JPH11229189A - 電着処理装置 - Google Patents

電着処理装置

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JPH11229189A
JPH11229189A JP10049995A JP4999598A JPH11229189A JP H11229189 A JPH11229189 A JP H11229189A JP 10049995 A JP10049995 A JP 10049995A JP 4999598 A JP4999598 A JP 4999598A JP H11229189 A JPH11229189 A JP H11229189A
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JP
Japan
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electrodeposition
electrodeposited
liquid
processing apparatus
electrodeposition liquid
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Withdrawn
Application number
JP10049995A
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English (en)
Inventor
Koji Suzuki
鈴木  孝治
Kiyoshi Onozawa
清 小野澤
Keiichi Kotani
圭一 小谷
Teruhisa Momose
輝寿 百瀬
Nobuhiro Sakihama
信宏 崎濱
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状の金属薄板からなる被電着材料を、帯状
のまま搬送させながら、その面に電着レジストを電着形
成するための電着処理装置で、電着形成された電着レジ
ストにピット(ピンホール)の発生を抑えることができ
る電着処理装置を提供する。 【解決手段】 帯状の金属薄板ないし樹脂等の薄板から
なる被電着材を、搬送させながら、帯状の状態のまま
で、その面に電着レジストを電着形成させるための電着
処理装置であって、電着槽の電着液内に少なくとも1個
のターンロールと、該電着液内のターンロールを挟む搬
送方向の前後に複数個のタールロールとを備え、これら
のターンロールにより被電着材を電着液内に沈めた状態
で電着を行うもので、被電着材の電着液への進入、排出
のどちらか一方又は両方を電着液面にて行うものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,帯状の金属薄板な
いし樹脂等の薄板からなる被電着材を搬送させながら、
帯状の状態のままで、その面に電着レジストを電着形成
させるための電着処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂封止型の半導体装置の組
立部材として用いられる(単層)リードフレームは、プ
レス法もしくはエッチング法により形成され、一般には
図7(a)に示すように、半導体素子を搭載するための
ダイパッド711と、ダイパッド711の周囲に設けら
れた半導体素子と結線するためのインナーリード712
と、該インナーリード712に連続して外部回路との結
線を行うためのアウターリード713、樹脂封止する際
のダムとなるダムバー714、リードフレーム710全
体を支持するフレーム(枠)部715等を備えている。
そして、リードフレーム(単層リードフレーム)710
は、通常、コバール、42合金(42%ニッケル−鉄合
金)、銅系合金のような導電性に優れた金属から成り、
図7(b)に示すように、ダイパッド711に半導体素
子720を搭載し、半導体素子720の端子(パッド)
721とインナーリード712の先端部とを金などのワ
イヤ730で結線を行った後に、樹脂740にて封止し
て、半導体装置700を作製していた。このように、半
導体素子720の端子(パッド)721とインナーリー
ド712の先端部とを金などのワイヤ730で結線を行
うために、導電性に優れ、ワイヤとの強い結合力をもつ
銀めっきをインナーリードの半導体素子搭載側先端部に
施す、部分銀めっき処理が一般には採られていた。
【0003】この部分銀めっき処理は、従来は、図5に
示すようなめっき装置500を用い、リードフレームを
数個1組みとした連状のリードフレーム510の被めっ
き領域以外をマスキング治具520で覆いながら押さ
え、被めっき領域へノズル540から噴出されためっき
液580をあてながらめっきを行うスパージャー式の治
具めっき方法が主に行われていた。この治具めっき方法
では、リードフレームの品種毎に治具を必要とし、且
つ、治具の製作には長期間を要し、使用するにつれ摩耗
や疲労を生じるため交換が必要であり、生産性の面やコ
スト面でも問題となっていた。また、めっきの品質を考
慮した場合、位置決めピンによって位置合わせを行い上
下の治具により1連リードフレームを挾み押さえた後め
っきを行うため、めっき位置精度、めっき厚均一性など
のめっき品質が作製された治具の精度や取り付けの精度
に影響を受け易い。そして、本来めっきが不要であるリ
ードフレームの側面や裏面にめっきが析出し易く、調整
には高度な経験的技術を要する等問題があった。更に、
半導体プロセスの進歩による半導体素子の入出力端子数
の増大化、パッケージサイズの小型化によるインナーリ
ード部の狭小化により、めっき部の寸法精度が一層厳し
くなってきており、寸法精度的にも対応が難しくなって
きた。
【0004】この為、治具を必要とせず、半導体素子の
多端子化やインナーリード部の狭小化にも対応できるも
のとして、近年、上記治具によるマスキングによる部分
銀めっきに換え、図4に示すような、めっき液への耐性
を備えた感光性の電着レジストを用い、リードフレーム
を数個1組みとした1フレーム(1連とも言う)のリー
ドフレームの所定の領域のみをめっき液に露出した状態
にマスキングしてめっきを施すリードフレームの銀めっ
き方法も採られるようになってきた。この電着レジスト
を用いた部分銀めっき方法を、図4を用いて簡単に説明
する。尚、図4は上記の電着レジストを用いた部分銀め
っき方法を説明するために、リードフレームの一部(特
徴部)の断面を示したものである。先ず、リードフレー
ム410全体を電解脱脂し、酸洗して、化学研磨した後
(図4(a))、リードフレーム410表面全体に下地
めっきとしての銅ストライクめっき430を施し(図4
(b))、その後に全面に電着レジスト420を形成す
る。(図4(c))次いで、所定のパターン版450を
用いて所定の部分(ダイパッド411とインナーリード
412の先端部)を紫外線(露光光)460で露光し
て、露光部のみを硬化させ(図4(d))、次いで、現
像処理を行い、未露光部の電着レジスト420を除去
し、銀めっき部440Aを露出させる(図4(e))。
次に、露出されためっき部440Aへ洗浄を行った後、
銀めっき液中にリードフレーム全体を漬して、攪拌しな
がら所定の電流密度と時間でめっきを行い、めっき部4
40Aへ所望の膜厚の銀めっき(皮膜)440を得る。
(図4(f))この後、電着レジスト420を剥離液で
剥離し、所定の領域のみに銀めっき(皮膜)440を有
するリードフレーム410Aを得る。(図4(g))
【0005】図4に示す電着レジストを用いたリードフ
レームの銀めっき方法における電着レジストの形成に
は、帯状の金属薄板素材を孔開け外形加工し、連結部に
て製品部(リードフレーム部)を保持した帯状の状態で
電着を行う方法が、処理性や作業性の面から、最近では
採られるようになってきた。この方法は、図3に示すよ
うに、被電着材料310を帯状にしたまま、その面を略
水平方向に搬送させながら、電着槽320内で電着を行
うものである。しかし、この方法では、被電着材料31
0の面を水平方向に搬送するため、電着時に被電着材料
310の面に発生する気泡が下側の面に滞留し易く、こ
の気泡が原因で電着形成された電着レジストにピット
(ピンホール)が発生する場合が多々あり、問題となっ
ていた。また、被電着材料310を電着槽320に進
入、排出する際に液の漏れが発生するため、漏れた電着
液313を電着液貯め325へ一端集め、これをポンプ
340により、フィルター345を介して吐出配管34
9から再度電着槽320に循環させて戻す電着液循環方
式を採っているが、循環させる液量が多いため、循環途
中において、気泡の完全な除去ができず、循環経路にお
ける気泡を原因とする電着レジストのピット(ピンホー
ル)発生も見られ、問題となっている。尚、図3に示す
装置の場合においては被電着材料を進入させる際に発生
する気泡が被電着材の面に直接付着してしまう場合もあ
る。
【0006】尚、図3に示す方法の場合には、帯状(フ
ーブ状)の金属薄板素材に保持された状態で、更に、銀
めっき等の貴金属めっきを、図6に示すようにして連続
的に行うことも試みられている。図6中、611は電着
レジストを配設した後の外形加工製品を多数連結部にて
保持しているフープ状の加工素材、620は貴金属めっ
き槽、613貴金属めっき液、660は搬送固定用の回
転ロール、670は電極である。尚、図6(b)は図6
(a)のB1−B2における断面図である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、リード
フレームへの貴金属めっきを行う場合に、治具を用いず
にめっき液への耐性を備えた感光性の電着レジストをめ
っきマスクとしためっき方法が採られるようになってき
たが、電着形成された電着レジストにピット(ピンホー
ル)の発生があり、生産性、量産性の面から品質的な対
応が求められていた。本発明は、このような状況のも
と、帯状の金属薄板素材を孔開け外形加工して得られ、
且つ、該帯状の金属薄板素材に連結部を介して製品部が
1個ないし複数個保持されているリードフレーム外形加
工品に対し、その所定領域のみをめっき形成するための
電着レジスからなるめっきマスクを作製するために、感
光性の電着レジストを電着形成する処理に用いる電着処
理装置で、電着形成された電着レジストにピット(ピン
ホール)の発生を抑えることができる電着処理装置を提
供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電着処理装置
は、帯状の金属薄板ないし樹脂等の薄板からなる被電着
材を、搬送させながら、帯状の状態のままで、その面に
電着レジストを電着形成させるための電着処理装置であ
って、電着槽の電着液内に少なくとも1個のターンロー
ルと、該電着液内のターンロールを挟む搬送方向の前後
に複数個のタールロールとを備え、これらのターンロー
ルにより被電着材を電着液内に沈めた状態で電着を行う
もので、被電着材の電着液への進入、排出のどちらか一
方又は両方を電着液面にて行うものであることを特徴と
するものである。そして、上記において、電着液内のタ
ーンロールの前後においては被電着材の搬送する方向に
直交する面内の各位置は略同じ高さで、搬送軌跡が略直
線で斜めとなるように、斜行して、被電着材を搬送させ
ていることを特徴とするものである。そしてまた、上記
において、電着槽内の電着液の流れを、下から上とし、
電着液内の気泡を電着槽から外に流すために、電着槽の
下側から電着液を供給する電着液供給部と、電着液の上
面側でオーバーフローした液を回収ないし循環使用する
ためのオーバーフロー受けを設けたものであることを特
徴とするものである。また、上記において、電極と被電
着材との間に気泡通過阻止用の隔膜を設けたことを特徴
とするものである。また、上記において、被電着材付近
の電着液に対し、局部的に所定の方向に電着液に流れを
発生させるノズルを、被電着材の表面、裏面のどちらか
一方または両方に設けたことを特徴とするものであり、
該ノズルは、被電着材の表面に沿い、被電着材に略平行
に電着液の流れを発生させるものであることを特徴とす
るものであり、また該ノズルは、被電着材の進行方向と
は反対の方向に電着液の流れを発生させるものであるこ
とを特徴とするものである。また、該ノズルに供給され
る電着液は、電着液の上面側からオーバーフローさせて
循環使用するものとは別系統にし、電着槽内部の電着液
を循環使用していることを特徴とするものである。ま
た、上記において、電着液内において、電着液内のター
ンロールの前における被電着材の電着液内の搬送軌跡の
長さは、電着形成される電着レジストを得ることができ
る長さとするものであることを特徴とするものである。
また、上記において、被電着材が、帯状の金属板素材を
孔開け外形加工して得られ、且つ、該帯状の金属板素材
に連結部を介して製品部が1個ないし複数個保持されて
いる外形加工品であることを特徴とするもので、該被電
着材がリードフレームを製品部とすることを特徴とする
ものである。
【0009】尚、ここでは、ノズルにより電着液に流れ
を発生させるとは、ノズルが無い場合の液流に対し、こ
れを変化させる流れを所定方向にもたらすことを意味し
ている。また、樹脂等の薄板とは、少なくとも表面が導
電性を有する帯状の薄板を意味している。
【0010】
【作用】本発明の電着処理装置は、このような構成にす
ることにより、帯状の金属薄板ないし樹脂等の薄板から
なる被電着材を搬送させながら、帯状の状態のままで、
その面に電着レジストを電着形成させるための電着処理
装置で、電着レジストにピット(ピンホール)の発生が
少なく、且つ、作業性が良い電着処理装置の提供を可能
としている。特に、被電着材が帯状の金属薄板素材を孔
開け外形加工して得られ、且つ、該帯状の金属薄板素材
に連結部を介して製品部が1個ないし複数個保持されて
いるリードフレーム外形加工品である場合には、本発明
の電着処理装置は有効で、この装置により、その所定領
域のみをめっき形成するための電着レジスからなるめっ
きマスクの作製を品質的に可能としており、作業性の面
でも高い効率化が可能で量産が期待できる。具体的に
は、電着槽の電着液内に少なくとも1個のターンロール
と、該電着液内のターンロールを挟む搬送方向の前後に
複数個のタールロールとを備え、これらのターンロール
により被電着材を電着液内に沈めた状態で電着を行うも
ので、被電着材の電着液への進入、排出のどちらか一方
又は両方を電着液面にて行うものであることにより、進
入ないし排出口での電着液の漏れがない。そのため、電
着液漏れによる液の泡立ちがなく、電着槽からオーバー
フローさせ循環使用する経路内の電着液の泡を少なくで
き、泡取り装置で十分泡を除去することができるため、
電着液の循環で生じた泡が被電着材へ付着して生じるス
ピット(ピンホール)の発生を少なくすることができ
る。本発明の電着処理装置においては、図3に示す水平
搬送方式とは異なり、被電着材の電着槽の電着液への進
入、排出に際し、多量の漏れがなく、これを循環して使
用する必要もない。電着槽の電着液内における被電着材
の搬送形態としては、電着液内のターンロールの前後に
おいては被電着材の搬送する方向に直交する面内の各位
置は略同じ高さで、搬送軌跡が略直線で斜めとなるよう
に、斜行して、被電着材を搬送させる形態が挙げられ、
更に、電着槽内の電着液の流れを、下から上とし、電着
液内の気泡を電着槽から外に流すために、電着槽の下側
から電着液を供給する電着液供給部と、電着液の上面側
でオーバーフローした液を回収ないし循環使用するため
のオーバーフロー受けを設けることにより、被電着材の
上下面側での電着液の滞留を少なくし、電着時に被電着
材付近で発生するガス(気泡)等の被電着材への付着を
防止できる。尚、電着液供給部とオーバーフロー受けに
よる電着槽の下から上への電着液の流れは、図3に示す
水平搬送方式の場合と異なり、被電着材の電着液への進
入、搬出の際に、漏れは極少量で、電着液面に滞留して
いる気泡を除去する程度に、必要最小限に抑えることが
好ましい。
【0011】また、電極と被電着材との間に気泡通過阻
止用の隔膜を設けたことにより、電着時に電極側で発生
する気泡の被電着材への付着を防止し、この気泡に起因
する形成された電着レジストのピット(ピンホール)の
発生を防いでいる。また、被電着材付近の電着液に対
し、局部的に所定の方向に電着液に流れを発生させるノ
ズルを、被電着材の表面、裏面のどちらか一方または両
方に設けたことにより、電着液中の気泡の被電着材への
付着を少ないものとし、結果、この気泡に起因する形成
された電着レジストのピット(ピンホール)の発生を防
いでいる。ノズルは、被電着材の表面に沿い、被電着材
に略平行に電着液の流れを発生させるものであることが
好ましく、特に、被電着材の進行方向とは反対の方向に
電着液の流れを発生させるものであることが好ましい。
【0012】また、電着液内において、電着液内のター
ンロールの前における被電着材の電着液内の搬送軌跡の
長さは、電着形成される電着レジスト膜を得ることがで
きる長さとするものであることにより、電着液内のター
ンロールによる電着形成途中の電着レジスト面の剥離や
傷つきがなくなり、品質的にも信頼できるものとでき
る。即ち、被電着材が電着液内に進入し、電着液内のタ
ーンロールに達するまでに、電着レジスト膜の形成をほ
ぼ完了させておくのである。尚、電着条件や電着槽の長
さ等により、必要に応じて、電着液内のターンロールの
進行方向位置を変える。
【0013】本発明の電着処理装置は、被電着材が、帯
状の金属板素材を孔開け外形加工して得られ、且つ、該
帯状の金属板素材に連結部を介して製品部が1個ないし
複数個保持されている外形加工品にも適用できる。リー
ドフレームを製品部とする外形加工品を被電着材とする
場合には、特に有効である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の電着処理装置の実施の形
態を挙げて図に基づいて説明する。図1(a)は、本発
明の電着処理装置の実施の形態の1例を示した概略図
で、図1(b)は、ノズルを循環する電着液の経路を分
かり易く示した概略図で、図2は、製品部をリードフレ
ームとして孔開け外形加工された被電着材の状態を示し
た図である。尚、図1中の電着槽内、電着液供給部の矢
印は、電着液の流れの方向を示したものである。図1
中、100は電着処理装置、110は被電着材、120
は電着槽、125はオーバーフロー受け(オーバーフロ
ー液排出部)、127は電着液、130は電極、135
は隔壁、137は整流板、141〜145はターンロー
ル、150は電着液供給部、151は電着液貯め、15
2、152Aはポンプ、153153Aはフィルター、
154、154Aは配管、160はノズルである。図1
(a)に示す電着処理装置110は、製品部がリードフ
レームで、連結部にて帯状の加工素材に保持された状態
で製品部が多数、孔開け外形加工された、帯状の金属板
薄板からなる被電着材110を、搬送させながら、帯状
の状態のままで、その面に感光性の電着レジストを電着
形成させるための電着処理装置である。そして、電着槽
110の電着液127面上側に2個のターンロール(1
41、142)と、電着液127内に1個のターンロー
ル143を備え、電着槽110の電着液面上側に複数個
のターンロール141、142と、電着液127内に設
けられたターンロール143により、被電着材110を
電着液127内に沈めた状態で、斜行して搬送させ、且
つ、被電着材110の電着液127への進入、排出の両
方を電着液面にて行うものである。また、電着処理装置
110は、電着液127の流れを、電着槽120下から
上とし、電着液内にある気泡をオーバーフロー受け12
5に流出するために、電着液127を電着槽120下側
から供給する電着液供給部150と、オーバーフローし
た液を回収ないし循環使用するためのオーバーフロー受
け125とを設けている。更に、電極130と被電着材
110との間に気泡絶縁用の隔膜135を設けている。
【0015】電着液供給部150は、電着貯め151中
の電着液をポンプ152により、フィルター153を介
して電着槽120の下側部に送り込み、整流板137を
介して鉛直方向、下から上へと電着液を供給するもので
ある。フィルター153は電着液中の気泡の除去を行
う。整流板137は鉛直方向に開けた孔部に電着液を通
すことにより、電着液の流れを電着槽全体に均一に分散
させ、電着液の流れをオーバーフローによる液の流れと
併せて、電着槽内において下から上へと方向つけるもの
である。電着貯め151へは、新しい所定の電着液ある
いは、後述するオーバーフロー受け125からの電着液
が供給される。
【0016】オーバーフロー受け125は、電着槽12
0の液面が所定の高さになると電着液が流れ込むように
したもので、図1(a)では明示していないが、スリッ
ト等の孔を設けて流れ込むようにしたものである。オー
バーフロー受け125側へ流れ込む液量は、電着液供給
部150からの液供給量で決まり、前述の通り、オーバ
ーフロー受け125と電着液供給部150とにより、電
着槽内の電着液の流れが下から、上へとなる。この流れ
は、電着液内の気泡をオーバーフロー受け125に流し
込むもので、必要最小限の流れが好ましい。
【0017】また、電極130に発生した気泡が被電着
材110に付着しないように、電極130の回りを囲む
ように、電極130と被電着材110との間に気泡通過
阻止用の隔膜135を設けている。これにより、電着の
際に電極部に発生する気泡が、被電着材110に付着す
るのを防止できる。
【0018】また、図1(a)に示す出着処理装置10
0においては被電着材110付近の電着液127に対
し、局部的に被電着材110の進行方向とは反対の方向
に電着液127の流れを発生させるノズル160を、被
電着材110の表裏両面に設けている。ノズル160
は、被電着材110付近の電着液に対し、局部的に所定
の方向に電着液127に流れを発生させ、被電着材11
0に付着した気泡を放つためのもので、電着槽120内
の電着液127の下から上への流れと併せて、被電着材
110への気泡の付着を防ぐ。被電着材110の進行方
向とは反対の方向に電着液127の流れを発生させるノ
ズルが好ましいが、被電着材110の表面に沿い(平行
で)、被電着材110の進行方向になるようにしても良
い。ノズル160は、管状のものに開孔(スリット等)
を開けて、ここから電着液を吹き出し、電着槽120内
の電着液127に流れを発生させるものである。図1
(a)に示すノズル160は、図1(b)に示すよう
に、電着槽120の電着液127をオーバーフローの循
環(図1(a)に示す)とは別系統で循環し、ポンプ等
により圧力をかけて開孔から電着液を吹き出すものであ
るが、これに限定はされない。
【0019】また、電着処理装置100は、被電着材1
10と電極130、あるいは 被電着材110と隔膜1
35までの距離を可変とできる距離調整部を備えている
ことが好ましい。その構造としては、モータ、ベルト、
駆動支持部等からなり、電極130、隔壁135の位置
を、モータを回転させることにより駆動支持部を駆動さ
せて、それぞれ独立に変えることが出来るもの等が挙げ
られるが、これに限定される必要はない。これにより、
各種めっき条件に対応できる。
【0020】電着液127としては、例えば、カルボキ
シル基を有するアクリル系不飽和化合物で、それをアク
リルモノマーまたはスチレンに溶解させて有機アミンで
中和させたものに、光増感剤を少量加えたもの等が挙げ
られる。しかし上記アクリル系に限らず、例えば、ポリ
オレフィン系やポリブタジエン系の電着液であっても良
い。また、光増感剤としては、例えばベンゾインエーテ
ルがある。電着レジスト皮膜としては、アニオン析出
型、カチオン析出型のどちらでも良い。感光性の電着レ
ジストは、ポジ型、ネガ型に特に限定されない。電着レ
ジストは、カチオンタイプの場合には陰極に析出し、ア
ニオンタイプの場合には陽極に析出するため、タイプに
応じて被電着物(リードフレーム外形加工品)側の極性
を決める。また、リードフレーム材としては、42合金
(42%ニッケル−鉄合金)、コバール、各種銅合金が
適用でき、銀めっき処理、パラジウムめっき処理、パラ
ジウム系合金めっき処理等の高価な貴金属めっきを無駄
なく所望の部分にのみ付けることができる。
【0021】被電着材110がリードフレームを製品部
とした場合、例えば、図2に示すように、孔開け外形加
工されている。図7(a)に示すような、単一のリード
フレーム1個210を複数個フレームや連結部にて保持
して連ねた、図2(b)に示すリードフレーム1フレー
ム(1連とも言う)210Aを、帯状の加工素材205
に連結部220にて保持した状態で、複数個孔開け外形
加工されている。
【0022】
【発明の効果】本発明は、上記のように、帯状の金属板
薄板ないし樹脂等の薄板からなる被電着材を搬送させな
がら、帯状の状態のままで、その面に電着レジストを電
着形成させるための電着処理装置で、電着レジストにピ
ット(ピンホール)の発生の少なく、且つ、作業性が良
い電着処理装置の提供を可能としている。特に、被電着
材が帯状の金属薄板素材を孔開け外形加工して得られ、
且つ、該帯状の金属薄板素材に連結部を介して製品部が
1個ないし複数個保持されているリードフレーム外形加
工品である場合には、本発明の電着処理装置は有効で、
この装置により、その所定領域のみをめっき形成するた
めの電着レジスからなるめっきマスクの作製を品質的に
可能としており、作業性の面でも高い効率化が可能で量
産が期待できる。電着レジストを用いたリードフレーム
のめっきにおいては、治具めっき方法のようなめっき漏
れの心配は無く、必要な領域にだけ、銀等の高価な貴金
属をめっきすることを可能であり、更には、リードフレ
ームの微細化、即ちインナーリードの狭いピッチ化にも
対応できるため、本発明の電着処理装置はリードフレー
ムの量産化や微細化への対応も可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着処理装置の実施の形態の1例を示
した概略図
【図2】製品部をリードフレームとして孔開け外形加工
された被電着材の状態を示した図
【図3】従来の電着レジストを被膜するための電着処理
装置の図
【図4】従来の電着レジスト皮膜を用いためっき処理を
説明するための工程図
【図5】治具によるマスキング方式の部分めっき装置の
概略図
【図6】電着レジスト膜をマスクとした、外形加工され
た帯状の板の貴金属めっき方法を説明するための概略図
【図7】リードフレームと半導体装置を説明するための
【符号の説明】
100 電着処理装置 110 被電着材 115 開孔部 120 電着槽 125 オーバーフロー受け(オー
バーフロー液排出部) 127 電着液 130 電極 135 隔壁 137 整流板 141〜145 ターンロール 150 電着液供給部 151 電着液貯め 152、152A ポンプ 153、153A フィルター 154、154A 配管 160 ノズル 200 被電着材 205 加工素材 210 リードフレーム1個 210A リードフレームの1フレー
ム(1連) 220 連結部 310 被電着材料 313 電着液 313A 補充電着液 320 電着槽 323 オーバーフロー受け 325 電着液貯め 340 ポンプ 345 フィルター 347 配管 349 吐出配管 350 電着液循環部 410 リードフレーム 410A 銀めっき済みリードフレー
ム 411 ダイパッド 412 インナーリード 412A 辺部(エッジ部) 420 電着レジスト皮膜 430 銅ストライクメッキ 440 銀めっき(皮膜) 440A めっき部 450 パターン版 460 紫外線(露光光) 500 めっき装置 510 リードフレーム 520 マスキング治具 530 プレス用治具 530A プレス材 530B 弾性材 540 ノズル 550 定電流源 560 陽極電極 570 陰極電極 611 被電着材 613 貴金属めっき液 620 貴金属めっき槽 660 搬送固定用ロール 670 電極 700 半導体装置 710 リードフレーム 711 ダイパッド 712 インナーリード 713 アウターリード 714 ダムバー 715 フレーム(枠)部 720 半導体素子 721 端子(パッド) 730 ワイヤ 740 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百瀬 輝寿 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 崎濱 信宏 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の金属薄板ないし樹脂等の薄板から
    なる被電着材を、搬送させながら、帯状の状態のまま
    で、その面に電着レジストを電着形成させるための電着
    処理装置であって、電着槽の電着液内に少なくとも1個
    のターンロールと、該電着液内のターンロールを挟む搬
    送方向の前後に複数個のタールロールとを備え、これら
    のターンロールにより被電着材を電着液内に沈めた状態
    で電着を行うもので、被電着材の電着液への進入、排出
    のどちらか一方又は両方を電着液面にて行うものである
    ことを特徴とする電着処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、電着液内のターンロ
    ールの前後においては被電着材の搬送する方向に直交す
    る面内の各位置は略同じ高さで、搬送軌跡が略直線で斜
    めとなるように、斜行して、被電着材を搬送させている
    ことを特徴とする電着処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、電着槽内の
    電着液の流れを、下から上とし、電着液内の気泡を電着
    槽から外に流すために、電着槽の下側から電着液を供給
    する電着液供給部と、電着液の上面側でオーバーフロー
    した液を回収ないし循環使用するためのオーバーフロー
    受けを設けたものであることを特徴とする電着処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3において、電極と被電
    着材との間に気泡通過阻止用の隔膜を設けたことを特徴
    とする電着処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、被電着材付
    近の電着液に対し、局部的に所定の方向に電着液に流れ
    を発生させるノズルを、被電着材の表面、裏面のどちら
    か一方または両方に設けたことを特徴とする電着処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、ノズルは、被電着材
    の表面に沿い、被電着材に略平行に電着液の流れを発生
    させるものであることを特徴とする電着処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、ノズルは、被電着材
    の進行方向とは反対の方向に電着液の流れを発生させる
    ものであることを特徴とする電着処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項5において、ノズルに供給される
    電着液は、電着液の上面側からオーバーフローさせて循
    環使用するものとは別系統にし、電着槽内部の電着液を
    循環使用していることを特徴とする電着処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8において、電着液内に
    おいて、電着液内のターンロールの前における被電着材
    の電着液内の搬送軌跡の長さは、電着形成される電着レ
    ジストを得ることができる長さとするものであることを
    特徴とする電着処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9において、被電着材
    が、帯状の金属板素材を孔開け外形加工して得られ、且
    つ、該帯状の金属板素材に連結部を介して製品部が1個
    ないし複数個保持されている外形加工品であることを特
    徴とする電着処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項10における被電着材がリード
    フレームを製品部とすることを特徴とする電着処理装
    置。
JP10049995A 1998-02-17 1998-02-17 電着処理装置 Withdrawn JPH11229189A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100465613B1 (ko) * 2002-11-01 2005-01-13 태창엔지니어링 주식회사 전착 레지스트 코팅장치
CN107164798A (zh) * 2017-06-13 2017-09-15 浙江明泉工业装备科技有限公司 新能源汽车车身电泳装置的电泳槽

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KR100465613B1 (ko) * 2002-11-01 2005-01-13 태창엔지니어링 주식회사 전착 레지스트 코팅장치
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