JPH11227166A - 印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 背圧シリンダと、それに同期して運転される
種々のシリンダおよびロールとの間の同期特性を向上さ
せることができる印刷機を提供すること。 【解決手段】 背圧シリンダ（１０）と、前記背圧シリ
ンダ（１０）に対して向き合うように配置されることが
可能な刻印シリンダ（１４）、および前記刻印シリンダ
に対して向き合うように配置されることが可能な塗布ロ
ール（１６）を持つ、少なくとも１の色付けユニット
（１２）と、変速機（２８）を介して前記背圧シリンダ
（１０）を駆動するモータ（２６）と、前記刻印シリン
ダ（１４）を直接に駆動する他のモータ（３０）と、前
記塗布ロール（１６）を直接に駆動するさらにその他の
モータ（３６）と、前記背圧シリンダ、刻印シリンダお
よび塗布ロールの各駆動機構に対してそれぞれ設けられ
た複数の変位変換器（３２，３８，４２）と、これらの
駆動機構を制御するための制御ユニットとを有する印刷
機において、前記背圧シリンダ（１０）のための変位変
換器（４２）が、前記背圧シリンダ（１０）のシャフト
（１８）に対して装着してあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機に係り、さ
らに詳しくは、背圧シリンダと、前記背圧シリンダに対
して向き合うように配置されることが可能な刻印シリン
ダおよび前記刻印シリンダに対して向き合うように配置
されることが可能な塗布ロールを持つ少なくとも１の色
付けユニットと、変速機を介して前記背圧シリンダを駆
動するモータと、前記刻印シリンダを直接に駆動する他
のモータと、前記塗布ロールを直接に駆動するさらにそ
の他のモータと、前記背圧シリンダ、刻印シリンダおよ
び塗布ロールの各駆動機構に対してそれぞれ設けられた
複数の変位変換器と、これらの駆動機構を制御するため
の制御ユニットとを有する印刷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】印刷機において得られる印刷品質は、背
圧シリンダと、色付けユニットにおける刻印シリンダお
よび塗布ロールとの間の正確な同期運転を維持すること
に主として依存する。従来の印刷機では、この同期運転
は、一般に機械的手段によって達成され、その手段で
は、背圧シリンダのシャフト上に配置されたギア歯車を
介して色付けユニット（インキ用ユニット）が駆動され
る。しかしながら、この場合には、背圧シリンダと刻印
シリンダとの間では、不連続な回転速度関係のみが可能
であるという不都合を有することが明らかになってい
る。そのため、シリンダ毎に個別の駆動機構を持った印
刷機が提案され、その印刷機では、背圧シリンダ、刻印
シリンダおよび塗布ロールのために、それぞれ個別のモ
ータが具備され、それらモータは、電気的な制御系によ
り同期して運転される。

【０００３】特に、背圧シリンダの回りにいくつかの色
付けユニットが配置され、背圧シリンダが、比較的大き
な直径を持ち、そしてそれ故に、その直径に対応した大
きな慣性モーメントを持ち、その一方で、背圧シリンダ
の回転速度が比較的低い場合がある。したがって、もし
背圧シリンダのためのモータが、その背圧シリンダのシ
ャフトに直接装着してあるとすると、高トルクで低速回
転のモータが必要となる。そのようなモータは、比較的
嵩が大きく、しかも高価である。

【０００４】ドイツ国特許公開公報第３４３２５７２号
（ＤＥ ３４３２５７２ Ａ１）は、請求項１の導入部
分に記載の印刷機を開示している。この印刷機では、背
圧シリンダと、それに関連するモータとの間には、変速
機が具備してある。この印刷機では、高回転速度で小さ
なモータを用いることができるという利点を持つ。この
ようなモータには、通常、変位変換器がモータに対して
直接に装備してある。このことは、モータの高回転速度
が原因となり、高い角度分解能を必要とするという課題
を有する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、背圧
シリンダと、それに同期して運転される種々のシリンダ
およびロールとの間の同期特性を向上させることであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的は、背圧シリン
ダの駆動機構のために設けられた変位変換器を、背圧シ
リンダのシャフトに対して装着させることにより達成す
ることができる。

【０００７】すなわち、上記目的を達成するために、本
発明の印刷機は、背圧シリンダと、前記背圧シリンダに
対して向き合うように配置されることが可能な刻印シリ
ンダ、および前記刻印シリンダに対して向き合うように
配置されることが可能な塗布ロールを持つ少なくとも１
の色付けユニットと、変速機を介して前記背圧シリンダ
を駆動するモータと、前記刻印シリンダを直接に駆動す
る他のモータと、前記塗布ロールを直接に駆動するさら
にその他のモータと、前記背圧シリンダ、刻印シリンダ
および塗布ロールの各駆動機構に対してそれぞれ設けら
れた複数の変位変換器と、これらの駆動機構を制御する
ための制御ユニットとを有する印刷機において、前記背
圧シリンダのための変位変換器が、前記背圧シリンダの
シャフトに対して装着してあることを特徴とする。

【０００８】背圧シリンダとモータとの間に変速機を具
備させた場合には、避けることのできない製造誤差、た
とえば変速機におけるギア歯の不具合およびこれに類す
る不具合などにより、背圧シリンダの角速度とモータの
角速度との比が一定ではなくなるという事態を導く。も
し仮に、背圧シリンダの駆動機構のための変位変換器
が、常法に従い、モータのシャフト上に装着してある場
合には、変換器の伝達不具合に基づき、背圧シリンダの
角速度に対して信頼できる実際の値を提供することがで
きないことになる。このことは、制御系により不必要な
または誤った制御干渉を引き起こし、制御系の不安定化
状態を導き、背圧シリンダの正確な同期制御を得ること
ができず、色付けユニットの駆動機構と背圧シリンダの
駆動機構との間の正確な同期制御が困難になる。

【０００９】本発明によれば、背圧シリンダの駆動機構
のための変位変換器が背圧シリンダのシャフト上に直接
装着してあることから、前記の不都合を解消することが
できる。この変位変換器は、背圧シリンダの実際の角速
度を常に信頼できる値で計測することができ、その結
果、変速機における伝達不都合に対するより大きな余裕
度を得ることができる。背圧シリンダの比較的高い慣性
モーメントが原因となり、その角速度の変化は、都合が
よいことに、きわめて緩やかである。したがって、この
角速度の検出に対しては、高い角度分解能は必要としな
い。変速機およびモータの慣性モーメントは、背圧シリ
ンダに比べてかなり低いので、変速機における伝達エラ
ーは、モータの回転速度変化を引き起こす。しかしなが
ら、本発明によれば、モータの回転速度の変化は、制御
系に対して伝達されず、その結果、不必要な制御干渉を
引き起こす事態を避けることができる。もし、制御系
が、背圧シリンダのシャフトから直接測定された背圧シ
リンダの角速度を、目標値となるように制御するなら
ば、背圧シリンダの高い慣性モーメントのために、目標
値と実際の値との差は、ほんの僅かなものとなる。一
方、モータは、その角速度が変化するように、そして結
果として、変換器における伝達不具合を補償するように
調節される。

【００１０】このようにして、背圧シリンダの正確な同
期を得ることができ、それぞれのシャフトに対して直接
に装着してある各モータにより回転される刻印シリンダ
および塗布ロールの回転速度は、正確な目標値となるよ
うに調節されることができ、その結果、正確な同期運転
を得ることができる。

【００１１】本発明の更なる好適な印刷機は、従属請求
項により提起される。

【００１２】すなわち、本発明の印刷機では、背圧シリ
ンダの直径が、刻印シリンダの直径よりも大きく、前記
制御ユニットが、前記背圧シリンダの速度の関数とし
て、主従原理に基づき、刻印シリンダおよび塗布ロール
の駆動機構のためのモータを制御することが好ましい。

【００１３】また、本発明の印刷機では、前記変速機
が、前記背圧シリンダのためのモータの出力シャフトに
対して装着された駆動ピニオンを有し、その駆動ピニオ
ンが、前記背圧シリンダの前記シャフトに対して装着し
てあるより大きな直径を持つギア歯車に対して噛み合っ
ていることが好ましい。

【００１４】背圧シリンダの一定且つ正確に決定された
実際の角速度は、色付けユニットの駆動機構を主従原理
に基づき制御するための制御入力信号として、特に適切
である。

【００１５】背圧シリンダの駆動機構における変速機の
伝達不具合は、モータおよび背圧シリンダの角速度にお
ける相対変化を引き起し、その変化は、周期的である。
もし、たとえば変速機が、モータのシャフト上に装着さ
れた駆動ピニオンと、背圧シリンダのシャフトに対して
装着された大きな直径のギア歯車とから成る場合には、
噛み合い不具合により引き起こされる角速度の相対変化
の周期は、駆動ピニオンの歯の数と、ギア歯車の歯の数
との最小公倍数に対応する。背圧シリンダの駆動機構の
ための制御系は、あたかも予知能力のごとく、これらの
周期的変化を考慮するように設計することもできる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を用いて、
さらに詳細に説明する。図１はフレキソ印刷機の背圧シ
リンダおよび色付けユニットのための駆動機構の概略を
示すと共に、関連する制御装置のブロック回路図を示
す。

【００１７】フレキソ印刷機の背圧シリンダ１０の周囲
には、いくつかの色付けユニット１２が配置してあり、
それぞれの色付けユニットは、刻印シリンダ１４と、た
とえば刷り込まれたインキ伝達シリンダなどの塗布ロー
ル１６とを有する。

【００１８】背圧シリンダ１０のシャフト１８には、ギ
ア歯車２０が装着してあり、その歯車には、比較的小さ
い駆動ピニオン２２が噛み合っている。駆動ピニオン２
２は、たとえば誘導モータなどのモータ２６の出力シャ
フト２４上に装着してある。駆動ピニオン２２およびギ
ア歯車２０は、このようにして変速機２８を形成し、こ
の変速機を介して、背圧シリンダ１０は、モータ２６に
より著しく減速された回転速度で回転駆動される。モー
タ２６は、それ故に、低い駆動トルクのみ持てば良く、
それに対応して小さい寸法を持つ。

【００１９】刻印シリンダ１４のためのモータ３０と、
それに関連する変位変換器３２とは、刻印シリンダ１４
のシャフト３４に直接に装着してある。これに対応し
て、塗布ローラ１６のためのモータ３６と、それに関連
する変位変換器３８とは、塗布ローラ１６のシャフト４
０に直接に装着してある。

【００２０】背圧シリンダ１０のための変位変換器４２
は、モータ２６から離れて、背圧シリンダ１０のシャフ
ト１８に対して装着してあり、それ故に、駆動ピニオン
２２およびギア歯車２０間の噛み合いによる不具合に基
づく誤差を生じることなく、背圧シリンダ１０の角速度
を直接に検出することができる。

【００２１】変位変換器３２，３８および４２は、角速
度のデジタル信号または増分信号を制御装置４４へ供給
する。これら変位変換器３２，３８および４２は、たと
えば回転角速度を検出可能なロータリーエンコーダなど
で構成される。制御装置４４は、セット手段４６を持
ち、そのセット手段は、背圧シリンダの角速度あるいは
対応する回転角度のための目標値を制御部４８へ供給す
る。制御部４８は、この目標値を、変位変換器４２によ
り供給された実際の値と比較し、その結果に基づき、モ
ータ２６へ対応する制御信号を供給する。

【００２２】もし、変速機２８での噛み合い不都合が原
因となり、モータ２６の角速度に対する背圧シリンダ１
０の角速度の比が一時的に増大し、そして、背圧シリン
ダ１０の大きい慣性モーメントが原因となり、これがモ
ータ２６の角速度の減少を主として引き起こすが、その
一方で、背圧シリンダ１０の角速度の増大は、極僅かの
みである。角速度におけるこの増大が小さいものである
限り、それは変位変換器４２により検出されることはな
く、制御部４８による規則化された干渉はない。このこ
とは、モータ２６の角速度の減少は、補正されることが
無いことを意味し、その結果、背圧シリンダ１０は、本
質的に一定速度で回転し続けることとなる。

【００２３】また一方で、もし、背圧シリンダ１０の角
速度の増大が、変位変換器４２により検出できる程度に
大きい場合には、制御部４８は、モータ２６の駆動出力
が減少するように干渉する。このようにして、背圧シリ
ンダ１０の実際の速度を安定化させることができる。

【００２４】変位変換器４２により指示された実際の速
度は、それ故に、刻印シリンダ１４および供給ロール１
６の駆動機構を調節するための適切な案内パラメータを
構成する。変位変換器４２の信号は、それ故に、セット
手段５０へも供給され、そこでは、この信号を用いて、
そして付加的に制御部４８により誘発された制御干渉信
号も考慮に入れて、刻印シリンダ１４および塗布ロール
１６の角速度または角度増分のための目標値を生成す
る。

【００２５】変位変換器３２および３８の信号は、刻印
シリンダ１４または供給ロール１６の角速度または角度
増分の正確な計測値を示しており、それらの信号は、そ
れぞれ制御部５２または５４へと供給され、そこでは、
セット手段５０の信号と比較される。目標値と実際の値
とを比較する手段を用いることにより、刻印シリンダ１
４および供給ロール１６の実際の角速度は、モータ３０
および３６への制御干渉により、目標値となるように調
節される。この目標値は、背圧シリンダ１０の角速度の
実際の値から直接に採取されるために、背圧シリンダ１
０に対して、刻印シリンダ１４および供給ロール１６の
正確に同期した回転動作を実現することができる。

【００２６】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
印刷機によれば、背圧シリンダと、それに同期して運転
される種々のシリンダおよびロールとの間の同期特性を
向上させることができ、印刷品質の向上を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１はフレキソ印刷機の背圧シリンダおよび
色付けユニットのための駆動機構の概略を示すと共に、
関連する制御装置のブロック回路を示す図である。

【符号の説明】

１０… 背圧シリンダ １２… 色付けユニット １４… 刻印シリンダ １６… 塗布ロール １８，３４，４０… シャフト ２０… ギア歯車 ２２… 駆動ピニオン ２４… 出力シャフト ２６，３０，３６… モータ ３２，３８，４２… 変位変換器 ４４… 制御ユニット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596132640 Ｈａｋｅｎｏｒｔ 47、Ｄ―33609Ｂｉｅ ｌｅｆｅｌｄ、Ｆｅｄｅｒａｌ Ｒｅｐｕ ｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒｍａｎｙ (72)発明者 クラウス シリッヒ ドイツ連邦共和国、ビーレフェルト、Ｄ− 33729、ハリグストラッセ 44 (72)発明者 マンフレット テルシュテゲン ドイツ連邦共和国、ビーレフェルト、Ｄ− 33613、ホルシュザイデル ヴェッグ ９ (72)発明者 ボド シュタインマイヤー ドイツ連邦共和国、ビーレフェルト、Ｄ− 33739、インズィークストラッセ 62

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 背圧シリンダ（１０）と、 前記背圧シリンダ（１０）に対して向き合うように配置
   されることが可能な刻印シリンダ（１４）と、前記刻印
   シリンダに対して向き合うように配置されることが可能
   な塗布ロール（１６）とを持つ、少なくとも１の色付け
   ユニット（１２）と、 変速機（２８）を介して前記背圧シリンダ（１０）を駆
   動するモータ（２６）と、 前記刻印シリンダ（１４）を直接に駆動する他のモータ
   （３０）と、 前記塗布ロール（１６）を直接に駆動するさらにその他
   のモータ（３６）と、前記背圧シリンダ、刻印シリンダ
   および塗布ロールの各駆動機構に対してそれぞれ設けら
   れた複数の変位変換器（３２，３８，４２）と、 これらの駆動機構を制御するための制御ユニットとを有
   する印刷機において、 前記背圧シリンダ（１０）のための変位変換器（４２）
   が、前記背圧シリンダ（１０）のシャフト（１８）に対
   して装着してあることを特徴とする印刷機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の印刷機であって、 背圧シリンダ（１０）の直径が、刻印シリンダ（１４）
   の直径よりも大きく、 前記制御ユニット（４４）が、前記背圧シリンダ（１
   ０）の速度の関数として、主従原理に基づき、刻印シリ
   ンダ（１４）および塗布ロール（１６）の駆動機構のた
   めのモータ（３０，３６）を制御することを特徴とする
   印刷機。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の印刷機であっ
   て、 前記変速機（２８）が、前記背圧シリンダのためのモー
   タ（２６）の出力シャフト（２４）に対して装着された
   駆動ピニオン（２２）を有し、その駆動ピニオンが、前
   記背圧シリンダ（１０）の前記シャフト（１８）に対し
   て装着してあるより大きな直径を持つギア歯車（２０）
   に対して噛み合っていることを特徴とする印刷機。