JPH11238481A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

Info

Publication number
JPH11238481A
JPH11238481A JP1854798A JP1854798A JPH11238481A JP H11238481 A JPH11238481 A JP H11238481A JP 1854798 A JP1854798 A JP 1854798A JP 1854798 A JP1854798 A JP 1854798A JP H11238481 A JPH11238481 A JP H11238481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen
center
ray tube
cathode ray
panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1854798A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Yoshida
晴彦 吉田
Hiroshi Yoshioka
洋 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1854798A priority Critical patent/JPH11238481A/ja
Priority to TW88100721A priority patent/TW554374B/zh
Priority to DE69918874T priority patent/DE69918874T2/de
Priority to EP99101037A priority patent/EP0933797B1/en
Priority to US09/236,606 priority patent/US6534907B1/en
Priority to KR1019990003172A priority patent/KR100313391B1/ko
Priority to CNB991017382A priority patent/CN1155986C/zh
Publication of JPH11238481A publication Critical patent/JPH11238481A/ja
Priority to US10/385,637 priority patent/US6765344B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成手段により、フェースプレート1
Aの周辺部分の表示画像の輝度を中央部分の表示画像の
輝度に匹敵させることを可能にし、かつ、偏向角が大き
な場合であっても、偏向ヨークに供給する偏向電圧を低
減させ、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らすことが可能
な陰極線管を提供する。 【解決手段】 曲面形状のフェースプレート1Aの内面
に螢光面を形成したパネル部と、内部に螢光面に向かっ
て電子ビームを放射する電子銃を装着したネック部と、
パネル部とネック部とを連接し、外周に偏向ヨークが装
着されるファンネル部とからなる陰極線管において、フ
ェースプレート1Aの曲面形状は、その内面1A(1)
の電子ビームの偏向中心点Oを中心とした曲率半径Ri
がその外面1A(2)の曲率半径Roとほぼ同等かそれ
より大とし、BMホール透過率を所定の値に規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、陰極線管に係わ
り、特に、フェースプレートの曲面形状を、フェースプ
レート内面の螢光面に電子ビームが投射されたとき、螢
光面に表示される画像の輝度が周辺部で低下しないよう
に構成した陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管のガラス製外囲器は、
曲面形状のフェースプレートを有するパネル部と、細径
のネック部と、パネル部とネック部とを連接する略漏斗
状のファンネル部とからなっており、フェースプレート
の内面に螢光面が形成され、ネック部の内部に電子銃が
装着され、ファンネル部の外周に偏向ヨークが装着され
て、陰極線管が構成される。この場合、陰極線管のガラ
ス製外囲器は、内部がほぼ真空状態になっており、外部
に常時大気圧が加わっていることから、一定値以上の機
械的強度を有することが必要であって、ガラス製外囲器
の各部の肉厚をその機械的強度に耐えられるような値に
設定している。そして、既知の陰極線管においては、通
常、ガラス製外囲器のフェースプレートの構成として、
フェースプレートの中央部分の肉厚に比べ、周辺部分の
肉厚が厚くなるようにしている。
【0003】ここで、図11は、既知の陰極線管のガラ
ス製外囲器におけるフェースプレート部分の構成の一例
を示す断面図である。
【0004】図11において、31はフェースプレー
ト、31(1)はフェースプレート内面、31(2)は
フェースプレート外面、tpcはフェースプレート31
の中央部分の肉厚、tpaはフェースプレート31の周
辺部分の肉厚、Rpiは電子ビームの偏向中心点Oを中
心としたフェースプレート内面31(1)の曲率半径、
Rpoは電子ビームの偏向中心点Oを中心としたフェー
スプレート外面31(2)の曲率半径である。
【0005】図11に示されるように、フェースプレー
ト31は、前記機械的強度を維持させる点から中央部分
の肉厚tpcに比べ、周辺部分の肉厚tpaが厚くなる
ように構成され、その結果、フェースプレート内面31
(1)の曲率半径Rpiがフェースプレート外面31
(2)の曲率半径Rpoよりも小さくなるように、即
ち、tpc<tpa、かつ、Rpi<Rpoになるよう
に構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の陰極線管
は、フェースプレート31における中央部分の肉厚tp
cが薄く、周辺部分の肉厚tpaが厚いことから、フェ
ースプレート31の内面に形成された螢光面に画像が表
示されたとき、螢光面からフェースプレート31を通し
て外部に放射される光は、肉厚tpcの薄いフェースプ
レート31の中央部分の減衰が少なく、肉厚tpaの厚
いフェースプレート31の周辺部分の減衰が多くなる、
即ち、フェースプレート31の中央部分の光透過率をT
pc、周辺部分の光透過率をTpaとすれば、Tpc>
Tpaになり、表示画像の輝度は、フェースプレート3
1の中央部分に比べ、周辺部分が低下するようになり、
周辺部分で表示画像の輝度を十分に確保することができ
なくなるという問題がある。画面周辺では画面中央より
も螢光体の重量が小さくなる等からさらに輝度が劣化す
ることになる。
【0007】ところで、フェースプレート31の周辺部
分の表示画像の輝度が中央部分の表示画像の輝度よりも
低下している場合、周辺部分の表示画像の輝度を中央部
分の表示画像の輝度に匹敵するように補正するために
は、螢光面の中央部分に投射される電子ビームの強度に
比べ、螢光面の周辺部分に投射される電子ビームの強度
を大きくすればよいが、このような電子ビーム強度の補
正手段は、簡単に得ることができるものでない。
【0008】また、一般に、陰極線管においては、偏向
ヨークからの漏洩磁界をできるだけ少なくするために、
偏向ヨークに供給する偏向電圧を低減させるようにして
いるが、最近、偏向角の大きな陰極線管が多くなり、陰
極線管の偏向ヨークに供給する偏向電圧が偏向角の大き
さに伴って大きくなることから、既知の陰極線管は、偏
向ヨークに供給する偏向電圧を低減させることが難し
く、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らすことができない
という問題もある。
【0009】本願発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その主たる目的は、簡単な構成手段により、フェー
スプレートの周辺部分の表示画像の輝度を中央部分の表
示画像の輝度に匹敵させることを可能にした陰極線管を
提供することにある。
【0010】また、本願発明の他の目的は、偏向角が大
きな場合であっても、偏向ヨークに供給する偏向電圧を
低減させ、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らすことが可
能な陰極線管を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記主たる目的を達成す
るために、本願発明による陰極線管は、フェースプレー
トの曲面形状が、内面曲率半径が外面曲率半径に比し、
同等又はそれ以上とし、かつブラックマトリクスのホー
ル透過率を所定範囲に規定するものである。
【0012】前記手段によれば、フェースプレートの曲
面形状として、その外面の曲率半径よりもその内面の曲
率半径が大きくなるような構成にしているので、フェー
スプレートの中央部分の肉厚と周辺部分の肉厚との差が
小さくなり、中央部分の肉厚が周辺部分の肉厚よりもや
や厚くなるので、フェースプレートの周辺部分の表示画
像の輝度を中央部分の表示画像の輝度に匹敵させること
ができる。そして、ブラックマトリクスのホール透過率
を画面周辺で過度に上げる必要が無くなるため、画面周
辺で解像度の大幅劣化を伴うことなく、色純度の良いブ
ラウン管を得ることができる。
【0013】また、前記手段によれば、フェースプレー
トの曲面形状として、その内面の曲率半径が既知の陰極
線管におけるパネル部フェースプレートの内面の曲率半
径よりも大きくなり、電子ビームの偏向中心点からフェ
ースプレート内面に形成された螢光面の周辺部分までの
距離が既知の陰極線管における同距離よりも長くなるの
で、その分、偏向ヨークにおける電子ビーム偏向角が小
さくなって、偏向ヨークに供給する偏向電圧が低減さ
れ、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らせる。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態において、
陰極線管は、曲面形状のフェースプレート内面に螢光面
を形成したパネル部と、内部に螢光面に向かって電子ビ
ームを放射する電子銃を装着したネック部と、パネル部
とネック部とを連接し、外周に偏向ヨークが装着される
ファンネル部とからなるものであって、フェースプレー
トの曲面形状は、その内面と同等かそれ以上になってい
るものである。
【0015】本願発明の実施の形態によれば、陰極線管
のフェースプレートの曲面形状を、内面の曲率半径を外
面の曲率半径とほぼ同等かそれよりも大きくした構成に
しているので、フェースプレートの中央部分の肉厚に比
し、周辺部分の肉厚が同等かやや薄くなり、その結果、
フェースプレートの周辺部分の表示画像の輝度を増大さ
せ、周辺部分の表示画像の輝度を中央部分の表示画像の
輝度に近づけることができる。
【0016】また、本発明の実施の形態によれば、内面
の曲率半径が既知の陰極線管におけるパネル部フェース
プレートの内面の曲率半径よりも大きくなり、電子ビー
ムの偏向中心点からフェースプレート内面に形成された
螢光面の周辺部分までの距離が既知の陰極線管における
同距離よりも若干長くなるので、この長くなった分だ
け、偏向ヨークにおける電子ビーム偏向角が小さくて済
み、その結果、偏向ヨークに供給する偏向電圧を低減さ
せることが可能になって、偏向ヨークからの漏洩磁界の
発生量を減らすことができる。
【0017】
【実施例】以下、本願発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0018】図1は、本願発明に係わる陰極線管の一実
施例の要部構成を示す断面図であって、陰極線管がカラ
ー陰極線管である例を示すものである。
【0019】図1において、1はパネル部、1Aはフェ
ースプレート、1Bはパネルスカート部、2はネック
部、3はファンネル部、4は螢光膜、5はシャドウマス
ク、6は内部磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュ
リテイ調整マグネット、9はセンタービームスタティッ
クコンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビー
ムスタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11
は電子銃、12は電子ビームである。
【0020】カラー陰極線管を構成するガラス製外囲器
(バルブ)は、前側に配置された大径のパネル部1と、
内部に電子銃11を収納している細長いネック部2と、
パネル部1及びネック部2を連接する略漏斗状のファン
ネル部3とからなる。パネル部1は、前面のフェースプ
レート1Aと、ファンネル部に連接されるスカート部1
Bを備え、フェースプレート1Aの内面に螢光膜4が被
着形成され、螢光膜4に対向配置するようにシャドウマ
スク5が取付けられる。パネル部1とファンネル部3の
結合部分の内側に内部磁気シールド6が設けられ、ファ
ンネル部3とネック部2の結合部分の外側に、使用時に
偏向ヨーク8が配置される。電子銃11から放射された
3本の電子ビーム12(1本のみ図示されている)が、
偏向ヨーク7で所定方向に偏向された後、シャドウマス
ク5を通して螢光膜4に射突される。なお、ネック部2
の外側には、ピュリテイ調整マグネット8、センタービ
ームスタティックコンバーゼンス調整用マグネット9、
サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用マグネ
ット10が並設配置されている。
【0021】前記構成によるカラー陰極線管における動
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー陰極線管にお
ける画像表示動作と同じであるので、このカラー陰極線
管における画像表示動作については、その説明を省略す
る。
【0022】次に、図2は、図1に図示の実施例のカラ
ー陰極線管におけるパネル部1フェースプレート1A部
分の構成を示す断面図である。
【0023】図2おいて、1A(1)はフェースプレー
ト内面、1A(2)はフェースプレート外面、tcはフ
ェースプレート1Aの中央部分の肉厚、taはフェース
プレート1Aの周辺部分の肉厚、Riはフェースプレー
ト内面1A(1)の曲率半径、Roはフェースプレート
外面1A(2)の曲率半径であり、その他、図1に示さ
れた構成要素と同じ構成要素におついては同じ符号を付
けている。
【0024】図2に示されるように、本実施例のフェー
スプレート1Aは、フェースプレート内面1A(1)の
曲率半径Riがフェースプレート外面1A(2)の曲率
半径Roとの関係がRo≦Ri−tcとなるようにし、
フェースプレート周辺部の肉厚taが中央部の肉厚tc
とほぼ同等かそれよりも薄くすることができる。ここで
フェースプレート周辺部とは図3に示すように、画像が
表示される有効画面111の周辺部のことである。
【0025】本実施例のパネル部1フェースプレート1
Aは、次のような手順を経て設計される。
【0026】始めに、ステップS1において、フェース
プレート1Aのフェースプレート外面1A(2)の曲率
半径Roを設定する。
【0027】次に、ステップS2において、フェースプ
レート1Aの中央部分の肉厚tcを設定する。
【0028】次いで、ステップS3において、フェース
プレート1Aの周辺部分の肉厚taを、前のステップS
2において設定されている中央部分の肉厚tcと同等か
それより小さくなるように設定する。
【0029】続いて、ステップS4において、前のステ
ップS2及びステップS3において設定した中央部分の
肉厚tc及び周辺部分の肉厚taを満足するようなフェ
ースプレート内面1A(1)の曲率半径Riを設定す
る。
【0030】続く、ステップS5において、前のステッ
プS4及びステップS1においてそれぞれ設定したフェ
ースプレート内面1A(1)の曲率半径Ri及びフェー
スプレート外面1A(2)の曲率半径Roを有するパネ
ル部1フェースプレート1Aについて所要の強度計算を
行う。
【0031】次に、ステップS6において、前のステッ
プS5において行われた強度計算が所要値以上であると
判断したときは、フェースプレート内面1A(1)の曲
率半径Ri及びフェースプレート外面1A(2)の曲率
半径Roを有するパネル部1フェースプレート1Aの設
計を完了させ、一方、強度計算が所要値以下であると判
断したときは、前のステップS3に戻り、再度、ステッ
プS3以降の処理が行なわれるものである。
【0032】このようにして得られたパネル部1フェー
スプレート1Aを有するカラー陰極線管は、フェースプ
レート1Aの周辺部分の肉厚taが中央部分の肉厚tc
とほぼ同等かそれよりも薄くなるように構成されている
ので、画面周辺での光透過率を画面中央での光透過率と
ほぼ同等かそれよりも大とすることができるため、画面
の輝度を均一に近くすることができる。
【0033】中央と周辺の輝度差を補償する方法とし
て、ブラックマトリクス(BM)のホール透過率を中央
より周辺で上げる方法が考えられる。ここで、BMホー
ル透過率とは図4に示すように黒鉛が無い部分の割合、
すなわち、光が通り抜けることができる割合を言う。こ
こでPDはドットピッチで同色の螢光体の間隔を言う。
図5は螢光面がストライプの場合である。しかしなが
ら、従来のように周辺でガラス厚が中央よりも大である
パネルを使用すれば周辺でのBMホール透過率を中央よ
り10%以上上げなければ中央と周辺を均一に近い輝度
にすることは難しい。画面周辺においてBMホール透過
率をランディング裕度を犠牲にすることなく上げる手段
として画面中央よりも画面周辺でドットピッチを大きく
する方法がある。しかし、周辺であまりドットピッチを
大きくすると画面周辺での解像度の劣化を生ずる。さら
に周辺でホール透過率を上げれば、シャドウマスク孔を
通過した電子ビームが、BMのホールよりも十分に大き
くできないため、電子ビームがホール部分をカバーしな
い、ビーム欠けを生ずる。これを防止するために、シャ
ドウマスクの透過率を上げればシャドウマスク強度が低
下するという問題を生ずる。ここでシャドウマスクの透
過率とは、図6に示すように、シャドウマスク孔51の
面積の割合である。
【0034】本願発明はパネル肉厚をパネル周辺で中央
と同等あるいは中央よりも薄くするとともに、BMホー
ル透過率をパネル肉厚との関係で規定し、ランディング
裕度を確保しつつ、中央と周辺の輝度差を小さくするも
のである。
【0035】ところで、パネル肉厚BMホール透過率を
中央と周辺で同等にしても、(1)螢光体ドットの重量
が画面中央よりも画面周辺で小さくなる、(2)螢光体
からの光を反射するメタルバックの反射率が画面周辺で
低下する等の理由により、中央よりも周辺で輝度が低下
する。したがって、パネル肉厚を周辺で若干薄くしても
BMホール透過率は周辺で上げる必要のある場合もある
が、この場合でも、画面中央に対する画面周辺のBMホ
ール透過率は110%以下とすることができ、さらに、
パネル肉厚と輝度差の兼合いによっては、105%以下
にできる。本願発明の最も好ましい実施例はBMホール
透過率を周辺において、中央よりも低く設定することで
ある。また、BMホール透過率を画面周辺において画面
中央比70%以上にすると画面中央との輝度比をより向
上でき、90%以上とすればさらに良い。これによっ
て、中央と周辺の輝度差の解消とともに、周辺において
必要なランディング裕度をとることができる。なお、画
面周辺のBMホール透過率が画面中央比110%以下な
らば周辺でのドットピッチも中央比110%以下にでき
るため、周辺における解像度の劣化はあまり目立たな
い。同様に画面周辺のBMホール透過率が画面中央比1
05%以下ならば周辺でのドットピッチも中央比105
%以下にできるため、周辺における解像度の劣化はほと
んど目立たなくなる。さらにシャドウマスクの透過率を
周辺において過度に上げる必要が無くなるため、あるい
はシャドウマスク透過率を周辺において小さくできるた
め、シャドウマスク強度を確保することができる。
【0036】画面周辺のBMホール透過率が中央比11
0%以下であれば、シャドウマスクの透過率も中央比1
10%以下におさえることができる。シャドウマスク強
度の裕度を考慮すれば、画面周辺のシャドウマスク透過
率は画面中央よりも低い方がよい。
【0037】有効画面周辺は、図3に示すように対角方
向周辺112,長軸方向周辺113,短軸方向周辺11
4で代表させることができる。一般には、画面中央との
輝度差が最も問題となるのは対角周辺112であり、次
いで長軸方向113、次いで短軸方向114である。実
際には製品の輝度分布の要請に応じて上記各部分のパネ
ル肉厚、BMホール透過率、シャドウマスク透過率を設
定すればよい。
【0038】コンピュータ端末に使用されるカラーディ
スプレイ管(CDT)等では、コントラストを上げるた
めにパネルガラスとしていわゆるティント(10.6mm
の板厚で透過率56.8%,波長546nmの光による測
定でEIAJ標準透過率である)を使用する場合、さら
にはよりコントラストを上げるためにダークティント
(10.6mmの板厚で透過率46%,波長546nmの光
による測定でEIAJ標準透過率である)を使用する場
合が多い。本願発明はこのような透過率の低いガラスを
使用する場合に特に有効である。
【0039】また、ドットピッチが中央で0.26mm以
下の高精細管では、画面周辺で電子ビームの螢光体への
ランディング裕度が小さく、周辺におけるBMホール透
過率を上げにくい。したがって本願発明はこのようなC
DTに特に効果がある。
【0040】さらに、画面の中央と周辺での輝度差は大
形管において目立ち易い。本願発明は19”以上の大形
CDTにおいて特に効果がある。
【0041】以下に19”CDT(有効画面対角径46
cm)に本願発明を適用した例を示す。この場合、パネル
生地はティントである。 以上はフェースプレート内面又は外面が球面であるとの
前提で説明したが、フェースプレート内面又は外面が非
球面である場合にも当然適用できる。非球面の場合、図
7に例示するように、等価曲率半径REをフェースプレ
ート中央からの落ち込み量Zとの関係から次式のように
規定する。 RE=(Z+d)/2Z 非球面パネルの利点は、必要な輝度設定値に対し、対角
軸上,長軸上,短軸上のパネル肉厚差を独立に設定でき
る利点がある。
【0042】画面中央との輝度比において、短軸周辺3
16においては、問題になることが少ない。一方、シャ
ドウマスク強度は短軸周辺が最も裕度が小さい。シャド
ウマスク強度は曲率をつけることによって増すことがで
きる。シャドウマスク曲面は、パネル内面強度に強く影
響を受けるものである。この点からは、パネル内面の曲
率半径は小さい方がよい。すなわち、画面対角周辺にお
いてはパネル肉厚を中央よりも小さくし、画面短軸周辺
においてはパネル肉厚を中央より大とすることによっ
て、必要なシャドウマスク強度を維持しながら、中央と
周辺の輝度差を小さくすることができる。この実施例を
図8に示す。
【0043】パネル肉厚が中央と周辺でほぼ同等の場合
でも従来例に比べれば画面中央と周辺の輝度差を小さく
できる。この場合、画面周辺のBMホール透過率は画面
中央比70%以上、より好ましくは90%以上とするの
がよい。さらに好ましくはBMホール透過率は中央より
も周辺で大とするのがよい。それでも従来のように、対
角周辺でパネル肉厚が大になる場合に比較すれば輝度比
は改善出来、対角周辺のホール透過率が中央の110%
以下でも実用的な輝度差とすることができる。
【0044】画面周辺のホール透過率が画面中央の11
0%以下であれば、画面周辺でドットピッチを中央比1
10%以下におさえることができ、画面周辺での解像度
の劣化はあまり目立たない。同様に画面周辺のホール透
過率が画面中央の105%以下であれば画面周辺でのド
ットピッチを中央比105%以下におさえることがで
き、画面周辺での解像度の劣化はほとんど目立たなくな
る。
【0045】パネル外面がフラットの場合、本願発明は
パネル内面は、対角方向では図9に示すように逆Rとな
る。この場合も例えば対角方向は逆Rとし、短軸方向は
正Rとしてシャドウマスクの強度を維持しつつ、中央と
対角周辺の輝度比を縮小することができる。
【0046】パネル内面がフラットの場合は、パネル外
面に適当な曲率を持たせることにより画面中央と対角周
辺の輝度比を縮小することができる。
【0047】次に、図10は、図1に図示の実施例のカ
ラー陰極線管におけるフェースプレート内面1A(1)
の構成と電子ビーム偏向角との関係を示す説明図であっ
て、既知の陰極線管におけるフェースプレート内面の構
成と電子ビーム偏向角との関係を併せて示したものであ
る。また、図10に図示の例においては、本実施例のカ
ラー陰極線管におけるフェースプレート外面の曲率半径
Roと既知の陰極線管におけるフェースプレート外面の
曲率半径Rpoとが等しいものである。
【0048】図10において、Aは本実施例のカラー陰
極線管におけるフェースプレート内面Bは既知の陰極線
管におけるフェースプレート内面、Cは電子ビーム中心
軸である。
【0049】図10に示されるように、本実施例のカラ
ー陰極線管において、電子銃11から放射された電子ビ
ーム12は、偏向ヨーク7によって電子ビーム12の偏
向中心点Oから屈曲し、フェースプレート内面Aに達す
る。このとき、電子ビーム12が電子ビーム中心軸Cか
ら距離yだけ離れたフェースプレート内面Aに達するた
めには、次式 θ=tan- 1(y/z)… … …(1) で表される電子ビーム偏向角θが必要になる。ただし、
zは電子ビーム12の軌跡を電子ビーム中心軸Cに正射
影したときの長さであって、フェースプレート内面Aの
曲率半径をRi、電子ビーム12の偏向中心点Oからフ
ェースプレート内面Aの中心までの距離をLとしたと
き、次式、 z=L−Rcos{sin- 1(y/Ri)} で表される。
【0050】一方、既知の陰極線管において、電子銃か
ら放射された電子ビームは、偏向ヨークによって電子ビ
ームの偏向中心点Oから屈曲し、フェースプレート内面
Bに達する。このとき、電子ビームが電子ビーム中心軸
Cから距離yだけ離れたフェースプレート内面Bに達す
るためには、次式 θ’=tan- 1(y/z’)… … …(2) で表される電子ビーム偏向角θ’が必要になる。この場
合、z’は電子ビームの軌跡を電子ビーム中心軸Cに正
射影したときの長さであって、フェースプレート内面A
の曲率半径をRpiとしたとき、次式、 z’=L−Rcos{sin- 1(y/Rpi)} で表される。
【0051】この場合、本実施例のカラー陰極線管にお
けるフェースプレート外面の曲率半径Roと既知の陰極
線管におけるフェースプレート外面の曲率半径Rpoと
が等しいことから、本実施例のカラー陰極線管における
フェースプレート内面の曲率半径Riと既知の陰極線管
におけるフェースプレート内面の曲率半径Rpiとの間
に、Ri>Rpiの関係が成立し、その結果、z>z’
になる。
【0052】また、z>z’の関係を(1)式及び
(2)式に適用すれば、2つの電子ビームの偏向角θ、
θ’の間で、θ<θ’になる。
【0053】偏向ヨークに供給する偏向パワーは、偏向
角の3乗に比例するので、偏向角が実質的に小さくなっ
た分、偏向パワーを低減することができる。したがって
偏向ヨークからの不要輻射を低減することができる。一
方、偏向パワーを従来と同等でよいとすれば、Z−Z’
だけブラウン管全長を低減することができる。
【0054】本願発明は特に偏向角が大きくなって偏向
パワー問題がより厳しくなる、例えば公称偏向角100
゜以上のブラウン管では特に効果がある。
【0055】
【発明の効果】本願発明によれば、画面周辺でのランデ
ィング裕度を保ちつつ、画面中央と画面周辺の輝度差を
低減することができる。
【0056】また本願発明によれば、シャドウマスク強
度を減小することなく、画面中央と画面周辺の輝度差を
低減することができる。
【0057】また本願発明によれば、同一画面サイズ比
で偏向電力を低減することができる。あるいはブラウン
管全長を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係わる陰極線管の一実施例の要部構
成を示す断面図である。
【図2】本願発明におけるパネルフェースプレートの実
施例の断面図である。
【図3】本願発明を説明するためのパネルの平面図であ
る。
【図4】ドットタイプのブラックマトリクスの説明図で
ある。
【図5】ストライプタイプのブラックマトリクスの説明
図である。
【図6】ドットタイプのシャドウマスクの説明図であ
る。
【図7】パネルフェース部が非球面の場合の等価曲率半
径を示す図である。
【図8】本願発明の他の実施例におけるパネルの断面図
である。
【図9】本願発明のさらに他の実施例におけるパネルの
断面図である。
【図10】本願発明における実質的偏向角度の低減の説
明図である。
【図11】従来技術におけるパネルの断面図である。
【符号の説明】
1 パネル部 1A フェースプレート 1A(1) フェースプレート内面 1A(2) フェースプレート外面 1B パネルスカート部 2 ネック部 3 ファンネル部 4 螢光膜 5 シャドウマスク 6 内部磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 カラー陰極線管
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管に係わ
り、特に、フェースプレート内面の螢光面に電子ビーム
が投射されたとき、螢光面に表示される画像の輝度の全
面均一性を考慮し、フェースプレートの曲面形状を改良
した陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管のガラス製外囲器は、
曲面形状のフェースプレートを有するパネル部と、細径
のネック部と、パネル部とネック部とを連接する略漏斗
状のファンネル部とからなっており、フェースプレート
の内面に螢光面が形成され、ネック部の内部に電子銃が
装着され、ファンネル部の外周に偏向ヨークが装着され
て、陰極線管が構成される。この場合、陰極線管のガラ
ス製外囲器は、内部がほぼ真空状態になっており、外部
に常時大気圧が加わっていることから、一定値以上の機
械的強度を有することが必要であって、ガラス製外囲器
の各部の肉厚をその機械的強度に耐えられるような値に
設定している。そして、既知の陰極線管においては、通
常、ガラス製外囲器のフェースプレートの構成として、
フェースプレートの中央部分の肉厚に比べ、周辺部分の
肉厚が厚くなるようにしている。
【0003】ここで、図11は、既知の陰極線管のガラ
ス製外囲器におけるフェースプレート部分の構成の一例
を示す断面図である。
【0004】図11において、31はフェースプレー
ト、31(1)はフェースプレート内面、31(2)は
フェースプレート外面、tpcはフェースプレート31
の中央部分の肉厚、tpaはフェースプレート31の周
辺部分の肉厚、Rpiは電子ビームの偏向中心点Oを中
心としたフェースプレート内面31(1)の曲率半径、
Rpoは電子ビームの偏向中心点Oを中心としたフェー
スプレート外面31(2)の曲率半径である。
【0005】図11に示されるように、フェースプレー
ト31は、前記機械的強度を維持させる点から中央部分
の肉厚tpcに比べ、周辺部分の肉厚tpaが厚くなる
ように構成され、その結果、フェースプレート内面31
(1)の曲率半径Rpiがフェースプレート外面31
(2)の曲率半径Rpoよりも小さくなるように、即
ち、tpc<tpa、かつ、Rpi<Rpoになるよう
に構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の陰極線管
は、フェースプレート31における中央部分の肉厚tp
cが薄く、周辺部分の肉厚tpaが厚いことから、フェ
ースプレート31の内面に形成された螢光面に画像が表
示されたとき、螢光面からフェースプレート31を通し
て外部に放射される光は、肉厚tpcの薄いフェースプ
レート31の中央部分の減衰が少なく、肉厚tpaの厚
いフェースプレート31の周辺部分の減衰が多くなる、
即ち、フェースプレート31の中央部分の光透過率をT
pc、周辺部分の光透過率をTpaとすれば、Tpc>
Tpaになり、表示画像の輝度は、フェースプレート3
1の中央部分に比べ、周辺部分が低下するようになり、
周辺部分で表示画像の輝度を十分に確保することができ
なくなるという問題がある。画面周辺では画面中央より
も螢光体の重量が小さくなる等からさらに輝度が劣化す
ることになる。
【0007】ところで、フェースプレート31の周辺部
分の表示画像の輝度が中央部分の表示画像の輝度よりも
低下している場合、周辺部分の表示画像の輝度を中央部
分の表示画像の輝度に匹敵するように補正するために
は、螢光面の中央部分に投射される電子ビームの強度に
比べ、螢光面の周辺部分に投射される電子ビームの強度
を大きくすればよいが、このような電子ビーム強度の補
正手段は、簡単に得ることができるものでない。
【0008】また、一般に、陰極線管においては、偏向
ヨークからの漏洩磁界をできるだけ少なくするために、
偏向ヨークに供給する偏向電圧を低減させるようにして
いるが、最近、偏向角の大きな陰極線管が多くなり、陰
極線管の偏向ヨークに供給する偏向電圧が偏向角の大き
さに伴って大きくなることから、既知の陰極線管は、偏
向ヨークに供給する偏向電圧を低減させることが難し
く、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らすことができない
という問題もある。
【0009】本発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その目的は、簡単な構成手段により、フェースプレ
ートの周辺部分の表示画像の輝度を中央部分の表示画像
の輝度に匹敵させることを可能にした陰極線管を提供す
ることにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、偏向角が大き
な場合であっても、偏向ヨークに供給する偏向電圧を低
減させ、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らすことが可能
な陰極線管を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明による陰極線管は、フェースプレートの曲面
形状が、内面曲率半径が外面曲率半径に比し、同等又は
それ以上とし、かつブラックマトリクスのホール透過率
を所定範囲に規定するものである。
【0012】前記手段によれば、フェースプレートの曲
面形状として、その外面の曲率半径よりもその内面の曲
率半径が大きくなるような構成にしているので、フェー
スプレートの中央部分の肉厚と周辺部分の肉厚との差が
小さくなり、中央部分の肉厚が周辺部分の肉厚よりもや
や厚くなるので、フェースプレートの周辺部分の表示画
像の輝度を中央部分の表示画像の輝度に匹敵させること
ができる。そして、ブラックマトリクスのホール透過率
を画面周辺で過度に上げる必要が無くなるため、画面周
辺で解像度の大幅劣化を伴うことなく、色純度の良いブ
ラウン管を得ることができる。
【0013】また、前記手段によれば、フェースプレー
トの曲面形状として、その内面の曲率半径が既知の陰極
線管におけるパネル部フェースプレートの内面の曲率半
径よりも大きくなり、電子ビームの偏向中心点からフェ
ースプレート内面に形成された螢光面の周辺部分までの
距離が既知の陰極線管における同距離よりも長くなるの
で、その分、偏向ヨークにおける電子ビーム偏向角が小
さくなって、偏向ヨークに供給する偏向電圧が低減さ
れ、偏向ヨークからの漏洩磁界を減らせる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、陰
極線管は、曲面形状のフェースプレート内面に螢光面を
形成したパネル部と、内部に螢光面に向かって電子ビー
ムを放射する電子銃を装着したネック部と、パネル部と
ネック部とを連接し、外周に偏向ヨークが装着されるフ
ァンネル部とからなるものであって、フェースプレート
の曲面形状は、その内面曲率半径が外面曲率半径と同等
かそれ以上になっているものである。
【0015】本発明の実施の形態によれば、陰極線管の
フェースプレートの曲面形状を、内面の曲率半径を外面
の曲率半径とほぼ同等かそれよりも大きくした構成にし
ているので、フェースプレートの中央部分の肉厚に比
し、周辺部分の肉厚が同等かやや薄くなり、その結果、
フェースプレートの周辺部分の表示画像の輝度を増大さ
せ、周辺部分の表示画像の輝度を中央部分の表示画像の
輝度に近づけることができる。
【0016】また、本発明の実施の形態によれば、内面
の曲率半径が既知の陰極線管におけるパネル部フェース
プレートの内面の曲率半径よりも大きくなり、電子ビー
ムの偏向中心点からフェースプレート内面に形成された
螢光面の周辺部分までの距離が既知の陰極線管における
同距離よりも若干長くなるので、この長くなった分だ
け、偏向ヨークにおける電子ビーム偏向角が小さくて済
み、その結果、偏向ヨークに供給する偏向電圧を低減さ
せることが可能になって、偏向ヨークからの漏洩磁界の
発生量を減らすことができる。具体的には以下の構成を
夫々有する陰極線管である。 (1)フェースプレート部の内面と外面における、画面
中央と画面対角方向周辺とを結ぶ等価曲率半径をそれぞ
れRDI,RDOとし、画面中央のパネル部肉厚をtc
としたとき、 RDO−tc<RDI の関係があり、画面対角方向周辺のBMホール透過率は
中央の110%以下である。 (2)フェースプレート部の内面と外面における、画面
中央と画面長軸方向周辺とを結ぶ等価曲率半径をそれぞ
れRHI,RHOとし、画面中央のパネル部肉厚をtc
としたとき、 RHO−tc<RHI の関係があり、画面長軸方向周辺のBMホール透過率は
中央の110%以下である。 (3)フェースプレート部の内面と外面における、画面
中央と画面対角方向周辺とを結ぶ等価曲率半径をそれぞ
れRDI,RDOとし、画面中央のパネル部肉厚をtc
としたとき、 RDO−tc≒RDI の関係があり、画面対角方向周辺のBMホール透過率は
中央の、70%以上、110%以下である。 (4)フェースプレート部の外面はフラットであり、画
面の対角方向周辺のパネル部ガラス肉厚は画面中央より
も薄く、BMホール透過率は画面対角方向周辺では画面
中央の110%以下である。 (5)フェースプレート部の内面はフラットであり、画
面の対角方向周辺のパネル部ガラス肉厚は画面中央より
も薄く、BMホール透過率は画面対角方向周辺では画面
中央の110%以下である。 (6)パネル部内には螢光面に対向配置するようにシャ
ドウマスクが取付けられ、螢光面はブラックマトリクス
で囲まれた複数の螢光体画素で形成され、フェースプレ
ート部はその外面形状が非球面であり、このフェースプ
レート部のガラス肉厚が螢光面の中央部よりも対角方向
周辺部で薄い。 (7)フェースプレート部はその内面形状が非球面であ
り、このフェースプレート部のガラス肉厚が螢光面の中
央部よりも対角方向周辺部で薄い。 (8)螢光面はブラックマトリクスで囲まれた複数組の
3本の電子ビームに各々対応する3色の螢光体ドットト
リオで形成され、この螢光体ドットトリオは螢光面の中
央部で0.26mm以下の間隔で配置され、フェースプ
レート部はそのガラス肉厚が螢光面の中央部よりも対角
方向周辺部で薄い。上記(1)〜(8)の少なくとも1
つの構成と、次の構成の少なくとも1つを組合わせるこ
とで、より優れた効果を得ることができる。 (9)対角方向周辺の前記BMホール透過率は、画面中
央よりも小である。 (10)長軸方向周辺の前記BMホール透過率は、画面
中央よりも小である。 (11)フェースプレート部の内面と外面における、画
面中央と画面短軸方向周辺とを結ぶ等価曲率半径をそれ
ぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル部肉厚をt
cとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係がある。 (12)パネル部の材料の光透過率は、略略ティントで
ある。 (13)パネル部の材料の光透過率は、略略ダークティ
ントである。 (14)画面の対角径は略略46cmまたはそれ以上で
ある。 (15)画面中央のドットピッチは略略0.26mmま
たはそれ以下である。 (16)偏向角は略略100°またはそれ以上である。 (17)画面対角方向周辺のシャドウマスク透過率は中
央のシャドウマスク透過率の110%以下である。 (18)画面対角方向周辺のシャドウマスク透過率は中
央のシャドウマスク透過率よりも小さい。 (19)画面対角方向周辺のドットピッチは画面中央の
ドットピッチの110%以下である。 (20)画面対角方向周辺のドットピッチは画面中央の
ドットピッチの105%以下である。 (21)画面対角方向周辺のBMホール透過率は、中央
の90%以上、110%以下である。 (22)画面の短軸方向周辺のパネル部肉厚は画面中央
と同等かそれよりも大である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0018】図1は、本発明に係わる陰極線管の一実施
例の要部構成を示す断面図であって、陰極線管がカラー
陰極線管である例を示すものである。
【0019】図1において、1はパネル部、1Aはフェ
ースプレート、1Bはパネルスカート部、2はネック
部、3はファンネル部、4は螢光膜、5はシャドウマス
ク、6は内部磁気シールド、7は偏向ヨーク、8はピュ
リテイ調整マグネット、9はセンタービームスタティッ
クコンバーゼンス調整用マグネット、10はサイドビー
ムスタティックコンバーゼンス調整用マグネット、11
は電子銃、12は電子ビームである。
【0020】カラー陰極線管を構成するガラス製外囲器
(バルブ)は、前側に配置された大径のパネル部1と、
内部に電子銃11を収納している細長いネック部2と、
パネル部1及びネック部2を連接する略漏斗状のファン
ネル部3とからなる。パネル部1は、前面のフェースプ
レート1Aと、ファンネル部に連接されるスカート部1
Bを備え、フェースプレート1Aの内面に螢光膜4が被
着形成され、螢光膜4に対向配置するようにシャドウマ
スク5が取付けられる。パネル部1とファンネル部3の
結合部分の内側に内部磁気シールド6が設けられ、ファ
ンネル部3とネック部2の結合部分の外側に、使用時に
偏向ヨークが配置される。電子銃11から放射された
3本の電子ビーム12(1本のみ図示されている)が、
偏向ヨーク7で所定方向に偏向された後、シャドウマス
ク5を通して螢光膜4に射突される。なお、ネック部2
の外側には、ピュリテイ調整マグネット8、センタービ
ームスタティックコンバーゼンス調整用マグネット9、
サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用マグネ
ット10が並設配置されている。
【0021】前記構成によるカラー陰極線管における動
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー陰極線管にお
ける画像表示動作と同じであるので、このカラー陰極線
管における画像表示動作については、その説明を省略す
る。
【0022】次に、図2は、図1に図示の実施例のカラ
ー陰極線管におけるパネル部1フェースプレート1A
部分の構成を示す断面図である。
【0023】図2おいて、1A(1)はフェースプレ
ート内面、1A(2)はフェースプレート外面、tcは
フェースプレート1Aの中央部分の肉厚、taはフェー
スプレート1Aの周辺部分の肉厚、Riはフェースプレ
ート内面1A(1)の曲率半径、Roはフェースプレー
ト外面1A(2)の曲率半径であり、その他、図1に示
された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付
けている。なお、ここで上記フェースプレート1Aの中
央及び周辺部分の肉厚tc及びtaは、各々の部分にお
けるフェースプレート内面1A(1)と外面1A(2)
の最短距離を示す。また、通常フェースプレートの曲率
半径は、内面、外面共にフェースプレートの肉厚に比べ
てはるかに大きいので、上記フェースプレート1Aの周
辺部分の肉厚taについては、管軸方向と平行なフェー
スプレート内面1A(1)と外面1A(2)との距離で
代用しても良い。
【0024】図2に示されるように、本実施例のフェー
スプレート1Aは、フェースプレート内面1A(1)の
曲率半径Riフェースプレート外面1A(2)の曲率
半径Roとの関係がRo≦Ritcとなるようにし、
フェースプレート周辺部の肉厚ta中央部の肉厚tc
とほぼ同等かそれよりも薄くすることができる。ここで
フェースプレート周辺部とは図3に示すように、フェー
スプレート内面1A(1)に被着形成された螢光膜4の
螢光体ドットまたはストライプに対応する領域、すなわ
画像が表示される有効画面111の周辺部のことであ
る。
【0025】本実施例のパネル部1フェースプレート
1Aは、次のような手順を経て設計される。
【0026】始めに、ステップS1において、フェース
プレート1Aのフェースプレート外面1A(2)の曲率
半径Roを設定する。
【0027】次に、ステップS2において、フェースプ
レート1Aの中央部分の肉厚tcを設定する。
【0028】次いで、ステップS3において、フェース
プレート1Aの周辺部分の肉厚taを、前のステップS
2において設定されている中央部分の肉厚tcと同等か
それより小さくなるように設定する。
【0029】続いて、ステップS4において、前のステ
ップS2及びステップS3において設定した中央部分の
肉厚tc及び周辺部分の肉厚taを満足するようなフェ
ースプレート内面1A(1)の曲率半径Riを設定す
る。
【0030】続く、ステップS5において、前のステッ
プS4及びステップS1においてそれぞれ設定したフェ
ースプレート内面1A(1)の曲率半径Ri及びフェー
スプレート外面1A(2)の曲率半径Roを有するパネ
ル部1フェースプレート1Aについて所要の強度計算
を行う。
【0031】次に、ステップS6において、前のステッ
プS5において行われた強度計算結果が所要値以上であ
ると判断したときは、フェースプレート内面1A(1)
の曲率半径Ri及びフェースプレート外面1A(2)の
曲率半径Roを有するパネル部1フェースプレート1
Aの設計を完了させ、一方、強度計算結果が所要値以下
であると判断したときは、前のステップS3に戻り、再
度、ステップS3以降の処理が行なわれるものである。
【0032】このようにして得られたパネル部1フェ
ースプレート1Aを有するカラー陰極線管は、フェース
プレート1Aの周辺部分の肉厚taが中央部分の肉厚t
cとほぼ同等かそれよりも薄くなるように構成されてい
るので、画面周辺での光透過率を画面中央での光透過率
とほぼ同等かそれよりも大とすることができるため、画
全体の輝度を均一に近くすることができる。
【0033】中央と周辺の輝度差を補償する方法とし
て、ブラックマトリクス(BM)のホール透過率を中央
より周辺で上げる方法が考えられる。ここで、BMホー
ル透過率とは図4に示すように黒鉛4BMが無い部分の
割合、すなわち、光が通り抜けることができる割合を言
う。ここでPDはドットピッチで同色の螢光体の間隔を
言う。図5は螢光面がストライプの場合である。しかし
ながら、従来のように周辺でガラス厚が中央よりも大で
あるパネルを使用すれば周辺でのBMホール透過率を中
央より10%以上上げなければ中央と周辺を均一に近い
輝度にすることは難しい。画面周辺においてBMホール
透過率をランディング裕度を犠牲にすることなく上げる
手段として画面中央よりも画面周辺でドットピッチを大
きくする方法がある。しかし、周辺であまりドットピッ
チを大きくすると画面周辺での解像度の劣化を生ずる。
さらに周辺でホール透過率を上げれば、シャドウマスク
孔を通過した電子ビームが、BMのホールよりも十分に
大きくできないため、電子ビームがホール部分をカバー
しない、ビーム欠けを生ずる。これを防止するために、
シャドウマスクの透過率を上げればシャドウマスク強度
が低下するという問題を生ずる。ここでシャドウマスク
の透過率とは、図6に示すように、シャドウマスク孔5
1の面積の割合である。
【0034】本発明はパネル肉厚をパネル周辺で中央と
同等あるいは中央よりも薄くするとともに、BMホール
透過率をパネル肉厚との関係で規定し、ランディング裕
度を確保しつつ、中央と周辺の輝度差を小さくするもの
である。
【0035】ところで、パネル肉厚BMホール透過率
を中央と周辺で同等にしても、(1)螢光体ドットの重
量が画面中央よりも画面周辺で小さくなる、(2)螢光
体からの光を反射するメタルバックの反射率が画面周辺
で低下する等の理由により、中央よりも周辺で輝度が低
下する。したがって、パネル肉厚を周辺で若干薄くして
もBMホール透過率は周辺で上げる必要のある場合もあ
るが、この場合でも、画面中央に対する画面周辺のBM
ホール透過率は110%以下とすることができ、さら
に、パネル肉厚と輝度差の兼合いによっては、105%
以下にできる。本発明の最も好ましい実施例はBMホー
ル透過率を周辺において、中央よりも低く設定すること
である。また、BMホール透過率を画面周辺において画
面中央比70%以上にすると画面中央との輝度比をより
向上でき、90%以上とすればさらに良い。これによっ
て、中央と周辺の輝度差の解消とともに、周辺において
必要なランディング裕度をとることができる。なお、画
面周辺のBMホール透過率が画面中央比110%以下な
らば周辺でのドットピッチも中央比110%以下にでき
るため、周辺における解像度の劣化はあまり目立たな
い。同様に画面周辺のBMホール透過率が画面中央比1
05%以下ならば周辺でのドットピッチも中央比105
%以下にできるため、周辺における解像度の劣化はほと
んど目立たなくなる。さらにシャドウマスクの透過率を
周辺において過度に上げる必要が無くなるため、あるい
はシャドウマスク透過率を周辺において小さくできるた
め、シャドウマスク強度を確保することができる。
【0036】画面周辺のBMホール透過率が中央比11
0%以下であれば、シャドウマスクの透過率も中央比1
10%以下におさえることができる。シャドウマスク強
度の裕度を考慮すれば、画面周辺のシャドウマスク透過
率は画面中央よりも低い方がよい。
【0037】有効画面周辺は、図3に示すように対角方
向周辺112,長軸方向周辺113,短軸方向周辺11
4で代表させることができる。一般には、画面中央との
輝度差が最も問題となるのは対角方向周辺112であ
り、次いで長軸方向周辺113、次いで短軸方向周辺
14である。実際には製品の輝度分布の要請に応じて上
記各部分のパネル肉厚、BMホール透過率、シャドウマ
スク透過率を設定すればよい。
【0038】コンピュータ端末に使用されるカラーディ
スプレイ管(CDT)等では、コントラストを上げるた
めにパネルガラスとしていわゆるティント(10.6mm
の板厚で透過率56.8%,波長546nmの光による測
定でEIAJ標準透過率である)を使用する場合、さら
にはよりコントラストを上げるためにダークティント
(10.6mmの板厚で透過率46%,波長546nmの光
による測定でEIAJ標準透過率である)を使用する場
合が多い。本発明はこのような透過率の低いガラスを使
用する場合に特に有効である。
【0039】また、ドットピッチが中央で0.26mm以
下の高精細管では、画面周辺で電子ビームの螢光体への
ランディング裕度が小さく、周辺におけるBMホール透
過率を上げにくい。したがって本発明はこのようなCD
Tに特に効果がある。
【0040】さらに、画面の中央と周辺での輝度差は大
形管において目立ち易い。本発明は19”以上の大形C
DTにおいて特に効果がある。
【0041】以下に19”CDT(有効画面対角径46
cm)に本発明を適用した例を示す。この場合、パネル生
地はティントである。 中央 対角方向周辺 パネル肉厚 12.5mm 11.3mm BMホール透過率 42.4% 39.8% シャドウマスク透過率 17.6% 17.1% ドットピッチ 0.26mm 0.27mm 以上はフェースプレート内面又は外面が球面であるとの
前提で説明したが、フェースプレート内面又は外面が非
球面である場合にも当然適用できる。非球面の場合、図
7に例示するように、等価曲率半径REをフェースプレ
ート中央からの落ち込み量Zとの関係から次式のように
規定する。 RE=(Z2 +d2 )/2Z 非球面パネルの利点は、必要な輝度設定値に対し、対角
軸上,長軸上,短軸上のパネル肉厚差を独立に設定でき
る利点がある。
【0042】画面中央との輝度比において、短軸方向
114においては、問題になることが少ない。一方、
シャドウマスク強度は短軸方向周辺が最も裕度が小さ
い。シャドウマスク強度は曲率をつけることによって増
すことができる。シャドウマスク曲面は、パネル内面
に強く影響を受けるものである。この点からは、パネ
ル内面の曲率半径は小さい方がよい。すなわち、画面対
方向周辺においてはパネル肉厚を中央よりも小さく
し、画面短軸方向周辺においてはパネル肉厚を中央より
大とすることによって、必要なシャドウマスク強度を維
持しながら、中央と周辺の輝度差を小さくすることがで
きる。この実施例を図8に示す。
【0043】パネル肉厚が中央と周辺でほぼ同等の場合
でも従来例に比べれば画面中央と周辺の輝度差を小さく
できる。この場合、画面周辺のBMホール透過率は画面
中央比70%以上、より好ましくは90%以上とするの
がよい。さらに好ましくはBMホール透過率は中央より
も周辺で大とするのがよい。それでも従来のように、対
方向周辺でパネル肉厚が大になる場合に比較すれば輝
度比は改善出来、対角方向周辺のホール透過率が中央の
110%以下でも実用的な輝度差とすることができる。
【0044】画面周辺のホール透過率が画面中央の11
0%以下であれば、画面周辺でドットピッチを中央比1
10%以下におさえることができ、画面周辺での解像度
の劣化はあまり目立たない。同様に画面周辺のホール透
過率が画面中央の105%以下であれば画面周辺でのド
ットピッチを中央比105%以下におさえることがで
き、画面周辺での解像度の劣化はほとんど目立たなくな
る。
【0045】パネル外面がフラットの場合、本発明はパ
ネル内面は、対角方向では図9に示すように逆Rとな
る。この場合も例えば対角方向は逆Rとし、短軸方向は
正Rとしてシャドウマスクの強度を維持しつつ、中央と
対角方向周辺の輝度比を縮小することができる。
【0046】パネル内面がフラットの場合は、パネル外
面に適当な曲率を持たせることにより画面中央と対角
周辺の輝度比を縮小することができる。
【0047】次に、図10は、図1に図示の実施例のカ
ラー陰極線管におけるフェースプレート内面1A(1)
の構成と電子ビーム偏向角との関係を示す説明図であっ
て、既知の陰極線管におけるフェースプレート内面の構
成と電子ビーム偏向角との関係を併せて示したものであ
る。また、図10に図示の例においては、本実施例のカ
ラー陰極線管におけるフェースプレート外面の曲率半径
Roと既知の陰極線管におけるフェースプレート外面の
曲率半径Rpoとが等しいものである。
【0048】図10において、Aは本実施例のカラー陰
極線管におけるフェースプレート内面Bは既知の陰極
線管におけるフェースプレート内面、Cは電子ビーム中
心軸である。
【0049】図10に示されるように、本実施例のカラ
ー陰極線管において、電子銃11から放射された電子ビ
ーム12は、偏向ヨーク7によって電子ビーム12の偏
向中心点Oから屈曲し、フェースプレート内面Aに達す
る。このとき、電子ビーム12が電子ビーム中心軸Cか
ら距離yだけ離れたフェースプレート内面Aに達するた
めには、次式 θ=tan−1(y/z)… … …(1) で表される電子ビーム偏向角θが必要になる。ただし、
zは電子ビーム12の軌跡を電子ビーム中心軸Cに正射
影したときの長さであって、フェースプレート内面Aの
曲率半径をRi、電子ビーム12の偏向中心点Oからフ
ェースプレート内面Aの中心までの距離をLとしたと
き、次式、 z=L−Rcos{sin−1(y/Ri)} で表される。
【0050】一方、既知の陰極線管において、電子銃か
ら放射された電子ビームは、偏向ヨークによって電子ビ
ームの偏向中心点Oから屈曲し、フェースプレート内面
Bに達する。このとき、電子ビームが電子ビーム中心軸
Cから距離yだけ離れたフェースプレート内面Bに達す
るためには、次式 θ’=tan−1(y/z’)… … …(2) で表される電子ビーム偏向角θ’が必要になる。この場
合、z’は電子ビームの軌跡を電子ビーム中心軸Cに正
射影したときの長さであって、フェースプレート内面A
の曲率半径をRpiとしたとき、次式、 z’=L−Rcos{sin−1(y/Rpi)} で表される。
【0051】この場合、本実施例のカラー陰極線管にお
けるフェースプレート外面の曲率半径Roと既知の陰極
線管におけるフェースプレート外面の曲率半径Rpoと
が等しいことから、本実施例のカラー陰極線管における
フェースプレート内面の曲率半径Riと既知の陰極線管
におけるフェースプレート内面の曲率半径Rpiとの間
に、Ri>Rpiの関係が成立し、その結果、z>z’
になる。
【0052】また、z>z’の関係を(1)式及び
(2)式に適用すれば、2つの電子ビームの偏向角θ、
θ’の間で、θ<θ’になる。
【0053】偏向ヨークに供給する偏向パワーは、偏向
角の3乗に比例するので、偏向角が実質的に小さくなっ
た分、偏向パワーを低減することができる。したがって
偏向ヨークからの不要輻射を低減することができる。一
方、偏向パワーを従来と同等でよいとすれば、Z−Z’
だけブラウン管全長を低減することができる。
【0054】本発明は特に偏向角が大きくなって偏向パ
ワー問題がより厳しくなる、例えば公称偏向角100
゜以上のブラウン管では特に効果がある。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、画面周辺でのランディ
ング裕度を保ちつつ、画面中央と画面周辺の輝度差を低
減することができる。
【0056】また本発明によれば、シャドウマスク強度
を減小することなく、画面中央と画面周辺の輝度差を低
減することができる。
【0057】また本発明によれば、同一画面サイズ比で
偏向電力を低減することができる。あるいはブラウン管
全長を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる陰極線管の一実施例の要部構成
を示す断面図である。
【図2】本発明におけるパネルフェースプレートの実施
例の断面図である。
【図3】本発明を説明するためのパネルの平面図であ
る。
【図4】ドットタイプのブラックマトリクスの説明図で
ある。
【図5】ストライプタイプのブラックマトリクスの説明
図である。
【図6】ドットタイプのシャドウマスクの説明図であ
る。
【図7】パネルフェース部が非球面の場合の等価曲率半
径を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例におけるパネルの断面図で
ある。
【図9】本発明のさらに他の実施例におけるパネルの断
面図である。
【図10】本発明における実質的偏向角度の低減の説
明図である。
【図11】従来技術におけるパネルの断面図である。
【符号の説明】 1 パネル部 1A フェースプレート 1A(1) フェースプレート内面 1A(2) フェースプレート外面 1B パネルスカート部 2 ネック部 3 ファンネル部 4 螢光膜 5 シャドウマスク 6 内部磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 12 電子ビーム
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画面を有するフェースプレート部とスカー
    ト部とからなるパネルと電子銃を装着したネック部と、
    前記パネル部と前記ネック部と連接するファンネル部
    と、前記パネル内にはシャドウマスクが装着されるカラ
    ー陰極線管において、前記フェースプレートの内面と外
    面における、画面中央と画面対角周辺とを結ぶ等価曲率
    半径をそれぞれRDI,RDOとし、画面中央のパネル
    肉厚をtcとしたとき、 RDO−tc<RDI の関係があり、画面対角周辺のBMホール透過率は中央
    の110%以下であることを特徴とするカラー陰極線
    管。
  2. 【請求項2】対角周辺の前記BMホール透過率は、画面
    中央よりも小であることを特徴とする、請求項1に記載
    のカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】画面を有するフェースプレート部とスカー
    ト部とからなるパネルと電子銃を装着したネック部と、
    前記パネル部と前記ネック部と連接するファンネル部
    と、前記パネル内にはシャドウマスクが装着されるカラ
    ー陰極線管において、前記フェースプレートの内面と外
    面における、画面中央と画面長軸周辺とを結ぶ透過曲率
    半径をそれぞれRHI,RHOとし、画面中央のパネル
    肉厚をtcとしたとき、 RHO−tc<RHI の関係があり、画面長軸周辺のBM透過率は中央の11
    0%以下であることを特徴とするカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】長軸周辺の前記BMホール透過率は、画面
    中央よりも小であることを特徴とする、請求項3に記載
    のカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】前記フェースプレートの内面と外面におけ
    る、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径をそ
    れぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚をt
    cとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項1に記載のカラー
    陰極線管。
  6. 【請求項6】前記フェースプレートの内面と外面におけ
    る、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径をそ
    れぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚をt
    cとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項2に記載のカラー
    陰極線管。
  7. 【請求項7】前記フェースプレートの内面と外面におけ
    る、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径をそ
    れぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚をt
    cとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項3に記載のカラー
    陰極線管。
  8. 【請求項8】前記フェースプレートの内面と外面におけ
    る、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径をそ
    れぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚をt
    cとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項4に記載のカラー
    陰極線管。
  9. 【請求項9】前記パネルの材料の光透過率は、略略ティ
    ントであることを特徴とする、請求項1乃至8に記載の
    カラー陰極線管。
  10. 【請求項10】前記パネルの材料の光透過率は、略略ダ
    ークティントであることを特徴とする、請求項1乃至8
    に記載のカラー陰極線管。
  11. 【請求項11】有効画面の対角径は略略46cmまたは
    それ以上であることを特徴とする請求項1乃至8に記載
    のカラー陰極線管。
  12. 【請求項12】画面中央のドットピッチは略略0.26
    mmまたはそれ以下であることを特徴とする請求項11
    に記載のカラー陰極線管。
  13. 【請求項13】偏向角は略略100°またはそれ以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至8に記載のカラー陰
    極線管。
  14. 【請求項14】画面対角周辺のシャドウマスク透過率は
    中央のシャドウマスク透過率の110%以下であること
    を特徴とする請求項1及び2に記載のカラー陰極線管。
  15. 【請求項15】画面対角周辺のシャドウマスク透過率は
    中央のシャドウマスク透過率よりも小さいことを特徴と
    する請求項1及び2に記載のカラー陰極線管。
  16. 【請求項16】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの110%以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のカラー陰極線管。
  17. 【請求項17】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの105%以下であることを特徴とする
    請求項1および2に記載のカラー陰極線管。
  18. 【請求項18】画面を有するフェースプレート部とスカ
    ート部とからなるパネルと電子銃を装着したネック部
    と、前記パネル部と前記ネック部と連接するファンネル
    部と、前記パネル内にはシャドウマスクが装着されるカ
    ラー陰極線管において、前記フェースプレートの内面と
    外面における、画面中央と画面対角周辺とを結ぶ等価曲
    率半径をそれぞれRDI,RDOとし、画面中央のパネ
    ル肉厚をtcとしたとき、 RDO−tc≒RDI の関係があり、画面対角周辺のBMホール透過率は中央
    の、70%以上、110%以下であることを特徴とする
    カラー陰極線管。
  19. 【請求項19】画面対角周辺のBMホール透過率は、中
    央の90%以上、110%以下であることを特徴とする
    請求項18に記載のカラー陰極線管。
  20. 【請求項20】前記フェースプレートの内面と外面にお
    ける、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径を
    それぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚を
    tcとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項18に記載のカラ
    ー陰極線管。
  21. 【請求項21】前記フェースプレートの内面と外面にお
    ける、画面中央と画面短軸周辺とを結ぶ等価曲率半径を
    それぞれRVI,RVOとし、画面中央のパネル肉厚を
    tcとしたとき、 RVO−tc≧RVI の関係があることを特徴とする請求項19に記載のカラ
    ー陰極線管。
  22. 【請求項22】前記パネルの材料の光透過率は略略ティ
    ントであることを特徴とする請求項18乃至21に記載
    のカラー陰極線管。
  23. 【請求項23】前記パネルの材料の光透過率は略略ダー
    クティントであることを特徴とする請求項18乃至21
    に記載のカラー陰極線管。
  24. 【請求項24】有効画面の対角径は略略46cmまたは
    それ以上であることを特徴とする請求項18乃至21に
    記載のカラー陰極線管。
  25. 【請求項25】画面中央のドットピッチは略略0.26
    mmまたはそれ以下であることを特徴とする請求項18
    乃至21に記載のカラー陰極線管。
  26. 【請求項26】対角周辺のシャドウマスク透過率は中央
    のシャドウマスク透過率の110%以下であることを特
    徴とする請求項18乃至21に記載のカラー陰極線管。
  27. 【請求項27】対角周辺のシャドウマスク透過率は中央
    のシャドウマスク透過率よりも小さいことを特徴とする
    請求項18乃至21に記載の陰極線管。
  28. 【請求項28】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの110%以下であることを特徴とする
    請求項18に記載のカラー陰極線管。
  29. 【請求項29】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの105%以下であることを特徴とする
    請求項18および19に記載のカラー陰極線管。
  30. 【請求項30】画面を有するフェースプレート部とスカ
    ート部とからなるパネルと電子銃を装着したネック部
    と、前記パネル部と前記ネック部と連接するファンネル
    部と、前記パネル内にはシャドウマスクが装着されるカ
    ラー陰極線管において、前記フェースプレートの外面は
    フラットであり、画面の対角周辺のガラス肉厚は画面中
    央よりも薄く、BMホール透過率は画面対角周辺では画
    面中央の110%以下であることを特徴とするカラー陰
    極線管。
  31. 【請求項31】対角周辺の前記BMホール透過率は、画
    面中央よりも小であることを特徴とする請求項30に記
    載のカラー陰極線管。
  32. 【請求項32】画面の短軸周辺のパネル肉厚は画面中央
    と同等かそれよりも大であることを特徴とする請求項3
    0および31に記載のカラー陰極線管。
  33. 【請求項33】画面を有するフェースプレート部とスカ
    ート部とからなるパネルと電子銃を装着したネック部
    と、前記パネル部と前記ネック部と連接するファンネル
    部と、前記パネル内にはシャドウマスクが装着されるカ
    ラー陰極線管において、前記フェースプレートの内面は
    フラットであり、画面の対角周辺のガラス肉厚は画面中
    央よりも薄く、BMホール透過率は画面対角周辺では画
    面中央の110%以下であることを特徴とするカラー陰
    極線管。
  34. 【請求項34】対角周辺の前記BMホール透過率は、画
    面中央よりも小であることを特徴とする請求項33に記
    載のカラー陰極線管。
  35. 【請求項35】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの110%以下であることを特徴とする
    請求項30および33に記載のカラー陰極線管。
  36. 【請求項36】画面対角周辺のドットピッチは画面中央
    のドットピッチの105%以下であることを特徴とする
    請求項30乃至34に記載のカラー陰極線管。
JP1854798A 1997-12-15 1998-01-30 カラー陰極線管 Pending JPH11238481A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1854798A JPH11238481A (ja) 1997-12-15 1998-01-30 カラー陰極線管
TW88100721A TW554374B (en) 1997-12-15 1999-01-18 Color cathode ray tube
DE69918874T DE69918874T2 (de) 1998-01-30 1999-01-21 Kathodenstrahlröhre
EP99101037A EP0933797B1 (en) 1998-01-30 1999-01-21 Cathode ray tube
US09/236,606 US6534907B1 (en) 1998-01-30 1999-01-26 Cathode ray tube faceplate having particular black matrix hole transmittivity in the peripheral areas
KR1019990003172A KR100313391B1 (ko) 1998-01-30 1999-01-30 컬러음극선관
CNB991017382A CN1155986C (zh) 1998-01-30 1999-01-30 阴极射线管
US10/385,637 US6765344B2 (en) 1998-01-30 2003-03-12 Cathode ray tube having specific radius of curvatures for inner and outer surface of the panel

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-345140 1997-12-15
JP34514097 1997-12-15
JP1854798A JPH11238481A (ja) 1997-12-15 1998-01-30 カラー陰極線管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11238481A true JPH11238481A (ja) 1999-08-31

Family

ID=26355237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1854798A Pending JPH11238481A (ja) 1997-12-15 1998-01-30 カラー陰極線管

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH11238481A (ja)
TW (1) TW554374B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432114B1 (ko) * 1999-04-28 2004-05-17 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 칼라 음극선관

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432114B1 (ko) * 1999-04-28 2004-05-17 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 칼라 음극선관

Also Published As

Publication number Publication date
TW554374B (en) 2003-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6160344A (en) Cathode-ray tube
JPH04249840A (ja) 陰極線管
KR100313391B1 (ko) 컬러음극선관
US6639345B2 (en) Color cathode ray tube
JP2000113841A (ja) CRT(CathodeRayTube)用セミフラットパネル
JP2001351541A (ja) カラー陰極線管
JP2002042671A (ja) カラー受像管
JPH11238481A (ja) カラー陰極線管
JP2003197126A (ja) 平面型カラー陰極線管
US6680565B2 (en) Cathode-ray tube
JPH1186751A (ja) カラー受像管
JP2002042698A (ja) パネル表面がフラットなシャドーマスク型カラー陰極線管
US6411025B1 (en) Color cathode ray tube
KR100432114B1 (ko) 칼라 음극선관
JPH11238475A (ja) カラー受像管
US6774553B2 (en) Cathode-ray tube
US7148616B2 (en) Color picture tube
JP3811492B2 (ja) カラー受像管
JP2003100231A (ja) カラー陰極線管
US6707241B2 (en) Color cathode-ray tube
JP2000003683A (ja) カラー陰極線管
JPS61185849A (ja) 陰極線管
JP2003045355A (ja) カラー陰極線管
US20050236957A1 (en) Color cathode ray tube
KR20010018212A (ko) 칼라음극선관

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02