JPH1123856A - 光ファイバーケーブルの余長処理部を収容する装置架 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の光ファイバーケーブルをそれぞれ個別に
余長処理し収容でき、現状の装置架高を維持したまま
で、多数の光ファイバーケーブルを収容できる余長処理
部を収容する装置架の提供にある。 【解決手段】光ファイバーケーブル１をスプール２に一
本ずつ巻き取ることにより余長処理を行い、スプール２
を装置架前面側部の支持プレート３に固定し配置収容す
ることにより解決される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリント回路基板
等の電子回路基板を有するユニットを搭載し、配線する
光ファイバーケーブルの余長処理部を収容する装置架の
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ファイバーケーブルの余長処理
構造とその収容構造は、特開平３−１７１７９６号公報
や特開平６−８５４６８号公報に見られるように、プリ
ント回路基板を搭載しているユニットの上部に具備され
ている。図２は従来の光ファイバーケーブルの余長処理
装置架の正面斜視図を示し、図４は背面斜視図を示す。

【０００３】図２において、装置架は複数の単体ユニッ
ト５を架支柱１１にそれぞれ取付け積み重ねることによ
り構成され、局舎内に配置される。ユーザ側で設置され
ている複数の様々な線長の光ファイバーケーブル１は装
置架の上部又は下部より導入し、架支柱１１に沿って布
線され、ユニット５の上部に具備されている光ファイバ
ーケーブル余長処理部１２の開口部１３から導入され
る。

【０００４】そこで図３のように数本の光ファイバーケ
ーブル１４をクランプ１５で束にしループ状に数回巻回
すことにより余長処理される。余長処理された光ファイ
バーケーブル１４は余長処理部１２の前面又は側面の開
口部１３を介して、ユニット５に導入されるか、あるい
は図４のように余長処理部１２の裏面部より光ファイバ
ーケーブルダクト１６を介してユニットに導入される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】通常、光ファイバーケ
ーブルを余長処理する場合、特性劣化及び損傷を防止す
るためある一定の曲率半径を確保し、ループ状に巻回す
ことが多い。ユニット上部に具備されている余長処理部
で複数の光ファイバーケーブルを、それぞれ個別に余長
処理し収容することは、余長処理領域が限られているた
め困難であり、それ故、数本の光ファイバーケーブルを
束にして余長処理し収容していた。

【０００６】このため、光ファイバーケーブルの損傷等
で交換作業が発生した場合、損傷した光ファイバーケー
ブルのみを取り出すことは困難であり、他の正常な光フ
ァイバーケーブルも一緒に取り出す必要があり、保守が
煩雑になると云う問題があった。

【０００７】また、近年、通信装置の小型化・高密度化
に伴い、装置架の高さが制限されるようになり、しか
も、光ファイバーケーブル数も増加の傾向にあるため、
従来のユニット上部に具備されている余長処理部では、
光ファイバーケーブルが収容しきれなくなっている。そ
のため、ユニット上部方向に余長処理部を増設しなけれ
ばならなくなり、装置架の高さが増すという問題が顕在
化してきている。

【０００８】更に、装置架背面において、他ケーブルの
挿拔等保守作業をする場合、余長処理部裏面とユニット
間を接続している光ファイバーケーブル保護のための、
ケーブルダクトが妨げとなり保守作業がしにくいと言う
問題もあった。

【０００９】本発明の第一の目的は、複数の光ファイバ
ーケーブルをそれぞれ個別に余長処理し、且つ、収容す
ることができる余長処理部を提供することである。

【００１０】本発明の第二の目的は、多数の光ファイバ
ーケーブルを現状の装置架高を維持したまま収容できる
構造を提供することである。

【００１１】本発明の第三の目的は、装置架背面の保守
作業が容易にできるケーブルダクト構造を提供すること
である。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明では、装置架支柱
に沿って布線された光ファイバーケーブルをある一定の
半径を有する円又は楕円形状のドラムと、前記ドラムを
挾み込むプレート及び押さえカバーからなるスプールに
一本ずつ巻き取ることにより余長処理を行い、前記スプ
ールを装置架前面側部の支持プレートに固定し配置収容
することが出来る光ファイバーケーブルの余長処理部を
収容する装置架を提供する。

【００１３】また、本発明では、装置架支柱に沿って布
線された光ファイバーケーブルをトレイに一本ずつ収容
することにより余長処理を行い、前記トレイを装置架前
面側部の支持プレートに固定し配置収容することが出来
る余長処理部を収容する装置架を提供する。

【００１４】また、本発明では、装置架背面の保守作業
が容易に行える、光ファイバーケーブルを保護したまま
ケーブルダクトを左右方向に移動可能な構造を有した光
ファイバーケーブルを収容する装置架を提供する。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図１に
より説明する。図１は本発明の一実施例の装置架の斜視
図を示す。説明に必要な部分以外は省略してある。

【００１６】図１において、光ファイバーケーブル１を
巻き付け余長処理するスプール２と、それを収容する支
持プレート３及びスプール２の搭載領域と、光ファイバ
ーケーブル１の布線領域とを分離させるための仕切りブ
ラケット４から構成されている。装置架の上部又は下部
より導入された光ファイバーケーブル１は、仕切ブラケ
ット４に沿って布線され、支持プレート３に収容されて
いるスプール２に一本ずつ巻き付けることにより余長処
理を行い、その後、ユニット５に導入される。

【００１７】また、スプール２は、支持プレート３の溝
６に取り付けられているため着脱が容易であり、光ファ
イバーケーブル１の余長処理の際に、支持プレート３か
らスプール２を取り外し作業を行いやすくしている。な
お、光ファイバーケーブル１の巻き方向は特に規定しな
い。

【００１８】図５は光ファイバーケーブルの余長処理を
行うスプールの構成図である。スプール２は、ある一定
の半径を有する円又は楕円形状のドラム７と、それを挾
み込むプレート８ａと、プレート８ｂ及び光ファイバー
ケーブル押さえカバー９から構成されている。また、プ
レート８ａには取り扱い性を向上させるため取っ手が備
えて有り、光ファイバーケーブル押さえカバー９は着脱
可能としている。

【００１９】図６はスプール一個当りに複数の光ファイ
バーケーブルを巻き付けることが出来るスプールの構成
図である。図５に示すスプール２のドラム７部に仕切り
プレート１０を備え、ドラム７ａとドラム７ｂを分離可
能な構造としている。

【００２０】本発明の他の実施例の装置前面側部の詳細
図を図７に、また、ある一例のトレイの詳細図を図８に
示す。説明に必要な部分以外は省略してある。

【００２１】光ファイバーケーブル１を収容するための
トレイ１７と、それを固定する支持プレート１８から構
成されている。装置架の上部又は下部より導入された光
ファイバーケーブル１は、仕切ブラケット４に沿って布
線され、架前面側部に設置されているトレイ１７に一本
ずつループ状に巻き回し、クランプ１５で束ねて収容す
ることにより余長処理を行う。その後、トレイ１７前面
の開口部１９を介し、ユニット５に導入される。また、
トレイ１７は架前面側部の支持プレート１８により固
定，収容されるが、光ファイバーケーブル１の余長処理
を行う際には、支持プレート１８よりトレイ１７を前面
に引き出し、光ファイバーケーブル１の収容作業を容易
に行うことが可能な構造としている。

【００２２】本発明の他の実施例の装置架前面側部の詳
細図を図９に示す。説明に必要な部分以外は省略してあ
る。

【００２３】支持プレート２０に取付けられているある
一定の半径を有する円又は楕円形状のドラム２１と、支
持プレート２０を前面にスライドさせ引き出すためのレ
ール２２及びドラム２１の領域と、光ファイバーケーブ
ル１の布線領域とを分離させるための仕切りブラケット
４から構成されている。

【００２４】装置架の上部又は下部より導入された光フ
ァイバーケーブル１は仕切ブラケット４に沿って布線さ
れ、支持プレート２０に固定されているドラム２１に一
本ずつ巻き取ることにより余長処理を行う。また、支持
プレート２０は、ユニット５側部に備えてあるレール２
２に沿って前面にスライド可能な構造としているので、
光ファイバーケーブル１の余長処理を行う際に支持プレ
ート２０を引き出し、光ファイバーケーブル１をドラム
２１に巻き付ける作業を行いやすくしている。

【００２５】以上のように構成されている装置架の場
合、光ファイバーケーブルが損傷し交換作業が発生した
時、他の光ファイバーケーブルに影響を及ぼすこと無
く、損傷した光ファイバーケーブルのみを取り出すこと
が可能となり、保守効率が向上する。

【００２６】本発明の他の実施例の装置架前面側部の詳
細図を図１０に、装置架の正面図を図１１に示す。説明
に必要な部分以外は省略してある。

【００２７】ユニット５と支持プレート３間に領域を設
け、支持プレート３を挾み込むよう両側にスプール２を
取り付ける。その際、支持プレート３の溝を千鳥状に配
列することにより。スプール２も千鳥実装となるため、
高密度化が図れる。

【００２８】以上のように構成されている装置架の場
合、多数の光ファイバーケーブルを収容する必要がある
時、余長処理部を増設し装置架高を高くする必要がな
く、現状の装置架高を維持したまま光ファイバーケーブ
ルを増加することができる。

【００２９】本発明の他の実施例の装置架背面部の光フ
ァイバーケーブル保護構造図を図１２に示す。説明に必
要な部分以外は省略してある。

【００３０】ある一定の半径を有するプレート２３を備
え、コの字形の断面を有する光ファイバーケーブルダク
ト２４と、その光ファイバーケーブルダクト２４を保持
するＬ字形状の断面を有するバー２５から構成されてい
る。

【００３１】装置背面に布線された光ファイバーケーブ
ル１は光ファイバーケーブルダクト２４によって保護さ
れ、プレート２３を介して布線されることにより、ある
一定の半径を保持したままコネクタ２６に接続される。
また、光ファイバーケーブルダクト２４は保持バー２５
に長円２７が空いているため、長円２７の長さ分だけ左
右向に移動できる。

【００３２】図１３にバーの長円２７部と移動可能な構
造図を示す。光ファイバーケーブルダクト２４とブラケ
ット２８は溶接されており、バー２５とブラケット２８
はネジ２９で固定されている。バー２５とブラケット２
８は同一箇所に長円２７が空いており、ネジ２９をゆる
めると、長円２７の長さ分だけ光ファイバーケーブルダ
クト２４がバー２５をレール代わりにし、左右方向に移
動することができる。

【００３３】以上のように構成されている装置架の場
合、装置架背面において他ケーブルの挿拔等保守作業が
光ファイバーケーブルダクトによって妨げられず、容易
に作業を行うことができる。

【００３４】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるこ
とはいうまでもない。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、複数の光ファイバーケ
ーブルを、それぞれ個別に余長処理することができ、且
つ、収容することができる。

【００３６】本発明によれば、現状の装置架高を維持し
たままで、多数の光ファイバーケーブルを収容すること
ができる。

【００３７】本発明によれば、装置架背面における他ケ
ーブルの挿抜保守作業等が容易できるので、保守作業の
効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の装置架を示す斜視図であ
る。

【図２】従来の光ファイバーケーブル余長処理装置架の
正面斜視図である。

【図３】従来の光ファイバーケーブル余長処理構造を示
す詳細図である。

【図４】従来の光ファイバーケーブル余長処理装置架の
背面斜視図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す光ファイバーケーブ
ルの余長処理を行うスプールの構成図である。

【図６】本発明の他の実施例を示す光ファイバーケーブ
ルの余長処理を行うスプールの構成図である。

【図７】本発明の他の実施例の装置架を示す斜視図であ
る。

【図８】本発明の他の実施例を示す光ファイバーケーブ
ルの余長処理トレイの詳細図である。

【図９】本発明の他の実施例の装置架の一部を示す斜視
図である。

【図１０】本発明の他の実施例の装置架の一部を示す斜
視図である。

【図１１】本発明の他の実施例の装置架の一部を示す正
面図である。

【図１２】本発明の他の実施例の装置架背面部の斜視図
である。

【図１３】本発明の他の実施例の装置架背面部の光ファ
イバーケーブル保護構造を示す詳細図である。

【符号の説明】

１…光ファイバーケーブル、２…スプール、３…支持プ
レート、４…仕切ブラケット、５…ユニット、６…溝、
７…ドラム、８…プレート、９…押さえカバー、１０…
仕切プレート、１１…架支柱、１２…余長処理部、１３
…開口部、１４…光ファイバーケーブル、１５…クラン
プ、１６…光ファイバーケーブルダクト、１７…トレ
イ、１８…支持プレート、１９…開口部、２０…支持プ
レート、２１…ドラム、２２…レール、２３…プレー
ト、２４…光ファイバーケーブルダクト、２５…バー、
２６…コネクタ、２７…長円、２８…ブラケット、２９
…ネジ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾林 正剛 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地株式 会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 神永 勝 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町180番地日立 通信システム株式会社内 (72)発明者 大竹 寿和 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町180番地日立 通信システム株式会社内 (72)発明者 栄楽 忍 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地株式 会社日立製作所情報通信事業部内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子回路基板を有するユニットを塔載し、
   配線する光ファイバーケーブルの余長処理部を収容する
   装置架において、一定の半径を有する円又は楕円形状の
   ドラムと、前記ドラムを挾持するプレート及び押さえカ
   バーを備えたスプールを複数個設け、複数の光ファイバ
   ーケーブルを前記スプールにそれぞれ巻き付け、前記ス
   プールを装置架前面側部の支持プレートに収容し、前記
   スプールが個々に着脱可能に構成されていることを特徴
   とする光ファイバーケーブルの余長処理部を収容する装
   置架。
2. 【請求項２】前記ドラム部に仕切プレートを設け、各仕
   切毎に光ファイバーケーブルを巻き付けるよう構成され
   ている請求項１に記載の光ファイバーケーブルの余長処
   理部を収容する装置架。
3. 【請求項３】一定の半径を有する円又は楕円形状のドラ
   ムもしくは光ファイバーケーブルを保持するクランプを
   備えたトイレを複数個設け、複数の光ファイバーケーブ
   ルを前記トレイの中にそれぞれ収容し、前記トレイを装
   置架前面側部の支持プレートに固定し、前記トレイが個
   々に着脱可能にした請求項１に記載の光ファイバーケー
   ブルの余長処理部を収容する装置架。
4. 【請求項４】装置前面方向に移動可能な支持プレートに
   取り付けた一定の半径を有する円又は楕円形状のドラム
   に、複数の光ファイバーケーブルをそれぞれ巻きつけ、
   装置架前面側部に配置収容する請求項１に記載の光ファ
   イバーケーブルの余長処理部を収容する装置架。
5. 【請求項５】前記スプールを装置架前面側部の支持プレ
   ートに千鳥配置した請求項１または２に記載の光ファイ
   バーケーブルの余長処理部を収容する装置架。
6. 【請求項６】プリント回路基板を有するユニットを搭載
   し配線する光ファイバーケーブルの余長処理部を収容す
   る装置架において、光ファイバーケーブル出入口に一定
   の半径を有するプレートを備え、コの字形状の断面を有
   するケーブルダクト内を左右に移動するよう構成したこ
   とを特徴とする余長処理部を収容する装置架。