JPH11224599A - 含浸型陰極の製造方法 - Google Patents

含浸型陰極の製造方法

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JPH11224599A
JPH11224599A JP2475598A JP2475598A JPH11224599A JP H11224599 A JPH11224599 A JP H11224599A JP 2475598 A JP2475598 A JP 2475598A JP 2475598 A JP2475598 A JP 2475598A JP H11224599 A JPH11224599 A JP H11224599A
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JP
Japan
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tungsten
cathode
impregnated
oxide film
impregnated cathode
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JP2475598A
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English (en)
Inventor
Michihiro Nemoto
実智弘 根本
Kenji Shimodaira
健司 下平
Shinji Ogawa
伸二 小川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質基材の表面の酸化膜を確実に除去し、
陰極の特性の安定化を図る。 【解決手段】 主にタングステンからなる多孔質基材8
を水素雰囲気中で加熱して、この多孔質基材8の表面の
酸化膜を除去した後に、この多孔質基材8に電子放射物
質9を含浸させて含浸型陰極5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の電子銃
等に用いられる含浸型陰極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の電子銃等は、電子ビームを出
射するカソード構体を備えている。カソード構体には、
多孔質基材に電子放射物質を含浸させてなる含浸型陰極
(インプレグネーテッドカソード)が一構成要素として
設けられているものがある。
【0003】このカソード構体は、円筒状のスリーブ
と、このスリーブの一端部に溶接されて配設される有底
円筒状のキャップと、このキャップに配設されて電子を
放射するエミッション源である含浸型陰極と、スリーブ
内に配設されて含浸型陰極を加熱する熱源であるヒータ
とを備えている。
【0004】一般に、含浸型陰極は、例えばW等の高融
点金属からなる略円盤状の多孔質基材(以下、タングス
テンディスクと称する。)の微細孔に、Ba、Ca、A
l等で構成される電子放射物質を溶融含浸させて形成さ
れている。
【0005】タングステンディスクは、一般に、数μm
のタングステンの粉末をプレス成形して真空中や水素雰
囲気中で焼結させることにより、微細孔を有する多孔質
に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したタ
ングステンディスクは、酸化が生じ易く、製造過程や、
含浸を行う次工程に移動されるまでの時間や、保管して
いる時間等の放置時間に放置雰囲気中で放置されること
により、多かれ少なかれ表面が酸化することを避けられ
ない。
【0007】そして、タングステンディスクは、製造時
のバラツキや、放置時間及び放置雰囲気等の放置条件に
より、表面の酸化状態に差が発生する。タングステンデ
ィスクの表面に生じた酸化状態は、次工程において含浸
する際の含浸状態や陰極としてのエミシビティに影響を
及ぼす。
【0008】このため、タングステンディスクは、表面
の酸化状態にバラツキが生じることにより、陰極として
の特性にバラツキが生じるという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、多孔質基材の表面に生
じる酸化膜を確実に除去することを可能とし、陰極の特
性を安定させることを可能とする含浸型陰極の製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る含浸型陰極の製造方法は、主にタン
グステンによって形成された多孔質基材を水素雰囲気中
で加熱して、この多孔質基材の表面の酸化膜を除去す
る。そして、この含浸型陰極の製造方法は、表面の酸化
膜が除去された多孔質基材に電子放射物質を含浸させ
る。
【0011】以上のように構成した含浸型陰極の製造方
法によれば、電子放射物質が含浸される前に、多孔質基
材の表面に生じた酸化膜が確実に除去されるため、多孔
質基材に対する電子放射物質の含浸量、含浸分布、含浸
状態等の安定化が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について、陰極線管の電子銃に用いられて電子ビームを
放射するカソード構体、及びこのカソード構体が備える
含浸型陰極の製造方法を図面を参照して説明する。
【0013】図1に示すように、カソード構体1は、円
筒状のスリーブ3と、このスリーブ3の一端部に配設さ
れる有底円筒状のキャップ4と、このキャップ4内に配
設さえて電子を放射するエミッション源である含浸型陰
極5と、スリーブ3内に配設されて含浸型陰極5を加熱
する熱源であるヒータ6とを備えている。
【0014】スリーブ3及びキャップ4は、例えばM
o、Ta等の高融点金属材料によって形成されている。
キャップ4は、図1に示すように、スリーブ3の一端部
に、この一端側に開口端を向けて溶接接合されている。
【0015】本発明に係る含浸型陰極5は、図1に示す
ように、多孔質基材8と、この多孔質基材8の微細孔に
溶融含浸された電子放射物質9とを有している。多孔質
基材8は、例えばW等の高融点金属材料によって略円盤
状に形成されている。以下、多孔質基材8をタングステ
ンディスク8と称する。電子放射物質9は、例えばBa
Co3 、CaCo3 、Al23等の混合物又は共沈塩等
で構成されている。
【0016】この含浸型陰極5は、図1に示すように、
キャップ4の内周部に溶接接合されて配設されており、
キャップ4の内周側底面に当接する含浸型陰極5の底面
に、溶接接合を強固にするための図示しないロウ材や金
属膜が成膜されている。この金属膜としては、例えばI
r、Ru、Moやこれらの合金等の薄膜が用いられる。
【0017】また、含浸型陰極5の電子放射面上には、
図1に示すように、陰極の仕事関数を低減するために所
定の膜厚の被覆膜10が成膜されている。この被覆膜1
0は、例えばOs−Ru、Ir等が用いられる。
【0018】ヒータ6には、例えば純タングステン線、
或いはタングステンに2〜3%のレニウムをドープした
タングステン合金線等の電熱線が用いられる。このヒー
タ6は、スリーブ3の内周部に挿入されており、スリー
ブ3及びキャップ4を介して含浸型陰極5を加熱する。
【0019】つぎに、以上のように構成された含浸型陰
極の製造方法を図面を参照して説明する。含浸型陰極5
は、図2に示すように、第1の工程乃至第6の工程を経
て製造されており、タングステン粉末を所望の粒径に造
粒する第1の工程と、この第1の工程で造粒されたタン
グステン粉末によってタングステンディスク8をプレス
成形する第2の工程と、この第2の工程でプレス成形さ
れたタングステンディスク8を焼結する第3の工程とを
経て製造される。
【0020】第1の工程は、図2中ステップST1に示
すように、所定の純度、粒径とされるタングステン粉末
に、例えばパラフィン等のバインダ材を混合し、例えば
数μm程度の所望の粒径に造粒する造粒工程である。第
2の工程は、ステップST2に示すように、所望の粒径
のタングステン粉末を所望の形状にプレス成形する成形
工程である。第3の工程は、ステップST3に示すよう
に、プレス成形されたタングステンディスク8を真空中
又は水素雰囲気中で加熱し、所望の空孔率、平均孔径と
される多孔質のタングステンディスク8を焼結する焼結
工程である。
【0021】タングステンディスク8は、第3の工程で
焼結された後、製造ロットごとの品質検査が行われてい
る。このため、焼結されたタングステンディスク8は、
品質検査の期間中、酸化膜の発生を抑制するために、例
えば窒素雰囲気中等の環境で保管される。
【0022】また、含浸型陰極5は、図2に示すよう
に、第3の工程で焼結されたタングステンディスク8を
所定の温度に加熱して表面の酸化膜を除去する第4の工
程と、この第4の工程で酸化膜が除去されたタングステ
ンディスク8に電子放射物質9を含浸する第5の工程
と、この第5の工程で含浸処理されたタングステンディ
スク8の電子放射面に被覆膜10を成膜する第6の工程
とを経て製造される。
【0023】第4の工程は、ステップST4に示すよう
に、タングステンディスク8の表面の酸化膜を除去する
酸化膜の除去工程である。この第4の工程では、タング
ステンディスク8を約600℃〜約1000℃の温度に
加熱して、表面の酸化膜を確実に除去する。加熱温度
は、約600〜約1000℃の範囲内であれば、高いほ
ど還元する上で好適である。
【0024】なお、第4の工程において、加熱温度が6
00℃以下の場合は、タングステンディスク8の表面の
酸化膜を確実に除去することが困難であるため不適とさ
れる。また、タングステンディスク8が多孔質の焼結体
であるため、第4の工程において、加熱温度が1000
℃以上の場合は、微細孔の孔径が収縮して空孔率が減少
してしまうことがあり、第5の工程における含浸量、含
浸分布等に悪影響がある。
【0025】第5の工程は、ステップST5に示すよう
に、真空中又は水素雰囲気中で電子放射物質9を加熱
し、タングステンディスク8に電子放射物質9を含浸す
る含浸工程である。第6の工程は、ステップST6に示
すように、スパッタ法により含浸型陰極5の電子放射面
上に所望の膜厚の被覆膜10を成膜する被覆膜の成膜工
程である。
【0026】上述した第1乃至第6の工程を経て形成さ
れた含浸型陰極5は、次工程でキャップ4やスリーブ3
に接合固定された後、スリーブ3内にヒータ6が挿入さ
れてカソード構体1が構成される。
【0027】上述したように、含浸型陰極の製造方法に
よれば、第4の工程でタングステンディスク8の表面の
酸化膜を確実に除去した後に、第5の工程でタングステ
ンディスク8に電子放射物質9を含浸することによっ
て、タングステンディスク8の表面の酸化膜が確実に除
去されたタングステンディスク8に電子放射物質9が含
浸されるため、タングステンディスク8に含浸された電
子放射物質9の含浸量、含浸分布、含浸状態のバラツキ
を低減することができる。
【0028】したがって、この含浸型陰極の製造方法に
よれば、陰極の放射率のバラツキが低減をして、品質の
向上を図ることができる。また、この含浸型陰極の製造
方法によれば、例えば作動時に電子放射物質9が蒸発す
るで生じるグリッドエミッションやカットオフ電圧の変
化等のバラツキが生じることを低減することができる。
【0029】
【発明の効果】上述したように本発明に係る含浸型陰極
の製造方法によれば、多孔質基材の表面の酸化膜を確実
に除去することが可能とされて、多孔質基材に含浸され
る電子放射物質の含浸量、含浸分布、含浸状態のバラツ
キを低減することができる。したがって、この含浸型陰
極の製造方法によれば、放射率のバラツキを低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る含浸型陰極を示す断面図である。
【図2】上記含浸型陰極の製造工程を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 カソード構体、3 スリーブ、4 キャップ、5
含浸型陰極、6 ヒータ、8 多孔質基材、9 電子放
射物質

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主にタングステンからなる多孔質基材を
    水素雰囲気中で加熱して上記多孔質基材の表面の酸化膜
    を除去した後に、上記多孔質基材に電子放射物質を含浸
    させて形成することを特徴とする含浸型陰極の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記水素雰囲気中の加熱温度は、約60
    0℃〜約1000℃であることを特徴とする請求項1に
    記載の含浸型陰極の製造方法。
JP2475598A 1998-02-05 1998-02-05 含浸型陰極の製造方法 Withdrawn JPH11224599A (ja)

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