JPH11225013A - セクタアンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体を小形化すると共に、アンテナ切換
スイッチをマイクロ波集積回路で構成し、しかも、配線
構成を簡単化する。 【解決手段】 本発明のセクタアンテナ装置１１は、誘
電体基板１２と、この誘電体基板１２の一方の面上に設
けられた複数のマイクロストリップアンテナ素子１３
と、前記誘電体基板１２の一方の面上に設けられ前記マ
イクロストリップアンテナ素子１３の指向性を横方向へ
向ける導体反射板１４とを備えて構成されている。この
構成によれば、ＭＩＣで構成したアンテナ切換スイッチ
１７と複数のマイクロストリップアンテナ素子１３とを
接続する配線構成が簡単なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高速無線通
信システムに用いるアンテナ装置として好適するセクタ
アンテナ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高速無線通信システムにおいては、マル
チパスフェージングによる通信品質の劣化や、シャドウ
イングによる通信の遮断が大きな問題となっており、こ
の問題を解決するために、セクタアンテナ装置が使用さ
れている。このセクタアンテナ装置は、複数のアンテナ
素子を、それらの指向性が３６０度の方向をすべてカバ
ーするように配設して構成されていると共に、電波環境
に応じて複数のアンテナ素子の中から１つのアンテナ素
子を選択するためのアンテナ切換スイッチを備えてい
る。

【０００３】このようなセクタアンテナ装置を小形化す
るために、複数のアンテナ素子として複数のマイクロス
トリップアンテナ素子を用いた構成があり、この構成の
一例として、「１９９７年電子情報通信学会通信ソサイ
エティ大会講演論文集，Ｂ−１−１１７」に記載された
セクタアンテナ装置がある。この装置は、図１０に示す
ように、矩形状の誘電体基板１上に２個のマイクロスト
リップアンテナ素子２を設けると共に、このような構成
の誘電体基板１を３個用いて３角筒状のユニット３を形
成し、更に、このユニット３を２段積みしたものを、ア
ンテナ切換スイッチを収容するスイッチユニット４の上
に配設して構成されている。

【０００４】また、他の例として、「１９９６年電子情
報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集，Ｂ−６
５」に記載されたセクタアンテナ装置がある。この装置
は、図１１に示すように、３角形状の誘電体基板１上に
１個のマイクロストリップアンテナ素子２を設けると共
に、このような構成の誘電体基板１を４個用いて４角錐
状のユニット５を形成して構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】さて、近年、マイクロ
波集積回路（以下、ＭＩＣと称す）技術が進歩してお
り、これにより無線装置の小形化及び低コスト化が実現
されている。そこで、上記した２つのセクタアンテナ装
置のアンテナ切換スイッチをＭＩＣで構成し、小形化及
び低コスト化を図ることが容易に考えられる。しかし、
上記した２つのセクタアンテナ装置の場合、図１０及び
図１１に示すように、アンテナ素子側の構成が立体構造
であるため、アンテナ切換スイッチをＭＩＣで構成して
平面回路としたとしても、この平面回路と上記立体構造
の複数のアンテナ素子とを接続する複数の接続線が必要
となる。このため、アンテナ切換スイッチをＭＩＣで構
成しても、複雑な配線構成が残ってしまうという問題点
がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、装置全体を小形
化すると共に、アンテナ切換スイッチをマイクロ波集積
回路で構成し、しかも、配線構成を簡単化することがで
きるセクタアンテナ装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明によれ
ば、誘電体基板の一方の面上に設けた複数のマイクロス
トリップアンテナ素子の指向性を、反射部材により横方
向へ向けるように構成したので、複数のマイクロストリ
ップアンテナ素子の指向性が３６０度の方向をすべてカ
バーするように構成することが可能である。そして、こ
の構成の場合、複数のマイクロストリップアンテナ素子
が誘電体基板の一方の面上に設けられているから、ＭＩ
Ｃで構成したアンテナ切換スイッチを誘電体基板の一方
の面または他方の面側に配設すれば、アンテナ切換スイ
ッチと複数のマイクロストリップアンテナ素子とを接続
する配線構成は導体パターンで実現可能となる。従っ
て、配線構成は簡単なものとなる。

【０００８】請求項２の発明によれば、複数のマイクロ
ストリップアンテナ素子に給電する給電線路が配設され
た給電線路用誘電体基板を、誘電体基板の他方の面に接
地導体を挟んで設け、この給電線路用誘電体基板のうち
の給電線路側の面にＭＩＣで構成されたアンテナ切換ス
イッチを設けた。この構成によれば、アンテナ切換スイ
ッチと複数のマイクロストリップアンテナ素子とを接続
する配線構成をより一層簡単化し得る。

【０００９】ところで、隣接するマイクロストリップア
ンテナ素子間の相互結合が生ずると、各マイクロストリ
ップアンテナ素子の指向性が乱れるため、各マイクロス
トリップアンテナ素子が不要な電波を受信してしまうと
いう問題がある。これに対して、請求項３の発明によれ
ば、誘電体基板の一方の面上に、複数のマイクロストリ
ップアンテナ素子間の相互結合を抑制する相互結合抑制
部材を設けたので、複数のマイクロストリップアンテナ
素子の独立性を向上させることができる。これにより、
各マイクロストリップアンテナ素子が不要な電波を受信
してしまうことを防止できる。

【００１０】請求項４の発明によれば、マイクロストリ
ップアンテナ素子と反射部材との間の空間部に誘電体を
設けたので、反射部材の配設強度を高くすることができ
ると共に、製造性を向上させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１の実施例につ
いて図１ないし図５を参照しながら説明する。まず、図
１及び図２はセクタアンテナ装置１１の概略全体構成を
示す図である。これら図１及び図２において、セクタア
ンテナ装置１１の誘電体基板１２は、例えばフッ素樹脂
から形成されていると共に、円板状をなすように構成さ
れている。この誘電体基板１２の一方の面（図１中上
面）には、複数である例えば６個のマイクロストリップ
アンテナ素子１３が設けられている。この場合、６個の
マイクロストリップアンテナ素子１３は、円周上に等間
隔に配置（円形配置）されている。各マイクロストリッ
プアンテナ素子１３は、例えばＣｕやＡｕ等からなる矩
形状の導体パターン（導体箔）により構成されている。

【００１２】そして、誘電体基板１２の上面には、各マ
イクロストリップアンテナ素子１３の指向性を横方向
（誘電体基板１２の板面に沿う方向）へ向ける反射部材
として６個の導体反射板１４が配設されている。これら
導体反射板１４は、マイクロストリップアンテナ素子１
３の上方側へ傾斜するように設けられていると共に、一
体化された構成となっている。導体反射板１４の傾斜角
度や外径寸法等については後述する。この構成の場合、
上記６個の導体反射板１４によって６個のマイクロスト
リップアンテナ素子１３の指向性を横方向に向けること
により、６個のマイクロストリップアンテナ素子１３の
指向性が３６０度の方向をすべてカバーするように構成
されている。

【００１３】尚、導体反射板１４は、例えばＣｕやＡｕ
等の導体の板材により形成されており、そのマイクロス
トリップアンテナ素子１３に対向する側の面はマイクロ
波やミリ波等の電磁波を効率良く反射する反射面となる
ように仕上げられている。この場合、６個の導体反射板
１４は、例えば導体板を切り抜き加工したり、折り曲げ
加工したり、必要に応じて端部を接着したりすることに
より、図１に示すような立体形状に形成した後、この形
成物を誘電体基板１２に接着することにより、誘電体基
板１２に取り付けられている。

【００１４】また、上記誘電体基板１２の他方の面（図
１中下面）には、接地導体１５が設けられている。この
接地導体１５は、例えばＣｕやＡｕ等からなる円形の導
体パターン（導体箔）により構成されており、誘電体基
板１２の下面のほぼ全面を覆うように設けられている。
そして、誘電体基板１２の下面には、接地導体１５を挟
んで給電線路用誘電体基板１６が取り付けられている。
この給電線路用誘電体基板１６の下面には、図２に示す
ように、その中央部にマイクロ波集積回路から構成され
たアンテナ切換スイッチ１７が配設され、このアンテナ
切換スイッチ１７から放射状に延びるように６個の給電
線路１８が配設され、更に、アンテナ切換スイッチ１７
からその左方に延びるように伝送線路１９が配設されて
いる。

【００１５】この場合、給電線路１８及び伝送線路１９
は、例えばＣｕやＡｕ等からなるライン状の導体パター
ン（導体箔）により構成されており、マイクロストリッ
プ線路となっている。また、６個の給電線路１８の各先
端部は、図３に示すように、６個のマイクロストリップ
アンテナ素子１３の直下部まで延びている。そして、接
地導体１４における給電線路１８の先端部とマイクロス
トリップアンテナ素子１３との間に位置する部位には、
スロット２０が形成されている。これらスロット２０を
介して、各マイクロストリップアンテナ素子１３と対応
する給電線路１８が電磁結合されている。

【００１６】上記６個の給電線路１８の基端部は、図５
に示すように、アンテナ切換スイッチ１７の６個の切換
端子１７ａ〜１７ｆに接続されている。また、伝送線路
１９の図２中左端部は、外部回路に接続するための端子
１９ａ（図５参照）となっており、図２中右端部は、図
５に示すように、アンテナ切換スイッチ１７の共通端子
１７ｇに接続されている。

【００１７】尚、図１に示すように、誘電体基板１２の
上面には、カップ状をなすカバー（レドームとも称す）
２１がマイクロストリップアンテナ素子１３及び導体反
射板１４を覆うように取り付けられている。このカバー
２１は、マイクロ波やミリ波等の電磁波を効率良く透過
させる部材により形成されている。

【００１８】さて、アンテナ切換スイッチ１７の電気回
路構成について、図５を参照して説明する。アンテナ切
換スイッチ１７は、６個の切換端子１７ａ〜１７ｆと共
通端子１７ｇとの間にそれぞれ設けられた６個のスイッ
チング素子２２と、これら６個のスイッチング素子２２
をオンオフ動作させる周知構成のバイアス回路（図示し
ない）とから構成されている。上記各スイッチング素子
２２は、例えば２個のダイオード２２ａ、２２ｂを直列
接続して構成されている。これら２個のダイオード２２
ａ、２２ｂは、上記バイアス回路によって順方向または
逆方向に適切なバイアス電圧が切換印加されることによ
り、導通状態または遮断状態となるように構成されてい
る。尚、スイッチング素子２２を構成するダイオード２
２ａ、２２ｂの個数は、１個でも良いし、或いは３個以
上でも良い。

【００１９】ここで、前記導体反射板１４の傾斜角度及
び外形寸法、マイクロストリップアンテナ素子１３の外
形寸法、スロット２０の外形寸法、誘電体基板１２、１
６の厚み寸法等の具体的な設定方法について、図３及び
図４を参照して簡単に説明する。尚、図４は導体反射板
１４を上方から見た上面図であり、図３は図４中III−I
II 線に沿う縦断面図である。

【００２０】まず、図４に示すように、導体反射板１４
の外形の寸法Ｗｒ、Ｌｒ及び扇形に開く角度φｒ、マイ
クロストリップアンテナ素子１３の外形の寸法Ｗｐ、Ｌ
ｐ、スロット２０の外形の寸法Ｗｓ、Ｌｓ、給電線路１
８の幅寸法Ｗｆをそれぞれ定義する。また、図３に示す
ように、導体反射板１４の傾斜角度θｒ、誘電体基板１
２、１６の厚み寸法Ｈｐ、Ｈｆをそれぞれ定義する。そ
して、例えば市販の電磁界シミュレータを用いて、上記
各パラメータの値を変化させて解析することにより、マ
イクロストリップアンテナ素子１３、導体反射板１４、
給電線路１８、スロット２０としてそれぞれ必要とする
好ましい特性が得られるように上記各パラメータの値を
設定すれば良い。

【００２１】次に、上記構成のセクタアンテナ装置１１
の動作について説明する。まず、ミリ波またはマイクロ
波等の電波を上記セクタアンテナ装置１１を用いて送信
する場合について説明する。この場合、外部回路から供
給された送信電波は、誘電体基板１２の伝送線路１９を
通ってアンテナ切換スイッチ１７の共通端子１７ｇに与
えられる。ここで、セクタアンテナ装置１１の６個のマ
イクロストリップアンテナ素子１３の中から、周囲の電
波環境に応じて最適な電波の送受信を実行できる１つの
マイクロストリップアンテナ素子１３が予め選択されて
いる。そして、この選択されたマイクロストリップアン
テナ素子１３に接続された給電線路１８に接続された切
換端子（切換端子１７ａ〜１７ｆのうちのいずれか１
つ）と共通端子１７ｇとの間に設けられたスイッチング
素子２２が導通状態となり、且つ、他のスイッチング素
子２２が遮断状態となるように、アンテナ切換スイッチ
１７が切換動作されている。

【００２２】これにより、アンテナ切換スイッチ１７の
共通端子１７ｇに供給された送信電波は、上記導通状態
のスイッチング素子２２及びこのスイッチング素子２２
に接続された給電線路１８を通り、この給電線路１８に
スロット２０を介して電磁結合されたマイクロストリッ
プアンテナ素子１３に給電される。そして、給電された
送信電波はマイクロストリップアンテナ素子１３から放
射され、更に、この放射された送信電波は、導体反射板
１４により反射され、横方向に向けられて放射されるよ
うになる。一方、電波を受信する場合は、上述した動作
と逆の順序で受信動作が実行されるように構成されてお
り、ここでは説明を省略する。

【００２３】このような構成の本実施例によれば、誘電
体基板１２の上面に設けた６個のマイクロストリップア
ンテナ素子１３の指向性を、導体反射板１４により横方
向へ向けるように構成したので、６個のマイクロストリ
ップアンテナ素子１３の指向性が３６０度の方向をすべ
てカバーするように構成することができる。そして、こ
の実施例の場合、６個のマイクロストリップアンテナ素
子１３が誘電体基板１２の上面に設けられていると共
に、誘電体基板１２の下面に接地導体１５を挟んで設け
られた給電線路用誘電体基板１６の下面にＭＩＣで構成
されたアンテナ切換スイッチ１７が設けられている。こ
のため、アンテナ切換スイッチ１７と各マイクロストリ
ップアンテナ素子１３とを接続する配線構成は、給電線
路１８及びスロット２０で実現することができる。従っ
て、従来構成（図１０及び図１１参照）に比べて、配線
構成は大幅に簡単なものとなる。

【００２４】尚、上記実施例では、マイクロストリップ
アンテナ素子１３と給電線路１８との接続をスロット２
０を介して行うように構成したが、これに代えて、誘電
体基板１２、１６にスルーホール等を設け、このスルー
ホール等を介して接続するように構成しても良い。ま
た、上記実施例では、６個のマイクロストリップアンテ
ナ素子１３を誘電体基板１２上に円形配置するように構
成したが、これに限られるものではなく、例えば楕円や
クローズしたループ等の周上に適当な間隔で配置するよ
うに構成しても良い。更に、上記実施例では、マイクロ
ストリップアンテナ素子１３の個数を６個としたが、こ
れに代えて、２〜５個、或いは、７個以上としても良
い。

【００２５】また、上記実施例では、反射部材として導
体反射板１４を用いたが、これに限られるものではな
く、例えば誘電体基板に導体の薄膜をメッキした反射板
を用いても良い。更に、図１に示す６個の導体反射板１
４の組立体の内部の空間と同じ形状の物体を、誘電体や
適当な材料で形成し、この形成体のうちの各導体反射板
１４に対応する各面にミリ波やマイクロ波等の電波を効
率良く反射する反射膜（または反射板）を形成し、そし
て、このように形成した形成体を誘電体基板１２の上面
に接着するように構成しても良い。

【００２６】更にまた、図１に示す６個の導体反射板１
４の組立体の内部の空間と同じ形状の物体を、ＣｕやＡ
ｕ等の導体で形成し、この導体形成体のうちの各導体反
射板１４に対応する各面を鏡面仕上げして、これら各面
によりミリ波やマイクロ波等の電波を効率良く反射させ
るように構成しても良い。尚、上記実施例及び各変形態
様では、導体製の反射膜や反射板を用いたが、これに限
られるものではなく、ミリ波やマイクロ波等の電波を効
率良く反射する反射膜または反射板であれば、導体以外
の材料製の反射膜や反射板を用いても良い。

【００２７】図６は本発明の第２の実施例を示すもので
あり、第１の実施例と異なるところを説明する。尚、第
１の実施例と同一部分には、同一符号を付している。こ
の第２の実施例では、図６に示すように、誘電体基板１
２の上面にマイクロストリップアンテナ素子１３間を仕
切る６個の導体仕切板２３を立設するように構成した。
これら各導体仕切板２３の上辺部は、導体反射板１４の
両辺部に接着等により連結されている。そして、各導体
仕切板２３は、例えばＣｕやＡｕ等の導体製の板材によ
り構成されている。上記導体仕切板２３が相互結合抑制
部材を構成している。

【００２８】上記第２の実施例の場合、導体仕切板２３
により、隣接するマイクロストリップアンテナ素子１３
間の相互結合を抑制することができる。これにより、各
マイクロストリップアンテナ素子１３の独立性を向上さ
せることができる。ところで、隣接するマイクロストリ
ップアンテナ素子間の相互結合が生ずると、各マイクロ
ストリップアンテナ素子の指向性が乱れるため、マイク
ロストリップアンテナ素子が不要な電波を受信してしま
うという問題がある。これに対して、上記第２の実施例
によれば、各マイクロストリップアンテナ素子１３の独
立性が高くなるから、マイクロストリップアンテナ素子
１３が上記不要な電波を受信してしまうという問題を防
止することができる。

【００２９】尚、上記第２の実施例では、導体仕切板２
３を６個設けたが、これに限られるものではなく、マイ
クロストリップアンテナ素子１３の配設個数に応じて導
体仕切板２３の個数を適宜調節することが好ましい。ま
た、相互結合抑制部材として導体仕切板２３を設けるよ
うに構成したが、これに代えて、隣接するマイクロスト
リップアンテナ素子１３間の相互結合を抑制できる特性
を有する部材を設けるように構成すれば良い。

【００３０】図７は本発明の第３の実施例を示すもので
あり、第２の実施例と異なるところを説明する。尚、第
２の実施例と同一部分には、同一符号を付している。こ
の第３の実施例では、図７に示すように、マイクロスト
リップアンテナ素子１３と導体反射板１４と導体仕切板
２３とで囲まれる空間部に誘電体２４を満たすように設
けている。この誘電体２４は、誘電体基板１２、１６と
同じ材料、即ち、例えばフッ素樹脂で形成されている。

【００３１】上記第３の実施例のセクタアンテナ装置１
１を製造する場合、先に、図７に示す形状の誘電体２４
を形成しておき、これら誘電体２４のうちの導体反射板
１４及び導体仕切板２３に対応する各面に、導体反射板
１４及び導体仕切板２３を接着したり、または、導体の
膜をメッキしたりした後、これら誘電体２４を誘電体基
板１２の上面に接着して取り付けるように構成すること
が好ましい。このように構成すると、製造性を大幅に向
上させることができる。また、マイクロストリップアン
テナ素子１３と導体反射板１４との間の空間部に誘電体
２４が設けられているので、即ち、導体反射板１４が誘
電体２４の上に強固に支持される構成となり、導体反射
板１４の設置強度を高くすることができる。更に、導体
仕切板２３が誘電体２４の間に埋設されて強固に支持さ
れる構成となるので、導体仕切板２３の設置強度を高く
することができる。

【００３２】ここで、上記した第３の実施例のセクタア
ンテナ装置１１の６個のマイクロストリップアンテナ素
子１３のうちの１個のマイクロストリップアンテナ素子
１３当たりの指向性を、有限要素法による電磁界シミュ
レーションにより求めた結果を図８（ａ）、（ｂ）に示
す。図８（ａ）は水平面（Ｘ−Ｙ平面）内の指向性を示
し、図８（ｂ）は垂直面（Ｘ−Ｚ平面）内の指向性を示
している。ここで、セクタアンテナ装置１１の設計パラ
メータは、次の通りに設定した。また、電波の周波数を
２５ＧＨｚとした。

【００３３】Ｌｐ＝３ｍｍ Ｗｐ＝３ｍｍ Ｌｓ＝２ｍｍ Ｗｓ＝０．２ｍｍ Ｌｆ＝２．２ｍｍ Ｗｆ＝０．８ｍｍ Ｌｒ＝７ｍｍ Ｗｒ＝７ｍｍ φｒ＝６０° θｒ＝４５° Ｈｐ＝０．３８１ｍｍ Ｈｆ＝０．２５４ｍｍ そして、誘電体基板１２、１６及び誘電体２４の比誘電
率＝２．２とした。上記図８（ａ）、（ｂ）から、各マ
イクロストリップアンテナ素子１３の指向性が横方向に
向けられていることを明確に確認することができる。

【００３４】尚、上記第３の実施例では、誘電体２４の
間に導体仕切板２３を配設するように構成したが、これ
に代えて、誘電体２４の間に導体仕切板２３を配設しな
いような構成、即ち、第１の実施例において、マイクロ
ストリップアンテナ素子１３と導体反射板１４との間の
空間部に誘電体２４を満たすように設ける構成も好まし
い構成である。

【００３５】図９は本発明の第４の実施例を示すもので
あり、第１の実施例と異なるところを説明する。尚、第
１の実施例と同一部分には、同一符号を付している。こ
の第４の実施例では、図９に示すように、誘電体基板１
２の上面にアンテナ切換スイッチ１７、給電線路１８、
伝送線路１９を配設するように構成している。各給電線
路１８の先端部は各マイクロストリップアンテナ素子１
３に直接接続されている。この構成の場合、給電線路用
誘電体基板１６を省略することができる。

【００３６】そして、上述した以外の第４の実施例の構
成は、第１の実施例の構成と同じ構成となっている。従
って、第４の実施例においても、第１の実施例とほぼ同
じ作用効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すもので、セクタア
ンテナ装置を上方から見た斜視図

【図２】セクタアンテナ装置を下方から見た斜視図

【図３】図４中III −III 線に沿う縦断面図

【図４】導体反射板及びその周辺を示す上面図

【図５】アンテナ切換スイッチの電気回路図

【図６】本発明の第２の実施例を示す図１相当図

【図７】本発明の第３の実施例を示す図１相当図

【図８】（ａ）はマイクロストリップアンテナ素子１３
の指向性のうちの水平面（Ｘ−Ｙ平面）内の指向性を示
し、（ｂ）は垂直面（Ｘ−Ｚ平面）内の指向性を示す

【図９】本発明の第４の実施例を示す図１相当図

【図１０】従来構成のセクタアンテナ装置の斜視図

【図１１】異なる従来構成のセクタアンテナ装置の斜視
図

【符号の説明】

１１はセクタアンテナ装置、１２は誘電体基板、１３は
マイクロストリップアンテナ素子、１４は導体反射板、
１５は接地導体、１６は給電線路用誘電体基板、１７は
アンテナ切換スイッチ、１８は給電線路、１９は伝送線
路、２３は導体仕切板（相互結合抑制部材）、２４は誘
電体を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 誘電体基板と、 この誘電体基板の一方の面上に設けられた複数のマイク
   ロストリップアンテナ素子と、 前記誘電体基板の一方の面上に設けられ前記マイクロス
   トリップアンテナ素子の指向性を横方向へ向ける反射部
   材とを備えて成るセクタアンテナ装置。
2. 【請求項２】 前記誘電体基板の他方の面に接地導体を
   挟んで設けられ、前記複数のマイクロストリップアンテ
   ナ素子に給電する給電線路が配設された給電線路用誘電
   体基板と、 この給電線路用誘電体基板のうちの給電線路側の面に設
   けられ、前記複数のマイクロストリップアンテナ素子の
   中の１つを選択するためのスイッチであってマイクロ波
   集積回路から構成されたアンテナ切換スイッチとを備え
   たことを特徴とする請求項１記載のセクタアンテナ装
   置。
3. 【請求項３】 前記誘電体基板の一方の面上に、前記複
   数のマイクロストリップアンテナ素子間の相互結合を抑
   制する相互結合抑制部材を設けたことを特徴とする請求
   項１または２記載のセクタアンテナ装置。
4. 【請求項４】 前記マイクロストリップアンテナ素子と
   前記反射部材との間の空間部に誘電体を設けたことを特
   徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載のセクタア
   ンテナ装置。