JPH1122580A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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Publication number
JPH1122580A
JPH1122580A JP17747497A JP17747497A JPH1122580A JP H1122580 A JPH1122580 A JP H1122580A JP 17747497 A JP17747497 A JP 17747497A JP 17747497 A JP17747497 A JP 17747497A JP H1122580 A JPH1122580 A JP H1122580A
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JP
Japan
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fuel
pressure
fuel injection
valve
chamber
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JP17747497A
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English (en)
Inventor
Hirotatsu Ishigaki
裕達 石垣
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で燃料噴射率を変化させる。 【解決手段】 制御室32内に導入された高圧燃料の圧
力で弁体23を押して燃料噴射孔21を閉じ、制御室内
の高圧燃料を排出して弁体の押圧力を下げることで燃料
噴射孔を開く燃料噴射弁を備えた燃料噴射装置におい
て、排出する燃料の圧力を蓄圧する圧力室51と、圧力
室51内の圧力が所定圧力となったとき、圧力室51を
解放して圧力室51内から燃料を排出する圧力解放弁5
2とを設け、 制御室32から排出される燃料を圧力室
51に畜圧している間は、弁体のリフト速度が緩やかと
なって、燃料噴射率が低く抑えられる。その後、圧力室
51内の燃料圧が所定の圧力になると、圧力解放弁52
が開くので、圧力室51内ひいては制御室32内の圧力
が急激に下がり、弁体のリフト速度が急速となり、燃料
噴射率が急速に高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射装置、特
に、ディーゼルエンジンに用いられる蓄圧式燃料噴射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、蓄圧式(コモンレール式)燃
料噴射装置は、蓄圧室から供給される高圧燃料を燃料噴
射弁の内部に設けた制御室に導入して、燃料制御弁のニ
ードル弁を下降させ、このニードル弁を常閉状態に保
ち、さらに、制御室内の燃料を燃料排出路にリークさ
せ、制御室内を減圧することで、ニードル弁が上昇し、
燃料噴射孔を開いて燃料噴射をする構成である。
【0003】このような、従来の燃料噴射装置におい
て、燃料噴射率は、ニードル弁先端の弁開度及び弁孔の
大きさに左右される。すなわち、ニードル弁が上昇し
て、燃料噴射孔への流路を開く課程において、その流路
面積が燃料噴射孔より小さい間は、その流路面積により
燃料噴射率が規定され、燃料噴射孔への流路面積が、燃
料噴射孔の断面積より大きくなった後は、燃料噴射孔の
断面積により燃料噴射率が規定される。
【0004】また、制御室への燃料の流路断面積(A)
と、制御室から出る燃料の流路断面積(B)とはそれぞ
れ、通常A:B=2:3あるいは1:2等に固定されて
いる。よって、ニードル弁のリフト速度は、一定速度で
上昇し、燃料噴射率は、図8に実線で示したような特性
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ディーゼルエ
ンジンでは、燃焼騒音、NOx の低減、エンジン全負荷
性能、PMの低減を両立させるためには、初期の燃料噴
射量を低く押さえ、後半の噴射率を高くすることが有効
である。なお、PMとは、パティキュレート・マターの
略で、イオウ酸化物等を含む、タール状の未燃焼物の総
称である。
【0006】このような要求に対し、前記従来例のよう
に、制御室への燃料の流路断面積(A)と、制御室から
出る燃料の流路断面積(B)とが固定された燃料噴射装
置では、噴射率の選択に自由度がない。
【0007】すなわち、従来の装置で、INの流路断面
積(A)をOUTの流路断面積(B)に対して小さくす
ると、図8(a)のように、ニードル弁のリフト速度が
急峻になって燃料噴射初期の燃料噴射率が高くなり、逆
に、INの流路断面積(A)をOUTの流路断面積
(B)に対して大きくすると、図8(b)のように、ニ
ードル弁のリフト速度が緩やかになって燃料噴射初期の
燃料噴射率が徐々に高くなり、また、燃料噴射率の上昇
が緩やかになるため、その分燃料噴射時間が長くなる。
【0008】従って、この範囲の中で、INの流路断面
積(A)とOUTの流路断面積(B)の比率を選択し、
燃料噴射率が増加する傾きを選択するしか、燃料噴射率
の選択の幅がなく、図8(c)のような、当初緩やかで
後に急峻に立ち上がる燃料噴射率を実現することはでき
ない。
【0009】ところで、燃料噴射の初期には低噴射率と
し、噴射後期には高噴射率となるよう制御する燃料噴射
装置が、特開平5−71438号公報に提案されてい
る。この装置は、燃料噴射弁の燃料噴射孔を開閉するノ
ズルニードルに作用する背圧を保持する制御室の圧力を
切替弁によって燃料の供給経路側である高圧室と前記燃
料の戻し経路(燃料排出路)側である低圧室とに切替え
制御して、前記燃料噴射孔より燃料を噴射する燃料噴射
装置において、前記切替弁の前記低圧側と直列に配設さ
れ、該低圧側の燃料の流れを遮断する第1の状態と、前
記前記低圧側の燃料の一部を逃がす第2の状態と、前記
低圧側の燃料を完全に逃がす第3の状態との少なくとも
3つの状態を取る制御弁と、無噴射時には前記切替弁を
高圧側とするとともに前記制御弁を第1の状態とし、噴
射初期では前記切替弁を低圧側に切り替えると同時に前
記制御弁を第2の状態とし、噴射後期では前記切替弁を
低圧側に切り替えたままで前記制御弁を第3の状態とす
る制御装置とを備えた構成である。
【0010】ここで、当該公報に記載された前記制御弁
は、ピエゾ素子への電圧の印加により駆動されるスプー
ル弁である。そして、この燃料圧力(燃料供給圧力)に
応じて定められた燃料噴射時間と噴射量との関係が、予
めマップの形で記憶されており、燃料蓄圧室内の燃料圧
力の検出信号が制御装置に入力されることで、制御装置
が燃料圧力に応じて切替弁及びスプール弁を制御し、噴
射初期では前記切替弁を低圧側に切り替えると同時に前
記制御弁を第2の状態として、燃料排出路の排出流量を
本来より少な目とし、これにより制御室の圧力を少し抜
き、ノズルニードルを少々上昇させることで燃料噴射孔
からの燃料噴射率を低めにする。その後、前記第3の状
態とすることで、制御室の圧力を完全に抜いて、ノズル
ニードルを完全に上昇させ、高噴射率を達成する。
【0011】しかし、このような装置では、ピエゾ素子
等の駆動源(電源)や、これを制御するためのマップ等
が必要であり、制御が複雑となる。本発明は、このよう
な点に鑑み、燃料噴射率の自由度のある変化を簡単な構
成にて提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明
の燃料噴射装置は、燃料供給路から制御室内に導入され
た高圧燃料の圧力で弁体を押して燃料噴射孔を閉じ、燃
料排出路から制御室内の高圧燃料を排出して弁体の押圧
力を下げることで燃料噴射孔を開く燃料噴射弁を備えた
燃料噴射装置において、前記燃料排出路に、排出される
燃料を蓄圧してその燃料圧が所定圧力となるまで燃料排
出流量を制限する排出流量制御手段を設けたことを特徴
とする。
【0013】燃料噴射初期において、制御室から排出す
る燃料は、排出流量制御手段に蓄圧されるが、当初は蓄
圧力が小さいため、制御室からの燃料は勢いよく流出す
る。よって、燃料噴射初期当初の所定期間は、弁体のリ
フト速度が速い。しかし、その後、制御室から排出する
燃料の流量は、排出流量制御手段での燃料畜圧力が所定
圧力になるまで制限されるので、その「所定圧力」にな
るまでは、制御室内の圧力が緩やかに低下し、弁体のリ
フト速度が緩やかに制御される。その結果、燃料噴射率
が低く制御される。所定圧力以降、排出流量が多くなる
と、制御室内の圧力が急速に低下するので、弁体のリフ
ト速度が速くなり、その結果、燃料噴射率は急に高くな
る。
【0014】ここで、前記排出流量制御手段は、前記燃
料排出路に介装され、制御室から排出された燃料を収容
する圧力室と、圧力室が所定圧力となったときに開いて
圧力室内の燃料を排出する圧力解放弁を備えるように構
成できる。
【0015】圧力室とは、排出される燃料に圧力を蓄圧
し、燃料の流量を制限する機能を有する。例えば、圧力
室にピストンとそれを付勢するスプリングを備え、ピス
トンで燃料圧を受け、スプリングのバネ力で燃料圧に抗
してピストンを移動させて容積を可変可能としている。
【0016】さらに、前記圧力室は、容量可変であり、
収容する燃料が所定圧力となるまで容量を拡大していく
ようにし、所定圧力となった時点で圧力解放弁が開くよ
うにするとよい。すなわち、加圧される圧力<圧力解放
弁の開弁圧という設定とし、前記ピストンがフルストロ
ーク移動した後、さらに蓄圧力が上がった後、圧力開放
弁が開くようにするとよい。
【0017】その際、前記圧力室は、容量可変とすると
ともに、内燃機関の運転状況に応じて、前記圧力室の容
量を変化させる制御手段を備えると、運転状況に応じ
て、低噴射率から高噴射率へと移行するキックポイント
を変化させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を、
図面を参照して説明する。
【0019】<燃料噴射装置の全体構成>図1に、蓄圧
式燃料噴射装置の全体構成を示す。この装置は、燃料供
給源である燃料タンク1から燃料を汲み上げて、所定圧
力で送出する燃料ポンプ2(ロータリーサプライポン
プ)と、この燃料ポンプ2から送出されて来る燃料を受
け、所定の供給圧力に蓄圧する燃料蓄圧室3を備えてい
る。
【0020】この燃料蓄圧室3には、複数の燃料供給路
4が接続され、各燃料供給路4には、内燃機関に取り付
けられた複数の燃料噴射弁5が接続されている。内燃機
関がたとえば6気筒で、各気筒にそれぞれ1つの燃料噴
射弁5を設けた場合、燃料供給路4、及び、燃料噴射弁
5はそれぞれ6つとなる。
【0021】前記燃料蓄圧室3には、燃料圧センサ6が
設けられ、燃料蓄圧室3内の燃料圧を検出するようにな
っている。さらに、この燃料圧センサ6は、コンピュー
タからなる制御装置7に接続されている。
【0022】この制御装置7には、アクセルペダルが踏
み込まれた状態か否かを検出するアクセルセンサS1、
内燃機関への吸気圧力を検出する吸気圧センサS2、内
燃機関の冷却水の温度を検出する水温センサS3、内燃
機関の回転数を検出する機関回転数センサ(NEセン
サ)S4、内燃機関への空気吸入量を検出するエアロフ
ローメータS5、各気筒の作動行程を検出するGセンサ
(720°CAにて一回信号を出す)S6他、車両制御
に必要な各種センサが接続されている。
【0023】また、制御装置7には、燃料ポンプ駆動制
御部8、燃料噴射弁駆動制御部9が設けられ、これら
は、前記各種センサからの情報を基に決定される運転条
件に従って、燃料ポンプ2や燃料噴射弁5を駆動制御す
るようになっている。
【0024】制御装置7では、予め設定された定常運転
用の目標圧力となるよう、燃料蓄圧室3内の燃料圧をフ
ィードバック制御する。すなわち、前記燃料圧センサ6
からの検出圧力が、前記目標圧力になるまで、前記燃料
ポンプ2に駆動信号を送り、燃料の供給を継続し、目標
圧力になったところで、前記燃料ポンプ2の駆動を停止
する制御を繰り返す。
【0025】また、前記燃料蓄圧室3には、前記燃料蓄
圧室3内の圧力が、前記目標圧力を越えた、所定の設定
圧力となったとき、燃料蓄圧室3内の圧力を解放して逃
がすリリーフ弁11が設けられている。このリリーフ弁
11は、燃料供給源側すなわち燃料タンク1へと接続さ
れた燃料解放路12に介在する形で設置される。
【0026】<燃料噴射弁>まず、本発明が適用される
燃料噴射弁の一例を図2により説明する。図2に示した
ように、燃料噴射弁5は、先端に燃料噴射孔21を有す
る筒状本体22と、この筒状本体22の内部に進退移動
自在に設けられ、進出時に前記燃料噴射孔21を閉じ、
後退時に前記燃料噴射孔21を開く針状のニードル弁2
3(弁体)と、このニードル弁23を閉方向に付勢する
付勢手段としてのコイルスプリング24とを備えてい
る。
【0027】さらに、燃料噴射弁5は、燃料供給源であ
る蓄圧室3から所定圧力で供給されてくる高圧燃料を前
記燃料噴射孔21へ導く第1の燃料供給路31と、高圧
燃料を受け入れて前記ニードル弁23を閉方向に押圧す
る制御室32と、前記第1の燃料供給路31から分岐
し、燃料供給源である蓄圧室から所定圧力で供給されて
くる高圧燃料を前記制御室32へと導く第2の燃料供給
路33と、制御室32内の高圧燃料を排出して制御室3
2内の液圧を下げる燃料排出路34とを備えている。
【0028】そして、第2の燃料供給路33には、制御
室32への燃料流入量を決定するインレットオリフィス
33aが設けられる一方、燃料排出路34には燃料排出
量を決定するアウトレットオリフィス34aが設けられ
ている。これらインレットオリフィス33aとアウトレ
ットオリフィス34aの通路断面積の比は、例えば、
2:3といったように、アウトレットオリフィス34a
をインレットオリフィス33aより大きく設定してい
る。
【0029】また、前記ニードル弁23は、前記制御室
32に臨み、制御室32内の燃料圧力を受けてニードル
弁23を下降させるメイン・ピストン23aを有し、こ
のメイン・ピストン23aに対し、ニードル弁23の燃
料噴射孔21側に、サブ・ピストン23cが設けられて
いる。このサブ・ピストン23cに臨むように、前記燃
料噴射孔21へと続く第1の燃料供給路31の途中に燃
料溜まり31aが設けられている。このため、燃料溜ま
り31a内の燃料圧がサブ・ピストン23cに加わり、
ニードル弁23を開く方向(図の上方)に押している。
このサブ・ピストン23cが燃料溜まり31a内の燃料
圧を受ける受圧面積Ssは、前記メイン・ピストン23
aが制御室32内の燃料圧を受ける受圧面積Smより小
さく設定されている。さらに、サブ・ピストン23cの
メインピストン23a側に、ニードル弁23を閉弁方向
に付勢する前記コイルスプリング24が配設されてい
る。
【0030】前記メイン・ピストン23aが制御室32
内の燃料圧から受ける押圧力をFm、前記サブ・ピスト
ン23cが燃料溜まり31a内の燃料圧から受ける押圧
力をFs、前記コイルスプリング24の付勢力をFcと
したとき、定常時は、Fm+Fc>Fs、Fc<Fsで
ある。
【0031】さらに、制御室32からの燃料排出路34
に介在し、閉時には制御室32に高圧燃料を封じ込め、
開時には制御室32から燃料排出路34へと燃料を逃が
す、常閉の背圧制御弁35が設けられている。この背圧
制御弁35は、電磁弁で形成され、筒状本体22内に設
けられている。そして、この背圧制御弁35が閉じてい
るときは、制御室32に印加される燃料圧が上昇し、そ
の圧力により、メイン・ピストン23aが押され、これ
にスプリング24の付勢力も加わってニードル弁23が
下降する。
【0032】その際、第1の燃料供給路31から燃料溜
まり31aにも制御室32内に印加されたと同圧の燃料
が導入され、サブ・ピストン23cを押すが、その押圧
力Fsは、Fm+Fcに抗しきれないので、ニードル弁
23は燃料噴射孔21を閉じた状態に保持される。
【0033】その後、背圧制御弁35が開かれると、燃
料排出路34から制御室32内の燃料が排出するが、こ
のとき、アウトレットオリフィス34aをインレットオ
リフィス33aより大きく設定してあるため、制御室3
2内への燃料流入量より制御室内からの燃料流出量が多
くなり、その結果、制御室32内の燃料圧が下降する。
【0034】そして、Fm+Fc<Fsとなった時点
で、スプリング24の付勢力に抗してニードル弁23が
リフトし、燃料噴射孔21が開き、燃料噴射が開始され
る。なお、上記構成は、背圧制御弁が2方弁であるが、
3方弁でもよい。
【0035】<燃料噴射率可変制御機構>以上説明した
構成に加えて、図3,4,5で示したような、燃料噴射
率可変制御機構が設けられている。
【0036】すなわち、燃料噴射弁5の燃料排出路34
に、排出される燃料を蓄圧してその燃料圧が所定圧力と
なるまで燃料排出流量を制限する排出流量制御手段を設
けた。この排出流量制御手段としては、以下の構成を例
示できる。
【0037】(実施例1、2)排出流量制御手段の第
1、第2の例としては、図3、図4に示したように、排
出する燃料の圧力を蓄圧する圧力室51と、圧力室51
内の圧力が所定圧力となったとき、圧力室51を解放し
て圧力室51内から燃料を排出する圧力解放弁52とに
より形成することができる。前記圧力室51は、内部に
可動ピストン53と、この可動ピストン53を付勢する
蓄圧スプリング54とを備え、可動ピストン53の移動
により内容積が可変となっている。また、圧力解放弁5
2は、圧力室51に接続した燃料排出路34に介在し、
所定圧力に対応した設定バネ力を有するスプリング55
で弁を閉じるようにした、チェックバルブである。
【0038】制御室32から排出される燃料は蓄圧スプ
リング54に抗して圧力室51の容積を広げつつ圧力室
51内に導入される。当初は圧力室51内の蓄圧力が小
さいため、制御室32からの燃料は勢いよく流出する。
よって、燃料噴射初期当初の所定期間は、ニードル弁2
3のリフト速度が速く、燃料噴射率も急峻に立ち上が
る。しかし、その後、制御室32から排出する燃料の流
量は、圧力室51内での燃料畜圧力が所定圧力になるま
で制限されるので、その「所定圧力」になるまでは、制
御室32内の圧力が緩やかに低下し、ニードル23弁の
リフト速度が緩やかに制御される。よって、この間は、
燃料噴射率が低く抑えられる。その後、圧力室51内の
燃料圧が所定の圧力になると、スプリング55に抗して
前記圧力解放弁52が開く。すると、圧力室51ひいて
は制御室32内の圧力が急激に下がるので、ニードル弁
23のリフト速度が急速となり、燃料噴射率が急速に高
くなる。
【0039】(実施例3)排出流量制御手段の第3の例
としては、図5に示したような、燃料噴射弁5の燃料排
出路34に設けた可変容量圧力室51と、この可変容量
圧力室51の下流側に、可変容量圧力室51内の圧力が
設定圧力となったときに開く圧力解放弁52と、可変容
量圧力室51の上流側と圧力解放弁52の下流側とを結
ぶバイパス路57と、このバイパス路57に設けられ、
可変容量圧力室51と圧力解放弁52とを通過する燃料
排出路34の通路断面積より小さい通路断面積を有する
バイパス・オリフィス58とより形成されている。
【0040】前記可変容量圧力室51は、内容積を可変
とするため、可動ピストン53を有している。この可動
ピストン53は、モータや油圧シリンダ装置などの圧力
室可変制御手段61によって駆動されるようになってお
り、この圧力室可変制御手段61は、前記したセンサ等
からの信号により内燃機関の運転状況を判定する運転状
況判定手段62に接続され、この運転状況判定手段62
によって判定された内燃機関の運転状況に応じて可動ピ
ストン53を駆動するようになっている。
【0041】例えば、内燃機関が高負荷状態にあると
き、圧力室可変制御手段61は、圧力室51の容積を小
さくするように可動ピストン53を駆動し、内燃機関が
低負荷状態にあるとき、圧力室可変制御手段61は、圧
力室51の容積を大きくするようにピストンを駆動す
る。
【0042】この例で、背圧制御弁34が開かれると、
制御室32内の燃料は、バイパス・オリフィス58を通
って一部が排出されるが、主たる燃料は、燃料排出路3
4から可変容量圧力室51へと流れ、蓄圧されていく。
当初は圧力室51内の蓄圧力が小さいため、制御室32
からの燃料は勢いよく流出する。よって、燃料噴射初期
当初の所定期間は、ニードル弁23のリフト速度が速
く、燃料噴射率も急峻に立ち上がる。しかし、その後、
制御室32から排出する燃料の流量は、圧力室51内で
の燃料畜圧力が所定圧力になるまで制限されるので、そ
の「所定圧力」になるまでは、制御室32内の圧力が緩
やかに低下し、ニードル23弁のリフト速度が緩やかに
制御される。よって、この間は、燃料噴射率が低く抑え
られる。その後、圧力室51内の燃料圧が所定の圧力に
なると、スプリング55に抗して前記圧力解放弁52が
開く。すると、圧力室51ひいては制御室32内の圧力
が急激に下がるので、ニードル弁23のリフト速度が急
速となり、燃料噴射率が急速に高くなる。
【0043】ここで、運転状況判定手段62は、各種セ
ンサ類からの情報をもとに、内燃機関の運転状況を判定
している。判定の結果、内燃機関が高負荷状態にあると
き、圧力室可変制御手段61が、圧力室51の容積を小
さくする。このようにすると、圧力室51に燃料が満た
されるまでの時間が短くなるので、低燃料噴射率に抑え
られる時間が短時間となる。一方、内燃機関が低負荷状
態にあるとき、圧力室可変制御手段61が、圧力室51
の容積を大きくすると、圧力室51に燃料が満たされる
までの時間が長くなるので、低燃料噴射率に抑えられる
時間が長時間となる。
【0044】なお、この実施例で、バイパス路57とバ
イパス・オリフィス58を設けているが、これらは、必
ずしも必要はない。また、圧力解放弁52は、電磁バル
ブにより形成することも可能である。この場合、電磁バ
ルブに制御手段を接続する一方、圧力室の燃料圧を圧力
センサで監視し、所定圧力になった時点で、電磁バルブ
に開指令信号を出すようにする。
【0045】<燃料噴射弁駆動制御>燃料噴射弁駆動制
御は、燃料噴射弁駆動制御部9により行われる。燃料噴
射は、例えば、噴射開始時期を上死点前5°CA(cran
k angle)とし、これに燃料噴射時間を加算して噴射終
了時期とする。燃料噴射前は、燃料噴射弁駆動制御部9
により背圧制御弁35が閉ざされているので、制御室3
2内は、蓄圧室から第2の燃料供給路33を介して導入
された高圧燃料で満たされ、その圧力でニードル弁23
のピストン23aが下降し、燃料噴出孔21が閉ざされ
ている。
【0046】前記燃料噴射タイミングが来ると、燃料噴
射弁駆動制御部9からの指令により、背圧制御弁35が
開き、制御室32内の高圧燃料が燃料排出路34から排
出される。これにより、制御室32内の燃料圧が下降
し、前記したような原理でニードル弁23がリフトし、
燃料噴射孔21が開く。当初、燃料噴射孔21が完全に
開くまでの間、燃料噴射率は燃料噴射孔21周りの通路
断面積Spにより決まる。燃料噴射孔21周りの通路断
面積Spが、燃料噴射孔21の断面積より大きくなった
ときは、燃料噴射孔21が全開状態となる。
【0047】その後、所定の燃料噴射時間が経過する
と、燃料噴射弁駆動制御部9により、背圧制御弁35が
閉ざされる。すると、制御室32に高圧燃料が流入して
封入されるので、制御室32内の圧力が上昇し、この圧
力を受けてニードル弁23が下降し、燃料噴射孔21が
閉じる。
【0048】この間、前記燃料噴射率可変制御機構によ
り、燃料噴射がどのように制御されるかを、図6に従っ
て説明する。図6において、実線で示した部分は、従来
の装置のように、インレットオリフィス33aとアウト
レットオリフィス34aの通路断面積の比が固定された
場合である。
【0049】これに対し、本発明に係る装置では、破線
で示した特性となる。まず、背圧制御弁5が開いた当
初、すなわち、燃料噴射初期において、制御室32の燃
料は、圧力室51へと流れる。当初は圧力室51内の蓄
圧力が小さいため、制御室32からの燃料は勢いよく流
出する。よって、燃料噴射初期当初の所定期間は、ニー
ドル弁23のリフト速度が速く、燃料噴射率も急峻に立
ち上がる。 その後、制御室32から排出する燃料の流
量は、圧力室51内での燃料畜圧力が所定圧力になるま
で制限される。このため、燃料噴射孔21が完全に開い
た後でも、圧力室51内が設定圧力になるまでは、燃料
噴射率が低く抑えられる。これは、実施例1,2,3の
いずれの場合も同じである。バイパス路57のある実施
例3では、バイパス路57から若干燃料が排出されるの
で、バイパス路57がない場合より、燃料噴射率が高く
なる。
【0050】圧力室51が設定圧力以上になると、圧力
解放弁52が開くので、その後、すなわち図6のP点以
降は急速に制御室32内の燃料が排出され、ニードル弁
23のリフト速度が急峻となり、燃料噴射率も高くな
る。
【0051】このように、本件では、前記したように初
期に燃料噴射率を低く押さえられるので、燃焼騒音の低
減、NOx の低減、過度の燃料噴射に伴う過度の筒内圧
の上昇を抑制できる。しかも、初期に燃料噴射率を低く
抑えても、その後、急峻に燃料噴射率を立ち上げること
ができるので、噴射期間の短縮ができ、全負荷性能が向
上する。
【0052】また、噴射期間を同等とすれば、燃料噴射
孔の噴孔面積を縮小でき、PMの低減等が可能となる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、前記構成としたので、
燃料噴射初期に当初は燃料噴射率が高く、その後は圧力
室が設定圧力となるまで燃料噴射率を低く抑え、さらに
その後は、急峻に燃料噴射率を高くすることができる。
【0054】すなわち、圧力室内の蓄圧力が小さい初期
は、制御室からの燃料は勢いよく流出し、燃料噴射初期
当初の所定期間は、弁体のリフト速度が速く、燃料噴射
率も急峻に立ち上がるが、その後、制御室から排出する
燃料の流量は、畜圧された排出燃料が所定圧力になるま
で制限されるので、その「所定圧力」になるまでは、制
御室内の圧力が緩やかに低下し、弁体のリフト速度が緩
やかに制御され、その結果、燃料噴射率が低く制御さ
れ、所定圧力以降、排出流量が多くなると、制御室内の
圧力が急速に低下するので、弁体のリフト速度が速くな
り、その結果、燃料噴射率が急に高くなる。この結果、
燃焼騒音、NOx の低減、エンジン全負荷性能の向上、
PMの低減等を図ることができる。
【0055】さらに、排出流量制御手段は、前記燃料排
出路に介装される圧力室や、圧力室内の燃料を排出する
圧力解放弁等の簡単な構成で形成でき、その点で安価に
提供できる。
【0056】しかも、内燃機関の運転状況に応じて、前
記圧力室の容量を変化させるようにすれば、運転状況に
応じて、低噴射率から高噴射率へと移行する燃料噴射の
キックポイントを変化させることができ、噴射率制御の
自由度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明にかかる装置の全体構成図
【図2】燃料噴射弁を示した図
【図3】実施例1を示した図
【図4】実施例2を示した図
【図5】実施例3を示した図
【図6】本発明による制御特性を示したタイミングチャ
ート図
【図7】本発明によるニードル(弁体)リフト量と圧力
室内の圧力特性との関係を時間との関係で示したタイミ
ングチャート図
【図8】従来における装置の燃料噴射特性と、望まれる
噴射特性とを示したグラフ図
【符号の説明】
1・・燃料供給源である燃料タンク 2・・燃料ポンプ 3・・燃料蓄圧室 4・・燃料供給路 5・・燃料噴射弁 6・・燃料圧センサ 7・・制御装置 8・・燃料ポンプ駆動制御部 9・・燃料噴射弁駆動制御部 11・・リリーフ弁 12・・燃料解放路 21・・燃料噴射孔 22・・筒状本体 23・・ニードル弁 24・・コイルスプリング 31・・第1の燃料供給路 32・・制御室 32a・・ピストン 32b・・燃料通路 33・・第2の燃料供給路 33a・・インレットオリフィス 34・・燃料排出路 34a・・アウトレットオリフィス 35・・背圧制御弁 S1・・アクセルセンサ S2・・吸気圧センサ S3・・水温センサ S4・・機関回転数センサ S5・・エアロフローメータ S6・・Gセンサ 51・・圧力室 52・・圧力解放弁 53・・可動ピストン 54・・蓄圧スプリング 55・・スプリング 57・・バイパス路 58・・バイパス・オリフィス 61・・圧力室可変制御手段 62・・運転状況判定手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給路から制御室内に導入された高
    圧燃料の圧力で弁体を押して燃料噴射孔を閉じ、燃料排
    出路から制御室内の高圧燃料を排出して弁体の押圧力を
    下げることで燃料噴射孔を開く燃料噴射弁を備えた燃料
    噴射装置において、 前記燃料排出路に、排出される燃料を蓄圧してその燃料
    圧が所定圧力となるまで燃料排出流量を制限する排出流
    量制御手段を設けたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記排出流量制御手段は、前記燃料排出
    路に介装され、制御室から排出された燃料を収容する圧
    力室と、圧力室が所定圧力となったときに開いて圧力室
    内の燃料を排出する圧力解放弁を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力室は、容量可変であり、収容す
    る燃料が所定圧力となるまで容量を拡大していくことを
    特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力室は、容量可変とするととも
    に、内燃機関の運転状況に応じて、前記圧力室の容量を
    変化させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項2
    記載の燃料噴射装置。
JP17747497A 1997-07-02 1997-07-02 燃料噴射装置 Pending JPH1122580A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7040293B2 (en) 2003-08-26 2006-05-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection system
JP2007154845A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Toyota Motor Corp 燃料噴射装置

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US7040293B2 (en) 2003-08-26 2006-05-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection system
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JP4532398B2 (ja) * 2005-12-08 2010-08-25 トヨタ自動車株式会社 燃料噴射装置

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