JPH11227503A - 短絡故障判別装置 - Google Patents

短絡故障判別装置

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JPH11227503A
JPH11227503A JP10031387A JP3138798A JPH11227503A JP H11227503 A JPH11227503 A JP H11227503A JP 10031387 A JP10031387 A JP 10031387A JP 3138798 A JP3138798 A JP 3138798A JP H11227503 A JPH11227503 A JP H11227503A
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健二 池田
Chiaki Maekawa
千明 前川
Toshio Tsuneto
敏男 常藤
Yoshiyuki Tsuda
善行 津田
Hideaki Tanaka
秀明 田中
Tetsuzo Kitagawa
哲三 北川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ATき電回路においてトロリー線とレールと
の短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障の何れ
かが発生した場合に、どちらの短絡故障であるかを判別
し得る短絡故障判別装置等を提供する。 【解決手段】 変電所から交流電力を供給されるフィー
ダ線とトロリー線をレールと併走する状態に張架すると
共にフィーダ線とトロリー線の間に単巻変圧器を設置し
巻線の中点と近傍のレールとを吸上線で接続してなる交
流電気鉄道のATき電回路における短絡故障を判別する
装置であって、トロリー線とレールとの短絡故障及びフ
ィーダ線とレールとの短絡故障の何れかの発生を感知す
る短絡故障感知部104bと、単巻変圧器に誘起する電
圧と吸上線を流れる吸上電流との位相差を測定し、短絡
故障時の位相差によって感知した短絡故障がどちらの短
絡故障であるかを判別する電圧測定部108a、電流測
定部107a、短絡故障判別部109aとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電気鉄道の単
巻変圧器き電回路(以下、「ATき電回路」という)に
おける短絡故障を判別する短絡故障判別装置及びその方
法に関し、特に、感知した短絡故障がトロリー線とレー
ルとの短絡故障であるか、フィーダ線とレールとの短絡
故障であるかを判別する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種交通機関は通信機関とともに
爆発的な進歩を遂げ、それらの技術的進歩及び規模の増
大に伴い、経済及び文化の振興が図られてきた。陸上交
通機関で最も規模の大きなものの1つに鉄道が挙げられ
る。現在の鉄道は、一部には非電化の路線も残るもの
の、主要幹線及び都市部ではそのほとんどが電化され、
より速くより経済的な運転を目指して技術の開発が進め
られている。
【0003】電気鉄道において使用される電力量は相当
膨大なものであって、使用効率が僅かでも改善されれ
ば、多大な省エネルギー効果が得られる。電気鉄道にお
ける電気方式には、直流式と交流式があり、交流式では
架線が単純等の理由で単相式が主流である。我が国の交
流式には整流器式電気車が用いられている。直流側の脈
流を平滑にすると変圧器1次側の高調波が大きくなり、
電車線(以下「トロリー線」という)を通じて近接通信
線に電磁誘導障害を生ずる。電車線側においてこの電磁
誘導を軽減する方式として、吸上変圧器を用いる吸上変
圧器き電回路(以下、「BTき電回路」という)と単巻
変圧器を用いるATき電回路とがある。
【0004】図13は、変電所から交流電力を供給され
るき電線(以下、「フィーダ線」という)とトロリー線
をレールと併走する状態に張架すると共にフィーダ線と
トロリー線の間に単巻変圧器を設置し、単巻変圧器の巻
線の中点又は所定の電圧点と単巻変圧器近傍のレールと
を吸上線で接続してなる交流電気鉄道のATき電回路の
概略を示す図である。
【0005】ATき電回路は、BTき電回路に比べて、
変電所の送電電圧が2倍になるので電源の得難い地域で
の電化に有利であり、又、吸上変圧器のセクションが不
要なので負荷電流の大きい新幹線等に適している。電気
鉄道のき電回路の故障は比較的多く、しかも1つの故障
が広範囲の列車に影響を与えるので、き電回路には高い
信頼性と安全性が必要とされる。例えば、故障が発生し
た場合は、すみやかに故障点及び故障内容を標定し、故
障点を区分して他への影響を少なくする必要がある。こ
の時、故障点及び故障内容がより正確に詳しく標定でき
ることが望ましい。
【0006】ATき電回路の故障点を標定する従来の技
術として、例えば、特許第927752号に記載された
ATき電回路の故障点標定器が知られている。この従来
技術は、トロリー線とレールとの短絡故障の故障点の位
置を、複数の単巻変圧器に接続された吸上線を流れる各
吸上電流によって標定するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、短絡故
障にはトロリー線とレールとの短絡故障、フィーダ線と
レールとの短絡故障及びトロリー線とフィーダ線との短
絡故障等があり、上記従来の故障点標定器では、トロリ
ー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの
短絡故障を判別することができない。
【0008】また、トロリー線とレールとの短絡故障の
ほうがフィーダ線とレールとの短絡故障よりも発生頻度
が高いので、上記従来の故障点標定器はトロリー線とレ
ールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障
の何れかが発生した場合は、全てトロリー線とレールと
の短絡故障として標定している。トロリー線とレールと
の短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障の何れ
かが発生すると、保全担当者は故障点を見つける為に、
まず標定された故障点付近のトロリー線とレールとの間
を数100メートルに渡って検査するのであるが、その
短絡故障がフィーダ線とレールとの短絡故障であった場
合には、短絡故障していないトロリー線とレールとの間
の標定された故障点付近を、故障点があるものと思い込
み何度も検査した後に、故障点が無いことからはじめて
トロリー線とレールとの短絡故障ではないと気付き、フ
ィーダ線とレールとの間の検査に取り掛かるのである。
【0009】そのために、故障点の探索に多大な時間と
労力が費やされ、故障点の区分及び故障の修復が遅れる
ので、より速いより経済的な運転を妨げ、使用効率の低
下及びき電回路の信頼性低下を引き起こしている。そこ
で、本発明は、ATき電回路においてトロリー線とレー
ルとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障の
何れかが発生した場合に、トロリー線とレールとの短絡
故障であるか、フィーダ線とレールとの短絡故障である
かを判別し得て、上記問題点を一掃し得る短絡故障判別
装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る短絡故障判
別装置は、変電所から交流電力を供給されるフィーダ線
とトロリー線をレールと併走する状態に張架すると共に
フィーダ線とトロリー線の間に単巻変圧器を設置し単巻
変圧器の巻線の中点又は所定の電圧点と単巻変圧器近傍
のレールとを吸上線で接続してなる交流電気鉄道の単巻
変圧器き電回路における短絡故障を判別する装置であっ
て、トロリー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線と
レールとの短絡故障の何れかの発生を感知する感知手段
と、前記単巻変圧器に誘起する電圧と前記吸上線を流れ
る吸上電流との位相差を測定する測定手段と、前記感知
手段が感知した時点において前記測定手段が測定した短
絡故障時の位相差によって前記感知手段が感知した短絡
故障がトロリー線とレールとの短絡故障であるかフィー
ダ線とレールとの短絡故障であるかを判別する判別手段
とを備えることを特徴とする。
【0011】これによって、ATき電回路においてトロ
リー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレールと
の短絡故障の何れかが発生した場合に、トロリー線とレ
ールとの短絡故障であるか、フィーダ線とレールとの短
絡故障であるかを判別することができるので、フィーダ
線とレールとの短絡故障が起こった場合であっても正し
い標定をすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、ATき電回路において
トロリー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレー
ルとの短絡故障の何れかの発生を感知した時点におい
て、単巻変圧器に誘起する電圧と単巻変圧器に接続され
た吸上線を流れる吸上電流との位相差が、トロリー線と
レールとの短絡故障時及びフィーダ線とレールとの短絡
故障で明らかに異なることを利用して、その短絡故障が
トロリー線とレールとの短絡故障であるか、フィーダ線
とレールとの短絡故障であるかを判別する装置である。
【0013】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。 (実施の形態1) <全体の構成>図1は、交流電気鉄道のATき電回路
と、本発明に係る実施の形態1の短絡故障判別装置の概
略を示す図である。
【0014】図1に示す交流電気鉄道のATき電回路
は、フィーダ線101、トロリー線102、レール10
3、変電所104が有する交流電源104a、単巻変圧
器105a、105b、105c、吸上線106a、1
06b及び106cを備える。また、本装置は、電流測
定部107a、107b、107c、電圧測定部108
a、108b、108c、短絡故障判別部109a、1
09b、109c、通信部110a、110b、110
c、短絡故障感知部104b及び集計部104cを備え
る。
【0015】フィーダ線101及びトロリー線102
は、レール103と略併走する状態で張架されており、
電気車等はトロリー線から電力の供給を受けながらレー
ルの上を走行する。変電所104は、フィーダ線101
とトロリー線102との間に一方の端部より交流電力を
供給する交流電源104aを有し、さらに、短絡故障感
知部104b及び集計部104cを含む。
【0016】短絡故障感知部104bは、トロリー線と
レールとの短絡故障、及び、フィーダ線とレールとの短
絡故障の何れかの発生を感知し、集計部104cと各通
信部とを介して短絡故障が発生した事を各短絡故障判別
部に通知する。なお、短絡故障感知部104bは本発明
の要旨外であるのでその詳細な説明を省略する。集計部
104cは、短絡故障判別部109a、109b及び1
09cの判別結果を集計し、保全担当者等に提供する。
【0017】単巻変圧器105a、105b及び105
cはフィーダ線101とトロリー線102に沿って約1
0Kmの間隔で設置され、変電所104が接続された端
部を基点として近い方より105a、105b、105
cとする。吸上線106a、106b及び106cは、
各単巻変圧器の巻線の中点又は電磁誘導軽減等の効果を
より発揮する電圧点を各単巻変圧器近傍のレールに接続
する。
【0018】電流測定部107a、107b及び107
cは各吸上線の電流に対応する電圧波形を測定し、電圧
測定部108a、108b及び108cは各単巻変圧器
のトロリー線102側とレール103との間の電圧に対
応する電圧波形を測定する。短絡故障判別部109a、
109b及び109cはそれぞれ、短絡故障感知部10
4bが短絡故障の発生を通知した時の、電圧測定部10
8a、108b及び108cが測定した電圧波形と、電
流測定部107a、107b及び107cが測定した電
圧波形との位相差をそれぞれ検出し、これらの位相差に
よって、発生した短絡故障がトロリー線とレールとの短
絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故障である
かを判別する。
【0019】通信部110a、110b及び110cは
それぞれ、短絡故障判別部109a、109b及び10
9cが判別した結果を集計部104cへ送信する。 <短絡故障判別部の詳細な構成>図2は、本発明に係る
実施の形態1の短絡故障判別部109aの詳細な構成を
示す図である。
【0020】短絡故障判別部109aは、さらに、位相
差検出部111、判別部112を含む。位相差検出部1
11は、短絡故障感知部104bが短絡故障の発生を通
知した時の、電圧測定部108aが測定した電圧波形と
電流測定部107aが測定した電圧波形との位相差を検
出する。
【0021】2つの電圧波形の位相差を検出するには、
例えば、各電圧波形をそれぞれAD変換した後に、一般
的なディジタル信号処理を施す事によっても実施可能で
あるが、本実施の形態ではコンパレータと論理回路を用
いたので、一例としてこれについて説明する。図3
(a)は、電圧波形V1と電圧波形V2の2つの正弦波
を入力とし、それらの位相差を矩形波VR3の形で出力
する回路の概略を示す図である。
【0022】図3(b)は、電圧波形V1、電圧波形V
2、矩形波VR1、矩形波VR2及び矩形波VR3を、
同じ時間軸上に示す図である。ここで、図3(a)に示
す「COMP.」はコンパレータを示し、アナログの電
圧波形を設定値を境に「HI」又は「LO」と判別して
矩形波を生成するものであり、電圧波形V1から矩形波
VR1を、電圧波形V2から矩形波VR2を生成する。
なお、ここでは、矩形波VR1と矩形波VR2における
「HI」と「LO」の時間が同じになる様に設定値を調
整する。
【0023】また、図3(a)に示す「EXOR」は排
他的論理和(exclusiveor:2入力の場合、
入力が「0,0」の時と「1,1」の時には出力は
「0」、入力が「0,1」の時と「1,0」の時には出
力は「1」となる)を行う論理回路を示し、その出力で
ある矩形波VR3は、矩形波VR1と矩形波VR2の位
相差相当の時間が「HI」となる。
【0024】そこで、「HI」の時間をHT、「LO」
の時間をLTとすると、位相差θは(式1)で与えられ
る。 位相差θ=2π・HT/(HT+LT) ・・・(式1) 判別部112は、位相差検出部111が検出した位相差
によって、発生した短絡故障がトロリー線とレールとの
短絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故障であ
るかを判別する。
【0025】なお、他の短絡故障判別部109b及び1
09cは、短絡故障判別部109aと同様の構成なの
で、その説明を省略する。 <試験>図4は、ATき電回路においてトロリー線とレ
ールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障
の何れかが発生した場合に、発生した短絡故障がトロリ
ー線とレールとの短絡故障であるかフィーダ線とレール
との短絡故障であるかを判別する為の位相差を測定する
試験回路を示す図である。
【0026】ここで、Fはフィーダ線を、Tはトロリー
線を、Rはレールを、それぞれ模擬的に示す線路であ
り、各線路に直列に挿入された抵抗とコイルは各線路定
数を模擬的に与えている。また、AT1及びAT2は単
巻変圧器であり、図1、図2と同様に、交流電源と、電
流測定部、電圧測定部及び位相差検出部(電圧計、シャ
ント抵抗及びアナライジングレコーダ等)とを備える。
【0027】図4に示す試験回路において、AT1とA
T2の中間点、AT1のごく近傍及びAT2のごく近傍
のそれぞれの位置で、トロリー線とレールとを短絡させ
た場合とフィーダ線とレールとを短絡させた場合の、レ
ールをグランドとして測定した単巻変圧器AT1及びA
T2のトロリー線側の電圧V1及びV2と、レールから
各吸上線を通って各単巻変圧器へ流れる電流I1及びI
2との位相差を単巻変圧器毎に測定した。なお、図4に
示すように各吸上線には、直列に電流測定用のシャント
抵抗をそれぞれ挿入している。
【0028】また、短絡抵抗は、0Ω、5Ω及び10Ω
とし、短絡抵抗0Ωの時は故障電流を10A、5Ωの時
は5A、10Ωの時は4Aとした。図5は、トロリー線
とレールとをAT1とAT2の中間点で短絡させた場合
及びフィーダ線とレールとをAT1とAT2の中間点で
短絡させた場合の試験結果を複素平面上に示す図であ
る。
【0029】図6は、トロリー線とレールとをAT1の
ごく近傍で短絡させた場合及びフィーダ線とレールとを
AT1のごく近傍で短絡させた場合の試験結果を複素平
面上に示す図である。図7は、トロリー線とレールとを
AT2のごく近傍で短絡させた場合及びフィーダ線とレ
ールとをAT2のごく近傍で短絡させた場合の試験結果
を複素平面上に示す図である。
【0030】なお、図5、図6及び図7中の「T〜R」
はトロリー線とレールとを短絡させた場合であり、「F
〜R」はフィーダ線とレールとを短絡させた場合であ
る。 <検討>ここで、以上の試験結果を踏まえ、各短絡故障
における位相角がとりうる範囲について検討する。
【0031】図8(a)及び(b)は、図4においてト
ロリー線とレールとを短絡させた場合の特徴的な状態を
直流回路で示す図である。なお、ここでは簡略化の為、
単巻変圧器AT1を抵抗に置き換えている。図8(a)
はトロリー線に「+」、フィーダ線に「−」の電圧が架
かっている時の状態を、図8(b)はトロリー線に
「−」、フィーダ線に「+」の電圧が架かっている時の
状態を示す。
【0032】図中に示すように、電圧はフィーダ線側を
正とし、電流はレールから吸上線を通って単巻変圧器へ
流れる向きを正とすると、図8(a)及び(b)の何れ
の場合も、電源電圧Vと吸上電流Iの符号は同じとなる
ことがわかる。図9(a)及び(b)は、図4において
フィーダ線とレールとを短絡させた場合の特徴的な状態
を直流回路で示す図である。なお、ここでも図8と同様
に、単巻変圧器AT1を抵抗に置き換えている。
【0033】図9(a)はトロリー線に「+」、フィー
ダ線に「−」の電圧が架かっている時の状態を、図8
(b)はトロリー線に「−」、フィーダ線に「+」の電
圧が架かっている時の状態を示す。図8と同様に、電圧
はフィーダ線側を正とし、電流はレールから吸上線を通
って単巻変圧器へ流れる向きを正とすると、図9(a)
及び(b)の何れの場合も、電源電圧Vと吸上電流Iの
符号は逆となることがわかる。
【0034】即ち、図8及び図9に示すような電源電圧
Vと吸上電流Iの符号は、トロリー線とレールとを短絡
させた場合には同じとなり、フィーダ線とレールとを短
絡させた場合は逆となる。なお、各図中の線路脇の矢印
は、電流が流れる向きを示している。この結果を図4に
示す交流回路に当てはめると、リアクタンス成分による
位相のずれを無視すれば、電圧と電流の位相は、トロリ
ー線とレールとを短絡させた場合には同相となり、フィ
ーダ線とレールとを短絡させた場合は逆相となる。
【0035】ここで、リアクタンス成分による位相のず
れを考慮すると、コイル等の誘導負荷によって電流の位
相が遅れたり、コンデンサ等の容量負荷によって電流の
位相が進んだりするが、実際の線路上では、抵抗等によ
るインダクタンス成分が必ず存在するので、電流の位相
のずれがπ/2を超えることはない。従って、各短絡故
障は短絡故障時の位相差がπ/2付近で区別することが
でき、図5、図6及び図7からもわかるように、本実施
の形態1の場合は、例えば、短絡故障時の位相差がπ/
2未満の場合はトロリー線とレールとの短絡故障であ
り、短絡故障時の位相差がπ/2以上の場合はフィーダ
線とレールとの短絡故障であると判別することができ
る。
【0036】ただし、トロリー線とレールとを単巻変圧
器のごく近傍で短絡抵抗が0Ωで短絡させた場合には、
その単巻変圧器にかかる位相差は測定できないが他方の
単巻変圧器にかかる位相差は測定できるので、複数の単
巻変圧器を備えれば位相差による短絡故障の判別が可能
であり、また、実際の短絡故障では単巻変圧器のごく近
傍で短絡抵抗が0Ωで短絡故障することはなく、通常は
1Ω以上の短絡抵抗があるので、1個の単巻変圧器を備
えるものであっても短絡故障の判別は可能である。
【0037】なお、上記<試験>では、各単巻変圧器の
トロリー線側とレールとの間の電圧を測定したが、フィ
ーダ線側とレールとの間の電圧を測定したとすれば、回
路の等価性によりトロリー線とフィーダ線が入れ代わっ
たものとみなせるので、トロリー線とレールとを短絡さ
せた場合とフィーダ線とレールとを短絡させた場合と
で、短絡故障時の位相差の関係が反対になることは容易
に推測できる。
【0038】また、各単巻変圧器のトロリー線側とフィ
ーダ線側の電圧を測定したとしても、各短絡故障は短絡
故障時の位相差が±π/2付近で区別することができる
ことも容易に推測できる。さらに、このように電圧を測
定したならば、トロリー線とレールとの間、又は、フィ
ーダ線とレールとの間を単巻変圧器のごく近傍で短絡抵
抗が0Ωで短絡させた場合であっても、その単巻変圧器
にかかる位相差は測定可能であることも容易に推測でき
る。
【0039】<動作>図10は、AT器き電回路におい
てトロリー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレ
ールとの短絡故障の何れかが発生した場合に、本発明に
係る実施の形態1の短絡故障判別装置がトロリー線とレ
ールとの短絡故障であるか、フィーダ線とレールとの短
絡故障であるかを判別する処理のフローチャートを示す
図である。
【0040】(1)常時、各電流測定部は各吸上線の電
流を測定し、各電圧測定部は各単巻変圧器のトロリー線
102側とレール103との間の電圧を測定している
(ステップS11)。 (2)短絡故障感知部104bが、トロリー線とレール
との短絡故障、及び、フィーダ線とレールとの短絡故障
の何れかが発生した事を感知する。感知しない場合は監
視を続ける(ステップS12)。
【0041】(3)感知した場合は、集計部104cと
各通信部とを介して短絡故障が発生した事を各短絡故障
判別部に通知する(ステップS13)。 (4)各位相差検出部はそれぞれ、短絡故障感知部10
4bが短絡故障が発生した事を通知した時の、各電流測
定部が測定した電流と各電圧測定部が測定した電圧との
位相差を検出する(ステップS14)。
【0042】(5)各判別部が、各位相差検出部が検出
した位相差が設定値未満であるか±設定値以上であるか
を判別する。ここでは、±π/2未満であるか±π/2
以上であるかを判別し、±π/2未満の場合はトロリー
線とレールとの短絡故障であり、±π/2以上の場合は
フィーダ線とレールとの短絡故障であると判別する(ス
テップS15〜ステップS17)。
【0043】(6)各判別結果を、各通信部を介して集
計部104cへ送り、集計部104cが判別結果を集計
する(ステップS18)。以上のように、本発明に係る
実施の形態1の短絡故障判別装置は、短絡故障時の上記
位相差を予め設定した値(例えば、±π/2)で区別す
ることにより、発生した短絡故障がトロリー線とレール
との短絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故障
であるかを判別する。 (実施の形態2) <全体の構成>実施の形態1と同様であるので、説明を
省略する。
【0044】<短絡故障判別部の詳細な構成>図11
は、本発明に係る実施の形態2の短絡故障判別部109
aの詳細な構成を示す図である。なお、上記実施の形態
1と同様の構成を有する各部には同一の符号を付し、同
一の機能についてはその説明を省略し、本実施の形態固
有の部分についてのみ説明する。
【0045】実施の形態2の短絡故障判別部109a
は、実施の形態1の構成に、さらに、記憶部113を含
む。記憶部113は、実施の形態1の<試験>で説明し
たのと同様に、予め、トロリー線とレールとの短絡故障
の場合と、フィーダ線とレールとの短絡故障の場合の短
絡故障時の位相差を複数測定して、それぞれの短絡故障
別に決定した位相差の範囲を記憶する。
【0046】判別部112は、位相差検出部111が検
出した位相差が記憶部113が記憶するそれぞれの短絡
故障の位相差の範囲に含まれるか否かを判別し、発生し
た短絡故障がトロリー線とレールとの短絡故障であるか
フィーダ線とレールとの短絡故障であるかを判別する。 <動作>図12は、AT器き電回路においてトロリー線
とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡
故障の何れかが発生した場合に、本発明に係る実施の形
態2の短絡故障判別装置がトロリー線とレールとの短絡
故障であるか、フィーダ線とレールとの短絡故障である
かを判別する処理のフローチャートを示す図である。
【0047】なお、記憶部113には、予め、トロリー
線とレールとの短絡故障の場合と、フィーダ線とレール
との短絡故障の場合の短絡故障時の位相差の範囲を記憶
しているものとする。また、上記実施の形態1と同様の
動作をする各ステップには同一の符号を付し、同一の動
作についてはその説明を省略し、本実施の形態固有の部
分についてのみ説明する。
【0048】(1)ステップS11からステップS14
までは実施の形態1と同様である。 (2)各判別部が、各位相差検出部が検出した位相差が
記憶部113が記憶するトロリー線とレールとの短絡故
障の位相差の範囲に含まれるか否かを判断し、Yesな
らトロリー線とレールとの短絡故障であると判別する
(ステップS21、ステップS16)。
【0049】(3)各判別部が、各位相差検出部が検出
した位相差が記憶部113が記憶するフィーダ線とレー
ルとの短絡故障の位相差の範囲に含まれるか否かを判断
し、Yesならフィーダ線とレールとの短絡故障である
と判別する(ステップS22、ステップS17)。 (4)ステップS18は実施の形態1と同様である。
【0050】なお、図12に示す様なフローチャートに
よると、両方の短絡故障であると判別する場合や、両方
の短絡故障の何れでもないと判別する場合も考えられる
が、記憶部113が記憶する各短絡故障の位相差の範囲
が実施の形態1の様に、前者は互いに排他的であれば起
こり得ず、後者は全位相差の範囲(−π〜+π)を包括
していれば起こり得ない。従って、互いに排他的且つ全
位相差の範囲を包括した各短絡故障の位相差の範囲を決
定し記憶部113に記憶しておけば、全く問題は起こら
ない。また、たとえ短絡故障を判別できない位相差の範
囲が存在する様な各短絡故障の位相差の範囲を記憶部1
13に記憶していたとしても、短絡故障を判別できる位
相差の範囲が一部でも存在すれば、それだけで有用であ
るので発明は成立するものと考えられる。
【0051】以上のように、本発明に係る実施の形態2
の短絡故障判別装置は、各短絡故障時の上記位相差を予
め複数測定してそれぞれの短絡故障別に決定した位相差
の範囲を記憶しておき、短絡故障時の上記位相差と比較
することにより、発生した短絡故障がトロリー線とレー
ルとの短絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故
障であるかを判別する。
【0052】なお、上記各実施の形態では、電圧測定部
108a、108b及び108cが各単巻変圧器のトロ
リー線102側とレール103との間の電圧を測定した
が、電圧の測定位置はこれに限られる訳ではなく、各単
巻変圧器に誘起する電圧が測定できるのであればどこで
あってもよく、例えば、変電所における交流電源の電圧
であっても、各単巻変圧器の両端(トロリー線102側
とフィーダ線101側と間)の電圧を測定するものであ
っても、各単巻変圧器のフィーダ線101側とレール1
03との間の電圧を測定するものであってもよい。
【0053】また、上記各実施の形態では、3個の単巻
変圧器を備えるATき電回路において、単巻変圧器毎に
短絡故障判別部等を持つ例を示したが、単巻変圧器は何
個であっても実施可能であり、勿論、1個であっても実
施可能である。
【0054】
【発明の効果】(A)以上の説明から明らかなように、
本発明に係る短絡故障判別装置は、変電所から交流電力
を供給されるフィーダ線とトロリー線をレールと併走す
る状態に張架すると共にフィーダ線とトロリー線の間に
単巻変圧器を設置し単巻変圧器の巻線の中点又は所定の
電圧点と単巻変圧器近傍のレールとを吸上線で接続して
なる交流電気鉄道の単巻変圧器き電回路における短絡故
障を判別する装置であって、トロリー線とレールとの短
絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故障の何れかの
発生を感知する感知手段と、前記単巻変圧器に誘起する
電圧と前記吸上線を流れる吸上電流との位相差を測定す
る測定手段と、前記感知手段が感知した時点において前
記測定手段が測定した短絡故障時の位相差によって前記
感知手段が感知した短絡故障がトロリー線とレールとの
短絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故障であ
るかを判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
【0055】これによって、ATき電回路においてトロ
リー線とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレールと
の短絡故障の何れかが発生した場合に、トロリー線とレ
ールとの短絡故障であるか、フィーダ線とレールとの短
絡故障であるかを判別することができるので、フィーダ
線とレールとの短絡故障が起こった場合であっても正し
い標定をすることができる。
【0056】従って、故障点の探索、区分及び故障の修
復が敏速に行なえ、より速いより経済的な運転ができ、
使用効率の向上及びき電回路の信頼性向上が図れる。 (B)ここで(A)において、前記測定手段は前記単巻
変圧器の両端の電圧、前記単巻変圧器のトロリー線側の
電圧、又は、前記単巻変圧器のフィーダ線側の電圧と前
記吸上電流との位相差を測定することを特徴とすること
もできる。
【0057】これによって、単巻変圧器に誘起する電圧
を比較的容易に測定することができるので、位相差を比
較的容易に検出することができる。 (C)ここで(A)において、前記測定手段はレールを
グランドとして測定した前記単巻変圧器のトロリー線側
の電圧とレールから吸上線を通って前記単巻変圧器へ流
れる吸上電流との位相差を測定し、前記判別手段は前記
短絡故障時の位相差がπ/2未満の場合はトロリー線と
レールとの短絡故障であると判別し前記短絡故障時の位
相差がπ/2以上の場合はフィーダ線とレールとの短絡
故障であると判別することを特徴とすることもできる。
【0058】(D)ここで(A)において、前記測定手
段はレールをグランドとして測定した前記単巻変圧器の
フィーダ線側の電圧とレールから吸上線を通って前記単
巻変圧器へ流れる吸上電流との位相差を測定し、前記判
別手段は前記短絡故障時の位相差がπ/2未満の場合は
フィーダ線とレールとの短絡故障であると判別し前記短
絡故障時の位相差がπ/2以上の場合はトロリー線とレ
ールとの短絡故障であると判別することを特徴とするこ
ともできる。
【0059】(E)ここで(A)及び(B)の何れかに
おいて、前記短絡故障判別装置は、さらに、予めトロリ
ー線とレールとの短絡故障の場合とフィーダ線とレール
との短絡故障の場合の前記短絡故障時の位相差を複数測
定してそれぞれの場合別に決定した位相差の範囲を記憶
する記憶手段を備え、前記判別手段は、前記記憶手段が
記憶するそれぞれの位相差の範囲に前記短絡故障時の位
相差が入っているか否かを判定し入っていると判定され
た位相差の範囲に対応する短絡故障であると判別するこ
とを特徴とすることもできる。
【0060】上記(C)〜(E)によって、トロリー線
とレールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡
故障の何れかが発生した場合に、トロリー線とレールと
の短絡故障であるか、フィーダ線とレールとの短絡故障
であるかを比較的容易に判別することができる。 (F)また、本発明に係る短絡故障判別方法は、変電所
から交流電力を供給されるフィーダ線とトロリー線をレ
ールと併走する状態に張架すると共にフィーダ線とトロ
リー線の間に単巻変圧器を設置し単巻変圧器の巻線の中
点又は所定の電圧点と単巻変圧器近傍のレールとを吸上
線で接続してなる交流電気鉄道の単巻変圧器き電回路に
おける短絡故障を判別する方法であって、トロリー線と
レールとの短絡故障及びフィーダ線とレールとの短絡故
障の何れかの発生を感知する感知ステップと、前記吸上
線を流れる吸上電流と前記単巻変圧器に誘起する電圧と
の位相差を測定する測定ステップと、前記感知ステップ
が感知した時点において前記測定ステップが測定した短
絡故障時の位相差によって前記感知ステップが感知した
短絡故障がトロリー線とレールとの短絡故障であるかフ
ィーダ線とレールとの短絡故障であるかを判別する判別
ステップとを備えることを特徴とする。
【0061】これによって、(A)と同様の効果か得ら
れる。 (G)ここで(F)において、前記短絡故障判別方法
は、さらに、予めトロリー線とレールとの短絡故障の場
合とフィーダ線とレールとの短絡故障の場合の前記短絡
故障時の位相差を複数測定してそれぞれの場合別に決定
した位相差の範囲を記憶する記憶ステップを備え、前記
判別ステップは、前記記憶ステップが記憶するそれぞれ
の位相差の範囲に前記短絡故障時の位相差が入っている
か否かを判定し入っていると判定された位相差の範囲に
対応する短絡故障であると判別することを特徴とするこ
ともできる。
【0062】これによって、(E)と同様の効果か得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1の短絡故障判別装置
と交流電気鉄道のATき電回路の概略を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態1の短絡故障判別部1
09aの詳細な構成を示す図である。
【図3】(a)は、電圧波形V1と電圧波形V2の2つ
の正弦波を入力とし、それらの位相差を矩形波VR3の
形で出力する回路の概略を示す図である。(b)は、電
圧波形V1、電圧波形V2、矩形波VR1、矩形波VR
2及び矩形波VR3を、同じ時間軸上に示す図である。
【図4】短絡故障を判別する為の位相差を測定する試験
回路を示す図である。
【図5】トロリー線とレールとをAT1とAT2の中間
点で短絡させた場合及びフィーダ線とレールとをAT1
とAT2の中間点で短絡させた場合の試験結果を複素平
面上に示す図である。
【図6】トロリー線とレールとをAT1のごく近傍で短
絡させた場合及びフィーダ線とレールとをAT1のごく
近傍で短絡させた場合の試験結果を複素平面上に示す図
である。
【図7】トロリー線とレールとをAT2のごく近傍で短
絡させた場合及びフィーダ線とレールとをAT2のごく
近傍で短絡させた場合の試験結果を複素平面上に示す図
である。
【図8】図4においてトロリー線とレールとを短絡させ
た場合の特徴的な状態を直流回路で示す図である。
(a)はトロリー線に「+」、フィーダ線に「−」の電
圧が架かっている時の状態を、(b)はトロリー線に
「−」、フィーダ線に「+」の電圧が架かっている時の
状態を示す。
【図9】図4においてフィーダ線とレールとを短絡させ
た場合の特徴的な状態を直流回路で示す図である。
(a)はトロリー線に「+」、フィーダ線に「−」の電
圧が架かっている時の状態を、図8(b)はトロリー線
に「−」、フィーダ線に「+」の電圧が架かっている時
の状態を示す。
【図10】本発明に係る実施の形態1の短絡故障判別装
置が短絡故障を判別する処理のフローチャートを示す図
である。
【図11】本発明に係る実施の形態2の短絡故障判別部
109aの詳細な構成を示す図である。
【図12】本発明に係る実施の形態2の短絡故障判別装
置が短絡故障を判別する処理のフローチャートを示す図
である。
【図13】交流電気鉄道のATき電回路の概略を示す図
である。
【符号の説明】
101 フィーダ線 102 トロリー線 103 レール 104 変電所 104a 交流電源 104b 短絡故障感知部 104c 集計部 105a、105b、105c 単巻変圧器 106a、106b、106c 吸上線 107a、107b、107c 電流測定部 108a、108b、108c 電圧測定部 109a、109b、109c 短絡故障判別部 110a、110b、110c 通信部 111 位相差検出部 112 判別部 113 記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常藤 敏男 大阪府大阪市北区芝田二丁目4番24号 西 日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 津田 善行 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 (72)発明者 田中 秀明 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内 (72)発明者 北川 哲三 大阪府箕面市瀬川4丁目4番10号 津田電 気計器株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電所から交流電力を供給されるフィー
    ダ線とトロリー線を、レールと併走する状態に張架する
    と共に、フィーダ線とトロリー線の間に単巻変圧器を設
    置し、単巻変圧器の巻線の中点又は所定の電圧点と、単
    巻変圧器近傍のレールとを吸上線で接続してなる交流電
    気鉄道の単巻変圧器き電回路における短絡故障を判別す
    る装置であって、 トロリー線とレールとの短絡故障、及び、フィーダ線と
    レールとの短絡故障の何れかの発生を感知する感知手段
    と、 前記単巻変圧器に誘起する電圧と前記吸上線を流れる吸
    上電流との位相差を測定する測定手段と、 前記感知手段が感知した時点において、前記測定手段が
    測定した短絡故障時の位相差によって、前記感知手段が
    感知した短絡故障が、トロリー線とレールとの短絡故障
    であるかフィーダ線とレールとの短絡故障であるかを判
    別する判別手段とを備えることを特徴とする短絡故障判
    別装置。
  2. 【請求項2】 前記測定手段は、前記単巻変圧器の両端
    の電圧、前記単巻変圧器のトロリー線側の電圧、又は、
    前記単巻変圧器のフィーダ線側の電圧と、前記吸上電流
    との位相差を測定することを特徴とする請求項1記載の
    短絡故障判別装置。
  3. 【請求項3】 前記測定手段は、レールをグランドとし
    て測定した前記単巻変圧器のトロリー線側の電圧と、レ
    ールから吸上線を通って前記単巻変圧器へ流れる吸上電
    流との位相差を測定し、 前記判別手段は、前記短絡故障時の位相差がπ/2未満
    の場合はトロリー線とレールとの短絡故障であると判別
    し、前記短絡故障時の位相差がπ/2以上の場合はフィ
    ーダ線とレールとの短絡故障であると判別することを特
    徴とする請求項1記載の短絡故障判別装置。
  4. 【請求項4】 前記測定手段は、レールをグランドとし
    て測定した前記単巻変圧器のフィーダ線側の電圧と、レ
    ールから吸上線を通って前記単巻変圧器へ流れる吸上電
    流との位相差を測定し、 前記判別手段は、前記短絡故障時の位相差がπ/2未満
    の場合はフィーダ線とレールとの短絡故障であると判別
    し、前記短絡故障時の位相差がπ/2以上の場合はトロ
    リー線とレールとの短絡故障であると判別することを特
    徴とする請求項1記載の短絡故障判別装置。
  5. 【請求項5】 前記短絡故障判別装置は、さらに、 予め、トロリー線とレールとの短絡故障の場合と、フィ
    ーダ線とレールとの短絡故障の場合の前記短絡故障時の
    位相差を複数測定して、それぞれの場合別に決定した位
    相差の範囲を記憶する記憶手段を備え、 前記判別手段は、 前記記憶手段が記憶するそれぞれの位相差の範囲に、前
    記短絡故障時の位相差が入っているか否かを判定し、入
    っていると判定された位相差の範囲に対応する短絡故障
    であると判別することを特徴とする請求項1及び2の何
    れかに記載の短絡故障判別装置。
  6. 【請求項6】 変電所から交流電力を供給されるフィー
    ダ線とトロリー線を、レールと併走する状態に張架する
    と共に、フィーダ線とトロリー線の間に単巻変圧器を設
    置し、単巻変圧器の巻線の中点又は所定の電圧点と、単
    巻変圧器近傍のレールとを吸上線で接続してなる交流電
    気鉄道の単巻変圧器き電回路における短絡故障を判別す
    る方法であって、 トロリー線とレールとの短絡故障、及び、フィーダ線と
    レールとの短絡故障の何れかの発生を感知する感知ステ
    ップと、 前記吸上線を流れる吸上電流と前記単巻変圧器に誘起す
    る電圧との位相差を測定する測定ステップと、 前記感知ステップが感知した時点において、前記測定ス
    テップが測定した短絡故障時の位相差によって、前記感
    知ステップが感知した短絡故障が、トロリー線とレール
    との短絡故障であるかフィーダ線とレールとの短絡故障
    であるかを判別する判別ステップとを備えることを特徴
    とする短絡故障判別方法。
  7. 【請求項7】 前記短絡故障判別方法は、さらに、 予め、トロリー線とレールとの短絡故障の場合と、フィ
    ーダ線とレールとの短絡故障の場合の前記短絡故障時の
    位相差を複数測定して、それぞれの場合別に決定した位
    相差の範囲を記憶する記憶ステップを備え、 前記判別ステップは、 前記記憶ステップが記憶するそれぞれの位相差の範囲
    に、前記短絡故障時の位相差が入っているか否かを判定
    し、入っていると判定された位相差の範囲に対応する短
    絡故障であると判別することを特徴とする請求項6記載
    の短絡故障判別方法。
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