JPH11233500A - 絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法 - Google Patents
絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法Info
- Publication number
- JPH11233500A JPH11233500A JP3109698A JP3109698A JPH11233500A JP H11233500 A JPH11233500 A JP H11233500A JP 3109698 A JP3109698 A JP 3109698A JP 3109698 A JP3109698 A JP 3109698A JP H11233500 A JPH11233500 A JP H11233500A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating film
- fluorine
- semiconductor device
- wiring
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸湿性による誘電率の経時変化がなく、半導
体装置の製造プロセスにおいて問題のない耐熱性と酸素
プラズマ耐性とを有し、比誘電率が2.5〜3.0の絶
縁膜を形成する方法、及びそれを用いた半導体装置と半
導体装置製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 有機シラン化合物あるいはシロキサン化
合物を容器内に充填して一定温度に加熱し、キャリアガ
スによりバブリングすることにより加熱した配管を通し
て反応室内に導入する。反応室1内に導入された反応ガ
スを所定圧力に調整した後、反応室内の上部電極に所定
周波数を有する所定の高周波電力を印加し、基板上にフ
ッ素及び有機を含む酸化珪素を有する絶縁膜を形成す
る。形成された絶縁膜は多層配線を有する半導体装置の
層間絶縁膜として用いられる。
体装置の製造プロセスにおいて問題のない耐熱性と酸素
プラズマ耐性とを有し、比誘電率が2.5〜3.0の絶
縁膜を形成する方法、及びそれを用いた半導体装置と半
導体装置製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 有機シラン化合物あるいはシロキサン化
合物を容器内に充填して一定温度に加熱し、キャリアガ
スによりバブリングすることにより加熱した配管を通し
て反応室内に導入する。反応室1内に導入された反応ガ
スを所定圧力に調整した後、反応室内の上部電極に所定
周波数を有する所定の高周波電力を印加し、基板上にフ
ッ素及び有機を含む酸化珪素を有する絶縁膜を形成す
る。形成された絶縁膜は多層配線を有する半導体装置の
層間絶縁膜として用いられる。
Description
【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置におけ
る信号遅延を低減するのに役立つ低誘電率のプラズマ重
合膜を層間絶縁膜に用いる技術に関するものであり、プ
ラズマCVD法による絶縁膜の形成方法及びそれを用い
た半導体装置と半導体装置製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、半導体装置の微細化に伴う信号遅
延の増大が動作速度の高速化を進めるにあたり障害とな
っている。信号遅延を低減するためには、配線材料の低
抵抗化に加え、層間絶縁膜の低誘電率化が求められてい
る。層間絶縁膜の低誘電率化に関しては、以前から用い
られてきた酸化珪素膜(比誘電率3.9〜5.0)に代わ
る材料として、例えば特開平7−254592号公報に
記載されているフッ素添加酸化珪素膜(比誘電率3.2
〜3.9)が検討されている。 【0003】以下にフッ素添加酸化珪素膜の形成方法に
ついて説明する。フッ素添加酸化珪素膜は、通常テトラ
エトキシシラン{Si(OC2H5)4}と酸素とC2F6
を原料としてプラズマCVD法により形成される。真空
度が数Torrの条件下において、上記の各原料が平行
平板型プラズマCVD装置に導入され、13.56MH
zで約1kWの高周波電力を平行平板電極に供給して、
プラズマを生成することにより、基板上にフッ素添加酸
化珪素膜が堆積される。 【0004】こうして形成されたフッ素添加酸化珪素膜
においては、膜中のフッ素濃度の増加に伴って、誘電率
が低下しており、フッ素原子濃度が約10atm%のフ
ッ素添加酸化珪素膜は比誘電率が3.5程度であった。
さらに誘電率の低い材料としては、フッ素添加非晶質炭
素膜(比誘電率2.0〜2.5)が検討されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フッ素添加酸化珪素膜の場合、フッ素添加量を増やすこ
とにより誘電率は低下するものの、同時に吸湿性が増し
て膜の安定性が損なわれるという問題があった。このた
め、従来のフッ素添加酸化珪素膜は、実用に耐えうる比
誘電率3.2以下の膜に形成することが困難であった。
将来、半導体装置のさらなる微細化と高速化が進むと、
信号遅延をさらに低減する必要があり、そのために、層
間絶縁膜として比誘電率3.2以下の絶縁膜が要求され
るものと考えられる。従って、従来のフッ素添加酸化珪
素膜ではこのような要求に対応できなかった。 【0006】一方、フッ素添加非晶質炭素膜において
は、比誘電率は低いものの、熱分解温度が400℃以下
であるため、半導体装置の製造工程において使用される
400℃以上の処理温度ではフッ素添加非晶質炭素膜が
分解してしまい、このような膜を有する半導体装置を実
用することは困難であった。また、フッ素添加非晶質炭
素膜は、酸素プラズマの照射に弱く、通常酸素プラズマ
が使用されるレジスト膜の除去工程においてエッチング
されてしまうという問題もあった。本発明は上記問題点
に鑑み、低い比誘電率を有し、かつ耐熱性、吸湿性、及
び酸素プラズマ耐性の点で優れた絶縁膜の形成方法、及
びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法を提供
することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の絶縁膜の形成方法は、下記式(5)で表さ
れる有機シラン化合物を含む雰囲気中において、プラズ
マCVD法によりプラズマを生成し、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜を形成する。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(5) 上記式(5)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0008】本発明は、上記式(5)で表される有機シ
ラン化合物を含む雰囲気中でプラズマを生成し、炭素、
水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜をプラ
ズマCVD法により形成するものであり、炭素、水素、
フッ素、珪素、及び酸素を含む材料ガスを分解反応する
ことによって、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取
り込み易く、耐熱性、酸素プラズマ耐性が良好で吸湿性
が少なく低誘電率である絶縁膜を形成することができ
る。上記本発明の絶縁膜の形成方法によれば、2.5〜
3.0の低い比誘電率を実現しつつ、吸湿性が低く、4
50℃程度の温度でも分解されることがなく、酸素プラ
ズマ処理においてエッチングされない絶縁膜を形成する
ことができる。 【0009】本発明の絶縁膜の形成方法は、下記式
(6)で表されるシロキサン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜を
形成する。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(6) 上記式(6)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0010】本発明は、上記式(6)で表されるシロキ
サン化合物を含む雰囲気中でプラズマ生成し、炭素、水
素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜をプラズ
マCVD法により形成するものであり、炭素、水素、フ
ッ素、珪素、及び酸素を含む材料ガスを分解反応するこ
とによって、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取り
込みやすく、耐熱性、酸素プラズマ耐性が良好で吸湿性
が少なく低誘電率である絶縁膜を形成することができ
る。上記本発明の絶縁膜の形成方法によれば、2.5〜
3.0の低い比誘電率を実現しつつ、吸湿性が低く、4
50℃程度の温度でも分解されることがなく、酸素プラ
ズマ処理においてエッチングされない絶縁膜を形成する
ことができる。 【0011】本発明の半導体装置は、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、多層配線の同一配線層の配線間及び異
なる配線層の配線間に設けられている。 【0012】本発明は、前述の絶縁膜を、多層配線の同
一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間の絶縁膜と
して含む半導体装置であり、層間絶縁膜の低誘電率化に
より信号遅延を抑制でき、LSIの高速化が図れる。上
記本発明によれば、低誘電率の絶縁膜を層間絶縁膜とし
て用いた信号遅延の少ない半導体装置を得ることができ
る。 【0013】本発明の半導体装置は、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、多層配線の同一配線層の配線間及び異
なる配線層の配線間に設けられている。 【0014】本発明は、前述の絶縁膜を、多層配線の同
一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間の絶縁膜と
して含む半導体装置であり、層間絶縁膜の低誘電率化に
より信号遅延を抑制でき、LSIの高速化が図れる。上
記本発明によれば、低誘電率の絶縁膜を層間絶縁膜とし
て用いた信号遅延の少ない半導体装置を得ることができ
る。 【0015】本発明の半導体装置製造方法は、下記式
(7)で表される有機シラン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
を、第1の配線の形成された基板上に形成する工程、レ
ジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接続
体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成する
工程、前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前
記絶縁膜をエッチングする工程、前記第1のレジスト膜
パターンを除去する工程、及び第2の配線パターンを形
成する工程、を有する。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(7) 上記式(7)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0016】本発明は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
に優れた低誘電率の絶縁膜を用いることによって、層間
絶縁膜の形成工程以外は従来の製造方法を用いて、低誘
電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を製造できる。上
記本発明の半導体装置製造方法によれば、低誘電率の絶
縁膜を層間絶縁膜として用いた信号遅延の少ない半導体
装置の製造が可能となる。 【0017】本発明の半導体装置製造方法は、下記式
(8)で表されるシロキサン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
を、第1の配線の形成された基板上に形成する工程、レ
ジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接続
体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成する
工程、前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前
記絶縁膜をエッチングする工程、前記第1のレジスト膜
パターンを除去する工程、及び第2の配線パターンを形
成する工程、を有する。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(8) 上記式(8)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0018】本発明は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
に優れた低誘電率の絶縁膜を用いることによって、層間
絶縁膜の形成工程以外は従来の製造方法を用いて、低誘
電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を製造できる。上
記本発明の半導体装置製造方法によれば、低誘電率の絶
縁膜を層間絶縁膜として用いた信号遅延の少ない半導体
装置の製造が可能となる。 【0019】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を示す
実施例1から実施例4について図1〜図4を参照しなが
ら説明する。 【0020】《実施例1》図1は本発明の実施例1の半
導体装置の製造装置を模式的に示した構成図である。図
1において、反応室1はその内部空間を所定の真空度に
保持できる気密性を有しており、反応室1内に配置され
た導電性の支持台2上に被処理体である基板11が載置
されている。支持台2には基板11を加熱するためのヒ
ータ(図示せず)が設けられている。常温で液体である
反応ガスは反応室1へ導入される。反応ガスの反応室1
への導入は、液体材料を容器6内に充填して一定温度に
加熱し、マスフローコントローラー(図示せず)を介し
て流量制御されたキャリアガスによりバブリングするこ
とにより行うことができる。図1に示すように、キャリ
アガスはボンベ21に収納されており、ボンベ21は調
整弁を介して反応室1内の上部電極3に接続されてい
る。反応室1内に設けられている上部電極3には、第1
の電源である高周波電源4が接続されている。この上部
電極3は反応室1内のガス供給部を兼ねている。また、
反応室1と反応室1に連通して設けられた真空ポンプ7
との間に設けた弁8の開閉度の制御により、反応室1内
の真空度は自動制御され構成である。反応室1内が所望
の真空度に保持された後、上部電極3には高周波電源4
が接続され、反応室1内の反応ガスに高周波電力が供給
されるよう構成されている。なお、実施例1の半導体装
置の製造装置には、反応室1内の不要な酸化珪素膜をを
クリーニングするためのクリーニングガス、例えばフッ
化炭素系ガス等を収納したボンベ22が調整弁を介して
上部電極3に接続されている。 【0021】実施例1において、被処理体である基板1
1に絶縁膜を形成する場合、基板11は反応室1内の支
持台2の上に載置される。支持台2は約400℃に加熱
され、接地されている。基板11が反応室1内の支持台
2に載置された後、反応室1内は真空引きされ、約30
℃に加熱した容器6内に充填されているCVD原料、例
えばメチルフルオロジエトキシシラン{CH3FSi
(OC2H5)2}を、例えば、アルゴンをキャリアガス
とし、配管を通して反応室1内に導入する。このときC
VD原料は、キャリアガス流量を数100cc/分、例
えば500cc/分に設定して、約90℃に加熱した配
管を通して反応室1内に導入される。反応ガスが導入さ
れた反応室1内の圧力は、0.1Torr〜10Torr
の間、例えば約1.0Torrに調整される。反応室1
内の圧力が所望の値に調整された後、上部電極3に高周
波電源4が接続され、反応室1内の反応ガスに13.5
6MHzで100W〜1000W(0.6〜6W/c
m2)の高周波電力、例えば250Wを供給する。この
ように高周波電力が供給された反応室1内では、反応ガ
スが部分的に分解され、イオンやラジカルが生成され
る。また、反応室1内において、反応ガスから生成され
たモノマー、イオン、ラジカルは、さらに反応して、基
板11上に炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素から
なる絶縁膜が形成される。 【0022】上記実施例1の絶縁膜の形成において、反
応ガスの材料としてフッ素、有機、珪素、及び酸素を含
む化合物を用いている。本発明の実施例1の絶縁膜の形
成においては、前述の形成条件を満たして反応ガスを適
度に分解させることによって、酸化珪素を主とする絶縁
膜を形成している。実施例1の絶縁膜の形成方法によれ
ば、このような化合物の適度な分解によって初めて、フ
ッ素と有機を適度に含む酸化珪素膜が形成できる。 【0023】図2は、各種膜における酸素プラズマによ
るエッチングレートのレジスト膜との比を示す。図2に
おいて、白丸(○)は有機含有酸化珪素膜、白三角
(△)はフッ素添加非晶質炭素膜、黒丸(●)はフッ素
・有機含有酸化珪素膜を示す。有機シランとフッ化炭素
ガスのプラズマ反応においては、条件によって図2に示
した有機含有酸化珪素膜(○)ができる場合と、フッ素
添加非晶質炭素膜(△)ができる場合に大別できる。従
って、有機シランとフッ化炭素ガスのプラズマ反応によ
り、図2において黒丸で示すフッ素と有機を適度に含む
酸化珪素膜を形成することは困難であった。 【0024】前述の実施例1に示した方法により形成さ
れた絶縁膜の比誘電率は、例えば図2に黒丸で示すよう
に約2.7という低い値であった。この絶縁膜をさらに
2週間室温で放置した後に比誘電率を測定したところ、
この絶縁膜には比誘電率に関して変化がなく安定した膜
質を有していた。従って、実施例1により形成した絶縁
膜は、従来のフッ素添加酸化珪素膜に見られたような吸
湿性の問題を有していない。また、前記の形成条件でシ
リコン基板上に形成した絶縁膜を窒素雰囲気中で450
℃に加熱したときの膜圧の収縮率は、10%以内であっ
た。このため、実施例1により形成された絶縁膜は、4
00℃以上のプロセス温度を必要とするLSIの多層配
線の製造工程に適用するのに十分な耐熱性を有してい
る。 【0025】図2において、黒丸で示したように、前記
の形成条件でシリコン基板上に形成した絶縁膜を室温の
プラズマ処理装置に導入してエッチングレートを測定し
た。酸素雰囲気中において、1Torrの圧力で500
Wの高周波電力を供給してプラズマ生成したときの絶縁
膜のエッチングレートは、同一条件においてプラズマを
生成したときのレジスト膜のエッチングレートに比べて
約0.1倍であった。一方、フッ素添加非晶質炭素膜
(図2において、白三角(△))の場合は、エッチング
レートのレジスト膜との比が約1であった。従って、L
SIの多層配線の製造工程において、層間絶縁膜上のレ
ジスト膜の除去を酸素プラズマにより行う場合、フッ素
添加非晶質炭素膜はレジスト膜と同じように殆どなくな
る可能性がある。一方、上記実施例1の形成方法により
形成した絶縁膜は、レジスト膜除去の工程においてエッ
チングされる量が10%以内であり、製造プロレスにお
ける問題がない。以上のように、本発明の実施例1によ
る絶縁膜の形成方法は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
の点で従来のLSIの製造プロセスに適用できるもので
ある。また、実施例1の形成方法によれば、吸湿性が少
なく、比誘電率が2.5〜3.0と低誘電率であるフッ素
と有機を適度に含む酸化珪素膜を容易に形成することが
できる。 【0026】なお、本発明の実施例1では、キャリアガ
スにアルゴンを使用したが、窒素、ヘリウムなどの不活
性ガスの中から選択して使用してもよい。発明者の実験
によれば、基板温度は300℃〜500℃の範囲内が好
ましく、高温で成膜する方が膜の耐熱性が向上すること
が判明した。また、反応ガスに印加する高周波電力につ
いては、反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさな
い程度の電力に押さえることがフッ素と有機を膜中に取
り込むのに有効であることが判明した。なお、実施例1
においては、CVD原料としてCH3FSi(OC
2H5)2を用いたが、その代わりにCH3FSi(OCH
3)2、C2H5FSi(OCH3)2、C2H5FSi(OC
2H5)2、C6H5FSi(OC2H5)2、C6H5FSi
(OCH3)2、CH3CF3Si(OC2H5)2、CH3C
F3Si(OCH3)2、C2H5CF3Si(OCH3)2、
C2H5CF3Si(OC2H5)2、C6H5CF3Si(O
C2H5)2、C6H5CF3Si(OCH3)2、CH3Si
(OCF3)3、CH3FSi(OCF3)2、CH3CF3
Si(OCF3)2、C6H5FSi(OCF3)2、又はC
6H5Si(OCF3)3等の有機シランの液体材料を使用
しても、上記実施例1と同様に実施可能である。ただ
し、容器6の加熱温度は使用する液体材料の沸点に応じ
て、適温に調整される。 【0027】本発明の実施例1の絶縁膜の形成方法にお
いて用いられるCVD原料は、下記式(9)で表される
有機シラン化合物である。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(9) 上記式(13)において、R1は炭素数1〜6のアルキ
ル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数
1〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3の
フッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0028】《実施例2》次に、本発明の実施例2の絶
縁膜の形成方法について図を用いて説明する。実施例2
における絶縁膜の形成おいても前述の図1に示した半導
体装置の製造装置を用いた。実施例2において、被処理
体である基板11に絶縁膜を形成する場合、基板11は
反応室1内の支持台の上に最置される。支持台2は、約
400℃に加熱され、接地されている。基板11が反応
室1内の支持台2に載置された後、反応室1内は真空引
きされ、約35℃に加熱した容器6内に充填されている
CVD原料、例えばテトラメチルジフルオロジシロキサ
ン{(CH3)2FSiOSiF(CH3)2}を、例え
ば、アルゴンをキャリアガスとし、配管を通して反応室
1内に導入する。このとき、CVD原料はキャリアガス
流量を数100cc/分、例えば500cc/分に設定
して、約90℃に加熱した配管を通して反応室1内に導
入される。反応ガスが導入された反応室1内の圧力は、
0.1Torr〜10Torrの間、例えば約0.6To
rrに調整される。反応室1内の圧力が所望の値に調整
された後、上部電極3に第1の電源である高周波電源4
が接続され、反応室1内の反応ガスに13.56MHz
で100W〜1000W(0.6〜6W/cm2)の高周
波電力、例えば100Wを供給する。このように高周波
電力が供給された反応室1内において、基板11上に炭
素、水素、フッ素を含む酸化珪素からなる絶縁膜が形成
される。 【0029】上記実施例2の絶縁膜の形成において、反
応ガスの材料としてフッ素、有機、珪素、及び酸素を含
む化合物を用いている。本発明の実施例2の絶縁膜の形
成方法においては、前述の形成条件を満たして反応ガス
を適度に分解させることによって、酸化珪素を主とする
絶縁膜を形成している。実施例2の絶縁膜の形成方法に
よれば、この様な化合物の適度な分解によって初めて、
フッ素と有機を適度に含む酸化珪素膜が容易に形成でき
る。 【0030】本発明の実施例2により形成された絶縁膜
の特性は、前述の実施例1の場合と同様に、比誘電率が
約2.7という低い値であった。この絶縁膜をさらに2
週間室温で放置した後に比誘電率を測定したが、比誘電
率に変化はなかった。また、実施例2により形成された
絶縁膜は、450℃程度に耐える耐熱性を有し、酸素プ
ラズマのエッチングレートはレジスト膜の約0.1倍で
あった。このように、本発明の実施例2の絶縁膜の形成
方法によれば、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性の点で優
れた絶縁膜を得ることができる。また、実施例2の絶縁
膜の形成方法は、従来のLSIの製造プロセスに適用で
きるものであり、吸湿性が少なく、比誘電率が2.5〜
3.0と低誘電率であるという特徴を有するフッ素と有
機を適度に含む酸化珪素膜を容易に形成することができ
る。 【0031】なお、本発明の実施例2では、キャリアガ
スにアルゴンを使用したが、窒素、ヘリウムなどの不活
性ガスの中から選択して使用してもよい。発明者の実験
によれば、基板温度は300℃〜500℃の範囲内が好
ましく、高温で成膜する方が膜の耐熱性が向上すること
が判明した。また、反応ガスに印加する高周波電力につ
いては、反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさな
い程度の電力に押さえることがフッ素と有機を膜中に取
り込むのに有効であることが判明した。 【0032】なお、実施例2においては、CVD原料と
して(CH3)2FSiOSiF(CH3)2を用いたが、
その代わりに(C2H5)2FSiOSiF(C2H5)2、
CH3F2SiOSiF2CH3、C2H5F2SiOSiF2
C2H5、(CH3)2CF3SiOSiCF3(CH3)2、
(C2H5)2CF3SiOSiCF3(C2H5)2、CH3
(CF3)2SiOSi(CF3)2CH3、C2H5(CF3)
2SiOSi(CF3)2C2H5、又は(CH3)3SiO
Si(CH3)3等のシロキサンの液体材料を使用して
も、上記実施例2と同様に実施可能である。ただし、容
器6の加熱温度は使用する液体材料の沸点によって適温
に調整される。本発明の実施例2の絶縁膜の形成方法に
おいて用いられるCVD原料は、下記式(10)で表さ
れるシロキサン化合物である。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(10) 上記式(10)において、R1は炭素数1〜6のアルキ
ル基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは
炭素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0033】《実施例3》次に、本発明の実施例3の半
導体装置について図3を用いて説明する。図3は本発明
の実施例3による半導体装置を示す断面図である。図3
に示すように、実施例3の半導体装置は、基板11上に
アルミ合金と金属の積層膜(AlSiCu/TiN/T
i)により構成された第1の金属配線パターン13が形
成されている。この第1の金属配線パターン13の上
に、前述の実施例1で示したプラズマCVD法によりメ
チルフルオロジエトキシシラン{CH3FSi(OC
2H5)2}の分解反応によって得られた、フッ素と有機
が適度に含まれ比誘電率が2.7の酸化珪素膜の絶縁膜
14が形成されている。この絶縁膜14には、第1の金
属配線パターン13と第2の金属配線パターン20とを
接続する接続体が設けられる接続孔16と、第2の配線
パターン20が設けられる溝18が形成されている。絶
縁膜14の接続孔16と溝18は、ともに第2の金属配
線パターンとしてのアルミ合金(AlSiCu)20に
よってそれぞれの内部が充填されている。 【0034】図3に示した半導体装置において、フッ素
と有機が含まれた酸化珪素膜である絶縁膜14は、第1
の金属配線パターン13と第2の金属配線パターン20
との間を電気的に絶縁する層間膜としての役割と、第2
の金属配線パターン20における線間を絶縁する絶縁体
としての役割とを果たしている。 【0035】実施例3の半導体装置において、フッ素と
有機が含まれた酸化珪素膜である絶縁膜14は、比誘電
率が2.5〜3.0であり、従来の絶縁膜として用いられ
ていたフッ素添加酸化珪素膜(比誘電率は3.5程度)
に比べて低誘電率である。このため、実施例3における
絶縁膜14は、寄生容量を低減でき、素子の高速化を図
ることが可能となる。また、実施例3の半導体装置にお
ける絶縁膜14は、比誘電率の経時変化がなく、450
℃程度の耐熱性を有しているため、素子の信頼性を確保
することができる。なお、本発明の実施例3では、第1
の金属の配線パターン13及び第2の金属配線パターン
20の材料としてアルミ合金を用いたが、銅と金属の積
層膜(Cu/TiN)を用いてもよい。上記実施例3で
は、層間の絶縁膜14として前述の実施例1の形成方法
により形成した絶縁膜を用いたが、前述の実施例2の形
成方法により形成した絶縁膜を用いても、上記実施例3
の半導体装置と同様の効果が得られる。 【0036】さらに、上記実施例3においては、2層配
線の層間絶縁膜として前述の実施例1及び実施例2の形
成方法により形成した絶縁膜を用いた半導体装置の場合
について説明したが、MOSトランジスタやGaAsト
ランジスタのゲート配線上の層間絶縁膜として前述の実
施例1及び実施例2の形成方法により形成した絶縁膜を
用いた半導体装置にも本発明は適用できる。また、上記
実施例3では2層配線の構造を有する半導体装置の例に
ついて説明したが、3層以上の配線構造の場合は、実施
例3と同様の層間絶縁膜を用い、接続孔と配線パターン
とを有する絶縁膜を繰り返し積層することによって形成
することができる。 【0037】《実施例4》次に、本発明の実施例4の半
導体装置の製造方法について図4から図7を用いて説明
する。図4から図7は、本発明の実施例4による半導体
装置の製造方法の各工程を示す断面図である。図4に示
した半導体材料は、前述の実施例1の絶縁膜の形成方法
により製造される。まず、アルミ合金と金属の積層膜
(AlSiCu/TiN/Ti)により構成された第1
の金属配線パターン13が形成された基板11は、半導
体装置の製造装置であるCVD装置の反応室1内の支持
台2上に載置される。この支持台2は約400℃に加熱
されている。この基板11が支持台2上に載置された
後、CVD原料であるメチルフルオロジエトキシシラン
{CH3FSi(OC2H5)
2}を、例えば、アルゴンをキャリアガスとして、配管
を通して反応室1内に導入する。このとき、CVD原料
は、キャリアガス流量を数100cc/分、例えば50
0cc/分に設定して、反応室1内に導入される。反応
ガスが導入された反応室1内の圧力は、0.1Torr
〜10Torrの間、例えば約1.0Torrに調整さ
れる。反応室1内の圧力が所望の値に調整された後、上
部電極3に接続された高周波電源4により、反応室1内
の反応ガスに13.56MHzで100W〜1000W
(0.6〜6W/cm2
)の高周波電力、例えば250Wを供給する。このよう
に高周波電力が供給された反応室1内では、反応ガスが
部分的に分解され、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化
珪素からなる絶縁膜14が約1μm堆積する(図4)。
このとき、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素から
なる絶縁膜14は、比誘電率が2.5〜3.0の間にあり
、低誘電率である。 【0038】次に、前記のように形成された絶縁膜14
に、第1の金属配線パターン13と第2の金属配線パタ
ーン20を接続する接続体を設けるための接続孔を形成
する。この接続孔は絶縁膜14に形成されるため、まず
、所望の形状を有する第1のレジスト膜パターン15が
前記絶縁膜14上に形成される。次に、第1のレジスト
膜パターン15が形成された半導体材料は、ドライエッ
チング装置内に設置される。ドライエッチング装置内に
は、例えばCF 4 ガスと酸素の混合ガスが導入され、調
圧されている。ドライエッチング装置内が調圧された
後、高周波電力を印加して絶縁膜14を、所望の形状に
エッチングする。図5に示すように、半導体材料には接
続孔16が形成される。図5に示した半導体材料はプラ
ズマ処理装置内に設置される。プラズマ処理装置内は、
酸素ガスが導入され、所望の値に調圧される。所望の圧
力に調整されたプラズマ処理装置内には、高周波電力が
印加されて、第1のレジスト膜15が除去される。実施
例4における絶縁膜14は、有機を含んで低誘電率であ
るにもかかわらず、酸素プラズマでのエッチングレート
がレジスト膜の約0.1倍であるため、このレジスト膜
15の除去工程において、絶縁膜14の膜減少率は10
%以内に押さえられる。 【0039】次に、第2の金属配線パターン20を形成
するために第2のレジスト膜パターン17を形成する。
第2のレジスト膜パターン17が形成された半導体材料
は、ドライエッチング装置内に設置される。ドライエッ
チング装置内は、例えばCF4ガスと酸素の混合ガスが
導入されて調圧されている。所望の値に調圧されたドラ
イエッチング装置内には高周波電力が印加されて、半導
体材料において絶縁膜14が0.4μmエッチングされ
る。この状態を図6に示す。図6に示すように、半導体
材料には溝18が形成されている。その後、この半導体
材料は、プラズマ処理装置内に設置され、第2のレジス
ト膜17が除去される。このレジスト膜除去工程におい
て、半導体材料が設置されたプラズマ処理装置内に酸素
ガスが導入され、プラズマ処理装置内は調圧される。プ
ラズマ処理装置内が調圧された後、高周波電力が印加さ
れて第2のレジスト膜17は除去される。このレジスト
膜除去工程における絶縁膜14の膜減少率は、10%以
内に押さえられている。 【0040】上記のように形成された第2のレジスト膜
17が除去された半導体材料は、その表面全面にアルミ
合金(AlSiCu)が形成され、450℃の熱処理が
施される。この熱処理により、アルミ合金が軟化し、接
続孔16及び溝18内にアルミ合金が充填される。その
後、絶縁膜14上のアルミ合金が研磨除去され、図7に
示す第2の金属配線パターン20が形成される。上記半
導体装置の製造方法により、2層配線構造を有する半導
体装置が得られる。この半導体装置において、絶縁膜1
4は第2の金属配線パターン20の配線間の絶縁体とし
ても作用する。この絶縁膜14は、比誘電率が2.5〜
3.0の間にあり、低誘電率であるため、寄生容量が低
減され、半導体装置の高速化に対して優れた効果がを有
する。 【0041】また、絶縁膜14は有機を含んで低誘電率
であるにもかかわらず、450℃以上の耐熱性を有して
いるので、半導体装置の製造においてアルミ合金を軟化
させるための熱処理工程を行っても、膜厚の減少がなく
膜質の変化もない。なお、本発明の実施例4では、第1
の金属配線パターン13及び第2の金属配線パターン2
0の材料としてアルミ合金を用いたが、銅と金属の積層
膜(Cu/TiN)を用いることもできる。上記実施例
4では、層間絶縁膜14として前述の実施例1の形成方
法により形成した絶縁膜を用いたが、前述の実施例2の
形成方法により形成した絶縁膜を用いても、上記実施例
4における半導体装置の製造工程と同様の製造工程で2
層配線構造を有する半導体装置が得られ、実施例4の半
導体装置の製造方法と同様の効果がある。 【0042】上記実施例4では、2層配線の層間絶縁膜
として実施例1及び実施例2の形成方法により形成した
絶縁膜を用いた半導体装置の場合について説明したが、
MOSトランジスタやGaAsトランジスタのゲート配
線上の層間絶縁膜として実施例1及び実施例2の形成方
法により形成した絶縁膜を用いた半導体装置にも本発明
は適用できる。上記実施例4絶縁膜14の形成方法は、
反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさない程度に
高周波電力を印加することによってフッ素と有機を効率
的に膜中に取り込み、低誘電率化を実現している。従っ
て、上記のようなトランジスタに前述の実施例の絶縁膜
の形成方法を用いることにより、トランジスタの直上の
絶縁膜の形成において、プラズマCVD法を用いてもプ
ラズマ照射によるトランジスタ特性の変動を起こさずに
絶縁膜を形成することができる。上記実施例4では2層
配線の構造を有する半導体装置の例について説明した
が、3層以上の配線構造の場合は、実施例4と同様の層
間絶縁膜を用い、接続孔と配線パターンとを有する絶縁
膜を繰り返し積層することによって形成することができ
る。 【0043】 【発明の効果】本発明の絶縁膜の形成方法において、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
は、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取り込みやす
く、優れた耐熱性と酸素プラズマ耐性とを有し、吸湿性
が少なく、比誘電率が2.5〜3.0の間の低誘電率であ
るという特徴を有する。従って、この絶縁膜を半導体装
置の層間絶縁膜として用いる場合、層間絶縁膜の形成工
程以外は従来の製造方法を用いることにより、低誘電率
の層間絶縁膜を有する半導体装置を得ることができる。
その結果、本発明による半導体装置においては、配線間
の寄生容量が小さく、信号遅延が少ないという効果を有
しており、優れた信頼性を有している。
る信号遅延を低減するのに役立つ低誘電率のプラズマ重
合膜を層間絶縁膜に用いる技術に関するものであり、プ
ラズマCVD法による絶縁膜の形成方法及びそれを用い
た半導体装置と半導体装置製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、半導体装置の微細化に伴う信号遅
延の増大が動作速度の高速化を進めるにあたり障害とな
っている。信号遅延を低減するためには、配線材料の低
抵抗化に加え、層間絶縁膜の低誘電率化が求められてい
る。層間絶縁膜の低誘電率化に関しては、以前から用い
られてきた酸化珪素膜(比誘電率3.9〜5.0)に代わ
る材料として、例えば特開平7−254592号公報に
記載されているフッ素添加酸化珪素膜(比誘電率3.2
〜3.9)が検討されている。 【0003】以下にフッ素添加酸化珪素膜の形成方法に
ついて説明する。フッ素添加酸化珪素膜は、通常テトラ
エトキシシラン{Si(OC2H5)4}と酸素とC2F6
を原料としてプラズマCVD法により形成される。真空
度が数Torrの条件下において、上記の各原料が平行
平板型プラズマCVD装置に導入され、13.56MH
zで約1kWの高周波電力を平行平板電極に供給して、
プラズマを生成することにより、基板上にフッ素添加酸
化珪素膜が堆積される。 【0004】こうして形成されたフッ素添加酸化珪素膜
においては、膜中のフッ素濃度の増加に伴って、誘電率
が低下しており、フッ素原子濃度が約10atm%のフ
ッ素添加酸化珪素膜は比誘電率が3.5程度であった。
さらに誘電率の低い材料としては、フッ素添加非晶質炭
素膜(比誘電率2.0〜2.5)が検討されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フッ素添加酸化珪素膜の場合、フッ素添加量を増やすこ
とにより誘電率は低下するものの、同時に吸湿性が増し
て膜の安定性が損なわれるという問題があった。このた
め、従来のフッ素添加酸化珪素膜は、実用に耐えうる比
誘電率3.2以下の膜に形成することが困難であった。
将来、半導体装置のさらなる微細化と高速化が進むと、
信号遅延をさらに低減する必要があり、そのために、層
間絶縁膜として比誘電率3.2以下の絶縁膜が要求され
るものと考えられる。従って、従来のフッ素添加酸化珪
素膜ではこのような要求に対応できなかった。 【0006】一方、フッ素添加非晶質炭素膜において
は、比誘電率は低いものの、熱分解温度が400℃以下
であるため、半導体装置の製造工程において使用される
400℃以上の処理温度ではフッ素添加非晶質炭素膜が
分解してしまい、このような膜を有する半導体装置を実
用することは困難であった。また、フッ素添加非晶質炭
素膜は、酸素プラズマの照射に弱く、通常酸素プラズマ
が使用されるレジスト膜の除去工程においてエッチング
されてしまうという問題もあった。本発明は上記問題点
に鑑み、低い比誘電率を有し、かつ耐熱性、吸湿性、及
び酸素プラズマ耐性の点で優れた絶縁膜の形成方法、及
びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法を提供
することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の絶縁膜の形成方法は、下記式(5)で表さ
れる有機シラン化合物を含む雰囲気中において、プラズ
マCVD法によりプラズマを生成し、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜を形成する。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(5) 上記式(5)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0008】本発明は、上記式(5)で表される有機シ
ラン化合物を含む雰囲気中でプラズマを生成し、炭素、
水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜をプラ
ズマCVD法により形成するものであり、炭素、水素、
フッ素、珪素、及び酸素を含む材料ガスを分解反応する
ことによって、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取
り込み易く、耐熱性、酸素プラズマ耐性が良好で吸湿性
が少なく低誘電率である絶縁膜を形成することができ
る。上記本発明の絶縁膜の形成方法によれば、2.5〜
3.0の低い比誘電率を実現しつつ、吸湿性が低く、4
50℃程度の温度でも分解されることがなく、酸素プラ
ズマ処理においてエッチングされない絶縁膜を形成する
ことができる。 【0009】本発明の絶縁膜の形成方法は、下記式
(6)で表されるシロキサン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜を
形成する。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(6) 上記式(6)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0010】本発明は、上記式(6)で表されるシロキ
サン化合物を含む雰囲気中でプラズマ生成し、炭素、水
素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜をプラズ
マCVD法により形成するものであり、炭素、水素、フ
ッ素、珪素、及び酸素を含む材料ガスを分解反応するこ
とによって、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取り
込みやすく、耐熱性、酸素プラズマ耐性が良好で吸湿性
が少なく低誘電率である絶縁膜を形成することができ
る。上記本発明の絶縁膜の形成方法によれば、2.5〜
3.0の低い比誘電率を実現しつつ、吸湿性が低く、4
50℃程度の温度でも分解されることがなく、酸素プラ
ズマ処理においてエッチングされない絶縁膜を形成する
ことができる。 【0011】本発明の半導体装置は、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、多層配線の同一配線層の配線間及び異
なる配線層の配線間に設けられている。 【0012】本発明は、前述の絶縁膜を、多層配線の同
一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間の絶縁膜と
して含む半導体装置であり、層間絶縁膜の低誘電率化に
より信号遅延を抑制でき、LSIの高速化が図れる。上
記本発明によれば、低誘電率の絶縁膜を層間絶縁膜とし
て用いた信号遅延の少ない半導体装置を得ることができ
る。 【0013】本発明の半導体装置は、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、多層配線の同一配線層の配線間及び異
なる配線層の配線間に設けられている。 【0014】本発明は、前述の絶縁膜を、多層配線の同
一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間の絶縁膜と
して含む半導体装置であり、層間絶縁膜の低誘電率化に
より信号遅延を抑制でき、LSIの高速化が図れる。上
記本発明によれば、低誘電率の絶縁膜を層間絶縁膜とし
て用いた信号遅延の少ない半導体装置を得ることができ
る。 【0015】本発明の半導体装置製造方法は、下記式
(7)で表される有機シラン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
を、第1の配線の形成された基板上に形成する工程、レ
ジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接続
体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成する
工程、前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前
記絶縁膜をエッチングする工程、前記第1のレジスト膜
パターンを除去する工程、及び第2の配線パターンを形
成する工程、を有する。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(7) 上記式(7)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0016】本発明は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
に優れた低誘電率の絶縁膜を用いることによって、層間
絶縁膜の形成工程以外は従来の製造方法を用いて、低誘
電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を製造できる。上
記本発明の半導体装置製造方法によれば、低誘電率の絶
縁膜を層間絶縁膜として用いた信号遅延の少ない半導体
装置の製造が可能となる。 【0017】本発明の半導体装置製造方法は、下記式
(8)で表されるシロキサン化合物を含む雰囲気中にお
いて、プラズマCVD法によりプラズマを生成し、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
を、第1の配線の形成された基板上に形成する工程、レ
ジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接続
体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成する
工程、前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前
記絶縁膜をエッチングする工程、前記第1のレジスト膜
パターンを除去する工程、及び第2の配線パターンを形
成する工程、を有する。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(8) 上記式(8)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0018】本発明は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
に優れた低誘電率の絶縁膜を用いることによって、層間
絶縁膜の形成工程以外は従来の製造方法を用いて、低誘
電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を製造できる。上
記本発明の半導体装置製造方法によれば、低誘電率の絶
縁膜を層間絶縁膜として用いた信号遅延の少ない半導体
装置の製造が可能となる。 【0019】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を示す
実施例1から実施例4について図1〜図4を参照しなが
ら説明する。 【0020】《実施例1》図1は本発明の実施例1の半
導体装置の製造装置を模式的に示した構成図である。図
1において、反応室1はその内部空間を所定の真空度に
保持できる気密性を有しており、反応室1内に配置され
た導電性の支持台2上に被処理体である基板11が載置
されている。支持台2には基板11を加熱するためのヒ
ータ(図示せず)が設けられている。常温で液体である
反応ガスは反応室1へ導入される。反応ガスの反応室1
への導入は、液体材料を容器6内に充填して一定温度に
加熱し、マスフローコントローラー(図示せず)を介し
て流量制御されたキャリアガスによりバブリングするこ
とにより行うことができる。図1に示すように、キャリ
アガスはボンベ21に収納されており、ボンベ21は調
整弁を介して反応室1内の上部電極3に接続されてい
る。反応室1内に設けられている上部電極3には、第1
の電源である高周波電源4が接続されている。この上部
電極3は反応室1内のガス供給部を兼ねている。また、
反応室1と反応室1に連通して設けられた真空ポンプ7
との間に設けた弁8の開閉度の制御により、反応室1内
の真空度は自動制御され構成である。反応室1内が所望
の真空度に保持された後、上部電極3には高周波電源4
が接続され、反応室1内の反応ガスに高周波電力が供給
されるよう構成されている。なお、実施例1の半導体装
置の製造装置には、反応室1内の不要な酸化珪素膜をを
クリーニングするためのクリーニングガス、例えばフッ
化炭素系ガス等を収納したボンベ22が調整弁を介して
上部電極3に接続されている。 【0021】実施例1において、被処理体である基板1
1に絶縁膜を形成する場合、基板11は反応室1内の支
持台2の上に載置される。支持台2は約400℃に加熱
され、接地されている。基板11が反応室1内の支持台
2に載置された後、反応室1内は真空引きされ、約30
℃に加熱した容器6内に充填されているCVD原料、例
えばメチルフルオロジエトキシシラン{CH3FSi
(OC2H5)2}を、例えば、アルゴンをキャリアガス
とし、配管を通して反応室1内に導入する。このときC
VD原料は、キャリアガス流量を数100cc/分、例
えば500cc/分に設定して、約90℃に加熱した配
管を通して反応室1内に導入される。反応ガスが導入さ
れた反応室1内の圧力は、0.1Torr〜10Torr
の間、例えば約1.0Torrに調整される。反応室1
内の圧力が所望の値に調整された後、上部電極3に高周
波電源4が接続され、反応室1内の反応ガスに13.5
6MHzで100W〜1000W(0.6〜6W/c
m2)の高周波電力、例えば250Wを供給する。この
ように高周波電力が供給された反応室1内では、反応ガ
スが部分的に分解され、イオンやラジカルが生成され
る。また、反応室1内において、反応ガスから生成され
たモノマー、イオン、ラジカルは、さらに反応して、基
板11上に炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素から
なる絶縁膜が形成される。 【0022】上記実施例1の絶縁膜の形成において、反
応ガスの材料としてフッ素、有機、珪素、及び酸素を含
む化合物を用いている。本発明の実施例1の絶縁膜の形
成においては、前述の形成条件を満たして反応ガスを適
度に分解させることによって、酸化珪素を主とする絶縁
膜を形成している。実施例1の絶縁膜の形成方法によれ
ば、このような化合物の適度な分解によって初めて、フ
ッ素と有機を適度に含む酸化珪素膜が形成できる。 【0023】図2は、各種膜における酸素プラズマによ
るエッチングレートのレジスト膜との比を示す。図2に
おいて、白丸(○)は有機含有酸化珪素膜、白三角
(△)はフッ素添加非晶質炭素膜、黒丸(●)はフッ素
・有機含有酸化珪素膜を示す。有機シランとフッ化炭素
ガスのプラズマ反応においては、条件によって図2に示
した有機含有酸化珪素膜(○)ができる場合と、フッ素
添加非晶質炭素膜(△)ができる場合に大別できる。従
って、有機シランとフッ化炭素ガスのプラズマ反応によ
り、図2において黒丸で示すフッ素と有機を適度に含む
酸化珪素膜を形成することは困難であった。 【0024】前述の実施例1に示した方法により形成さ
れた絶縁膜の比誘電率は、例えば図2に黒丸で示すよう
に約2.7という低い値であった。この絶縁膜をさらに
2週間室温で放置した後に比誘電率を測定したところ、
この絶縁膜には比誘電率に関して変化がなく安定した膜
質を有していた。従って、実施例1により形成した絶縁
膜は、従来のフッ素添加酸化珪素膜に見られたような吸
湿性の問題を有していない。また、前記の形成条件でシ
リコン基板上に形成した絶縁膜を窒素雰囲気中で450
℃に加熱したときの膜圧の収縮率は、10%以内であっ
た。このため、実施例1により形成された絶縁膜は、4
00℃以上のプロセス温度を必要とするLSIの多層配
線の製造工程に適用するのに十分な耐熱性を有してい
る。 【0025】図2において、黒丸で示したように、前記
の形成条件でシリコン基板上に形成した絶縁膜を室温の
プラズマ処理装置に導入してエッチングレートを測定し
た。酸素雰囲気中において、1Torrの圧力で500
Wの高周波電力を供給してプラズマ生成したときの絶縁
膜のエッチングレートは、同一条件においてプラズマを
生成したときのレジスト膜のエッチングレートに比べて
約0.1倍であった。一方、フッ素添加非晶質炭素膜
(図2において、白三角(△))の場合は、エッチング
レートのレジスト膜との比が約1であった。従って、L
SIの多層配線の製造工程において、層間絶縁膜上のレ
ジスト膜の除去を酸素プラズマにより行う場合、フッ素
添加非晶質炭素膜はレジスト膜と同じように殆どなくな
る可能性がある。一方、上記実施例1の形成方法により
形成した絶縁膜は、レジスト膜除去の工程においてエッ
チングされる量が10%以内であり、製造プロレスにお
ける問題がない。以上のように、本発明の実施例1によ
る絶縁膜の形成方法は、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性
の点で従来のLSIの製造プロセスに適用できるもので
ある。また、実施例1の形成方法によれば、吸湿性が少
なく、比誘電率が2.5〜3.0と低誘電率であるフッ素
と有機を適度に含む酸化珪素膜を容易に形成することが
できる。 【0026】なお、本発明の実施例1では、キャリアガ
スにアルゴンを使用したが、窒素、ヘリウムなどの不活
性ガスの中から選択して使用してもよい。発明者の実験
によれば、基板温度は300℃〜500℃の範囲内が好
ましく、高温で成膜する方が膜の耐熱性が向上すること
が判明した。また、反応ガスに印加する高周波電力につ
いては、反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさな
い程度の電力に押さえることがフッ素と有機を膜中に取
り込むのに有効であることが判明した。なお、実施例1
においては、CVD原料としてCH3FSi(OC
2H5)2を用いたが、その代わりにCH3FSi(OCH
3)2、C2H5FSi(OCH3)2、C2H5FSi(OC
2H5)2、C6H5FSi(OC2H5)2、C6H5FSi
(OCH3)2、CH3CF3Si(OC2H5)2、CH3C
F3Si(OCH3)2、C2H5CF3Si(OCH3)2、
C2H5CF3Si(OC2H5)2、C6H5CF3Si(O
C2H5)2、C6H5CF3Si(OCH3)2、CH3Si
(OCF3)3、CH3FSi(OCF3)2、CH3CF3
Si(OCF3)2、C6H5FSi(OCF3)2、又はC
6H5Si(OCF3)3等の有機シランの液体材料を使用
しても、上記実施例1と同様に実施可能である。ただ
し、容器6の加熱温度は使用する液体材料の沸点に応じ
て、適温に調整される。 【0027】本発明の実施例1の絶縁膜の形成方法にお
いて用いられるCVD原料は、下記式(9)で表される
有機シラン化合物である。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(9) 上記式(13)において、R1は炭素数1〜6のアルキ
ル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数
1〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3の
フッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 【0028】《実施例2》次に、本発明の実施例2の絶
縁膜の形成方法について図を用いて説明する。実施例2
における絶縁膜の形成おいても前述の図1に示した半導
体装置の製造装置を用いた。実施例2において、被処理
体である基板11に絶縁膜を形成する場合、基板11は
反応室1内の支持台の上に最置される。支持台2は、約
400℃に加熱され、接地されている。基板11が反応
室1内の支持台2に載置された後、反応室1内は真空引
きされ、約35℃に加熱した容器6内に充填されている
CVD原料、例えばテトラメチルジフルオロジシロキサ
ン{(CH3)2FSiOSiF(CH3)2}を、例え
ば、アルゴンをキャリアガスとし、配管を通して反応室
1内に導入する。このとき、CVD原料はキャリアガス
流量を数100cc/分、例えば500cc/分に設定
して、約90℃に加熱した配管を通して反応室1内に導
入される。反応ガスが導入された反応室1内の圧力は、
0.1Torr〜10Torrの間、例えば約0.6To
rrに調整される。反応室1内の圧力が所望の値に調整
された後、上部電極3に第1の電源である高周波電源4
が接続され、反応室1内の反応ガスに13.56MHz
で100W〜1000W(0.6〜6W/cm2)の高周
波電力、例えば100Wを供給する。このように高周波
電力が供給された反応室1内において、基板11上に炭
素、水素、フッ素を含む酸化珪素からなる絶縁膜が形成
される。 【0029】上記実施例2の絶縁膜の形成において、反
応ガスの材料としてフッ素、有機、珪素、及び酸素を含
む化合物を用いている。本発明の実施例2の絶縁膜の形
成方法においては、前述の形成条件を満たして反応ガス
を適度に分解させることによって、酸化珪素を主とする
絶縁膜を形成している。実施例2の絶縁膜の形成方法に
よれば、この様な化合物の適度な分解によって初めて、
フッ素と有機を適度に含む酸化珪素膜が容易に形成でき
る。 【0030】本発明の実施例2により形成された絶縁膜
の特性は、前述の実施例1の場合と同様に、比誘電率が
約2.7という低い値であった。この絶縁膜をさらに2
週間室温で放置した後に比誘電率を測定したが、比誘電
率に変化はなかった。また、実施例2により形成された
絶縁膜は、450℃程度に耐える耐熱性を有し、酸素プ
ラズマのエッチングレートはレジスト膜の約0.1倍で
あった。このように、本発明の実施例2の絶縁膜の形成
方法によれば、耐熱性、及び酸素プラズマ耐性の点で優
れた絶縁膜を得ることができる。また、実施例2の絶縁
膜の形成方法は、従来のLSIの製造プロセスに適用で
きるものであり、吸湿性が少なく、比誘電率が2.5〜
3.0と低誘電率であるという特徴を有するフッ素と有
機を適度に含む酸化珪素膜を容易に形成することができ
る。 【0031】なお、本発明の実施例2では、キャリアガ
スにアルゴンを使用したが、窒素、ヘリウムなどの不活
性ガスの中から選択して使用してもよい。発明者の実験
によれば、基板温度は300℃〜500℃の範囲内が好
ましく、高温で成膜する方が膜の耐熱性が向上すること
が判明した。また、反応ガスに印加する高周波電力につ
いては、反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさな
い程度の電力に押さえることがフッ素と有機を膜中に取
り込むのに有効であることが判明した。 【0032】なお、実施例2においては、CVD原料と
して(CH3)2FSiOSiF(CH3)2を用いたが、
その代わりに(C2H5)2FSiOSiF(C2H5)2、
CH3F2SiOSiF2CH3、C2H5F2SiOSiF2
C2H5、(CH3)2CF3SiOSiCF3(CH3)2、
(C2H5)2CF3SiOSiCF3(C2H5)2、CH3
(CF3)2SiOSi(CF3)2CH3、C2H5(CF3)
2SiOSi(CF3)2C2H5、又は(CH3)3SiO
Si(CH3)3等のシロキサンの液体材料を使用して
も、上記実施例2と同様に実施可能である。ただし、容
器6の加熱温度は使用する液体材料の沸点によって適温
に調整される。本発明の実施例2の絶縁膜の形成方法に
おいて用いられるCVD原料は、下記式(10)で表さ
れるシロキサン化合物である。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(10) 上記式(10)において、R1は炭素数1〜6のアルキ
ル基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは
炭素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 【0033】《実施例3》次に、本発明の実施例3の半
導体装置について図3を用いて説明する。図3は本発明
の実施例3による半導体装置を示す断面図である。図3
に示すように、実施例3の半導体装置は、基板11上に
アルミ合金と金属の積層膜(AlSiCu/TiN/T
i)により構成された第1の金属配線パターン13が形
成されている。この第1の金属配線パターン13の上
に、前述の実施例1で示したプラズマCVD法によりメ
チルフルオロジエトキシシラン{CH3FSi(OC
2H5)2}の分解反応によって得られた、フッ素と有機
が適度に含まれ比誘電率が2.7の酸化珪素膜の絶縁膜
14が形成されている。この絶縁膜14には、第1の金
属配線パターン13と第2の金属配線パターン20とを
接続する接続体が設けられる接続孔16と、第2の配線
パターン20が設けられる溝18が形成されている。絶
縁膜14の接続孔16と溝18は、ともに第2の金属配
線パターンとしてのアルミ合金(AlSiCu)20に
よってそれぞれの内部が充填されている。 【0034】図3に示した半導体装置において、フッ素
と有機が含まれた酸化珪素膜である絶縁膜14は、第1
の金属配線パターン13と第2の金属配線パターン20
との間を電気的に絶縁する層間膜としての役割と、第2
の金属配線パターン20における線間を絶縁する絶縁体
としての役割とを果たしている。 【0035】実施例3の半導体装置において、フッ素と
有機が含まれた酸化珪素膜である絶縁膜14は、比誘電
率が2.5〜3.0であり、従来の絶縁膜として用いられ
ていたフッ素添加酸化珪素膜(比誘電率は3.5程度)
に比べて低誘電率である。このため、実施例3における
絶縁膜14は、寄生容量を低減でき、素子の高速化を図
ることが可能となる。また、実施例3の半導体装置にお
ける絶縁膜14は、比誘電率の経時変化がなく、450
℃程度の耐熱性を有しているため、素子の信頼性を確保
することができる。なお、本発明の実施例3では、第1
の金属の配線パターン13及び第2の金属配線パターン
20の材料としてアルミ合金を用いたが、銅と金属の積
層膜(Cu/TiN)を用いてもよい。上記実施例3で
は、層間の絶縁膜14として前述の実施例1の形成方法
により形成した絶縁膜を用いたが、前述の実施例2の形
成方法により形成した絶縁膜を用いても、上記実施例3
の半導体装置と同様の効果が得られる。 【0036】さらに、上記実施例3においては、2層配
線の層間絶縁膜として前述の実施例1及び実施例2の形
成方法により形成した絶縁膜を用いた半導体装置の場合
について説明したが、MOSトランジスタやGaAsト
ランジスタのゲート配線上の層間絶縁膜として前述の実
施例1及び実施例2の形成方法により形成した絶縁膜を
用いた半導体装置にも本発明は適用できる。また、上記
実施例3では2層配線の構造を有する半導体装置の例に
ついて説明したが、3層以上の配線構造の場合は、実施
例3と同様の層間絶縁膜を用い、接続孔と配線パターン
とを有する絶縁膜を繰り返し積層することによって形成
することができる。 【0037】《実施例4》次に、本発明の実施例4の半
導体装置の製造方法について図4から図7を用いて説明
する。図4から図7は、本発明の実施例4による半導体
装置の製造方法の各工程を示す断面図である。図4に示
した半導体材料は、前述の実施例1の絶縁膜の形成方法
により製造される。まず、アルミ合金と金属の積層膜
(AlSiCu/TiN/Ti)により構成された第1
の金属配線パターン13が形成された基板11は、半導
体装置の製造装置であるCVD装置の反応室1内の支持
台2上に載置される。この支持台2は約400℃に加熱
されている。この基板11が支持台2上に載置された
後、CVD原料であるメチルフルオロジエトキシシラン
{CH3FSi(OC2H5)
2}を、例えば、アルゴンをキャリアガスとして、配管
を通して反応室1内に導入する。このとき、CVD原料
は、キャリアガス流量を数100cc/分、例えば50
0cc/分に設定して、反応室1内に導入される。反応
ガスが導入された反応室1内の圧力は、0.1Torr
〜10Torrの間、例えば約1.0Torrに調整さ
れる。反応室1内の圧力が所望の値に調整された後、上
部電極3に接続された高周波電源4により、反応室1内
の反応ガスに13.56MHzで100W〜1000W
(0.6〜6W/cm2
)の高周波電力、例えば250Wを供給する。このよう
に高周波電力が供給された反応室1内では、反応ガスが
部分的に分解され、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化
珪素からなる絶縁膜14が約1μm堆積する(図4)。
このとき、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素から
なる絶縁膜14は、比誘電率が2.5〜3.0の間にあり
、低誘電率である。 【0038】次に、前記のように形成された絶縁膜14
に、第1の金属配線パターン13と第2の金属配線パタ
ーン20を接続する接続体を設けるための接続孔を形成
する。この接続孔は絶縁膜14に形成されるため、まず
、所望の形状を有する第1のレジスト膜パターン15が
前記絶縁膜14上に形成される。次に、第1のレジスト
膜パターン15が形成された半導体材料は、ドライエッ
チング装置内に設置される。ドライエッチング装置内に
は、例えばCF 4 ガスと酸素の混合ガスが導入され、調
圧されている。ドライエッチング装置内が調圧された
後、高周波電力を印加して絶縁膜14を、所望の形状に
エッチングする。図5に示すように、半導体材料には接
続孔16が形成される。図5に示した半導体材料はプラ
ズマ処理装置内に設置される。プラズマ処理装置内は、
酸素ガスが導入され、所望の値に調圧される。所望の圧
力に調整されたプラズマ処理装置内には、高周波電力が
印加されて、第1のレジスト膜15が除去される。実施
例4における絶縁膜14は、有機を含んで低誘電率であ
るにもかかわらず、酸素プラズマでのエッチングレート
がレジスト膜の約0.1倍であるため、このレジスト膜
15の除去工程において、絶縁膜14の膜減少率は10
%以内に押さえられる。 【0039】次に、第2の金属配線パターン20を形成
するために第2のレジスト膜パターン17を形成する。
第2のレジスト膜パターン17が形成された半導体材料
は、ドライエッチング装置内に設置される。ドライエッ
チング装置内は、例えばCF4ガスと酸素の混合ガスが
導入されて調圧されている。所望の値に調圧されたドラ
イエッチング装置内には高周波電力が印加されて、半導
体材料において絶縁膜14が0.4μmエッチングされ
る。この状態を図6に示す。図6に示すように、半導体
材料には溝18が形成されている。その後、この半導体
材料は、プラズマ処理装置内に設置され、第2のレジス
ト膜17が除去される。このレジスト膜除去工程におい
て、半導体材料が設置されたプラズマ処理装置内に酸素
ガスが導入され、プラズマ処理装置内は調圧される。プ
ラズマ処理装置内が調圧された後、高周波電力が印加さ
れて第2のレジスト膜17は除去される。このレジスト
膜除去工程における絶縁膜14の膜減少率は、10%以
内に押さえられている。 【0040】上記のように形成された第2のレジスト膜
17が除去された半導体材料は、その表面全面にアルミ
合金(AlSiCu)が形成され、450℃の熱処理が
施される。この熱処理により、アルミ合金が軟化し、接
続孔16及び溝18内にアルミ合金が充填される。その
後、絶縁膜14上のアルミ合金が研磨除去され、図7に
示す第2の金属配線パターン20が形成される。上記半
導体装置の製造方法により、2層配線構造を有する半導
体装置が得られる。この半導体装置において、絶縁膜1
4は第2の金属配線パターン20の配線間の絶縁体とし
ても作用する。この絶縁膜14は、比誘電率が2.5〜
3.0の間にあり、低誘電率であるため、寄生容量が低
減され、半導体装置の高速化に対して優れた効果がを有
する。 【0041】また、絶縁膜14は有機を含んで低誘電率
であるにもかかわらず、450℃以上の耐熱性を有して
いるので、半導体装置の製造においてアルミ合金を軟化
させるための熱処理工程を行っても、膜厚の減少がなく
膜質の変化もない。なお、本発明の実施例4では、第1
の金属配線パターン13及び第2の金属配線パターン2
0の材料としてアルミ合金を用いたが、銅と金属の積層
膜(Cu/TiN)を用いることもできる。上記実施例
4では、層間絶縁膜14として前述の実施例1の形成方
法により形成した絶縁膜を用いたが、前述の実施例2の
形成方法により形成した絶縁膜を用いても、上記実施例
4における半導体装置の製造工程と同様の製造工程で2
層配線構造を有する半導体装置が得られ、実施例4の半
導体装置の製造方法と同様の効果がある。 【0042】上記実施例4では、2層配線の層間絶縁膜
として実施例1及び実施例2の形成方法により形成した
絶縁膜を用いた半導体装置の場合について説明したが、
MOSトランジスタやGaAsトランジスタのゲート配
線上の層間絶縁膜として実施例1及び実施例2の形成方
法により形成した絶縁膜を用いた半導体装置にも本発明
は適用できる。上記実施例4絶縁膜14の形成方法は、
反応ガスの総量に対して十分な分解を起こさない程度に
高周波電力を印加することによってフッ素と有機を効率
的に膜中に取り込み、低誘電率化を実現している。従っ
て、上記のようなトランジスタに前述の実施例の絶縁膜
の形成方法を用いることにより、トランジスタの直上の
絶縁膜の形成において、プラズマCVD法を用いてもプ
ラズマ照射によるトランジスタ特性の変動を起こさずに
絶縁膜を形成することができる。上記実施例4では2層
配線の構造を有する半導体装置の例について説明した
が、3層以上の配線構造の場合は、実施例4と同様の層
間絶縁膜を用い、接続孔と配線パターンとを有する絶縁
膜を繰り返し積層することによって形成することができ
る。 【0043】 【発明の効果】本発明の絶縁膜の形成方法において、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜
は、絶縁膜中に炭素、水素、及びフッ素を取り込みやす
く、優れた耐熱性と酸素プラズマ耐性とを有し、吸湿性
が少なく、比誘電率が2.5〜3.0の間の低誘電率であ
るという特徴を有する。従って、この絶縁膜を半導体装
置の層間絶縁膜として用いる場合、層間絶縁膜の形成工
程以外は従来の製造方法を用いることにより、低誘電率
の層間絶縁膜を有する半導体装置を得ることができる。
その結果、本発明による半導体装置においては、配線間
の寄生容量が小さく、信号遅延が少ないという効果を有
しており、優れた信頼性を有している。
【図1】本発明の実施例1及び実施例2に用いられる半
導体装置の製造装置の構成を示す概略構成図である。
導体装置の製造装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施例1により形成した絶縁膜の比誘
電率と酸素プラズマ耐性を示すグラフである。
電率と酸素プラズマ耐性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例3による2層配線を有する半導
体装置を示す断面図である。
体装置を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例4による2層配線を有する半導
体装置の製造方法を示す工程断面図である。
体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図5】本発明の実施例4による2層配線を有する半導
体装置の製造方法における工程断面図である。
体装置の製造方法における工程断面図である。
【図6】本発明の実施例4による2層配線を有する半導
体装置の製造方法における工程断面図である。
体装置の製造方法における工程断面図である。
【図7】本発明の実施例4による2層配線を有する半導
体装置の製造方法における工程断面図である。
体装置の製造方法における工程断面図である。
1 反応室 2 支持台 3 上部電極 4 高周波電源 11 基板 13 第1の金属配線パターン 14 絶縁膜 16 接続孔 18 溝 20 第2の金属配線パターン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明の半導体装置は、炭素、水素、及び
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、MOSトランジスタやGaAsトラン
ジスタのゲート配線上の層間絶縁膜として用いている。
フッ素を含む酸化珪素を有し、比誘電率が2.5〜3.0
である絶縁膜を、MOSトランジスタやGaAsトラン
ジスタのゲート配線上の層間絶縁膜として用いている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明は、前述の絶縁膜をMOSトランジ
スタやGaAsトランジスタのゲート配線上の層間絶縁
膜として用いているため、層間絶縁膜の低誘電率化によ
り信号遅延を抑制でき、半導体装置の高速化を達成す
る。
スタやGaAsトランジスタのゲート配線上の層間絶縁
膜として用いているため、層間絶縁膜の低誘電率化によ
り信号遅延を抑制でき、半導体装置の高速化を達成す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】《実施例1》図1は本発明の実施例1の半
導体装置の製造装置を模式的に示した構成図である。図
1において、反応室1はその内部空間を所定の真空度に
保持できる気密性を有しており、反応室1内に配置され
た導電性の支持台2上に被処理体である基板11が載置
されている。支持台2には基板11を加熱するためのヒ
ータ(図示せず)が設けられている。常温で液体である
反応ガスは反応室1へ導入される。反応ガスの反応室1
への導入は、液体材料を容器6内に充填して一定温度に
加熱し、マスフローコントローラー(図示せず)を介し
て流量制御されたキャリアガスによりバブリングするこ
とにより行われる。図1に示すように、キャリアガスは
ボンベ21に収納されており、ボンベ21は調整弁、容
器6等を介して反応室1内の上部電極3に接続され、キ
ャリアガスを反応室1へ導入できるよう構成されてい
る。反応室1内に設けられている上部電極3には、第1
の電源である高周波電源4が接続されている。この上部
電極3は反応室1内のガス供給部と電極とを兼ねてい
る。また、反応室1と反応室1に連通して設けられた真
空ポンプ7との間に設けた弁8の開閉度の制御により、
反応室1内の真空度は自動制御される構成である。反応
室1内が所望の真空度に保持された後、上部電極3には
高周波電源4が接続され、反応室1内の反応ガスに高周
波電力が供給されるよう構成されている。なお、実施例
1の半導体装置の製造装置には、反応室1内の不要な酸
化珪素膜ををクリーニングするためのクリーニングガ
ス、例えばフッ化炭素系ガス等を収納したボンベ22が
調整弁を介して上部電極3に接続されている。
導体装置の製造装置を模式的に示した構成図である。図
1において、反応室1はその内部空間を所定の真空度に
保持できる気密性を有しており、反応室1内に配置され
た導電性の支持台2上に被処理体である基板11が載置
されている。支持台2には基板11を加熱するためのヒ
ータ(図示せず)が設けられている。常温で液体である
反応ガスは反応室1へ導入される。反応ガスの反応室1
への導入は、液体材料を容器6内に充填して一定温度に
加熱し、マスフローコントローラー(図示せず)を介し
て流量制御されたキャリアガスによりバブリングするこ
とにより行われる。図1に示すように、キャリアガスは
ボンベ21に収納されており、ボンベ21は調整弁、容
器6等を介して反応室1内の上部電極3に接続され、キ
ャリアガスを反応室1へ導入できるよう構成されてい
る。反応室1内に設けられている上部電極3には、第1
の電源である高周波電源4が接続されている。この上部
電極3は反応室1内のガス供給部と電極とを兼ねてい
る。また、反応室1と反応室1に連通して設けられた真
空ポンプ7との間に設けた弁8の開閉度の制御により、
反応室1内の真空度は自動制御される構成である。反応
室1内が所望の真空度に保持された後、上部電極3には
高周波電源4が接続され、反応室1内の反応ガスに高周
波電力が供給されるよう構成されている。なお、実施例
1の半導体装置の製造装置には、反応室1内の不要な酸
化珪素膜ををクリーニングするためのクリーニングガ
ス、例えばフッ化炭素系ガス等を収納したボンベ22が
調整弁を介して上部電極3に接続されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】本発明の実施例1の絶縁膜の形成方法にお
いて用いられるCVD原料は、下記式(9)で表される
有機シラン化合物である。 Xm R1 n Si(OR2)4-m-n ・・・(9) 上記式(9)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。
いて用いられるCVD原料は、下記式(9)で表される
有機シラン化合物である。 Xm R1 n Si(OR2)4-m-n ・・・(9) 上記式(9)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】
【発明の効果】本発明の絶縁膜の形成方法において、炭
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜が
形成され、この絶縁膜は膜中に炭素、水素、及びフッ素
を取り込みやすく、優れた耐熱性と酸素プラズマ耐性と
を有し、吸湿性が少なく、比誘電率が2.5〜3.0の間
の低誘電率であるという特徴を有する。本発明の絶縁膜
の形成方法による絶縁膜は優れた耐熱性を有するため、
この絶縁膜を半導体装置の層間絶縁膜として用いる半導
体装置の製造方法において、層間絶縁膜の形成工程以外
は従来の製造方法を用いることができ、この製造方法に
より低誘電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を得るこ
とができる。その結果、本発明による半導体装置におい
ては、従来の半導体装置に比べて配線間の寄生容量が小
さく、信号遅延が少ないという効果を有し、半導体装置
の微細化と高速化に対応することが可能な優れた性能を
有している。
素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素を有する絶縁膜が
形成され、この絶縁膜は膜中に炭素、水素、及びフッ素
を取り込みやすく、優れた耐熱性と酸素プラズマ耐性と
を有し、吸湿性が少なく、比誘電率が2.5〜3.0の間
の低誘電率であるという特徴を有する。本発明の絶縁膜
の形成方法による絶縁膜は優れた耐熱性を有するため、
この絶縁膜を半導体装置の層間絶縁膜として用いる半導
体装置の製造方法において、層間絶縁膜の形成工程以外
は従来の製造方法を用いることができ、この製造方法に
より低誘電率の層間絶縁膜を有する半導体装置を得るこ
とができる。その結果、本発明による半導体装置におい
ては、従来の半導体装置に比べて配線間の寄生容量が小
さく、信号遅延が少ないという効果を有し、半導体装置
の微細化と高速化に対応することが可能な優れた性能を
有している。
フロントページの続き (72)発明者 宝珍 隆三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 下記式(1)で表される有機シラン化合
物を含む雰囲気中において、プラズマCVD法によりプ
ラズマを生成し、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪
素を有する絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の
形成方法。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(1) 上記式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 - 【請求項2】 下記式(2)で表されるシロキサン化合
物を含む雰囲気中において、プラズマCVD法によりプ
ラズマを生成し、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪
素を有する絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の
形成方法。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(2) 上記式(2)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。 - 【請求項3】 炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素
を有し、比誘電率が2.5〜3.0である絶縁膜を、多層
配線の同一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間に
設けられたことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項4】 炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪素
を有し、比誘電率が2.5〜3.0である絶縁膜を、多層
配線の同一配線層の配線間及び異なる配線層の配線間に
設けられたことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項5】 下記式(3)で表される有機シラン化合
物を含む雰囲気中において、プラズマCVD法によりプ
ラズマを生成し、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪
素を有する絶縁膜を、第1の配線の形成された基板上に
形成する工程、 レジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接
続体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成す
る工程、 前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前記絶縁
膜をエッチングする工程、 前記第1のレジスト膜パターンを除去する工程、及び第
2の配線パターンを形成する工程、を有することを特徴
とする半導体装置製造方法。 XmR1 nSi(OR2)4-m-n ・・・(3) 上記式(3)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数1
〜3のフッ化炭素、Xはフッ素または炭素数1〜3のフ
ッ化炭素、そしてmとnは1〜2の整数である。 - 【請求項6】 下記式(4)で表されるシロキサン化合
物を含む雰囲気中において、プラズマCVD法によりプ
ラズマを生成し、炭素、水素、及びフッ素を含む酸化珪
素からなる絶縁膜を、第1の配線の形成された基板上に
形成する工程、 レジスト膜を露光して前記第1の配線と第2の配線の接
続体の接続孔となる第1のレジスト膜パターンを形成す
る工程、 前記第1のレジスト膜パターンをマスクにして前記絶縁
膜をエッチングする工程、 前記第1のレジスト膜パターンを除去する工程、及び第
2の配線パターンを形成する工程、を有することを特徴
とする半導体装置製造方法。 XmR1 3-mSiOSiXmR1 3-m ・・・(4) 上記式(4)において、R1は炭素数1〜6のアルキル
基、Xはフッ素でありmは1〜2の整数、またはXは炭
素数1〜3のフッ化炭素でありmは1〜3の整数であ
る。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3109698A JPH11233500A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3109698A JPH11233500A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11233500A true JPH11233500A (ja) | 1999-08-27 |
Family
ID=12321881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3109698A Pending JPH11233500A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11233500A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6613834B2 (en) | 2000-03-29 | 2003-09-02 | Fujitsu Limited | Low dielectric constant film material, film and semiconductor device using such material |
JP2004172367A (ja) * | 2002-11-20 | 2004-06-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層型セラミック電子部品およびその製造方法 |
US6780498B2 (en) | 2001-03-23 | 2004-08-24 | Fujitsu Limited | Silicon-based composition, low dielectric constant film, semiconductor device, and method for producing low dielectric constant film |
JP2013136557A (ja) * | 2011-11-30 | 2013-07-11 | Adeka Corp | 1,3−ジフルオロジシロキサン化合物の製造方法 |
-
1998
- 1998-02-13 JP JP3109698A patent/JPH11233500A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6613834B2 (en) | 2000-03-29 | 2003-09-02 | Fujitsu Limited | Low dielectric constant film material, film and semiconductor device using such material |
US6958525B2 (en) | 2000-03-29 | 2005-10-25 | Fujitsu Limited | Low dielectric constant film material, film and semiconductor device using such material |
US7235866B2 (en) | 2000-03-29 | 2007-06-26 | Fujitsu Limited | Low dielectric constant film material, film and semiconductor device using such material |
DE10113110B4 (de) * | 2000-03-29 | 2009-01-02 | Fujitsu Ltd., Kawasaki | Filmmaterial und Film mit niedriger Dielektrizitätskonstante |
US6780498B2 (en) | 2001-03-23 | 2004-08-24 | Fujitsu Limited | Silicon-based composition, low dielectric constant film, semiconductor device, and method for producing low dielectric constant film |
US7358299B2 (en) | 2001-03-23 | 2008-04-15 | Fujitsu Limited | Silicon-based composition, low dielectric constant film, semiconductor device, and method for producing low dielectric constant film |
JP2004172367A (ja) * | 2002-11-20 | 2004-06-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 積層型セラミック電子部品およびその製造方法 |
JP2013136557A (ja) * | 2011-11-30 | 2013-07-11 | Adeka Corp | 1,3−ジフルオロジシロキサン化合物の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2697315B2 (ja) | フッ素含有シリコン酸化膜の形成方法 | |
US6724086B1 (en) | Hydrogenated oxidized silicon carbon material | |
KR100372216B1 (ko) | O.5 및 0.5 미크론 이하의 ulsi 회로용 인터레벨 유전체소자로서의수소실세큐옥산계유동가능한산화물 | |
US7001850B2 (en) | Method of depositing dielectric films | |
US6340843B1 (en) | Plasma CVD dielectric film and process for forming the same | |
US6699784B2 (en) | Method for depositing a low k dielectric film (K>3.5) for hard mask application | |
US6991959B2 (en) | Method of manufacturing silicon carbide film | |
US7200460B2 (en) | Method of depositing low dielectric constant silicon carbide layers | |
US6559520B2 (en) | Siloxan polymer film on semiconductor substrate | |
US6331494B1 (en) | Deposition of low dielectric constant thin film without use of an oxidizer | |
KR100484321B1 (ko) | 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
US7582970B2 (en) | Carbon containing silicon oxide film having high ashing tolerance and adhesion | |
JP4731670B2 (ja) | バイア被毒を緩和しつつ金属ライン間にボイドフリー低k誘電性材料を提供する集積回路構造のための低K誘電性複合材層 | |
KR100817350B1 (ko) | 규소 탄화물 박막의 이중 플라즈마 처리 | |
US6953984B2 (en) | Hydrogenated oxidized silicon carbon material | |
JP3193335B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JPH07335559A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
KR20020033577A (ko) | 유기실리케이트층을 증착시키는 방법 | |
EP1432843B1 (en) | Method for making carbon doped oxide film | |
JPH1154504A (ja) | 積層絶縁体膜の形成方法およびこれを用いた半導体装置 | |
JP3463416B2 (ja) | 絶縁膜の製造方法および半導体装置 | |
JP2000077406A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
US20020142104A1 (en) | Plasma treatment of organosilicate layers | |
JP4314650B2 (ja) | 半導体装置の層間絶縁膜の形成方法 | |
JPH11233500A (ja) | 絶縁膜の形成方法及びそれを用いた半導体装置と半導体装置製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Effective date: 20040312 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 |