JPH11230069A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機

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JPH11230069A
JPH11230069A JP4901798A JP4901798A JPH11230069A JP H11230069 A JPH11230069 A JP H11230069A JP 4901798 A JP4901798 A JP 4901798A JP 4901798 A JP4901798 A JP 4901798A JP H11230069 A JPH11230069 A JP H11230069A
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JP
Japan
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compression mechanism
partition plate
rotary cylinder
piston
rotary
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Withdrawn
Application number
JP4901798A
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English (en)
Inventor
Noboru Iida
飯田  登
Kiyoshi Sawai
澤井  清
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 位相の異なる複数組の圧縮機構部同士の同期
性を確実なものとする。 【解決手段】 溝を有する回転シリンダーの中心から距
離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上
をピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮
機構部を少なくとも2組設け、隣接する圧縮機構部のそ
れぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、仕切板にシ
ャフトを貫通させる連通孔を設け、シャフトにはそれぞ
れのピストンを装着可能なクランク部を設け、圧縮機構
部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動
するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、圧
縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行
程と位相を異ならせると共に、隣接する圧縮機構部の回
転シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部
材で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回
転不能に連結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍サイクル装置に
用いられる密閉型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】過去において、溝を有する回転シリンダ
ーと、この溝の中を摺動するピストンとを有し、このピ
ストンの動きに応じて回転シリンダーが回転し、吸入・
圧縮を行う圧縮機構の原理が提案されている(例えば独
特許第863751号、英国特許第430830号)。
【0003】この過去において提案されている圧縮機構
の原理について、図20を用いて説明する。この圧縮機
構は、溝100を有する回転シリンダー101と、この
溝100の中を摺動するピストン102とから構成され
ている。回転シリンダー101は、A点を中心に回転自
在に設けられており、ピストン102は、B点を中心に
回転駆動される。ここでは、ピストン102の回転半径
が、回転シリンダー101の回転中心Aとピストン10
2の回転中心Bとの距離に等しい場合についての動きを
説明する。なお、ピストン102の回転半径が、回転シ
リンダー101の回転中心Aとピストン102の回転中
心Bとの距離より大きい場合や小さい場合には異なる動
作を行うがここでは説明を省略する。図中破線Cはピス
トン102の軌跡を示している。同図aからiは、ピス
トン102をそれぞれ90度ずつ回転させた状態を示し
ている。
【0004】まず、ピストン102の動きについて説明
する。同図aは、ピストンが回転中心Bに対して真上に
位置する状態を示している。同図bは、ピストン102
を同図aの状態から反時計方向に90度回転させた状態
を示している。同図cは、更にピストン102を同図a
の状態から反時計方向に180度回転させた状態、同図
dは、更にピストン102を同図aの状態から反時計方
向に270度回転させた状態を示している。そして同図
eは、ピストン102を同図aの状態から反時計方向に
360度回転させた状態を示し、同図aの状態に戻って
いる。
【0005】次に回転シリンダー101の動きについて
説明する。同図aの状態では、溝100が上下方向にな
るように回転シリンダー101は位置している。この状
態からピストン102を反時計方向に90度回転させる
と、同図bに示すように、回転シリンダー101は、反
時計方向に45度回転するために、溝100も同様に4
5度傾いた状態になる。ピストン102を同図aの状態
から反時計方向に180度回転させると、同図cに示す
ように、回転シリンダー101は、反時計方向に90度
回転するために、溝100も同様に90度傾いた状態に
なる。このようにピストン102の回転に伴って回転シ
リンダー101も同一方向に回転するが、ピストン10
2が360度回転する間に回転シリンダー101は18
0度回転することになる。
【0006】次に圧縮空間を形成する溝100の容積変
化について説明する。同図aの状態では、溝100に対
してピストン102が一端側に位置しているため空間1
00は一つしか存在しない。この空間100を今第一の
空間100aとする。同図bの状態では、第一の空間1
00aは狭くなるが、ピストン102の反対側に第二の
空間100bが生じる。同図cの状態では、第一の空間
100aは、同図aの状態の半分の大きさになるが、ピ
ストン102の反対側には同じ大きさの第二の空間10
0bが形成される。この第一の空間100aは、ピスト
ン102が360度回転した同図eの状態で0となる。
このように、溝100には、ピストン102によって2
つの空間100a、100bが形成されるが、それぞれ
の空間100a、100bは、ピストン102が360
度回転する毎に最小から最大、最大から最小の容積変化
を繰り返す。従って、圧縮室を構成するそれぞれの空間
は、ピストン102が720度回転することによって圧
縮から吸入の行程を行うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の圧縮
原理を密閉型圧縮機に適用することを主たる目的とす
る。なお、上記の圧縮原理は、ピストン102が回転シ
リンダー101の回転中心Aに位置するとき、ピストン
102の回転力による力の方向が溝100の方向と一致
するため、回転シリンダー101を回転させる力となら
ない。従って、ピストン102が回転シリンダー101
の回転中心Aに位置するときに、回転シリンダー101
に回転力を与えなければ、現実は上記のような動作を連
続的には行わないという問題を有している。上記の問題
に対して、本発明は、互いに位相の異ならせて同期させ
た複数の組の圧縮機構部を用いることによって、連続的
な動作を実現する。すなわち、典型的には、互いに位相
を異ならせた2組の圧縮機構部を用いることによって、
一方の回転シリンダの回転力を他方の回転シリンダに与
えることができるため、たとえいずれか一方の回転シリ
ンダがピストンから回転力を受けない状態になっても他
方の回転シリンダから回転力を与えるため、回転を連続
的に維持することが可能になる。しかし、位相の異なる
複数組の圧縮機構部を用いる場合には、各圧縮機構部の
圧縮室の圧縮行程が互いに異なるものとなるため、隣接
する圧縮機構部同士を隔絶するための仕切板が必要とな
る。加えて、円滑な回転を確かなものとするには、複数
組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとしなければ
ならない。そこで、本発明は、位相の異なる複数組の圧
縮機構部を備えた密閉型圧縮機を採用する場合に、複数
組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとすることの
できる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、更に、工業的に生産可能な具体的な構造
により上記の圧縮機構部同士の確実なる同期性を実現す
ることのできる密閉型圧縮機を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
密閉型圧縮機は、溝を有する回転シリンダーと前記溝内
を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの
中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径
Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮
行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する
前記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介
在させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設
け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能な
クランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピスト
ンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を
設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なく
とも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異なら
せると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダと
これに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成さ
れ、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連
結されていることを特徴とする。請求項2記載の本発明
の密閉型圧縮機は、請求項1記載の密閉型圧縮機におい
て、前記回転シリンダ及び前記仕切板が夫々円板で構成
されていることを特徴とする。請求項3記載の本発明の
密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機におい
て、前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通孔が形成さ
れ、この貫通孔に挿通したボルトによって前記回転シリ
ンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫通孔が、
前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート
及び吐出ポートと整合しない位置に配置されていること
を特徴とする。請求項4記載の本発明の密閉型圧縮機
は、請求項3記載の密閉型圧縮機において、前記回転シ
リンダに形成された貫通孔に前記ボルトのヘッドを受け
入れる大径部分が形成されていることを特徴とする。請
求項5記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の
密閉型圧縮機において、前記回転シリンダ及び前記仕切
板に貫通孔が形成され、この貫通孔に嵌入したピンによ
って前記回転シリンダと前記仕切板とが固定されてお
り、前記貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させ
るための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に
配置されていることを特徴とする。請求項6記載の本発
明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機にお
いて、前記仕切板にピン挿通孔を形成し、前記仕切板の
両側に位置する前記回転シリンダのそれぞれに有底のピ
ン受け入れ孔が形成され、前記ピン受け入れ孔および前
記ピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接する前記
圧縮機構部の回転シリンダの相対回転が規制されている
ことを特徴とする。請求項7記載の本発明の密閉型圧縮
機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転
シリンダと前記仕切板とが、互いに対面する面に形成さ
れた凹部および凸部によって凹凸嵌合されていることを
特徴とする。請求項8記載の本発明の密閉型圧縮機は、
請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリン
ダと前記仕切板とが溶接により固定されていることを特
徴とする。請求項9記載の本発明の密閉型圧縮機は、溝
を有する回転シリンダーと前記溝内を摺動可能なピスト
ンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ
離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピ
ストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構
部を少なくとも2組設け、隣接する前記圧縮機構部のそ
れぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、前記仕切板
にシャフトを貫通させる連通孔を設け、前記シャフトに
はそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、
前記圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフト
によって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機
であって、前記圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧
縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接す
る前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切
板とが一体加工品で構成されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における密閉
型圧縮機は、溝を有する回転シリンダーと、前記溝内を
摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中
心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径E
の軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行
程を行う圧縮機構部を用いたものである。この圧縮機構
部は、ピストンが回転シリンダーの中心から距離Eだけ
離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を回転す
ることによって、回転シリンダーを回転させるとともに
溝内を摺動する。従って、溝内にピストンによって2つ
の空間が形成され、これらの空間がピストンの摺動によ
ってその容積が変化するため圧縮、吸入を行うことがで
きる。このようにこの圧縮機構部は、回転シリンダーと
ピストンの回転動作だけで圧縮、吸入を行い、例えばロ
ータリー圧縮機に必要なベーンや、スクロール圧縮機に
必要なオルダムリング等のように径方向に動作する部材
を必要としないため、圧縮機構部をシェル内に固定して
も振動が極めて少ない密閉型圧縮機を実現することがで
きる。
【0010】また、本発明の実施の形態における密閉型
圧縮機は、このような圧縮機構部を少なくとも2組設
け、すべての回転シリンダーを連結するとともに、すべ
てのピストンを同一シャフトによって駆動し、圧縮機構
部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位
相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転
シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材
で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転
不能に連結したものである。このように複数の圧縮機構
部を設けてそれぞれを連結し、少なくとも一つの圧縮機
構部の圧縮行程の位相を異ならせることによって、一つ
の圧縮機構部において、ピストンが回転シリンダーの中
心に位置したとしても、他の圧縮機構部の回転力がある
ために、ピストンからの駆動力が回転シリンダーの回転
力とならないような場合を回避することができる。
【0011】本発明の第2の実施の形態による密閉型圧
縮機は、前記回転シリンダ及び前記仕切板を夫々円板で
構成したので、これらに溝などの機械加工を施す際に困
難な作業を伴うことなく、簡単且つ精度良く加工するこ
とができる。本発明の第3の実施の形態による密閉型圧
縮機は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機におい
て、回転シリンダ及び仕切板に貫通孔を形成し、これら
貫通孔に挿通したボルトによって回転シリンダと仕切板
とを固定すると共に、圧縮機構部にガスを流出入させる
ための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に貫
通孔を配置したので、1回転毎に低圧のガスあるいは高
圧のガスが貫通孔に流れ込むことはなく、したがって貫
通孔を設けたことによる効率低下を防止することができ
る。
【0012】本発明の第4の実施の形態による密閉型圧
縮機は、第3の実施の形態による密閉型圧縮機におい
て、回転シリンダに形成された貫通孔にボルトのヘッド
を受け入れる大径部分を形成したので、回転シリンダか
らボルトのヘッドが突出することがないので、これに対
面する部材を加工する際に、この部材にボルトヘッドと
の干渉を回避するための溝などを加工する必要がないの
で低コストで製造することができる。
【0013】本発明の第5の実施の形態は、第2の実施
の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダ及び
仕切板に貫通孔を形成し、この貫通孔に嵌入したピンに
よって回転シリンダと仕切板とを固定し、また、この貫
通孔を、圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポ
ート及び吐出ポートと整合しない位置に配置したので、
隣接する回転シリンダ間の相対回転を規制しつつ、1回
転毎に低圧のガスあるいは高圧のガスが貫通孔に流れ込
むことはなく、したがって貫通孔を設けたことによる効
率低下を防止することができる。
【0014】本発明の第6の実施の形態は、第2の実施
の形態による密閉型圧縮機において、仕切板にピン挿通
孔を形成し、仕切板の両側に位置する回転シリンダのそ
れぞれに有底のピン受け入れ孔を形成し、ピン受け入れ
孔およびピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接す
る圧縮機構部の回転シリンダの相対回転を規制するよう
にしたので、回転シリンダの有底のピン受け入れ孔を通
じてガスが流出入することはなく、したがって吸入ポー
ト及び吐出ポートの配置位置及び大きさに関する設計上
の自由度が大きくなり、吸入損失あるいは吐出損失の少
ないポート形状を選択することが可能になるので圧縮機
の効率を高めることができる。
【0015】本発明の第7の実施の形態は、第2の実施
の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダと仕
切板との互いに対面する面に形成した凹部および凸部に
よって凹凸嵌合させるようにしたので、仕切板との間の
凹凸嵌合によって回転シリンダの相対角度を規制しなが
ら、隣接する回転シリンダを分離することができること
から、一方の回転シリンダに作用するガス力が他方の回
転シリンダに伝達されず、その結果、回転中に回転シリ
ンダが一緒になって傾くことがなくなるので回転シリン
ダと摺接する部材との間の片当たりを防止することがで
き、回転シリンダの外周部分の摺動摩耗を低減すること
ができる。
【0016】本発明の第8の実施の形態は、第2の実施
の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダと仕
切板とを溶接により固定するようにしたので、機械加工
において通常一般的に使用される加工技術を利用して隣
接する回転シリンダ間の相対回転を防止することができ
る。本発明の第9の実施の形態は、隣接する圧縮機構部
の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とを一体加工品
で構成したので、第1ないし第8の実施の形態のよう
に、別体の回転シリンダと仕切板とを連結するための手
段を設ける必要がないと共に、第3の実施の形態のよう
に回転シリンダに貫通孔を設ける必要がなく、したがっ
て、圧縮機の吸入ポート及び吐出ポートの配置位置及び
大きさに関する設計上の自由度が大きくなり、吸入損失
あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択することが
可能になるので圧縮機の効率を高めることができる。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。図1は本発明の実施例による密閉型圧縮機の
縦断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図
1のIII−III線断面図、図4は同実施例の圧縮機
構部の動作説明図である。図1に示すように、同実施例
による密閉型圧縮機は、密閉容器を構成するシェル10
の内部にモーター30と圧縮機構部40とを有してい
る。シェル10は、その上部に吐出管11を、下部側面
に2つの吸入管12a、12bとを有している。モータ
ー30は、シェル10に固定されたステータ31と、回
転駆動するロータ32とからなり、ロータ32の回転
は、シャフト33によって圧縮機構部40に伝達され
る。圧縮機構部40は、第一の回転シリンダー41aと
第一のピストン42aからなる第一の圧縮機構部40a
と、第二の回転シリンダー41bと第二のピストン42
bからなる第二の圧縮機構部40bとを有している。こ
こで第一の回転シリンダー41aは長円状の溝43a
を、第二の回転シリンダー41bは長円状の溝43bを
それぞれ有している。そして、第一のピストン42aは
溝43a内部に、第二のピストン42bは溝43b内部
に、それぞれ摺動自在に設けられている。なお、第一の
圧縮機構部40aと第二の圧縮機構部40bとを構成す
るそれぞれの部材の大きさ及び形状は同じである。
【0018】第一の圧縮機構部40aと第二の圧縮機構
部40bとの間は仕切板44によって仕切られている。
ここで、後に詳しく説明するように、第一の回転シリン
ダー41a、第二の回転シリンダー41b、及び仕切板
44は連結されており、一体的に動作する。ただし、第
一の回転シリンダー41aと第二の回転シリンダー41
bとは、圧縮行程の位相を180度異なるようにそれぞ
れの溝43a、43bを90度ずらせて連結している。
一方、第一のピストン42a及び第二のピストン42b
は、シャフト33に設けた第一のクランク33a及び第
二のクランク33bにそれぞれはめ込まれる。ここで、
第一のクランク33aと第二のクランク33bとは、そ
れぞれの偏心方向が180度異なるように設けている。
これら第一の圧縮機構部40a及び第二の圧縮機構部4
0bは、上軸受け50aと下軸受け50bとによって上
下から挟まれるとともに、筒状のケーシング51によっ
て周囲を囲まれている。上軸受け50aには、第一の圧
縮機構部40aの吸入ポート51aと吐出ポート52a
とが設けられ、下軸受け50bには、第二の圧縮機構部
40bの吸入ポート51bと吐出ポート52bとが設け
られている。吸入ポート51a、51b及び吐出ポート
52a、52bの配置位置については後に説明する。な
お、吐出ポート52a、52bには、それぞれ所定圧力
で解放するバルブ53a、53bと、このバルブ53
a、53bの解放動作を規制するバルブストップ54
a、54bが設けられている。ここで、吸入ポート51
aは吸入管12aと、吸入ポート51bは吸入管12b
と連通している。また、吸入管12a、12bはアキュ
ムレータ60と接続されている。
【0019】上記構成における密閉型圧縮機の冷媒の流
れを簡単に説明する。アキュムレータ60内のガス冷媒
は、吸入管12a、12bを通ってシェル10内に導入
され、吸入ポート51a、51bから第一の圧縮機構部
40a及び第二の圧縮機構部40bに吸入される。そし
て第一の圧縮機構部40a及び第二の圧縮機構部40b
で圧縮された冷媒は、所定圧力に達するとバルブ53
a、53bを押し上げて吐出ポート52a、52bから
シェル10内に吐出される。このとき、第一の圧縮機構
部40aと第二の圧縮機構部40bとは、位相を180
度異ならせているので吐出のタイミングは同じではな
い。そしてシェル10内に吐出された冷媒は、モーター
20の周辺を通ってシェル10の上部に設けた吐出管1
1からシェル10外に吐出される。
【0020】次に図2及び図3を用いて、第一の圧縮機
構部40aと第二の圧縮機構部40bにおけるシャフト
33、ピストン42a、42b、及び回転シリンダー4
1a、42bの関係について説明する。モーター20の
回転を伝えるシャフト33は、B点を中心に回転する。
シャフト33に設けられたクランク33a、33bの回
転中心Cは、シャフト33の回転中心Bと距離Eだけ偏
心して設けられている。なおクランク33a、33bの
回転中心Cは、ピストン42a、42bの回転中心でも
ある。すなわち、ピストン42a、42bは、クランク
33a、33bの回転中心を中心にした公転運動をす
る。一方、回転シリンダー41a、41bは、シャフト
33の回転中心Bから距離Eだけ離れた位置を回転中心
としている。従って、溝43aの空間は、クランク33
a又はピストン42aの回転中心Cが回転シリンダー4
1aの回転中心Aと最も離れるとき、図2に示すように
最大及び最小の空間を形成する。また、第二の圧縮機構
部40bは、第一の圧縮機構部40aと180度の位相
差を持っているので、第一の圧縮機構部40aが図2の
状態にあるとき、第二の圧縮機構部40bは、図3に示
すように、クランク33b又はピストン42bの回転中
心Cが回転シリンダー41bの回転中心Aと重なる。従
って、溝43bの空間は、同図に示すように均等な2つ
の空間に分けられる。
【0021】次に、図4を用いて冷媒ガスの吸入圧縮行
程について説明する。ここでは、第一の圧縮機構部40
aについて説明するが、第二の圧縮機構部40bは、同
図の位相を180度異ならせるだけで同じ行程となる。
同図aからhは、それぞれシャフト33を90度ずつ回
転させた状態を示している。まず、同図aに示すように
シャフト33が回転0の時には溝43a内は、空間Iが
最大、空間IIが最小の容積の状態である。空間Iは、
シャフト33を90度回転させた同図b、シャフト33
を180度回転させた同図c、及びシャフト33を27
0度回転させた同図dにかけて徐々にその容積を小さく
し、吐出ポート52aから圧縮冷媒を吐出する。そし
て、この空間Iは、シャフト33を360度回転させた
同図eの状態で圧縮行程を終了する。一方、空間II
は、シャフト33を90度回転させた同図b、シャフト
33を180度回転させた同図c、及びシャフト33を
270度回転させた同図dにかけて徐々にその容積を大
きくし、吸入ポート51aから圧縮冷媒を吸入する。そ
してこの空間IIは、シャフト33を360度回転させ
た同図eの状態で吸入行程を終了する。同図Eの状態か
ら同図hの状態は、逆に空間Iが吸入行程を行い、空間
IIが圧縮行程を行っている。そして同図hの状態から
さらに90度回転すると同図aの状態となる。このよう
に、溝43a内に形成される二つの空間I、IIは、シ
ャフト33が720度回転する間に、それぞれが圧縮と
吸入の行程を行うことになる。
【0022】以上実施例によれば、一方の圧縮機構部に
おいて、ピストンが回転シリンダーの中心に位置したと
しても、他方の圧縮機構部の回転力があるために、ピス
トンからの駆動力が回転シリンダーの回転力とならない
ような場合を回避することができる。また、2つの圧縮
機構部の位相差を180度とすることによって、ピスト
ンを対称に配置できるため製造が容易に行える。また、
吸入ポートと吐出ポートとを上下軸受けにそれぞれ設け
ることによって、吸入ポートと吐出ポートとの位置設定
の自由度が増す。従って、この吸入ポートや吐出ポート
の位置によって圧縮比の調整や過圧縮の防止も可能であ
る。さらに、第一の圧縮機構部と第二の圧縮機構部との
位相を180度異ならせ、上軸受けに設けた前記吸入ポ
ートと下軸受けに設けた前記吸入ポートとを同一軸線上
に設けることによって吸入管の取り付け位置を同一の側
面とすることができ、アキュムレータ等との接続のため
に配管を引き回すことも生じない。
【0023】図5ないし図7は第一、第二の回転シリン
ダ41a、41bと仕切板44との第一の組立体110
を示すものであり、図5は第一の回転シリンダ41a側
から見た組立体110の側面図であり、図6は組立体1
10の縦断面図であり、図7は第二の回転シリンダ41
b側から見た組立体110の側面図である。図5の一点
鎖線111は、第一の回転シリンダ41aの回転に伴う
溝43aの回転軌跡つまり溝43aの外接円である。第
一の回転シリンダ41a及び仕切板44には、回転軌跡
111の外周部分に円周方向に等間隔に離間された4つ
のボルト挿通孔112、113が形成されている(図6
参照)。第一の回転シリンダ41aのボルト挿通孔11
2は、第一の回転シリンダ41aの外面側が拡径されて
締結ボルト114のヘッド114aを受け入れる大径部
分112aを有する。また、第二のシリンダ41bに
は、図7に示すように、第一の回転シリンダ41aのボ
ルト挿通孔112に対応した位置に4つのネジ孔115
が貫通して形成されている。
【0024】第一の組立体110は第一、第二の回転シ
リンダ41a、41bの間に仕切板44を挟み込んで配
置した後、第一の回転シリンダ41a側から締結ボルト
114を挿入して、このボルト114を第二の回転シリ
ンダ41bのネジ孔115に螺合することにより組み立
てられている。吸入ポート51a、51b及び吐出ポー
ト52a、52bの配置位置に関し、上軸受け50aに
形成された吸入ポート51a、吐出ポート52aを代表
して説明すると、これら吸入ポート51a、吐出ポート
52aは、溝43aの回転軌跡111の内側であって長
円状の溝43aの側方に位置するように位置決めされて
いる。
【0025】この第一の組立体110によれば、第一、
第二の回転シリンダ41a、41bの間に仕切板44を
配置し、この仕切板44を挟み込んだ状態で第一、第二
の回転シリンダ41a、41bを締結ボルト114で連
結する構成としたことから各回転シリンダ41a、41
bを製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能に
なる。すなわち、第一、第二の回転シリンダ41a、4
1bは、単に円板の中央部分に長円状の溝43a、43
bを備えただけの単純な形状となり、この回転シリンダ
41a、41bを形成するのに研削加工などで溝43
a、43bを精度良く且つ容易に加工することができる
ので、回転シリンダ41a、41bを製造するに際して
低コスト化を図ることができる。
【0026】また、第一の回転シリンダ41aに締結ボ
ルト114のヘッド114aを受け入れる大径部分11
2aを設けたことから、第一の組立体110から締結ボ
ルト113のヘッド113aが突出することがないの
で、これに対面する上軸受け50aにボルトヘッド11
3aとの干渉を回避するための溝などを加工する必要が
なく、これにより上軸受け50aの加工に伴うコストを
低減することができる。また、第一、第二の回転シリン
ダ41a、41bを貫通するボルト挿通孔112及びネ
ジ孔115が、吸入ポート51a、51b及び吐出ポー
ト52a、52bと対面することのない位置に配置され
ているため、第一、第二の回転シリンダ41a、41b
の回転に伴って、ボルト挿通孔112及びネジ孔115
が吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、5
2bと一致することはなく、これにより1回転毎に低圧
のガスあるいは高圧のガスがボルト挿通孔112及びネ
ジ孔115に流入することはなく、これら孔112、1
15にガスが流入することに伴う効率低下を防止するこ
とができる。第二の回転シリンダ41bに形成したネジ
孔115に代えて、この第二の回転シリンダ41bにボ
ルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に締結ボルト1
14と螺合するナットを受け入れる大径部分を設けるよ
うにしてもよい。
【0027】図8ないし図10は第一、第二の回転シリ
ンダ41a、41bと仕切板44との第二の組立体12
0を示すものであり、図8は第一の回転シリンダ41a
側から見た組立体120の側面図であり、図9は組立体
120の縦断面図であり、図10は弟二の回転シリンダ
41b側から見た組立体120の側面図である。この第
二の組立体120は、上述した第一組立体110の変形
例に相当するものであり、図8から理解できるように吸
入ポート51a、吐出ポート52aの配置位置は第一の
組立体110と同一であるが、第一組立体110のボル
ト挿通孔112、113及びネジ孔115に代えて、対
応する各要素41a、44、41bには、夫々、ピン挿
通孔121、122、123が形成され、これらピン挿
通孔121〜123にピン124を挿通することにより
仕切板44を挟んで位置する第一、第二の回転シリンダ
41a、41bが一体化されている。
【0028】この第二の組立体120によれば、第一の
組立体110と同様に、回転シリンダ41a、41bを
製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能にな
り、回転シリンダ1a、41bを形成するのに研削加工
などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工する
ことができると共に、第一、第二の回転シリンダ41
a、41bを貫通するピン挿通孔121,123が、吸
入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52b
と対面することのない位置に配置されているため、第
一、第二の回転シリンダ41a、41bの回転に伴っ
て、ピン挿通孔121,123が吸入ポート51a、5
1b及び吐出ポート52a、52bと一致することはな
く、これにより、これら孔112、114にガスが流入
することに伴う効率低下を防止することができる。
【0029】図11、図12は第一、第二の回転シリン
ダ41a、41bと仕切板44との第三の組立体130
を示すものであり、図11は第一の回転シリンダ41a
側から見た第三の組立体130の側面図であり、図12
は第三の組立体130の縦断面図である。この第三の組
立体130にあっては、第一の回転シリンダ41aおよ
び第二の回転シリンダ41b(図9では図示を省略して
ある)の互いに対向する内側面であって回転軌跡111
の外周部分に円周方向に等間隔に離間された4つの有底
のピン受け入れ孔131a及び131bが夫々形成され
ている。また、仕切板44には、これに対応する部分に
ピン挿通孔132が形成されている。
【0030】この第三の組立体130は、第一の回転シ
リンダ41a又は第二の回転シリンダ41bと仕切板4
4を重ね合わせて各孔にピン133を挿入した後、残る
第二の回転シリンダ41b又は第一の回転シリンダ41
aを重ね合わせることにより組立てられる。第三の組立
体130にあっては、ピン133によって、仕切板44
を挟んで位置する第一の回転シリンダ41aと第二の回
転シリンダ41bの相対回転が禁止される。この第三の
組立体130によれば、第一、第二の組立体110、1
20と同様に、回転シリンダ41a、41bを製造する
際にそれぞれ別々に加工することが可能になり、回転シ
リンダ1a、41bを形成するのに研削加工などで溝4
3a、43bを精度良く且つ容易に加工することができ
ると共に、第一の回転シリンダ41aおよび第二の回転
シリンダ41bに設けたピン133を受け入れるための
孔131a及び131bが有底であるため、このピン受
け入れ孔131a及び131bを通じて吸入ポート51
a、51b及び吐出ポート52a、52bにガスが流出
入することはなく、したがって吸入ポート51a、51
b及び吐出ポート52a、52bの配置位置及び大きさ
に関する設計上の自由度が大きくなる。その結果、吸入
損失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択するこ
とが可能になり、この観点から圧縮機の効率を高めるこ
とができる。
【0031】図13は、第一、第二の回転シリンダ41
a、41bと仕切板44との第四の組立体140の分解
斜視図である。この第四の組立体140にあっては、第
一の回転シリンダ41aと仕切板44との互いに対向す
る面及び第二の回転シリンダ41bと仕切板44との互
いに対向する面に凹部と凸部とが形成されてこれら凹部
と凸部との凹凸嵌合により要素間同士の相対回転が禁止
されている。すなわち、第一の回転シリンダ41aに
は、外径部分に180゜間隔で2つの凹部131が形成
され、これに対応する2つの凸部132が仕切板44に
形成されている。また、第二の回転シリンダ41bに
は、外径部分に180゜間隔で二つの凹部133が形成
され、これに対応する2つの凸部134が仕切板44に
形成されている。変形例として第一、第二の回転シリン
ダ41a、41bに凹部を設け、仕切板44に凹部を設
けるようにしてもよい。この第四の組立体140によれ
ば、仕切板44との間の凹凸嵌合によって第一、第二の
回転シリンダ41a、41bの相対角度を規制しなが
ら、この2つの回転シリンダ41a、41bを分離する
ことができる。したがって、一方の回転シリンダに作用
するガス力が他方の回転シリンダに伝達されず、その結
果、第四の組立体140の回転中に回転シリンダ41
a、41bが一緒になって傾くことがなくなり、上下の
軸受け50a、50bとの間の片当たりを防止すること
ができ、回転シリンダ41a、41bの外周部分の摺動
摩耗を低減することができる。
【0032】図14ないし図16は第一、第二の回転シ
リンダ41a、41bと仕切板44との第五の組立体1
50を示すものであり、図14は第一の回転シリンダ4
1a側から見た組立体150の側面図であり、図15は
組立体150の縦断面図であり、図16は弟二の回転シ
リンダ41b側から見た組立体150の側面図である。
図15に示す参照符号151は溶接部分を示すものであ
る。この図15から理解できるように、第一、第二の回
転シリンダ41a、41bと仕切板44とが溶接により
一体化されている。この場合、仕切板44は、図15か
ら明らかなように、第一、第二の回転シリンダ41a、
41bの直径よりも相当に小さな直径を有していてもよ
く、また、実質的に等しい直径を有していてもよい。こ
の第五の組立体150によれば、第一、第二の組立体1
10、120と同様に、回転シリンダ41a、41bを
製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能にな
り、回転シリンダ41a、41bを形成するのに研削加
工などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工す
ることができる。また、仕切板44の直径を第一、第二
の回転シリンダ41a、41bよりも相当に小さなもの
としたときには、仕切板44の外周部分と第一、第二の
回転シリンダ41a、41bとの溶接面積を大きくとる
ことができので、少ない溶接箇所で強度の高い固定が可
能になる。
【0033】図17ないし図19は第一、第二の回転シ
リンダ41a、41bと仕切板44との第六の組立体1
60を示すものであり、図17は第一の回転シリンダ4
1a側から見た組立体160の側面図であり、図18は
組立体160の縦断面図であり、図19は弟二の回転シ
リンダ41b側から見た組立体160の側面図である。
図18から理解できるように、第一、第二の回転シリン
ダ41a、41bと仕切板44とは一体成形されてい
る。この第六の組立体160によれば、第一、第二の2
つの回転シリンダ41a、41bを機械的に締結するた
めの手段、例えばボルト、ピンなどの部材が不用であ
り、また第一、第二の回転シリンダ41a、41b間の
相対回転を規制するための凹凸嵌合などの手段が不用と
なる。また、第一、第二の組立体110、120のよう
に回転シリンダに貫通孔を形成する必要がないので、こ
れら貫通孔を通じたガス流出が発生することはなく、第
三の組立体130と同様に、吸入ポート51a、51b
及び吐出ポート52a、52bの配置位置及び大きさに
関する設計上の自由度が大きくなる。その結果、吸入損
失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択すること
が可能になり、この観点から圧縮機の効率を高めること
ができる。
【0034】以上実施例は、2つの圧縮機構部の位相差
を180度としたが、これに限られるものではなく、9
0度や270度あるいはそれ以外の位相差であっても良
い。また、実施例は、2つの圧縮機構部を設けたもので
説明したが、3つ以上の圧縮機構部を設けたものでもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明は、位相の異なる複
数組の圧縮機構部を備えた密閉型圧縮機を採用する場合
に、複数組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとす
ることができる。また、本発明は、更に、工業的に生産
可能な具体的な構造により上記の圧縮機構部同士の確実
なる同期性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による密閉型圧縮機の縦断面
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図1のIII−III線断面図
【図4】同実施例の圧縮機構部の動作説明図
【図5】第一の回転シリンダ側から見た第一の組立体の
平面図
【図6】図5の第一の組立体の縦断面図
【図7】第二の回転シリンダ側から見た第一の組立体の
平面図
【図8】第一の回転シリンダ側から見た第二の組立体の
平面図
【図9】図8の第二の組立体の縦断面図
【図10】第二の回転シリンダ側から見た第二の組立体
の平面図
【図11】第一の回転シリンダ側から見た第三の組立体
の平面図
【図12】図11の第三の組立体の縦断面図
【図13】第四の組立体の分解斜視図
【図14】第一の回転シリンダ側から見た第五の組立体
の平面図
【図15】図14の第五の組立体の縦断面図
【図16】第二の回転シリンダ側から見た第五の組立体
の平面図
【図17】第一の回転シリンダ側から見た第六の組立体
の平面図
【図18】図17の第六の組立体の縦断面図
【図19】第二の回転シリンダ側から見た第六の組立体
の平面図
【図20】本圧縮機構の原理説明図
【符号の説明】
10 シェル 30 モーター 40 圧縮機構部 40a 第一の圧縮機構部 40b 第二の圧縮機構部 41a 第一の回転シリンダー 41b 第二の回転シリンダー 42a 第一のピストン 42b 第二のピストン 43a 第一の溝 43b 第二の溝 44 仕切板 51a 吸入ポート 51b 吸入ポート 52a 吐出ポート 52b 吐出ポート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝を有する回転シリンダーと前記溝内を
    摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中
    心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径E
    の軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行
    程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前
    記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在
    させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設
    け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能な
    クランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピスト
    ンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を
    設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なく
    とも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異なら
    せると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダと
    これに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成さ
    れ、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連
    結されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記回転シリンダ及び前記仕切板が夫々
    円板で構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    密閉型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通
    孔が形成され、この貫通孔に挿通したボルトによって前
    記回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記
    貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための
    吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置され
    ていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記回転シリンダに形成された貫通孔に
    前記ボルトのヘッドを受け入れる大径部分が形成されて
    いることを特徴とする請求項3記載の密閉型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通
    孔が形成され、この貫通孔に嵌入したピンによって前記
    回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫
    通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸
    入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置されて
    いることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記仕切板にピン挿通孔を形成し、前記
    仕切板の両側に位置する前記回転シリンダのそれぞれに
    有底のピン受け入れ孔が形成され、前記ピン受け入れ孔
    および前記ピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接
    する前記圧縮機構部の回転シリンダの相対回転が規制さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮
    機。
  7. 【請求項7】 前記回転シリンダと前記仕切板とが、互
    いに対面する面に形成された凹部および凸部によって凹
    凸嵌合されていることを特徴とする請求項2記載の密閉
    型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記回転シリンダと前記仕切板とが溶接
    により固定されていることを特徴とする請求項2記載の
    密閉型圧縮機。
  9. 【請求項9】 溝を有する回転シリンダーと前記溝内を
    摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中
    心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径E
    の軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行
    程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前
    記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在
    させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設
    け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能な
    クランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピスト
    ンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を
    設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なく
    とも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異なら
    せると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダと
    これに挟まれた仕切板とが一体加工品で構成されている
    ことを特徴とする密閉型圧縮機。
JP4901798A 1998-02-13 1998-02-13 密閉型圧縮機 Withdrawn JPH11230069A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016067355A1 (ja) * 2014-10-28 2016-05-06 株式会社日立製作所 ローリングシリンダ式容積型圧縮機
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