JPH11241062A - 発光材料およびこれを用いた有機el素子 - Google Patents

発光材料およびこれを用いた有機el素子

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JPH11241062A
JPH11241062A JP10045982A JP4598298A JPH11241062A JP H11241062 A JPH11241062 A JP H11241062A JP 10045982 A JP10045982 A JP 10045982A JP 4598298 A JP4598298 A JP 4598298A JP H11241062 A JPH11241062 A JP H11241062A
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裕生 宮本
Hitoshi Ikeda
等 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より、耐熱性を向上させ、かつ高輝度の
発光を実現する。 【解決手段】 カルバゾールおよびアントラセンを含む
下記(1)式で示されるジアミン化合物またはその誘導
体からなる。 【化12】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発光材料と、こ
れを用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下、単に
有機ELという。)素子とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子の研究が進められて
いる(例えば、文献1:「有機EL素子開発戦略」、次
世代表示デバイス研究会編集、(株)サイエンスフォー
ラム、1992、pp.95−133)。
【0003】有機EL素子は、文献1にも開示されてい
るように、陽極、有機正孔輸送層、有機発光層および陰
極を具えた型のもの(2層型)と、陽極、有機正孔輸送
層、有機発光層、有機電子輸送層および陰極を具えた型
のもの(3層型)とに大別される。
【0004】いずれの型の素子も、電子および正孔を素
子に注入し、これらを再結合させることにより、励起子
を生成させる。そして、この励起子が失活する際に放出
する光が発光光となる。
【0005】陽極材料として、例えば、仕事関数の大き
な(概ね4.0eV以上)金属や電気伝導材料が用いら
れる。一般には、酸化インジウムスズ(ITO)が用い
られる。
【0006】陰極材料として、例えば、マグネシウム、
またはマグネシウムと銀との合金、またはアルミニウム
とリチウムとの合金が用いられる。
【0007】有機正孔輸送層の材料として、例えば、下
記(a)式で示されるN,N’−ジフェニル−N,N’
−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン(以下、TPD)、または、下記
(b)式で示されるN,N’−ジフェニル−N,N’−
(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン(以下、NPD)等のジアミン誘導体が用いら
れる。
【0008】
【化4】
【0009】有機発光層の材料として、例えば、文献1
に開示の下記(c)式で示されるトリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム(以下、Alqと略称する。)が、
よく用いられている。
【0010】
【化5】
【0011】有機電子輸送層の材料として、例えば、上
記Alqを含む金属キレート化合物、またはベンズオキ
サドールまたはベンゾチアゾールなどが用いられる。
【0012】また、素子の発光効率や寿命を向上させる
ために、有機発光層や正孔輸送層に他の発光材料(ドー
ピング材料とも称する。)をドーピングすることも行わ
れている。このドーピング材料としては、例えば、下記
(d)式で表される4−(ジシアノメチレン)−2−メ
チル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピ
ラン(DCM)、または下記(e)式で示されるルブレ
ンが用いられる。
【0013】
【化6】
【0014】また、ドーピングを行うことにより、素子
の発光スペクトルを変えることができる。例えば、有機
発光層の材料(発光材料とも称する。)としてAlqを
用いて形成された緑色発光素子においては、安定した緑
色の発光が得られる。有機発光層の材料であるAlqに
ドーピングを行うと、通常、この発光スペクトルよりも
長波長側にシフトした赤色等の発光スペクトルを得るこ
とができる。しかしながら、ドーピングによって短波長
側にシフトした発光スペクトルを得るのは、エネルギー
状態を考慮すると困難である。このため、短波長側の発
光(例えば、青色発光)は、発光材料を変えることによ
って得られる。
【0015】具体的には、例えば、文献2(アプライド
フィジックス レターズ(Appl.Phys.Le
tt.)67(26).25 December 19
95.pp.3853−3855)に開示の下記(f)
式で示されるノンプレーナジスチリルアリレン(non
planer DSA(ジスチリルアリレン))、また
は文献3(ジャパン ジャーナル オブ アプライド
フィジックス (Jpn.J.Appl.Phys. )
Vol.32(1993).pp.L511−L513
に開示の下記(g)式で示されるサリチリデン−アミン
−ジンク コンプレックス(salicylidene
−amine−Zn complex)が用いられてい
る。
【0016】
【化7】
【0017】文献2および文献3では、蛍光スペクトル
のピークの波長が458nmから470nmの範囲内に
ある、青色発光材料が得られる。
【0018】また、文献2では、発光効率の高い青色発
光素子を得ることができる。また、文献3では、電子輸
送効率の良好な青色発光素子を得ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
青色発光有機EL素子においては、連続発光に伴って発
生する熱によって、発光材料が部分的に相転移(結晶
化)してしまう。これにより、発光層には発光しない部
分(非発光部またはダークスポットとも言われる)が生
じたり、この発光材料で構成されている膜の膜質が劣化
する。この結果、有機EL素子の発光輝度が低減すると
いう問題が生じる。非発光部は、発光層内にあるゴミな
どの不純物や、素子の製造プロセスによっても形成され
ることがあるが、ここでは、発光に伴って発光材料内に
生じる非発光部を問題とする。
【0020】このため、青色発光材料においては、熱に
対する耐性を向上させることが望まれていた。そして、
およそ1000cd/m2 以上の高い輝度を有し、しか
も素子として用いるのに十分な寿命特性を具えた青色有
機EL素子の出現が望まれていた。
【0021】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の発
光材料によれば、カルバゾールおよびアントラセンを含
む下記(1)式で示されるジアミン化合物またはその誘
導体からなることを特徴とする。ただし、下記(1)式
のR1〜R16それぞれは、水素、または水酸基、また
は置換若しくは非置換のアルキル基、または置換若しく
は非置換のシクロアルキル基、または置換若しくは非置
換のアリール基である。これらR1〜R16のそれぞれ
は、互いが同じでも、一部異なっても、全部異なっても
良い。
【0022】
【化8】
【0023】なお、ここでいう置換アルキル基、置換シ
クロアルキル基、置換アリール基とは、ハロゲン、水酸
基およびニトロ基等から選ばれる任意の基を含む基であ
る。例えば置換アルキルとしては、−CF3 、−C2
5 、−CCl3 、−CH2 OHおよび−CH2 NO2
どが挙げられる。また、置換シクロアルキル基として
は、フッ素化シクロプロパン、塩素化シクロプロパン、
水酸化シクロプロパンおよびニトロ化シクロプロパンな
どが挙げられる。また、置換アリール基としては、ペン
タフルオロフェニル、クロロフェニル、水酸化フェニル
およびニトロフェニルなどが挙げられる。
【0024】また、誘導体とは、上記(1)式でしめさ
れるジアミン化合物に、この発明の目的を損ねない範囲
で、部分的な構造上の変更をした化合物である。
【0025】この発明の発光材料によれば、後述する実
験結果から明らかなように、従来のジアミン系発光材料
に比べて、耐熱性に優れた発光材料とすることができ
る。
【0026】また、この発明の発光材料を発光させる
と、青色を示す波長460nmに顕著な発光ピークが現
れる。
【0027】また、好ましくは、この発明の発光材料を
有機発光層の材料として用いて、有機EL素子を構成す
れば、後述する実験結果からも明らかなように、従来の
有機EL素子と比べて、輝度の高い青色の発光で、かつ
連続発光による輝度の低減の少ない、安定した発光が得
られる。このとき、有機発光層は、この発明の発光材料
からなる層とするのが好適である。また、この発明の発
光材料を含む層としてもよい。
【0028】また、この発明の発光材料を有機発光層の
材料として用いた有機EL素子を3層型の素子、すなわ
ち、陽極、有機正孔輸送層、有機発光層、有機電子輸送
層および陰極を具えた構造の素子とし、この有機電子輸
送層の材料として電子輸送効率の高いAlqを用いれ
ば、さらに発光効率の高い、高輝度の有機EL素子が得
られる。このとき、有機発光層をこの発明の発光材料か
らなる層としてもよいし、この発光材料を含む層として
もよい。
【0029】また、この発光材料の発明を実施するにあ
たり、好ましくは、発光材料を、上記(1)式で示され
るジアミン化合物のR1〜R16が水素であるのがよ
い。
【0030】この発光材料を、R1〜R16が水素であ
る、9,10−ジカルバゾイルアントラセンとすると、
発光材料を製造する際、原料として、市販の原料をその
まま用いることができるため、容易にかつ少ない工程数
で安価に製造することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の発光材料および
この材料を用いた有機EL素子の実施の形態について、
それぞれ説明する。
【0032】1.発光材料として、上記(1)式で示さ
れる材料を用意する。
【0033】この(1)式で示される発光材料は、次の
ようにして合成して得る。概略的にいうと、まず、アン
トラセンを臭素化し、ジブロモアントラセンを得る。次
に、このジブロモアントラセンとカルバゾールとをウル
マン反応によって合成し、この合成で得られる生成物を
再結晶する。
【0034】これにより、得られた結晶は、青色の発光
材料であり、従来よりも耐熱性に優れた発光材料であ
る。なお、詳細は、後の実施例にて説明する。
【0035】2.有機EL素子の説明 次に、この発明の発光材料を用いた有機EL素子の実施
の形態につき、図を参照して説明する。なお、各図は発
明を理解できる程度に各構成成分の形状、大きさ、配置
関係を概略的に示してあるに過ぎず、したがってこの発
明を図示例に限定するものではない。
【0036】図1は、基板11上に、陽極13、有機正
孔輸送層15、有機発光層17および陰極19をこの順
に具える有機EL素子20に、この発明を適用した例を
示した図であり、この有機EL素子20の概略的な断面
図である。
【0037】基板11は、典型的には透明基板で構成す
る。例えばガラス基板で構成することができる。
【0038】陽極13、有機正孔輸送層15および陰極
19のそれぞれは、例えば、従来技術の項で示した材料
により構成できる。
【0039】有機発光層17は、上記(1)式で示され
るジアミン化合物またはその誘導体を発光材料として構
成するのが好ましい。なお、この発光材料は、上記
(1)式で示されるジアミン化合物またはその誘導体と
して複数種類のものを混合して用いる場合があってもよ
い。
【0040】これら、陽極13、有機正孔輸送層15、
有機発光層17および陰極19のそれぞれの層の厚さは
設計に応じた好適な値とする。
【0041】また、図2は、基板11上に、陽極13、
有機正孔輸送層15、有機発光層17、有機電子輸送層
21および陰極19をこの順に具える有機EL素子30
に、この発明を適用した図であり、この有機EL素子の
概略的な断面図である。
【0042】有機電子輸送層21は、例えば、従来技術
の項で説明した材料で構成できる。それ以外の各構成成
分11、13、15、17および19は、それぞれ図1
を用いて説明した有機EL素子と同様とすることができ
る。
【0043】図1を用いて説明した有機EL素子20、
および図2を用いて説明した有機EL素子30は、いず
れも、素子として用いて十分な輝度の青色光を発光する
ことができる。また、耐熱性を従来よりも向上させたこ
の発明の発光材料を有機発光層の材料として用いている
ため、素子を連続発光させて測定される輝度半減寿命
は、従来よりも長くなる。よって、青色有機EL素子と
しての信頼性の向上が図れる。
【0044】
【実施例】次に、実施例により、この発明の発光材料お
よび有機EL素子について、さらに具体的に説明する。
ただし、以下の説明中の薬品等の使用量、処理温度、処
理時間等の数値的条件、使用薬品等は、この発明の範囲
内の一例に過ぎない。
【0045】<第1実施例>第1実施例として、この発
明の発光材料の一例につき、説明する。
【0046】(1)式で示される材料の一例として、上
記(1)式中のR1〜R16が、いずれも水素である下
記(2)式で示される発光材料である9,10−ジカル
バゾイルアントラセンを用意する。
【0047】
【化9】
【0048】この9,10−ジカルバゾイルアントラセ
ンを、以下のようにして合成する。
【0049】まず、アントラセンを臭素化し、ジブロモ
アントラセンを得る。
【0050】この例では、アントラセン300g(約
1.68mol)を四塩化炭素3lに懸濁させる。そし
てこの懸濁液を攪拌しながら、臭素567g(約3.5
5mol)を徐々に加える。その後、反応液を80℃程
度のウォーターバスで温め、反応液の温度が76〜77
℃に達してから、1時間還流する。次に、この反応液を
放冷し、室温にまで冷やす。この反応液をろ過した後、
沈殿物をトルエンを用いて加熱溶解して再結晶させて、
精製することにより、1,2−ジブロモアントラセン3
00g(約0.89mol)が得られる。上述したよう
にして得られるジブロモアントラセンの収率は約53%
である。
【0051】精製した1,2−ジブロモアントラセン
5.30g(約15.8mmol)およびカルバゾール
5.24g(約31.4mmol)を、カルバゾール分
子の数がジブロモアントラセン分子の数のおよそ2倍と
なるような割合にして、これらを、o(オルト)−ジク
ロロベンゼン50mlに溶解する。次に、これに炭酸カ
リウム6.54g、銅0.16g、18−クラウン−6
−エーテル1.39gを加える。その後、この溶液を1
80℃の温度で、24時間攪拌した後、室温まで冷却す
ると、沈殿が生じる。
【0052】この沈殿をろ別した後、エーテルを用いて
洗浄し、トルエンを用いて再結晶させる。その後、乾燥
させて、目的の9,10−ジカルバゾイルアントラセン
と思われる化合物が得られる。この例では、この化合物
は約0.08g(ジカルバゾイルアントラセンであると
すれば約0.16mmol)得られ、その収率は1%程
度となる。
【0053】このようにして合成された化合物をNMR
装置を用いて同定すると、次のような結果が得られる。
なお、この説明を下記の(3)式を参照して行う。
【0054】NMR装置としてJEOL社製のα−40
0(型番)を用いる。また、1 H−NMR測定用のサン
プルとして上記合成した化合物3mgを重クロロホルム
0.6mlに溶解したものを用いる。
【0055】NMR測定により得られたチャート中に、
化学シフト値δ=6.9の位置を中心としてピーク面積
比が4のピークが生じ、化学シフト値δ=7.3の位置
を中心としてピーク面積比が4のピークが生じ、化学シ
フト値δ=7.4の位置を中心としてピーク面積比が1
2のピークが生じ、化学シフト値δ=8.45の位置を
中心としてピーク面積比が4のピークが生じていた。
【0056】これらピークは、下記の(3)式に示す
9,10−ジカルバゾイルアントラセン中の各プロトン
(a)〜(d)に、以下のように対応している。
【0057】すなわち、化学シフト値δ=6.9の位置
を中心として生じるピークは、下記(3)式中の(a)
で示した4つのプロトンに起因するピークである。ま
た、化学シフト値δ=7.3の位置を中心として生じる
ピークは、下記(3)式中の(b)で示した4つのプロ
トンに起因するピークである。また、化学シフト値δ=
7.4の位置を中心として生じるピークは、下記(3)
式中の(c)で示した12のプロトンに起因するピーク
である。また、化学シフト値δ=8.45の位置を中心
として生じるピークは、下記(3)式中の(d)で示す
4つのプロトンに起因するピークである。
【0058】このNMRデータから、上記合成した化合
物が9,10−ジカルバゾイルアントラセンであること
が同定できる。
【0059】
【化10】
【0060】また、この化合物について、FT−IR測
定を行って、この化合物が9,10−ジカルバゾイルア
ントラセンであることを確認する。なお、この説明を下
記(4)式および下記(5)式を参照して行う。
【0061】FT−IR測定を行うIR装置としてBi
o−Rad社製のFTSー60(型番)を用いる。
【0062】その結果、この化合物の原料として用いた
カルバゾールでは、3400cm-1付近にN−H伸縮振
動に由来する吸収が見られる。しかしながら、反応後の
化合物においては、この吸収が見られない。また、この
化合物においては、1000〜1200cm-1付近にC
−N伸縮振動に由来するピークが見られる。さらに、3
030cm-1付近および1500〜1600cm-1付近
に芳香族由来の吸収が見られる。
【0063】すなわち、原料のカルバゾールの測定で得
られた3400cm-1付近の吸収は、下記(4)式に示
したカルバゾールの(x)で示したN−Hに対応してい
る。ところが、下記(5)式に示した9,10−ジカル
バゾイルアントラセンには、N−H結合は存在していな
いために3400cm-1付近には吸収が見られない。ま
た、化合物の測定データの1000〜1200cm-1
近のC−N伸縮振動に由来するピークは、下記(5)式
中の(y)で示したC−Nに対応している。これによ
り、カルバゾールはカルバゾイル基となり、N−Hの水
素がとれてN(窒素)の部分がアントラセンを構成する
C(炭素)と結合していることが示唆される。また、3
030cm-1付近および1500〜1600cm-1付近
に見られる吸収は、下記(5)式中の(z)で示した芳
香環に由来している。
【0064】これにより、合成した化合物が目的の9,
10−ジカルバゾイルアントラセンであることが確認で
きる。
【0065】
【化11】
【0066】また、上述で合成した化合物の熱に対する
特性を調べるために、熱分析装置を用いて熱分析測定を
行う。なお、熱分析装置として、理学電機株式会社製の
Rigaku THERMOFLEX TAS300
(商品名)を用いる。
【0067】ここでは、TG(熱重量)−DTA(示差
熱分析)を行う。
【0068】この結果、約400℃で吸熱のピークおよ
びTGの減少が見られる。
【0069】吸熱のピークは相転移を表している。そし
て、この温度(400℃)で熱重量の減少が見られると
いうことは、この化合物は融解しているのではなく、昇
華しているということを意味している。
【0070】したがって、第1実施例で得られる9,1
0−ジカルバゾイルアントラセンの相転移温度は、従来
の有機EL素子に用いられるジアミン系材料(TPDや
NPD等)の融点より高い温度であり、約400℃まで
熱による相転移が見られないことから、耐熱性が向上し
ていると言える。
【0071】また、第1実施例で得られる、1×10-4
mol/l濃度の9,10−ジカルバゾイルアントラセ
ンのTHF(テトラヒドロフラン)溶液を測定溶液とし
て用いて蛍光スペクトルを測定する。
【0072】この結果を図3に示す。図3は、400n
mから550nmまでの波長範囲における、上記測定溶
液の蛍光スペクトルを測定したものである。横軸に波長
(nm)をとり、縦軸にスペクトル強度(任意単位)を
とって表している。
【0073】図3に示されているように、400nmか
ら550nmまでの波長範囲においては、ひとつの山状
のスペクトル曲線が得られており、460nmから47
0nm付近にこの山のピークがある。この460nm付
近の波長の光は青色の領域である。よって9,10−ジ
カルバゾイルアントラセンは、青色の発光材料として用
いて好適である。
【0074】以上の説明から明らかなように、この発明
の好適例である9,10−ジカルバゾイルアントラセン
は、青色発光材料として用いることができ、従来のジア
ミン系の発光材料よりも耐熱性に優れた材料であると言
える。
【0075】<第2実施例>第2実施例として、第1実
施例で合成したカルバゾイルアントラセンを発光材料と
して用いた青色有機EL素子について、説明する。
【0076】この例では、図1を用いて既に説明した2
層型の有機EL素子20を次のように作製する。
【0077】まず、ガラス基板11に、陽極13として
ITOをスパッタリング法を用いて形成する。このIT
O膜13を形成したガラス基板11を、アセトンおよび
IPA(2−プロパノール)を用いて洗浄する。
【0078】次に、ITO膜13上に、有機正孔輸送層
15として、上記したTPDを真空蒸着法を用いて、5
0nmの厚さに形成する。
【0079】続いて、有機発光層17として、第1実施
例で合成した9,10−ジカルバゾイルアントラセン
を、有機正孔輸送層15上に真空蒸着法を用いて50n
mの厚さに形成する。
【0080】この後、陰極19として、マグネシウム
(Mg)膜を真空蒸着法を用いて150nmの厚さに形
成する。
【0081】なお、有機正孔輸送層15、有機発光層1
7および陰極19の蒸着における真空度は、1×10-6
Torrとする。
【0082】このようにして、第2実施例の有機EL素
子20が得られる。
【0083】次に、この有機EL素子20の陽極および
陰極間に直流電圧を印加する。その際、印加する電圧を
20Vまで徐々に増加させて、印加電圧と発光輝度との
関係を調べる。ただし、輝度は発光波長460nmの光
について測定する。
【0084】図4は、上記測定で得られる電圧−輝度特
性を示した図である。縦軸に輝度(cd/m2 )をと
り、横軸に印加電圧(V)をとって示してある。
【0085】この実施例の有機EL素子では、印加電圧
5Vあたりから発光が生じる。その後は印加電圧の増加
に伴い輝度は増加する。そして、14Vの電圧を印加し
たとき、波長460nmのEL発光が約2000cd/
2 の輝度で得られる。そして、印加電圧を14Vをピ
ークに、それ以上電圧を印加させても、輝度の変化はほ
とんどない。
【0086】青色有機EL素子においては、1000c
d/m2 程度の輝度であれば高輝度の発光が得られてい
ると言える。このため、この実施例の有機EL素子は、
高輝度の素子である。
【0087】また、この有機EL素子に定電流を一日流
し続けて、連続発光させたところ、従来よりも輝度の低
減の少ない安定した発光が得られる。
【0088】発光材料の耐熱性の向上に伴い、有機発光
層の熱による結晶化を抑制することができる。よって結
晶化によって生じる非発光部は形成されず、輝度を維持
することができる。
【0089】<第3実施例>第3実施例として、第1実
施例で合成したカルバゾイルアントラセンを発光材料と
して用いた3層型の有機EL素子について、説明する。
3層型の有機EL素子については、この発明の実施の形
態で既に説明してある。ここでは図3を用いて、第2実
施例と相違する点につき説明し、第2実施例と同様の点
についてはその詳細な説明を省略する。
【0090】この例では、3層型の有機EL素子30を
次のようにして作製する。
【0091】第2実施例と同様にして、ガラス基板11
上にITO膜をスパッタリング法によって成膜して陽極
13を形成する。このガラス基板11および基板11上
の陽極13を洗浄した後、ITO膜13上にTPDを材
料として有機正孔輸送層15および9,10−ジカルバ
ゾイルアントラセンを材料として有機発光層17を、順
次、真空蒸着させて形成する。このとき、有機正孔輸送
層15は50nmの厚さに形成して、有機発光層17は
30nmの厚さに形成する。
【0092】この後、Alq(トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウムを材料として用いて、真空蒸着法によ
り有機電子輸送層21を有機発光層17上に20nmの
厚さに形成する。
【0093】この後、第2実施例と同様にして、Mg膜
を真空蒸着法を用いて成膜し、陰極19を形成する。
【0094】このようにして、第3実施例の有機EL素
子30が得られる。
【0095】次に、この有機EL素子30の陽極および
陰極間に直流電圧を印加して発光輝度を測定し、印加電
圧と発光輝度との関係を調べる。測定条件は、第2の実
施例と同様にする。すなわち、印加電圧を20Vまで徐
々に増加させて、任意の印加電圧における、発光波長4
60nmの光の強度を測定する。
【0096】図5は、上記測定で得られる電圧−輝度特
性を示した図である。縦軸に輝度(cd/m2 )をと
り、横軸に印加電圧(V)をとって示してある。
【0097】この実施例の有機EL素子では、印加電圧
5Vを越えたあたりから発光が生じる。その後は第2実
施例の素子と同様に、印加電圧の増加に伴い輝度は増加
する。そして14Vの電圧を印加したとき、波長460
nmのEL発光が約2700cd/m2 の輝度で得られ
る。そして、印加電圧を14Vをピークに、それ以上電
圧を印加させても、輝度の変化はほとんどない。
【0098】よって、第3実施例では、高輝度の青色有
機EL素子が得られる。
【0099】また、この有機EL素子に定電流を一日流
し続けて、連続発光させたところ、従来よりも輝度の低
減の少ない安定した発光が得られる。
【0100】発光材料の耐熱性の向上に伴い、有機発光
層の熱による結晶化を抑制することができる。このた
め、結晶化によって発光層に生じる非発光部は発生せ
ず、輝度を維持することができる。
【0101】また、この実施例においては、有機電子輸
送層を有機発光層と陰極との間に設けた3層型の有機E
L素子である。この例では、有機電子輸送層の材料に、
電子輸送効率の高いAlqを用いているため、より発光
効率が高く、高輝度な有機EL素子が得られる。
【0102】以上、上述したように、この発明の実施の
形態および実施例について説明した。しかし、この発明
は、上述した実施の形態および実施例に何ら限定される
ものではなく、多くの変形および変更を行うことができ
る。
【0103】例えば、上述においては、(1)式で示さ
れるカルバゾールおよびアントラセンを含むジアミン化
合物またはその誘導体であって、R1〜R16それぞれ
が水素である9,10−ジカルバゾイルアントラセンを
用いる例につき、説明した。しかし、この発明は、R1
〜R16が上記以外のこの発明でいう他の置換基であっ
ても、同様の効果が期待できる。
【0104】また、有機EL素子の発明において、上記
説明した層以外の他の層をさらに含む場合があってもよ
い。例えば、素子の耐久性を向上させるための封止層な
ど、素子の特性向上のための種々の層を含むことができ
る。
【0105】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の発光材料は、カルバゾールおよびアントラセンを
含む上記(1)式で示されるジアミン化合物またはその
誘導体からなることを特徴とする。
【0106】そのため、従来のジアミン系発光材料に比
べて、耐熱性に優れた発光材料とすることができる。
【0107】また、青色を示す波長460nmに顕著な
発光ピークを持つ発光材料が得られる。
【0108】また、この発明の発光材料を有機発光層の
材料として用いて、有機EL素子を構成すれば、従来の
有機EL素子と比べて、輝度の高い青色の発光で、かつ
連続発光による輝度の低減の少ない、安定した発光が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態および第2実施例の説明
に供する、有機EL素子の概略的な断面図である。
【図2】実施の形態および第3実施例の説明に供する、
有機EL素子の概略的な断面図である。
【図3】第1実施例の発光材料の蛍光スペクトルを示し
た図である。
【図4】第2実施例の有機EL素子の電圧−輝度特性を
示した図である。
【図5】第3実施例の有機EL素子の電圧−輝度特性を
示した図である。
【符号の説明】 11:ガラス基板 13:陽極 15:有機正孔輸送層 17:有機発光層 19:陰極 20:有機EL素子、第2実施例の有機EL素子 21:有機電子輸送層 30:有機EL素子、第3実施例の有機EL素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 等 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 仲矢 忠雄 大阪府茨木市北春日丘4丁目2番29号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルバゾールおよびアントラセンを含む
    下記(1)式で示されるジアミン化合物またはその誘導
    体からなることを特徴とする発光材料(ただし、下記
    (1)式のR1〜R16それぞれは、水素、または水酸
    基、または置換若しくは非置換のアルキル基、または置
    換若しくは非置換のシクロアルキル基、または置換若し
    くは非置換のアリール基であり、互いが同じでも、一部
    異なっても、全部異なっても良い。)。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発光材料において、 前記R1〜R16が水素であることを特徴とする発光材
    料。
  3. 【請求項3】 少なくとも陽極、有機正孔輸送層、有機
    発光層および陰極を具える有機EL素子において、 前記有機発光層の材料として、カルバゾールおよびアン
    トラセンを含む下記(1)式で示されるジアミン化合物
    またはその誘導体からなる発光材料を含んでいることを
    特徴とする有機EL素子(ただし、下記(1)式のR1
    〜R16それぞれは、水素、または水酸基、または置換
    若しくは非置換のアルキル基、または置換若しくは非置
    換のシクロアルキル基、または置換若しくは非置換のア
    リール基であり、互いが同じでも、一部異なっても、全
    部異なっても良い。)。 【化2】
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の有機EL素子におい
    て、 前記R1〜R16が水素であることを特徴とする有機E
    L素子。
  5. 【請求項5】 少なくとも陽極、有機正孔輸送層、有機
    発光層、有機電子輸送層および陰極を具える有機EL素
    子において、 前記有機発光層の材料として、カルバゾールおよびアン
    トラセンを含む下記(1)式で示されるジアミン化合物
    またはその誘導体からなる発光材料を含んでいることを
    特徴とする有機EL素子(ただし、下記(1)式のR1
    〜R16それぞれは、水素、または水酸基、または置換
    若しくは非置換のアルキル基、または置換若しくは非置
    換のシクロアルキル基、または置換若しくは非置換のア
    リール基であり、互いが同じでも、一部異なっても、全
    部異なっても良い。)。 【化3】
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の有機EL素子におい
    て、 前記R1〜R16が水素であることを特徴とする有機E
    L素子。
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