色でアスコルビン酸とア
スコルビン酸ナトリウムの少なくとも一方を含むことか
ら、商品イメージに優れたビタミンC製剤又はその原料
として好適なものが提供される。
物として、鮮黄色で薬剤成分を含んだ粉末状ないし顆粒
状又は粒状のものが提供される。
ないし顆粒状又は粒状の固体着色物を原料とすることか
ら、顆粒剤、錠剤、その他の様々な形態の医薬品とし
て、レモン系の鮮黄色を呈するものが提供される。
Claims (10)
- 【請求項1】 単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール
及びこれらの誘導体より選ばれる少なくとも一種の糖類
粉末と、この糖類粉末に対する粉末形態での混合によっ
て黄色化した酪酸リボフラビン粉末とを含有してなる粉
末状黄色着色剤。 - 【請求項2】 酪酸リボフラビン粉末の含有量が糖類粉
末との合量中における0.1〜50重量%を占める範囲
にある請求項1記載の粉末状黄色着色剤。 - 【請求項3】 糖類粉末が、乳糖、白糖、精製白糖、デ
ンプン、カルメロースカルシウム、結晶セルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、マンニトール、ソルビトールより選ばれ
る少なくとも一種の粉末である請求項1又は2に記載の
粉末状黄色着色剤。 - 【請求項4】 CIELAB表色系における色度座標の
L* 値が80〜95、a* 値が0〜+10、b* 値が+
40〜+65の各範囲にある色調を有する請求項1〜3
のいずれかに記載の粉末状黄色着色剤。 - 【請求項5】 CIELAB表色系における色度座標の
L* 値が85〜92、a* 値が+3〜+8、b* 値が+
45〜+62の各範囲にある色調を有する請求項1〜3
のいずれかに記載の粉末状黄色着色剤。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の粉末状
黄色着色剤によって被着色物を黄色に着色してなる固体
着色物。 - 【請求項7】 被着色物が薬剤成分を含むものである請
求項6記載の固体着色物。 - 【請求項8】 被着色物が薬剤成分としてアスコルビン
酸とアスコルビン酸ナトリウムの一方又は両方を含むも
のである請求項7記載の固体着色物。 - 【請求項9】 被着色物が粉末状ないし顆粒状又は粒状
である請求項7又は8に記載の固体着色物。 - 【請求項10】 請求項9記載の粉末状ないし顆粒状又
は粒状の固体着色物を所要の形状及び大きさに成形して
なる医薬品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04806898A JP4249283B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 粉末状黄色着色剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04806898A JP4249283B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 粉末状黄色着色剤 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008304387A Division JP2009102328A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 固体着色物及び医薬品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11246412A true JPH11246412A (ja) | 1999-09-14 |
JP4249283B2 JP4249283B2 (ja) | 2009-04-02 |
Family
ID=12793043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04806898A Expired - Fee Related JP4249283B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 粉末状黄色着色剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4249283B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008273870A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Nipro Corp | 経口固形製剤及びその製造方法 |
JP2013049671A (ja) * | 2011-08-04 | 2013-03-14 | Fancl Corp | アスコルビン酸製剤 |
CN103333518A (zh) * | 2013-06-05 | 2013-10-02 | 华南理工大学 | 一种用糖蜜制备蔗香色素的方法 |
-
1998
- 1998-02-27 JP JP04806898A patent/JP4249283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008273870A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Nipro Corp | 経口固形製剤及びその製造方法 |
JP2013049671A (ja) * | 2011-08-04 | 2013-03-14 | Fancl Corp | アスコルビン酸製剤 |
CN103333518A (zh) * | 2013-06-05 | 2013-10-02 | 华南理工大学 | 一种用糖蜜制备蔗香色素的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4249283B2 (ja) | 2009-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5047246A (en) | Direct compression cyclophosphamide tablet | |
CA1255227A (en) | Method for production of stable nicorandil preparation | |
AU643920B2 (en) | Stabilized solid chemical compositions | |
CA1172167A (en) | Erythromycin base tablets | |
EP2316449B1 (en) | Stable pharmaceutical composition containing tranexamic acid and ascorbic acid | |
US5093372A (en) | Novel pharmaceutical composition comprising exifone and water-soluble polymer | |
US5292520A (en) | Stabilized solid pharmaceutical composition containing acid addition salts of a basic drug and an alkaline stabilizer | |
JP6662312B2 (ja) | 固形組成物 | |
US5968553A (en) | Pharmaceutical composition containing bupropion hydrochloride and an inorganic acid stabilizer | |
KR20170128323A (ko) | 착색제를 함유하는 고형 제제 | |
US3297535A (en) | Shellac tablet coating compositions and methods of preparation | |
MX2011002364A (es) | Formulacion farmaceutica estable con descoloramiento limitado. | |
JPH11246412A (ja) | 粉末状黄色着色剤と固体着色物及び医薬品 | |
EP0966888A1 (en) | Process for producing a food colorant, colorant thus obtained and uses thereof | |
JP2891744B2 (ja) | パントテン酸カルシウム組成物およびその製造方法 | |
JP2013010753A (ja) | 糖衣製剤及びその製造方法 | |
MX2011002400A (es) | Preparacion farmaceutica solida que tiene ingredientes activos separados por limites en la misma. | |
KR20070076388A (ko) | 압축성형제제 | |
KR101320016B1 (ko) | 안정화된 코엔자임q10, 종합 비타민 및 미네랄 성분을함유하는 복합제제 | |
JP2574176B2 (ja) | 黄色固体着色物 | |
US4304773A (en) | Novel bendroflumethiazide formulations and method | |
CN1352558B (zh) | 即释型口服用药物组合物 | |
KR100525128B1 (ko) | S-(3-히드록시프로필)-l-시스테인을 함유하는 경구 제제 | |
JP2009102328A (ja) | 固体着色物及び医薬品 | |
KR100982130B1 (ko) | 코엔자임 q10을 함유하는 안정화된 제제 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081001 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081224 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |