JPH11238684A - アモルファス窒化炭素組成物及びその製造方法 - Google Patents

アモルファス窒化炭素組成物及びその製造方法

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JPH11238684A
JPH11238684A JP4158098A JP4158098A JPH11238684A JP H11238684 A JPH11238684 A JP H11238684A JP 4158098 A JP4158098 A JP 4158098A JP 4158098 A JP4158098 A JP 4158098A JP H11238684 A JPH11238684 A JP H11238684A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子材料として利用できるアモルファス窒化炭
素組成物およびその製造方法を提供する。 【解決手段】アモルファス窒化炭素組成物は、σ結合の
結合準位に基づく広がった状態の価電子帯状態1と反結
合準位に基づく広がった状態の伝導帯状態2とが(移動
度端Ev と移動度端Ec とが)移動度ギャップEmgを隔
てて存在する。π結合に基づく局在状態4の状態密度を
小さくしてある。高周波マグネトロンスパッタリング装
置を用いて反応性スパッタリングによりアモルファス窒
化炭素組成物を基板上に堆積させ、堆積されたアモルフ
ァス窒化炭素組成物の表面に、水素ガスによる水素プラ
ズマ処理を施すことにより上述のエネルギバンド構造を
有するアモルファス窒化炭素組成物を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイスの分
野において電子材料として利用できるアモルファス窒化
炭素組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化炭素組成物の結晶体であるβ−C3
4 は、ダイヤモンドと同等以上の硬度、熱伝導率、体
積弾性率、音速などをもつことが予測されており、大き
な期待がもたれている材料の一つである。しかし、現在
はまだ単結晶構造のβ−C3 4 は得られておらず、そ
の物理特性、電気的特性、光学的特性などのデータも得
られておらず、実用的な利用には至っていないのが実情
である。
【0003】これに対し、アモルファス構造の窒化炭素
組成物は結晶体に比べて比較的容易に作製することがで
きることから、各所で研究開発が行われ、利用されてい
る。ここにおいて、アモルファス窒化炭素組成物は、一
般的にアモルファスシリコンやアモルファスカーボンと
同様、プラズマCVD法により形成され、原料ガスとし
てメタンガス、エタンガス、エチレンガスなどの炭化水
素ガスと、窒素ガス、アンモニアなどの窒素を含むガス
との混合ガスを用いている。プラズマCVD法により形
成されたアモルファス窒化炭素組成物は、高い硬度や高
い熱伝導率を持ち、安定性、耐湿性、耐薬品性、耐摩耗
性などに優れ、磁気的性質がないことが確認されてお
り、これらの特徴をいかした様々な材料や構造、工具、
電子デバイスや磁気デバイスの表面保護用コーティング
材料としての用途に用いることが提案されている。
【0004】ところで、電子デバイスの分野に用いられ
る電子材料は、電気的特性、光学的特性などに応じて種
々の材料がある。以下、光伝導性材料、絶縁材料、発光
材料、冷陰極材料などの電子材料について説明する。 (1)光伝導材料は、光伝導性(絶縁体材料や半導体材
料の導電率が光の照射によって増加する特性であって、
光吸収により電子が価電子帯また不純物準位から励起さ
れて伝導電子又は正孔が生じるために起こる現象を光伝
導という)を持つ材料であって、光伝導セルやそれを応
用した光検知器、光増幅器、また撮像管や撮像素子な
ど、あるいはまた電子写真用感光体や電子写真用感光体
を応用した複写機、プリンタなどに利用される。また、
光伝導性を有する半導体にpn接合やショットキ接合な
どの障壁電場をもつような界面を形成することにより、
光起電力効果を生じさせることができ、光起電力効果を
利用した光起電力セルや光起電力セルを応用した太陽電
池、照度計、光検知器、フォトダイオード、フォトトラ
ンジスタ、イメージセンサなどを実現することができ
る。
【0005】光伝導材料としては、従来、単結晶あるい
は多結晶のセレン、硫化カドミウム、セレン化カドミウ
ム、テルル化カドミウム、硫化鉛、セレン化鉛、テルル
化鉛、ゲルマニウム、テルル、インジウムアンチモン、
インジウム砒素などや、アモルファス構造のセレン、セ
レン−テルル、セレン−砒素、セレン−砒素−テルルな
どのカルコゲナイド系アモルファス材料や、アモルファ
ス構造のシリコン、シリコン−カーボン、シリコン−ゲ
ルマニウムなどのテトラヘドラル系の水素化アモルファ
スシリコン材料や、あるいはまた、フタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料などの各
種顔料やシアニン染料、スクワリリウム染料などの各種
染料のような有機半導体材料が用いられている。
【0006】(2)絶縁材料は、電気的絶縁性を有する
材料であって、電子デバイス、特に半導体デバイスの高
集積化が進むにつれて、同一基板上に形成された各種機
能素子間や電極間や素子表面を電気的に絶縁したり保護
したり、電子や正孔を外部電極から電界で制御したりす
る上で、素子間や電極間、素子表面及び電界制御用電極
と被制御構造との間で電気的絶縁性を確保するための絶
縁材料が重要となってきている。
【0007】半導体デバイスにおいて用いられる絶縁材
料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミ
ニウム、酸化タンタルなどが利用されている。 (3)発光材料の持つ光学的性質にルミネセンスがあ
る。ルミネセンスは電界や光などを加えることによっ
て、基底状態から励起された電子がもとの状態に戻る時
に光を放出する現象であり、この性質を持つ材料は発光
材料として利用することができる。特に、電界励起によ
るルミネセンス(エレクトロルミネセンス:通称ELと
称される)は、表示デバイスや照明などへの応用が可能
である。ELを利用した発光デバイスには、電流注入型
(注入型EL)のものと電圧励起型(真性EL)のもの
とがある。前者は、半導体のpn接合を利用し、順バイ
アスした時に注入される電子と正孔の再結合を利用した
発光デバイスであり、一般には発光ダイオードと呼ばれ
ているもので、発光効率の点から主に直接遷移型半導体
である単結晶のガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウムナ
イトライドなどの化合物系の混晶半導体が用いられてい
る。一方、後者は、発光材料中の電子を高電界などを利
用して高エネルギとし、この電子によって発光材料中に
存在する発光中心となる原子中の電子を励起発光させる
ものであって、一般的には多結晶やアモルファス構造の
薄膜材料が用いられ、薄膜形成技術によって前者に比べ
て容易に大面積の発光デバイスを作ることができる。
【0008】また、その他の発光材料としては、硫化亜
鉛やセレン化亜鉛にマンガンや希土類フッ化物を添加し
たものや、硫化ストロンチウムや硫化ストロンチウムガ
リウムにセリウムを添加したものなどの無機系薄膜材料
や、アルミニウムキノリノール錯体を代表とするキレー
ト金属錯体などの有機系薄膜材料が利用されている。 (4)冷陰極材料は、例えば、近年注目を集めている電
子デバイスの一つであるいわゆる真空マイクロエレクト
ロニクスデバイスに利用される材料である。真空マイク
ロエレクトロニクスデバイスは、真空中を走る電子を利
用することから、従来の固体デバイスを越える高速動作
の機能デバイスを実現できる可能性があり、また、ブラ
ウン管に変わる軽量薄型でフラットな大画面表示デバイ
ス、あるいは蛍光灯に代わる薄型平面型の照明装置へ利
用できる可能性もある。このような真空マイクロエレク
トロニクスデバイスには、電子放出用のエミッタが設け
られるが、特に、電子を表面から電界放出できる微小な
フィールドエミッタ及びフィールドエミッタを同一平面
に多数個並べたフィールドエミッタアレイが使われてい
る。このフィールドエミッタは、高い電子放出率をもつ
とともに、エミッタ表面のスパッタ現象や表面汚染に対
する機械的安定性、化学的安定性を確保でき、さらに局
所的に電流が流れることで発生する熱的な問題を防ぐた
めの高い熱伝導率を合わせもつ必要があることから、シ
リコンや金属材料などで形成したエミッタ表面に、冷陰
極材料のコーティングが施される。そのような特性をあ
わせもつ冷陰極材料としては、従来、ダイヤモンド、ダ
イヤモンド状炭素(diamond-like carbon )などが使わ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の電子材料には以下に述べるような問題があった。 (1)従来の光伝導材料のうち、単結晶あるいは多結晶
のセレン、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テル
ル化カドミウム、硫化鉛、セレン化鉛、テルル化鉛、ゲ
ルマニウム、テルル、インジウムアンチモン、インジウ
ム砒素などや、アモルファス構造のセレン、セレン−テ
ルル、セレン−砒素、セレン−砒素−テルルなどのカル
コゲナイド系アモルファス材料は、人体や環境にとって
有害であったり危険なカドミウム、鉛、セレン、テル
ル、砒素、アンチモンなどを含んでいるので、製造時や
廃棄時に人体や環境への影響がないように、特別な管
理、対策、費用が必要になるという問題があった。ま
た、これらの材料は、カルコゲナイド系アモルファス材
料をはじめとして硬度があまり高くない(比較的柔らか
い)材料が多く、電子写真用感光体をその代表例とする
ように、表面が他の物と接触、摺動するような用途にお
いては、直ぐに摩耗が生じるので、寿命が非常に短いと
いう問題があった。
【0010】また、アモルファス構造のシリコン、シリ
コン−カーボン、シリコン−ゲルマニウムなどのテトラ
ヘドラル系の水素化アモルファスシリコン材料は、プラ
ズマCVD法により作製するにあたって、原料ガスとし
て、シランガス、メタンガス、ゲルマンガス、ホスフィ
ンガス、ジボランガスなどの混合ガスを用いているの
で、装置、材料ともに特殊で高価である上、排ガス処理
設備などを含めた安全対策のコストが高くなるという問
題がある。また、これらの材料もカルコゲナイド系アモ
ルファス材料ほどではないが、電子写真用感光体などへ
応用するには耐摩耗性が十分でなく、水素化アモルファ
スシリコン材料の表面に窒化シリコンのような保護膜を
別途に形成する必要があった。また、電子写真用感光体
などへの応用にあたっては、光照射のない状態での導電
率、つまり暗導電率が低いほど帯電性能が良くなって電
荷の流れによる像のぼけが少なくなるが、上記テトラヘ
ドラル系の水素化アモルファスシリコン材料の暗導電率
は10-11 S/cmないし10-13 S/cmと比較的高
いので、電子写真用感光体として利用するには膜厚を1
0μmないし20μmにする必要があり、製膜に要する
時間が非常に長くなるという問題があった。また、有機
半導体材料は無機半導体材料に比べて、安定性、耐久性
などが充分でないという問題があった。
【0011】(2)また、従来の絶縁材料のうち、窒化
シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどは、比
誘電率の値が6ないし20と比較的大きいので、これら
の材料を半導体デバイスなどへ利用すると、素子間容量
や電極間容量が大きくなってしまい、高速動作を必要と
するデバイスにおいて問題が生じる場合がある。また、
酸化シリコンは、作製方法によって4以下の比誘電率を
有するものが得られるが、窒化シリコンに比べて耐湿性
などが劣るという問題がある。また、これらの絶縁材料
の作製には、高温(数百℃以上)を必要とし、しかも、
原料ガスとしてシランガス、ジクロロシランガス、アン
モニアガスをはじめとした有毒なガスを用いる必要があ
り、安全対策を含めた設備が高価になってしまうという
問題があった。
【0012】(3)また、従来の発光材料のうち、注入
型EL用材料である単結晶の化合物系の混晶半導体は、
素子の大面積化が現状の技術では困難である上、結晶成
長にはMOCVD装置やMBE装置などの非常に高価な
装置を必要とするとともに、高価でしかも危険性の高い
原材料を必要とするという問題があった。一方、真性E
L用材料は、スパッタリング装置や真空蒸着装置などの
比較的安価な装置を用いて製膜でき、しかも比較的容易
に大面積にわたって製膜することができるという利点が
あるが、発光材料やその原材料には毒性の高いものが多
く、また希土類のような希少で高価な元素を使う必要が
あるなどの問題があった。また、真性EL用材料の発光
波長は発光材料中の母材と発光中心の原子で決まるの
で、発光波長を材料設計で自由に可変できるようにする
ことが難しいという問題があった。また、有機系薄膜材
料の場合には、安定性、信頼性があまり高くなく、寿命
が短いという問題があった。
【0013】(4)また、冷陰極材料の応用例であるフ
ィールドエミッタは、電子放出をある特定の領域からの
み生じるように、エミッタとして働く領域の導電性を高
くするとともに、エミッタとして働かない領域の表面に
絶縁物を配設して構成するようになっているが、従来の
冷陰極材料であるダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素の
場合、電気伝導の制御(価電子制御)は不純物のドーピ
ングによる方法である上、現状の技術ではp形の制御し
か実現されておらず、フィールドエミッタとしての電気
伝導の制御が困難であって、フィールドエミッタとして
働く領域を自由に制御することができないという問題が
あった。
【0014】以上のような従来の電子材料の有する問題
を解決するために、様々な材料の研究、開発が各所で行
われている。一方で、アモルファス構造の窒化炭素組成
物(以下、アモルファス窒化炭素組成物と称する)は、
上述のように、高い硬度や高い熱伝導率をもち、安定
性、耐湿性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、磁気的性質が
ないなどの特徴を有することが知られており、上記従来
の電子材料に代わるものとして注目されている。しかし
ながら、従来のアモルファス窒化炭素組成物の電気的特
性や光学的特性に関する報告例は少なく、光導電率と暗
導電率との比(光導電率/暗導電率)として3桁程度の
ものしか得られておらず、アモルファスシリコンにおけ
る光導電率と暗導電率との比に比べて1桁ないし2桁低
いものであった。また、従来のアモルファス窒化炭素組
成物の暗導電率は、10-13 S/cm程度と高い値であ
って、電子写真用感光体に用いる光伝導材料や絶縁材料
としては充分ではない。さらに、従来のアモルファス窒
化炭素組成物は、原料ガスとしてメタンガス、エタンガ
ス、エチレンガス等の炭化水素ガスやアンモニアガスな
どを用い、プラズマCVD法などによって作製されてい
るので、原料ガスの毒性や爆発など製造上の危険性があ
った。
【0015】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、電子材料として利用できるアモルフ
ァス窒化炭素組成物およびその製造方法を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、アモルファス窒化炭素組成物で
あってエネルギバンド構造においてπ結合に基づく局在
状態密度が小さくσ結合による広がった状態密度の方が
支配的である炭素原子及び窒素原子で構成された領域が
存在して成ることを特徴とするものであり、前記領域で
は光照射により生成される電子、正孔が局在状態にトラ
ップされることが少なくなり、伝導に寄与するσ結合に
基づく広がった状態のバンドでのキャリア増加が大きく
なるので、結果として光照射による導電率の変化が大き
くなる。また、π結合に基づく局在状態が小さくなるこ
とで、光学ギャップや移動度ギャップが実質的に大きく
なるととともに、フェルミレベルもギャップ中央付近に
移動し、しかも局在状態にトラップされているキャリア
数も少なくなるので、局在状態から広がった状態のバン
ドへ移動するキャリアが少なくなり、暗導電率が小さく
なる。したがって、光照射による導電率の変化が従来よ
りも大きく且つ従来よりも暗導電率の小さな領域がアモ
ルファス窒化炭素組成物に存在することになるので、組
成物全体としても、光導電率と暗導電率との比が従来に
比べて大きくなり、良好な光伝導性が得られるととも
に、暗導電率を従来に比べて小さくすることができる。
また、バンドギャップ中の局在状態密度が大きいと、励
起されたキャリアが局在状態にトラップされたり非発光
センタとして働き、発光しなかったり発光効率が悪くな
ったりするが、π結合に基づく局在状態密度を小さくし
ているので、局在状態がトラップや非発光センタとして
働く割合を少なくすることができ、結果として発光効率
を高めることができる。したがって、光伝導材料や発光
材料などの電子材料として利用することが可能になる。
また、組成物全体をπ結合に基づく局在状態密度を小さ
くし、σ結合による広がった状態密度の方が支配的であ
るような炭素および窒素原子で構成することにより、電
子材料として用いる場合の組成物全体の特性を向上させ
ることができる。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、光伝導材料として用いることを特徴とし、炭素と窒
素との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5e
Vないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視
光から近赤外線領域にわたって感度を持たせたり透明性
を持たせたりでき、しかも高い硬度や高い熱伝導率を持
ち安定性、耐湿性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、光導電
率と暗導電率との比が大きく暗導電率が小さいので、光
伝導セルや光伝導セルを応用した光検知器、光増幅器、
あるいは撮像管や撮像素子など、また光起電力セルや光
起電力セルを応用した太陽電池、照度計、光検知器、フ
ォトダイオード、フォトトランジスタ、イメージセンサ
などの光伝導性を利用した様々な用途への応用の可能性
がある。特に、電子写真用感光体として使用する場合に
は、耐摩耗性に優れる上に暗導電率が小さいことから、
膜厚を小さくしても像の流れることのない高性能で長寿
命の感光体ドラムを実現でき、ひいてはその感光体ドラ
ムを応用した高性能で長寿命な複写機やプリンタなどを
実現することが可能になる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、絶縁材料として用いることを特徴とし、炭素と窒素
との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5eV
ないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視光
から近赤外線領域にわたって透明性を持たせることがで
き、しかも高い硬度や高い熱伝導性を持ち、安定性、耐
湿性、耐薬品性、耐摩耗性に優れている上に、非常に小
さな暗導電率を示すとともに、比誘電率の値が6以下の
ものを得ることができるので、素子間容量や電極間容量
が小さく信頼性の高い電子デバイスを実現することが可
能になる。
【0019】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、発光材料として用いることを特徴とし、大面積に比
較的容易に形成できてしかも光学的バンドギャップを
1.5eVないし3.0eVの範囲で可変することによ
り可視光から近赤外線領域にわたって種々の発光波長の
発光材料を実現することが可能になり、しかも高い硬度
や高い熱伝導性を持ち、安定性、耐湿性、耐薬品性、耐
摩耗性に優れている上にπ結合に基づく局在状態密度を
小さくしていることにより、発光効率が高くなっている
から、発光効率の大きな発光デバイスを実現することが
可能になる。
【0020】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、冷陰極材料として用いることを特徴とし、炭素と窒
素との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5e
Vないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視
光から近赤外線にわたって透明性を持たせたりでき、し
かも高い硬度や高い熱伝導率を持ち安定性、耐湿性、耐
薬品性、耐摩耗性に優れ、光導電率と暗導電率との比が
大きく暗導電率が小さいので、光を用いて容易に導電率
を制御することができ、フィールドエミッタとして働く
領域を光を用いて自由に制御可能なフィールドエミッタ
を実現することが可能になる。
【0021】請求項6の発明は、エネルギバンド構造に
おいてπ結合に基づく局在状態密度が小さくσ結合によ
る広がった状態密度の方が支配的である炭素原子及び窒
素原子で構成された領域が存在するアモルファス窒化炭
素組成物の製造方法であって、スパッタリング法によっ
て基板上にアモルファス窒化炭素組成物を堆積すること
を特徴とし、比較的安価で容易に大面積に作製すること
ができる。
【0022】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、スパッタガスとして少なくとも窒素ガスを用いるの
で、危険性や環境への悪影響がなく、従来のような毒性
を有するガスを原料ガスとして用いてプラズマCVD装
置などにより作製する場合に比べて安全性を高めること
ができ、安全対策を含めた設備のコストを低減すること
ができる。また、窒素は地球に豊富に存在するので、原
料のコストを低減できる。
【0023】請求項8の発明は、請求項6又は請求項7
の発明において、ターゲット材料として炭素を用いるの
で、危険性や環境への悪影響がなく、従来のような毒性
を有するガスを原料ガスとして用いてプラズマCVD装
置などにより作製する場合に比べて安全性を高めること
ができ、安全対策を含めた設備のコストを低減すること
ができる。また、炭素は地球に豊富に存在するので、原
料のコストを低減できる。
【0024】請求項9の発明は、請求項6ないし請求項
8の発明において、スパッタリング法により堆積したア
モルファス窒化炭素組成物の表面に水素プラズマ処理を
施す工程を1回以上有するので、水素プラズマ処理を行
うことにより、sp2 混成軌道からなる2重結合を有し
たグラファイト構造の炭素が容易にエッチングされ、そ
の一方でsp3 混成軌道からなる1重結合のみからなる
ダイヤモンド構造の炭素はエッチングされ難いから、π
結合に基づく局在状態密度を小さくし、σ結合による広
がった状態密度の方が支配的であるような領域を持つよ
うに形成することができる。特に、組成物全体を一度に
水素プラズマ処理するのではなく、薄い膜を堆積するご
とに水素プラズマ処理を行って積層することにより、厚
み方向の全てにわたってπ結合に基づく局在状態密度を
小さくし、σ結合による広がった状態密度の方が支配的
であるようにすることができる。
【0025】ところで、アモルファス窒化炭素組成物は
共有結合性を示し、σ結合のみからなるsp3 混成軌道
と、σ結合とπ結合からなるsp2 混成軌道あるいはs
p混成軌道の異なった結合状態が存在する。したがっ
て、アモルファス窒化炭素組成物は、エネルギバンド構
造において、σ結合に基づく広がった状態のバンドとπ
結合に基づく局在状態のバンドとが生じている。アモル
ファス窒化炭素組成物中にsp2 混成軌道あるいはsp
混成軌道の結合を多く含んでいるような場合には、π結
合に基づく局在状態密度が大きくなり、この場合には光
照射で生成される電子、正孔が局在状態にトラップされ
る割合が高くなるので、伝導に寄与するσ結合に基づく
広がった状態のバンドでのキャリア増加はあまり多くな
く、結果として光照射による導電率の変化が生じにくく
なるものと考えられる。また、π結合に基づく局在状態
密度が大きいと、局在状態にトラップされているキャリ
ア数も多いので、局在状態から広がった状態のバンドへ
のキャリアの移動が多くなり、暗導電率が比較的高くな
るものと考えられる。そこで、発明者は、アモルファス
窒化炭素組成物のエネルギバンド構造に注目して本発明
を行った。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1に本実施形態
のアモルファス窒化炭素組成物のエネルギバンド構造の
模式図を示す。図1の縦軸はエネルギ、横軸は状態密度
である。本実施形態のアモルファス窒化炭素組成物は、
図1に示すように、σ結合の結合準位に基づく広がった
状態の価電子帯状態1と反結合準位に基づく広がった状
態の伝導帯状態2とが(移動度端Ev と移動度端Ec と
が)移動度ギャップEmgを隔てて存在する。ところで、
グラファイト構造のような2重結合を含む構造が組成物
中に多量に存在すると、移動度ギャップEmg中に図1の
一点鎖線で示すようなπ結合に基づく大きな局在状態
4’が生じるが、本実施形態では、π結合に基づく局在
状態4の状態密度を小さくしてある。
【0027】要するに、本実施形態では、アモルファス
窒化炭素組成物のバンド構造においてπ結合に基づく局
在状態密度が小さくσ結合により広がった状態密度の方
が支配的である炭素原子及び窒素原子で構成される領域
が存在し前記領域では光照射により生成される電子、正
孔が局在状態にトラップされることが少なく、伝導に寄
与するσ結合に基づく広がった状態のバンドでのキャリ
ア増加が大きくなるので、結果として光照射による導電
率の変化が大きくなり、また、π結合に基づく局在状態
が小さくなることで、光学ギャップや移動度ギャップE
mgが実質的に大きくなるととともに、フェルミレベルも
ギャップ中央付近に移動し、局在状態にトラップされて
いるキャリア数も少なくなるので、局在状態から広がっ
た状態のバンドへ移動するキャリアが少なくなり、暗導
電率が小さくなる。したがって、光照射による導電率の
変化が大きく且つ暗導電率の小さな領域がアモルファス
窒化炭素組成物に存在することになるので、組成物全体
としても光導電率と暗導電率との比が従来に比べて大き
く、良好な光伝導性が得られるとともに、暗導電率を従
来に比べて小さくすることができる。また、バンドギャ
ップ中の局在状態密度が大きいと、励起されたキャリア
が局在状態にトラップされたり非発光センタとして働く
ので、発光しなかったり発光効率が悪くなったりする
が、本実施形態では、π結合に基づく局在状態密度を小
さくしているので、局在状態がトラップや非発光センタ
として働く割合を少なくすることができ、結果として発
光効率を高めることができる。
【0028】以下、アモルファス窒化炭素組成物の作製
方法について説明する。本実施形態では、プラズマ励起
源として周波数13.56MHzのRF発振器を備えた
高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いて反応性
スパッタリングによりアモルファス窒化炭素組成物を基
板(例えば、シリコン基板やガラス基板など)上に堆積
させる。ここに、スパッタガスには、純度が99.99
%の純窒素ガスを用い、スパッタ用のターゲット材料と
しては純度が99.999%のグラファイトを用いてい
る。なお、スパッタガスとしては、純窒素ガスとアルゴ
ンガスとの混合ガスを用いてもよい。
【0029】次に、アモルファス窒化炭素組成物の表面
に、水素ガスによる放電処理(水素プラズマ処理)を施
すことにより上述の図1に示すようなエネルギバンド構
造を有するアモルファス窒化炭素組成物を形成すること
ができる。なお、本実施形態では、炭素と窒素の組成を
変えることにより、光学的バンドギャップを1.5eV
ないし3.0eVの範囲で変化させることができる。
【0030】以下に、上述の作製方法で作製したアモル
ファス窒化炭素組成物の特性についいて説明する。スパ
ッタリング条件としては、スパッタリング時のガス圧
(真空度)を16Pa、放電電力(スパッタ電力)を1
00W、基板温度を200℃、スパッタリング時間を2
時間とした。また、水素プラズマ処理は高周波マグネト
ロンスパッタリング装置内においてターゲットがスパッ
タされないようにシャッタをセットして行い、水素プラ
ズマ処理の条件としては、ガス圧(真空度)を67P
a、放電電力を20W、処理時間を1.5時間とした。
【0031】このような条件で作製したアモルファス窒
化炭素組成物の直流暗導電率は、室温(297K)にお
いて約1×10-15 S/cmであり、アモルファスシリ
コンの直流暗導電率(1×10-11 S/cmないし1×
10-13 S/cm)に比べて非常に低い値が得られた。
また、本実施形態のアモルファス窒化炭素組成物にキセ
ノンランンプを用いて100mW/cm2 の強度の光を
照射した時の光導電率は、室温(297K)において約
1×10-11 S/cm2 であった。したがって、本実施
形態では、光導電率と暗導電率との比(光導電率/暗導
電率)が4桁となり、従来のアモルファス窒化炭素組成
物における光導電率と暗導電率との比の3桁よりも大き
く、良好な光伝導特性が得られていることがわかる。
【0032】ところで、比較例として水素プラズマ処理
を施していないアモルファス窒化炭素組成物の直流暗導
電率および光導電率をそれぞれ上述と同じ条件で測定し
た結果、直流暗導電率は5×10-15 S/cmであり、
光導電率は5×10-12 S/cmであった。すなわち、
水素プラズマ処理を施すことにより、光導電率と暗導電
率との比が3桁から4桁へ向上し、また、暗導電率が約
5分の1の低下されていることがわかる。
【0033】また、水素プラズマ処理前のアモルファス
窒化炭素組成物の膜厚は約160nmであったが、水素
プラズマ処理後のアモルファス窒化炭素組成物の膜厚は
約100nmであり、しかも水素プラズマ処理を施した
ものでは、ESR(ElectronSpin Resonanse )により
水素がほとんど検出されなかったことから、水素プラズ
マ処理による組成物中への水素の導入はほとんど行われ
ず、水素プラズマ処理によりアモルファス窒化炭素組成
物がエッチングされていることがわかった。また、この
エッチングにおいては、アモルファス窒化炭素組成物中
のグラファイト構造のような不完全な構造部分が主にエ
ッチングされ、ダイヤモンド構造が残存するように働い
ていることを赤外線分光法などの分析結果により見いだ
した。したがって、本実施形態では、水素プラズマ処理
によってアモルファス窒化炭素組成物中のグラファイト
構造を減少させることで、エネルギバンド構造における
π結合に基づく局在状態のバンドを小さくでき、これに
よってσ結合による広がった状態密度の方が支配的であ
るような領域を持つように形成することができ、結果と
して良好な光伝導性が得られるようになったものと考え
られる。
【0034】本実施形態のアモルファス窒化炭素組成物
は、従来のアモルファス窒化炭素組成物と同様に高い硬
度や高い熱伝導率を持ち、安定性、耐湿性、耐薬品性、
耐摩耗性に優れている。 (実施形態2)本実施形態の基本構成は実施形態1と略
同じであって、アモルファス窒化炭素組成物を反応性ス
パッタリングにより堆積する第1の工程と、第1の工程
で堆積されたアモルファス窒化炭素組成物の表面に水素
プラズマ処理を行う第2の工程とを交互に繰り返すこと
により所望の厚さのアモルファス窒化炭素組成物を形成
している点に特徴がある。第1の工程では、実施形態1
と同様にガス圧(真空度)を16Pa、放電電力を10
0W、基板温度を200℃として、厚さ20nmのアモ
ルファス窒化炭素組成物を反応性スパッタリングにより
堆積し、第2の工程では、実施形態1と同様にガス圧
(真空度)を67Pa、放電電力を20Wとして、10
分の水素プラズマ処理を行っている。本実施形態では、
第1の工程と第2の工程とを交互に50回繰り返し行っ
た。すなわち、厚さ20nmのアモルファス窒化炭素組
成物を堆積する毎に水素プラズマ処理を行い、いわゆる
レイヤー・バイ・レイヤー法によりアモルファス窒化炭
素組成物を形成した。
【0035】図2に本実施形態で作製したアモルファス
窒化炭素組成物の直流暗導電率と光導電率とのそれぞれ
の温度特性を示す。図2の縦軸は導電率、横軸は測定時
の絶対温度Tの逆数を1000倍したものである。な
お、図2中のイ(●)が直流暗導電率を示して、ロ
(○),ハ(○),ニ(○)が光導電率を示し、ロ,
ハ,ニは、キセノンランプの光強度が異なり、それぞ
れ、100mW/cm2 ,25mW/cm2 ,7.5m
W/cm2 の時の測定値である。
【0036】図2から、本実施形態で作製したアモルフ
ァス窒化炭素組成物では、室温(297K)における直
流暗導電率が約1×10-18 S/cmであり、非常に小
さな値を示した。また、キセノンランプの光強度を10
0mW/cm2 として光を照射した場合の光導電率は室
温(297K)において約5×10-12 S/cmであっ
た。要するに、本実施形態では、室温において、光導電
率と暗導電率との比(光導電率/暗導電率)が5×10
6 という極めて大きな値が得られ、暗導電率も約1×1
-18 S/cmと極めて小さな値が得られ、実施形態1
に比べてさらに光伝導特性が向上していることがわか
る。これは、レイヤー・バイ・レイヤー法により、比較
的薄い膜厚のアモルファス窒化炭素組成物を堆積させる
度に水素プラズマ処理を施しているので、アモルファス
窒化炭素組成物の膜厚方向の全ての領域でグラファイト
構造のような不完全な構造部分が少なくなり、ダイヤモ
ンド構造が主体となっているためであると考えられる。
【0037】(実施形態3)図3に実施形態2と同様の
製造方法で作製したアモルファス窒化炭素を用いた光セ
ンサの断面図を示す。本実施形態では、基板10(例え
ば、シリコン基板上に酸化シリコンなどの絶縁膜を形成
したもの、または、ガラスのような絶縁性基板)上に金
属電極11を堆積させて、フォトリソグラフィ技術とエ
ッチング技術とによって金属電極11のパターニングを
行い、その後、実施形態2と同様に反応性スパッタリン
グと水素プラズマ処理とを交互に行うレイヤー・バイ・
レイヤー法により厚さ100nmのアモルファス窒化炭
素組成物12を形成した。次に、フォトリソグラフィ技
術とエッチング技術とによってアモルファス窒化炭素組
成物12のパターニングを行い、その後、酸化インジウ
ムと酸化錫とからなる透明電極13を堆積させ、フォト
リソグラフィ技術とエッチング技術とによって透明電極
13のパターニングを行うことにより図3に示す構造の
光センサを作製した。ここにおいて、金属電極11と透
明電極13との重なり合う部分の面積は約0.1cm2
とした。
【0038】本実施形態で作製した光センサの透明電極
13側から光を照射して特性を調べたところ、印加電圧
を5Vとしたときの光電流が0.2μA、暗電流が0.
1pAであり、光センサとして充分利用できる良好な明
暗特性が得られた。なお、アモルファス窒化炭素組成物
12の光学ギャップは略2.2eVであった。 (実施形態4)図4に実施形態2と同様の製造方法で作
製したアモルファス窒化炭素組成物を用いた光撮像管の
要部構成図を示す。
【0039】本実施形態では、石英ガラス基板20上に
酸化シンジウムと酸化錫とからなる透明電極21を堆積
させた後、実施形態2と同様に反応性スパッタリングと
水素プラズマ処理とを交互に行うレイヤー・バイ・レイ
ヤー法により厚さ2μmのアモルファス窒化炭素組成物
12を形成した。本実施形態では、透明電極21に正の
バイアスが印加されるように、直流電源23の正極が抵
抗24を介して透明電極21に接続されている。一方、
直流電源23の負極は、アモルファス窒化炭素組成物1
2に対向して配置されたカソード25に接続されてお
り、カソード25から放射される電子ビーム26がアモ
ルファス窒化炭素組成物12の表面を走査できるように
なっている。
【0040】本実施形態の光撮像管の特性を調べたとこ
ろ、蓄積容量が約1000pF、動作電圧が105 V/
cm、暗電流が0.1pA/cm2 であり、光撮像管と
して充分良好な特性が得られた。 (実施形態5)図5に実施形態2と同様の製造方法で作
製したアモルファス窒化炭素組成物を用いた電子写真用
感光体ドラムの断面図を示す。
【0041】本実施形態では、アルミニウム基板からな
るドラム30の上に、実施形態2と同様に反応性スパッ
タリングと水素プラズマ処理とを交互に行うレイヤー・
バイ・レイヤー法により厚さ100nmのアモルファス
窒化炭素組成物12を形成した。本実施形態では、アモ
ルファス窒化炭素組成物12が感光体材料を構成してお
り、アモルファス窒化炭素組成物12の表面に、コロナ
放電により表面電位が1000V程度になるように電荷
を与えた後、光の像をアモルファス窒化炭素組成物12
の表面に照射することで、光生成キャリアによって明暗
に応じた表面電位の分布が生じるようになっている。電
子写真用感光体ドラムでは、この表面電位の分布に応じ
て絶縁性トナーが静電吸着するので、これを紙に転写す
ることで画像が得られる。
【0042】本実施形態の電子写真用感光体ドラムは、
暗導電率が約1×10-18 S/cmであり、従来のアモ
ルファスシリコンを用いた電子写真用感光体ドラムの暗
導電率(1×10-11 S/cmないし1×10-13 S/
cm)や従来のアモルファスセレンを用いた電子写真用
感光体ドラムの暗導電率(1×10-15 S/cm程度)
に比べて極めて低いので、感光体であるアモルファス窒
化炭素組成物12の厚みが100nm程度の薄膜である
(従来のアモルファスシリコンを用いた電子写真用感光
体ドラムでは10μmないし30μmの厚さのアモルフ
ァスシリコンを形成している)にも関わらず保持電荷の
移動を少なくすることができ、また、それにともなって
保持電荷量を大きくすることができるので、画像流れが
生じにくい良好な感光特性が得られた。また、本実施形
態のアモルファス窒化炭素組成物は、従来の感光材料
(例えば、アモルファスセレン感光体やアモルファスシ
リコン感光体)に比べて硬く、耐摩耗性に優れているの
で、表面保護膜などを設けることなく長寿命の感光体ド
ラムを形成することができる。
【0043】(実施形態6)図6に実施形態2と同様の
製造方法で作製方法で作製したアモルファス窒化炭素組
成物による電極配線間の電気的絶縁分離構造の一例の断
面図を示す。本実施形態では、絶縁基板40上にアルミ
ニウムからなる第1の配線電極41が所定形状に形成さ
れ、第1の配線電極41上に実施形態2と同様に反応性
スパッタリングと水素プラズマ処理とを交互に行うレイ
ヤー・バイ・レイヤー法により厚さ500nmのアモル
ファス窒化炭素組成物12が形成され、アモルファス窒
化炭素組成物12上に第2の配線電極43が所定形状に
形成され、アモルファス窒化炭素組成物12が第1の配
線電極41と第2の配線電極43との間の絶縁分離膜を
構成している。なお、本実施形態では、各配線電極4
1,43の配線幅はともに10μmとしてあり、アモル
ファス窒化炭素組成物12の比誘電率は6以下であっ
た。本実施形態の電気的絶縁分離構造において、第1の
電極41と第2の電極43との間の電気容量とリーク電
流とを測定したところ、電気容量が約10fF、リーク
電流が0.1pA未満であり、半導体デバイスなどの層
間絶縁膜として利用できる充分小さな値が得られた。す
なわち、本実施形態におけるアモルファス窒化炭素組成
物12を絶縁材料として用いることにより、素子間容量
や電極間容量が小さく信頼性の高い電子デバイスを実現
することが可能になり、高速性を要求される半導体デバ
イスなどへの応用できる可能性がある。
【0044】(実施形態7)図7に実施形態2と同様の
製造方法で作製したアモルファス窒化炭素組成物を用い
た発光素子の断面図を示す。本実施形態では、透明な石
英ガラス基板50上に、酸化インジウムと酸化錫とから
なる透明電極51を堆積させて、フォトリソグラフィ技
術とエッチング技術とによって透明電極51のパターニ
ングを行い、その後、実施形態2と同様に反応性スパッ
タリングと水素プラズマ処理とを交互に行うレイヤー・
バイ・レイヤー法により厚さ500nmのアモルファス
窒化炭素組成物12を形成した。次に、フォトリソグラ
フィ技術とエッチング技術とによってアモルファス窒化
炭素組成物12のパターニングを行い、その後、アルミ
ニウムからなる背面電極53を堆積させ、フォトリソグ
ラフィ技術とエッチング技術とによって背面電極53の
パターニングを行うことにより図7に示す構造の発光素
子を作製した。本実施形態では、アモルファス窒化炭素
組成物12での発光が透明電極51及び石英ガラス基板
50を通して外部へ放射される。
【0045】本実施形態の発光素子の背面電極53と透
明電極51との間に150Vの交流電圧(周波数として
は例えば数十Hzないし数kHz)を印加したところ、
波長700nm付近にピークを有する発光54が得られ
た。 (実施形態8)図8に実施形態2と同様の製造方法で作
製したアモルファス窒化炭素組成物を用いたフェールド
エミッタアレイの断面図を示す。
【0046】本実施形態では、シリコン基板60上に、
実施形態2と同様に反応性スパッタリングと水素プラズ
マ処理とを交互に行うレイヤー・バイ・レイヤー法によ
り厚さ50nmのアモルファス窒化炭素組成物12が形
成されている。また、アモルファス窒化炭素組成物12
上には、厚さ10μmの酸化シリコンよりなる絶縁層6
2が形成され、絶縁層62上にモリブデンからなるゲー
ト電極64が形成され、ゲート電極64及び絶縁層62
を所定形状にパターニングすることにより、アモルファ
ス窒化炭素組成物12からなる複数のフィールドエミッ
タ領域63が形成されている。
【0047】本実施例のフェールドエミッタアレイで
は、ゲート電極64に電圧を印加した状態でフィールド
エミッタ領域63の表面へ光65を照射すると、光65
が照射されたフィールドエミッタ領域63のみから電子
放出が観測された。したがって、本実施例のフィールド
エミッタアレイを用いることにより、外部からの光照射
パターンに応じた表示パターンを描くことが可能な表示
デバイスを実現することができる。
【0048】以上説明した各実施形態はそれぞれ本発明
の一実施形態を示すものであり、アモルファス窒化炭素
組成物12の作製条件、アモルファス窒化炭素組成物1
2を用いた素子の構造、応用デバイスなどは上記のもの
に限定されるものではない。要するに、本発明のアモル
ファス窒化炭素組成物12は、光伝導材料、絶縁材料、
発光デバイス、冷陰極材料などとして用いることができ
る。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明は、アモルファス窒化炭
素組成物であってエネルギバンド構造においてπ結合に
基づく局在状態密度が小さくσ結合による広がった状態
密度の方が支配的である炭素原子及び窒素原子で構成さ
れた領域が存在しているので、前記領域では光照射によ
り生成される電子、正孔が局在状態にトラップされるこ
とが少なくなり、伝導に寄与するσ結合に基づく広がっ
た状態のバンドでのキャリア増加が大きくなり、結果と
して光照射による導電率の変化が大きくなる。また、π
結合に基づく局在状態が小さくなることで、光学ギャッ
プや移動度ギャップが実質的に大きくなるととともに、
フェルミレベルもギャップ中央付近に移動し、しかも局
在状態にトラップされているキャリア数も少なくなるの
で、局在状態から広がった状態のバンドへ移動するキャ
リアが少なくなり、暗導電率が小さくなる。したがっ
て、光照射による導電率の変化が従来よりも大きく且つ
従来よりも暗導電率の小さな領域がアモルファス窒化炭
素組成物に存在することになるので、組成物全体として
も、光導電率と暗導電率との比が従来に比べて大きくな
り、良好な光伝導性が得られるとともに、暗導電率を従
来に比べて小さくすることができるという効果がある。
また、バンドギャップ中の局在状態密度が大きいと、励
起されたキャリアが局在状態にトラップされたり非発光
センタとして働き、発光しなかったり発光効率が悪くな
ったりするが、π結合に基づく局在状態密度を小さくし
ているので、局在状態がトラップや非発光センタとして
働く割合を少なくすることができ、結果として発光効率
を高めることができるという効果がある。したがって、
光伝導材料や発光材料などの電子材料として利用するこ
とが可能になるという効果がある。また、組成物全体を
π結合に基づく局在状態密度を小さくし、σ結合による
広がった状態密度の方が支配的であるような炭素および
窒素原子で構成することにより、電子材料として用いる
場合の組成物全体の特性を向上させることができる。
【0050】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、光伝導材料として用いることを特徴とし、炭素と窒
素との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5e
Vないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視
光から近赤外線領域にわたって感度を持たせたり透明性
を持たせたりでき、しかも高い硬度や高い熱伝導率を持
ち安定性、耐湿性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、光導電
率と暗導電率との比が大きく暗導電率が小さいので、光
伝導セルや光伝導セルを応用した光検知器、光増幅器、
あるいは撮像管や撮像素子など、また光起電力セルや光
起電力セルを応用した太陽電池、照度計、光検知器、フ
ォトダイオード、フォトトランジスタ、イメージセンサ
などの光伝導性を利用した様々な用途への応用の可能性
がある。特に、電子写真用感光体として使用する場合に
は、耐摩耗性に優れる上に暗導電率が小さいことから、
膜厚を小さくしても像の流れることのない高性能で長寿
命の感光体ドラムを実現でき、ひいてはその感光体ドラ
ムを応用した高性能で長寿命な複写機やプリンタなどを
実現することが可能になる。
【0051】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、絶縁材料として用いることを特徴とし、炭素と窒素
との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5eV
ないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視光
から近赤外線領域にわたって透明性を持たせることがで
き、しかも高い硬度や高い熱伝導性を持ち、安定性、耐
湿性、耐薬品性、耐摩耗性に優れている上に、非常に小
さな暗導電率を示すとともに、比誘電率の値が6以下の
ものを得ることができるので、素子間容量や電極間容量
が小さく信頼性の高い電子デバイスを実現することが可
能になる。
【0052】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、発光材料として用いることを特徴とし、大面積に比
較的容易に形成できてしかも光学的バンドギャップを
1.5eVないし3.0eVの範囲で可変することによ
り可視光から近赤外線領域にわたって種々の発光波長の
発光材料を実現することが可能になり、しかも高い硬度
や高い熱伝導性を持ち、安定性、耐湿性、耐薬品性、耐
摩耗性に優れている上にπ結合に基づく局在状態密度を
小さくしていることにより、発光効率が高くなっている
から、発光効率の大きな発光デバイスを実現することが
可能になる。
【0053】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、冷陰極材料として用いることを特徴とし、炭素と窒
素との組成比を変えて光学的バンドギャップを1.5e
Vないし3.0eVの範囲で可変することにより、可視
光から近赤外線にわたって透明性を持たせたりでき、し
かも高い硬度や高い熱伝導率を持ち安定性、耐湿性、耐
薬品性、耐摩耗性に優れ、光導電率と暗導電率との比が
大きく暗導電率が小さいので、光を用いて容易に導電率
を制御することができ、フィールドエミッタとして働く
領域を光を用いて自由に制御可能なフィールドエミッタ
を実現することが可能になる。
【0054】請求項6の発明は、エネルギバンド構造に
おいてπ結合に基づく局在状態密度が小さくσ結合によ
る広がった状態密度の方が支配的である炭素原子及び窒
素原子で構成された領域が存在するアモルファス窒化炭
素組成物の製造方法であって、スパッタリング法によっ
て基板上にアモルファス窒化炭素組成物を堆積するの
で、比較的安価で容易に大面積に作製することができる
という効果がある。
【0055】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、スパッタガスとして少なくとも窒素ガスを用いるの
で、危険性や環境への悪影響がなく、従来のような毒性
を有するガスを原料ガスとして用いてプラズマCVD装
置などにより作製する場合に比べて安全性を高めること
ができ、安全対策を含めた設備のコストを低減すること
ができるという効果がある。また、窒素は地球に豊富に
存在するので、原料のコストを低減できる。
【0056】請求項8の発明は、請求項6又は請求項7
の発明において、ターゲット材料として炭素を用いるの
で、危険性や環境への悪影響がなく、従来のような毒性
を有するガスを原料ガスとして用いてプラズマCVD装
置などにより作製する場合に比べて安全性を高めること
ができ、安全対策を含めた設備のコストを低減すること
ができるという効果がある。また、炭素は地球に豊富に
存在するので、原料のコストを低減できる。
【0057】請求項9の発明は、請求項6ないし請求項
8の発明において、スパッタリング法により堆積したア
モルファス窒化炭素組成物の表面に水素プラズマ処理を
施す工程を1回以上有するので、水素プラズマ処理を行
うことにより、sp2 混成軌道からなる2重結合を有し
たグラファイト構造の炭素が容易にエッチングされ、そ
の一方でsp3 混成軌道からなる1重結合のみからなる
ダイヤモンド構造の炭素はエッチングされ難いから、π
結合に基づく局在状態密度を小さくし、σ結合による広
がった状態密度の方が支配的であるような領域を持つよ
うに形成することができるという効果がある。特に、組
成物全体を一度に水素プラズマ処理するのではなく、薄
い膜を堆積するごとに水素プラズマ処理を行って積層す
ることにより、厚み方向の全てにわたってπ結合に基づ
く局在状態密度を小さくし、σ結合による広がった状態
密度の方が支配的であるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示すエネルギバンド構造の模式図
である。
【図2】実施形態2の導電率の温度依存性を示すグラフ
である。
【図3】実施形態3の光センサの断面図である。
【図4】実施形態4の光撮像管の要部構成図である。
【図5】実施形態5の電子写真用感光体ドラムの断面図
である。
【図6】実施形態6の電極配線間の電気的絶縁分離構造
の断面図である。
【図7】実施形態7の発光素子の断面図である。
【図8】実施形態8のフィールドエミッタアレイの断面
図である。
【符号の説明】
1 価電子帯状態 2 伝導体状態 4 局在状態 Emg 移動度ギャップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】ところで、比較例として水素プラズマ処理
を施していないアモルファス窒化炭素組成物の直流暗導
電率および光導電率をそれぞれ上述と同じ条件で測定し
た結果、直流暗導電率は5×10-15S/cmであり、
光導電率は5×10-12S/cmであった。すなわち、
水素プラズマ処理を施すことにより、光導電率と暗導電
率との比が3桁から4桁へ向上し、また、暗導電率が約
5分の1に低下されていることがわかる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、水素プラズマ処理前のアモルファス
窒化炭素組成物の膜厚は約160nmであったが、水素
プラズマ処理後のアモルファス窒化炭素組成物の膜厚は
約100nmであり、しかも水素プラズマ処理を施した
ものでは、赤外線分光法などにより水素がほとんど検出
されなかったことから、水素プラズマ処理による組成物
中への水素の導入はほとんど行われず、水素プラズマ処
理によりアモルファス窒化炭素組成物がエッチングされ
ていることがわかった。また、このエッチングにおいて
は、アモルファス窒化炭素組成物中のグラファイト構造
のような不完全な構造部分が主にエッチングされ、ダイ
ヤモンド構造が残存するように働いていることを赤外線
分光法などの分析結果により見いだした。したがって、
本実施形態では、水素プラズマ処理によってアモルファ
ス窒化炭素組成物中のグラファイト構造を減少させるこ
とで、エネルギバンド構造におけるπ結合に基づく局在
状態のバンドを小さくでき、これによってσ結合による
広がった状態密度の方が支配的であるような領域を持つ
ように形成することができ、結果として良好な光伝導性
が得られるようになったものと考えられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本実施形態では、石英ガラス基板20上に
化インジウムと酸化錫とからなる透明電極21を堆積
させた後、実施形態2と同様に反応性スパッタリングと
水素プラズマ処理とを交互に行うレイヤー・バイ・レイ
ヤー法により厚さ2μmのアモルファス窒化炭素組成物
12を形成した。本実施形態では、透明電極21に正の
バイアスが印加されるように、直流電源23の正極が抵
抗24を介して透明電極21に接続されている。一方、
直流電源23の負極は、アモルファス窒化炭素組成物1
2に対向して配置されたカソード25に接続されてお
り、カソード25から放射される電子ビーム26がアモ
ルファス窒化炭素組成物12の表面を走査できるように
なっている。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス窒化炭素組成物であってエ
    ネルギバンド構造においてπ結合に基づく局在状態密度
    が小さくσ結合による広がった状態密度の方が支配的で
    ある炭素原子及び窒素原子で構成された領域が存在して
    成ることを特徴とするアモルファス窒化炭素組成物。
  2. 【請求項2】 光伝導材料として用いることを特徴とす
    る請求項1記載のアモルファス窒化炭素組成物。
  3. 【請求項3】 絶縁材料として用いることを特徴とする
    請求項1記載のアモルファス窒化炭素組成物。
  4. 【請求項4】 発光材料として用いることを特徴とする
    請求項1記載のアモルファス窒化炭素組成物。
  5. 【請求項5】 冷陰極材料として用いることを特徴とす
    る請求項1記載のアモルファス窒化炭素組成物。
  6. 【請求項6】 エネルギバンド構造においてπ結合に基
    づく局在状態密度が小さくσ結合による広がった状態密
    度の方が支配的である炭素原子及び窒素原子で構成され
    た領域が存在するアモルファス窒化炭素組成物の製造方
    法であって、スパッタリング法によって基板上にアモル
    ファス窒化炭素組成物を堆積することを特徴とするアモ
    ルファス窒化炭素組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 スパッタリング法においてスパッタガス
    として少なくとも窒素ガスを用いることを特徴とする請
    求項6記載のアモルファス窒化炭素組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 スパッタリング法においてターゲット材
    料として炭素を用いることを特徴とする請求項6又は請
    求項7記載のアモルファス窒化炭素組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 スパッタリング法により堆積したアモル
    ファス窒化炭素組成物の表面に水素プラズマ処理を施す
    工程を1回以上有することを特徴とする請求項6ないし
    請求項8記載のアモルファス窒化炭素組成物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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