JPH11230687A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH11230687A
JPH11230687A JP10031047A JP3104798A JPH11230687A JP H11230687 A JPH11230687 A JP H11230687A JP 10031047 A JP10031047 A JP 10031047A JP 3104798 A JP3104798 A JP 3104798A JP H11230687 A JPH11230687 A JP H11230687A
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heat exchanger
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heating fluid
transfer tube
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    • F28D7/00Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
    • F28D7/16Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged in parallel spaced relation
    • F28D7/1615Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged in parallel spaced relation the conduits being inside a casing and extending at an angle to the longitudinal axis of the casing; the conduits crossing the conduit for the other heat exchange medium
    • F28D7/1623Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged in parallel spaced relation the conduits being inside a casing and extending at an angle to the longitudinal axis of the casing; the conduits crossing the conduit for the other heat exchange medium with particular pattern of flow of the heat exchange media, e.g. change of flow direction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F28D21/001Recuperative heat exchangers the heat being recuperated from exhaust gases for thermal power plants or industrial processes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
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    • F28F9/0282Header boxes; End plates with static flow control means, e.g. with means for uniformly distributing heat exchange media into conduits by varying the geometry of conduit ends, e.g. by using inserts or attachments for modifying the pattern of flow at the conduit inlet or outlet

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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱流体上流側の伝熱管メタル温度を低下させ
ることにより伝熱管の信頼性向上を図り、特に石炭焚高
温炉として適用する場合の高温条件に対して伝熱管の高
信頼性を維持することができる熱交換器を提供する。 【解決手段】高温の加熱流体を一方向に流通させるダク
ト12と、ダクトを加熱流体の流通方向と直交する方向
に沿って貫通し、かつダクト内の加熱流体流通方向に間
隔的に配置された被加熱流体流通用の複数の伝熱管23
とを備える。伝熱管の加熱流体流通方向で隣接する2以
上のものを組としてダクト外部のヘッダ24にそれぞれ
連結して複数のパスを構成する。ダクトの加熱流体下流
側に位置するパスから同ダクトの加熱流体上流側に位置
するパスへと被加熱流体を順次に流通させて熱交換を行
わせる。ダクトの加熱流体上流側に配置される同一パス
に属する2以上の伝熱管のうち、加熱流体上流側のもの
と下流側のものとで管壁への受熱量の差を与える受熱量
差設定手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば石炭間接焚
コンバインドサイクル発電プラントの石炭焚高温炉等と
して適用される熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的なエネルギ需要が増加する
傾向にあり、資源の有効活用の面から石炭の需要は大き
く伸びると予想されている。石炭を燃料とする場合、環
境と調和した効率的な発電システムを構築することが必
要であり、石炭間接焚コンバインドサイクル発電プラン
トは、これに応えるものとして、注目されている。
【0003】図12は、このような石炭間接焚コンバイ
ンドサイクル発電プラントの系統構成例を示しているこ
のプラントは、石炭燃焼によって加熱される高温空気を
駆動ガスとするガスタービン系統1と、このガスタービ
ン系統1の排熱を利用する蒸気タービン系統2とを備え
ている。
【0004】ガスタービン系統1では、駆動ガス源とな
る空気a0を圧縮機3で加圧し、圧縮空気a1として石
炭焚高温炉4内の管路に通すようになっている。この石
炭焚高温炉4に、燃料としての石炭bと空気予熱器5で
予熱した燃焼用空気a2とを導いて燃焼を行わせ、この
石炭焚高温炉4内で発生する燃焼ガスによって、圧縮空
気a1を間接的に加熱するようになっている。
【0005】石炭焚高温炉4で加熱されて高温となった
高温圧縮空気a3は、ガスタービン6に送られて発電機
7駆動用の仕事に供され、次いで排熱回収ボイラ8に導
かれ、蒸気タービン系統2の蒸気発生源として用いられ
た後、空気予熱器5に供給されて燃焼用空気a2の予熱
に用いられ、この後煙突7へと至る。
【0006】一方、蒸気タービン系統2では、排熱回収
ボイラ8で発生した蒸気dが蒸気タービン9に導かれ、
発電機10駆動用の仕事に供された後、復水器11で復
水となり、排熱回収ボイラ8に還流される。
【0007】また、石炭焚高温炉4で石炭bの燃焼によ
って発生した燃焼ガスeは、駆動ガス源としての圧縮空
気a1の加熱後、石炭焚高温炉4から排熱回収ボイラ6
に送られて蒸気発生に用いられ、その煙突7へと至る。
【0008】上述した石炭焚高温炉4は、燃焼ガスeと
圧縮空気a1との熱交換を行う熱交換器であり、加熱流
体である燃焼ガスeは1500℃を超える高温ガスであ
ること、および被加熱流体である圧縮空気a1は圧縮機
3で約3MPaに圧縮された高圧空気となっていること
から、一般に圧縮空気a1は直管またはU字管状の伝熱
管内に流通させて熱交換を行っている。
【0009】図13は、このような石炭焚高温炉4とし
て適用される熱交換器の構成例を示している。
【0010】この熱交換器4Aは、高温の加熱流体であ
る燃焼ガスeを一方向(矢印e方向)に流通させるダク
ト12と、このダクト12を燃焼ガス流通方向eと直交
する方向(矢印f方向)に沿って貫通し、かつダクト1
2内の燃焼ガス流通方向eに間隔的に配置され、被加熱
流体である圧縮空気a1を流通させる複数の伝熱管13
とを備えた構成となっている。
【0011】そして、燃焼ガス流通方向eで隣接する例
えば3本ずつの伝熱管13(13a,13b,13c)
が、ダクト12の外部に設けたヘッダ14(14a〜1
4l)に連結され、これら3本1組の管群を例えば2組
ずつ組合せて3つのパス(イ,ロ,ハ)が構成してあ
る。この各パス(イ,ロ,ハ)を構成する伝熱管13a
〜13cのヘッダ14a〜14lが、マニホールド16
を介してヘッダ集合管15(15a〜15d)に連結さ
れ、これにより、分岐・統合を繰り返す一連の圧縮空気
流通用の並列的流路が構成されている。なお、17は伝
熱管13とヘッダ14とを連結するスタブチューブであ
る。また、各伝熱管13は、図13の紙面厚さ方向に沿
って多数並列に配置されてチューブパネルを構成してい
る。さらに、伝熱管13、スタブチューブ17、ヘッダ
14、マニホールド16およびヘッダ集合管15は、溶
接により一体化されている。
【0012】このような構成において、ダクト12の燃
焼ガス下流側に位置するパス(イ)から中段のパス
(ロ)を介し、燃焼ガス上流側に位置するパス(ハ)へ
と圧縮空気a1を順次に流通させて熱交換を行わせるも
のである。
【0013】熱交換作用について詳説する。
【0014】圧縮空気a1は、まず下部のヘッダ集合管
15aからマニホールド16aを経て下部のヘッダ14
a,14bに分配され、さらにスタブチューブ17を通
って第1パス(イ)を構成する各伝熱管13a,13
b,13cに供給される。これらの伝熱管13a,13
b,13cを流れる圧縮空気a1は、ダクト12内を流
れる燃焼ガスeの下流側で加熱される。
【0015】この第1パス(イ)の伝熱管13a,13
b,13c内でそれぞれ加熱された圧縮空気a1は、ダ
クト12の上方に配置した上部のスタブチューブ17を
通って上部のヘッダ14c,14dに入り、マニホール
ド16を経て上部のヘッダ集合管15bに至る。
【0016】上部のヘッダ集合管15b内の圧縮空気a
1は、次に第2パス(ロ)を構成する伝熱管13a,1
3b,13cの上部ヘッダ14e,14fに分配され、
スタブチューブ17を通って各伝熱管13a,13b,
13cに入り、管外を流れる燃焼ガスeの中間領域で加
熱される。
【0017】第2パス(ロ)の伝熱管13a,13b,
13cで加熱された圧縮空気a1は、スタブチューブ1
7を通ってそれぞれ下部のヘッダ14g,14hに流入
し、マニホールド16を経て下部のヘッダ集合管15c
に至る。
【0018】このヘッダ集合管15c内の圧縮空気a1
は、第3パス(ハ)を構成する各伝熱管13a,13
b,13cの下部のヘッダ14i,14jに分配され、
スタブチューブ17を通って伝熱管13a,13b,1
3cに流入し、管外を流れる燃焼ガスeの最上流域でさ
らに加熱される。加熱された圧縮空気a1はスタブチュ
ーブ17を通って上部のヘッダ14k,14lに入り、
マニホールド16を経て上部のヘッダ集合管15dに至
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した熱
交換器11のダクト12内を流れる燃焼ガスeの温度
は、ダクト12内の入口18部で最も高く、伝熱管13
内の圧縮空気a1と熱交換して次第にその温度は低下し
ていく。一方、伝熱管13内を流れる圧縮空気a1の流
量および入口温度は、各パス(イ〜ハ)の伝熱管13
a,13b,13cに対してほぼ同じであるが、同一パ
スであっても圧縮空気a1の出口温度は管外を流れる燃
焼ガスeの温度によって異なり、各パス(イ〜ハ)につ
いて、燃焼ガス上流側の伝熱管13aで最も高く、燃焼
ガス下流側の伝熱管13cで最も低いという分布が生じ
る。
【0020】圧縮空気a1は伝熱管13内を流れる間に
加熱されて温度上昇して、その伝熱管壁のメタル温度は
燃焼ガスeおよび圧縮空気a1の温度によって決まるの
で、通常は燃焼ガス温度が高く、かつ圧縮機空気温度が
高いほど、高温となる。
【0021】このため、最もメタル温度が高くなる部位
は、燃焼ガス入口18側のパス、即ち、第3パス(ハ)
の最も燃焼ガス入口18側の伝熱管13aで、しかも圧
縮空気出口側(上端側)であり、この部位は最も厳しい
温度条件に晒される。
【0022】一般に、温度が高くなると、材料の許容応
力は急激に低下するので、伝熱管13のメタル温度をで
きるだけ低減することが必要である。また、許容応力低
下を補償するために伝熱管13の肉厚を増大させると、
負荷変化などの過渡運転時に伝熱管13の周壁に大きな
温度勾配が生じて伝熱管13に過大な熱応力が発生し、
破損の原因となるので、肉厚の増大は避けなければなら
ない。
【0023】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、加熱流体上流側の伝熱管メタル温度を低下さ
せることにより伝熱管の信頼性向上を図り、特に石炭焚
高温炉として適用する場合の高温条件に対して伝熱管の
高信頼性を維持することができる熱交換器を提供するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、高温の加熱流体を一方向に流
通させるダクトと、このダクトを前記加熱流体の流通方
向と直交する方向に沿って貫通し、かつ前記ダクト内の
前記加熱流体流通方向に間隔的に配置された被加熱流体
流通用の複数の伝熱管とを備え、前記伝熱管の加熱流体
流通方向で隣接する2以上のものを組としてダクト外部
のヘッダにそれぞれ連結して複数のパスを構成し、前記
ダクトの加熱流体下流側に位置するパスから同ダクトの
加熱流体上流側に位置するパスへと前記被加熱流体を順
次に流通させて熱交換を行わせる熱交換器において、前
記ダクトの加熱流体上流側に配置される同一パスに属す
る2以上の伝熱管のうち、加熱流体上流側のものと下流
側のものとで管壁への受熱量の差を与える受熱量差設定
手段を設けたことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0025】請求項2の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、受熱量差設定手段は伝熱管内の被加熱流
体入口部に設けられたオリフィスであり、このオリフィ
スによって被加熱流体の流量を、加熱流体上流側に位置
する伝熱管で大きく設定し、加熱流体の流れ方向に沿っ
て次第に小さく設定したことを特徴とする熱交換器を提
供する。
【0026】請求項3の発明では、請求項2記載の熱交
換器において、オリフィスの開口径を、加熱流体上流に
位置する伝熱管で大きく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に小さく設定し、またはオリフィスの枚数を、加熱
流体上流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿
って次第に多く設定し、もしくは前記開口径と枚数の両
条件を備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提
供する。
【0027】請求項4の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、受熱量差設定手段は伝熱管内の被加熱流
体入口部に設けられた多孔板であり、この多孔板によっ
て被加熱流体の流量を、加熱流体上流側に位置する伝熱
管で大きく設定し、加熱流体の流れ方向に沿って次第に
小さく設定したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0028】請求項5の発明では、請求項4記載の熱交
換器において、多孔板の開口面積を、加熱流体上流に位
置する伝熱管で大きく、加熱流体の流れ方向に沿って次
第に小さく設定し、または多孔板の枚数を、加熱流体上
流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿って次
第に多く設定し、もしくは前記開口面積と枚数の両条件
を備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0029】請求項6の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、受熱量差設定手段は伝熱管の外表面に設
けられた熱交換用のフィンであり、このフィンによって
管外側熱伝達係数を、加熱流体上流側に位置する伝熱管
で低く設定し、加熱流体の流れ方向に沿って次第に高く
設定したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0030】請求項7の発明では、請求項6記載の熱交
換器において、フィンの突出長さを、加熱流体上流側に
位置する伝熱管で小さく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に大きく設定し、またはフィンの枚数を、加熱流体
上流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に多く設定し、もしくは前記高さと枚数の両条件を
備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0031】請求項8の発明では、請求項6または7記
載の熱交換器において、フィンの突出長さを伝熱管の被
加熱流体入口部で大きくするとともに、被加熱流体の流
れ方向に沿って次第に小さくし、かつ被加熱流体出口部
で最も小さくしたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0032】請求項9の発明では、請求項6から8まで
のいずれかに記載の熱交換器において、伝熱管の長さ方
向に沿う単位長さあたりのフィン枚数を、被加熱流体入
口部で最も多くするとともに、被加熱流体の流れ方向に
沿って次第に少なくし、被加熱流体出口部で最も少なく
したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0033】請求項10の発明では、請求項1から9ま
でのいずれかに記載の熱交換器において、受熱量差設定
手段は、ダクトの加熱流体入口部に最も近い配置の伝熱
管以外の伝熱管に設けたことを特徴とする熱交換器を提
供する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱交換器の実
施形態を図1〜図10を参照して説明する。なお、以下
の実施形態は石炭間接焚コンバインドサイクル発電プラ
ントに適用したものであり、全体的な構成については図
12および図13に示したものと同様であるから、全体
構成の説明は省略する。
【0035】第1実施形態(図1,図2) 図1は本発明に係る熱交換器の第1実施形態を示す概略
断面図である。なお、図1では加熱流体上流側のパスを
構成する複数組の伝熱管のうちの一部を拡大して示して
いる。
【0036】図1に示すように、本実施形態の熱交換器
21では、高温の加熱流体である燃焼ガスeを一方向
(矢印e方向)に流通させるダクト22と、このダクト
22を燃焼ガス流通方向と直交する方向(矢印f方向)
に沿って貫通する被加熱流体としての圧縮空気a1流通
用の伝熱管23(23a,23b,23c)とを備えて
いる。これらの伝熱管23a,23b,23cは、ダク
ト22外部のヘッダ24にスタブチューブ25を介して
連結されている。
【0037】圧縮空気a1は、ヘッダ24からスタブチ
ューブ25を介して各伝熱管23a,23b,23cに
流入し、これらの伝熱管23a,23b,23c内を流
れる間に、ダクト22内を流れる伝熱管24外部の燃焼
ガスeと熱交換される。
【0038】このような構成において、各伝熱管23
a,23b,23cの圧縮空気入口部内面に、管壁への
受熱量差設定手段として、それぞれオリフィス26(2
6a,26b,26c)が取り付けられている。このう
ち、燃焼ガス上流側に位置する伝熱管24a内のオリフ
ィス26aの開口径が最も大きく、これに隣接する燃焼
ガス下流側の伝熱管23b内のオリフィス26b、さら
にその下流側の伝熱管23c内のオリフィス26cで
は、順に開口径が小さくなっている。なお、上記構成
は、燃焼ガス温度が高く、メタル温度低減が必要なパス
に適用されるが、そのうち、燃焼ガス最上流側に位置す
るパスの先頭の伝熱管には、オリフィスは取り付けられ
ない。
【0039】次に、本実施形態の作用を詳しく説明す
る。
【0040】上述したように、ヘッダ24内の被加熱流
体である圧縮空気a1は、スタブチューブ25およびオ
リフィス26a,26b,26cを経て、各伝熱管23
a,23b,23cに入る。この際、各オリフィス26
a,26b,26cでは、燃焼ガス下流側に向って開口
径が順次小さくなっているので、燃焼ガス上流側の伝熱
管23aに流入する被加熱流体である圧縮空気a1の流
量が最も多く、その下流側の伝熱管23b,23cに流
入する圧縮空気流量が次第に少なくなるように分配され
る。
【0041】したがって、各伝熱管23内を流れる圧縮
空気a1は管外を流れる燃焼ガスeにより加熱されて温
度上昇するが、上流側の伝熱管23aでは、オリフィス
を設けない場合に比べて圧縮空気a1の流量が減少する
ので、その伝熱管23a内からの管壁への受熱量が減少
し、また下流側の伝熱管23b,23cでは順に少量の
圧縮空気a1が流れることから、さらに管壁への受熱量
が減少し、出口温度も低下する。この結果、燃焼ガス上
流側のパスの伝熱管メタル温度の最高値が従来のものよ
りも低下し、メタル温度上昇が抑制される。
【0042】図2は、本実施形態による燃焼ガス上流側
のパスにおける燃焼ガス流れ方向の各伝熱管23の被加
熱流体出口温度、およびその各伝熱管23の最高メタル
温度についての分布例を、従来例と比較して示してい
る。
【0043】この図2に示すように、本実施形態によれ
ば、オリフィス26a,26b,26cにより燃焼ガス
eと圧縮空気a1との温度差に見合った圧縮空気流量を
各伝熱管23a,23b,23cに配分するようにした
ので、加熱流体入口側における被加熱流体出口温度を従
来よりも低減することができ、これによりメタル温度の
最高値を低くすることができ、かつ温度分布を平準化で
きるので、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼
性を実現することができる。
【0044】なお、本実施形態では、被加熱流体として
の圧縮空気a1が下部のヘッダ24から、図示しない上
部のヘッダへ上向きに流通する場合について説明した
が、逆に、被加熱流体が上部のヘッダから下部のヘッダ
へ下向きに流通する場合についても、オリフィスを被加
熱流体入口に設置することで同様の効果が得られること
は勿論である。
【0045】第2実施形態(図3) 図3は、本発明に係る熱交換器の第2実施形態を示す概
略断面図である。なお、前記第1実施形態と同一または
対応する部分には同一符号を付して説明する。以下の各
実施形態についても同様である。
【0046】本実施形態でも、第1実施形態と同様に、
伝熱管23a,23b,23cに取付けられるオリフィ
ス26a,26b,26cの開口径を、燃焼ガス上流に
位置する伝熱管23aで最も大きく、燃焼ガスの流れ方
向に沿って次第に小さく設定してあるが、第1実施形態
と異なり、オリフィス26a,26b,26cの枚数
を、燃焼ガス上流側の伝熱管23aで少なく、燃焼ガス
の流れ方向に沿って次第に多く設定してある。
【0047】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23c内を流れる被加熱流体である圧縮空
気a1の流量調整を、オリフィス26a,26b,26
cの開口径と枚数の両者で行うことになるため、加熱流
体である燃焼ガスeの温度分布との整合を図ることがさ
らに容易に行える。
【0048】したがって、本実施形態によれば、オリフ
ィス開口径と枚数の両者を組合せて被加熱流体の流量調
整を行うことができるので、その結果、第1実施形態と
比較して、熱交換器としての信頼性をより一層高めるこ
とができる。
【0049】なお、本実施形態では、加熱流体下流の伝
熱管ほど、オリフィス開口径を小さくし、オリフィス枚
数を増大したが、必ずしも両条件を同時に備える必要は
なく、プラントに応じて種々変化させてもよい。
【0050】第3実施形態(図4,図5) 図4は、本発明に係る熱交換器の第3実施形態を示す概
略断面図であり、図5(A),(B),(C)は図4の
A−A線に沿う各伝熱管の拡大断面図である。
【0051】本実施形態は、図4に示すように、各伝熱
管23a,23b,23cに、前記第1,第2実施形態
のオリフィスに代え、それぞれ孔径の異なる多孔板27
(27a,27b,27c)を取り付けたものである。
これにより、ヘッダ24から圧縮空気a1が、スタブチ
ューブ25および多孔板26a,26b,26cを経
て、各伝熱管23a,23b,23cに入るようにした
ものである。
【0052】そして、図5(A),(B),(C)に示
すように、上流側の伝熱管23aの多孔板27aの孔径
および総開口面積が最も大きく、以下、燃焼ガス下流側
の伝熱管23b,23cの多孔板27b,27cの孔径
および総開口面積が順に小さくなるように設定してあ
る。これら多孔板27a,27b,27cの開口面積
は、それらに穿設される小孔28(28a,28b,2
8c)の径および個数によって設定することができる。
これにより、上流側の伝熱管23aに入る圧縮空気流量
が最も多く、下流側の伝熱管23b,23cに入る圧縮
空気流量が次第に少なく分配される。
【0053】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23cに取り付けた多孔板27a,27
b,27cの開口面積が燃焼ガス下流側に向って順次小
さくなっているので、燃焼ガス上流側の伝熱管23aに
流入する被加熱流体である圧縮空気a1の流量が最も多
く、その下流側の伝熱管23b,23cに流入する圧縮
空気流量が次第に少なくなるように分配される。したが
って、各伝熱管23内を流れる圧縮空気a1は管外を流
れる燃焼ガスeにより加熱されて温度上昇するが、前記
第1実施形態と同様に、上流側の伝熱管23aから下流
側の伝熱管23b,23cにかけて内部からの受熱量が
漸減するため、伝熱管メタル温度の上昇を抑制し、圧縮
空気出口側温度を低下させることができる。
【0054】したがって、本実施形態によっても、加熱
流体である燃焼ガスeと、被加熱流体である圧縮空気a
1との温度差に見合った被加熱流体流量を各伝熱管23
a,23b,23cに配分するようにしたので、加熱流
体入口側における被加熱流体出口温度を従来よりも低減
することができ、これによりメタル温度の最高値を低く
することができ、かつ温度分布を平準化できるので、高
温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実現する
ことができる。
【0055】第4実施形態(図6) 図6は、本発明に係る熱交換器の第4実施形態を示す概
略断面図である。
【0056】図6に示すように、本実施形態でも、第3
実施形態と同様に、伝熱管23a,23b,23cに取
り付けられる多孔板27a,27b,27cの開口量径
を、燃焼ガス上流に位置する伝熱管26aで最も大き
く、燃焼ガスの流れ方向に沿って次第に小さく設定して
あるが、第3実施形態と異なり、多孔板27a,27
b,27cの枚数を、燃焼ガス上流側の伝熱管23aで
少なく、燃焼ガス流れ方向に沿って次第に多く設定して
ある。
【0057】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23c内を流れる被加熱流体である圧縮空
気a1の流量調整を、多孔板27a,27b,27cの
開口面積と枚数の両者で行うことになるため、加熱流体
である燃焼ガスeの温度分布との整合を図ることがさら
に容易に行なえる。
【0058】したがって、本実施形態によれば、多孔板
開口面積と枚数の両者を組合せて被加熱流体の流量調整
を行うことができるので、その結果、第3実施形態と比
較して、熱交換器としての信頼性をより一層高めること
ができる。
【0059】第5実施形態(図7) 図7は、本発明に係る熱交換器の第5実施形態を示す概
略断面図である。
【0060】本実施形態は、受熱量差設定手段を、伝熱
管23の外表面に設けられた熱交換用のフィン29とし
たものである。
【0061】即ち、図7に示すように、各伝熱管23
a,23b,23cの外表面には、それぞれ突出長さを
異ならせてフィン29(29a,29b,29c)が設
けてあり、燃焼ガス上流側の伝熱管23aのフィン29
aの長さが最も小さく、下流側の伝熱管23b,23c
の外表面のフィン29b,29cの突出長さが次第に大
きく設定されている。
【0062】このような構成によれば、加熱流体温度が
高い上流側の伝熱管23aではフィン29aの突出長さ
が小さいので、管外側熱伝達係数が低く、下流側の伝熱
管23b,23cではフィン29b,29cの突出長さ
が大きくなるので、これに連れて管外側熱伝達係数が高
くなる。これにより、上流側の伝熱管23aでは管外側
伝達係数が低いので、加熱流体とメタルとの温度差が大
きくなり、結果的にメタル温度を低くすることができ
る。
【0063】したがって、本実施形態によれば、伝熱管
外表面のフィン高さを加熱流体温度に応じて変化させる
ことにより、メタル温度を低減できるので、高温流体を
扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実現することがで
きる。
【0064】第6実施形態(図8) 図8は、本発明に係る熱交換器の第6実施形態を示す概
略断面図である。
【0065】本実施形態は、第5実施形態の変形例であ
り、伝熱管23に設けられるフィン29の数を変化させ
たものである。
【0066】即ち、図8に示すように、本実施形態で
は、燃焼ガス上流側の伝熱管23aの外表面のフィン2
9aについて、その伝熱管23aの単位長さあたりのフ
ィン数を少なくし、下流側の熱管23b,23cの外表
面のフィン29b,29cについては、それらの伝熱管
23b,23c外表面の単位長さあたりのフィン数を順
に多く設定してある。
【0067】このような構成によれば、加熱流体温度が
高い燃焼ガス上流側の伝熱管23aでは単位長さあたり
のフィン29aの数が少ないので、管外側熱伝達係数は
低く、また下流側の伝熱管23b,23cでは順にフィ
ン数が増加するので、これに連れて管外側熱伝達係数は
高くなる。これにより、上流側の伝熱管23aでは管外
側伝達係数が低いので、加熱流体とメタルとの温度差が
大きくなり、結果的にメタル温度を低くすることができ
る。
【0068】よって、本実施形態によっても、伝熱管外
表面の単位長さあたりのフィン数を加熱流体温度に応じ
て変化させることにより、メタル温度を低減できるの
で、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実
現することができる。
【0069】第7実施形態(図9) 図9は、本発明に係る熱交換器の第7実施形態を示す概
略断面図である。
【0070】本実施形態は、前述した第6実施形態また
は第7実施形態の変形例であり、最も燃焼ガス上流側の
伝熱管23aにはフィンを設けず、裸管としたものであ
る。他の伝熱管23b,23cには前記同様のフィン2
9b,29cが設けられている。
【0071】このような構成の本実施形態によれば、フ
ィンを設けない伝熱管23aと、フィン29b,29c
を設けた伝熱管23b,23cとの組合せに、管外側熱
伝達係数を当該パス全体として低くすることができ、第
6実施形態あるいは第7実施形態の場合よりも、さらに
メタル温度を低減することができ、したがって高温流体
を扱う熱交換器の信頼性を一層高めることができる。
【0072】第8実施形態(図10) 図10は、本発明に係る熱交換器の第8実施形態を示す
概略断面図であり、単一の伝熱管を示している。
【0073】本実施形態は、伝熱管23に設けるフィン
29の突出長さを、被加熱流体である圧縮空気a1の入
口側で最も大きく設定し、被加熱流体出口に向って次第
にフィン29の長さを小さくしたものである。
【0074】このような構成の本実施形態によれば、フ
ィン29が伝熱管23の被加熱流体入口側から出口側に
向って低くなっているので、伝熱管23の管外側熱伝達
係数が、入口側で最も高く出口側に向って次第に小さく
なる。したがって、被加熱流体温度が高い出口近傍にお
いて、加熱流体である燃焼ガスeと伝熱管24との温度
差が大きくなり、結果的にメタル温度を低減できるの
で、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実
現することができる。
【0075】第9実施形態(図11) 図11は、本発明に係る熱交換器の第9実施形態を示す
概略断面図である。
【0076】この図11に示すように、本実施形態で
は、被加熱流体が、伝熱管23aに設けられるフィン2
9の伝熱管単位長さあたりのフィン数を、被加熱流体入
口側で最も多く設置し、被加熱流体出口に向って次第に
フィン数を少なくし、被加熱流体出口で最も少なくしも
たのである。
【0077】このような構成によっても、伝熱管23の
単位長さあたりのフィン数が被加熱流体入口側から出口
側に向って減少しているので、伝熱管23の管外側熱伝
達係数が入口側で最も高く、出口側に向って次第に小さ
くなる。したがって、被加熱流体温度が高い出口近傍に
おいて、加熱流体と伝熱管23との温度差が大きくな
り、結果的にメタル温度を低減でき、高温流体を扱う熱
交換器に不可欠な高い信頼性を実現することができる。
【0078】他の実施形態 以上の実施形態のほか、本発明では各実施形態で示した
構成を相互に組合せる等により、種々の態様での実施が
可能である。
【0079】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、伝熱管にオリフィス、多孔板またはフィンを設ける
ことにより、配管メタル温度を低減することができ、こ
れにより、高温流体を扱う熱交換器の信頼性を高めるこ
とができる。また、各構成を組合せて適用することによ
り、さらにメタル温度の低減が可能となり、さらなる熱
交換器の信頼性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図2】本発明の第1実施形態の熱交換器の温度分布
図。
【図3】本発明の第2実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図4】本発明の第3実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図5】(A),(B),(C)は図4のA−A線に沿
う多孔板の拡大断面図。
【図6】本発明の第4実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図7】本発明の第5実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図8】本発明の第6実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図9】本発明の第7実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図10】本発明の第8実施形態の熱交換器を示す概略
断面図。
【図11】本発明の第9実施形態の熱交換器を示す概略
断面図。
【図12】石炭間接焚コンバインドサイクルを示す系統
図。
【図13】図12に示した系統における熱交換器の概略
断面図。
【符号の説明】
21 熱交換器 22 ダクト 23,23a,23b,23c 伝熱管 24 ヘッダ 25 スタブチューブ 26,26a,26b,26c オリフィス 27,27a,27b,27c 多孔板 28,28a,28b,28c 小孔 29,29a,29b,29c フィン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 熱交換器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば石炭間接焚
コンバインドサイクル発電プラントの石炭焚高温炉等と
して適用される熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的なエネルギ需要が増加する
傾向にあり、資源の有効活用の面から石炭の需要は大き
く伸びると予想されている。石炭を燃料とする場合、環
境と調和した効率的な発電システムを構築することが必
要であり、石炭間接焚コンバインドサイクル発電プラン
トは、これに応えるものとして、注目されている。
【0003】図12は、このような石炭間接焚コンバイ
ンドサイクル発電プラントの系統構成例を示しているこ
のプラントは、石炭燃焼によって加熱される高温空気を
駆動ガスとするガスタービン系統1と、このガスタービ
ン系統1の排熱を利用する蒸気タービン系統2とを備え
ている。
【0004】ガスタービン系統1では、駆動ガス源とな
る空気a0を圧縮機3で加圧し、圧縮空気a1として石
炭焚高温炉4内の管路に通すようになっている。この石
炭焚高温炉4に、燃料としての石炭bと空気予熱器5で
予熱した燃焼用空気a2とを導いて燃焼を行わせ、この
石炭焚高温炉4内で発生する燃焼ガスによって、圧縮空
気a1を間接的に加熱するようになっている。
【0005】石炭焚高温炉4で加熱されて高温となった
高温圧縮空気a3は、ガスタービン6に送られて発電機
7駆動用の仕事に供され、次いで排熱回収ボイラ8に導
かれ、蒸気タービン系統2の蒸気発生源として用いられ
た後、空気予熱器5に供給されて燃焼用空気a2の予熱
に用いられ、この後煙突7へと至る。
【0006】一方、蒸気タービン系統2では、排熱回収
ボイラ8で発生した蒸気dが蒸気タービン9に導かれ、
発電機10駆動用の仕事に供された後、復水器11で復
水となり、排熱回収ボイラ8に還流される。
【0007】また、石炭焚高温炉4で石炭bの燃焼によ
って発生した燃焼ガスeは、駆動ガス源としての圧縮空
気a1の加熱後、石炭焚高温炉4から排熱回収ボイラ6
に送られて蒸気発生に用いられ、その煙突7へと至る。
【0008】上述した石炭焚高温炉4は、燃焼ガスeと
圧縮空気a1との熱交換を行う熱交換器であり、加熱流
体である燃焼ガスeは1500℃を超える高温ガスであ
ること、および被加熱流体である圧縮空気a1は圧縮機
3で約3MPaに圧縮された高圧空気となっていること
から、一般に圧縮空気a1は直管またはU字管状の伝熱
管内に流通させて熱交換を行っている。
【0009】図13は、このような石炭焚高温炉4とし
て適用される熱交換器の構成例を示している。
【0010】この熱交換器4Aは、高温の加熱流体であ
る燃焼ガスeを一方向(矢印e方向)に流通させるダク
ト12と、このダクト12を燃焼ガス流通方向eと直交
する方向(矢印f方向)に沿って貫通し、かつダクト1
2内の燃焼ガス流通方向eに間隔的に配置され、被加熱
流体である圧縮空気a1を流通させる複数の伝熱管13
とを備えた構成となっている。
【0011】そして、燃焼ガス流通方向eで隣接する例
えば3本ずつの伝熱管13(13a,13b,13c)
が、ダクト12の外部に設けたヘッダ14(14a〜1
4l)に連結され、これら3本1組の管群を例えば2組
ずつ組合せて3つのパス(イ,ロ,ハ)が構成してあ
る。この各パス(イ,ロ,ハ)を構成する伝熱管13a
〜13cのヘッダ14a〜14lが、マニホールド16
を介してヘッダ集合管15(15a〜15d)に連結さ
れ、これにより、分岐・統合を繰り返す一連の圧縮空気
流通用の並列的流路が構成されている。なお、17は伝
熱管13とヘッダ14とを連結するスタブチューブであ
る。また、各伝熱管13は、図13の紙面厚さ方向に沿
って多数並列に配置されてチューブパネルを構成してい
る。さらに、伝熱管13、スタブチューブ17、ヘッダ
14、マニホールド16およびヘッダ集合管15は、溶
接により一体化されている。
【0012】このような構成において、ダクト12の燃
焼ガス下流側に位置するパス(イ)から中段のパス
(ロ)を介し、燃焼ガス上流側に位置するパス(ハ)へ
と圧縮空気a1を順次に流通させて熱交換を行わせるも
のである。
【0013】熱交換作用について詳説する。
【0014】圧縮空気a1は、まず下部のヘッダ集合管
15aからマニホールド16aを経て下部のヘッダ14
a,14bに分配され、さらにスタブチューブ17を通
って第1パス(イ)を構成する各伝熱管13a,13
b,13cに供給される。これらの伝熱管13a,13
b,13cを流れる圧縮空気a1は、ダクト12内を流
れる燃焼ガスeの下流側で加熱される。
【0015】この第1パス(イ)の伝熱管13a,13
b,13c内でそれぞれ加熱された圧縮空気a1は、ダ
クト12の上方に配置した上部のスタブチューブ17を
通って上部のヘッダ14c,14dに入り、マニホール
ド16を経て上部のヘッダ集合管15bに至る。
【0016】上部のヘッダ集合管15b内の圧縮空気a
1は、次に第2パス(ロ)を構成する伝熱管13a,1
3b,13cの上部ヘッダ14e,14fに分配され、
スタブチューブ17を通って各伝熱管13a,13b,
13cに入り、管外を流れる燃焼ガスeの中間領域で加
熱される。
【0017】第2パス(ロ)の伝熱管13a,13b,
13cで加熱された圧縮空気a1は、スタブチューブ1
7を通ってそれぞれ下部のヘッダ14g,14hに流入
し、マニホールド16を経て下部のヘッダ集合管15c
に至る。
【0018】このヘッダ集合管15c内の圧縮空気a1
は、第3パス(ハ)を構成する各伝熱管13a,13
b,13cの下部のヘッダ14i,14jに分配され、
スタブチューブ17を通って伝熱管13a,13b,1
3cに流入し、管外を流れる燃焼ガスeの最上流域でさ
らに加熱される。加熱された圧縮空気a1はスタブチュ
ーブ17を通って上部のヘッダ14k,14lに入り、
マニホールド16を経て上部のヘッダ集合管15dに至
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した熱
交換器11のダクト12内を流れる燃焼ガスeの温度
は、ダクト12内の入口18部で最も高く、伝熱管13
内の圧縮空気a1と熱交換して次第にその温度は低下し
ていく。一方、伝熱管13内を流れる圧縮空気a1の流
量および入口温度は、各パス(イ〜ハ)の伝熱管13
a,13b,13cに対してほぼ同じであるが、同一パ
スであっても圧縮空気a1の出口温度は管外を流れる燃
焼ガスeの温度によって異なり、各パス(イ〜ハ)につ
いて、燃焼ガス上流側の伝熱管13aで最も高く、燃焼
ガス下流側の伝熱管13cで最も低いという分布が生じ
る。
【0020】圧縮空気a1は伝熱管13内を流れる間に
加熱されて温度上昇して、その伝熱管壁のメタル温度は
燃焼ガスeおよび圧縮空気a1の温度によって決まるの
で、通常は燃焼ガス温度が高く、かつ圧縮機空気温度が
高いほど、高温となる。
【0021】このため、最もメタル温度が高くなる部位
は、燃焼ガス入口18側のパス、即ち、第3パス(ハ)
の最も燃焼ガス入口18側の伝熱管13aで、しかも圧
縮空気出口側(上端側)であり、この部位は最も厳しい
温度条件に晒される。
【0022】一般に、温度が高くなると、材料の許容応
力は急激に低下するので、伝熱管13のメタル温度をで
きるだけ低減することが必要である。また、許容応力低
下を補償するために伝熱管13の肉厚を増大させると、
負荷変化などの過渡運転時に伝熱管13の周壁に大きな
温度勾配が生じて伝熱管13に過大な熱応力が発生し、
破損の原因となるので、肉厚の増大は避けなければなら
ない。
【0023】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、加熱流体上流側の伝熱管メタル温度を低下さ
せることにより伝熱管の信頼性向上を図り、特に石炭焚
高温炉として適用する場合の高温条件に対して伝熱管の
高信頼性を維持することができる熱交換器を提供するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、高温の加熱流体を一方向に流
通させるダクトと、このダクトを前記加熱流体の流通方
向と直交する方向に沿って貫通し、かつ前記ダクト内の
前記加熱流体流通方向に間隔的に配置された被加熱流体
流通用の複数の伝熱管とを備え、前記伝熱管の加熱流体
流通方向で隣接する2以上のものを組としてダクト外部
のヘッダにそれぞれ連結して複数のパスを構成し、前記
ダクトの加熱流体下流側に位置するパスから同ダクトの
加熱流体上流側に位置するパスへと前記被加熱流体を順
次に流通させて熱交換を行わせる熱交換器において、前
記ダクトの加熱流体上流側に配置される同一パスに属す
る2以上の伝熱管のうち、加熱流体上流側のものと下流
側のものとで管壁への受熱量の差を与える受熱量差設定
手段を設け、この受熱量差設定手段は伝熱管内の被加熱
流体入口部に設けられたオリフィスであり、このオリフ
ィスによって被加熱流体の流量を、加熱流体上流側に位
置する伝熱管で大きく設定し、加熱流体の流れ方向に沿
って次第に小さく設定したことを特徴とする熱交換器を
提供する。
【0025】請求項2の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、オリフィスの開口径を、加熱流体上流に
位置する伝熱管で大きく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に小さく設定し、またはオリフィスの枚数を、加熱
流体上流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿
って次第に多く設定し、もしくは前記開口径と枚数の両
条件を備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提
供する。
【0026】請求項3の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、受熱量差設定手段は伝熱管内の被加熱流
体入口部に設けられた多孔板であり、この多孔板によっ
て被加熱流体の流量を、加熱流体上流側に位置する伝熱
管で大きく設定し、加熱流体の流れ方向に沿って次第に
小さく設定したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0027】請求項4の発明では、請求項3記載の熱交
換器において、多孔板の開口面積を、加熱流体上流に位
置する伝熱管で大きく、加熱流体の流れ方向に沿って次
第に小さく設定し、または多孔板の枚数を、加熱流体上
流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿って次
第に多く設定し、もしくは前記開口面積と枚数の両条件
を備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0028】請求項5の発明では、請求項1記載の熱交
換器において、受熱量差設定手段は伝熱管の外表面に設
けられた熱交換用のフィンであり、このフィンによって
管外側熱伝達係数を、加熱流体上流側に位置する伝熱管
で低く設定し、加熱流体の流れ方向に沿って次第に高く
設定したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0029】請求項6の発明では、請求項5記載の熱交
換器において、フィンの突出長さを、加熱流体上流側に
位置する伝熱管で小さく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に大きく設定し、またはフィンの枚数を、加熱流体
上流側の伝熱管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿って
次第に多く設定し、もしくは前記高さと枚数の両条件を
備えた設定としたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0030】請求項7の発明では、請求項5または6記
載の熱交換器において、フィンの突出長さを伝熱管の被
加熱流体入口部で大きくするとともに、被加熱流体の流
れ方向に沿って次第に小さくし、かつ被加熱流体出口部
で最も小さくしたことを特徴とする熱交換器を提供す
る。
【0031】請求項8の発明では、請求項5から7まで
のいずれかに記載の熱交換器において、伝熱管の長さ方
向に沿う単位長さあたりのフィン枚数を、被加熱流体入
口部で最も多くするとともに、被加熱流体の流れ方向に
沿って次第に少なくし、被加熱流体出口部で最も少なく
したことを特徴とする熱交換器を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱交換器の実
施形態を図1〜図10を参照して説明する。なお、以下
の実施形態は石炭間接焚コンバインドサイクル発電プラ
ントに適用したものであり、全体的な構成については図
12および図13に示したものと同様であるから、全体
構成の説明は省略する。
【0033】第1実施形態(図1,図2) 図1は本発明に係る熱交換器の第1実施形態を示す概略
断面図である。なお、図1では加熱流体上流側のパスを
構成する複数組の伝熱管のうちの一部を拡大して示して
いる。
【0034】図1に示すように、本実施形態の熱交換器
21では、高温の加熱流体である燃焼ガスeを一方向
(矢印e方向)に流通させるダクト22と、このダクト
22を燃焼ガス流通方向と直交する方向(矢印f方向)
に沿って貫通する被加熱流体としての圧縮空気a1流通
用の伝熱管23(23a,23b,23c)とを備えて
いる。これらの伝熱管23a,23b,23cは、ダク
ト22外部のヘッダ24にスタブチューブ25を介して
連結されている。
【0035】圧縮空気a1は、ヘッダ24からスタブチ
ューブ25を介して各伝熱管23a,23b,23cに
流入し、これらの伝熱管23a,23b,23c内を流
れる間に、ダクト22内を流れる伝熱管24外部の燃焼
ガスeと熱交換される。
【0036】このような構成において、各伝熱管23
a,23b,23cの圧縮空気入口部内面に、管壁への
受熱量差設定手段として、それぞれオリフィス26(2
6a,26b,26c)が取り付けられている。このう
ち、燃焼ガス上流側に位置する伝熱管24a内のオリフ
ィス26aの開口径が最も大きく、これに隣接する燃焼
ガス下流側の伝熱管23b内のオリフィス26b、さら
にその下流側の伝熱管23c内のオリフィス26cで
は、順に開口径が小さくなっている。なお、上記構成
は、燃焼ガス温度が高く、メタル温度低減が必要なパス
に適用されるが、そのうち、燃焼ガス最上流側に位置す
るパスの先頭の伝熱管には、オリフィスは取り付けられ
ない。
【0037】次に、本実施形態の作用を詳しく説明す
る。
【0038】上述したように、ヘッダ24内の被加熱流
体である圧縮空気a1は、スタブチューブ25およびオ
リフィス26a,26b,26cを経て、各伝熱管23
a,23b,23cに入る。この際、各オリフィス26
a,26b,26cでは、燃焼ガス下流側に向って開口
径が順次小さくなっているので、燃焼ガス上流側の伝熱
管23aに流入する被加熱流体である圧縮空気a1の流
量が最も多く、その下流側の伝熱管23b,23cに流
入する圧縮空気流量が次第に少なくなるように分配され
る。
【0039】したがって、各伝熱管23内を流れる圧縮
空気a1は管外を流れる燃焼ガスeにより加熱されて温
度上昇するが、上流側の伝熱管23aでは、オリフィス
を設けない場合に比べて圧縮空気a1の流量が減少する
ので、その伝熱管23a内からの管壁への受熱量が減少
し、また下流側の伝熱管23b,23cでは順に少量の
圧縮空気a1が流れることから、さらに管壁への受熱量
が減少し、出口温度も低下する。この結果、燃焼ガス上
流側のパスの伝熱管メタル温度の最高値が従来のものよ
りも低下し、メタル温度上昇が抑制される。
【0040】図2は、本実施形態による燃焼ガス上流側
のパスにおける燃焼ガス流れ方向の各伝熱管23の被加
熱流体出口温度、およびその各伝熱管23の最高メタル
温度についての分布例を、従来例と比較して示してい
る。
【0041】この図2に示すように、本実施形態によれ
ば、オリフィス26a,26b,26cにより燃焼ガス
eと圧縮空気a1との温度差に見合った圧縮空気流量を
各伝熱管23a,23b,23cに配分するようにした
ので、加熱流体入口側における被加熱流体出口温度を従
来よりも低減することができ、これによりメタル温度の
最高値を低くすることができ、かつ温度分布を平準化で
きるので、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼
性を実現することができる。
【0042】なお、本実施形態では、被加熱流体として
の圧縮空気a1が下部のヘッダ24から、図示しない上
部のヘッダへ上向きに流通する場合について説明した
が、逆に、被加熱流体が上部のヘッダから下部のヘッダ
へ下向きに流通する場合についても、オリフィスを被加
熱流体入口に設置することで同様の効果が得られること
は勿論である。
【0043】第2実施形態(図3) 図3は、本発明に係る熱交換器の第2実施形態を示す概
略断面図である。なお、前記第1実施形態と同一または
対応する部分には同一符号を付して説明する。以下の各
実施形態についても同様である。
【0044】本実施形態でも、第1実施形態と同様に、
伝熱管23a,23b,23cに取付けられるオリフィ
ス26a,26b,26cの開口径を、燃焼ガス上流に
位置する伝熱管23aで最も大きく、燃焼ガスの流れ方
向に沿って次第に小さく設定してあるが、第1実施形態
と異なり、オリフィス26a,26b,26cの枚数
を、燃焼ガス上流側の伝熱管23aで少なく、燃焼ガス
の流れ方向に沿って次第に多く設定してある。
【0045】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23c内を流れる被加熱流体である圧縮空
気a1の流量調整を、オリフィス26a,26b,26
cの開口径と枚数の両者で行うことになるため、加熱流
体である燃焼ガスeの温度分布との整合を図ることがさ
らに容易に行える。
【0046】したがって、本実施形態によれば、オリフ
ィス開口径と枚数の両者を組合せて被加熱流体の流量調
整を行うことができるので、その結果、第1実施形態と
比較して、熱交換器としての信頼性をより一層高めるこ
とができる。
【0047】なお、本実施形態では、加熱流体下流の伝
熱管ほど、オリフィス開口径を小さくし、オリフィス枚
数を増大したが、必ずしも両条件を同時に備える必要は
なく、プラントに応じて種々変化させてもよい。
【0048】第3実施形態(図4,図5) 図4は、本発明に係る熱交換器の第3実施形態を示す概
略断面図であり、図5(A),(B),(C)は図4の
A−A線に沿う各伝熱管の拡大断面図である。
【0049】本実施形態は、図4に示すように、各伝熱
管23a,23b,23cに、前記第1,第2実施形態
のオリフィスに代え、それぞれ孔径の異なる多孔板27
(27a,27b,27c)を取り付けたものである。
これにより、ヘッダ24から圧縮空気a1が、スタブチ
ューブ25および多孔板26a,26b,26cを経
て、各伝熱管23a,23b,23cに入るようにした
ものである。
【0050】そして、図5(A),(B),(C)に示
すように、上流側の伝熱管23aの多孔板27aの孔径
および総開口面積が最も大きく、以下、燃焼ガス下流側
の伝熱管23b,23cの多孔板27b,27cの孔径
および総開口面積が順に小さくなるように設定してあ
る。これら多孔板27a,27b,27cの開口面積
は、それらに穿設される小孔28(28a,28b,2
8c)の径および個数によって設定することができる。
これにより、上流側の伝熱管23aに入る圧縮空気流量
が最も多く、下流側の伝熱管23b,23cに入る圧縮
空気流量が次第に少なく分配される。
【0051】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23cに取り付けた多孔板27a,27
b,27cの開口面積が燃焼ガス下流側に向って順次小
さくなっているので、燃焼ガス上流側の伝熱管23aに
流入する被加熱流体である圧縮空気a1の流量が最も多
く、その下流側の伝熱管23b,23cに流入する圧縮
空気流量が次第に少なくなるように分配される。したが
って、各伝熱管23内を流れる圧縮空気a1は管外を流
れる燃焼ガスeにより加熱されて温度上昇するが、前記
第1実施形態と同様に、上流側の伝熱管23aから下流
側の伝熱管23b,23cにかけて内部からの受熱量が
漸減するため、伝熱管メタル温度の上昇を抑制し、圧縮
空気出口側温度を低下させることができる。
【0052】したがって、本実施形態によっても、加熱
流体である燃焼ガスeと、被加熱流体である圧縮空気a
1との温度差に見合った被加熱流体流量を各伝熱管23
a,23b,23cに配分するようにしたので、加熱流
体入口側における被加熱流体出口温度を従来よりも低減
することができ、これによりメタル温度の最高値を低く
することができ、かつ温度分布を平準化できるので、高
温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実現する
ことができる。
【0053】第4実施形態(図6) 図6は、本発明に係る熱交換器の第4実施形態を示す概
略断面図である。
【0054】図6に示すように、本実施形態でも、第3
実施形態と同様に、伝熱管23a,23b,23cに取
り付けられる多孔板27a,27b,27cの開口量径
を、燃焼ガス上流に位置する伝熱管26aで最も大き
く、燃焼ガスの流れ方向に沿って次第に小さく設定して
あるが、第3実施形態と異なり、多孔板27a,27
b,27cの枚数を、燃焼ガス上流側の伝熱管23aで
少なく、燃焼ガス流れ方向に沿って次第に多く設定して
ある。
【0055】このような構成によると、各伝熱管23
a,23b,23c内を流れる被加熱流体である圧縮空
気a1の流量調整を、多孔板27a,27b,27cの
開口面積と枚数の両者で行うことになるため、加熱流体
である燃焼ガスeの温度分布との整合を図ることがさら
に容易に行なえる。
【0056】したがって、本実施形態によれば、多孔板
開口面積と枚数の両者を組合せて被加熱流体の流量調整
を行うことができるので、その結果、第3実施形態と比
較して、熱交換器としての信頼性をより一層高めること
ができる。
【0057】第5実施形態(図7) 図7は、本発明に係る熱交換器の第5実施形態を示す概
略断面図である。
【0058】本実施形態は、受熱量差設定手段を、伝熱
管23の外表面に設けられた熱交換用のフィン29とし
たものである。
【0059】即ち、図7に示すように、各伝熱管23
a,23b,23cの外表面には、それぞれ突出長さを
異ならせてフィン29(29a,29b,29c)が設
けてあり、燃焼ガス上流側の伝熱管23aのフィン29
aの長さが最も小さく、下流側の伝熱管23b,23c
の外表面のフィン29b,29cの突出長さが次第に大
きく設定されている。
【0060】このような構成によれば、加熱流体温度が
高い上流側の伝熱管23aではフィン29aの突出長さ
が小さいので、管外側熱伝達係数が低く、下流側の伝熱
管23b,23cではフィン29b,29cの突出長さ
が大きくなるので、これに連れて管外側熱伝達係数が高
くなる。これにより、上流側の伝熱管23aでは管外側
伝達係数が低いので、加熱流体とメタルとの温度差が大
きくなり、結果的にメタル温度を低くすることができ
る。
【0061】したがって、本実施形態によれば、伝熱管
外表面のフィン高さを加熱流体温度に応じて変化させる
ことにより、メタル温度を低減できるので、高温流体を
扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実現することがで
きる。
【0062】第6実施形態(図8) 図8は、本発明に係る熱交換器の第6実施形態を示す概
略断面図である。
【0063】本実施形態は、第5実施形態の変形例であ
り、伝熱管23に設けられるフィン29の数を変化させ
たものである。
【0064】即ち、図8に示すように、本実施形態で
は、燃焼ガス上流側の伝熱管23aの外表面のフィン2
9aについて、その伝熱管23aの単位長さあたりのフ
ィン数を少なくし、下流側の熱管23b,23cの外表
面のフィン29b,29cについては、それらの伝熱管
23b,23c外表面の単位長さあたりのフィン数を順
に多く設定してある。
【0065】このような構成によれば、加熱流体温度が
高い燃焼ガス上流側の伝熱管23aでは単位長さあたり
のフィン29aの数が少ないので、管外側熱伝達係数は
低く、また下流側の伝熱管23b,23cでは順にフィ
ン数が増加するので、これに連れて管外側熱伝達係数は
高くなる。これにより、上流側の伝熱管23aでは管外
側伝達係数が低いので、加熱流体とメタルとの温度差が
大きくなり、結果的にメタル温度を低くすることができ
る。
【0066】よって、本実施形態によっても、伝熱管外
表面の単位長さあたりのフィン数を加熱流体温度に応じ
て変化させることにより、メタル温度を低減できるの
で、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実
現することができる。
【0067】第7実施形態(図9) 図9は、本発明に係る熱交換器の第7実施形態を示す概
略断面図である。
【0068】本実施形態は、前述した第6実施形態また
は第7実施形態の変形例であり、最も燃焼ガス上流側の
伝熱管23aにはフィンを設けず、裸管としたものであ
る。他の伝熱管23b,23cには前記同様のフィン2
9b,29cが設けられている。
【0069】このような構成の本実施形態によれば、フ
ィンを設けない伝熱管23aと、フィン29b,29c
を設けた伝熱管23b,23cとの組合せに、管外側熱
伝達係数を当該パス全体として低くすることができ、第
6実施形態あるいは第7実施形態の場合よりも、さらに
メタル温度を低減することができ、したがって高温流体
を扱う熱交換器の信頼性を一層高めることができる。
【0070】第8実施形態(図10) 図10は、本発明に係る熱交換器の第8実施形態を示す
概略断面図であり、単一の伝熱管を示している。
【0071】本実施形態は、伝熱管23に設けるフィン
29の突出長さを、被加熱流体である圧縮空気a1の入
口側で最も大きく設定し、被加熱流体出口に向って次第
にフィン29の長さを小さくしたものである。
【0072】このような構成の本実施形態によれば、フ
ィン29が伝熱管23の被加熱流体入口側から出口側に
向って低くなっているので、伝熱管23の管外側熱伝達
係数が、入口側で最も高く出口側に向って次第に小さく
なる。したがって、被加熱流体温度が高い出口近傍にお
いて、加熱流体である燃焼ガスeと伝熱管24との温度
差が大きくなり、結果的にメタル温度を低減できるの
で、高温流体を扱う熱交換器に不可欠な高い信頼性を実
現することができる。
【0073】第9実施形態(図11) 図11は、本発明に係る熱交換器の第9実施形態を示す
概略断面図である。
【0074】この図11に示すように、本実施形態で
は、被加熱流体が、伝熱管23aに設けられるフィン2
9の伝熱管単位長さあたりのフィン数を、被加熱流体入
口側で最も多く設置し、被加熱流体出口に向って次第に
フィン数を少なくし、被加熱流体出口で最も少なくしも
たのである。
【0075】このような構成によっても、伝熱管23の
単位長さあたりのフィン数が被加熱流体入口側から出口
側に向って減少しているので、伝熱管23の管外側熱伝
達係数が入口側で最も高く、出口側に向って次第に小さ
くなる。したがって、被加熱流体温度が高い出口近傍に
おいて、加熱流体と伝熱管23との温度差が大きくな
り、結果的にメタル温度を低減でき、高温流体を扱う熱
交換器に不可欠な高い信頼性を実現することができる。
【0076】他の実施形態 以上の実施形態のほか、本発明では各実施形態で示した
構成を相互に組合せる等により、種々の態様での実施が
可能である。
【0077】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、伝熱管にオリフィス、多孔板またはフィンを設ける
ことにより、配管メタル温度を低減することができ、こ
れにより、高温流体を扱う熱交換器の信頼性を高めるこ
とができる。また、各構成を組合せて適用することによ
り、さらにメタル温度の低減が可能となり、さらなる熱
交換器の信頼性向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図2】本発明の第1実施形態の熱交換器の温度分布
図。
【図3】本発明の第2実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図4】本発明の第3実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図5】(A),(B),(C)は図4のA−A線に沿
う多孔板の拡大断面図。
【図6】本発明の第4実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図7】本発明の第5実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図8】本発明の第6実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図9】本発明の第7実施形態の熱交換器を示す概略断
面図。
【図10】本発明の第8実施形態の熱交換器を示す概略
断面図。
【図11】本発明の第9実施形態の熱交換器を示す概略
断面図。
【図12】石炭間接焚コンバインドサイクルを示す系統
図。
【図13】図12に示した系統における熱交換器の概略
断面図。
【符号の説明】 21 熱交換器 22 ダクト 23,23a,23b,23c 伝熱管 24 ヘッダ 25 スタブチューブ 26,26a,26b,26c オリフィス 27,27a,27b,27c 多孔板 28,28a,28b,28c 小孔 29,29a,29b,29c フィン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の加熱流体を一方向に流通させるダ
    クトと、このダクトを前記加熱流体の流通方向と直交す
    る方向に沿って貫通し、かつ前記ダクト内の前記加熱流
    体流通方向に間隔的に配置された被加熱流体流通用の複
    数の伝熱管とを備え、前記伝熱管の加熱流体流通方向で
    隣接する2以上のものを組としてダクト外部のヘッダに
    それぞれ連結して複数のパスを構成し、前記ダクトの加
    熱流体下流側に位置するパスから同ダクトの加熱流体上
    流側に位置するパスへと前記被加熱流体を順次に流通さ
    せて熱交換を行わせる熱交換器において、前記ダクトの
    加熱流体上流側に配置される同一パスに属する2以上の
    伝熱管のうち、加熱流体上流側のものと下流側のものと
    で管壁への受熱量の差を与える受熱量差設定手段を設け
    たことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱交換器において、受熱
    量差設定手段は伝熱管内の被加熱流体入口部に設けられ
    たオリフィスであり、このオリフィスによって被加熱流
    体の流量を、加熱流体上流側に位置する伝熱管で大きく
    設定し、加熱流体の流れ方向に沿って次第に小さく設定
    したことを特徴とする熱交換器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の熱交換器において、オリ
    フィスの開口径を、加熱流体上流に位置する伝熱管で大
    きく、加熱流体の流れ方向に沿って次第に小さく設定
    し、またはオリフィスの枚数を、加熱流体上流側の伝熱
    管で少なく、加熱流体の流れ方向に沿って次第に多く設
    定し、もしくは前記開口径と枚数の両条件を備えた設定
    としたことを特徴とする熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱交換器において、受熱
    量差設定手段は伝熱管内の被加熱流体入口部に設けられ
    た多孔板であり、この多孔板によって被加熱流体の流量
    を、加熱流体上流側に位置する伝熱管で大きく設定し、
    加熱流体の流れ方向に沿って次第に小さく設定したこと
    を特徴とする熱交換器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の熱交換器において、多孔
    板の開口面積を、加熱流体上流に位置する伝熱管で大き
    く、加熱流体の流れ方向に沿って次第に小さく設定し、
    または多孔板の枚数を、加熱流体上流側の伝熱管で少な
    く、加熱流体の流れ方向に沿って次第に多く設定し、も
    しくは前記開口面積と枚数の両条件を備えた設定とした
    ことを特徴とする熱交換器。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱交換器において、受熱
    量差設定手段は伝熱管の外表面に設けられた熱交換用の
    フィンであり、このフィンによって管外側熱伝達係数
    を、加熱流体上流側に位置する伝熱管で低く設定し、加
    熱流体の流れ方向に沿って次第に高く設定したことを特
    徴とする熱交換器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の熱交換器において、フィ
    ンの突出長さを、加熱流体上流側に位置する伝熱管で小
    さく、加熱流体の流れ方向に沿って次第に大きく設定
    し、またはフィンの枚数を、加熱流体上流側の伝熱管で
    少なく、加熱流体の流れ方向に沿って次第に多く設定
    し、もしくは前記高さと枚数の両条件を備えた設定とし
    たことを特徴とする熱交換器。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の熱交換器におい
    て、フィンの突出長さを伝熱管の被加熱流体入口部で大
    きくするとともに、被加熱流体の流れ方向に沿って次第
    に小さくし、かつ被加熱流体出口部で最も小さくしたこ
    とを特徴とする熱交換器。
  9. 【請求項9】 請求項6から8までのいずれかに記載の
    熱交換器において、伝熱管の長さ方向に沿う単位長さあ
    たりのフィン枚数を、被加熱流体入口部で最も多くする
    とともに、被加熱流体の流れ方向に沿って次第に少なく
    し、被加熱流体出口部で最も少なくしたことを特徴とす
    る熱交換器。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれかに記載
    の熱交換器において、受熱量差設定手段は、ダクトの加
    熱流体入口部に最も近い配置の伝熱管以外の伝熱管に設
    けたことを特徴とする熱交換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075908A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Noritz Corp 温水装置
JP2018162917A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 日新製鋼株式会社 ガス予熱装置の操業方法
WO2021018693A3 (de) * 2019-07-30 2021-04-01 Aixtron Se Gasverteiler für einen cvd-reaktor

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