JPH11229894A - 蒸気噴射ガスタービン - Google Patents

蒸気噴射ガスタービン

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JPH11229894A
JPH11229894A JP5148198A JP5148198A JPH11229894A JP H11229894 A JPH11229894 A JP H11229894A JP 5148198 A JP5148198 A JP 5148198A JP 5148198 A JP5148198 A JP 5148198A JP H11229894 A JPH11229894 A JP H11229894A
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steam
turbine
combustor
compressor
combustion
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JP5148198A
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Niro Misaki
仁郎 三崎
Kazuho Akiyama
算甫 秋山
Moichi Uji
茂一 宇治
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Masayasu Saito
正泰 斎藤
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Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プロセス蒸気の使用量がゼロの場合などに生
成蒸気の全量並びに加えて外からの余剰蒸気を燃焼器に
噴射させて回収することができる蒸気噴射ガスタービン
を提供する。 【解決手段】 空気を圧縮する圧縮機21と、圧縮され
た空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器22と、この
燃焼器からの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるター
ビン23と、このタービンから排出される燃焼排ガスか
ら蒸気を発生させる排熱ボイラ24と、この排熱ボイラ
からの蒸気並びに加えて外からの余剰蒸気を前記燃焼器
に噴射する蒸気噴射手段25およびプロセス蒸気として
供給するプロセス蒸気供給手段26とからなる蒸気噴射
ガスタービン20における圧縮機を可変容量遠心圧縮機
21とし、しかもそのディフューザの弦節比を1.0以
下0.6以上とする。これにより作動範囲を大巾に拡げ
余剰蒸気を燃焼器に噴射してエネルギを回収することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気噴射ガスタ
ービンに関し、燃焼排ガスにより排熱ボイラで発生させ
る蒸気の全量並びに加えて外からの余剰蒸気をも燃焼器
に噴射してタービンに流すことができるようにしたもの
である。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの燃焼排ガスを熱源として
蒸気を発生させ、この蒸気の一部を燃焼器に噴射させる
ことでガスタービンの出力増大と熱効率向上を図る蒸気
噴射ガスタービンが開発されている。
【0003】この蒸気噴射ガスタービンには、蒸気を過
熱器によって過熱蒸気として噴射するチエン・サイクル
と、飽和蒸気を高温空気に混合して過熱状態にする部分
再生ガスタービンとが用いられており、たとえば特開平
6−248974号公報に部分再生式二流体ガスタービ
ンが開示されている。
【0004】この部分再生式二流体ガスタービンは、図
10に概略構成を示すように、空気Aを圧縮する圧縮機
1と、圧縮された空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼
器2と、この燃焼器2からの燃焼ガスのエネルギにより
駆動させるタービン3と、蒸気を駆動源として空気を昇
圧しかつ蒸気と空気を混合する混合器4と、タービン3
の下流に設けられ混合器4による混合ガスをタービン3
の燃焼排ガスEで加熱するための熱交換器5と、この熱
交換器5の下流に設けられタービンの燃焼排ガスEを熱
源として蒸気を発生させる排熱ボイラ6と、圧縮機1に
よる圧縮空気の一部を燃焼器2へ導くとともに残りを混
合器4に導く空気ライン7と、排熱ボイラ6による蒸気
の一部を混合器4に送る主蒸気ライン8と、混合器4に
よる混合ガスSを熱交換器5を介して燃焼器2に導くた
めの混合ガスライン9とを備えている。さらに、空気ラ
イン7は、圧縮機1で圧縮された空気の一部を燃焼器2
に直接送るラインと、残りの圧縮空気を混合器4に導く
ラインとからなる。また、この混合器4から出てくる空
気−蒸気混合ガスSをタービン3の燃焼排ガスEで加熱
するための熱交換器5がタービン3の下流に配置されて
いる。そして、排熱ボイラ6で発生した蒸気の残りをプ
ロセス蒸気として導く第1補助蒸気ライン10を有し、
主蒸気ライン8に蒸気流量制御弁11が設けられてお
り、排熱ボイラ6で発生した蒸気を主蒸気ライン8を流
れる蒸気と第1補助蒸気ライン10を流れる蒸気とに配
分することができるようにしてある。
【0005】このような部分再生式二流体ガスタービン
では、圧縮機1の出口空気の一部と、タービン3の燃焼
排ガスEの回収により生成された蒸気とを混合してター
ビン3の出口排熱の回収に使用するため、排熱回収系の
エクセルギーロスが小さくなり、結果として全体の熱効
率を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
部分再生式二流体ガスタービンでは、排熱ボイラで生成
される蒸気を燃焼器に噴射してタービンに流す流量を増
大して出力の増大を図ることができるものの、噴射でき
る蒸気量に限界があり、ある程度以上の蒸気を燃焼器に
噴射すると、圧縮機の流量が減少してサージングを起こ
すことから、プロセス蒸気としての使用が無い状態でも
生成される蒸気の全量並びに加えて外からの余剰蒸気を
燃焼器に噴射して出力の増大を図ることができないとい
う問題がある。
【0007】一方、燃焼器に噴射する蒸気量をゼロとし
たときを定格点として設計したガスタービンに対し、注
入蒸気量の増大に応じて圧縮機からの流入空気量を減少
させるよう軸流圧縮機の静翼の取付角度を調整した蒸気
注入ガスタービンが、特開平9−125984号公報に
開示され、サージングを防止してガスタービンの耐久
性、安定性および熱効率の維持を可能としている。この
蒸気注入ガスタービンで小流量へと静翼を調整する場
合、圧力比が直ぐに落ちてしまい、タービン入口圧力が
落ち、タービン流量は増加しなくなる。したがって、圧
縮機の圧力比が下がらずに流入空気量を減少できる範囲
は非常に小さく、生成される蒸気の全量を燃焼器に噴射
して出力の増大を図ることができないという問題があ
る。
【0008】また、タービン流量は流路断面積やタービ
ン入口圧力などで決まるが、タービンの流路が決まって
いれば流量には限界がある。
【0009】この発明は、かかる従来技術の有する課題
に鑑みてなされたもので、プロセス蒸気の使用量がゼロ
の場合などに生成蒸気の全量並びに加えて外からの余剰
蒸気を燃焼器に噴射させ、その噴射量に相当する出力増
大を図ることができる蒸気噴射ガスタービンを提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明の請求項1記載の蒸気噴射ガスタービンは、空気を
圧縮する圧縮機と、圧縮された空気に燃料を供給して燃
焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスのエネル
ギにより駆動されるタービンと、このタービンから排出
される燃焼排ガスから蒸気を発生させる排熱ボイラと、
この排熱ボイラからの蒸気並びに加えて外からの余剰蒸
気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴射手段およびプロセス
蒸気として供給するプロセス蒸気供給手段とからなる蒸
気噴射ガスタービンであって、前記圧縮機を可変容量遠
心圧縮機で構成するとともに、この可変容量遠心圧縮機
のディフューザの弦節比を1.0以下0.6以上とした
ことを特徴とするものである。
【0011】この蒸気噴射ガスタービンによれば、空気
を圧縮する圧縮機と、圧縮された空気に燃料を供給して
燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスのエネ
ルギにより駆動されるタービンと、このタービンから排
出される燃焼排ガスから蒸気を発生させる排熱ボイラ
と、この排熱ボイラからの蒸気並びに加えて外からの余
剰蒸気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴射手段およびプロ
セス蒸気として供給するプロセス蒸気供給手段とからな
る蒸気噴射ガスタービンにおける圧縮機を可変容量遠心
圧縮機とし、しかもそのディフューザの弦節比を実験的
に得られた1.0以下0.6以上とするようにしてお
り、この可変容量遠心圧縮機によって、流量を絞った場
合でも圧力比の低下を生じることのない作動範囲を大巾
に拡げることができ、これによって排熱ボイラで生成す
る蒸気の全量並びに加えて外からの余剰蒸気を、圧縮機
のサージングを起こすことなく、燃焼器に噴射できるよ
うにしている。
【0012】また、この発明の請求項2記載の蒸気噴射
ガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された
空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器
からの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるタービン
と、このタービンから排出される燃焼排ガスから蒸気を
発生させる排熱ボイラと、この排熱ボイラからの蒸気並
びに加えて外からの余剰蒸気を前記燃焼器に噴射する蒸
気噴射手段およびプロセス蒸気として供給するプロセス
蒸気供給手段とからなる蒸気噴射ガスタービンであっ
て、前記タービンを可変容量タービンで構成したことを
特徴とするものである。
【0013】この蒸気噴射ガスタービンによれば、空気
を圧縮する圧縮機と、圧縮された空気に燃料を供給して
燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼ガスのエネ
ルギにより駆動されるタービンと、このタービンから排
出される燃焼排ガスから蒸気を発生させる排熱ボイラ
と、この排熱ボイラからの蒸気並びに加えて外からの余
剰蒸気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴射手段およびプロ
セス蒸気として供給するプロセス蒸気供給手段とからな
る蒸気噴射ガスタービンにおけるタービンを可変容量タ
ービンとするようにしており、この可変容量タービンに
よって排熱ボイラで生成する蒸気の全量並びに加えて外
からの余剰蒸気を燃焼器に噴射してタービン流量を増大
し、出力増大を図ることができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づき詳細に説明する。図1〜図5は、この
発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠心圧縮機を用
いる場合の一実施の形態にかかり、図1は概略構成図、
図2は圧縮機のみの部分拡大図及び全体の縦断面図、図
3はディフューザの正面図、図4は可変機構の正面図、
図5は従来との比較で示す性能特性図である。
【0015】この蒸気噴射ガスタービン20では、図1
に概略構成を示すように、空気Aを圧縮する可変容量遠
心圧縮機21と、圧縮された空気に燃料Fを供給して燃
焼させる燃焼器22と、この燃焼器22からの燃焼ガス
のエネルギにより駆動されるタービン23と、このター
ビン23から排出される燃焼排ガスEから蒸気Sを発生
させる排熱ボイラ24と、この排熱ボイラ24からの蒸
気Sを前記燃焼器22に噴射する蒸気噴射手段25およ
びプロセス蒸気Sp として供給するプロセス蒸気供給手
段26とで主要部が構成されている。さらに、燃焼器2
2には、この蒸気噴射ガスタービン20の排熱ボイラ2
4で発生させた蒸気とは別に作られて余剰となっている
外からの余剰蒸気も供給噴射されるようにしてある。
【0016】空気Aを圧縮する可変容量遠心圧縮機21
は、図2に示すように、例えば2段の遠心圧縮機で構成
され、インペラ21aの出口側に可変ディフューザ21
bが設けられて流量を可変にできるようにしてあり、2
段の遠心圧縮機のそれぞれのインペラ21aの出口側に
それぞれ可変ディフューザ21bが設けられ、連動する
可変機構21cで一体に動かすことができるようにして
ある。
【0017】なお、可変容量遠心圧縮機21は、2段の
遠心圧縮機で構成する場合に限らず、1段や多段の遠心
圧縮機で構成して可変容量圧縮機としても良い。
【0018】この可変機構21cは、図4に示すよう
に、各羽根210が取付けられる回動軸211に一体に
回動するアーム212の基端部を取付け、これらのアー
ム212の先端部を、可変容量遠心圧縮機21と同心に
配置されて回転される操作リング213の略円形の凹部
214に回動できるように係止してあり、この操作リン
グ213に操作アーム215が連結され、2段の遠心圧
縮機の各操作アーム215が連結ロッド216で連結さ
れて一体に動作するように構成されている。
【0019】これにより、連結ロッド216で連結され
た各操作アーム215を図示しないアクチュエータで操
作して操作リング213を回動することで、各羽根21
0の回動軸211がアーム212を介して回動され、羽
根210の角度を変えることができ、圧縮空気の流量を
変えることができる可変ディフューザ21bとなる。
【0020】この可変容量遠心圧縮機21は、可変ディ
フューザ21bによって、燃焼器22に排熱ボイラ24
によって発生される蒸気Sのうち、プロセス蒸気Sp と
して供給する必要がない場合などに、発生蒸気Sの全量
並びに加えて外からの余剰蒸気を燃焼器22に噴射させ
てタービン23に流すことができるようにするため、可
変容量遠心圧縮機21から燃焼器22に供給される空気
量を減らしてその減った分と圧力が上昇した分だけ多く
蒸気量をタービン23に流すものであり、可変ディフュ
ーザ21bによって圧縮空気の流量を絞るように運転す
る。
【0021】一般に可変ディフューザを用いて圧縮機の
流量を絞ると、図5中に破線で示すように、圧力比が直
ぐに落ちたり、サージング限界に近づくことになり、性
能の低下を招いたり、安定した状態で運転することがで
きなくなる。
【0022】そこで、この発明の蒸気噴射ガスタービン
20では、可変容量遠心圧縮機21の流量特性について
種々実験を行って蒸気噴射ガスタービンに最も適した可
変ディフューザについて検討したところ、ディフューザ
の弦節比(翼弦/ピッチ)を1.0以下0.6以上にす
ることが有効であることがわかった。
【0023】 弦節比=t/p=t/{π(D1 +D2 )/2・Z} ここで、各記号は図3中に示してあり、D1 は羽根の先
端を結ぶ円の直径、D2 は羽根の基端を結ぶ円の直径、
Zは羽枚数である。
【0024】この可変ディフューザ21bの弦節比の値
を1.0以下0.6以上にすると、実験結果によれば、
例えば弦節比の値を1.0とした場合の特性を図5中に
実線で示すように、流量を絞っても圧力比の低下がほと
んど無く、しかも流量の変化に対して圧力比の低下の生
じない領域を大巾に拡げることができようになる。
【0025】一方、この弦節比の値が1.0を越える
と、通常のディフューザの弦節比の値、例えば1.2で
流量を絞った場合に圧力比の低下を招くようになり、弦
節比の値が0.6より小さくなると、本来の圧縮機とし
て必要としている性能を確保することができなくなって
しまう。
【0026】このようなディフューザ21bの弦節比を
実験的に得られた1.0以下0.6以上とした可変容量
遠心圧縮機21を圧縮機として用いる蒸気噴射ガスター
ビン20では、この可変容量遠心圧縮機21によって、
流量を絞った場合でも圧力比の低下を生じることのない
作動範囲を大巾に拡げることができ、これによって排熱
ボイラ24で生成する蒸気Sの全量並びに加えて外から
の余剰蒸気を、圧縮機21でサージングを起こすことな
く、燃焼器22に噴射できるようになる。
【0027】この可変容量遠心圧縮機21で圧縮された
空気Aは、燃焼器22に送られるとともに、空気ライン
27及び空気バルブ28を介してプロスセ空気Ap とし
て利用されるほか、空気制御弁29を介して燃焼器22
に噴射される蒸気Sと混合できるようにしてある。
【0028】燃焼器22からの燃焼ガスのエネルギによ
って駆動されるタービン23には、可変容量遠心圧縮機
21が連結されて駆動されるとともに、発電機30が連
結されて発電できるようになっている。
【0029】タービン23を駆動した燃焼排ガスEは排
熱ボイラ24に送られ、給水Wを加熱して蒸気Sを発生
させた後、煙突などを介して排気される。
【0030】一方、この排熱ボイラ24で発生した蒸気
Sは、蒸気噴射手段25を構成する主蒸気ラインを介し
て空気制御弁29からの高温空気と混合されて燃焼器2
2に噴射される一方、一部の蒸気Sがプロセス蒸気供給
手段26を構成するプロセス蒸気ライン及び蒸気バルブ
31を介してプロセル蒸気Sp として利用される。この
ようにして、発電による電気のほか、圧縮空気及び蒸気
を利用することができる。
【0031】このように構成した蒸気噴射ガスタービン
20では、排熱ボイラ24で発生した蒸気Sの一部を燃
焼器22に送り、残りをプロセス蒸気Sp として利用す
るが、プロセス蒸気Sp の需要がない場合には、従来は
そのままプロセス蒸気ラインから排気するしかなかった
が、ここでは、排熱ボイラ24で発生した蒸気Sの全量
並びに加えて外からの余剰蒸気を燃焼器22に噴射す
る。これにともない、可変容量遠心圧縮機21では、流
量を絞り、燃焼器22を介してタービン23を流れる流
量を蒸気Sの噴射量の増大にかかわらずほぼ一定にす
る。
【0032】このように圧縮機21での流量を絞った場
合でも、図5中に実線で示すように、圧力比の低下がほ
とんどなく、しかも圧縮機21の流量を大巾に絞った場
合でもほぼ一定の圧力比を保ったまま運転することがで
き、これによって安定した状態で蒸気噴射ガスタービン
20を運転することができるとともに、蒸気Sを無駄に
すること無くそのエネルギを回収することができ、シス
テムの効率向上を図ることができる。
【0033】次に、この発明の蒸気噴射ガスタービンに
可変容量タービンを用いる場合の一実施の形態について
図6〜図9により説明する。
【0034】この蒸気噴射ガスタービン40では、図6
に概略構成を示すように、既に説明した蒸気噴射ガスタ
ービン20の可変容量遠心圧縮機21に代え、通常の圧
縮機41が用いられる一方、タービン23に代え、可変
容量タービン42が用いられる構成で相違している。な
お、他の構成は共通となっているので、同一部分には、
同一記号を記し、説明は省略する。圧縮機41は、従来
同様、軸流圧縮機や遠心圧縮機のいずれかが用いられ
る。
【0035】この蒸気噴射ガスタービン40で用いられ
る可変容量タービン42は、図7及び図8に示すよう
に、可変ノズル42aを備えることでタービン流量を可
変にできるようにしてあり、例えば図7に示すように、
3段のタービンのそれぞれのノズルが可変ノズル42a
とされ、連動する可変機構42bで一体に動かすことが
できるようにしてある。
【0036】なお、可変容量タービンとしては、図示例
の軸流タービンに限らず、ラジアルタービンによる可変
容量タービンの場合であっても良い。
【0037】この可変機構42bは、図7,8に示すよ
うに、ノズル420と一体の回動軸421にアーム42
2の基端部が連結される一方、アーム422の先端部が
ノズル駆動リング423に回動可能に連結され、このノ
ズル駆動リング423を蒸気噴射ガスタービン40の中
心軸回りに回動することで、全てのノズル420の角度
を変えてタービン流量を増大したり、絞ったりできるよ
うにしてある。
【0038】このように構成した蒸気噴射ガスタービン
40では、排熱ボイラ24で発生した蒸気Sの一部を燃
焼器22に送り、残りをプロセス蒸気Sp として利用す
るが、プロセス蒸気Sp の需要がない場合には、従来は
そのままプロセス蒸気ラインから排気するしかなかった
が、ここでは、排熱ボイラ24で発生した蒸気Sの全量
並びにこれに加えて外の蒸気発生装置で作った余剰な蒸
気を燃焼器22に噴射する。これにともない、圧縮機4
1からはこれまで通りに圧縮空気Aが供給されるのに加
え、蒸気Sが燃焼器22に噴射された分だけ燃焼器22
を介して可変容量タービン42を流れる流量が増大し、
これに対応する必要があり、これらの可変容量タービン
42を流れる全タービン流量を増大するように可変ノズ
ル42aを動かしてノズル42aを開いた状態にする。
【0039】すると、この蒸気噴射ガスタービン40で
は、タービン42に対して流すことができる流量が増大
でき、その分だけタービン42の出力増大を図ることが
でき、発電機30による発電量を増大できる。そして、
このような可変容量タービン42を備える蒸気噴射ター
ビン40では、可変容量タービン42の動作点は、図9
(b)に示すように、可変ノズル42aでノズル面積を
拡大した場合には、図中実線で示すように、固定ノズル
の場合を表わす図中の破線の点Aから点Bまでの場合に
比べて、点A´から点B´を経て点C´までの間の広い
範囲を変化させることができる。
【0040】一方、圧縮機41の動作点でも、図9
(a)に示すように、固定ノズルのタービン23では、
回転数を一定とした場合に、固定ノズルの特性曲線上の
点Aからサージ限界ラインに近付く点Bまでの間を変化
するのに対し、この発明では、可変容量タービン42に
よって流量増大を図ることができ、可変ノズルの特性曲
線上の点A´から点B´(=点A)を経て点C´(=点
B)までの間の広い範囲を変化させることができ、排熱
ボイラ24で発生した蒸気Sの全量並びに加えて外から
の余剰蒸気を燃焼器22に噴射した場合でもタービン重
量を増大して蒸気を噴射してもサージングなしで運転す
ることができる。
【0041】これによって安定した状態で蒸気噴射ガス
タービン40を運転することができるとともに、蒸気S
を無駄にすること無く回収して発電機30を駆動するこ
とができ、蒸気Sの持つエネルギを電気で回収すること
ができるとともに、この蒸気噴射ガスタービンで発生さ
れる蒸気以外の余剰蒸気も発電に使うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上、一実施の形態とともに詳細に説明
したように、この発明の請求項1記載の蒸気噴射ガスタ
ービンによれば、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された
空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器
からの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるタービン
と、このタービンから排出される燃焼排ガスから蒸気を
発生させる排熱ボイラと、この排熱ボイラからの蒸気を
前記燃焼器に噴射する蒸気噴射手段およびプロセス蒸気
として供給するプロセス蒸気供給手段とからなる蒸気噴
射ガスタービンにおける圧縮機を可変容量遠心圧縮機と
し、しかもそのディフューザの弦節比を実験的に得られ
た1.0以下0.6以上としたので、この可変容量遠心
圧縮機によって、流量を絞った場合でも圧力比の低下を
生じることのない作動範囲を大巾に拡げることができ、
これによって排熱ボイラで生成する蒸気の全量並びに加
えて外からの余剰蒸気を、圧縮機のサージングを起こす
ことなく、燃焼器に噴射することができる。
【0043】また、この発明の請求項2記載の蒸気噴射
ガスタービンによれば、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮
された空気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器と、この
燃焼器からの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるター
ビンと、このタービンから排出される燃焼排ガスから蒸
気を発生させる排熱ボイラと、この排熱ボイラからの蒸
気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴射手段およびプロセス
蒸気として供給するプロセス蒸気供給手段とからなる蒸
気噴射ガスタービンにおけるタービンを可変容量タービ
ンとしたので、この可変容量タービンによって排熱ボイ
ラで生成する蒸気の全量並びに加えて外からの余剰蒸気
を燃焼器に噴射してタービン流量を増大し、出力増大を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠
心圧縮機を用いる場合の一実施の形態にかかる概略構成
図である。
【図2】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠
心圧縮機を用いる場合の一実施の形態にかかる圧縮機の
みの部分拡大図及び全体の縦断面図である。
【図3】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠
心圧縮機を用いる場合の一実施の形態にかかるディフュ
ーザの正面図である。
【図4】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠
心圧縮機を用いる場合の一実施の形態にかかる可変機構
の正面図である。
【図5】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量遠
心圧縮機を用いる場合の一実施の形態にかかる従来との
比較で示す性能特性図である。
【図6】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量タ
ービンを用いる場合の一実施の形態にかかる概略構成図
である。
【図7】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量タ
ービンを用いる場合の一実施の形態にかかる全体の縦断
面図である。
【図8】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量タ
ービンを用いる場合の一実施の形態にかかるノズルおよ
び可変機構の正面図および平面図である。
【図9】この発明の蒸気噴射ガスタービンに可変容量タ
ービンを用いる場合の一実施の形態にかかる従来との比
較で示す圧縮機上およびタービン上の性能特性図であ
る。
【図10】従来の部分再生式二流体ガスタービンの概略
構成図である。
【符号の説明】
20 蒸気噴射ガスタービン(可変容量遠心圧縮機) 21 可変容量遠心圧縮機(可変ディフユーザ) 21a インペラ 21b ディフューザ 21c 可変機構 22 燃焼器 23 タービン 24 排熱ボイラ 25 蒸気噴射手段 26 プロセス蒸気供給手段 27 空気ライン 28 空気バルブ 29 空気制御弁 30 発電機 31 蒸気バルブ 40 蒸気噴射ガスタービン(可変容量タービン) 41 圧縮機 42 可変容量タービン(可変ノズル) 42a 可変ノズル 42b 可変機構 A 空気 Ap プロセス空気 E 燃焼気ガス F 燃料 S 蒸気 Sp プロセス蒸気 W 給水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F04D 29/46 F04D 29/46 E F23R 3/00 F23R 3/00 A (72)発明者 小林 英夫 東京都江東区豊洲二丁目1番1号 石川島 播磨重工業株式会社東京第一工場内 (72)発明者 斎藤 正泰 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された空
    気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器か
    らの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるタービンと、
    このタービンから排出される燃焼排ガスから蒸気を発生
    させる排熱ボイラと、この排熱ボイラからの蒸気並びに
    加えて外からの余剰蒸気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴
    射手段およびプロセス蒸気として供給するプロセス蒸気
    供給手段とからなる蒸気噴射ガスタービンであって、前
    記圧縮機を可変容量遠心圧縮機で構成するとともに、こ
    の可変容量遠心圧縮機のディフューザの弦節比を1.0
    以下0.6以上としたことを特徴とする蒸気噴射ガスタ
    ービン。
  2. 【請求項2】 空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された空
    気に燃料を供給して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器か
    らの燃焼ガスのエネルギにより駆動されるタービンと、
    このタービンから排出される燃焼排ガスから蒸気を発生
    させる排熱ボイラと、この排熱ボイラからの蒸気並びに
    加えて外からの余剰蒸気を前記燃焼器に噴射する蒸気噴
    射手段およびプロセス蒸気として供給するプロセス蒸気
    供給手段とからなる蒸気噴射ガスタービンであって、前
    記タービンを可変容量タービンで構成したことを特徴と
    する蒸気噴射ガスタービン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004197738A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Nuovo Pignone Holding Spa 遠心圧縮機用改良型ディフューザ
US6865893B2 (en) 2002-06-25 2005-03-15 Hitachi, Ltd. Production process of gas turbine

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EP1918547A2 (en) 2002-06-25 2008-05-07 Hitachi, Ltd. Gas turbine production process
JP2004197738A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Nuovo Pignone Holding Spa 遠心圧縮機用改良型ディフューザ

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