JPH11240751A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH11240751A
JPH11240751A JP4710098A JP4710098A JPH11240751A JP H11240751 A JPH11240751 A JP H11240751A JP 4710098 A JP4710098 A JP 4710098A JP 4710098 A JP4710098 A JP 4710098A JP H11240751 A JPH11240751 A JP H11240751A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】室温付近の温度領域においても良好な吸着特性
を有するとともに、ハロゲンガス等に晒されるような使
用環境下でも優れた耐食性を有する静電チャックを提供
することを目的とするものである。 【解決手段】被固定物載置面5を有する誘電体層3と、
電極層3とを具備してなる静電チャックにおいて、誘電
体層3の少なくとも被固定物載置面5を、CeAlO3
を主体とし、0〜70℃における体積固有抵抗が108
〜1012Ω・cmの範囲内のセラミックスによって構成
することにより、0〜70℃の温度領域においても安定
した静電吸着特性が発揮されるとともに、ハロゲンガス
やそのプラズマに晒されるような使用環境下においても
優れた耐久性を示し静電チャックの長寿命化を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶・半導体製造
装置等においてウエハ等の被固定物を静電的に吸着保持
して処理したり、搬送するための静電チャックに関する
ものである。特に、耐蝕性に優れる為、エッチング工程
等のハロゲンプラズマ中で用いられる静電チャックに関
する。特に、耐食性にすぐれるため、エッチング工程な
どのハロゲンプラズマ中で用いられる静電チャックに関
する。
【0002】
【従来技術】従来より、半導体製造用装置において、シ
リコンウエハ等の半導体を成膜やエッチングするために
はシリコンウエハの平坦度を保ちながら保持する必要が
あるが、このような保持手段としては機械式、真空吸着
式、静電吸着式が提案されている。これらの保持手段の
中で静電的にシリコンウエハを保持することのできる静
電チャックはシリコンウエハの加工を行うに際して要求
される加工面の平坦度や平向度を容易に実現することが
でき、さらにシリコンウエハを真空中で加工処理するこ
とができるため、半導体の製造に際して最も多用されて
いる。
【0003】従来の静電チャックは、電極板の上にアル
ミナ、サファイヤ等からなる絶縁層を形成したもの(特
開昭60−261377号)、絶縁基板の上に導電層を
形成し、さらにその上に絶縁層を形成したもの(特開平
4−34953号)、絶縁基板内に導電層を組み込んだ
もの(特開昭62−94953号)などが提案されてい
る。
【0004】近年、半導体素子の集積回路の集積度が向
上するに従い、静電チャックの精度が高度化し、さらに
耐食性、耐摩耗性、耐熱衝撃性に優れたセラミックス製
静電チャックが要求されるようになってきた。特に窒化
アルミニウムは他のセラミックス材料に比べて熱伝導性
に優れていることから、これを用いた静電チャックが検
討されている。
【0005】一般に絶縁体の体積固有抵抗値は温度が上
昇するに伴い低下する性質を有する。例えば、窒化アル
ミニウムは、室温では1016Ω・cmから300℃で1
11Ω・cm以下に減少し、残留吸着などの問題が発生
して安定した動作を得るのは困難であり、使用温度に制
限がある。特に、最も需要が多い200℃以下の温度領
域での使用を考えると、抵抗が1016Ω・cm以上とな
り、上記温度領域では大きな吸着力が得られない問題が
あった。
【0006】そこで、特開平2−160444号には、
絶縁層を2層以上積層するとともにそれぞれの層に対応
する電極及び電気回路、スイッチングを設けて、室温か
ら400℃の幅広い温度領域の使用に耐えられるような
構造が提案されている。また、特開平4−300137
号には、静電チャック内にヒータ、熱電対などの温度検
出器を取付け、外部に制御部を設けて温度変化にともな
って電源部を制御して吸着力を安定させ、使用温度範囲
を広げることも提案されている。さらに、特開5−31
5435号には、誘電体層を複数の抵抗率の異なる材質
で形成し、使用温度によって電圧印加の切り替えを行う
方法を提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】静電チャックの被固定
物載置面を形成する誘電体層としては、これまで主とし
て窒化アルミニウムやアルミナなどが検討されている
が、従来のこれらの誘電体では、低温から高温まで安定
した吸着力を得るには至っておらず、温度範囲を広げる
ために、前述のように静電チャックの構造を変えたり、
電気的な制御を行う必要があった。
【0008】しかし、前述したように絶縁層を2層以上
積層して電極層を増やしたものや複数の抵抗率の異なる
材質を誘電体層として用いた場合、電気回路も複雑とな
り、静電チャック自体の構造が複雑になるために、静電
チャック自体の製造が煩雑となり、そのために製品の信
頼性が低下したり、コストが高くなるといった欠点があ
った。また、ヒータを内蔵してその温度を検知し、印加
電圧を制御する方法においても静電チャック内に熱電対
などの温度検知器を内蔵するために検知器が故障すると
使用不可能となるという問題があり、またこの方法にお
いてもセラミック材料の持つ特性は本質的に変化しない
ことから、その使用範囲には自ずと限界があることには
変わりがない。
【0009】さらに、従来の誘電体では、エッチング処
理工程等のハロゲンプラズマ中で用いられる場合、耐プ
ラズマ性が充分とは言えず、その結果、被固定物載置面
が荒れたり、プラズマによる浸食によってパーティクル
が発生しウエハ表面への回路形成に影響を与える等の問
題があった。
【0010】従って、本発明は、室温付近での温度領域
においても良好な吸着特性を有するとともに、ハロゲン
ガス等に晒されるような使用環境下でも優れた耐食性を
有する静電チャックを提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対して静電チャックの被固定物載置面を形成する誘電
体について検討を重ねた結果、少なくとも被固定物載置
面をCeAlO3 を主体とするセラミックスによって形
成することにより、0〜70℃において温度依存性の小
さい静電吸着性に優れた静電チャックが得られることを
見いだし、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の静電チャックは、被固定物
載置面を有する誘電体層と、電極とを具備し、前記誘電
体層の少なくとも被固定物載置面が、CeAlO3 を主
体とし、0〜70℃における体積固有抵抗が108 〜1
12Ω・cmの範囲内のセラミックスからなることを特
徴とするものである。また、この前記静電チャックは、
ハロゲンガスやそのプラズマに晒されるような静電チャ
ックとして特に有用である。
【0013】
【作用】通常、静電チャックによれば、少なくとも0〜
70℃、好ましくは−30℃〜100℃の体積固有抵抗
が108 〜1012Ω・cmであることが−50℃から2
00℃の温度領域で使用する上で要求される。また、抵
抗値は吸着力と密接に関与しており温度に対する抵抗変
化が小さなものが吸着力の安定性に優れている。
【0014】使用する温度範囲によって要求される抵抗
の温度依存性が異なってくるが、−50℃から200℃
の使用温度範囲を考えると、0〜70℃の抵抗値が10
8 〜1012Ω・cmであることが必要となってくる。
【0015】本発明の静電チャックにおいて用いられる
CeAlO3 は温度に対する抵抗変化が小さく、例えば
0〜70℃までの温度変化に対する抵抗変化が小さく、
具体的には、−50℃〜150℃、好ましくは−30℃
〜100℃の体積固有抵抗が108 〜1012Ω・cmで
ある。その結果、−50℃〜200℃の温度領域におけ
るウエハの吸着特性が安定化し、また残留吸着の発生し
ない静電チャックが得られる。
【0016】また、本発明によれば、静電チャックとし
て格別に複雑な構造をとる必要がなく、本発明の材料を
用いる事によって静電チャック自体の構造が簡単にな
り、低コストで広範囲な温度領域における使用を可能と
し、電気回路を含めて組み込まれる装置自体の簡略化も
実現出来、また静電チャックとして信頼性、長期安定性
が保証される。
【0017】また、本発明におけるCeAlO3 は、フ
ッ素や塩素等のプラズマに対して、従来より耐プラズマ
性に優れている窒化アルミニウムに比較してもさらに優
れた耐食性を有する。これは、プラズマに晒された時に
表面にCeのハロゲン化物が形成される結果、このハロ
ゲン化物が保護層となりプラズマによるエッチングの進
行を抑制する作用をなすためである。
【0018】その結果、特にプラズマ中にて使用される
静電チャックとして用いることにより、静電チャックの
長寿命化を図るとともに、材料の消耗による絶縁性低下
やパーティクルの発生を防止することができる。
【0019】
【発明の実際の形態】図1に本発明の静電チャックの一
例を示す。図1の静電チャックは、室温における体積固
有抵抗が1014Ω・cm以上の絶縁体からなる絶縁基板
1の表面に電圧が印加される電極層2が形成されてお
り、さらにその電極層2上に誘電体層3が形成されてい
る。誘電体層3は、少なくともシリコンウエハ等の被固
定物4を載置するための載置面5に形成され、さらに
は、絶縁基体1の装置内に露出している基体面全体に形
成される。なお、絶縁基体1内にはヒータ6を内蔵させ
ても何ら差し支えない。さらには冷却媒体の流路を設け
て静電チャックを冷却することも可能である。
【0020】本発明によれば、上記誘電体層3をCeA
lO3 を主体とし、少なくとも0℃〜70℃、好ましく
は−30℃〜100℃のの体積固有抵抗が108 〜10
12Ω・cmのセラミックス(以下、CeAlO3 系セラ
ミックスという場合がある。
【0021】)によって形成することにより抵抗の温度
依存性の小さく、安定した吸着力が得られる。
【0022】上記の抵抗特性を有するCeAlO3 系セ
ラミックスは、例えば、通常の粉末焼結法で製造するこ
とが出来る。具体的には、CeO2 とAl2 3 の原料
粉末を2:1のモル比で混合したものを1400〜16
00℃の酸化性雰囲気中で仮焼してCeAlO3 化合物
を合成した後、これを粉砕してCeAlO3 粉末を得
る。そして、このCeAlO3 粉末を所定形状に成形
後、1500〜1900℃の還元雰囲気中で焼成するこ
とにより作製することができる。
【0023】この時、CeAlO3 粉末に対して、緻密
化を促進するために、焼結助剤として種々の金属酸化物
を1〜10体積%の割合で添加してもかまわない。焼結
助剤としては、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属
酸化物、Y、Er、Yb等の希土類元素酸化物、TiO
2 、ZrO2 、Cr2 3 、Al2 3 、SiO2 、B
2 3 から選ばれる1種類以上の酸化物またはその混合
物を用いることが出来る。それらの中でも、Y2 3
焼結性の点で最も望ましい。但し、これらの焼結助剤の
添加によっても前記温度範囲における体積固有抵抗が1
8 〜1012Ω・cmを逸脱しないように留意すべきで
ある。
【0024】焼成にあたっては、常圧下で焼成できる
他、ホットプレス法、ガス加圧焼結法または熱間静水圧
焼成法等を用いて緻密化を促進しても構わない。例え
ば、ホットプレス法では窒素雰囲気中で1500〜16
50℃の温度で焼結させることができる。また、200
気圧の窒素雰囲気中で1400〜1600℃の温度で焼
成し相対密度99%以上の焼結体を得ることができる。
【0025】本発明の静電チャックによれば、これま
で、被固定物載置面がCeAlO3 系の焼結体の場合に
ついて説明したが、本発明によれば、この載置面は必ず
しも焼結体である必要はなく、CVD法、プラズマCV
D法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スパッタ
リング法等の化学気相成長法や物理的気相成長法などの
薄膜形成方法によって、200μm以上の厚みで絶縁基
板1の表面に被覆したセラミックコーティング層により
形成しても当然に同様な効果が発揮される。
【0026】
【実施例】CeO2 とAl2 3 を2:1のモル比で混
合し、1550℃のフオーミングガス(窒素/水素=8
8:12体積比)中で、X線回折により結晶相を調べ、
CeAlO3 の単一結晶相となるまで仮焼処理を繰り返
し施した。
【0027】得られた平均粒径が1μmのCeAlO3
仮焼粉末に対して、表1の各種添加物を焼結助剤として
添加混合した後、その混合物をプレス成形し、1700
℃の窒素ガス中で3時間焼成して相対密度99%の焼結
体を得た。そして、得られた焼結体を加工して直径50
mm、厚さ2mmの円板を作製し表面をラップして平均
表面粗さRaを0.5μmとした。
【0028】抵抗測定は、真空中400℃のアニールの
後にドライ窒素を導入し、窒素雰囲気の降温時に測定を
行い、0〜70℃の温度領域での抵抗を測定した。
【0029】さらに、耐プラズマ性の評価として、RI
E(リアクティブイオンエッチング)装置においてCF
4 +Arガスを用いてエッチングテストを行い、AlN
のエッチング速度を1とした時の相対速度を表1に示し
た。
【0030】次に、室温(25℃)雰囲気下で使用する
のに好適な静電チャックを試作し、その吸着特性につい
て測定を行った。まず、純度99%、平均粒径1.2μ
mのAlN粉末に有機バインダーと溶媒のみを加えて泥
漿を作製し、ドクターブレード法により厚さ0.5mm
程度のグリーンシートを複数枚成形してそれらを積層し
て絶縁基板を形成するための成形体を得た。そして、そ
の一主面にタングステン粉末にAlN粉末を5体積%混
合したタングステンペーストをスクリーン印刷法により
印刷塗布して静電吸着用電極をなす金属膜を形成した。
【0031】一方、前記のようにして調製したCeAl
3 粉末および添加剤からなる混合物に、さらにバイン
ダーと溶媒を加えて泥漿を製作し、ドクターブレード法
により厚さ0.5mm程度のグリーンシートを成形し誘
電体層用の成形体を得た。
【0032】そして、静電吸着用電極層をなす金属膜を
備えた絶縁基板用成形体の表面に、誘電体層用の成形体
を積層して、80℃、50kg/cm2 の圧力で熱圧着
した。しかるのち、上記積層体に切削加工を施して円板
状とし、該円板状の積層体を真空脱脂したあと、190
0℃程度の焼成温度で10体積%の水素(H2 )を含む
水素/窒素混合雰囲気下で3時間焼成することにより、
絶縁基板および誘電体層ともに相対密度99%以上の、
外径200mm、厚み8mmで、かつ内部に膜厚15μ
mの静電吸着用電極層を備えた板状体を形成した。そし
て、誘電体層をなすCeAlO3 系セラミックスの表面
を研磨して載置面を形成して静電チャックを形成した。
【0033】そして、作製した静電チャックに対して、
室温(25℃)下において、吸着面5に8インチ径のシ
リコンウエハを載置して静電吸着用電極層との間に30
0Vの電圧を印加することによりシリコンウエハを載置
面に吸着保持させ、この状態でシリコンウエハを剥がす
のに必要な力を吸着力として測定した。結果は、表1に
示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、本発明の
CeAlO3 系セラミックスは、0〜70℃において1
8 〜1012Ω・cmの安定した抵抗値を示し、その結
果、25℃における静電チャックの吸着特性も良好なも
のであった。また、このCeAlO3 系セラミックス
は、ハロゲンガス中においても優れた耐食性を示し、静
電チャックの長寿命化が図れることがわかった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、静
電チャックにおける誘電体層をCeAlO3 系セラミッ
クスにより形成することにより、安定した体積固有抵
抗、安定した吸着力を得ることができるとともに、ハロ
ゲンガスやそのプラズマに晒される条件下で使用した場
合においても、優れた耐久性を示し静電チャックの長寿
命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 電極層 3 誘電体層 4 被固定物 5 載置面 6 ヒータ
フロントページの続き (72)発明者 福留 武郎 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被固定物載置面を有する誘電体層と、電極
    層とを具備する静電チャックにおいて、前記誘電体層の
    少なくとも被固定物載置面が、CeAlO3 を主体と
    し、0〜70℃における体積固有抵抗が108 〜1012
    Ω・cmの範囲内のセラミックスからなることを特徴と
    する静電チャック。
  2. 【請求項2】前記被固定物載置面が、ハロゲンガスある
    いはそのプラズマに晒されることを特徴とする請求項1
    記載の静電チャック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6631062B1 (en) 1999-04-13 2003-10-07 Nihon Ceratec Co., Ltd. Electrically conductive ceramic material, a process of producing same, and an electrostatic chuck
JP2004312025A (ja) * 2004-04-23 2004-11-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体製造装置用ウェハ保持体
WO2014084334A1 (ja) * 2012-11-29 2014-06-05 京セラ株式会社 静電チャック

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