JPH11242018A - 巡回型フィルタによる分析方法及び分析装置 - Google Patents

巡回型フィルタによる分析方法及び分析装置

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JPH11242018A
JPH11242018A JP10044898A JP4489898A JPH11242018A JP H11242018 A JPH11242018 A JP H11242018A JP 10044898 A JP10044898 A JP 10044898A JP 4489898 A JP4489898 A JP 4489898A JP H11242018 A JPH11242018 A JP H11242018A
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JP
Japan
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filter
order
coefficient
recursive
acyclic
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JP10044898A
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Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未知の信号伝達系を2次の巡回型フィルタの
縦続接続により同定する分析方法及び分析装置に関し、
安定な動作で且つ計算量の削減を図る。 【解決手段】 特性が未知の共振系10の出力を接続し
た非巡回型フィルタ11と、縦続接続した2次の非巡回
型フィルタ14−1〜14−kと、共振系10と逆の周
波数特性を有するように非巡回型フィルタ11の係数を
修正し、この非巡回型フィルタ11の係数から共振系1
0とは逆のスペクトル包絡を求め、共振系10を構成す
る2次共振系の個数と共振周波数とを特定する共振周波
数算定回路12と、少なくとも2次共振系の個数分の縦
続接続した最後尾の2次の非巡回型フィルタのみに対し
て、反共振周波数を規定するパラメータとして、先に取
り出された共振周波数を2次の非巡回型フィルタ係数に
変換して設定する係数換算回路13とを備え、縦続接続
した2次非巡回型フィルタの特性を逆にした2次の巡回
型フィルタの縦続接続により、未知の共振系10を同定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未知の共振系を2
次の巡回型フィルタの縦続接続として同定し、その未知
の共振系の特性を分析する巡回型フィルタによる分析方
法及び分析装置に関する。
【0002】一般に、特性が未知の信号伝達系の同定
は、その信号伝達系に並列接続された非巡回型フィルタ
の係数を可変とし、その係数を信号伝達系の応答と、非
巡回型フィルタの出力との差が零となるように修正する
ことによって行われる。このような非巡回型フィルタの
係数の修正による同定法は、安定性や収束速度の点で優
れており、従って、このような同定法は、現在の主流と
なっている。
【0003】しかし、未知の信号伝達系が共振系からな
る場合には、当然ながら、そのインパルス応答は長くな
り、従って、そのインパルス応答を非巡回型フィルタの
係数として与える同定法は、算定すべき係数の個数が激
増することになる。そこで、巡回型フィルタを用いて同
定することが考えられる。しかし、未知の共振系が高次
となると、対応する巡回型フィルタの次数も増加して動
作が不安定となり易い、従って、巡回型フィルタを用い
る場合の問題点を解決することが要望されている。
【0004】
【従来の技術】未知の共振系を2次の巡回型フィルタの
縦続接続によって同定する従来例として、例えば、局所
近似によるホルマント抽出法がある(“スペクトルの局
所近似によるホルマント抽出法”,信学技法,PRL8
4−39,1984,10月,或いは“Formant
extraction by local appr
ozimation of the speech s
pectrum”,信学技法,SP88−71,198
8,10月,参照)。これは音韻を特徴付けるホルマン
トを生成する系を2次の共振系と仮定し、音声の生成系
全体を2次の巡回型フィルタの縦続接続として分析する
ものである。
【0005】図10は従来例の分析装置の説明図であ
り、音声生成系の分析を対象として、前述の分析方法を
適用した場合を示し、21はピッチ抽出回路、22はス
ペクトル算出回路、23はスペクトル包絡計算回路、2
4は最大値算出回路、25は2次係数算出回路、26は
ホルマント除去回路である。
【0006】母音のスペクトルは、基本周波数間隔で並
ぶ線スペクトル列となる。この線スペクトル列をフーリ
エ変換によって正確に計算し、その2次の共振系(ホル
マント)の共振周波数を高精度で求める為の手段とし
て、その音声のピッチ周期を抽出し、フーリエ変換の為
の区間をピッチ周期に一致させるピッチ同期分析が有効
である。図10のピッチ抽出回路21は、音声のピッチ
を抽出し、1ピッチ分の音声波形を切り取る為の回路で
あり、又スペクトル算出回路22は、この1ピッチ分の
音声波形をフーリエ変換し、その線スペクトル列を正確
に計算する為の回路である。
【0007】ここで問題となるのは、線スペクトル列が
音声のスペクトル包絡を基本周波数間隔で標本化した離
散値でしかないことである。求める共振系の共振周波数
は、その線スペクトルとは独立に存在する。従って、線
スペクトル列から共振周波数を正確に求める為には、元
のスペクトル包絡を復元する必要がある。このような復
元を、得られた線スペクトル列の補間によって行うもの
であり、スペクトル包絡計算回路23によって補間を行
う場合を示す。そして、共振周波数は、このスペクトル
包絡計算回路23に於いて求められたスペクトル包絡の
極大点として推定される。
【0008】前述の分析方法は、ホルマント(共振系)
の抽出を最大のものから順に行うことを特徴としてい
る。最大値算出回路24は、そのスペクトル包絡の最大
点を特定する為のものである。この最大点が特定された
時点で、一つの2次共振系の共振周波数fi が求まった
ことになる。ここで、2次の共振系のインパルス応答不
変のLerner型フィルタを、パラメータθi ,γi
を用いて(1)式に示すようにモデル化できると仮定す
ると、共振周波数fi は、その一つのパラメータθi
(2)式に示すように規定する。但し、Tは標本化周期
である。
【数1】
【0009】従って、続いてもう一つのパラメータγi
を求めれば、一つの共振系を分離できる。このパラメー
タγi の抽出は、2次係数算出回路25により行うもの
であり、共振周波数fi に隣接する三つの線スペクトル
から計算される。
【0010】更に、残る2次共振系を分離する為に、既
に得られた線スペクトル列に、2次巡回型フィルタHi
(z)の周波数特性の逆を乗算する。その結果は、元の
線スペクトル列から先に抽出された2次の共振系が取り
除かれた線スペクトル列となる。この処理をホルマント
除去回路26により行うものである。このホルマント除
去回路26の出力は、次に大きいホルマントが最大とな
るスペクトル包絡を与えることになる。従って、残るホ
ルマントについても、前述の手順を繰り返すことによっ
て、共振系は、2次巡回型フィルタの縦続接続として同
定される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例の巡回型
フィルタを用いた分析方法及び分析装置は、共振周波数
を正確に得る為に用いるスペクトル包絡の計算に、ピッ
チの抽出が必要となるものである。このピッチ抽出は、
比較的困難な処理であり、未だ十分に信頼のおける方法
が確立されていないのが現状である。又仮に、そのピッ
チが正確に抽出できたとしても、前述のように、スペク
トル包絡の計算やフィルタの帯域幅を規定するパラメー
タγi の計算には、三角関数や平方根の計算が必要とな
り、計算量が膨大となる問題がある。本発明は、未知の
共振系を、2次の巡回型フィルタの縦続接続として分析
し、且つ計算量を低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の巡回型フィルタ
による分析方法は、特性が未知の信号伝達系を2次の巡
回型フィルタの従続接続により同定する分析方法であっ
て、高次非巡回型フィルタを信号伝達系の出力に接続
し、この高次非巡回型フィルタの出力信号が最小となる
ように、高次非巡回型フィルタの係数を修正して、この
高次非巡回型フィルタの周波数特性を求め、この周波数
特性の反共振周波数と該反共振周波数の個数とを求め、
この個数に対応した2次の非巡回型フィルタを縦続接続
して前記信号伝達系の出力に接続し、縦続接続の最後尾
の非巡回型フィルタの2次係数を算定し、この2次係数
により1次係数を修正する処理を繰り返し、得られた2
次の非巡回型フィルタの特性を逆にした2次の巡回型フ
ィルタの縦続接続により、未知の信号伝達系を同定する
過程を含むものである。従って、未知の信号伝達系を、
2次の巡回型フィルタの縦続接続として同定し、分析結
果のパラメータを得ることができる。
【0013】又縦続接続の最後尾の2次非巡回型フィル
タの1次係数と2次係数と同時に更新することも可能で
あり、又縦続接続の2次巡回型フィルタと高次非巡回型
フィルタとを並列に接続して、それぞれの出力が最小と
なるように、縦続接続の最後尾の2次非巡回型フィルタ
の係数を更新することもできる。又高次非巡回型フィル
タと信号伝達系とを並列に接続し、信号伝達系の入力信
号を参照信号として高次非巡回型フィルタに入力し、そ
の出力と信号伝達系の出力との差が最小となるように、
高次非巡回型フィルタの係数を算定することができる。
【0014】又縦続接続した2次非巡回型フィルタの係
数更新を終了し、得られた係数を用いて繰り返し係数更
新処理を行う過程を含むことができ、誤差を小さくする
ことができる。又高次非巡回型フィルタに白色雑音を入
力し、その時の出力をフーリエ変換して周波数特性を求
めることができる。又メモリから読出した正弦波或いは
余弦波の標本値を高次非巡回型フィルタに入力して周波
数特性を求めることができる。
【0015】又本発明の分析装置は、特性が未知の信号
伝達系を2次の巡回型フィルタの従続接続により同定す
る巡回型フィルタによる分析装置であって、信号伝達系
(未知の共振系10)に接続して出力が最小となるよう
に係数を修正する高次非巡回型フィルタ(非巡回型フィ
ルタ11)と、高次非巡回型フィルタの係数から未知の
信号伝達系とは逆のスペクトル包絡を求めて、共振周波
数と該共振周波数の個数とを求める共振周波数算定回路
12と、この共振周波数算定回路12により求めた前記
共振周波数の個数に対応した個数の縦続接続して前記未
知の信号伝達系に接続した2次非巡回型フィルタ14−
1〜14−kと、共振周波数算定回路により求めた共振
周波数を基に、縦続接続した2次非巡回型フィルタの最
後尾に接続した2次非巡回フィルタに対してのみ係数の
換算を行い、且つ係数未算定の2次非巡回フィルタを順
次最後尾に接続して係数の算定を行う係数換算回路13
とを備え、縦続接続した2次非巡回型フィルタの特性を
逆にした2次の巡回型フィルタの縦続接続により、信号
伝達系を同定する構成を有するものである。
【0016】又縦続接続の2次非巡回型フィルタと高次
非巡回型フィルタとを並列に接続して、それぞれの出力
が最小となるように、縦続接続の最後尾の2次非巡回型
フィルタの係数を更新する構成とすることができる。又
高次非巡回型フィルタと未知の信号伝達系とを並列に接
続し、信号伝達系の入力信号を参照信号として高次非巡
回型フィルタに入力し、その出力と信号伝達系の出力と
の差が最小となるように、高次非巡回型フィルタの係数
を算定することができる。又正弦波或いは余弦波の標本
値を格納したメモリを設けることができる。この場合、
1/4周期分の標本値を格納してメモリ容量を削減する
こともできる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の分析
装置の説明図であり、未知の共振系(未知の信号伝達
系)10の出力を接続した非巡回型フィルタ(高次非巡
回型フィルタ)11と、縦続接続した2次の非巡回型フ
ィルタ14−1〜14−kとを含み、未知の共振系10
と逆の周波数特性を有するように非巡回型フィルタ11
の係数を修正し、この非巡回型フィルタ11の係数から
未知の共振系10とは逆のスペクトル包絡を求めて、そ
の未知の共振系10を構成する2次共振系の個数と共振
周波数とを特定する共振周波数算定回路12と、この共
振周波数算定回路12で算出された2次共振系の個数分
だけ用意した2次の非巡回型フィルタ14−1〜14−
kの最後尾に接続された非巡回型フィルタのみに対し
て、反共振周波数を規定するパラメータとして、先に取
り出された共振周波数を2次の非巡回型フィルタ係数に
変換する係数換算回路13とを備え、縦続接続した2次
非巡回型フィルタの特性を逆にした2次の巡回型フィル
タの縦続接続により、未知の共振系10を同定するもの
である。
【0018】前述の未知の共振系10に接続した非巡回
型フィルタ11の係数更新は、その出力が最小となるよ
うに学習同定法等の適応アルゴリズムを用いて実行す
る。更に、縦続接続して未知の共振系10に接続した2
次の非巡回型フィルタ14−1〜14−kの係数更新
は、最後尾の非巡回型フィルタ14−kについてだけ、
学習同定法等の適応アルゴリズムを用いて行い、その係
数が収束した後に、残る未算定の2次の非巡回型フィル
タを一つずつ最後尾に接続した状態として、同様な係数
更新を実行する処理を繰り返す。総ての2次の非巡回型
フィルタの係数算定が終了した時、算定された2次非巡
回型フィルタの特性を逆にした2次巡回型フィルタの縦
続接続により、未知の共振系10を同定することができ
る。
【0019】未知の共振系10の伝達関数を(3)式と
仮定し、2次の非巡回型フィルタの縦続接続を(4)式
とし、未知の共振系10を1/G(z)とする。
【数2】
【0020】この同定は、線形予測法に従って、未知の
共振系H(z)の出力に、2次の非巡回型フィルタの縦
続接続G(z)を接続し、その出力が最小となるよう
に、例えば、学習同定法を用いて係数α1 〜αI と、係
数β1 〜βI とを調整する(未知の共振系H(z)が1
/G(z)となる2次の巡回型フィルタの縦続接続に分
解される)。しかし、実際には、I≧2である時に、係
数α1 〜αI と、係数β 1 〜βI とを、同時には算定す
ることはできない。
【0021】そこで、本発明に於いては、先ず、未知の
共振系10の出力にタップ数がM≧Iの非巡回型フィル
タ A(z)=1−a1 -1−a2 -2 ・・・ −aM -M …(5) を接続し、この非巡回型フィルタの出力が最小となるよ
うに係数a1 〜aM を、例えば、学習同定法を用いて更
新する。未知の共振系の出力に接続する非巡回型フィル
タを、(5)式として表すことができる場合は、その係
数a1 〜aM を同時に算定することができる。ここで、
タップ数をM≧Iとしているのは、未知の共振系H
(z)の次数Iが一般に不明である為である。
【0022】次数Iが未知の共振系H(z)のスペクト
ル包絡をM≧Iとする時に限り、その係数の収束後、非
巡回型フィルタA(z)は、未知の共振系H(z)とほ
ぼ逆のスペクトル包絡を与える。但し、前述の説明は、
未知の共振系H(z)に入力する信号が利用できる場合
を想定したもので、その入力信号が非巡回型フィルタA
(z)の係数更新に参照信号として利用できる場合は、
その非巡回型フィルタA(z)を未知の共振系H(z)
と並列に接続し、非巡回型フィルタA(z)に参照信号
を入力した時の出力と、未知の共振系H(z)の出力と
の差が最小となるように更新する通常のシステム同定法
を利用することができる。
【0023】即ち、未知の共振系H(z)の共振周波数
1 〜fI は、前述のようにして求めたA(z)のスペ
クトル包絡が極小となる周波数(非巡回型フィルタA
(z)の反共振周波数)として得られる。そして、2次
の巡回型フィルタの係数を構成する二つのパラメータγ
i とcosθi との中の一つ θi =2πfi /T …(6) は、極小点から計算することができる。
【0024】この極小点の算出法には、次の二つの方法
がある。その一つは、別に用意した白色雑音を非巡回型
フィルタ11に入力し、その出力をフーリエ変換し、そ
の変換値が極小となる周波数として算出する方法であ
る。又他の一つは、(5)式に(7)式を代入して得ら
れる(8)式により、|A(f)|2 を計算する方法で
ある。
【数3】
【0025】この場合、(8)式は三角関数を含むか
ら、先ず、1周期分の正弦波或いは余弦波を、必要とす
る周波数間隔Δ(共振周波数の抽出精度)で予め計算し
て標本値としてメモリに格納しおき、例えば、そのm倍
の周波数による計算が必要な時には、m個おきに繰り返
し読出すことになる。又正弦波をメモリに格納した時
は、余弦波は、その1/4周期ずらして読出すことによ
って得ることもできる。又1周期分の正弦波或いは余弦
波は、その対称性を利用することにより、1/4周期分
を格納することで、所望の周波数の正弦波或いは余弦波
を読出すことができる。この場合、正弦波或いは余弦波
の標本値を格納するメモリの容量を1/4に削減するこ
とができる。なお、図1に於いては、このメモリは図示
を省略している。
【0026】前述の何れかの方法により未知の共振系の
スペクトル包絡が極小となる周波数fi を求めた後、パ
ラメータ cosβi =cos2πfi T …(9) を計算する。この場合も、前述の1周期分の正弦波或い
は余弦波を格納したメモリから読出すことによって、容
易に計算することができる。
【0027】又残るパラメータα1 〜αI は順次一つず
つ算定する。先ず始めに算定すると決めた一つの2次の
非巡回型フィルタを縦続接続の最後尾に接続して(1
0)式として表し、残りの他の2次の非巡回型フィルタ
は、それぞれ係数γi =1として、(11)式とし、縦
続接続した2次の非巡回型フィルタを未知の共振系10
の出力に接続する。
【数4】
【0028】そして、2次の非巡回型フィルタの最後尾
の出力が最小となるように、例えば、学習同定法を用い
て(10)式に於ける係数Kを更新する。それにより、
未知の共振系のβk 以外の出力は、(11)式による非
巡回型フィルタによって抑えられることにより、係数K
はγi 2 に漸近し、求める一つの2次の共振系が分離抽
出される。
【0029】このように算定された2次の非巡回型フィ
ルタと、残る未算定の非巡回型フィルタとの接続順序を
入れ替えて、最後尾になるように接続した2次の非巡回
型フィルタについて同様な係数更新を繰り返すことによ
り、未知の共振系は、2次の非巡回型フィルタに順次分
解される。
【0030】このように一つずつ2次の非巡回型フィル
タを分離する際に、未分離のフィルタの係数を、(1
1)式のようにγi =1と近似している。これは、係数
Kの算定精度を低下させることになるが、2次の非巡回
型フィルタの係数が総て算定された後に、その算定した
係数を用いて、改めて係数の更新を繰り返すことによっ
て、算定精度を向上することができる。
【0031】又最後尾に接続した2次の非巡回型フィル
タを、 Gk (z)=1−2K1 -1+K2 -2 …(12) と設定し、この係数K1 ,K2 について同時に更新する
構成とすることも可能である。この場合、(10)式に
於ける平方根の計算が不要となり、スペクトル包絡の極
小点から得た共振周波数fi の算定に誤差があっても、
ここで修正される利点がある。
【0032】又未知の共振系H(z)は、非巡回型フィ
ルタA(z)によって、 H(z)≒1/A(z) …(13) と推定されている点に注目し、この非巡回型フィルタA
(z)を(14)式によって表すことができる。
【数5】
【0033】この時、2次の非巡回型フィルタの縦続接
続G(z)の同定は、未知の共振系H(z)に代えて、
非巡回型フィルタA(z)を未知の反共振系としても可
能であることが判る。即ち、(15)式に示す2次の非
巡回型フィルタの縦続接続G(z)を非巡回型フィルタ
A(z)に並列接続し、参照信号として白色雑音を入力
し、(16)式に示す最終段の2次の非巡回型フィルタ
の係数を、非巡回型フィルタA(z)と2次非巡回型フ
ィルタGI (z)との出力の差が最小となるように更新
すれば、前述と同様の効果が得られる。
【数6】
【0034】図2は本発明の実施の形態のフローチャー
トを示し、非巡回型フィルタ11〔A(z)〕の出力が
最小となるように係数を算定し(A1)、その係数から
未知の共振系10とは逆になるスペクトル包絡を計算し
(A2)、そのスペクトル包絡から極大点を選定する
(A3)。そして、パラメータγi ,cosθi の後者
のcosθi を計算する(A4)。
【0035】そして、2次非巡回型フィルタの中の最後
尾以外のフィルタに対してγi =1を与え(A5)、最
後尾の2次非巡回型フィルタの係数を更新する(A
6)。そして、未算定の2次非巡回型フィルタを最後尾
に移して(A7)、ステップ(A6)に移行する。これ
を繰り返すことにより、2次非巡回型フィルタの係数算
定が終了すると、その2次巡回型フィルタの特性を逆に
した2次巡回型フィルタの縦続接続が未知の共振系10
〔H(z)〕を示すものとなる。
【0036】例えば、未知の共振系10を、f1 =80
0Hz、f2 =1600Hz、f3=2400Hz、f
4 =3200Hz、γ1 =γ2 =γ3 =γ4 =0.95
とした2次共振系の縦続接続と仮定した時、共振周波数
を算定する為に、適応アルゴリズムとして学習同定法を
用い、M=2I=8とした非巡回型フィルタ11(図1
参照)の係数を更新する。
【0037】図3は非巡回型フィルタ(M=8)の周波
数特性説明図であり、前述の条件により係数更新を行っ
た結果として、収束した後の係数から(8)式を用いて
計算し、横軸を周波数〔kHz〕、縦軸を正規化パワー
として示てスペクトル包絡を示す。このスペクトル包絡
の極小点は、前述の未知の共振系H(z)の共振周波数
1 〜f4 にほぼ一致していることが判る。この極小点
からcosθi を容易に算定することができる。
【0038】図4は非巡回型フィルタ(M=16)の周
波数特性説明図であり、未知の共振系の次数が不明の場
合、2次の共振系の個数を正しく得る必要から非巡回型
フィルタ11(図1参照)の次数を十分に大きくした場
合のスペクトル包絡を示し、図3に於けるM=8に対し
て、図4に於いては、M=16とした場合である。即
ち、M=8とした図3に示すスペクトル包絡と比較する
と、形状が変化しているが、共振周波数はほぼ同一とな
る。なお、この場合の共振周波数の誤差は、最後尾にお
いて算定する2次の非巡回型フィルタを、(12)式の
ように設定することによって修正することができる。こ
のように、未知の共振系H(z)の次数が不明であって
も、非巡回型フィルタA(z)の次数Mを十分に大きく
とることにより、2次の共振系の個数及び共振周波数を
推定することができる。
【0039】図5はG4 (z)の係数推定シミュレーシ
ョン結果の説明図であり、共振周波数がf1 =800H
z、f2 =1600Hz、f3 =2400Hz、f4
3200Hzとして得られたと仮定し、共振周波数f4
=3200kHzのG4 (z)=1−2α4 cosβ4
+α4 2 -2を最後尾に接続して、係数α4 だけを更新
して算定したシミュレーションの結果を示す。但し、2
次の共振系の帯域幅を規定する係数γ1 は、γ1 =γ2
=γ3 =γ4 =0.9とした。又G1 (z),G
2 (z),G3 (z)の係数α1 ,α2 ,α3 は不明で
あるから、α1 =α2=α3 =1.0と与えて、G
1 (z)の前に接続し、H1 (z),H2 (z),H3
(z)の影響を抑えている。この図5から判るように、
2α4 cosβ4 とα4 2 とが算定されている。
【0040】図6はG4 (z)の係数推定シミュレーシ
ョン結果の説明図であり、最後尾に接続したG4 (z)
を、(12)式のように与えて、K1 =α4 cosβ4
と、K2 =α4 2 を同時に更新して推定した結果を示
す。この場合は、平方根の計算が必要でなくなり、推定
した共振周波数にずれがあっても、この時点で修正され
る利点がある。
【0041】図7はG1 (z)の係数推定シミュレーシ
ョン結果の説明図であり、G4 (z)から順に、G
3 (z),G2 (z)と抽出した後、残るG1 (z)を
最後尾に接続してcosβ1 を固定し、係数α1 の算定
結果を利用し、2α1 cosβ1とおいて算定したシミ
ュレーション結果を示す。
【0042】図8はG1 (z)の係数推定シミュレーシ
ョン結果の説明図であり、(12)式に従ってα1 co
sβ1 も未知係数として、係数α1 2 と同時に推定した
結果を示す。
【0043】図9はG4 (z)の係数再推定シミュレー
ション結果の説明図であり、G4 (z)から順にG
3 (z),G2 (z),G1 (z)を求めて、その結果
を用いて再度G4 (z)の係数を更新した場合を示す。
但し、α4 cosβ4 も同時に未知係数として係数α4
2 と同時に推定する方法を適用している。この場合、図
5と比較すれば明らかなように、誤差が少なくなり、推
定精度の向上を図ることができる。
【0044】本発明は、前述の実施の形態にのみ限定さ
れるものではなく、信号伝達系としては、音声のみでな
く、各種の共振系を含む場合の分析にも適用可能であ
り、又図1に示す各部の機能は、プロセッサの演算機能
等によって容易に実現することもできる。又分析結果
は、ディスプレイに表示、或いはプリンタによって印字
出力することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、特性が
未知の信号伝達系を2次の巡回型フィルタの縦続接続に
より同定する分析方法及び分析装置であって、未知の信
号伝達系(未知の共振系10)の出力を高次非巡回型フ
ィルタ(非巡回型フィルタ11)に接続して、その出力
が最小となるような係数を設定して、その周波数特性を
求め、この周波数特性の反共振周波数とその個数とに対
応した2次の非巡回型フィルタ14−1〜14−kを縦
続接続して、未知の信号伝達系の出力に接続し、縦続接
続の最後尾の2次の非巡回型フィルタの2次係数を算定
し、この2次係数を基に1次係数を基に修正する処理を
繰り返し、2次の非巡回型フィルタ14−1〜14−k
の特性を逆にした2次の巡回型フィルタの縦続接続によ
り、未知の信号伝達系を同定するもので、未知の信号伝
達系を、2次の巡回型フィルタの縦続接続に分解して分
析できることになり、演算量の削減及び動作の安定性を
図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の分析装置の説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態のフローチャートである。
【図3】非巡回型フィルタ(M=8)の周波数特性説明
図である。
【図4】非巡回型フィルタ(M=16)の周波数特性説
明図である。
【図5】G4 (z)の係数推定シミュレーション結果の
説明図である。
【図6】G4 (z)の係数推定シミュレーション結果の
説明図である。
【図7】G1 (z)の係数推定シミュレーション結果の
説明図である。
【図8】G1 (z)の係数推定シミュレーション結果の
説明図である。
【図9】G4 (z)の係数再推定シミュレーション結果
の説明図である。
【図10】従来例の分析装置の説明図である。
【符号の説明】
10 未知の共振系 11 非巡回型フィルタ 12 共振周波数算定回路 13 係数換算回路 14−1〜14−k 2次非巡回型フィルタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特性が未知の信号伝達系を2次の巡回型
    フィルタの従続接続により同定する分析方法に於いて、 高次非巡回型フィルタを前記信号伝達系の出力に接続
    し、該高次非巡回型フィルタの出力信号が最小となるよ
    うに該高次非巡回型フィルタの係数を修正して、該高次
    非巡回型フィルタの周波数特性を求め、 該周波数特性の反共振周波数と該反共振周波数の個数と
    を求め、該個数に対応した2次の非巡回型フィルタを縦
    続接続して前記信号伝達系の出力に接続し、 該縦続接続の最後尾の非巡回型フィルタの2次係数を算
    定し、該2次係数を基に1次係数を修正する処理を繰り
    返し、 得られた前記2次の非巡回型フィルタの特性を逆にした
    2次の巡回型フィルタの縦続接続により前記未知の信号
    伝達系を同定する過程を含むことを特徴とする巡回型フ
    ィルタによる分析方法。
  2. 【請求項2】 前記最後尾に接続した2次非巡回型フィ
    ルタの係数更新に於いて、1次係数と2次係数とを同時
    に更新する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の
    巡回型フィルタによる分析方法。
  3. 【請求項3】 前記高次非巡回型フィルタと前記縦続接
    続の2次非巡回型フィルタとを並列に接続し、該高次非
    巡回型フィルタと該縦続接続の2次非巡回型フィルタと
    の出力が最小となるように、該縦続接続の2次非巡回型
    フィルタの最後尾の2次非巡回型フィルタの係数を更新
    する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の巡回型
    フィルタによる分析方法。
  4. 【請求項4】 前記高次非巡回型フィルタと前記信号伝
    達系とを並列に接続し、該信号伝達系の入力信号を参照
    信号として、前記高次非巡回型フィルタと前記信号伝達
    系との出力の差が最小となるように前記高次非巡回型フ
    ィルタの係数を算定する過程を含むことを特徴とする請
    求項1記載の巡回型フィルタによる分析方法。
  5. 【請求項5】 前記縦続接続した2次非巡回フィルタの
    係数更新を終了した後に、得られた係数を用いて繰り返
    し係数更新処理を行う過程を含むことを特徴とする請求
    項1乃至4の何れ1項記載の巡回型フィルタによる分析
    方法。
  6. 【請求項6】 前記高次非巡回型フィルタの周波数特性
    を、白色雑音を印加した時の該高次非巡回型フィルタの
    出力をフーリエ変換し、該フーリエ変換出力の極小値を
    基に求める過程を含むことを特徴とする請求項1乃至5
    の何れか1項記載の巡回型フィルタによる分析方法。
  7. 【請求項7】 前記高次非巡回型フィルタの周波数特性
    を、正弦波或いは余弦波の標本値を格納したメモリか
    ら、求める周波数に対応して読出した値を、該高次非巡
    回型フィルタに入力して求める過程を含むことを特徴と
    する請求項1乃至5の何れか1項記載の巡回型フィルタ
    による分析方法。
  8. 【請求項8】 特性が未知の信号伝達系を2次の巡回型
    フィルタの従続接続により同定する巡回型フィルタによ
    る分析装置に於いて、 前記信号伝達系に接続して出力が最小となるように係数
    を修正する高次非巡回型フィルタと、 該高次非巡回型フィルタの係数から前記未知の信号伝達
    系とは逆のスペクトル包絡を求めて、共振周波数と該共
    振周波数の個数とを求める共振周波数算定回路と、 該共振周波数算定回路により求めた前記共振周波数の個
    数に対応した個数の縦続接続して前記未知の信号伝達系
    に接続した2次非巡回型フィルタと、 前記共振周波数算定回路により求めた共振周波数を基
    に、前記縦続接続した2次非巡回型フィルタの最後尾に
    接続した2次非巡回フィルタに対してのみ係数の換算を
    行い、且つ係数未算定の前記2次非巡回フィルタを順次
    最後尾に接続して係数の算定を行う係数換算回路とを備
    え、 前記縦続接続した2次非巡回型フィルタの特性を逆にし
    た2次の巡回型フィルタの縦続接続により前記信号伝達
    系を同定する構成を有することを特徴とする分析装置。
  9. 【請求項9】 前記縦続接続の2次非巡回型フィルタと
    前記高次非巡回型フィルタとを並列に接続し、前記縦続
    接続の2次非巡回型フィルタと前記高次非巡回型フィル
    タとの出力が最小となるように、前記縦続接続の最後尾
    の2次非巡回型フィルタの係数を更新する構成を備えた
    ことを特徴とする請求項8記載の分析装置。
  10. 【請求項10】 前記高次非巡回型フィルタと前記信号
    伝達系とを並列に接続し、該信号伝達系の入力信号を参
    照信号として、前記高次非巡回型フィルタと前記信号伝
    達系との出力信号の差が最小となるように、前記高次非
    巡回型フィルタの係数を算定する構成を備えたことを特
    徴とする請求項8記載の分析装置。
  11. 【請求項11】 前記高次非巡回型フィルタの周波数特
    性の算出時に入力する正弦波或いは余弦波の標本値を格
    納したメモリを備えたことを特徴とする請求項8乃至1
    0の何れか1項記載の分析装置。
JP10044898A 1998-02-26 1998-02-26 巡回型フィルタによる分析方法及び分析装置 Withdrawn JPH11242018A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003166979A (ja) * 2001-11-30 2003-06-13 Koden Electronics Co Ltd 固体内部の振動検査装置
JP2003185644A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Koden Electronics Co Ltd 固体内部の振動検査装置

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JP2003166979A (ja) * 2001-11-30 2003-06-13 Koden Electronics Co Ltd 固体内部の振動検査装置
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