JPH11226780A - 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents

溶接用フラックス入りワイヤの製造方法

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JPH11226780A
JPH11226780A JP3326298A JP3326298A JPH11226780A JP H11226780 A JPH11226780 A JP H11226780A JP 3326298 A JP3326298 A JP 3326298A JP 3326298 A JP3326298 A JP 3326298A JP H11226780 A JPH11226780 A JP H11226780A
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welding
wire
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JP3326298A
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Kozo Noguchi
幸三 野口
Toru Ono
徹 小野
Ko Kato
興 加藤
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接用フラックス入りワイヤの充填率の安定
化および伸線性と品質の向上に資する溶接用フラックス
入りワイヤの製造方法を提供すること。 【解決手段】 充填フラックスの粒子サイズが1000
〜150μmのものが98%以上であって、粉化強度:
25〜50であるフラックスを低炭素鋼管に充填して、
ワイヤ系0.8〜2.0mm伸線加工したことを特徴と
する溶接用フラックス入りワイヤの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接用フラックス
入りワイヤの製造方法に係り、さらに詳しくは、溶接用
フラックス入りワイヤの充填率の安定化および伸線性と
品質の向上に資する溶接用フラックス入りワイヤの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶接用フラックス入りワイヤを製
造する一般的な方法は、工程順に鋼製外皮にフラック
ス充填後のワイヤを2〜5mm径までローラ型ダイスあ
るいは孔型ダイスで伸線する工程(一次伸線)、焼鈍
工程、酸洗工程、めっき工程、最終サイズ径まで
伸線する工程(仕上げ伸線)の順で行われる。前記〜
の工程は素線および製品の形状、物性に対応して選択
されて製造される。
【0003】一方、充填用フラックスを製造する一般的
な方法は各種原料を計量後、混合しただけの非造粒法お
よび造粒法があるが、鋼管にフラックスを充填して製造
する溶接用フラックス入りワイヤには、造粒フラックス
を充填する方式が一般的であり、造粒フラックスの一般
的な製造方法は配合工程、湿式混合工程、造粒工
程、乾燥工程、篩分けにより所定の粒度に調製する
分級工程を製品の形状、物性に対応し選択して行われ
る。
【0004】一般に適用されている攪拌混合造粒法で
は、用途および造粒性の良否により、の湿式混合工程
で、いわゆる擬造粒作用を活用して造粒し、の工程を
省略することもある。一方、この方法は、造粒工程の温
度および湿度の影響が大きく、例えば夏季の高温多湿期
と冬季の低温乾燥期では、固着剤の適正添加量に差があ
り、冬季には夏季に比べて固着量添加率を増加しないと
所望する粒度分布の造粒品が得られないという問題があ
る。
【0005】さらに、造粒されたフラックスの粒度分布
の幅が広く、例えば500μm(32メッシュ)の篩網
で篩ったものでは、45μm(325メッシュ)以下ま
での粒子が混じっている。そのために、狭い級間のフラ
ックス、例えば150μm(100メッシュ)より粗い
ものを得るためには、150μmの目開きの篩網により
篩って、その篩下を除去する必要があり、歩留低下の原
因になる。
【0006】溶接用フラックス入りワイヤに用いられる
フラックスは、例えば振動充填方法によれば、級間の狭
い、いわゆるシャープな粒度分布のフラックスの方が級
間の広いフラックスよりも充填率のばらつきが小さく、
また、充填速度も速くなることが確認されており、高級
溶接用ワイヤには、シャープな粒度分布にして充填する
こともある。そのために篩工程の下側の篩網に粗目のも
のを用い、篩下のフラックスは、造粒工程にリターンし
て原料の一部として再利用されるが、それだけ余分な作
業が必要であり、生産性を低下させる原因になってい
る。
【0007】また、帯材をU字状に形成し、その溝部に
フラックスを充填した後、さらに、O状に成形加工し、
両端の合わせ部をシール溶接した後所定の寸法まで縮径
仕上げ伸線する場合でも、U字溝にフラックスを円滑に
定常的に送給するためには、フラックスの粒度分布がシ
ャープで、しかも150μm以上のものが良好な流動性
を示し、充填率の変動を小さくできることが知られてい
る。
【0008】しかし、充填用フラックス粒度を粗め、例
えば840μm(20メッシュ)以下にして充填した場
合、従来の造粒法で造粒したものでは、粉化強度Cが2
0以下になり、強度が強すぎて、伸線工程で、ダイスの
圧下力では充填されたフラックスが圧潰されずフラック
スの充填状態にばらつきを生じ、その部分で鋼外皮が薄
くなって、断線したり、あるいはワイヤ外縁部に断続的
にくびれが生じて、いわゆるびびり線となることが一般
であり、充填用フラックスの粗粒化が困難となってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】溶接用フラックス入り
ワイヤに充填するフラックスの粒度を大粒側で、しかも
粒度分布幅の狭い粒度にすると、フラックスの流動性を
良好にして充填速度を向上することが可能であり、ま
た、充填率の変動を小さくでき、品質のより安定した製
品を作れる等メリットが大きい。しかし、このような粒
度の造粒フラックスを効率良く製造することが困難であ
り、また一般的には造粒されたフラックスが固く、粉化
強度が大き過ぎて、充填された外皮管を伸線する際に断
線したり、伸線品の外観が断続的にくびれて、いわゆる
ビビリ線となり、溶接時にワイヤの送給性を悪化させ、
アーク状態を不安定にさせるという問題がある。そのた
めに、また、1000μm径のような大粒のフラックス
を充填して、溶接用フラックス入りワイヤを製造するこ
とが実用化されていないのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはこ
れらの問題を解決すべく、次のような発想で課題解決方
法を実現することが出来た。すなわち、本発明の要旨と
するところは、 (1)充填フラックスの粒子サイズが1000〜150
μmのものが98%以上であって、粉化強度C:25〜
50であるフラックスを低炭素鋼管に充填して、ワイヤ
径0.8〜2.0mm伸線加工したことを特徴とする溶
接用フラックス入りワイヤの製造方法。
【0011】(2)10μm以下である超微粒子の金属
酸化物あるいは結晶水を含む金属酸化物または炭酸塩鉱
物原料を5〜35%、有機糊料を0.5%以下含有する
配合フラックスに固着剤を添加混合し、造粒乾燥したフ
ラックスを充填することを特徴とする前記(1)記載の
溶接用フラックス入りワイヤの製造方法。 (3)充填フラックスを押出造粒法により造粒すること
を特徴とする前記(1)または(2)記載の溶接用フラ
ックス入りワイヤの製造方法にある。
【0012】但し、粉化強度Cは、次のような方法で測
定した値とする。210μm(70メッシュ)より小さ
い粒子の構成割合(重量%)がAであるフラックス50
gを、直径8mmの鉄球9個と共に、内径40mm、長
さ300mmの円筒型容器に入り、容器の両端部中心か
ら軸線方向150mmの点を中心として、その周りに、
30回転/分の回転数で30分間回転させた後、210
μmより小さい粒子の構成割合(重量%)Bを測定し、
次式によって求めた値Cを粒子の粉化強度とする。
C=B−A 値Cが大きくなる程、フラックス粒子の固着強度が弱く
なることを示す指標である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明者らは、先ず、従来の製造方法で作られた
溶接用フラックス入りワイヤの充填用フラックスを用い
て、種々の級間粒度のフラックスを調製し、これらを使
ってワイヤへの充填フラックスとしての特性を調査し、
所望する特性を発揮する級間粒度を求めた。その結果、
品質的な面では、従来の製造方法で製造した級間の広
い、例えば500μmパスの製品に対して、これから篩
網により、150μm目開きの網の上下に2分したもの
について、成分分析を行うと、両者間に成分の差がある
ことが判った。その一例を図1に示す。すなはち、図1
は粒度分布の級間変更によるフラックスの化学成分変動
例を示すもので、造粒段階で配合した全原料を150μ
mより大きい粒子に閉じ込める方法で造粒すれば、フラ
ックスの成分のバラツキを無くすることができることを
示唆するものである。
【0014】また、上記の2分したフラックスと、3製
品を外径11.4mm、内径6.5mmのコイル状に巻
いた管内に、振動充填法により充填し、管内に充填され
た速度を測定して比較した例を示す。すなわち、図2は
粒度の級間を変えた時の振動充填による管内へのフラッ
クス充填速度の影響を調査した結果例を示す図である。
この図2から判るように、粒度を500μm×150μ
mに調製したフラックスが、級間幅の広い製品粒度品に
比べて約1.7倍の充填速度を示している。また、品質
上の理由から、管内に充填されたフラックスの充填率変
動は小さいほど好ましいが、一般溶接用の場合は、目標
充填率に対して、±1.0%以下のレベルである。
【0015】従来の造粒フラックスの粒度分布500μ
mパス品の充填率変動状況の例を図3に示す。この図か
ら判るように、充填率の平均値10.44%に対して、
最大値と最小値との差Rが1.96%であり、σは0.
74%である。高級品に対しては充填率変動を小さくす
るため、フラックスを150μmの篩網で篩い、その上
のフラックスを用いるとか、充填用管の内径精度を高め
るため、玉引き伸線した管を使用する等の経済的に負担
のかかる処理をしているのが現状である。
【0016】これに対して、粒子を大粒にして級間を狭
く1000〜150μmに調製したフラックスを充填し
た場合の充填率変動状況を調査した例を図4に示す。図
4から判るように、平均充填率11.40%に対して、
最大値と最小値との差Rが0.97%であり、σは0.
29%と一般品の半分以下で、充填率の変動が小さくな
っていることを示している。一方、縮径伸線工程で、管
内断面の充填フラックスの充填率が上昇し、大粒のフラ
ックス粒子が圧潰されず、ダイスによるワイヤ表面から
の絞りに対して、大粒のフラックスが長手方向に円滑に
移動しないと、外皮のみが延伸され、内部のフラックス
が滞っている部分の外皮が薄くなる。このような現象が
さらに進むと、内部フラックス部の凹凸が外皮表面にま
で伝わって、ワイヤ表面に断続的にくびれが生じ、いわ
ゆるくびり線になり、断線の原因にもなる。これは充填
した造粒フラックスの粒子の強度が大き過ぎるためであ
る。
【0017】図5はこのような状況を示した軟X線撮影
例を示す模式図であり、図5(a)は従来の造粒方法で
造粒した、粒度が840μmパス品で、粉化強度C≒2
0のフラックスを充填した後、孔型ダイスで伸線したも
ので、線径1.4mmで測定したP値が1.60となっ
ており、管内部の断面を見ると充填フラックスの凹凸状
態が良く判る。これに対して、本発明思想を活用して、
フラックス粒度が1000×150μmで、粉化強度C
≒45と弱くした充填フラックスでは、前述の例と同じ
要領で伸線した線径1.4mmのP値が1.17と小さ
くなっており、図5(b)に示す押出造粒方法により粒
度1000×150μm品充填部断面の模式図から判る
ように、内部のフラックス充填状態が一様になってい
る。このように、大粒フラックスでも本発明の方法を活
用すれば、円滑な伸線が可能であり、フラックスの充填
状態も一様に分散しており、品質安定に効果があること
が判る。
【0018】なお、溶接用フラックス入ろワイヤ内の充
填フラックスの充填状態の変動指標P値は次のような方
法で測定した値とする。仕上げ伸線品を約50mm長さ
採取し、これを直線状に修正した後、X線撮影により、
20mm長さの視野で外皮の厚さ変動状態を模式的に画
像化した。この模式図より目盛付き拡大鏡を用いて、視
野内の外皮の最大厚さT1および最少厚さT2を測定
し、次の式によりP値を求める。 P=T1/T2 P値が1に近い程フラックスが均一に充填・圧潰されて
いることを示す指標であり、伸線によって断線したりく
びれ現象の発生がなく円滑に縮径が可能となる1つの要
因である。
【0019】造粒フラックスの粉化強度は、固着剤であ
る水ガラス(珪酸ソーダ、珪酸カリ)の水による希釈率
およびモル比(アルカリ分とSiO2 の分子量の比率)
により、容易に調整ができる。水ガラスに水を加えて濃
度を変えて押出造粒し、300℃で乾燥した後、100
0×150μmに粒度調製したものについて粉化強度を
調査した一例が図6で示す。すなわち、図6は、バイン
ダー(固着剤)濃度と粉化強度の関係例を示す図であ
る。この図に示すように、粉化強度は、使用する材料の
10μmパスの超微粒品の種類あるいは有機糊料である
アルギン酸ソーダの添加料の調整を行うことによっても
調整可能であり、また、超微粒材料も10%までは粉化
強度を強化する方向に働くものがある。ホワイトチタン
はその例の一つである。
【0020】本発明では、振動充填による取扱い時の粒
度変化に影響しない程度の粉化強度として、C:50を
下限とし、孔型ダイスによる縮径伸線工程で、粒子が容
易に圧潰されるレベルであるC:25を粉化強度の上限
とした。一方、押出法によって造粒するためには、固着
剤を添加して混練した材料をシリンダー内に装填した片
側から圧力を加えて、他端に設けた多孔スクリーンから
排出させて断面が孔径となる円筒状の粒を作るのである
が、排出されたものが長さ方向にある程度の脆さを有し
て破断し直径程度の長さになることが望ましい。このよ
うな状態の混練材料にするための条件として、酸化チタ
ン(ホワイトチタン)、酸化ジルコン、精製アルミナ等
の金属酸化物、セリサイト(絹雲母)タルク、ベントナ
イト等の結晶水を含む金属酸化物あるいは炭酸石灰の1
0μm以下の超微粒材料の添加が必須となり、調査結果
最低7%が必要であった。
【0021】また、製品設計上、これらの添加量が5%
以上の少量に制限される場合の押出造粒性付与の手段と
して、有機糊料を0.5%以下添加することにより、円
滑な造粒性を実現させることができる。これら超微粒材
料は、300μm以下の通常の溶接用原料に比べて、値
段が高く市場経済性からは、極力少ないことが望まし
い。さらに、押出されたものが直径よりやや長い程度で
破断する脆さを付与させる条件から、10μm以下の超
微粒の該材料の含有上限を35%とした。有機糊料は造
粒品の乾燥温度が400℃以下の場合には、添加量の増
加につれて粉化強度が増加する傾向にある。溶接用材料
としては、加熱残渣がC源となることから、溶接性能に
影響がでる限界として有機糊料の添加限界を0.5%と
した。
【0022】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。先ず、溶接用フラックス入りワイヤに充填する造粒
フラックスを次のようにして調製準備した。一般の充填
用フラックス処方を基本成分として、溶接用材料として
問題の生じない10μm以下の超微粒で増粘作用のある
代替材料を0〜35%の範囲で置換した配合フラックス
を複数計量混合した。これらに、固着剤として、3モル
珪酸カリと2モル珪酸ソーダを重量比で1:1の割合で
混合した水ガラスを、さらに、水で希釈してボーメ度を
25〜40に調整したものを準備し、配合フラックス1
000gに対して固着剤を80gの割合で添加して混練
機で湿式混合した後、押出造粒機により、孔径0.7m
mのスクリーンから押出造粒して300℃で30分間乾
燥した後、篩網を用いて1000×150μmの粒度に
分級調製した。押出造粒条件を一定にするために、固着
剤の添加量が不足の場合には、造粒機のプレス用シリン
ダー駆動モータの負荷電流がほぼ同じになる程度に湿式
混合の際に水を加えた。調製したフラックスは、充填す
る前に、静嵩密度および粉化強度を測定した。
【0023】次に、溶接用フラックス入りワイヤの原料
である外径12mm、肉厚2mmの低炭素鋼管を、充填
するフラックスの静嵩密度の値を参考にして、目標充填
率になるように、予め管引き伸線して、内径を調整し
た。この管を直径1mでコイル状に10巻きして、振動
充填装置により、フラックスを充填した後、3.2mm
径まで伸線し、焼鈍後、アプローチ角12°の孔型ダイ
スにより製品径まで仕上げ伸線した。これらの試作結果
を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1において、試験No1〜10が本発明
による溶接用フラックス入りワイヤの製造方法によって
製造した溶接用フラックス入りワイヤの例、試験No1
1〜14が比較例である。本発明による試験No1〜3
は、10μmパスの超微粒材料を5〜7%含有し、押出
造粒性をより安定にするため、有機糊料を0.2〜0.
5%添加したものであり、25〜30ボーメの低濃度固
着剤でも良好な造粒が可能であり、粒度調製したフラッ
クスの粉化強度Cが41.6〜50.0と小さいが、振
動充填により、ワイヤ製品にした時の充填率変動はRが
1.71%以下であり、P値も1.12〜1.15と良
好な充填性を示している。試験No4〜6はホワイトチ
タンを主体に、10μm以下の超微粒材料を10〜25
%まで変化させて、有機糊料添加無しで、押出造粒した
ものを充填して製品にしたものであり、造粒性、伸線性
共に良好な結果が得られた。
【0026】試験No7〜10は、フラックス中の主原
料である酸化チタンを天然品から添加することが溶接品
質上好ましくない耐SR高靱性用固着金属を得る必要か
ら高精製ホワイトチタンを32%まで増加し、微粒材料
の造粒固着性付与のため、品質上の上限まで固着剤濃度
を高めることを目的にした本発明例であるが、造粒性お
よび粉化強度も、孔型ダイスによる伸線性を阻害しない
範囲内の良好な結果が得られた。
【0027】比較例中、試験No11は10μmパスの
超微粒材料の含有率が5%であるが、有機糊料を添加し
ていないため、押出造粒が困難で、試験に必要な造粒品
を得ることができなかった。試験No12〜14は、従
来の攪拌混合による造粒で作製した広い粒度分布の50
0μmパス品を振動充填法によって充填し、孔型ダイス
により仕上げ伸線径まで伸線したものであり、充填率変
動がRで約3%と大きめとなり、一般軟鋼溶接用ワイヤ
としては問題ないが、低合金・高張力鋼溶接用ワイヤと
しては、品質上好ましくないものである。なお、試験品
は全て銅めっきなしで仕上げ伸線にしたものであり、参
考までに、下向き姿勢で炭酸ガスシールドアーク溶接に
より、溶接作業性を調査した結果、本発明例、比較例共
に問題なく溶接が可能であった。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、生
産性の向上と品質の安定した溶接用フラックス入りワイ
ヤを容易に製造することが可能となる工業上極めて優れ
た効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒度分布の級間変更によるフラックスの化学成
分変動例を示す図である。
【図2】粒度の級間を変えた時の振動充填による管内へ
のフラックス充填速度の影響を調査した結果例を示す図
である。
【図3】従来の粒度分布(500μmパス)のフラック
スを管に充填したときの充填率変動レベルを示す図であ
る。
【図4】本発明による造粒フラックス(粒度1000×
150μm)を同じ管に充填したときの充填率変動レベ
ルを示す図である。
【図5】従来の比較例と本発明による溶接用フラックス
入りワイヤのP値測定用軟X線撮影写真の模式図であ
る。
【図6】バインダー(固着剤)濃度とフラックスの粉化
強度の関係例を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填フラックスの粒子サイズが1000
    〜150μmのものが98%以上であって、粉化強度
    C:25〜50であるフラックスを低炭素鋼管に充填し
    て、ワイヤ径0.8〜2.0mm伸線加工したことを特
    徴とする溶接用フラックス入りワイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 10μm以下である超微粒子の金属酸化
    物あるいは結晶水を含む金属酸化物または炭酸塩鉱物原
    料を5〜35%、有機糊料を0.5%以下含有する配合
    フラックスに固着剤を添加混合し、造粒乾燥したフラッ
    クスを充填することを特徴とする請求項1記載の溶接用
    フラックス入りワイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 充填フラックスを押出造粒法により造粒
    することを特徴とする請求項1または2記載の溶接用フ
    ラックス入りワイヤの製造方法。
JP3326298A 1998-02-16 1998-02-16 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 Withdrawn JPH11226780A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104722961A (zh) * 2015-03-24 2015-06-24 江苏科技大学 一种用于水下湿式电弧切割的低成本药芯割丝及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104722961A (zh) * 2015-03-24 2015-06-24 江苏科技大学 一种用于水下湿式电弧切割的低成本药芯割丝及其制备方法

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