JPH11230299A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JPH11230299A
JPH11230299A JP3861898A JP3861898A JPH11230299A JP H11230299 A JPH11230299 A JP H11230299A JP 3861898 A JP3861898 A JP 3861898A JP 3861898 A JP3861898 A JP 3861898A JP H11230299 A JPH11230299 A JP H11230299A
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JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
input shaft
shaft
speed
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Application number
JP3861898A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
Takashi Imanishi
尚 今西
Shinji Miyata
慎司 宮田
Takashi Machida
尚 町田
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性及び伝達効率を有し、且つ、小
型・軽量な構造を実現する。 【解決手段】 駆動軸33と同心の入力軸15の周囲に
トロイダル型無段変速機34を設け、出力軸36の周囲
に遊星歯車機構37を設ける。この出力軸36を、上記
入力軸15の斜め上方に配置する。この様な配置によ
り、空間の有効利用を図り、小型・軽量化を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
の変速機として利用する、トロイダル型無段変速機を組
み込んだ無段変速装置の改良に関し、小型で、しかもト
ロイダル型無段変速機の構成部材の耐久性を確保できる
構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用変速機として、図5〜6
に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が
研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例え
ば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に入力ディスク2を支持し、この入
力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対
し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するト
ラニオン6、6を設けている。
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6の両端部
外側面には、上記枢軸5、5を、互いに同心に設けてい
る。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7
の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として各トラ
ニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の
傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6
に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーロ
ーラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら
各パワーローラ8、8を、上記入力、出力両ディスク
2、4の間に挟持している。これら入力、出力両ディス
ク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞ
れ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を当該ディスク
の中心軸を中心に回転させて得られる凹面をなしてい
る。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ8、
8の周面8a、8aを、上記両内側面2a、4aに当接
させている。
【0004】上記入力軸1と入力ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力ディスク2を出力ディスク4
に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成している。上記カム板10の片側面(図
5〜6の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカ
ム面13を形成し、上記入力ディスク2の外側面(図5
〜6の右側面)にも、同様のカム面14を形成してい
る。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入
力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自
在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、カム面13によって複数個のローラ12、12
が、入力ディスク2の外側面に形成したカム面14に押
圧される。この結果、上記入力ディスク2が上記複数の
パワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対の
カム面13、14と複数個のローラ12、12との押し
付け合いに基づいて、上記入力ディスク2が回転する。
そして、この入力ディスク2の回転が、上記複数のパワ
ーローラ8、8を介して出力ディスク4に伝達され、こ
の出力ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】上記入力軸1と出力軸3との間の回転速度
比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3
との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心とし
て各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、
8の周面8a、8aが図5に示す様に、入力ディスク2
の内側面2aの中心寄り部分と出力ディスク4の内側面
4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位
軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合に
は、上記トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ
8、8の周面8a、8aが図6に示す様に、入力ディス
ク2の内側面2aの外周寄り部分と出力ディスク4の内
側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、
各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角
度を図5と図6との中間にすれば、入力軸1と出力軸3
との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図7〜8は、実願昭63−69293
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力ディスク2と出力ディスク4
とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸
受16、16を介して、回転自在に支持している。又、
カム板10は上記入力軸15の端部(図7の左端部)外
周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記入力デ
ィスク2から離れる方向への移動を阻止している。そし
て、このカム板10とローラ12、12とにより、上記
入力軸15の回転に基づいて上記入力ディスク2を、上
記出力ディスク4に向け押圧しつつ回転させる押圧装置
9を構成している。上記出力ディスク4には出力歯車1
8を、キー19、19により結合し、これら出力ディス
ク4と出力歯車18とが同期して回転する様にしてい
る。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図7の表裏方
向、図8の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔21、21部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部22、22と枢支軸部23、23とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部22、22を上記各円孔2
1、21の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を
介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部
23、23の周囲にパワーローラ8、8を、別のラジア
ルニードル軸受25、25を介して、回転自在に支持し
ている。
【0009】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部23、23が各支持
軸部22、22に対し偏心している方向は、上記入力、
出力両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図8で
左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸
15の配設方向に対しほぼ直交する方向としている。従
って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の
配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結
果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大きな荷重
に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因して、上
記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図
7の左右方向、図8の表裏方向)に変位する傾向となっ
た場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える事な
く、この変位を吸収できる。
【0010】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。又、上記各スラストニードル軸受2
7、27は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラ
スト玉軸受26、26を構成する外輪28、28に加わ
るスラスト荷重を支承しつつ、前記各枢支軸部23、2
3及び上記外輪28、28が、前記支持軸部22、22
を中心に揺動する事を許容する。
【0011】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図8の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29、29を
結合し、これら各駆動ロッド29、29の中間部外周面
に駆動ピストン30、30を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン30、30を、それぞれ駆動シリン
ダ31、31内に油密に嵌装している。
【0012】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の運転時に、入力軸15の回転は、押圧装置9を介し
て入力ディスク2に伝わる。そして、この入力ディスク
2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して出力デ
ィスク4に伝わり、更にこの出力ディスク4の回転が、
出力歯車18より取り出される。入力軸15と出力歯車
18との間の回転速度比を変える場合には、上記1対の
駆動ピストン30、30を互いに逆方向に変位させる。
これら各駆動ピストン30、30の変位に伴って上記1
対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例
えば図8の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図
の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位
する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面8
a、8aと上記入力ディスク2及び出力ディスク4の内
側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の
向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って
上記各トラニオン6、6が、支持板20、20に枢支さ
れた枢軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動す
る。この結果、前述の図5〜6に示した様に、上記各パ
ワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2
a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力
歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0013】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車1
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部22、22を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪2
8、28の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受27、27が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
【0014】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−282
266号公報に記載されている様に、従来から提案され
ている。図9は、この様な従来から提案されている無段
変速装置の基本構成を略示している。駆動源であるエン
ジン32の駆動軸33(クランクシャフト)は、上述し
た図7〜8に示す様な構成を有するトロイダル型無段変
速機34の入力軸15(図7〜8参照)に結合してい
る。又、デファレンシャルギヤ35(本発明の実施の形
態を示す図1参照)を介して駆動輪を駆動する為の出力
軸36は、遊星歯車機構37を構成する太陽歯車38
(図1参照)に結合固定して、この太陽歯車38と共に
回転する様にしている。
【0015】又、上記トロイダル型無段変速機34の出
力ディスク4(図1、5、6、7参照)と上記遊星歯車
機構37を構成するキャリア39(図1〜2参照)とを
第一の動力伝達機構41により、回転力の伝達を可能な
状態に接続している。又、上記駆動軸33及び入力軸1
5と上記遊星歯車機構37を構成するリング歯車42
(図1〜2参照)とを第二の動力伝達機構43により、
回転力の伝達を可能な状態に接続自在としている。更
に、上記駆動軸33及び入力軸15と出力軸36との間
の変速状態を、高速走行モードと低速走行モードと後退
モードとの3種類のモードに切り換え自在な、切換手段
とを備える。そして、上記第一の動力伝達機構41の減
速比βと上記第二の動力伝達機構43の減速比αとの比
β/αを、上記トロイダル型無段変速機34の最大増速
時の減速比(図5に示した状態での入力軸1と出力軸3
との間の減速比)iH とほぼ同じとしている。
【0016】上述の図9に示す様な無段変速装置は、所
謂パワー・スプリット型と呼ばれるもので、低速走行モ
ードでは上記駆動軸33及び入力軸15と出力軸36と
の間の動力を、総て上記トロイダル型無段変速機34を
通じて伝達する。これに対して高速走行モードでは、動
力を上記遊星歯車機構37を介して伝達し、この動力の
一部をこの遊星歯車機構37から上記トロイダル型無段
変速機34に循環させる。即ち、低速走行時には前記エ
ンジン32の駆動力を上記トロイダル型無段変速機34
のみで伝達し、高速走行時には上記駆動力を上記遊星歯
車機構37で伝達する事により、高速走行時に上記トロ
イダル型無段変速機34に加わるトルクの低減を図る様
にしている。この様に構成する事により、上記トロイダ
ル型無段変速機34の構成各部材の耐久性を向上させる
と同時に、無段変速装置全体としての伝達効率の向上を
図れる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な、パワー
・スプリット型と呼ばれる無段変速装置は、高速走行時
にトロイダル型無段変速機を通じて伝達するトルクの軽
減を図り、耐久性の向上と伝達効率の向上とを図れる反
面、第一、第二の動力伝達機構を設ける事に伴って、構
造が複雑になり、小型・軽量化を図りにくい。例えば、
無段変速装置の軸方向寸法の短縮を図るべく、上記第
一、第二の動力伝達機構の軸方向寸法を小さくする為に
は、これら各動力伝達機構を、ベルトやチェンによる伝
達機構ではなく、歯車伝達機構にする事が好ましい。一
方、歯車伝達機構を採用した場合には、歯車を大径化す
る事なく、互いに離隔した駆動側回転軸と従動側回転軸
との間での回転力の伝達を自在とすると共に、回転方向
を所望の方向に規制する為、駆動側の歯車と従動側の歯
車との間にアイドル歯車を設置する必要がある。そし
て、この様なアイドル歯車を設置する事に基づき、この
アイドル歯車を支持する為のアイドル軸が必要になり、
このアイドル軸を配置する事が難しくなる。本発明は、
この様な事情に鑑み、高速走行時にトロイダル型無段変
速機を通じて伝達するトルクの軽減を図れ、しかも小型
且つ軽量に構成できる、実用的な構造を実現すべく発明
したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置
は、駆動源に接続される入力軸及び駆動すべき部分に接
続される出力軸と、入力ディスクと出力ディスクとの間
に挟持した複数個のパワーローラの傾斜角度を変える事
により上記入力ディスクと出力ディスクとの間の変速比
を変えるトロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構と、
これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを連結
する1対の動力伝達機構と、上記入力軸と出力軸との間
の変速状態を高速走行モードと低速走行モードと後退モ
ードとの3種類のモードに切り換え自在な切換手段とを
備える。そして、低速走行モードでは上記入力軸と出力
軸との間の動力を総て上記トロイダル型無段変速機を通
じて伝達し、高速走行モードでは動力を上記遊星歯車機
構により伝達すると共に、一部の動力をこの遊星歯車機
構を介して上記トロイダル型無段変速機に循環させる。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、上記トロイダ
ル型無段変速機を上記入力軸と同軸に配置すると共に、
上記遊星歯車機構の中心軸をこの入力軸よりも斜め上方
に配置している。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置の作
用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、入力軸
と出力軸との間の動力を総て上記トロイダル型無段変速
機を通じて伝達する。この為に例えば、遊星歯車機構を
構成する太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの何
れかの部材同士を結合し、これら太陽歯車とリング歯車
とキャリアとを、太陽歯車を中心として一体的に回転さ
せる。この状態ではトロイダル型無段変速機のみが、入
力軸から出力軸に動力を伝達する。この低速走行時に入
力、出力両ディスク同士の間の変速比を変換する際の作
用は、前述の図5〜8に示した従来のトロイダル型無段
変速機の場合と同様である。勿論、この状態では、上記
入力軸と出力軸との間の変速比、即ち無段変速装置全体
としての変速比は、トロイダル型無段変速機の変速比に
比例する。又、この状態では、このトロイダル型無段変
速機に入力されるトルクは、上記入力軸に加えられるト
ルクに等しくなる。
【0020】これに対して、高速走行時には、動力を上
記遊星歯車機構により伝達すると共に、一部の動力をこ
の遊星歯車機構を介して上記トロイダル型無段変速機に
循環させる。この状態では、上記トロイダル型無段変速
機の出力ディスクに、この遊星歯車機構を構成するキャ
リアからトルクが伝わる。又、この状態では、上記無段
変速装置全体としての変速比は、遊星歯車の公転速度に
応じて変化する。そこで、上記トロイダル型無段変速機
の変速比を変えて、上記遊星歯車の公転速度を変えれ
ば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節でき
る。即ち、この状態では、トロイダル型無段変速機の変
速比を減速側に変化させる程、無段変速装置全体の変速
比は増速側に変化する。この様な高速走行時の状態で
は、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべ
く、トロイダル型無段変速機の変速比を減速側に変化さ
せる程、このトロイダル型無段変速機に入力されるトル
クが小さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダ
ル型無段変速機に入力されるトルクを小さくして、この
トロイダル型無段変速機の構成部品の耐久性向上を図れ
る。
【0021】特に、本発明の場合には、上記トロイダル
型無段変速機を上記入力軸と同軸に配置すると共に、上
記遊星歯車機構の中心軸をこの入力軸よりも斜め上方に
配置している為、構成各部材を効率良く配置して、無段
変速装置の小型・軽量化を図れる。即ち、中心軸に対し
直角方向に存在する鉛直面に関する断面積が嵩むトロイ
ダル型無段変速機の中心軸と遊星歯車機構の中心軸と
を、水平方向及び鉛直方向に関し互いにずれた方向に配
置しているので、これらトロイダル型無段変速機及び遊
星歯車機構を含む無段変速装置の幅及び高さを小さくで
きる。そして、アイドル歯車及びアイドル軸を、上記ト
ロイダル型無段変速機の上方で上記遊星歯車機構の側方
に、デファレンシャルギヤ等につながる出力部を、上記
遊星歯車機構の端部下方に、それぞれ配置できるので、
空間の有効利用を図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。尚、車両への設置状態では、図3
の上下方向と鉛直方向とがほぼ一致する。本発明の無段
変速装置は、駆動源であるエンジン32(図9参照)の
駆動軸33(クランクシャフト)につながって、このエ
ンジン32により回転駆動される入力軸15を備える。
この入力軸15の入力側端部(図1の左端部)と上記駆
動軸33の出力側端部(図1の右端部)との間には、ト
ルクコンバータ等の発進クラッチ(図示省略)及び緩衝
継手45を、これら駆動軸33及び入力軸44に対し直
列に設けている。従って、これら駆動軸33と入力軸4
4とを、互いに同心に配置している。これに対して、上
記入力軸15の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸
36を、この入力軸15と平行に配置している。そし
て、このうちの入力軸15の周囲にトロイダル型無段変
速機34を、上記出力軸36の周囲に遊星歯車機構37
を、それぞれ設けている。
【0023】上記トロイダル型無段変速機34に付属の
ローディングカム式の押圧装置9を構成するカム板10
は、上記入力軸15の中間部で入力ディスク2の外側面
(図1の左側面)から突出した部分にスプライン係合
(図示の例ではボールスプライン)させると共に、上記
入力軸15の中間部に螺合させたローディングナット4
6及び後述する第二駆動歯車68により、上記入力ディ
スク2から離れる方向への軸方向に亙る移動を阻止した
状態で、上記入力軸15に支持している。又、上記トロ
イダル型無段変速機34を構成する入力ディスク2と出
力ディスク4とは、上記入力軸15の周囲に、ニードル
軸受16、16により、この入力軸15に対し、互いに
独立した回転並びに軸方向に亙る若干の変位自在に支持
している。そして、上記カム板10の片面(図1の右
面)に形成したカム面13と入力ディスク2の外側面に
形成したカム面14との間にローラ12、12を挟持
し、上記押圧装置9を構成している。従って、上記入力
ディスク2は上記入力軸15の回転に伴い、上記出力デ
ィスク4に向け押圧されつつ回転する。上記ローディン
グナット46は、上記押圧装置9の作動時に、上記カム
板10に加わる大きなスラスト荷重を支承する。又、こ
のカム板10と上記第二駆動歯車68との間には、皿板
ばね等の予圧ばね47を設けて、上記押圧装置9、並び
に上記入力ディスク2と出力ディスク4との間に挟持し
た、次述するパワーローラ8、8に、予圧を付与してい
る。
【0024】又、上記入力ディスク2の内側面2aと上
記出力ディスク4の内側面4aとの間に複数個(通常2
〜3個)のパワーローラ8、8を挟持し、これら各パワ
ーローラ8、8の周面8a、8aと上記両内側面2a、
4aとを当接させている。これら各パワーローラ8、8
は、トラニオン6、6及び変位軸7、7により、回転及
び揺動自在に支持している。上記トロイダル型無段変速
機34は、従来から広く知られているトロイダル型無段
変速機と同様に、上記トラニオン6、6を揺動させて上
記各パワーローラ8、8を支持している変位軸7、7の
傾斜角度を変える事により、上記入力ディスク2と上記
出力ディスク4との間の変速比を変える。
【0025】又、前記遊星歯車機構37を構成する太陽
歯車38は、前記出力軸36の中間部に固設している。
従ってこの出力軸36は、上記太陽歯車38の回転に伴
って回転する。この太陽歯車38の周囲にはリング歯車
42を、上記太陽歯車38と同心に、且つ回転自在に支
持している。そして、このリング歯車42の内周面と上
記太陽歯車38の外周面との間に、複数個(通常は3〜
4個)の遊星歯車組48、48を設けている。図示の例
ではこれら各遊星歯車組48、48は、それぞれ1対ず
つの遊星歯車49a、49bを組み合わせて成る。これ
ら1対ずつの遊星歯車49a、49bは、互いに噛合す
ると共に、外径側に配置した遊星歯車49aを上記リン
グ歯車42に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車49
bを上記太陽歯車38に噛合させている。この様に各遊
星歯車組48、48をそれぞれ1対ずつの遊星歯車49
a、49bにより構成するのは、上記リング歯車42と
太陽歯車38との回転方向を一致させる為である。従っ
て、他の構成部分との関係で、これらリング歯車42と
太陽歯車38との回転方向を一致させる必要がなけれ
ば、単一の遊星歯車をこれらリング歯車42と太陽歯車
38との両方に噛合させても良い。
【0026】上述の様な遊星歯車組48、48は、キャ
リア39の片側面(図1の左側面)に、上記出力軸36
と平行な枢軸50a、50bにより、回転自在に支持し
ている。又、上記キャリア39は、上記出力軸36の中
間部に、第一スリーブ51と低速用クラッチ52とを介
して、回転自在に支持している。このうちの第一スリー
ブ51は上記出力軸36の中間部周囲に、それぞれニー
ドル軸受等の転がり軸受である、それぞれ1対ずつのラ
ジアル軸受53、53及びスラスト軸受54、54によ
り、回転自在に支持している。又、湿式多板クラッチで
ある、上記低速用クラッチ52は、上記第一スリーブ5
1の外周面に固定したクラッチケース55と、上記出力
軸36の中間部外周面に固定した回転板56とを備え
る。そして、上記クラッチケース55の外周縁部に形成
した外側円筒部57の内周面にスプライン係合させた外
側摩擦板58、58と、上記回転板56の外周縁部に形
成した内側円筒部59の外周面にスプライン係合させた
内側摩擦板60、60とを、軸方向に亙り交互に配置し
ている。更に、上記外側円筒部57の内周面でこれら両
摩擦板58、60の軸方向一端側(図1〜2の左端側)
に固定板61を固定し、上記クラッチケース55の内側
で上記両摩擦板58、60の軸方向他端側(図1〜2の
右端側)にクラッチピストン62を、軸方向に亙る移動
自在に設けている。この様に構成する上記低速用クラッ
チ52は、上記第一スリーブ51に設けた給排孔63を
通じての圧油の送り込みにより接続され、同じく排出に
より接続を断たれる。
【0027】又、上記第一スリーブ51と前記出力ディ
スク4とを、第一の動力伝達機構41により、回転力の
伝達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達
機構41は、上記出力ディスク4に対してスプライン係
合させた第一駆動歯車64と、上記第一スリーブ51の
周囲にスプライン係合させた第一従動歯車65と、これ
ら第一駆動歯車64と第一従動歯車65とに噛合させた
アイドル歯車66とから構成している。従って、上記低
速用クラッチ52の接続時に、上記第一スリーブ51及
び前記キャリア39は、上記出力ディスク4の回転に伴
って、この出力ディスク4と同方向に、上記第一駆動歯
車64と第一従動歯車65との歯数の比に応じた速度で
回転する。
【0028】一方、前記入力軸15と前記リング歯車4
2とは、第二の動力伝達機構43と高速用クラッチ67
とを介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自在とし
ている。このうちの第二の動力伝達機構43は、上記入
力軸44の中間部にスプライン係合させて前記ローディ
ングナット46により抑え付けた第二駆動歯車68と、
前記出力軸36の周囲に、この出力軸36に対する回転
自在に支持した第二従動歯車69とを、互いに噛合させ
る事により構成している。このうちの第二従動歯車69
を設ける為、上記出力軸36の周囲に第二スリーブ70
を、それぞれニードル軸受等の転がり軸受である、それ
ぞれ1対ずつのラジアル軸受71、71及びスラスト軸
受72、72により、回転自在に支持している。この様
な第二スリーブ70は、上記入力軸15の回転に伴っ
て、この入力軸15と反対方向に、上記第二駆動歯車6
8と第二従動歯車69との歯数の比に応じた速度で回転
する。尚、前記第一の動力伝達機構41の減速比βと上
記第二の動力伝達機構43の減速比αとの比β/αは、
前記トロイダル型無段変速機34の最大増速時の減速比
H (図4に示した状態での入力ディスク2と出力ディ
スク4との減速比で、例えば0.5程度)とほぼ同じと
している。例えば、α=1とすれば、β≒iHにする。
この理由は、後述する低速モードと高速モードとの間で
の切り換え時に、無段変速装置全体としての変速比が不
連続になる事を防止若しくはその程度を低減する為であ
る。
【0029】又、湿式多板クラッチである、上記高速用
クラッチ67は、上記第二スリーブ70の外周面に固定
したシリンダ73及び支持環74を備える。そして、上
記リング歯車42に形成した外側円筒部75の内周面に
スプライン係合させた外側摩擦板76、76と、上記支
持環74の外周縁部に形成した内側円筒部77の外周面
にスプライン係合させた内側摩擦板78、78とを、軸
方向に亙り交互に配置している。更に、上記外側円筒部
75の内周面でこれら両摩擦板76、78の軸方向一端
側(図1〜2の右端側)に固定板79を固定し、これら
両摩擦板76、78に関して上記シリンダ73と反対側
に位置する、上記シリンダ73の内側にはクラッチピス
トン80を、軸方向に亙る移動自在に設けている。この
様に構成する上記高速用クラッチ67は、上記第二スリ
ーブ70に設けた給排孔81を通じての圧油の送り込み
により接続され、同じく排出により接続を断たれる。
【0030】又、本発明の無段変速装置は、高速走行モ
ードと低速走行モードと後退モードとの3種類のモード
を切り換える切換手段を備える。図示の例ではこの切換
手段を、上述した高速用クラッチ67及び前述した低速
用クラッチ52と、後退用クラッチ82との、3個のク
ラッチにより構成している。やはり湿式多板クラッチで
ある、この後退用クラッチ82は、無段変速装置を収納
したハウジング83の内側に固定した、断面コ字形で円
環状のシリンダ84と、このシリンダ84に嵌装した円
環状のクラッチピストン85とを備える。そして、上記
リング歯車42の外周面にスプライン係合させた内側摩
擦板86、86と、上記ハウジング84に固定の部分の
内周面にスプライン係合させた外側摩擦板87、87と
を、軸方向に亙り交互に配置している。又、これら両摩
擦板86、87に関して上記クラッチピストン85と反
対側に固定板88を設け、これらクラッチピストン85
と固定板88とにより、上記両摩擦板86、87を軸方
向両側から挟持自在としている。この様に構成する上記
後退用クラッチ82は、上記シリンダ84内への圧油の
送り込みにより接続され、同じく排出により接続を断た
れる。
【0031】これら3個のクラッチ67、52、82
は、後述する様に、実現すべきモードに応じて何れか1
個のクラッチのみを接続し、残る2個のクラッチは接続
を断つ。尚、前述した低速用クラッチ52は、接続時に
遊星歯車機構37を構成する前記各歯車38、42、4
9a、49b同士が相対変位する事を阻止し、前記キャ
リア39と前記太陽歯車38とを同期して回転させるも
のである。この為に上記低速用クラッチ52は、接続に
伴って遊星歯車機構37の構成部材同士の相対変位を阻
止自在な位置に設ける。図示の例では上記低速用クラッ
チ52を、上記キャリア39と太陽歯車38との間に設
けている。この様な低速用クラッチ52は、接続時に
は、上記遊星歯車機構37を構成する太陽歯車38とリ
ング歯車42と遊星歯車組48、48との相対変位を阻
止し、これら太陽歯車38とリング歯車42と遊星歯車
組48、48を支持したキャリア39を一体的に結合す
る。これら高速用クラッチ67と低速用クラッチ52と
は、何れか一方のクラッチが接続された場合には、他方
のクラッチの接続が断たれる様に、制御回路(油圧、電
気)を構成している。尚、上記低速用クラッチ52は、
上述の様に、接続時に上記太陽歯車38とリング歯車4
2と遊星歯車組48、48との相対変位を阻止できるも
のであれば良く、図示の様な部位の他にも、太陽歯車3
8とリング歯車42との間、リング歯車42とキャリア
39との間等に設ける事もできる。
【0032】又、前記後退用クラッチ82は、上記低速
用クラッチ52と高速用クラッチ67との何れか一方が
接続された状態では、接続が断たれる。又、この後退用
クラッチ82が接続された状態では、上記低速用クラッ
チ52と高速用クラッチ67とは、何れも接続が断たれ
る。即ち、前記図示しない発進クラッチを除く、残り3
個のクラッチ52、67、82は、何れか1個が接続さ
れると、残り2個のクラッチの接続は断たれる。
【0033】更に、前記出力軸36とデファレンシャル
ギヤ35とを、この出力軸36の端部に固定した第三駆
動歯車89と第三従動歯車90とにより構成する第三の
動力伝達機構91により接続している。従って、上記出
力軸36が回転すると、これら第三の動力伝達機構91
及びデファレンシャルギヤ35を介して左右1対の駆動
車軸92、92が回転し、自動車の駆動輪を回転駆動さ
せる。
【0034】本発明の無段変速装置の構成各部の構造は
以上の通りであるが、特に本発明の無段変速装置の場合
には、小型・軽量化を図る為に、構成各部材の配置を工
夫している。先ず第一に、前記トロイダル型無段変速機
34を、前記入力軸15の片半部(図1の右半部)周囲
に配置する事により、このトロイダル型無段変速機34
を、上記入力軸15と同心に配置している。又、この入
力軸15は、前記駆動軸33と同心に配置している。従
って、上記トロイダル型無段変速機34は、この駆動軸
33と同心に配置している。又、前記遊星歯車機構37
の中心軸となる、前記出力軸36を、上記入力軸15の
斜め上方位置に設けている。第二に、上記トロイダル型
無段変速機34の変速比を変換すべく、トラニオン6、
6を軸方向(図3の上下方向)に変位させる為の駆動シ
リンダ31、31を内蔵したシリンダブロック93及
び、これら各駆動シリンダ31、31への圧油の給排を
制御する為の制御弁を内蔵したバルブボディー94を、
上記入力軸44よりも上方に配置している。第三に、上
記入力軸44と出力軸36との回転方向を一致させるべ
く、前記第一の動力伝達機構41の中間にアイドラ歯車
66を設けると共に、このアイドル歯車66を支持した
アイドル軸95を、上記シリンダブロック93と上記バ
ルブボディー94との境界部分を貫通させた状態で配置
している。
【0035】上述の様に構成する本例の無段変速装置の
作用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、前記
低速用クラッチ52を接続すると共に、前記高速用クラ
ッチ67及び後退用クラッチ82の接続を断つ。この状
態で前記発進クラッチを接続し、上記入力軸15を回転
させると、トロイダル型無段変速機34のみが、この入
力軸15から出力軸36に動力を伝達する。即ち、低速
用クラッチ52の接続に伴って、前記太陽歯車38とキ
ャリア39とが一体的に結合され、前記遊星歯車機構3
7を構成する各歯車38、42、49a、49b同士の
相対回転が不能になる。又、上記高速用クラッチ67及
び後退用クラッチ82の接続が断たれる事により、上記
リング歯車42は、上記入力軸44の回転速度に関係な
く回転自在となる。
【0036】従って、この状態で上記入力軸15を回転
させると、この回転は前記押圧装置9を介して入力ディ
スク2に伝わり、更に複数のパワーローラ8、8を介し
て出力ディスク4に伝わる。更に、この出力ディスク4
の回転は、前記第一の動力伝達機構41を構成する第一
駆動歯車64、アイドラ歯車66、第一従動歯車65、
前記第一スリーブ51、及び低速用クラッチ52を介し
て、キャリア39及び前記各遊星歯車49a、49bに
伝わる。上述の様にこの状態では、遊星歯車機構37を
構成する各歯車38、42、49a、49b同士の相対
回転が不能になっているので、上記出力軸36が、上記
キャリア39と同じ速度で回転する。
【0037】この様な低速走行時に、入力、出力両ディ
スク2、4同士の間の変速比を変える際の作用は、前述
の図5〜8に示した従来のトロイダル型無段変速機の場
合と同様である。勿論、この状態では、上記入力軸15
と出力軸36との間の変速比、即ち、無段変速装置全体
としての変速比は、トロイダル型無段変速機34の変速
比に比例する。又、この状態では、このトロイダル型無
段変速機34に入力されるトルクは、上記入力軸44に
加えられるトルクに等しくなる。尚、低速走行時には、
前記第二の動力伝達機構43を構成する第二駆動歯車6
8及び第二従動歯車69は、空回りするだけである。
【0038】これに対して、高速走行時には、前記高速
用クラッチ67を接続すると共に、前記低速用クラッチ
52及び後退用クラッチ82の接続を断つ。この状態で
前記発進クラッチを接続し、上記入力軸15を回転させ
ると、この入力軸44から前記出力軸36には、上記第
二の動力伝達機構43を構成する第二駆動歯車68及び
第二従動歯車69と前記遊星歯車機構37とが、動力を
伝達する。
【0039】即ち、上記高速走行時に上記入力軸44が
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達機構43並
びに高速用クラッチ67を介してリング歯車42に伝わ
り、このリング歯車42を回転させる。そして、このリ
ング歯車42の回転が複数の遊星歯車組48、48を介
して太陽歯車38に伝わり、この太陽歯車38を固設し
た上記出力軸36を回転させる。上記リング歯車42が
入力側となった場合に上記遊星歯車機構37は、上記各
遊星歯車組48、48が停止している(太陽歯車38の
周囲で公転しない)と仮定すれば、上記リング歯車42
と太陽歯車38との歯数の比に応じた変速比で増速を行
なう。但し、上記各遊星歯車組48、48は上記太陽歯
車38の周囲を公転し、無段変速装置全体としての変速
比は、これら各遊星歯車組48、48の公転速度に応じ
て変化する。そこで、上記トロイダル型無段変速機34
の変速比を変えて、上記遊星歯車組48、48の公転速
度を変えれば、上記無段変速装置全体としての変速比を
調節できる。
【0040】即ち、図示の例では、上記高速走行時に上
記各遊星歯車組48、48が、上記リング歯車42と同
方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組48、4
8の公転速度が遅い程、上記太陽歯車38を固定した出
力軸36の回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度
とリング歯車42の回転速度(何れも角速度)が同じに
なれば、上記リング歯車42の回転速度と出力軸36の
回転速度とが同じになる。これに対して、上記公転速度
がリング歯車42の回転速度よりも遅ければ、上記リン
グ歯車42の回転速度よりも出力軸36の回転速度が速
くなる。反対に、上記公転速度がリング歯車42の回転
速度よりも速ければ、上記リング歯車42の回転速度よ
りも出力軸36の回転速度が遅くなる。
【0041】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機34の変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機34に、入力ディスク2側からではなく、出力ディ
スク4側からトルクが加わる(低速時に加わるトルクを
プラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わ
る)。即ち、前記高速用クラッチ67を接続した状態で
は、前記エンジン32から入力軸15に伝達されたトル
クは、前記押圧装置9が前記入力ディスク2を押圧する
以前に、前記第二の動力伝達装置31を介して前記遊星
歯車機構37のリング歯車42に伝達される。従って、
入力軸15の側から上記押圧装置10を介して入力ディ
スク2に伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0042】一方、上記第二の動力伝達機構43を介し
て前記遊星歯車機構37のリング歯車42に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組48、48から、キ
ャリア39及び第一の動力伝達機構41を介して出力デ
ィスク4に伝わる。この様に出力ディスク4側からトロ
イダル型無段変速機34に加わるトルクは、無段変速装
置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダル
型無段変速機34の変速比を減速側に変化させる程小さ
くなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無段
変速機34に入力されるトルクを小さくして、このトロ
イダル型無段変速機34の構成部品の耐久性向上を図れ
る。
【0043】更に、自動車を後退させるべく、前記出力
軸36を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両ク
ラッチ52、67の接続を断つと共に、前記後退用クラ
ッチ82を接続する。この結果、上記リング歯車42が
固定され、上記各遊星歯車組48、48が、このリング
歯車42並びに前記太陽歯車38と噛合しつつ、この太
陽歯車38の周囲を公転する。この結果、この太陽歯車
38並びにこの太陽歯車38を固定した出力軸36が、
前述した高速走行時並びに上述した低速走行時とは逆方
向に回転する。
【0044】尚、図4は、上述の様な無段変速装置によ
り、無段変速装置全体としての変速比(itotal)を連続
して変化させる場合に、トロイダル型無段変速機34の
変速比(icvt)と、このトロイダル型無段変速機34に
入力される入力トルク(Tin)と、無段変速装置の出力
軸36から取り出される出力トルク(Ts )とが変化す
る状態の1例を示している。これら各変速比(itotal)
(icvt)並びに各トルク(Tin)(Ts )の関係は、ト
ロイダル型無段変速機34の変速幅、遊星歯車機構37
の構造並びに歯数比、第二の動力伝達機構43の減速比
等に応じて変わる。本発明を実施する場合にこれらの値
並びに構造は、設計的に定める。図4に記載した各線を
得る為の条件としては、トロイダル型無段変速機34の
変速幅を凡そ4倍(0.5〜2.0)とし、遊星歯車機
構37はそれぞれが1対ずつの遊星歯車49a、49b
から成る遊星歯車組48、48を備え、第二の動力伝達
機構43の減速比は凡そ2であるとして計算した。又、
低速用クラッチ52と高速用クラッチ67との切り換え
は、無段変速装置全体としての変速比(itotal)が1の
場合に行なうとした。
【0045】尚、実際の無段変速装置を構成する場合に
は、無段変速装置全体としての変速比(itotal)が1の
場合に常に低速用クラッチ52と高速用クラッチ67と
の切り換えを行なう様にすると、上記変速比(itotal)
が1の前後で走行している場合に、頻繁にこれら両クラ
ッチ52、67の切り換えが行なわれる。この様な事態
は、運転者に違和感を与えるだけでなく、これら各クラ
ッチ52、67の耐久性にも悪影響を及ぼす。従って、
実際の無段変速装置を構成する場合には、上記変速比
(itotal)が高くなる場合と低くなる場合とで上記各ク
ラッチ52、67の切り換えのタイミングを変える、所
謂ヒステリシスを設ける。例えば、上記変速比(itota
l)の値が小さくなる(変速比の値が図4の左から右に
変化する)際の切り換えのタイミングを、この値が大き
くなる(変速比の値が図4の右から左に変化する)際の
切り換えのタイミングよりも、変速比の値が小さい時点
と(図4の右側に)する。
【0046】上述の様な条件で試算した結果を示す図4
で、縦軸は、トロイダル型無段変速機34の変速比(ic
vt)並びに、トロイダル型無段変速機34の入力トルク
(Tin)、又は無段変速装置の出力トルク(Ts )と前
記エンジン32(図9)から前記入力軸15に伝えられ
るトルク(Te )との比(Tin/Te )(Ts /Te
を、横軸は、無段変速装置全体としての変速比(itota
l)を、それぞれ表している。尚、トロイダル型無段変
速機34の変速比(icvt)を示す値がマイナスなのは、
このトロイダル型無段変速機34に組み込んだ出力ディ
スク4の回転方向が入力軸15の回転方向と逆になる為
である。又、実線aは、上記トロイダル型無段変速機3
4の変速比(icvt)を、破線bは、上記出力トルク(T
s )と前記エンジン32から前記入力軸15に伝えられ
るトルク(Te )との比(Ts /Te )を、鎖線cは、
上記入力トルク(Tin)と前記エンジン32から上記入
力軸15に伝えられるトルク(Te )との比(Tin/T
e )を、それぞれ表している。この様な図4の記載から
明らかな通り、本発明の無段変速装置によれば、高速走
行時にトロイダル型無段変速機34に加わるトルクを小
さくできる。図4を求めた条件では、上記入力トルク
(Tin)を、最大限、上記エンジン32から前記入力軸
44に伝えられるトルク(Te )の14%程度にまで低
減できる。更に、条件を変える事により、10%程度ま
での低減が可能である。
【0047】又、上記トロイダル型無段変速機34の伝
達効率は90%弱であるが、高速走行時には、動力のう
ちの多くの割合を、伝達効率が高い(100%に近い)
遊星歯車機構37を介して伝達するので、無段変速機全
体としての伝達効率を高くできる。例えば、トロイダル
型無段変速機の伝達効率を90%(動力損失が10
%)、遊星歯車機構37の伝達効率を100%、入力軸
15から送り込まれたトルクのうち、トロイダル型無段
変速機34を通過するトルクの割合を10%とすると、
このトロイダル型無段変速機34部分での動力損失は
0.1×0.1=0.01=1%となり、無段変速機全
体としての伝達効率は100−1=99(%)と、きわ
めて高くなる。
【0048】又、本発明の無段変速装置の場合には、上
記トロイダル型無段変速機34を上記入力軸15と同軸
に配置すると共に、上記遊星歯車機構37の中心軸をこ
の入力軸15よりも斜め上方に配置している為、構成各
部材を効率良く配置して、無段変速装置の小型・軽量化
を図れる。即ち、中心軸に対し直角方向に存在する鉛直
面に関する断面積が嵩むトロイダル型無段変速機34の
中心軸となる入力軸15と、遊星歯車機構37の中心軸
となる出力軸36とを、水平方向及び鉛直方向に関し互
いにずれた方向に配置しているので、これらトロイダル
型無段変速機34及び遊星歯車機構37を含む無段変速
装置の幅及び高さを小さくできる。そして、前記アイド
ル歯車66及びアイドル軸95を、上記トロイダル型無
段変速機34の上方で上記遊星歯車機構37の側方に、
前記デファレンシャルギヤ35につながる出力部である
第三駆動歯車89及び第三従動歯車90を、上記遊星歯
車機構37の端部下方に、それぞれ配置できるので、空
間の有効利用を図れる。
【0049】又、駆動シリンダ31、31を内蔵したシ
リンダブロック93及び、これら各駆動シリンダ31、
31への圧油の給排を制御する為の制御弁を内蔵したバ
ルブボディー94を、上記入力軸44よりも上方に配置
している為、やはり、空間の有効利用を図れる。更に、
前記アイドル歯車66を支持したアイドル軸95を、上
記シリンダブロック93と上記バルブボディー94との
境界部分を貫通させた状態で配置している為、やはり空
間の有効利用により、無段変速装置の小型・軽量化を図
れる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、比較的簡単で、小型・軽量、且つ低コスト
で造れる構造にも拘らず、無段変速装置に組み込んだト
ロイダル型無段変速機の構成部品に加わる荷重を軽減し
て、耐久性の向上を図れる。特に、構成各部材の最適配
置により、空間の有効利用を図り、小型・軽量化をより
進める事ができる。又、伝達効率を高くして、自動車の
動力性能並びに燃費性能の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図3のA−
A断面図。
【図2】図1のB部拡大図。
【図3】構成各部材の配置状態を示す為、一部を省略
し、図1の右方から見た部分透視図。
【図4】トロイダル型無段変速機の変速比と無段変速装
置全体としての変速比と入力トルク及び出力トルクとの
関係を示す線図。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速機
を、最大減速時の状態で示す部分切断側面図。
【図6】同じく最大増速時の状態で示す部分切断側面
図。
【図7】従来から知られている具体的構造の1例を示す
断面図。
【図8】図7のC−C断面図。
【図9】本発明の対象となる無段変速装置の基本構成を
示すブロック図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 円孔 22 支持軸部 23 枢支軸部 24 ラジアルニードル軸受 25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 外輪 29 駆動ロッド 30 駆動ピストン 31 駆動シリンダ 32 エンジン 33 駆動軸 34 トロイダル型無段変速機 35 デファレンシャルギヤ 36 出力軸 37 遊星歯車機構 38 太陽歯車 39 キャリア 41 第一の動力伝達機構 42 リング歯車 43 第二の動力伝達機構 45 緩衝継手 46 ローディングナット 47 予圧ばね 48 遊星歯車組 49a、49b 遊星歯車 50a、50b 枢軸 51 第一スリーブ 52 低速用クラッチ 53 ラジアル軸受 54 スラスト軸受 55 クラッチケース 56 回転板 57 外側円筒部 58 外側摩擦板 59 内側円筒部 60 内側摩擦板 61 固定板 62 クラッチピストン 63 給排孔 64 第一駆動歯車 65 第一従動歯車 66 アイドル歯車 67 高速用クラッチ 68 第二駆動歯車 69 第二従動歯車 70 第二スリーブ 71 ラジアル軸受 72 スラスト軸受 73 シリンダ 74 支持環 75 外側円筒部 76 外側摩擦板 77 内側円筒部 78 内側摩擦板 79 固定板 80 クラッチピストン 81 給排口 82 後退用クラッチ 83 ハウジング 84 シリンダ 85 クラッチピストン 86 内側摩擦板 87 外側摩擦板 88 固定板 89 第三駆動歯車 90 第三従動歯車 91 第三の動力伝達機構 92 駆動車軸 93 シリンダブロック 94 バルブボディー 95 アイドル軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】又、上記トロイダル型無段変速機34の出
力ディスク4(図1、5、6、7参照)と上記遊星歯車
機構37を構成するキャリア39(図1〜2参照)とを
第一の動力伝達機構41により、回転力の伝達を可能な
状態に接続している。又、上記駆動軸33及び入力軸1
5と上記遊星歯車機構37を構成するリング歯車42
(図1〜2参照)とを第二の動力伝達機構43により、
回転力の伝達を可能な状態に接続自在としている。更
に、上記駆動軸33及び入力軸15と出力軸36との間
の変速状態を、高速走行モードと低速走行モードと後退
モードとの3種類のモードに切り換え自在な、切換手段
とを備える。そして、上記第一の動力伝達機構41の減
速比αと上記第二の動力伝達機構43の減速比βとの比
β/αを、上記トロイダル型無段変速機34の最大増速
時の減速比(図5に示した状態での入力軸1と出力軸3
との間の減速比)iH とほぼ同じとしている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】一方、前記入力軸15と前記リング歯車4
2とは、第二の動力伝達機構43と高速用クラッチ67
とを介して、回転力の伝達を可能な状態に接続自在とし
ている。このうちの第二の動力伝達機構43は、上記入
力軸44の中間部にスプライン係合させて前記ローディ
ングナット46により抑え付けた第二駆動歯車68と、
前記出力軸36の周囲に、この出力軸36に対する回転
自在に支持した第二従動歯車69とを、互いに噛合させ
る事により構成している。このうちの第二従動歯車69
を設ける為、上記出力軸36の周囲に第二スリーブ70
を、それぞれニードル軸受等の転がり軸受である、それ
ぞれ1対ずつのラジアル軸受71、71及びスラスト軸
受72、72により、回転自在に支持している。この様
な第二スリーブ70は、上記入力軸15の回転に伴っ
て、この入力軸15と反対方向に、上記第二駆動歯車6
8と第二従動歯車69との歯数の比に応じた速度で回転
する。尚、前記第一の動力伝達機構41の減速比αと上
記第二の動力伝達機構43の減速比βとの比β/αは、
前記トロイダル型無段変速機34の最大増速時の減速比
H (図4に示した状態での入力ディスク2と出力ディ
スク4との減速比で、例えば0.5程度)とほぼ同じと
している。例えば、α=1とすれば、β≒iHにする。
この理由は、後述する低速モードと高速モードとの間で
の切り換え時に、無段変速装置全体としての変速比が不
連続になる事を防止若しくはその程度を低減する為であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 伊藤 裕之 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源に接続される入力軸及び駆動すべ
    き部分に接続される出力軸と、入力ディスクと出力ディ
    スクとの間に挟持した複数個のパワーローラの傾斜角度
    を変える事により上記入力ディスクと出力ディスクとの
    間の変速比を変えるトロイダル型無段変速機と、遊星歯
    車機構と、これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車機
    構とを連結する1対の動力伝達機構と、上記入力軸と出
    力軸との間の変速状態を高速走行モードと低速走行モー
    ドと後退モードとの3種類のモードに切り換え自在な切
    換手段とを備え、低速走行モードでは上記入力軸と出力
    軸との間の動力を総て上記トロイダル型無段変速機を通
    じて伝達し、高速走行モードでは動力を上記遊星歯車機
    構により伝達すると共に、一部の動力をこの遊星歯車機
    構を介して上記トロイダル型無段変速機に循環させる無
    段変速装置に於いて、上記トロイダル型無段変速機を上
    記入力軸と同軸に配置すると共に、上記遊星歯車機構の
    中心軸をこの入力軸よりも斜め上方に配置した事を特徴
    とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 駆動軸により回転駆動される入力軸と、
    この入力軸の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸
    と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構とを備
    え、このトロイダル型無段変速機は、互いに同心に配置
    した入力ディスクと出力ディスクとの間に挟持したパワ
    ーローラの傾斜角度を変える事により、上記入力軸の回
    転に基づいて回転する入力ディスクと上記出力ディスク
    との間の変速比を変えるものであり、上記遊星歯車機構
    は、上記出力軸を回転させる太陽歯車とこの太陽歯車の
    周囲に配置したリング歯車との間に設けられ、上記太陽
    歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに回転自
    在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車
    とに噛合させて成るものであり、上記キャリアと上記出
    力ディスクとを第一の動力伝達機構により回転力の伝達
    を可能な状態に接続すると共に、上記入力軸と上記リン
    グ歯車とを第二の動力伝達機構により回転力の伝達を可
    能な状態に接続自在とし、更に、上記入力軸と出力軸と
    の間の変速状態を高速走行モードと低速走行モードと後
    退モードとの3種類のモードに切り換え自在な切換手段
    を備え、上記第一の動力伝達機構の減速比βと上記第二
    の動力伝達機構の減速比αとの比β/αを、上記トロイ
    ダル型無段変速機の最大増速時の減速比iH とほぼ同じ
    として成り、上記トロイダル型無段変速機を上記入力軸
    と同軸に配置すると共に、上記遊星歯車機構の中心軸を
    この入力軸よりも斜め上方に配置した無段変速装置。
  3. 【請求項3】 トロイダル型無段変速機の変速比を変換
    する為の駆動シリンダを内蔵したシリンダブロック及
    び、この駆動シリンダへの油圧の給排を制御する為の制
    御弁を内蔵したバルブボディーを、入力軸よりも上方に
    配置した、請求項1〜2の何れかに記載した無段変速装
    置。
  4. 【請求項4】 第一の動力伝達機構と第二の動力伝達機
    構とのうちの何れか一方の動力伝達機構の中間にアイド
    ラ歯車を設けると共に、上記アイドル歯車を支持したア
    イドル軸を、シリンダブロックとバルブボディーとの少
    なくとも一方の一部を貫通させた状態で配置した、請求
    項3に記載した無段変速装置。
JP3861898A 1998-02-20 1998-02-20 無段変速装置 Pending JPH11230299A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110259921A (zh) * 2018-10-30 2019-09-20 沈万伦 一种双行星盘变速箱

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110259921A (zh) * 2018-10-30 2019-09-20 沈万伦 一种双行星盘变速箱
CN110259921B (zh) * 2018-10-30 2024-04-26 沈万伦 一种双行星盘变速箱

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