JPH11236880A - 圧電ポンプ - Google Patents

圧電ポンプ

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JPH11236880A
JPH11236880A JP10040789A JP4078998A JPH11236880A JP H11236880 A JPH11236880 A JP H11236880A JP 10040789 A JP10040789 A JP 10040789A JP 4078998 A JP4078998 A JP 4078998A JP H11236880 A JPH11236880 A JP H11236880A
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JP
Japan
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diaphragm
case
piezoelectric pump
frame portion
piezoelectric
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Pending
Application number
JP10040789A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Suzuka
純一 鈴鹿
Nobuhiro Inoue
宣宏 井上
Yasuo Ito
康生 伊藤
Tsutomu Kameyama
勉 亀山
Kiyoshi Kato
清 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Niterra Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を積層した振動板の振動によりガス
を一定方向に排出する圧電ポンプにおいて、振動板の振
動特性のばらつきをなくし、安定したポンプ特性が得ら
れるようにする。 【解決手段】 圧電素子10を積層した振動板8をポン
プ室を形成するアッパケース4とロワケース6とで挟持
することにより、振動板8を振動させた際に吸入孔4d
からガスを吸入し排出孔14aからガスを排出する圧電
ポンプにおいて、アッパケース4の枠部4eに振動板
8,ロワケース6,バネ座金18,押え板20を順に収
納して、枠部4e端部の加締め部4fを加締めることに
より、これら各部を固定する。そして、バネ座金18の
付勢力によりケースから振動板8に加わる圧力Pが、3
0MPa以上となるように設定する。この結果、振動板
の振動特性のばらつきをなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子を積層し
た振動板を備え、この振動板を圧電素子への交流電圧印
加によって振動させることにより、ガスを一定方向に排
出する圧電ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、角速度検出装置の一つとし
て、一定方向に噴出されたガス流に対して、移動体の進
行方向の変化による角速度が作用したときのガス流の偏
向状態を、ヒートワイヤ等からなる感温素子を用いて電
気的に検出するようにしたガス式角速度検出器が知られ
ている(特開平2−130474号公報,特開平3−2
9858号公報,特開平3−255961号公報等参
照)。
【0003】また、この種の角速度検出装置では、上記
各公報に開示されているように、角速度検出用のガス流
を生成するためのポンプとして、圧電素子を積層した振
動板をポンプ室内に収納し、その振動板の振動により、
ポンプ室の外壁に形成した排出孔からガスを吐出するよ
うに構成された圧電ポンプが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の圧
電ポンプは、所謂ダイヤフラム式のポンプであり、圧電
ポンプを実際に作製する際には、圧電素子への交流電圧
印加によって振動板が振動し得るように、振動板周囲
を、ポンプ室を構成する一対のケースで挟持する必要が
ある。そして、角速度検出素子において、角速度の検出
精度を確保するには、圧電ポンプから噴出されるガス流
を一定にする必要があり、そのためには、振動板の振動
特性(共振周波数,共振時の圧電素子のインピーダンス
等)のばらつきをなくす必要がある。
【0005】ところが、本発明者らが各種実験を行った
ところ、振動板の振動特性は、振動板をポンプ室に固定
するために一対のケースで挟持する際の荷重や、その挟
持部分の面積等で変化し、これらを適正に設定しない
と、製造時のばらつき等で、振動板の振動特性が大きく
変化し、安定したポンプ特性が得られなくなる、といっ
たことが判った。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、圧電素子を積層した振動板を振動させること
によりガスを一定方向に排出する圧電ポンプにおいて、
振動板の振動特性のばらつきをなくし、常に安定してガ
スを排出できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段,発明の実施の形態及び発
明の効果】かかる目的を達成するためになされた請求項
1に記載の圧電ポンプは、中央に凹部を有する皿状に形
成され、該凹部を内側にして互いに対向配置されること
によりポンプ室を形成する一対のケースと、板面中央に
圧電体が積層され、該圧電体が積層されない板面周縁部
分が前記一対のケースの凹部周囲の対向面で挟持され
て、前記ポンプ室を2分する振動板と、からなり、前記
圧電体への交流電圧印加によって振動板を振動させるこ
とにより、前記一対のケースの一方に形成された吸入孔
及び排出孔を介してガスを給排可能な圧電ポンプにおい
て、前記各ケースから前記振動板に加わる荷重Fを、前
記振動板において該荷重Fが加わる挟持部の面積Sで除
した、単位面積当たりの圧力Pが、前記振動板の振動特
性が安定する30MPa以上となるよう構成してなるこ
とを特徴とする。
【0008】これは、前記各ケース間で振動板を挟持す
る際の圧力P(=F/S)が小さい領域では、その圧力
P(換言すれば各ケース間を締め付ける際の荷重F)が
少し変化しただけでも、振動板の振動特性が大きく変化
し、製造時のばらつき等によって、安定した振動特性が
得られなくなるためである。
【0009】つまり、本発明(請求項1)では、一対の
ケースで振動板の周縁部分を挟持して振動板をポンプ室
内に固定する際の荷重Fを、その挟持部の面積Sで除し
た圧力Pの下限値を30MPaに規定することで、振動
板の振動特性を安定化させる。従って、本発明によれ
ば、振動板の振動特性が製造時のばらつき等によって大
きく変化するのを防止し、圧電素子への交流電圧印加に
よって圧電ポンプからガスを安定して排出させることが
可能になる。尚、上記圧力Pの下限値;30MPaは、
後述実施例に記載の実験を含む各種実験の結果得られた
値である。
【0010】ところで、このように圧力Pを規定するに
は、製造時に、振動板の周縁部分を挟持する一対のケー
スを接合する際の荷重Fを調整する必要があり、例え
ば、ケースの接合を、ねじを用いて行う場合には、その
ねじの締付トルクを調整すればよい。
【0011】しかし、このようにケースの接合をねじを
用いて行うように構成すると、製造時に、ねじの締付ト
ルクを調整しなければならず、製造時の作業性が低下す
るとか、或いは、各ケースにねじを通すためのねじ孔を
設ける必要があるため、ケースが大きくなって、圧電ポ
ンプを小型化する際の妨げになる、という問題がある。
【0012】そこで、本発明(請求項1)を実現するに
は、圧電ポンプを請求項2に記載のように構成すること
が望ましい。即ち、請求項2に記載の圧電ポンプは、請
求項1記載の圧電ポンプにおいて、前記一対のケースの
内、前記吸入孔及び排出孔が形成された第1ケースの前
記振動板挟持部周縁からは、前記振動板を挟んで他方の
第2ケースを収納するための筒状の枠部が延設されると
共に、該延設された枠部の端部には、該枠部の板厚より
も薄い加締め部が枠部の外側壁面に沿って延設され、前
記各ケースの接合は、前記第1ケースの枠部に、前記振
動板,前記第2ケース,該第2ケースを第1ケース側に
付勢する付勢部材を順に収納すると共に、該付勢部材を
枠部内に位置決めするための押え板を前記加締め部内に
収納して、該押え板周囲を前記枠部の端部に当接し、そ
の後、該加締め部を該枠部が形成する筒の内側に加締め
て、前記押え板を前記枠部端部に固定することにより行
われることを特徴とする。
【0013】このように、請求項1記載の圧電ポンプに
よれば、第1ケースの枠部端部に形成された加締め部を
内側に加締めることにより、第1ケースの筒状の枠部内
に、振動板,第2ケース,付勢部材が収納されるため、
第1ケースと第2ケースとの接合を極めて簡単に行うこ
とができる。また、付勢部材は、枠部の端部に当接され
る押え板にて位置決めされることから、第1ケースと第
2ケースとの間に挟持される振動板に加わる荷重Fは、
付勢部材の付勢力のみによって決定される。従って、上
記請求項1による規定を満足するには、振動板に加わる
荷重Fが最適値となるように付勢部材の材質,形状等を
設定すればよく、製造時には、荷重調整のための特別な
作業を行う必要はない。従って、本発明によれば、請求
項1に記載の圧電ポンプを、極めて簡単に製造すること
が可能になる。
【0014】また、請求項2のように、振動板に加わる
荷重Fを付勢部材の付勢力にて設定するようにした場
合、付勢部材を用いず、ねじの締付力等だけでケース間
に振動板を挟持するようにした場合に比べて、振動板の
振動特性が温度によって変化するのも防止できる。
【0015】つまり、振動板の周縁部分は、一対のケー
スで挟持されるため、各ケースをねじ等を用いて直接接
合すると、振動板の振動特性に影響を与える荷重Fは、
温度変化に伴い生じるケースの膨張・収縮により変化す
ることになり、圧電ポンプの使用温度が変化すれば、振
動板の振動特性も大きく変化することになる。しかし、
本発明のように、振動板を挟持する荷重Fを、付勢部材
の付勢力にて設定するようにした場合には、温度変化に
伴い生じる各ケースや押え板の膨張・収縮を付勢部材に
て吸収し、温度変化によって振動板に加わる荷重Fが変
化するのを防止できる。
【0016】よって本発明によれば、振動板の振動特性
の温度変化をも抑制できることになり、上記各公報に開
示されているように、圧電ポンプを自動車用の角速度検
出装置に使用する場合等、圧電ポンプを温度変化が大き
な環境下で使用しても、振動板の振動特性,延いては圧
電ポンプからのガスの排出特性を安定化させることが可
能になる。
【0017】尚、付勢部材としては、第1ケースと第2
ケースとの間に挟持される振動板の周縁部分を、第2ケ
ースの背後から付勢できればよいため、請求項3に記載
のように、第2ケースの凹部周縁の振動板挟持部を背後
より付勢できる大きさの環状のバネ座金にて構成すれば
よい。
【0018】またこのように、温度変化による振動特性
の変化を抑制するには、請求項4に記載のように、前記
振動板と前記各ケースとの熱膨張差が所定値以下となる
ように、前記振動板及び各ケースの材質を設定すること
が好ましく、特に、その材質としては、振動板に積層さ
れる圧電体(圧電セラミックス)に熱膨張係数を合わせ
て、熱サイクル毎のストレスを低減するために、請求項
5に記載のように、前記振動板及び前記各ケースを、鉄
及びニッケルを主成分とする金属(より好ましくは、請
求項6に記載のようにFe42Ni)にて構成すること
が望ましい。
【0019】そして、請求項6に記載のように、振動板
及び各ケースをFe42Niにて構成した場合には、前
記圧力Pを、98MPa以下にすることが望ましい。つ
まり、Fe42Niの破壊応力は490MPaであり、
このような柔らかい金属で静荷重の場合には一般に安全
率を5に設定するので、こうしたことを考慮すると、振
動板及び各ケースをFe42Niにて構成した場合に
は、前記圧力Pを、98(=490/5)MPa以下に
することが望ましい。
【0020】一方、本発明の圧電ポンプは、振動板の振
動により、一方のケースに穿設された吸入孔からガスを
吸入して、同ケースに穿設された排出孔からガスを排出
できればよいため、これら各吸入・排出孔に、ガスの流
れを一方向(吸入方向・排出方向)に規制する弁体を設
けるようにしてもよいが、より好ましくは、請求項7に
記載のように構成すればよい。
【0021】即ち、請求項7に記載の圧電ポンプは、請
求項1〜請求項6いずれか記載の圧電ポンプにおいて、
前記振動板には、前記2分した各ポンプ室を連通する連
通孔が形成され、前記排出孔は、前記ケースにおいて該
連通孔に対向する位置に形成されたことを特徴とする。
【0022】そして、このように構成された圧電ポンプ
によれば、圧電素子への交流電圧の印加によって、振動
板を振動させれば、振動板に穿設された連通孔から排出
孔に向けて、排出ガスの流路が形成され、排出孔から真
っ直ぐガスが排出されることになり、吸入孔及び排出孔
に弁体を設けることなく、ポンプ室に対してガスを給排
させることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図1は、本実施例の圧電ポンプの構成を表し、
(a)はその平面図、(b)は(a)に示すX−X線断
面図、(c)は(b)に示すA部分の拡大断面図であ
る。
【0024】図1に示すように、本実施例の圧電ポンプ
2は、中央に同径の凹部4a,6aを有する円皿状に形
成された一対のケース(アッパケース及びロワケース)
4,6と、これら各ケース4,6を凹部4a,6aを内
側にして互いに対向配置することにより形成されるポン
プ室を2分する振動板8とを備える。振動板8は、各ケ
ース4,6の凹部4a,6aよりも大きな径を有する円
板状の金属板からなり、その板面周縁部分を、各ケース
4,6の凹部4a,6a周囲の鍔部4b,6bの対向面
にて挟持することにより、ポンプ室内に固定されて、ポ
ンプ室を2室に分離している。尚、これら各ケース4,
6と振動板8とは、共に、鉄とニッケルとの合金である
Fe42Niからなる。
【0025】また、振動板8のアッパケース4側の板面
には、PZTからなる圧電素子10が積層されており、
圧電素子10の表面には、駆動電圧(交流電圧)印加用
のビニル等の絶縁材で被覆されたリード線12が半田付
けされている。そして、アッパケース4の凹部4aのう
ち、このリード線12が圧電素子10に半田付けされる
部分は、段差を付けてより大きく凹んでおり、その凹部
の側壁には、リード線12を引き出すためのリード線引
き出し孔4cと、ポンプ室内に外気を導入するための吸
入孔4dとが、夫々穿設されている。
【0026】また、アッパケース4の凹部4aにおい
て、振動板8と対向する対向面の吸入孔4dとは離れた
位置には、ポンプ室内のガスを排出するための吹出ノズ
ル14が設けられ、吹出ノズル14に穿設された排出孔
14aから、ポンプ室内のガスを真っ直ぐ排出できるよ
うにされている。そして、振動板8の排出孔14aとの
対向位置には、排出孔14aと略同じ径(例えば直径
0.5mm)の連通孔8aが穿設され、この連通孔8a
にて、アッパケース4の凹部4aにて形成される一方の
ポンプ室と、ロワケース6の凹部6aにて形成される他
方のポンプ室とが連通されている。
【0027】次に、前記一対のケース4,6の内、ガス
給排用の吸入孔4dc及び排出孔14aが形成されたア
ッパケース4の鍔部4b周縁からは、振動板8を挟んで
ロワケース6を収納するための筒状の枠部4eが延設さ
れている。そして、この枠部4eには、振動板8及びロ
ワケース6が順に収納されると共に、ロワケース6の凹
部6a周囲の側壁と鍔部6bと枠部4eとで形成される
空間部分に、この空間を充填するための円環状のパッキ
ン16が収納され、更に、その後方より、ロワケースの
鍔部6dをアッパケース4の鍔部4b側に押しつける円
環状のバネ座金18が収納されている。そして、このバ
ネ座金18の後方には、バネ座金18を枠部4eに位置
決めするための押え板20が固定されている。
【0028】尚、押え板20は、アッパケース4の枠部
4eの端部から枠部4eの外側壁面に沿って延設され
た、枠部4eの板厚よりも薄い加締め部4f内に収納し
て、押え板20周囲を枠部4eの端部に当接させること
ができるように、その外径が、枠部4eの内径よりも大
きく形成されている。そして、押え板20の固定は、押
え板20を、加締め部4f内に収納して、押え板20周
囲を枠部4eの端部に当接させた後、加締め部4fを内
側に加締める、といった手順で行われる。
【0029】このように構成された本実施例の圧電ポン
プ2においては、アッパケース4の鍔部4bとロワケー
ス6の鍔部6bとで挟持するために振動板8に加わる荷
重Fは、加締め部4fを加締めて、バネ座金18を固定
した際にバネ座金18に生じた歪により決定され、この
歪は、アッパケース4の枠部4eの深さと、枠部4eに
収納される上記各部の厚みとにより決定されることか
ら、これら各部の寸法を規定すれば、製造時のばらつき
により、振動板8に加わる荷重Fが大きくばらつくのを
防止できる。そして、本実施例では、バネ座金18を、
材質;S65C,硬度;HTC40〜50の金属材料に
て構成し、加締め部4fを加締めることにより、バネ座
金18の高さを1±001mmに変形させて、振動板8
に加わる荷重Fが、60〜180kgfとなるようにし
ている。
【0030】また本実施例では、振動板8をアッパケー
ス4の鍔部4bとロワケース6の鍔部6bとで挟持する
に当たって、振動板8に加わる荷重Fが、その挟持部分
で集中することのないよう、図1(c)に示す如く、ロ
ワケース6の鍔部6bが振動板8に当接される部分を、
ロワケース6の凹部6b側内壁に沿って形成した凸条6
cにて構成し、更に、凸条6cの振動板8への当接部の
幅を0.4mmに設定することにより、振動板8の挟持
部分の面積Sが18.35mm2 となり、振動板8に加
わる荷重Fをその面積Sで割った圧力P(=F/S)
が、少なくとも30MPa以上となるようにされてい
る。 [実験1]次に、上記圧力Pの下限値;30MPaは、
本発明者らが各種実験を行った結果得られた値であるの
で、その実験の一例を説明する。
【0031】まず、アッパケース4とロワケース6とで
振動板8を挟持する際に振動板8に加わる荷重Fを適宜
設定できるようにするために、実験用の圧電ポンプ32
を作製した。図2に示す如く、この圧電ポンプは、アッ
パケース4及びロワケース6の凹部4a,6bの形状
や、これに挟持される圧電素子10が積層された振動板
8の形状等は、全て、図1に示した実施例の圧電ポンプ
2と同様である。そして、異なる点は、アッパケース4
及びロワケース6の鍔部4b及び6bの外径を大きくし
て、これら各鍔部4b,6bの4箇所に、雄ねじ34を
挿通するためのねじ孔を穿設し、各ねじ孔に雄ねじ34
を挿通して、ナット36で締め付けることにより、アッ
パケース4とロワケース6とを接合した点である。従っ
て、この圧電ポンプ32によれば、雄ねじ34とナット
36との締付トルクTから、振動板8に加わる荷重F,
延いてはこの荷重Fを振動板8の挟持部分の面積Sで割
った圧力Pを適宜設定できる。
【0032】また、この圧力Pと振動特性との関係を測
定するために、実験用の圧電ポンプ32として、ロワケ
ース6の鍔部6bに形成する凸条6cの振動板8への当
接部の幅を、図2(c)に示すように、上記実施例と同
様に0.4mmにしたものと(以下、形状1という)、
0.2mmにしたものと(以下、形状2という)、凸条
6cを2条にして各部の当接部の幅を0.1mm,その
間隔を0.2mmにしたものと(以下形状3という)、
の3種類を用意した。
【0033】尚、図2において、(a)は圧電ポンプ3
2の平面図、(b)は(a)に示すY−Y線部分断面
図、(c)は(b)に示す3部分の拡大説明図である。
そして、図2において、図1に示した圧電ポンプ2と同
様の箇所については、図1と同じ符号を付与してあるの
で、詳細な説明は省略する。
【0034】そして、振動板締付部に、上記形状1〜形
状3の凸条6cを有する3種類の圧電ポンプ32の各々
に対して、雄ねじ34とナット36との締付トルクT[k
gf・cm]を、1.00[kgf・cm]から2.25[kgf・cm]へと
6段階に変化させて、各締付トルクTでの振動板8の共
振周波数と、振動板共振時の圧電素子10のインピーダ
ンス(共振抵抗)とを夫々3回測定した。
【0035】その測定結果を、下記の表1〜表3、並び
に、図3〜図5のグラフに示す。尚、下記の表1〜表3
並びに図3〜図5のグラフにおいて、圧力Pは、締付ト
ルクTと振動板8における凸条6cによる挟持部分の面
積Sとから求めた値である。また、共振抵抗及び共振周
波数の測定は、振動板8に積層された圧電素子10に印
加する交流電圧の周波数(換言すれば振動周波数)を変
化させ、インピーダンスが最小となった点を共振点とし
て、そのときのインピーダンス及び駆動周波数を測定す
る、といった手順で行った。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】そして、上記測定結果から、締付トルクT
(引いては、圧力P)が大きい程、共振抵抗及び共振周
波数が安定し、共振抵抗及び共振周波数を製造時のばら
つきに影響されることなく安定化させるには、圧力Pを
30MPa以上にすればよいことが判る。
【0040】また、ロワケース6の凸条6cを、形状
2,形状3に比べて振動板8の挟持部部分の面積が大き
い、形状1にした圧電ポンプ32では、凸条6cが形状
2,形状3の圧電ポンプ32に対して、共振抵抗及び共
振周波数が共に安定していることから、共振抵抗及び共
振周波数を製造時のばらつきに影響されることなく安定
化させるには、振動板18の挟持部分の面積を大きくす
ればよいことが判る。 [実験2]次に、図1に示した圧電ポンプ2のように、
振動板8を付勢部材であるバネ座金16の付勢力にて挟
持するように構成した場合と、図2に示した圧電ポンプ
32のように、アッパケース4とロワケース6とを接合
するねじの締付トルクにて挟持するように構成した場合
とで、振動板8の振動特性の温度に対する変化を測定し
た。
【0041】この実験は、図6に示すように、振動板8
に積層された圧電素子10に印加する交流電圧の周波数
(換言すれば振動周波数)を3kHzから7kHzへと
変化させて、インピーダンスが最小となり、振動板8が
共振しているときのインピーダンス(共振抵抗)と、駆
動周波数(共振周波数)と、圧電素子10の静電容量と
を夫々測定するといった測定動作を、圧電ポンプ2の温
度を「常温」→「−30℃」→「常温」→「+80℃」
→「常温」と変化させつつ各温度条件下で行った。
【0042】尚、図6は図1に示した実施例の圧電ポン
プ2の各温度条件下での周波数とインピーダンスとの関
係を表す。そして、図6において、25℃-1,25℃-
2,25℃-3のラインは、常温を+25℃として最初に
測定した結果,−30℃から常温まで温度を上昇させた
際の2回目の測定結果、及び、+80℃から常温まで温
度を低下させた際の3回目の測定結果を夫々表す。ま
た、図2に示した圧電ポンプ32の各温度条件下での周
波数とインピーダンスとの関係についても、同様の手順
で行ったが、この測定については、都合により、常温を
20℃として行った。
【0043】この測定結果を、下記の表4,表5と図
7,図8に夫々示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】そして、上記測定結果から、図1に示した
ように振動板8をバネ座金16の付勢力にて挟持するよ
うにした場合、図2に示したようにねじの締付トルクに
て挟持するようにした場合に比べて、振動板8の振動特
性が安定し、温度変化に対する特性変化が少ない圧電ポ
ンプを実現できることが判る。
【0047】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、付勢部材としてバネ座金を用いるものとして説明し
たが、付勢部材としては、コイルスプリング、ゴムパッ
キン等、弾性を有するものであれば、使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の圧電ポンプ2の構成を表す説明図で
ある。
【図2】 実験に用いた圧電ポンプ32の構成を表す説
明図である。
【図3】 実験1における形状1の圧電ポンプに対する
測定結果を表すグラフである。
【図4】 実験1における形状2の圧電ポンプに対する
測定結果を表すグラフである。
【図5】 実験1における形状3の圧電ポンプに対する
測定結果を表すグラフである。
【図6】 実験2の手順を説明する説明図である。
【図7】 実験2における圧電ポンプ2に対する測定結
果を表すグラフである。
【図8】 実験2における圧電ポンプ32に対する測定
結果を表すグラフである。
【符号の説明】
2,32…圧電ポンプ、4…アッパケース、4a,6a
…鍔部、4d…吸入孔、4e…枠部、6…ロワケース、
6c…凸条、8…振動板、10…圧電素子、14…吹出
ノズル、14a…排出孔、16…スペーサ、18…バネ
座金、20…押え板。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康生 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 亀山 勉 栃木県宇都宮市大塚町7−3 (72)発明者 加藤 清 栃木県宇都宮市御幸ヶ原町111−6

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に凹部を有する皿状に形成され、該
    凹部を内側にして互いに対向配置されることによりポン
    プ室を形成する一対のケースと、 板面中央に圧電体が積層され、該圧電体が積層されない
    板面周縁部分が前記一対のケースの凹部周囲の対向面で
    挟持されて、前記ポンプ室を2分する振動板と、 からなり、前記圧電体への交流電圧印加によって振動板
    を振動させることにより、前記一対のケースの一方に形
    成された吸入孔及び排出孔を介してガスを給排可能な圧
    電ポンプにおいて、 前記各ケースから前記振動板に加わる荷重Fを、前記振
    動板において該荷重Fが加わる挟持部の面積Sで除した
    単位面積当たりの圧力Pが、前記振動板の振動特性が安
    定する30MPa以上となるよう構成してなることを特
    徴とする圧電ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記一対のケースの内、前記吸入孔及び
    排出孔が形成された第1ケースの前記振動板挟持部周縁
    からは、前記振動板を挟んで他方の第2ケースを収納す
    るための筒状の枠部が延設されると共に、該延設された
    枠部の端部には、該枠部の板厚よりも薄い加締め部が枠
    部の外側壁面に沿って延設され、 前記各ケースの接合は、前記第1ケースの枠部に、前記
    振動板,前記第2ケース,該第2ケースを第1ケース側
    に付勢する付勢部材を順に収納すると共に、該付勢部材
    を枠部内に位置決めするための押え板を前記加締め部内
    に収納して、該押え板周囲を前記枠部の端部に当接し、
    その後、該加締め部を該枠部が形成する筒の内側に加締
    めて、前記押え板を前記枠部端部に固定することにより
    行われることを特徴とする請求項1に記載の圧電ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記付勢部材は、前記第2ケースの凹部
    周縁の前記振動板挟持部を背後より付勢する、環状のバ
    ネ座金からなることを特徴とする請求項2に記載の圧電
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記振動板と前記各ケースとの熱膨張
    差が所定値以下となるように、前記振動板及び各ケース
    の材質を設定してなることを特徴とする請求項1〜請求
    項3いずれか記載の圧電ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記振動板及び前記各ケースは、鉄及び
    ニッケルを主成分とする金属からなることを特徴とする
    請求項4に記載の圧電ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記振動板及び前記各ケースはFe42
    Niからなり、前記圧力Pは98MPa以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の圧電ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記振動板には、前記2分した各ポンプ
    室を連通する連通孔が形成され、前記排出孔は、前記ケ
    ースにおいて該連通孔に対向する位置に形成されたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項6いずれか記載の圧電ポ
    ンプ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107023459A (zh) * 2016-01-29 2017-08-08 研能科技股份有限公司 微型流体控制装置
CN107664114A (zh) * 2017-11-03 2018-02-06 长春工业大学 梭形压电喷流推进器
CN107816426A (zh) * 2017-11-03 2018-03-20 长春工业大学 振子周布式多腔被动阀压电泵
JP2021052586A (ja) * 2015-12-09 2021-04-01 国立大学法人信州大学 誘電アクチュエータ

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