JPH05113509A - 光引落接続函および引落工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は作業効率を向上させる構造を有する
引落接続函を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は函本体８に内包され光コネクタ１
１、１３を介して光ケーブル２ａに接続される配線盤９
と、配線盤９内に露出した複数の光ファイバ心線７の一
部を着脱自在に光屋外線１０に接続する接続部材１４を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ケーブルから供給さ
れた複数の光ファイバ心線を函本体内で分岐し一部を光
屋外線に接続する光引落接続函および引落工法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】加入者光線路は加入者の需要に従って逐
次増設され、架空ケーブルの接続点で加入者の需要の発
生の都度、光屋外線で加入者へ引落しを行う。この加入
者への引落しは大半が架空で行われ、架空引落接続函が
用いられる。

【０００３】図３は局装置から加入者宅に接続された光
ケーブルの途中に装着された架空引落接続函を示す概念
図である。局装置１に接続された配線ケーブル２は地下
に布設され、引上げケーブル４を介して、架空に配置さ
れた切替盤３に接続される。切替盤３に接続された配線
ケーブル２は電柱５に架渉され、光引落接続函６を介し
て加入者への引落がなされる。

【０００４】この架空引落接続函は、電柱際の光ケーブ
ルに取り付けられるので、新設工事、保守に拘らず柱上
で作業が安全に行え、かつ取扱い性の良いことが必要で
ある（“９．少心加入者光線路の布設および構成技術の
検討”、研究実用化報告第３３巻第２号（１９８４）、
p.68）。

【０００５】図４は、従来の架空引落接続函の構造を示
す斜視図である（“９．少心加入者光線路の布設および
構成技術の検討”、研究実用化報告第３３巻第２号（１
９８４）、p.70）。配線ケーブル２は光ケーブル２ａ及
び吊線２ｂで構成され、両側から函本体６ａに取り付け
られている。光ケーブル２ａから供給された複数の光フ
ァイバ心線７は函本体６ａの内部で分岐され、その一部
が加入者に引き落とされる。光ファイバ心線７は、内部
に設置された余長処理部６ｂに接続され、光ファイバ心
線７の余長部が収容されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の架空引
落接続函は引落させる光ファイバ心線と引落させずに通
過させる光ファイバ心線が互いに交錯しているので、例
えば引落させる光ファイバ心線の選別や余長処理に時間
がかかり、引落工事における作業効率が悪いという問題
があった。

【０００７】そこで本発明は、作業効率を向上させる構
造を有する引落接続函、及び作業効率の良い引落工法を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は函本体に内包され光コネクタを介して光ケ
ーブルに接続される配線盤と、配線盤内に露出した複数
の光ファイバ心線の一部を着脱自在に光屋外線に接続す
る接続部材を備える。

【０００９】また、上記光引落接続函を用いた引落方法
は、予め配線盤内に露出した複数の光ファイバ心線の一
部を接続部材に接続しておき、接続部材を保持した配線
盤を光ケーブルに接続された函本体内に装着することに
より、光ケーブルから供給された複数の光ファイバ心線
の一部を光屋外線に接続することを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明によると、光コネクタを介して配線盤が
光ケーブルに接続されているので、光ケーブルに対して
配線盤は着脱自在になっている。また、配線盤内に露出
した光ファイバは、簡単な作業により、接続部材に接続
される。その為、作業時間が短縮する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例に係る光引落接続函
について、添付図面を参照して説明する。なお、説明に
おいて同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省
略する。図１は本発明の一実施例に係る光引落接続函の
構造を示す斜視図（同図（ａ））及びその内部に収納さ
れる配線盤の縦断面図（同図（ｂ））である。

【００１２】本実施例に係る光引落接続函は、函本体８
に着脱自在の状態で収容された配線盤９を含んで構成さ
れている。この配線盤９は、コネクタ結合によって、光
ケーブル２ａと光屋外線１０に接続されている。光ケー
ブル２ａとのコネクタ結合は、光ケーブルの端部に接続
されたケーブル一括コネクタ１１と、配線盤９の前後面
に装着された光コネクタ１３により実現される。この場
合、光コネクタにより複数の光ファイバ心線を一括供給
するので、余長処理装置は不要である。その為、内部は
一層簡素化している。また、配線盤９と光屋外線１０と
のコネクタ結合は、コネクタ固定治具（第１の接続部
材）１４によって下向きに取り付けられた光コネクタ１
６と、ガイドパイプ１２から露出した光屋外線１０の端
部に固定された光コネクタ（図示せず）を介して実現さ
れる。光屋外線１０はガイドパイプ１２により保護、拘
束され、函本体８の底面部を貫通して配線盤９の内部へ
と引き込まれている。また、配線ケーブル２を構成する
吊線２ｂは、函本体８に収納された配線盤９には接続さ
れず、函本体８を貫通している。

【００１３】配線盤９の内部には、コネクタ固定治具１
４が底面、コネクタ固定板（第２の接続部材）１５が側
面に固定されている。また、光ケーブル２ａから、端部
に光コネクタ１６が接続された複数の光ファイバ心線７
が分離した状態で配線盤９の内部に供給されている。光
ファイバ心線７としては、必要に応じて、２心から１６
心のテープ状光ファイバ心線が使用される。コネクタ固
定治具１４には、光屋外線１０に接続される光ファイバ
心線７（以下、「分岐ファイバ」という。）の端部に固
定された光コネクタ１６が固定されており、光屋外線１
０に接続されない残りの光ファイバ心線７（以下、「ス
ルーファイバ」という。）の端部に固定された光コネク
タ１６はコネクタ固定板１５に固定されている。その
為、分岐ファイバは互いに交錯することなく、整然とし
た状態で分岐されている（図１（ｂ）参照）。

【００１４】コネクタ固定治具１４は、光コネクタ１６
の光結合端面を下向きに取り付け、この光コネクタ１６
が対面する配線盤９の底面部には開口が形設されてい
る。その為、函本体８の底面部を貫通したガイドパイプ
１２から供給される光屋外線１０と簡単に接続すること
ができる。

【００１５】次に、上述した光引落接続函を用いた引落
工法を説明する。例えば、４心テープ状光ファイバ心線
を１０枚収容した４０心配線ケーブルが布設されてお
り、配線盤に接続されている。この配線盤内では、１枚
のテープ状光ファイバ心線が光屋外線に接続されている
が、加入者が増加したので、更に１枚のテープ状光ファ
イバ心線を光屋外線に引き落とす場合を想定する。この
場合、本実施例に係る光引落接続函を用いれば、簡単に
引落し工事が実現するので、以下に説明する。

【００１６】まず、予め、２枚のテープ状光ファイバ心
線をコネクタ固定治具１４に接続させた別の配線盤を準
備する。カバーを外し、現在布設されている配線盤を光
ケーブルから取り外す。そして、この準備した配線盤を
光ケーブルに取り付ける。配線盤は互いにケーブル結合
によって光ケーブルに接続されているので、簡単に着脱
が可能である。

【００１７】なお、分岐ファイバに接続される光コネク
タとスルーファイバ接続される光コネクタを同一構造に
してもよい。この場合、光コネクタに互換性が生じ、配
線盤をそっくり取り替えなくても、個々の光コネクタの
接続先を変えることにより、工事完了後でも分岐ファイ
バの変更を行うことができる。

【００１８】次に、実際の引落工事に用いた上記実施例
に係る実験結果を説明する。図１に示す光引落接続函の
構造を用いて、４心テープ状光ファイバ心線を１０枚収
容した４０心配線ケーブルから、４心テープ状光ファイ
バ心線を２枚引き落とす光引落接続函を作製した。実際
に引落作業を行ったところ、本実施例に係る光引落接続
函を使用しない場合と比較して、作業時間を１０分の１
以下に短縮することができた。

【００１９】次に、本発明の他の実施例に係る光引落接
続函を説明する。図２は他の実施例に係る光引落接続函
の構造を示す斜視図である。本実施例では、複数の配線
盤が函本体の内部に収納されている点で第１実施例とは
異なる。この実施例では３セットの配線盤９が函本体８
に収容されている。各配線盤９の前後面には、数十心〜
数百心程度の光ファイバ心線がユニット化されたケーブ
ル一括コネクタ１１が配置され、配線盤９の前後に固定
された光コネクタ（図示せず）に接続されている。さら
に、各配線盤９は前述したコネクタ結合により、それぞ
れ別個に函本体８から取り外しができる構造になってい
る。各配線盤９の内部は、前述した通りなので説明は省
略する。

【００２０】この場合、本実施例は光ケーブルに収容さ
れている光ファイバ心線の心数が比較的に多い場合に適
し、各配線盤に供給される光ファイバ心線の心数を抑え
ることにより、ケーブル端末部のコネクタ取付け作業を
容易にしている。

【００２１】また、スルーファイバと、分岐ファイバと
の組合せ数が少なくなるので、想定される組合せの配線
盤を予め製造しておき、新設工事あるいは引落心数の変
更時に、必要に応じて任意の組合せの配線盤を装着する
ことができる。

【００２２】さらに、従来の構造の場合、分岐ファイバ
とスルーファイバとの選別および光ファイバ心線の余長
収納を柱上で行う必要があり、作業効率の低下を招いて
いたが、上述した実施例の構造（図１、図２参照）とす
ることにより、最も時間を要する分岐、接続部の処理を
事前に安全な地上で行うことができるので、工事の時間
が大幅に短縮することができる。

【００２３】また、分岐ファイバ、スルーファイバが引
落配線盤内に収容され、パッケージ化されることによ
り、小型化も可能であり、図示したように、多心コネク
タとの一括接続も容易に実現できる。従って、柱上での
作業時間をさらに短縮できる。

【００２４】上述した実施例に係る光引落接続函では、
カバー１７が装着した状態で配線ケーブル２に装着され
るので、配線盤９が風雨に晒されることはない。

【００２５】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、本実施例では配線盤に露出し
た光ファイバ心線と第１の接続部材との接続方法として
光ファイバ心線を使用しているが、配線盤の内部に露出
した光ファイバ心線と第１の接続部材を接続する媒体
は、光ファイバ心線に限らず、光導波路でもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る光引落接続函はコネクタ結
合により光ケーブルと着脱自在に装着され、本発明に係
る引落工法は予め内部配線が終了している光引落接続函
を使用するので、引落作業における作業時間は短縮化さ
れ、作業効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る光引落接続函を示す分
解斜視図である。

【図２】本発明の他の実施例に係る光引落接続函を示す
分解斜視図である。

【図３】局装置から加入者宅に接続された光ケーブルに
装着された架空引落接続函を示す概念図である。

【図４】従来技術に係る光引落接続函を示す分解斜視図
である。

【符号の説明】

１…局装置、２…配線ケーブル、３…切替盤、４…引上
げケーブル、５…電柱、６…引落接続函、７…光ファイ
バ心線、８…函本体、９…配線盤、１０…光屋外線、１
１…ケーブル一括コネクタ、１２…ガイドパイプ、１
３、１６…光コネクタ、１４…コネクタ固定治具、１５
…コネクタ固定板、１７…カバー

フロントページの続き (72)発明者 佐野 裕昭 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 桂島 渉 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 冨田 茂 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 秋元 裕之 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ケーブルから供給された複数の光ファ
   イバ心線を函本体内で分岐し一部を光屋外線に接続する
   光引落接続函において、 前記函本体に内包され光コネクタを介して前記光ケーブ
   ルに接続される配線盤と、前記配線盤内に露出した前記
   複数の光ファイバ心線の一部を着脱自在に前記光屋外線
   に接続する接続部材を備える光引落接続函。
2. 【請求項２】 請求項１記載の光引落接続函を用いた引
   落工法において、 予め前記配線盤内に露出した前記複数の光ファイバ心線
   の一部を接続部材に接続しておき、前記接続部材を保持
   した前記配線盤を前記光ケーブルに接続された前記函本
   体内に装着することにより、前記光ケーブルから供給さ
   れた複数の光ファイバ心線の一部を光屋外線に接続する
   ことを特徴とする引落工法。
3. 【請求項３】 光ケーブルから供給された複数の光ファ
   イバ心線を函本体内で分岐し一部を光屋外線に接続する
   光引落接続函において、 前記函本体に収容され、光コネクタを用いて取外し自在
   に前記光ケーブル及び前記光屋外線と接続される配線盤
   を備え、 前記配線盤の内部に前記光ケーブル間を接続する為の第
   １配線と、前記光ケーブル及び前記光屋外線を接続する
   為の第２配線が施されている光引落接続函。