JPH11228153A - ガラス成形用プレス型 - Google Patents

ガラス成形用プレス型

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JPH11228153A
JPH11228153A JP3864398A JP3864398A JPH11228153A JP H11228153 A JPH11228153 A JP H11228153A JP 3864398 A JP3864398 A JP 3864398A JP 3864398 A JP3864398 A JP 3864398A JP H11228153 A JPH11228153 A JP H11228153A
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press
glass
surface layer
layer
molding
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JP3864398A
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Masataka Shimizu
正孝 清水
Fumimasa Itou
文雅 伊藤
Takashi Ota
隆 太田
Hideto Sandaiji
秀人 三大寺
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Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、ハードディスク用のガラス基板の成形
に好適に用いられる、高温での離型性が良好で高精度な
成形が可能であり、かつ、低コストで作製することがで
きる耐久性に優れたガラス成形用プレス型を提供する。 【解決手段】 溶融ガラスのダイレクトプレス成形およ
び固体ガラスのリヒートプレス成形に用いられるプレス
型である。プレス型の基材41の表面に、炭化タングス
テンとコバルトおよびニッケルクロム基合金からなる表
面層42を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、溶融ガラスもし
くは固体ガラスを所定形状へプレス成形する際に使用さ
れるガラス成形用プレス型に関し、特に、ハードディス
ク等のガラス基板の成形に好適に用いられる、高温での
離型性が良好で高精度な成形が可能であり、かつ、低コ
ストで作製することができる耐久性に優れたガラス成形
用プレス型に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来より、レンズ等の光学素子および
ハードディスク等のガラス基板の成形にあたっては、溶
融したガラスを、所定形状のプレス用下型に滴下した
後、上型を押し当てて硬化させるダイレクトプレス成形
や、溶融したガラスを一度硬化させて得られた固体ガラ
スを上下型間に挟み、加熱しながらプレスすることによ
り所定の形状に変形させるリヒートプレス成形が広く用
いられている。このとき、使用されるプレス型は、主に
ステンレス鋼からなるもの、および超硬合金からなるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 このうち、ステンレ
ス鋼からなるものは、材料費が安価であり、加工も容易
であるため最も汎用的である。しかしながら、ガラスの
成形および熱間加圧の各工程における温度サイクルによ
り結晶粒の成長を生じて結晶構造が変化し、プレス型の
表面が肌荒れして離型性が著しく損なわれる。
【0004】 これに対し、超硬および超硬合金からな
るプレス型は、耐熱性、機械的特性が良好であるが、材
料が硬いために精密加工が施しにくく、加工コストが高
くなるという問題がある。たとえば、プレス面に凹凸を
設けるなどした複雑な形状のプレス型を作製するには、
加工速度の遅い電解研磨法等を用いなければならない。
【0005】 このようなステンレス鋼および超硬合金
のそれぞれの短所を補うべく、成膜速度が速く、形成す
る膜厚を厚くすることができる溶射法により、ステンレ
ス鋼上に超硬合金の皮膜を形成することが好ましいが、
溶射法は、粉体を原料としてこれを溶融させて基材(タ
ーゲット)に吹き付ける方法であるために、比較的、気
孔の多い膜が形成され易く、したがって、平滑な表面を
必要とするガラス製品の成形用プレス型の作製に対し、
これまで実用的であるとは言えなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上述した従
来の技術における問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、安価に、かつ簡便な方法によ
り、超硬あるいは超硬合金のコーティング膜が形成され
たプレス型であって、平滑性等に優れたガラス製品の成
形に好適に用いられるガラス成形用プレス型を提供する
ことにある。
【0007】 すなわち、本発明によれば、溶融ガラス
のダイレクトプレス成形および固体ガラスのリヒートプ
レス成形に用いられるプレス型であって、当該プレス型
の基材表面に、炭化タングステンとコバルトおよびニッ
ケルクロム基合金からなる表面層を形成したことを特徴
とするガラス成形用プレス型、が提供される。ここで、
表面層は、炭化タングステンとコバルトからなる複合粉
末と、ニッケルクロム基合金粉末からなる混合粉末を用
いて、溶射法により形成することが好ましい。
【0008】 また、本発明によれば、溶融ガラスのダ
イレクトプレス成形および固体ガラスのリヒートプレス
成形に用いられるプレス型であって、当該プレス型の基
材表面に、炭化タングステンとニッケルおよびニッケル
クロム基合金からなる表面層を形成したことを特徴とす
るガラス成形用プレス型、が提供される。ここでも、表
面層は、炭化タングステンとニッケルからなる複合粉末
と、ニッケルクロム基合金粉末からなる混合粉末を用い
て、溶射法により形成することが好ましい。
【0009】 上記ガラス成形用プレス型においては、
混合粉末を溶射した後、加熱処理を施して表面層を緻密
化させることが好ましい。さらに、表面層の表面には、
貴金属層を形成することも、炭化タングステンの酸化を
抑制する点から、好ましい。なお、プレス型のプレス面
の一部に同心円状の溝部を形成し、この溝部に超硬合金
からなるリングを嵌合し、かつ、リングをプレス面より
突起させた形状とすると、円板状もしくは平板リング状
等の内外径加工を容易ならしめる複雑なプレス面の形状
を有するプレス型を容易に作製することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】 上述した本発明のガラス成形用
プレス型は、耐久性に優れ、かつ、離型性が良好である
ので、安定した形状精度や表面品質を有するガラス基板
等を作製することができる。以下、本発明の実施の形態
について、一実施形態としてのガラス基板の作製に好適
に用いられるプレス型を中心に説明するが、本発明が以
下の実施の形態に限定されるものでないことはいうまで
もない。
【0011】 本発明のプレス型は、溶融ガラスのダイ
レクトプレス成形および固体ガラスのリヒートプレス成
形のいずれにも用いられるプレス型であり、プレス型の
基材表面に、炭化タングステン(以下、「WC」と示
す。)とコバルト(以下、「Co」と示す。)およびニ
ッケルクロム基合金(以下、「Ni/Cr基合金」と示
す。)からなる表面層を形成したものである。
【0012】 ここで、ダイレクトプレス成形とは、所
定の組成を有する粉末やペレット等のガラス原料を炉で
溶融して得られる溶融ガラスを、ノズル等から所定量ほ
どプレス下型上に滴下し、プレス上型を合わせて、所定
の形状に硬化、成形するものである。一方、リヒートプ
レス成形とは、ダイレクトプレス成形等により一旦作製
された固体状のガラスを、そのガラスが軟化し、若干の
流動性を有する状態にまで加熱しながら、プレス成形す
ることで、所定形状へ変形させるものである。
【0013】 また、表面層を設けるべき基材、すなわ
ち、プレス型の基材としては、加工が容易で、適度な耐
熱性を有する各種のステンレス鋼や、Cr−Mo鋼、N
i−Cr−Mo鋼、SKD鋼等が好適に用いられる。こ
れらの基材においては、切削、研削、研磨等の加工によ
り所望の外形とし、表面層を形成すべき表面部分は溶射
膜の形成が良好に行えるような表面精度に仕上げておく
ことが好ましい。
【0014】 こうして準備された基材表面に、WCと
CoおよびNi/Cr基合金からなる表面層(以下、単
に「表面層」という。)が形成されるが、ここで、表面
層は、WCとCoからなる複合粉末と、Ni/Cr基合
金の粉末からなる混合粉末を用いて、溶射法により形成
される。
【0015】 WCとCoからなる複合粉末としては、
WC粒子表面がCoで被覆されるように表面処理のなさ
れたものが好適に用いられる。このような形態を有する
複合粉末は、単にWCとCoの粉末を混合して作製され
る混合粉末よりも均一性に優れるために、組成斑を生じ
難く、均質で良好な溶射膜を得るのに効果的である。ま
た、このような複合粉末全体の重量に占めるCoの割合
は、10〜20wt%程度のものが最も好ましい。
【0016】 なお、必ずしもWC粒子表面全体がCo
で被覆されている必要はなく、できれば粒子単位で、ま
た、複数の粒子が凝集した状態であっても、溶射時に成
分が分離することなく、均一な混合状態が確保されるよ
うな複合粉末もしくは混合粉末であれば、本発明におい
て好適に使用することができる。
【0017】 このようなWCとCoからなる複合粉末
に加えて、本発明においては、Ni/Cr基合金粉末を
添加するが、このNi/Cr基合金粉末は、いわば、W
C粉末間の結合を確保するための助剤的性質を有するも
のであるとともに、溶射膜中に形成された気孔を、その
後の加熱処理により閉塞させる役割をも担うものであ
る。このため、後述するように、Ni/Cr基合金粉末
には、溶融温度を下げるような硼素(B)やシリコン
(Si)といった微量成分が添加されている。
【0018】 上述したWCとCoからなる複合粉末
と、Ni/Cr基合金粉末との混合比は、重量比におい
て、90:10〜50:50程度に好適に設定される。
耐熱性や耐久性を向上させるためには、WCの量を増や
すことが好ましいが、極端に多くすると、Ni/Cr基
合金粉末が不足し、溶射膜におけるWC粒子の結合の確
保が困難となるとともに、溶射膜が脆くなりやすく、ま
た、溶射後の加熱処理によっても気孔が閉塞しない問題
が生ずる。一方、WC量が少ないと、耐熱性や耐久性と
いった点で劣るものとなる。
【0019】 なお、上述した組成の表面層およびその
原料となる混合粉末と同様に、本発明においては、WC
とニッケル(以下、「Ni」と示す。)およびNi/C
r基合金からなる表面層も好適に形成される。そして、
この表面層を形成するためには、WCとNiからなる複
合粉末と、Ni/Cr基合金粉末からなる混合粉末が好
適に用いられる。ここで、WCとNiからなる複合粉末
およびNi/Cr基合金粉末との混合粉末に要求される
特性、性質、配合比は、上述したWCとCoからなる複
合粉末およびNi/Cr基合金粉末との混合粉末に要求
されるものと同様である。
【0020】 こうして調整されたWCとCoからなる
複合粉末とNi/Cr基合金粉末とからなる混合粉末の
溶射方法としては、サーモスプレー法やプラズマスプレ
ー法、高速フレーム法といった種々の溶射方法を用いる
ことができるが、本発明においては、特に、高速フレー
ム法が好適に採用される。
【0021】 高速フレーム法は、熱源として、酸素と
プロピレン焔を用いており、フレーム速度が約1300
m/秒、粉末(成膜原料)の速度はこの約7倍にも及ぶ
極めて高速の溶射を行うものである。これにより、25
00℃に達する酸素・プロピレン焔中でも、WCの熱に
よる分解は極小に抑えられ、WCの残留率は、最低でも
約60%に達する。逆に言えば、加熱時間、すなわち、
種々の熱源による加熱を受けてから、基材に固着するま
での時間が長ければ、それだけWCの分解が進行し、所
望する組成が得られなくなることから、この加熱時間が
極力短く、しかも、確実に溶射を行える方法を検討した
結果、高速フレーム法が最も好ましいと判断された。
【0022】 形成される溶射膜の厚みは、100μm
〜500μmが好ましく、さらに好ましくは、200〜
300μmである。これは、100μm以下では、溶射
膜の厚みのばらつきが大きく、反対に500μm以上で
は、溶射膜と基材との熱膨張率の差から生ずる歪みが大
きくなり、溶射層にクラックが生じたり、溶射膜が剥離
する原因となる。
【0023】 続いて、形成された溶射膜には、加熱処
理が施されて緻密化が図られる。この緻密化は、金属成
分を溶融することにより、溶射膜内に生成した気孔閉塞
するものであり、実際のプレス型の使用温度を加味しつ
つ、溶射膜の溶融を容易ならしめるために、溶射原料で
あるNi/Cr基合金粉末には、低融点化のためのBや
Si、Feといった微量の成分が予め添加されることが
好ましい。
【0024】 こうして、形成された溶射膜に対して、
所望の表面荒さ、および平坦度となるように研磨処理を
行うことで、図1(a)の断面図に示すような基材41
/表面層(溶射膜)42の2層構造を有するプレス型が
作製される。なお、上述の通り、溶射膜の厚みが100
〜500μmであることから、このときの研磨処理は、
厚み方向に深い研磨を必要とせず、加工負荷は問題とな
らない。
【0025】 こうして作製されたプレス型はそれ自体
でも、勿論、十分に使用が可能であるが、さらに、この
表面層の表面に、貴金属層を形成すると、WCをはじ
め、Ni等の金属成分の酸化を抑制することができるの
で、耐久性をさらに向上させることができ、好ましい。
ここで、貴金属層としては、ロジウム(Rh)、ルテニ
ウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金
(Au)またはこれらの合金が好適に用いられるが、特
に、融点の高いPt、Pt−Ir合金、Pt−Au合
金、Pt−Ir−Au合金が好適に用いられる。
【0026】 さらに、このような貴金属層と溶射によ
って形成された表面層との密着性を良好とするために、
貴金属層の下地層として、Ni層もしくはNi/Cr基
合金等のNi合金層を形成しておくことも好ましい。し
たがって、この場合にプレス型は、図1(b)の断面図
に示すように、基材41/表面層(溶射膜)42/下地
層(Ni層等)43/貴金属層44からなる4層構造を
有する。なお、下地層43を形成しない場合の貴金属層
44単独の厚み、あるいは下地層43を形成した場合の
貴金属層44と下地層43の合計厚みは、10〜500
nmとすることが好ましく、より好ましくは、50〜3
00nmとされ、このような薄膜を形成するにあたって
は、スパッタ法が好適に用いられる。
【0027】 以上の通りにして作製された本発明のプ
レス型は、従来の全体が超硬合金からなるプレス型と同
等の離型性、耐久性を有するものであり、しかも、基材
にステンレス鋼等の加工しやすい部材を用いているた
め、以下に説明するように、プレス面に複雑な形状を形
成することが容易に可能である。
【0028】 図2は、平板リング状のガラス基板の作
製に好適に使用されるプレス型の一実施形態を示す平面
図および断面図である。プレス型21のプレス面の一部
には、同心円状の2ヶ所の溝部23A・23Bが形成さ
れており、この溝部23A・23Bに、それぞれ超硬合
金からなるリング22A・22Bが嵌合され、リング2
2A・22Bがプレス面より突起した形状となってい
る。そして、リング22A・22Bの突起部分は、断面
三角状の斜面24を有している。
【0029】 プレス型21は上型および下型の両方に
用いられるが、この場合に得られるガラス基板の径方向
の断面形状を図3(a)に示す。ガラス基板11には、
リング22A・22Bの突起部分に基づくノッチ13が
形成され、また、ノッチ13が形成されたガラス基板1
1の厚みが薄くなっている部分はガラス基板の内外径加
工位置となる。したがって、ガラス基板11を所定温度
まで加熱し、内外径加工位置に冷却された金属刃等を当
てて熱衝撃を加え、ガラス基板11の厚み方向にクラッ
クを発生せしめることで、容易に内外径加工を行うこと
ができる。
【0030】 こうして得られたガラス基板は、図3
(b)の断面図に示すように、チャンファー15(面取
り部)を形成した平板リング状のガラス基板が得られ
る。すなわち、プレス型21におけるリング22A・2
2Bの斜面24が、ガラス基板11のチャンファー15
を形成していることがわかる。
【0031】 次に、図4に平板リング状のガラス基板
の作製に好適に使用されるプレス型の別の実施形態を示
す平面図および断面図を示す。プレス型31のプレス面
の中心部には、円板状の凹部32が設けられており、一
方、外周部には、円環状の溝部33が設けられている。
この凹部32と溝部33に、それぞれ超硬合金からなる
円板34とリング35が嵌合され、円板34とリング3
5がプレス面より突起した形状となっている。そして、
円板34の外周面とリング35の内周面には、斜面部3
6が設けられている。
【0032】 プレス型31もまた上型および下型の両
方に用いられるが、この場合に得られるガラス基板の径
方向の断面形状を図5(a)に示す。ガラス基板12に
は、円板32およびリング33の突起部分に基づく勾配
部14が形成され、また、ガラス基板12の中心部と外
周部の厚みが薄く形成される。この厚みの薄い中心部と
外周部を、同芯円砥石を用いて切り落とすように内外径
加工を施すと、図5(b)に示すガラス基板12が得ら
れる。この形状は、前述した図3(b)に示したガラス
基板11と同等であり、プレス型31に設けられた斜面
部36が、ガラス基板12のチャンファー15を形成し
ていることがわかる。
【0033】 上述した、プレス面に溝部等を形成し、
溝部等にリング等を嵌合したプレス型の作製は、まず、
溝部等を形成する以前の所定形状に加工されたステンレ
ス鋼等の加工が容易な基材からなるプレス型のプレス面
に、溶射膜を形成し、緻密化と表面荒さの調整加工を施
す。次いで、所定位置の溶射膜および基材を切削加工に
より除去し、所定形状の溝部等を形成して、超硬合金等
からなるリング等を形成された溝部等に嵌合すること
で、作製される。なお、リング等を勘合した後に、プレ
ス面全体に貴金属層を設けることが好ましい。
【0034】 以上、本発明によれば、安価に耐久性の
良好なプレス型を作製することが可能であり、かつ、プ
レス面に種々の複雑な形状を形成することができる。以
下、本発明の実施例について説明するが、本発明が以下
の実施例に限定されるものでないことはいうまでもな
い。
【0035】
【実施例】 プレス型として、厚みの均一な円板形状の
ガラス基板の作製に用いられるものを使用した。このプ
レス型は、表1の実施例1〜5に示すように、SUS4
40cからなる円板型基材のプレス面に、表1に並記し
た種々の組成の溶射膜を高速フレーム法により形成した
後、加熱して気孔の閉塞(緻密化)を行い、表面研磨を
行って所定の面粗度とすることで作製した。これに対
し、比較例として、溶射膜を形成しないSUS440c
のみからなるプレス面を有するプレス型を用いた。
【0036】
【表1】
【0037】 これら種々のプレス型を用いて、SiO
2が77wt%、Al23が5wt%、Li2Oが5wt
%で、残部が微量成分からなるSiO2−Al23−L
2O系の結晶化ガラスを用いた。この組成を有するガ
ラス原料をガラス溶融炉にて1400℃で溶融し、13
00℃に保持されたノズルより、600℃に予熱された
プレス下型に滴下した。このとき、プレス下型へ供給さ
れる溶融ガラスが一定量(15g)となるように、シャ
ーを用いて滴下された溶融ガラスを切断した。
【0038】 続いて、プレス下型と同様に600℃に
予熱されたプレス上型をプレス下型の上面から押し当
て、溶融ガラスを120Kg/cm2の圧力で1秒間ほ
ど加圧し、ダイレクトプレスを行う工程を、500回繰
り返し、500回目のダイレクトプレス成形時における
離型性、得られたガラス基板の表面状態について観察し
た。その結果を表1に並記する。
【0039】 溶射膜をプレス面に形成した実施例に係
るプレス型を用いた場合には、いずれのプレス型におい
ても、肌荒れ等は観察されず、ダイレクトプレス成形後
のガラス基板の離型性も良好で、かつ、ガラス基板の表
面形態も良好であった。これに対して、溶射膜を形成し
ていない比較例にかかるプレス型においては、500回
目にすでにプレス面に肌荒れが発せいしており、その結
果、離型性が悪く、かつ、得られたガラス基板の表面に
所望の平滑性が得られなかった。さらに、ガラス基板に
は、プレス型からの離型性が悪くなることで、離型時に
生じた考えられる部分的な反りが観察された。
【0040】
【発明の効果】 上述の通り、本発明のガラス成形用プ
レス型においては、基材に加工が容易な金属材料を用い
ているので、基本的なプレス型への形状加工が容易に行
え、かつ、プレス面については、膜成長速度の速い溶射
法により、耐久性に優れる超硬合金の表面層を形成する
ことができる。この表面層の緻密化が容易であり、か
つ、表面荒さの加工においても、表層の薄い部分のみで
よいことから、従来の超硬合金のみからなるプレス型を
作製する場合と比べて、加工に要する時間を大幅に短縮
できる。その結果、従来からの超硬合金からなるプレス
型と同等の耐久性を有するプレス型を、安価に作製する
ことができる有利な効果を奏する。また、基材の加工が
容易であり、かつ、溶射膜の厚みが薄いために、プレス
面への後加工を施すことが簡単に行え、別途用意した作
製容易な超硬合金部材と組み合わせることにより、複雑
なプレス面を有するプレス型を容易に作製することがで
きる有利な効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス成形用プレス型の表面構造の
一実施形態を示す断面図であり、(a)は2層構造を示
し、(b)は4層構造を示す。
【図2】 本発明のガラス成形用プレス型の一実施形態
を示す平面図および断面図である。
【図3】 本発明のガラス成形用プレス型を用いて作製
されるガラス基板の一実施形態を示す断面図であり、
(a)はプレス成形後の形状を示し、(b)は内外径加
工後の形状を示す。
【図4】 本発明のガラス成形用プレス型の別の実施形
態を示す平面図および断面図である。
【図5】 本発明のガラス成形用プレス型を用いて作
製されるガラス基板の別の実施形態を示す断面図であ
り、(a)はプレス成形後の形状を示し、(b)は内外
径加工後の形状を示す。
【符号の説明】
11…ガラス基板、12…ガラス基板、13…ノッチ、
14…勾配部、15…チャンファー、21…プレス型、
22A・22B…リング、23A・23B…溝部、24
…斜面、31…プレス型、32…凹部、33…溝部、3
4…円板、35…リング、36…斜面部、41…基材、
42…表面層(溶射膜)、43…下地層、44…貴金属
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三大寺 秀人 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスのダイレクトプレス成形およ
    び固体ガラスのリヒートプレス成形に用いられるプレス
    型であって、 当該プレス型の基材表面に、炭化タングステンとコバル
    トおよびニッケルクロム基合金からなる表面層を形成し
    たことを特徴とするガラス成形用プレス型。
  2. 【請求項2】 溶融ガラスのダイレクトプレス成形およ
    び固体ガラスのリヒートプレス成形に用いられるプレス
    型であって、 当該プレス型の基材表面に、炭化タングステンとニッケ
    ルおよびニッケルクロム基合金からなる表面層を表面に
    形成したことを特徴とするガラス成形用プレス型。
  3. 【請求項3】 当該表面層を、炭化タングステンとコバ
    ルトからなる複合粉末と、ニッケルクロム基合金粉末か
    らなる混合粉末を用いて、溶射法により形成したことを
    特徴とする請求項1記載のガラス成形用プレス型。
  4. 【請求項4】 当該表面層を、炭化タングステンとニッ
    ケルからなる複合粉末と、ニッケルクロム基合金粉末か
    らなる混合粉末を用いて、溶射法により形成したことを
    特徴とする請求項2記載のガラス成形用プレス型。
  5. 【請求項5】 当該混合粉末を溶射した後、加熱処理を
    施して当該表面層を緻密化させたことを特徴とする請求
    項3または4記載のガラス成形用プレス型。
  6. 【請求項6】 当該表面層の表面に、貴金属層を形成し
    たことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載
    のガラス成形用プレス型。
  7. 【請求項7】 プレス面の一部に同心円状の溝部を形成
    し、当該溝部に超硬合金からなるリングを嵌合し、か
    つ、当該リングを当該プレス面より突起させた形状とす
    ることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載
    のガラス成形用プレス型。
JP3864398A 1998-02-20 1998-02-20 ガラス成形用プレス型 Withdrawn JPH11228153A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2362156A (en) * 2000-05-06 2001-11-14 Zeiss Stiftung Mould or plunger with a composite structure
US6442975B1 (en) * 1996-12-26 2002-09-03 Hoya Corporation Method of manufacturing thin-plate glass article, method of manufacturing glass substrate for information recording medium, and method of manufacturing magnetic recording medium
JP2016204259A (ja) * 2011-04-27 2016-12-08 Hoya株式会社 磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法

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GB2362156A (en) * 2000-05-06 2001-11-14 Zeiss Stiftung Mould or plunger with a composite structure
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