JPH11241107A - 金属超微粒子及びその製法 - Google Patents

金属超微粒子及びその製法

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JPH11241107A
JPH11241107A JP31990498A JP31990498A JPH11241107A JP H11241107 A JPH11241107 A JP H11241107A JP 31990498 A JP31990498 A JP 31990498A JP 31990498 A JP31990498 A JP 31990498A JP H11241107 A JPH11241107 A JP H11241107A
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particles
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JP31990498A
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Shizuko Sato
志津子 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多方面の研究や産業分野への応用が可能な、
純粋で、かつ均一な大きさの粉末状の金属超微粒子およ
び複合金属超微粒子、さらに、金属超微粒子および複合
金属超微粒子が内部や表面に存在する無機および高分子
材料を提供することを課題とする。 【解決手段】 溶液(溶媒は水および有機化合物)中
で、または無機および高分子マトリックス中および表面
で、遷移金属イオンとエチレン基及び又はアセチレン基
をもつ有機化合物、例えばアセチレングリコール系非イ
オン性界面活性剤とを反応させることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の技術分野で
の応用が可能な金属超微粒子及び該金属超微粒子の製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一つ一つの粒子が非常に小さいナノメー
ターサイズの超微粒子は、表面積増加や量子効果によ
り、我々が、日常的に経験することのない特異な物理的
現象を示すことから、新素材の1つとして非常に注目さ
れている。特に、遷移金属原子や遷移金属酸化物分子の
集合体からなる金属又は金属酸化物超微粒子は、電気伝
導性、熱伝導性、などの金属としての性質を有する他
に、光の非線形性、触媒効果、消毒や殺菌作用、などを
有することから、電子材料、光学材料、セラミックス
(窯業)、触媒、医療、食品分野、などに広く応用され
ている。また、2種類以上の 遷移金属原子や遷移金属
酸化物分子の集合体からなり、合金をつくる複合金属又
は複合金属酸化物超微粒子は、個々の金属超微粒子の性
質を強調して示すのみならず、全く新しい物理的現象を
生み出すとともに、電気、磁気および光学関係に非常に
微小なデバイスを提供することが期待されている。
【0003】金属超微粒子を、電子工業、化学工業、窯
業、医療、食品分野、など多方面の技術分野への応用を
考えると、混じり物がほとんどない純粋、かつ、均一の
粒径の金属超微粒子であることが要求される。
【0004】従来の金属超微粒子、あるいは複合金属酸
化物超微粒子(2種類以上の遷移金属原子や遷移金属酸
化物分子の集合体からなり、合金をつくる複合金属、又
は複合金属酸化物超微粒子)(本明細書では、これらを
一括して「金属超微粒子」と称する)の製法としては、
(1) 固体状の金属、または金属酸化物を物理的に粉砕
する方法、(2) 金属イオンを金属原子に還元後、また
は金属酸化物分子に酸化後、凝集させる方法、の二つの
方法がある。
【0005】(1)は、大がかりで特別な装置を用い、莫
大な費用を必要とする。(2)は、金属超微粒子及び複合
金属超微粒子が水中に分散した状態のもの(通常「金属
コロイド」といわれる)が得られるが、水中で、金属コ
ロイドを凝集や沈殿現象を起こさせずに、長時間安定に
維持するためには、金属超微粒子の濃度を希薄にし、か
つ、蛋白質、高分子、などの適当な保護剤を溶液中に添
加しなくてはならないこと、金属コロイドの媒体は水
で、蛋白、高分子等の物質が添加されているため、金属
コロイド溶液の濃縮や粉末化は、非常に難しく不可能に
近い、などの問題点がある。さらに、金属超微粒子のう
ち、複合金属超微粒子を製造する場合は、従来法では、
段階的であり、途中で加熱する必要があり、凝集、沈殿
を生じ易いなどほとんど不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、電子工業、化学工業、窯業、医療、食品分野、など
多方面の産業分野への応用が可能な、純粋で、かつ、均
一な大きさの粉末状の金属超微粒子を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、有機溶媒中で、遷
移金属イオンと、エチレン基、或いはアセチレン基を有
する非イオン性界面活性剤とを反応させると、遷移金属
イオンと非イオン性界面活性剤とが反応して錯体を形成
した後、還元、又は酸化されて、金属原子、又は金属酸
化物分子になり、これらが会合して金属超微粒子を形成
すること、また、遷移金属イオンと非イオン性界面活性
剤との反応を、マトリックス中で行わせることにより、
金属超微粒子をマトリックス中で均一に、または偏向さ
せて分散させることが可能であること、あるいは、溶液
中、マトリックス中、又はマトリックスの表面で、共存
する種々の遷移金属イオンが非イオン性界面活性剤と錯
体を形成することから、種々の金属原子が混在する構造
や、秩序だった層状の構造を示す複合金属超微粒子を形
成させることが可能であることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は、(1)溶液(溶媒は
水および有機化合物)中で、少なくとも1種類、又は2
種類以上の遷移金属イオンと、エチレン基及び/又はア
セチレン基を有する非イオン性界面活性剤とを反応させ
ることを特徴とする金属超微粒子の製法、(2)反応が
マトリックス中及び/又は該マトリックス表面で行われ
ることにより得られる(1)の金属超微粒子の製法、
(3)マトリックスがポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリビニールアルコール、ポリビ
ニルクロライド、フッ素樹脂、セルロース系高分子、ポ
リ塩化ビニリデン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミ
ド、イオン交換樹脂(Nafion)、天然高分子のアルギン
酸塩、ヒアルロン酸塩、寒天、及びゼラチンからなる群
より選ばれたものを原料として作製された高分子マトリ
ックスである(2)の金属超微粒子の製法、(4)マト
リックスがシリカ(石英)、ニューガラス、ガラス、ポ
ーラスガラスビーズ、セラミックス、ゼオライト、半導
体、陶器、及び粘土からなる群より選ばれたものを原料
として作製された無機マトリックスである(2)の金属
超微粒子の製法、(5)遷移金属イオンがスカンジウム
族元素(Sc, Y, La Ac)、チタン族元素(Ti,Zr, Hf)、バ
ナジウム族元素(V, Nb,Ta)、クロム族元素(Cr, Mo,
W)、マンガン族元素(Mn, Tc, Re)、鉄族元素(Fe, Ru,O
s)、コバルト族元素(Co, Rh, Ir)、ニッケル族元素(Ni,
Pd, Pt)、及び銅族元素(Cu,Ag, Au)からなる群より選
ばれた(1)の金属超微粒子の製法、(6)非イオン性
界面活性剤がアセチレングリコール系非イオン性界面活
性剤である(1)の金属超微粒子の製法、(7)アセチ
レングリコール系非イオン性界面活性剤がα,α’-[2.
4.7.9-テトラメチル-5-ウンデセン-4.7-ディール]ビス
[ω-ハイドロキシ-ポリオキシエチレン]である(6)の
金属超微粒子の製法、(8)溶液(溶媒は水および有機
化合物)中で、少なくとも1種類、又は2種類以上の遷
移金属イオンと、エチレン基及び/又はアセチレン基を
有する非イオン性界面活性剤とを反応させることにより
得られる金属超微粒子、(9)反応がマトリックス中及
び/又は該マトリックス表面で行われることにより得ら
れる(8)の金属超微粒子、(10)マトリックスがポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
ビニールアルコール、ポリビニルクロライド、フッ素樹
脂、セルロース系高分子、ポリ塩化ビニリデン、芳香族
ポリアミド、芳香族ポリイミド、イオン交換樹脂(Nafio
n)、天然高分子のアルギン酸塩、ヒアルロン酸塩、寒
天、及びゼラチンからなる群より選ばれたものを原料と
して作製された高分子マトリックスである(9)の金属
超微粒子、(11)マトリックスがシリカ(石英)、ニュ
ーガラス、ガラス、ポーラスガラスビーズ、セラミック
ス、ゼオライト、半導体、陶器、及び粘土からなる群よ
り選ばれたものを原料として作製された無機マトリック
スである(9)の金属超微粒子、(12)遷移金属イオン
がスカンジウム族元素(Sc, Y, La Ac)、チタン族元素(T
i,Zr, Hf)、バナジウム族元素(V, Nb,Ta)、クロム族元
素(Cr, Mo, W)、マンガン族元素(Mn, Tc, Re)、鉄族元
素(Fe, Ru,Os)、コバルト族元素(Co, Rh, Ir)、ニッケ
ル族元素(Ni, Pd, Pt)、及び銅族元素(Cu,Ag, Au)から
なる群より選ばれた(8)の金属超微粒子、(13)非イ
オン性界面活性剤がアセチレングリコール系非イオン性
界面活性剤である(8)の金属超微粒子、(14)アセチ
レングリコール系非イオン性界面活性剤がα,α’-[2.
4.7.9-テトラメチル-5-ウンデセン-4.7-ディール]ビス
[ω-ハイドロキシ-ポリオキシエチレン]である(13)の
金属超微粒子、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】金属超微粒子形成の要因が、遷移
金属イオンとエチレンまたはアセチレン基との反応によ
る錯体形成であることから、錯体を形成する遷移金属イ
オンが2種類以上共存する場合でも金属イオンは金属原
子に還元され、その結果、種々の金属原子が混在する複
合金属超微粒子や、秩序だった層状の構造を示す複合金
属超微粒子が形成される。
【0010】エチレン基やアセチレン基を含む非イオン
性界面活性剤の濃度は、遷移金属イオンの濃度に比べ30
倍以上であり、そのオキシエチレン鎖は超微粒子の凝集
を防ぐ保護剤として金属超微粒子の周辺に存在している
ことから、溶液中や高分子マトリックスの内部や表面で
第一の金属超微粒子が形成された後、第二の遷移金属イ
オンを添加すれば、新たに第二の金属超微粒子が出来る
ばかりでなく、第一の金属超微粒子の表面に第二の金属
原子の層が形成される。順次、第三、第四の遷移金属イ
オンを添加すれば第三、第四の金属原子の層が形成さ
れ、層状構造を有する複合金属超微粒子が形成される。
【0011】溶液(溶媒は水および有機化合物)中で、
遷移元素イオンと、エチレン基やアセチレン基を含む非
イオン性界面活性剤とが共存した場合の金属超微粒子の
形成には、エチレン基やアセチレン基が、重要な役割を
果たしている。特に、分子内にアセチレン基とオキシエ
チレン鎖の両方をもつアセチレングリコール系非イオン
性界面活性剤は、より少ない成分で金属超微粒子を形成
することが出来るという点において、非常に有用であ
る。媒体が有機溶媒でも金属超微粒子が形成され、成分
の数が2(金属イオンと界面活性剤の2成分)というこ
とは、濃厚な金属超微粒子、さらには、粉末化がしにく
い等の問題で今まで不可能と考えられていた粉末状の金
属超微粒子の製造を可能にした。
【0012】上記2成分から金属超微粒子ができるとい
うことは、種々のマトリックス中あるいはその表面で
も、金属超微粒子が形成され、マトリックスを用いた製
法でも、粉末状の金属超微粒子の製造を可能にした。す
なわち、1)高分子材料中に、あらかじめ、本発明の方
法で作製した金属超微粒子を添加した後、高分子マトリ
ックスを作り、成形する。この場合、高分子マトリック
ス中の金属超微粒子の量は添加量で調節する。金属超微
粒子は、高分子マトリックス中に均一に分散している。
2)また、あらかじめ作製された高分子マトリックス中
で金属超微粒子を形成させることも出来る。金属超微粒
子の粒径を制御するのは、形成温度、濃度、マトリック
スの網目の大きさ、などである。この場合は、高分子マ
トリックス中での金属超微粒子の分布を変えることが可
能で、これは、本発明の主な特徴の1つでもある。以上
二つの方法で金属超微粒子が分散した高分子マトリック
スを作製後、高分子を除けば、粉末状の金属超微粒子が
得られる。
【0013】すでに成形されたシリカ、ガラス等の無機
質や高分子膜の中で形成された金属超微粒子は、そのま
ま膜中に留まり、洗浄、乾燥などにより、膜から出てく
ることはない。しかし、電場の中に、金属超微粒子が分
散している無機質や高分子膜を放置したとき、膜中での
金属超微粒子の分散状態は、電場の大きさと方向に影響
される。これは、金属超微粒子が電荷を持っているから
と考えられる。原料の遷移金属イオンの対イオンが遷移
金属原子集合体の周囲に存在するからで、金属超微粒子
の電荷は、対イオンの電荷と同じで、その値は、金属超
微粒子の界面動電位測定により定量化できる。したがっ
て、無機や高分子膜中において、金属超微粒子は、電場
によりイオン伝導し、膜中での金属超微粒子の分布は制
御され、軽量化されたペーパー電池やコンデンサー、な
どへの応用が可能となる。
【0014】本発明に用いられる遷移金属イオンは、全
遷移金属元素を対象とする。すなわち、スカンジウム族
元素(Sc, Y, La Ac)、チタン族元素(Ti, Zr, Hf)、バナ
ジウム族元素(V, Nb,Ta)、クロム族元素(Cr, Mo, W)、
マンガン族元素(Mn, Tc, Re)、鉄族元素(Fe, Ru,Os)、
コバルト族元素(Co, Rh, Ir)、ニッケル族元素(Ni, Pd,
Pt)、及び銅族元素(Cu,Ag, Au)が本発明に包含され
る。
【0015】エチレン基及び/又はアセチレン基を含む
非イオン性界面活性剤としては、分子内にアセチレン基
と2個のオキシエチレン鎖を併せもつアセチレングリコ
ール系非イオン性界面活性剤は、遷移金属イオンの還元
剤または酸化剤として作用し、また、生成される金属コ
ロイドの保護剤としての作用をもつので、本発明に非常
に有用である。例えば、α,α’-[2.4.7.9-テトラメチ
ル-5-ウンデセン-4.7-ディール]ビス[ω-ハイドロキシ-
ポリオキシエチレン]は、本発明にとって特に好適であ
る。
【0016】金属超微粒子形成のマトリックスとして
は、遷移金属イオンとエチレン基やアセチレン基を含む
有機化合物分子が出会う場所を提供するものを選択す
る。したがって、遷移金属イオンとエチレン基やアセチ
レン基を含む有機化合物分子が網目の中を自由に移動す
ることが出来る、無機、或いは高分子マトリックスが利
用できる。
【0017】高分子マトリックスとしては、石英、ガラ
スやシリコン基板表面上に存在する極めて薄い膜、薄膜
(フィルム)、液体膜(ゲル膜)、膜、ゲル、繊維、中空繊
維、糸、布、不織布、紙などが挙げられる。その材料
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリビニールアルコール、ポリビニルクロライド、
フッ素樹脂、セルロース系高分子、ポリ塩化ビニリデ
ン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、イオン交換
樹脂(Nafionなど)、天然高分子のアルギン酸塩、ヒア
ルロン酸塩、寒天やゼラチン、などである。
【0018】無機マトリックスとしてシリカ(石英)、
ニューガラス、ガラス、ポーラスガラスビーズ、セラミ
ックス、ゼオライト、半導体、陶器、粘土などがある。
高分子マトリックの場合と同様、マトリックスを作製す
る前と後の両方において金属超微粒子をマトリックス中
に分散することが出来る。
【0019】このように製造した粉末状の金属超微粒子
を材料に添加したとき、ナノメーターサイズの金属超微
粒子が状態を変えることなく、または凝集、沈殿するこ
となく、材料中に均一に分散する。したがって、金属超
微粒子の粉末化は、金属超微粒子の適用可能な材料の種
類を増加させた。すなわち、新しい金属および金属酸化
物ペースト、半導体材料、生物または化学センサーとし
て、電気機器、電子、半導体産業におけるばかりでな
く、光産業、触媒、窯業、医療、食品などの技術分野へ
の応用範囲を拡大させた。また、超微粒子化により触媒
活性は高くなり、粉末化により環境を選ばなくなり、複
合化により同時に2種類以上の触媒反応に寄与すること
が可能となったことから、新しい触媒として、多くの有
機合成反応に応用することが出来る。
【0020】金超微粒子を内部に分散した石英ガラス
は、光スイッチのデバイスとして近年非常に注目を浴び
ている。このことは金以外の金属超微粒子に対しても言
え、非線形光学材料として今後期待される。
【0021】2種類以上の金属超微粒子が金属超微粒子
を核として同心円で層状構造を形成する複合金属超微粒
子は、ナノメーターサイズの非常に小さな電極、半導体
や化学センサーとして、また、その表面で金属超微粒子
が層状構造をつくるマトリックスも僅かに大きな電極や
半導体として期待されている。
【0022】銀や酸化チタンの消毒、殺菌作用は、超微
粒子化に付随する表面積増加により、増強される。さら
に、銀と酸化チタンの作用機序が異なるため、銀と酸化
チタン複合金属超微粒子はより幅の広い消毒、殺菌作用
を示すことが期待される。銀と酸化チタンの超微粒子
は、それぞれ淡黄褐色と無色なので、高分子シート、シ
ーツ、タオル、衣服、紙おむつ、などに添加しても違和
感がなく、病院などの医療現場に適用できる。また、銀
と酸化チタンの超微粒子は、少量で消毒、殺菌作用を発
揮するので、価格のことを心配することなく気軽に交換
することが出来る。したがって、環境を汚染することな
く床擦れや院内感染(MRSA)の予防が期待される。また、
身体に対する毒性は少ないので、手術の縫合糸に添加出
来る。
【0023】紙おむつなどの衛生材料は、医療現場ばか
りでなく、これからの高齢者社会を考えると、一般的に
必要とされ、大きな需要が見込まれる。すなわち、銀や
酸化チタン超微粒子を紙おむつに添加したり、銀や酸化
チタン超微粒子粉末を入れたパウダーは非常に有効とな
る。
【0024】また、銀や酸化チタンの消毒、殺菌作用
は、食品保存にも有効である。銀または酸化チタンの超
微粒子や銀と酸化チタン複合金属超微粒子をドープした
ラップで魚や野菜などを保存すると、長時間それらの鮮
度を保つことが出来る。
【0025】医学の分野では、金超微粒子が抗原抗体反
応のマーカーとして使用されている。金超微粒子のワイ
ンレッド色は一般的に好まれ、妊娠検査薬のマーカーと
して市販されている。また、免疫組織化学では、電子顕
微鏡観察において、染色処理を必要とせず、場所を特定
できることから、金超微粒子は非常に有効なプローブで
ある。かくして、このような抗原抗体反応のマーカーと
しての使用は金以外の他の金属超微粒子にも適用出来
る。
【0026】ラマン分光学の分野では、銀コロイドは表
面増強ラマン散乱測定のプローブとして注目を浴びてい
る。銀の表面プラズモンが関係するこの表面増強ラマン
散乱現象により、ラマン散乱強度が一万倍以上増強する
ので、試料溶液中に微量に存在する官能基の同定を容易
にする。表面プラズモン現象を生ずる金や銅などの他の
金属超微粒子も表面増強ラマン散乱測定の有力なプロー
ブとなる。
【0027】最近、免疫化学、生物化学の分野では、表
面プラズモン共鳴法を用いて、抗原抗体反応、DNA-DNA
などの分子間相互作用が盛んに研究されている。これ
は、金の表面プラズモン現象に基づいている。現在のと
ころ金表面としては、フィルム状の金(金箔)が使用さ
れているが、金超微粒子表面も表面プラズモン現象を生
ずるし、銀や銅などの他の金属超微粒子表面も表面プラ
ズモン現象を生ずる。将来、この表面プラズモン共鳴法
をさらに発展させる上で、金属超微粒子は、有力なプロ
ーブとなる可能性を持つている。
【0028】最近、金の表面とチオール(−SH)との
非常に高い親和性が脚光を浴びている。すなわち、チオ
ールで修飾した分子は金超微粒子表面と相互作用するこ
とにより可視化される。金超微粒子表面に吸着した分子
または金超微粒子を結合した分子の挙動は、光学顕微鏡
や共焦点レーザー顕微鏡下で観察出来、分光学的測定か
ら定量的に評価することが出来る。ここでは、金の表面
プラズモン現象が関与するため、小さな分子でも観察し
たり、光学密度の強度を測定することが出来る。また、
抗原と抗体の関係は関与せず、DNAのような大きな分子
も対象となることから、物理、化学、分光学の分野ばか
りでなく、生物学、免疫化学や遺伝学などの分野でも広
く適用出来る利点を持っている。さらに、金超微粒子ば
かりでなく銀や銅などの金属超微粒子も、将来、これら
の研究の有力なプローブとなる可能性を持っている。
【0029】金属超微粒子を内部に分散した高分子ゲル
やゲル膜は、金属超微粒子の性質を保ったまま大きさや
形を自由に変えることが出来、使用する場所を選ばない
特徴を持っている。色つきコンタクトレンズや度付きサ
ングラスなどにも適用出来る。
【0030】金超微粒子のワインンレッド色と銀超微粒
子の黄褐色は、それらの独特の光沢とともに人々を魅了
してきた。粉末化により、日常生活で使用する食器、衣
服、装飾品、サングラス、車のガラスや車体などの色付
けが非常に容易になる。
【0031】二酸化チタンを代表とする半導体超微粒子
の光触媒反応は、環境清浄化法の有力な技術として注目
されている。二酸化チタンを金属に坦持すると、その光
触媒反応は加速される。したがって、二酸化チタンの超
微粒子と他の金属超微粒子が共存したとき、光触媒反応
は加速され、環境清浄化に役立つと考えられる。また、
二酸化チタンの光反応で、活性酸素の1つであるヒドロ
キシラジカルが発生し、癌細胞に対する殺傷作用が発現
することから、効果的な癌の光治療が期待される。
【0032】銀は酸素分子に対して非常に親和性が高
い。したがって、銀超微粒子を分散した無機や高分子薄
膜は酸素などのガスセンサーとしての応用が期待され
る。
【0033】
【実施例】以下に 本発明の実施例を記載するが、本発
明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0034】[実施例1]過塩素酸銀トルエン溶液 (0.
1-20 mmol/kg, 2ml) とアセチレングリコール系非イオ
ン性界面活性剤であるα,α’-[2.4.7.9-テトラメチル-
5-ウンデセン-4.7-ディール]ビス[ω-ハイドロキシ-ポ
リオキシエチレン](サーフィノール465(以下S465と称
する)、AirProduct & Chemicals社製)のトルエン溶液
(0.02-1.5mol/kg, 2ml) を試験管中で等量混合し、室温
に放置した。1日後、混合液は黄褐色を呈し、そのUV
−VIS吸収スペクトルと透過型電子顕微鏡像(TEM
像)は銀コロイド形成を示した。図1に銀コロイドのTE
M像を示す。黒い丸点が銀超微粒子で、直径は約10 nmで
ある。
【0035】[実施例2]実施例1の銀コロイドのトル
エン溶液は室温で減圧下に放置することにより、濃縮さ
れ、茶褐色の銀超微粒子が沈殿した。この沈殿物を純粋
なトルエンで洗浄、乾燥を繰り返すと、粉末状の銀超微
粒子を得ることが出来た。
【0036】[実施例3]ポリビニールアルコール (PV
A)水溶液 (0.3-3 w/w%, 4ml) 、塩化金酸水溶液(0.2-20
mmol/kg, 2ml)とS465水溶液(0.01-2 mol/kg, 2ml) を
試験管中で混合し、室温に放置した。1週間後、混合液
はワインレッド色を呈し、金コロイド形成を示した。こ
の混合水溶液でキャスト膜を作って、金超微粒子分散PV
A薄膜を作製した。膜のUV-VIS吸収スペクトルと膜断面
の透過型電子顕微鏡像は金コロイド形成を示した。
【0037】[実施例4]実施例3のPVA水溶液の代わ
りにヒドロオキシプロピールセルロース(HPC)水溶
液(2-10 w/w%, 4ml)を用いても、金超微粒子分散HPC
薄膜を作製することが出来た。
【0038】[実施例5]5gのPVAを100℃でジメチル
スルホオキサイド(DMSO)と水の混合溶媒(重量比
が4対1)50 mlに溶解した後、室温まで自然放冷した。
この溶液に50 mM塩化金酸水溶液と1.5 M S465水溶液を
各 1ml 添加した。1日後、溶液の色はワインレッド色
を呈し、金コロイド形成を示した。次に、-10℃まで温
度を下げ、PVAのゲル化をすすめた。出来たPVAゲルはメ
タノールで洗浄し、水で膨潤し、金超微粒子分散PVAハ
イドロゲルを作製した。
【0039】[実施例6]中央に水に不溶なPVA薄膜、
その両側に塩化金酸水溶液(0.1-1 mmol/kg, 10 ml)とS4
65水溶液 (0.1-50 mmol/kg, 10ml)を配置して膜透過ガ
ラスセル装置を組み立て、室温に放置した。1日後、PV
A薄膜は薄いワインレッド色を呈し、膜のUV−VIS
吸収スペクトルは膜中での金コロイド形成を示した。2
つの水溶液は時々新しい水溶液に換え、そのまま実験を
継続した。 PVA薄膜のワインレッド色は時間とともに濃
くなり、膜断面のTEM像は金超微粒子の存在を示し、金
超微粒子分散PVA薄膜を作製することが出来た。この金
超微粒子分散PVA薄膜作製法は実施例3に比べ、PVA薄
膜、試料濃度、透過時間などを変えることにより、膜中
における金超微粒子の大きさや分布を目的に応じて調整
することが出来るという特徴を有する。図2、3、及び
4は、金超微粒子分散PVA薄膜断面のTEM像を示す。倍率
は同じである。2本の黒い線(黒い丸点が連なってい
て、時々切れているところもある)の間に黒い丸点が存
在している。2本の黒い線は膜表面で、その間が金超微
粒子分散PVA薄膜である。したがって、この距離が膜厚
に対応し、約10μmである。黒い丸点が金超微粒子で、
その直径は3 nmから20 nmで分布している。これら3種
類の膜を作製するときの試料濃度は塩化金酸水溶液(0.2
mmol/kg)とS465水溶液 (6 mmol/kg)であり、透過時間は
96時間。図2と3は、膜透過の方法により、膜中の金超
微粒子の量や分布が変わることを示す。図3と4は、PVA
薄膜の性質により、膜中の金超微粒子の量や大きさが変
わることを示す。また、図5に金超微粒子分散PVA薄膜
表面の走査電子顕微鏡像を示す。均一な大きさの金超微
粒子(白い丸点)が薄膜表面に存在する。
【0040】[実施例7]実施例6のPVA薄膜の代わり
に水に不溶なHPC薄膜を用いても、金超微粒子分散H
PC薄膜を作製することが出来た。
【0041】[実施例8]実施例6のPVA薄膜の代わり
にPVAハイドロゲル膜を用いても、金超微粒子分散PVAハ
イドロゲル膜を作製することが出来た。
【0042】[実施例9]実施例3と6で示した方法で
作製した金超微粒子分散PVA薄膜、実施例4と7で示し
た方法で作製した金超微粒子分散HPC薄膜、実施例5
と8で示した方法で作製した金超微粒子分散PVAハイ
ドロゲル膜にレーザー光を照射したとき、PVAまたはHPC
薄膜は加熱によりとけ、膜の状態は消失した。これをア
ルコールで何度も洗浄、乾燥を繰り返して粉末状の金超
微粒子を調製した。
【0043】[実施例10]四塩化ケイ素の中に実施例9
で製造した粉末状の金超微粒子をドープしスート法で合
成石英ガラスを作製した。
【0044】[実施例11]1Mテトラメトキシシラン、1
0M蒸留水、2.2Mメタノール、1M S465と0.74mMアンモニ
ア水を混合し、35℃の乾燥器の中に静置、8時間後、10
mM塩化金酸を添加し、48時間かけて温度を35℃から80
℃まで昇温した。ワインレッド色のゲルが出来た。これ
を室温から1050℃まで毎時20℃の割合で昇温し、1050℃
に達したのち、2時間放置すると、ワインレッド色のシ
リカガラス、すなわち、金超微粒子分散シリカガラスが
出来た。
【0045】[実施例12]実施例6で示したPVA薄膜の
代わりに多孔質ガラスを使用して、膜透過を行った。PV
A薄膜の場合と同様、ガラスはワインレッド色を呈し、
その断面のTEM像は、金超微粒子の存在を示し、金超微
粒子分散ガラスを作製することが出来た。
【0046】[実施例13]2mM塩化金酸、 2mM硝酸銀と5
0mM S465を混合し、60℃の恒温槽中に放置した。1時
間後、溶液は紫色を呈し、金と銀複合コロイド、すなわ
ち、金と銀からなる複合超微粒子を形成することが出来
た。図6に金と銀複合コロイドのUV-VIS吸収スペクトル
を示した。
【0047】[実施例14]実施例1で製造した銀超微粒
子のトルエン溶液をスリガラスの表面に何回の重ねて塗
布した。塗布により表面の電気抵抗は無限大からゼロに
変化した。
【0048】[実施例15]実施例9で調製した金超微粒
子の粉末 (0.1mg) とウシ血清アルブミン(BSA)1mgを
プロテインA水溶液 (0.1%, 20 ml) に添加した。混
合、放置後、遠心分離し、プロテインA-金コロイドを調
製した。これを免疫電子顕微鏡のプローブとして使用
し、抗原と結合した一次抗体を可視化した。図7にプロ
テインA-金コロイドのTEM像を示した。
【0049】[実施例16]実施例1と同じ条件で調製し
た金超微粒子のトルエン溶液 (100 ml) 中に酸化チタン
粉末 (100 mg) を添加し、よく混合した。その後このト
ルエン溶液を減圧下で放置し、金超微粒子担持酸化チタ
ンを調製した。金超微粒子担持酸化チタン(100 mg) を
ビーカーに入れ、二酸化炭素ガスのタンク (100ml)中に
放置した。白熱光を照射しつつタンク中の気体をガスク
ロマトグラフィーで測定したところ、ギ酸や酢酸が検出
され、光触媒による二酸化炭素の還元反応が認められ
た。
【0050】[実施例17]実施例9で調製した金超微粒
子の粉末 (0.1mg) を2.5mlの水溶液に均一に分散した。
ここにピリジン水溶液(0.1M, 0.1ml ) 添加し、ラマン
散乱を測定した。1000cm-1付近にピリジンの N と金と
の相互作用に起因する表面増強ラマン散乱が認められ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明により、従来不可能とされてい
た、純粋で、かつ均一な大きさの粉末状の金属超微粒子
を非常に簡単な方法で製造することが可能となった。本
発明は、金属超微粒子を非常に単純な系で形成するた
め、形成する条件、すなわち、場所(溶液、完成した高
分子や無機マトリックス、未完成の高分子や無機マトリ
ックス)や温度(10℃から100℃)、を選択せず、目的に
応じて変えることが出来る。また、2種類以上の遷移金
属イオンが同時に共存した状態で、金属超微粒子を製造
することが出来るし、製造した複数の金属超微粒子を混
合することも出来る(混合金属超微粒子)。さらに、1
つの遷移元素イオンで金属超微粒子を製造しつつ、別の
遷移金属イオンを段階的に共存させて、白金/銀/金と
いうような多層構造の金属超微粒子を製造することも出
来る。このような金属超微粒子は、ペースト、半導体や
化学センサーなどへの応用が期待される。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した銀コロイドの透過型電子顕
微鏡像(TEM像)を示す。
【図2】実施例6で作製した金超微粒子分散ポリビニー
ルアルコール薄膜(PVA薄膜)の断面図のTEM像を示す。
【図3】同じく実施例6で作製した金超微粒子分散ポリ
ビニールアルコール薄膜(PVA薄膜)の断面図のTEM像を
示す。
【図4】同じく実施例6で作製した金超微粒子分散ポリ
ビニールアルコール薄膜(PVA薄膜)の断面図のTEM像を
示す。
【図5】同じく実施例6で作製した金超微粒子分散ポリ
ビニールアルコール薄膜(PVA薄膜)の断面図のTEM像を
示す。
【図6】実施例13で作製した金と銀からなる複合金属超
微粒子のUV-VIS吸収スペクトルを示す(KAuCl4(2m
M)、AgNO3(2mM)およびS465(50mM)を用いて作製した金と
銀とからなる超微粒子(2.5ヶ月後)KAuCl4(1mM)および
S465(30mM)を用いて作製した金からなる超微粒子(4日
後)KAuCl4(2mM)、AgNO3(2mM)およびS465(75mM)を用い
て作製した金と銀とからなる超微粒子(2.5ヶ月後))。
【図7】実施例15で作製したプロテイン-金コロイドのT
EM像を示す。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶液(溶媒は水および有機化合物)中で、
    少なくとも1種類、又は2種類以上の遷移金属イオン
    と、エチレン基及び/又はアセチレン基を有する非イオ
    ン性界面活性剤とを反応させることを特徴とする金属超
    微粒子の製法。
  2. 【請求項2】反応がマトリックス中及び/又は該マトリ
    ックス表面で行われることにより得られる請求項1記載
    の金属超微粒子の製法。
  3. 【請求項3】マトリックスがポリエチレン、ポリプロピ
    レン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
    ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニールアルコー
    ル、ポリビニルクロライド、フッ素樹脂、セルロース系
    高分子、ポリ塩化ビニリデン、芳香族ポリアミド、芳香
    族ポリイミド、イオン交換樹脂(Nafionなど)、天然高
    分子のアルギン酸塩、ヒアルロン酸塩、寒天、及びゼラ
    チンからなる群より選ばれたものを原料として作製され
    た高分子マトリックスである請求項2記載の金属超微粒
    子の製法。
  4. 【請求項4】マトリックスがシリカ(石英)、ニューガ
    ラス、ガラス、ポーラスガラスビーズ、セラミックス、
    ゼオライト、半導体、陶器、及び粘土からなる群より選
    ばれたものを原料として作製された無機マトリックスで
    ある請求項2記載の金属超微粒子の製法。
  5. 【請求項5】遷移金属イオンがスカンジウム族元素(Sc,
    Y, La Ac)、チタン族元素(Ti, Zr, Hf)、バナジウム族
    元素(V, Nb,Ta)、クロム族元素(Cr, Mo, W)、マンガン
    族元素(Mn, Tc, Re)、鉄族元素(Fe, Ru,Os)、コバルト
    族元素(Co, Rh, Ir)、ニッケル族元素(Ni, Pd, Pt)、及
    び銅族元素(Cu,Ag, Au)からなる群より選ばれた請求項
    1記載の金属超微粒子の製法。
  6. 【請求項6】非イオン性界面活性剤がアセチレングリコ
    ール系非イオン性界面活性剤である請求項1記載の金属
    超微粒子の製法。
  7. 【請求項7】アセチレングリコール系非イオン性界面活
    性剤がα,α’-[2.4.7.9-テトラメチル-5-ウンデセン-
    4.7-ディール]ビス[ω-ハイドロキシ-ポリオキシエチレ
    ン]である請求項6記載の金属超微粒子の製法。
  8. 【請求項8】溶液(溶媒は水および有機化合物)中で、
    少なくとも1種類、又は2種類以上の遷移金属イオン
    と、エチレン基及び/又はアセチレン基を有する非イオ
    ン性界面活性剤とを反応させることにより得られる金属
    超微粒子。
  9. 【請求項9】反応がマトリックス中及び/又は該マトリ
    ックス表面で行われることにより得られる請求項8記載
    の金属超微粒子。
  10. 【請求項10】マトリックスがポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
    ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニールアルコー
    ル、ポリビニルクロライド、フッ素樹脂、セルロース系
    高分子、ポリ塩化ビニリデン、芳香族ポリアミド、芳香
    族ポリイミド、イオン交換樹脂(Nafionなど)、天然高
    分子のアルギン酸塩、ヒアルロン酸塩、寒天、及びゼラ
    チンからなる群より選ばれたものを原料として作製され
    た高分子マトリックスである請求項9記載の金属超微粒
    子。
  11. 【請求項11】マトリックスがシリカ(石英)、ニュー
    ガラス、ガラス、ポーラスガラスビーズ、セラミック
    ス、ゼオライト、半導体、陶器、及び粘土からなる群よ
    り選ばれたものを原料として作製された無機マトリック
    スである請求項9記載の金属超微粒子。
  12. 【請求項12】遷移金属イオンがスカンジウム族元素(S
    c, Y, La Ac)、チタン族元素(Ti, Zr, Hf)、バナジウム
    族元素(V, Nb,Ta)、クロム族元素(Cr, Mo, W)、マンガ
    ン族元素(Mn, Tc, Re)、鉄族元素(Fe, Ru,Os)、コバル
    ト族元素(Co, Rh, Ir)、ニッケル族元素(Ni, Pd, Pt)、
    及び銅族元素(Cu,Ag, Au)からなる群より選ばれた請求
    項8記載の金属超微粒子。
  13. 【請求項13】非イオン性界面活性剤がアセチレングリ
    コール系非イオン性界面活性剤である請求項8記載の金
    属超微粒子。
  14. 【請求項14】アセチレングリコール系非イオン性界面
    活性剤がα,α’-[2.4.7.9-テトラメチル-5-ウンデセン
    -4.7-ディール]ビス[ω-ハイドロキシ-ポリオキシエチ
    レン]である請求項13記載の金属超微粒子。
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