JPH11228167A - 情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体

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Publication number
JPH11228167A
JPH11228167A JP10319284A JP31928498A JPH11228167A JP H11228167 A JPH11228167 A JP H11228167A JP 10319284 A JP10319284 A JP 10319284A JP 31928498 A JP31928498 A JP 31928498A JP H11228167 A JPH11228167 A JP H11228167A
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JP
Japan
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glass substrate
substrate
glass
recording medium
disk
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Application number
JP10319284A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Hashimoto
和明 橋本
Gakuroku Suu
学禄 鄒
Hisayoshi Toratani
久良 虎溪
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • C03C3/068Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing rare earths

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性を損なわずに、アルミニウムに比
べ充分に高いヤング率を有する情報記録媒体用ディスク
基板を提供すること、及びこのディスク基板を用いた情
報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 モル%で表示してSiO2: 0-25 %、B2O3: 2
0-60 %、Al2O3: 0-30 %、CaO+MgO+ZnO: 0-35 %、少なく
とも一種の希土類酸化物: 0.5-30 %、ZrO2+TiO2: 0-15
%の組成を有する情報記録媒体用ガラス基板。このガラ
ス基板と、このガラス基板上に形成された記録層とを有
する情報記録媒体及びこのガラス基板と、このガラス基
板上に形成された磁気記録層とを有する磁気ディスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク(ハ
ードディスク)、光ディスク、光磁気ディスク等の情報
記録媒体に使用されるガラス製ディスク基板及び情報記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サーバー等の高性能のハードディ
スクドライブは、高容量と共にデータの 転送速度の高
速化が要求されている。ディスクの回転速度は1000
0rpmに達し、トラック密度が10000TPI又は
トラック間が2.5μmとなりつつある。さらに、限ら
れた大きさのドライブの中にできるだけ多くのディスク
を搭載するために、板厚の薄いディスクに対する要求が
ある。その結果、このようなディスクは、小さいフライ
ングハイトのための表面平滑性と耐衝撃性のための表面
の硬度と共に、高い剛性、及び/又は大きいダンピング
が要求されてきている。現在、3.5インチのディスク
ドライブに用いられているアルミニウム基板は、ヤング
率が72GPa程度であり、高性能のディスクドライブ
に用いるには限界があることは明らかである。表面平滑
性や耐衝撃性に関しても改善が必要である。
【0003】従来、ガラス基板は、携帯用パソコンの
2.5インチディスクドライブに搭載されてきた。この
場合は、ドライブはデスクトップ型パソコンに比べ、良
好な耐衝撃性が必要である。例えば、特開平5−324
31号公報に記載された化学強化用のガラスは、600
G以上の非常に耐衝撃性の高いガラス基板である。この
ガラスは、重量%で表示して、62〜75%のSiO
2 、5〜15%のAl23、4〜10%のLi2O、4
〜12%のNa2O、および5.5〜15%のZrO2
を含有し、かつNa2O/ZrO2の重量比が0.5〜
2.0であり、さらにAl23/ZrO2の重量比が
0.4〜2.5である。しかし、このガラス基板のヤン
グ率は83GPaであり、アルミニウムと大差がない。
さらに、例えば、米国特許5,391,522号に記載されてい
るようなSiO2を65〜83%、Li2Oを8〜13%、K2O
を0〜7%、MgOを0.5〜5.5%、ZnOを0〜5%、
PbOを0〜5%、(但し、MgO+ZnO+PbOを0.5〜5
%)、P2O5を1〜4%、Al2O3を0〜7%、As2O3+Sb2O
3を0〜2%含み、主結晶として微細なLi2O・2SiO2結晶
粒子を含む結晶化ガラス基板もディスクドライブ市場に
参入しつつある。このような結晶化ガラスの中には、高
いヤング率を示すものもあるが、結晶粒が大きく、表面
を平滑化するのにコストがかかるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
ディスク基板は、サーバー等の高性能のハードディスク
ドライブ用として優れた表面平滑性、耐衝撃性、高い剛
性、及び/又は大きいダンピング全てを満足するもので
はなかった。そこで、本発明の目的は、表面平滑性を損
なわずに、アルミニウムに比べ充分に高いヤング率を有
する情報記録媒体用ディスク基板を提供することにあ
る。さらに、本発明の別の目的は、上記ディスク基板を
用いた情報記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、モル%で表示
して SiO2: 0-25 % B2O3: 20-60 % Al2O3: 0-30 % CaO+MgO+ZnO: 0-35 % 少なくとも一種の希土類酸化物: 0.5-30 % ZrO2+TiO2: 0-15 % の組成を有することを特徴とする。
【0006】さらに、本発明は、上記本発明のガラス基
板と、このガラス基板上に形成された記録層とを有する
ことを特徴とする情報記録媒体に関する。加えて、本発
明は、上記本発明のガラス基板と、このガラス基板上に
形成された磁気記録層とを有することを特徴とする磁気
ディスクに関する。
【0007】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。まず、本発明の情報記録媒体用ガラス基板について
説明する。尚、本発明における「ガラス」とは、結晶粒
子を実質的に含んでいないアモルファスなものを意味
し、結晶粒子を含んでいるいわゆる「結晶化ガラス」又
は「ガラスセラミックス」とは本質的に異なる。本発明
の情報記録媒体用ガラス基板において、B2O3は主たる網
目構造形成酸化物であり、その含有量は、20-60%とす
る。その理由は、20%よりも少ないとガラスが失透しや
すくなり、60%よりも多いとガラスの耐久性やヤング
率などの特性が悪化するからである。B2O3の含有量は、
好ましくは、21−58%、さらに好ましくは、25−
56%である。SiO2はガラスの耐久性を向上させるため
に含有させてもよいが、その含有量は20%以下に制限
される。その理由は、20%を超えるとガラスのヤング
率が急激に低下してしまうからである。尚、網目構造の
持続性を高めるために、SiO2+B2O3は40%以上とするこ
とが好ましい。Al2O3はガラスの耐久性を向上させるた
めに含有させてもよいが、その含有量は30%以下に制
限される。その理由は、30%を超えるとガラスの高温
溶解性が悪化したり、失透しやすくなるからである。ま
た、CaO、MgO、ZnOはガラスの熔融性や安定性を向上す
るために含有させてもよいが、その含有量はCaO+MgO+Zn
Oが35%以下に制限される。その理由は、35%を超
えるとガラスが不安定になるからである。
【0008】希土類酸化物は、高いヤング率を得るため
に重要な成分であり、その含有量は、0.5-30%とする。
その理由は、0.5%よりも少ないと高いヤング率を得る
ことができず、30%よりも多いとガラスの熱的安定性が
悪化するからである。希土類酸化物の含有量は、好まし
くは、1−27%、さらに好ましくは、2−25%であ
る。希土類酸化物としては、例えば、Y2O3、La2O3、CeO
2、Pr2O3、Sm2O3、Eu2O3、Ga2O3、Tb2O3、Dy2O3、Ho
2O3、Er2O3、Tm2O3 及び Yb2O3などを挙げることがで
き、本発明のガラス基板は、これら希土類酸化物の1種
又は2種以上を含有することができる。
【0009】ZrO2及びTiO2は、ヤング率を改善するのに
効果的であるために含有させてもよいが、その含有量は
ZrO2+TiO2で15%以下に制限される。その理由は、ZrO
2+TiO2の含有量が15%を超えるとガラスが分相しやす
くなるからである。
【0010】さらに、ガラスの高温熔融性、高温粘性、
作業温度範囲を調整する等の目的で、GeO2、Li2O、W
O3、Ta2O5、Nb2O5等を含んでもよい。その含有量は、5
%以下とすることが好ましい。
【0011】本発明のガラス基板は、公知の製造方法に
より製造することができる。例えば、高温溶融法即ち所
定の割合のガラス原料を空気中又は不活性ガス雰囲気で
溶解し、バブリングや脱泡剤の添加や攪拌などによって
ガラスの均質化を行い、周知のプレス法やダウンドーロ
成形などの方法により板ガラスに成形される。その後、
研削、研磨などの加工が施され所望のサイズ、形状のガ
ラス基板とすることができる。なお、研磨ではラッピン
グ及び酸化セリウムなどの研磨粉によるポリシング加工
を行うことで、表面粗さ(Ra)を例えば3〜5オングスト
ロームの範囲にすることができる。
【0012】本発明のガラス基板は、表面平滑性に優
れ、かつ高いヤング率を有することから、磁気ディスク
等の情報記録媒体用基板として好適である。
【0013】本発明は、ヤング率が100GPaよりも
高いガラス組成を選択したことに基づくものである。ヤ
ング率が高い材料の必要性は、次のような事実に基づき
説明することができる。ディスクの静的なたわみは力学
的に求めることができる。外周部の最大たわみ量は次式
(1)で求められる("Mechanical Engineer's Handboo
k", JSME (1987) pp.A4-57 )。
【0014】
【式1】 Wmax = (F a4 / E h3 ) f(ν) (1)
【0015】ここで、 Wmax は最大たわみ、Fはディス
クに作用される力、a はディスクの外周半径、E はヤン
グ率、hはディスクの厚さ、f(ν)はポアソン比の関数で
あり、外周と内周の半径のパラメータである。ディスク
に作用する力F は重力に等しく、即ち以下の式が成り立
つ。
【0016】
【式2】F = ρ h ここでρはディスクの密度である。それ故式(1)は次
式のように書き直すことができる。
【0017】
【式3】 Wmax = (ρa4 / E h2 ) f(ν) = (a4 / G h2) f(ν) (2)
【0018】ここで G は比弾性率である。比弾性率は
静的なたわみにとって重要な材料パラメータである。一
方、ディスクが回転しているときに作用する力は時間に
依存し、その様子は非常に複雑であり、式2で表すこと
はできなかった。図1は、基板が回転したときの基板の
たわみの概略図である。ディスクの回転によって発生す
るドライブ内の気流の乱れがディスクに及ぼす力Fは回
転速度が増すに従って増加する。時間に依存する最大た
わみ量、即ち振動振幅は、式1で表されるように材料の
パラメータであるヤング率によって主に決定される。デ
ィスクの振動振幅は、ディスク装置の固有振動数が気流
によって引き起こされる強制振動の振動数と一致すると
増加する。ダンピングを有する強制振動の単純な一次元
モデルでは、共鳴した時の振幅は、以下の式で表され
る。
【0019】
【式4】X = F / (cωi )
【0020】ここで c はダンピング定数、ωi は固有
振動数である。気流によって生じる力の大きさは振動数
に対して減少する。したがって、周波数の増加に伴って
振幅の大きさは減少する。固有振動数は比弾性率の1/
2乗に対して増加することが知られている。このこと
は、比弾性率も重要なパラメータであるが、ヤング率よ
りも影響の小さいことを示している。ダンピングは重要
なパラメータの一つであるが、アルミやガラス、結晶化
ガラスなどの場合、材料による違いよりも、個々のディ
スクとクランプアセンブリとの間の摩擦による影響が大
きいと考えられる。
【0021】ヤング率は、ガラスの組成によって決ま
る。一般的には、モル体積が小さい程ヤング率は大き
い。ガラスのヤング率を計算するための式としては、牧
島とマッケンジーによって提案されたものがある。(A.
Makishima and J.D.Mackenzie :J. Non-Crystalline So
lids, 12 (1973) 35-45参照)
【0022】
【式5】E = 2 (ρ /M) Σ xiGiΣxiVi Vi = NA (4 π/3) ( m RA 3 + n RO 3 )
【0023】但し、ρはガラスの密度、M はガラスの分
子量、xi 成分iのはモル分率、Giは成分iの解離エネ
ルギー、Vi は成分iの 最大充填密度、NA はアボガド
ロ数、 RA と RO はAmOnで示される成分iのカチオ
ンAとアニオンOのイオン半径である。
【0024】次に、本発明の情報記録媒体について説明
する。本発明の情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体
用ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された記録層と
を有することを特徴とする。ここで、「ガラス基板上に
形成された記録層」とは、ガラス基板表面に直接または
所望の層を介して形成された単層構造または複数層構造
の記録層を意味し、当該記録層の材料及び層構造は、目
的とする情報記録媒体の種類に応じて、磁気記録層、光
記録層、光磁気記録層等として機能するよう適宜選択さ
れる。次に、本発明の磁気ディスクについて説明する。
本発明の磁気ディスクは、本発明のガラス基板と、この
ガラス基板上に形成された磁気記録層とを有することを
特徴とする。上述した本発明のガラスからなる基板の主
表面に、少なくとも磁性層を形成した磁気ディスク(ハ
ードディスク)ものについて以下に説明する。磁性層以
外の層としては、機能面から、下地層、保護層、潤滑
層、凹凸制御層などが挙げられ、必要に応じて形成され
る。これらの各層の形成には各種薄膜形成技術が利用さ
れる。磁性層の材料は特に制限されない。磁性層として
は、例えば、Co系の他、フェライト系、鉄−希土類系な
どが挙げられる。磁性層は、水平磁気記録、垂直磁気記
録のいずれの磁性層でもよい。磁性層としては、具体的
には、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、Co
NiCr、CoCrTa、CoPtCrやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtT
a、CoCrPtSiO などの磁性薄膜が挙げられる。また、磁
性層を非磁性層で分割してノイズ低減を図った多層構成
としてもよい。
【0025】磁性層における下地層は、磁性層に応じて
選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo、Ta、T
i、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少な
くとも一種以上の材料、又はそれらの金属の酸化物、窒
化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。Coを主
成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点から
Cr単体やCr合金であることが好ましい。下地層は単層と
は限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とす
ることもできる。例えば、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/Cr等
の多層下地層等が挙げられる。
【0026】また、基板と磁性層の間又は磁性層の上部
に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することを防止す
るための凹凸制御層を基板表面の一部又は全部に設けて
もよい。この凹凸制御層を設けることによって、磁気デ
ィスクの表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッド
と磁気ディスクが吸着することがなくなり、信頼性の高
い磁気ディスクが得られる。凹凸制御層の材料及び形成
方法は多種知られており、特に制限されない。例えば、
凹凸制御層の材料としては、Al、Ag、Ti、Nb、Ta、Bi、
Si、Zr、Cr、Cu、Au、Sn、Pd、Sb、Ge、Mgなどから選ば
れる少なくとも一種以上の金属、又はそれらの合金、あ
るいは、それらの酸化物、窒化物、炭化物等からなる下
地層等が挙げられる。形成が容易であるという観点から
は、Al単体やAl合金、酸化Al、窒化AlといったAlを主成
分とする金属であることが望ましい。
【0027】また、ヘッドスティクションを考慮する
と、凹凸形成層の表面粗さは、Rmax=50〜300オン
グストロームであることが好ましい。より好ましい範囲
は、Rmax=100〜200オングストロームである。Rm
axが50オングストローム未満の場合、磁気ディスク表
面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着
し、磁気ヘッドや磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや
磁気ディスクが傷ついてしまったり、吸着によるヘッド
クラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが3
00オングストロームを超える場合、グライド高さ(グ
ライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので
好ましくない。尚、凹凸制御層を設けずに、ガラス基板
表面に、エッチング処理やレーザー光の照射等の手段で
凹凸を付け、テクスチャリング処理を施してもよい。
【0028】保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金
膜、炭素膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げられる。
これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにインライ
ン型スパッタ装置等で連続して形成できる。また、これ
らの保護膜は、単層としてもよく、あるいは、同一又は
異種の膜からなる多層構成としてもよい。上記保護層上
に、あるいは上記保護膜に替えて、他の保護層を形成し
てもよい。例えば、上記保護層上にテトラアルコキシラ
ンをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシ
リカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ
素(SiO2)膜を形成してもよい。この場合、保護膜と凹
凸制御層の両方の機能を果たす。
【0029】潤滑層としては多種多様な提案がなされて
いるが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオロポ
リエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面
にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法によっ
て塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成する。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例によりさらにを説明す
る。表1〜2に、実施例1〜23のガラス組成(モル
%)及びそのガラス組成のヤング率、比重、及び比弾性
率を示す。こららのガラスを溶解する際の出発原料とし
ては、SiO2、B2O3、H3BO3、Al2O3、GeO2、MgO、MgCO3
ZnO、Y2O3、La2O3、Gd 2O3、Li2CO3、ZrO2、TiO2などを
用いて、表1〜2に示した所定の割合に250〜300
g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白
金るつぼに入れ、1550℃で空気中3〜5時間ガラス
の溶解を行った。熔融後、ガラス融液をサイズ180×
15×25mm或いはφ97mm×5mmのカーボンの金型に
流し、ガラスの転移点温度まで放冷してから直ちにアニ
ール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニー
ルして炉内で室温まで放冷した。得られたガラスは顕微
鏡で観察できる結晶が析出しなかった。また、得られた
ガラスをディスク状に切断し、主表面を酸化セリウムに
てポリッシング加工することによって、外円直径95mm、
内円直径25mm、厚さ0.8mmの磁気ディスク用基板を得
た。
【0031】比較のため、表3に、比較例1〜6の材料
の各特性及び実施例12のガラス基板の特性を示す。比
較例1のNiP/Al基板、比較例5の特開平5−32
431号に記載のガラス基板、及び比較例6のSiO2ガラ
ス基板は、いずれもヤング率が低い。比較例2のアルミ
ナ基板及び比較例3のジルコニア基板は、ヤング率は高
いが、表面平滑性を得ることが難しく、比重が大きい。
比較例4のAlBC基板は、非常に良い特性を示すが、
高価であり表面欠陥の問題を有する。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】(ディスク振動検査)1000〜1000
0rpmで回転しているディスク基板の振動挙動を示す
ためにヘテロダイン変位計を用いた。ヘテロダイン変位
計の模式的な構成を図2に示す。He-Neレーザの出力を
周波数シフターで周波数変調し、80MHzと81MHzの2つ
のビームに分けた。一方のビームのビート信号はディス
クから反射されたプローブ光の情報を持ち、もう一方の
ビームのビート信号を基準として、これらのビート信号
の位相差からディスク表面の変調された変位が時間の関
数として得られる。変調された信号の大きさを高速フー
リエ変換することにより、振動の周波数を関数とする振
幅となる。10000rpmで回転しているディスクの
動的なたわみは各振動波形の積分面積で見積れることか
ら、パワースペクトルに変換した。図3〜6は、比較例
1、5、6及び実施例12の基板に対するパワースペク
トルである。尚、このスペクトルの変換に際してディス
クの傾きやクランプによる歪などによって生じる全ての
再現性のある振動モードは信号を平均化することによっ
て取り除いた。各ディスクの波形を150〜2500H
zまで積分し、振幅の積分値を求めると、アルミディス
ク1.83×10nm、N5ガラスディスク1.6
3×10nm、実施例12のガラスディスクは0.
75×10nm)であった。
【0036】図7と図8は、実施例12のガラス基板
と、比較例2のアルミニウム基板、比較例5のガラス基
板、及び比較例6のSiO2基板について、振幅の積分値と
比弾性率、振幅の積分値とヤング率の関係をそれぞれ示
したものである。この図に示されているように、実施例
12のガラスは、比弾性率は比較例2のアルミニウム基
板と同程度であり、比較例5のガラス基板、及び比較例
6のSiO2基板よりも小さいが、ヤング率がこれら他の基
板よりも大きいため、振幅の積分値が小さいという結果
がわかる。
【0037】ハードディスクの製造方法 図9に示すように、磁気ディスク1は、上記実施例12
のガラスを用いて作成したガラス基板2上に、順次、凹
凸制御層3、下地層4、磁性層5、保護層6、潤滑層7
を形成したものである。各層について具体的に説明する
と、基板2は、例えば、外円直径95mm、内円直径25mm、
厚さ0.80mmの円板状に加工したものであって、その両主
表面を表面粗さがRa=4オングストローム、Rmax=40
オングストロームとなるように精密研磨したものであ
る。凹凸制御層は、平均粗さ50オングストローム、表
面粗さRmaxが150オングストローム、窒素の含有量が
5〜35%のAlNの薄膜である。下地層は、厚さ約60
0オングストロームのCrVの薄膜で、組成比はCr:83
at%、V:17at%である。磁性層は、厚さ約30
0オングストロームのCoPtCrの薄膜で、組成比はCo:7
6at%、Pt:6.6at%、Cr:17.4at%であ
る。保護層は、厚さ約100オングストロームのカーボ
ン薄膜である。潤滑層は、パーフルオロポリエーテルか
らなる潤滑層をスピンコート法によって、カーボン保護
層上に塗布して厚さ8オングストロームに形成したもの
である。
【0038】次に、磁気ディスクの製造方法について説
明する。まず、実施例12で製造したガラスを、外円直径
95mm、内円直径25mm、厚さ0.8mmの円板状に研削加工
し、その両主表面を表面粗さがRa=4オングストロー
ム、Rmax=40オングストロームとなるように精密研磨
して磁気ディスク用ガラス基板を得る。次いで、上記ガ
ラス基板を基板ホルダーにセットした後、インラインス
パッタ装置の仕込み室に送り込む。続いて、ガラス基板
のセットされたホルダーを、Alターゲットがエッチされ
た第一チャンバーに送り込み、圧力4mtorr 、基板温度
350℃、Ar+N2ガス(N2=4%)雰囲気でスパッタリ
ングする。その結果、ガラス基板上に、表面粗さRmax=
150オングストローム、膜厚50オングストロームの
AlN薄膜(凹凸形成層)が得られた。
【0039】次に、AlNが成膜されたガラス基板のセッ
トされたホルダーを、CrV(Cr:83at%、V:17
at%)ターゲットが設置された第二チャンバー、CoPt
Cr(Co:76at%、Pt:6.6at%、Cr:17.4
at%)ターゲットが設置された第三チャンバーに連続
的に順次送り込み、基板上に成膜する。これらの膜は、
圧力2mtorr 、基板温度350℃、Ar雰囲気中でスパ
ッタリングし、膜厚約600オングストロームのCrV下
地層、膜厚約300オングストロームのCoPtCr磁性層を
得る。
【0040】次いで、凹凸制御層、下地層、磁性層が形
成された積層体を、加熱処理するための加熱ヒーターが
設けられた第四チャンバーに送り込む。このとき第四チ
ャンバー内をArガス(圧力2mtorr )雰囲気にして熱
処理を行う。上記基板をカーボンターゲットが設置され
た第五チャンバーに送り込み、Ar+Hガス(H=6
%)雰囲気中で成膜したこと以外は上記CrV下地層及び
CoPtCr磁性層と同じ成膜条件で、膜厚約100オングス
トロームのカーボン保護層を得る。最後に、カーボン保
護層の形成までを終えた基板を上記インラインスパッタ
装置から取り出し、そのカーボン保護層の表面に、ディ
ッピング法によってパーフルオロポリエーテルを塗布し
て厚さ8オングストロームの潤滑層を形成して磁気ディ
スクを得た。
【0041】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、
高いヤング率を有するので、基板の高回転時においても
振動を少なくすることができ、特にサーバー等の高性能
のハードディスクドライブに用いられる基板として好的
に用いることができる。また、本発明の情報記録媒体
は、例えば、高いヤング率を有する基板を用いるので、
基板の高回転時においても振動を少なくすることがで
き、特にサーバー等の高性能のハードディスクドライブ
に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板が回転したときの基板のたわみの概略
図。
【図2】 ヘテロダイン変位計の模式的な構成を示す。
【図3】 比較例1の基板のパワースペクトルである。
【図4】 比較例5の基板のパワースペクトルである。
【図5】 比較例6の基板のパワースペクトルである。
【図6】 実施例12の基板のパワースペクトルであ
る。
【図7】 実施例12のガラス基板、アルミニウム基板
(比較例2)、N5基板(比較例5)、及びSiO2基板
(比較例6)について、振幅の積分値と比弾性率の関係
を示す。
【図8】 実施例12のガラス基板、アルミニウム基板
(比較例2)、N5基板(比較例5)、及びSiO2基板
(比較例6)について、振幅の積分値とヤング率を示
す。
【図9】 ガラス基板2上に、順次、凹凸制御層3、下
地層4、磁性層5、保護層6、潤滑層7を形成した磁気
ディスク1の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 526 G11B 7/24 526V 11/10 511 11/10 511A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル%で表示して SiO2: 0-25 % B2O3: 20-60 % Al2O3: 0-30 % CaO+MgO+ZnO: 0-35 % 少なくとも一種の希土類酸化物: 0.5-30 % ZrO2+TiO2: 0-15 % の組成を有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス
    基板。
  2. 【請求項2】 希土類酸化物が、Y2O3、La2O3、CeO2
    Pr2O3、Sm2O3、Eu2O3、Ga2O3、Tb2O3、Dy2O3、Ho2O3、E
    r2O3、Tm2O3及びYb2O3からなる群から選ばれる一種又は
    二種以上である請求項1に記載のガラス基板。
  3. 【請求項3】 希土類酸化物の含有量が2〜25モル%の
    範囲である請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. 【請求項4】 B2O3の含有量が25-56 モル%の範囲であ
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス基板。
  5. 【請求項5】 SiO2+B2O3の含有量が40モル%以上であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された記録層とを
    有することを特徴とする情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された磁気記録層
    とを有することを特徴とする磁気ディスク。
JP10319284A 1997-11-14 1998-11-10 情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体 Pending JPH11228167A (ja)

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US60/066046 1997-11-14

Publications (1)

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JPH11228167A true JPH11228167A (ja) 1999-08-24

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ID=22066921

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261826A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Hoya Corp レンズおよびその製造方法

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