JPH11223626A - 燃焼排ガス中の有機ハロゲンの分析方法 - Google Patents

燃焼排ガス中の有機ハロゲンの分析方法

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JPH11223626A
JPH11223626A JP3970698A JP3970698A JPH11223626A JP H11223626 A JPH11223626 A JP H11223626A JP 3970698 A JP3970698 A JP 3970698A JP 3970698 A JP3970698 A JP 3970698A JP H11223626 A JPH11223626 A JP H11223626A
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activated carbon
carbon column
trap
exhaust gas
combustion exhaust
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JP3970698A
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Mitsuo Suzuki
光雄 鈴木
Hiroyuki Aikyo
浩幸 相京
Yamao Itou
日本男 伊藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼排ガス中のダイオキシン類の濃度の指標と
して有効に利用することが出来る燃焼排ガス中の有機ハ
ロゲンの簡易で且つ実験室内の汚染を生じない分析方法
(活性炭カラム方式)を提供する。同時に、活性炭カラ
ムに充填した活性炭量がサンプルガス中の全有機ハロゲ
ンを充分に捕捉し得る量に見合う量であったことの確認
を行うことが出来る分析方法を提供する。 【解決手段】煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく採
取し、活性炭カラムに吸引し、次いで、活性炭カラムか
ら無機ハロゲン化物を除去した後、当該活性炭を燃焼さ
せ、発生するハロゲン化水素を測定する方法であって、
上記の燃焼排ガス通過用の活性炭カラムとして、活性炭
が多段形式で充填された活性炭カラムを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼排ガス中の有
機ハロゲンの分析方法に関するものである。本発明によ
る有機ハロゲン(全の有機ハロゲン又は難揮発性有機ハ
ロゲン)の分析値は、例えば、燃焼排ガス中のダイオキ
シン類の濃度の指標として有効に利用することが出来
る。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミや産業廃棄物などを焼却した際
に発生する燃焼排ガス中の有害物質としては、有機ハロ
ゲンの他、猛毒のダイオキシン類が含まれている。特に
ダイオキシン類は、その毒性の強さ故にその排出量の抑
制が世界的な問題となりつつある。ダイオキシン類は、
有機ハロゲンを前駆体として発生するとされているが、
その生成機構の詳細は、複雑であるため、未だ解明され
ていない状況にある。
【0003】一方、ダイオキシン類の測定方法は、充分
に確立されていないが、現時点の正規法として、氷冷バ
ス中に、2個の水トラップ、空トラップ、XAD−2樹
脂カラム、2個のジエチレングリコールトラップを冷却
バス(氷冷バス等)に順次に配置した捕捉装置により、
燃焼排ガス中のダイオキシン類を捕捉し、溶剤抽出、濃
縮の各操作の後、質量分析によって各成分を同定し、成
分毎に毒性換算を行う方法が知られている。しかしなが
ら、斯かる正規法による場合は、抽出、精製、濃縮操作
および質量分析などに多大の時間(1〜2ケ月)とコス
ト(数十万円)を必要とし、しかも、上記の各操作によ
って環境汚染を惹起するという問題があり、実験室内を
負圧として施設外へのダイオキシン類の漏出防止処置が
必要である。
【0004】そこで、従来より、上記の正規法を簡略化
した簡易測定法が種々検討され、例えば、第8回廃棄物
学会研究発表会講演論文集第562〜564頁に記載の
方法が知られている。斯かる方法は、簡易ではあるが、
上記第564頁の図7からも明らかな様に精度の点で問
題がある。
【0005】一方、比較的精度の高い方法として、難揮
発性有機ハロゲンとダイオキシン類との相関関係を利用
した方法が知られている(化学物質と環境 1997年
5月号No.23,第11〜13頁)。具体的には、氷
冷バス中に順次配置された水トラップ及びエチレングリ
コールトラップと安全対策用活性炭カラムとを備えた捕
捉装置の上記2個のトラップにより、燃焼排ガス中のダ
イオキシン類を捕捉し、トルエンで抽出後に燃焼法によ
って有機ハロゲン(クロロベンゼン類を含む難揮発性有
機ハロゲン)を測定し、難揮発性有機ハロゲンとダイオ
キシン類との検量線によってダイオキシン類の濃度を推
定する。
【0006】しかしながら、上記の簡易測定法による場
合、トラップを通過したダイオキシン類については無視
されているため、その測定精度が必ずしも充分とは言え
ない。しかも、トルエン抽出後にエバポレーターによる
濃縮操作が必要であったり、濃縮操作に使用して汚染さ
れた器具の洗浄や測定済みサンプルの保管方法などの安
全対策上の問題があり、環境汚染、特に実験室内の汚染
については全く未解決の状態である。
【0007】ところで、本発明者らの知見によれば、ダ
イオキシン類が含まれた有機ハロゲンを活性炭カラムに
濃縮させ且つその全量を燃焼させて分析に供するなら
ば、実験室内のダイオキシン類による汚染問題を一挙に
解決し得る。しかしながら、斯かる活性炭カラム方式に
よる場合は、当該活性炭カラムにより、燃焼排ガス中の
分析せんとする有機ハロゲンが完全に捕捉されているか
否かが重要である。
【0008】ところで、活性炭中には、不純物として有
機ハロゲンが含有されているため、カラムに充填する活
性炭の量を必要以上に増加させた場合は、有機ハロゲン
の分析において活性炭由来の有機ハロゲンが増加して燃
焼排ガス中の有機ハロゲンの測定精度が低下する。一
方、燃焼排ガス中の有機ハロゲン含量は経時的に変動す
る。従って、カラムに充填する活性炭の量として有機ハ
ロゲンの完全捕捉に必要な適切量を予め判断することは
困難である。そのため、活性炭カラム方式による場合
は、時として、活性炭カラムからの有機ハロゲンの漏洩
があり、燃焼排ガスのサンプリングミスが発生し易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、燃焼排ガス中の
ダイオキシン類の濃度の指標として有効に利用すること
が出来る燃焼排ガス中の有機ハロゲンの簡易で且つ実験
室内の汚染を生じない分析方法(活性炭カラム方式)を
提供することにある。本発明の他の目的は、活性炭カラ
ムに充填した活性炭量がサンプルガス中の全有機ハロゲ
ンを充分に捕捉し得る量に見合う量であったことの確認
を行うことが出来る分析方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ダイオキ
シン類の前駆体が有機ハロゲンであるとの観点から種々
検討を重ねた結果、次ぎの様な着想を得た。(1)簡易
な方法で燃焼排ガス中の有機ハロゲンを確実に分析する
ならば、有害物質の測定と共に最も安全サイドに立脚し
たダイオキシン類の濃度の指標として有効に利用するこ
とが出来、また、(2)再現性のある分析方法である限
り、上記と異なる別の簡易な方法で分析された難揮発性
有機ハロゲンの分析値であっても、前記と同様にダイオ
キシン類との相関関係に有効に利用することが出来る。
【0011】また、本発明者らは、上記の着想に基づい
て種々検討を重ねた結果、特定の充填形式による活性炭
カラムを使用するならば、活性炭カラムからの有機ハロ
ゲンの漏洩の有無が確認できて燃焼排ガスのサンプリン
グの適否を容易に判断することが出来、しかも、活性炭
由来のハロゲンを識別して補正することが出来て燃焼排
ガス中の有機ハロゲンの分析精度を高めることが出来る
との知見を得た。
【0012】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その要旨は、煙道内の燃焼排ガスを冷却す
ることなく採取し、活性炭カラムに吸引し、次いで、活
性炭カラムから無機ハロゲン化物を除去した後、当該活
性炭を燃焼させ、発生するハロゲン化水素を測定する方
法であって、上記の燃焼排ガス通過用の活性炭カラムと
して、活性炭が多段形式で充填された活性炭カラムを使
用することを特徴とする燃焼排ガス中の有機ハロゲンの
分析方法に存する。
【0013】そして、本発明の好ましい第1の実施態様
においては、煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく採
取し、冷却された液体媒体トラップ中の液体媒体にバブ
リングさせた後、必要に応じて空トラップを通過させて
活性炭カラムに吸引し、次いで、液体媒体トラップ及び
空トラップに捕捉された成分を液体にて回収した後、別
途の活性炭カラムに流通して再捕捉し、次いで、全ての
活性炭カラムから無機ハロゲン化物を除去した後、当該
活性炭を燃焼させ、発生するハロゲン化水素を測定して
燃焼排ガス中の有機ハロゲンを分析する。
【0014】また、本発明の好ましい第2の実施態様に
おいては、煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく採取
し、110〜300℃の範囲の略一定温度に保持された
活性炭カラムに吸引し、次いで、当該活性炭カラムから
無機ハロゲン化物を除去した後、当該活性炭を燃焼さ
せ、発生するハロゲン化水素を測定して燃焼排ガス中の
難揮発性ハロゲンを分析する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の第1の実施態様で使用す
る全有機ハロゲン捕捉装置の一例の説明図である。図2
は、本発明の第2の実施態様で使用する難揮発性有機ハ
ロゲン捕捉装置の一例の説明図である。
【0016】先ず、本発明の第1の実施態様(全有機ハ
ロゲンの分析)について説明する。本発明で使用する全
有機ハロゲン捕捉装置は、主として、液体媒体トラップ
(1)、空トラップ(2)、冷却バス(3)、活性炭カ
ラム(4)から構成される。なお、図1中の符号(5)
はサンプリング管、(6)はポンプ、(7)は流量計、
(8)は積算流量計、(9)は煙道を表す。また、上記
の全有機ハロゲン捕捉装置は、煙道(9)の近傍の屋外
に設置される。
【0017】煙道(9)の側壁に貫通したサンプリング
管(5)は、適宜の保温手段により、煙道(9)内の燃
焼排ガスを冷却することなく採取し得る様になされてい
る。なお、サンプリングされる燃焼排ガス(サンプルガ
ス)の温度は通常110〜300℃の範囲である。
【0018】液体媒体トラップ(1)及び空トラップ
(2)は、冷却バス(3)中に配置される。液体媒体ト
ラップ(1)の媒体としては、水やエチレングリコール
等が使用され、冷却バス(3)の冷却媒体としては、液
体媒体トラップ(1)の媒体を固化させない様な適宜の
媒体(例えば氷水など)が使用される。また、液体媒体
トラップ(1)内への導入配管の先端は媒体中に位置さ
れている。
【0019】サンプルガス中の水分は、液体媒体トラッ
プ(1)の液体媒にバブリングさせることにより除去さ
れる。空トラップ(4)は、必要に応じて設けられ、上
記のバブリング後にサンプルガスに同伴された水分を除
去する。本発明においては、液体媒体として水が好適に
使用され、その場合には、空トラップ(4)を使用する
のが好ましい。これにより、後述する活性炭カラム
(4)への水分の混入が防止され、活性炭の吸着性能を
高く維持することが出来る。
【0020】活性炭カラム(4)は、取り外し可能な構
造のカラムとその内部に充填された活性炭から構成され
る。活性炭としては、塩素含有量の少ない活性炭が使用
される。活性炭炭中の塩素含有量は20ppm(特に1
0ppm)以下が好ましい。また、活性炭の平均粒径
は、圧損を考慮して1〜10mmの範囲が好ましい。活
性炭カラム(4)における活性炭の充填量は、サンプル
ガス中の全有機ハロゲンを充分に捕捉し得る量に見合う
量とされる。
【0021】本発明においては、活性炭カラム(4)と
して、活性炭が多段形式で充填された活性炭カラムを使
用することが重要である(図1の例にでは5連結の活性
炭カラムを使用している)。すなわち、多段形式の活性
炭カラムを使用した場合、各段毎に全有機ハロゲンを分
析し、同一濃度になった前段と比較することにより、活
性炭カラム(4)からの有機ハロゲンの漏洩がなかった
こと、すなわち、活性炭カラム(4)に充填した活性炭
量がサンプルガス中の全有機ハロゲンを充分に捕捉し得
る量に見合う量であったことの確認を行うことが出来
る。
【0022】更に、上記の多段形式による場合は、活性
炭由来の塩素量を測定することも出来る。すなわち、全
有機ハロゲン濃度が同一となった次の段における塩素量
は、燃焼排ガスに由来するものではないため、活性炭由
来の塩素量と見做すことが出来る。斯かる活性炭由来の
塩素量の測定は、後述する全有機ハロゲン分析におい
て、燃焼排ガス中の真の全有機ハロゲン量を算出する補
正に利用することが出来る。換言すれば、活性炭のロッ
トによって異なる塩素含量を補正することが出来る。
【0023】図1の例では5連結の活性炭カラムを使用
しているが、最後段の活性炭カラムにおける全有機ハロ
ゲン量の分析値がその前段の活性炭カラムにおける分析
値と略同一になる限り、連結すべき活性炭カラムの本数
は制限されない。実際的には、余裕を持った本数の活性
炭カラムが使用される。この場合においても、全有機ハ
ロゲン量の分析は、各活性炭カラム毎に行われるため、
1本のカラムに多量の活性炭を充填して使用した場合に
生じる燃焼排ガス中の有機ハロゲンの測定精度の低下
(活性炭由来のハロゲンの増加)は起こらない。
【0024】ポンプ(6)は、活性炭カラム(4)にサ
ンプルガスを吸引するために使用され、流量計(7)
は、活性炭カラム(4)における等速吸引の確認のため
に使用される。積算流量計(8)は、全有機ハロゲンの
燃焼排ガス中の濃度を算出するために使用される。
【0025】なお、上記の全有機ハロゲン捕捉装置の設
備的大きさの一例は、次の通りである。すなわち、液体
媒体トラップ(1)及び空トラップ(4)の容量は約1
000ml、液体媒体トラップ(1)中の液体媒体容量
は約200ml、活性炭カラム(4)の内径は約15m
m、活性炭の粒径範囲は1.0〜1.7mm、活性炭充
填量は約0.5g/1カラムである。
【0026】次に、本発明の第1の実施態様における全
有機ハロゲンの分析方法について説明する。本発明にお
いては、上記の捕捉装置を使用して燃焼排ガスを処理
し、液体媒体トラップ(1)及び空トラップ(2)に捕
捉された成分を液体にて回収した後、活性炭カラムに流
通して再捕捉し、次いで、当該活性炭カラムから無機ハ
ロゲン化物を除去した後、当該活性炭を燃焼させ、発生
するハロゲン化水素を測定する。
【0027】上記の再捕捉においては、上記の排ガス通
過用の活性炭カラム(4)とは別途の液専用活性炭カラ
ムを使用する。液専用活性炭カラムに使用する活性炭中
の塩素含有量は10ppm以下が好ましい。平均粒径
は、液体中の微量成分を捕捉する観点から1mm未満が
好ましい。なお、平均粒径の下限は通常0.05mm以
上である。
【0028】本発明においては、液体媒体トラップ
(1)及び空トラップ(2)の他に活性炭カラム(4)
にて捕捉された成分を対象として燃焼排ガス中の全有機
ハロゲンを分析するが、この際、抽出液の濃縮などの操
作を必要としない。従って、本発明の分析方法は、前述
の簡易測定法に比し、分析範囲が広い範囲に渡るために
精度が高いと言える。しかも、燃焼排ガス中の水分は、
液体媒体トラップ(1)により除去され、また、液体媒
体トラップ(1)の液体媒体に水を使用した場合、液体
媒体トラップ(1)通過サンプルガスに同伴される水分
は、空トラップ(2)により除去されるため、活性炭カ
ラム(4)への水分の混入を確実に防止出来る。その結
果、活性炭カラム(4)においては、表面の水膜形成が
防止されるため、固形成分(微粒子)の捕捉と共に発揮
されるガス成分の吸着能が高く維持される。
【0029】前記の液体媒体トラップ(1)及び空トラ
ップ(2)に捕捉された成分の液体による回収は、液体
による洗浄処理または溶解処理で行われるが、通常は、
例えば水を使用して洗浄処理するだけで充分である。ま
た。この際、各トラップ管の配管などについても同様の
処理を行って分析範囲を更に広くしてもよい。
【0030】活性炭カラムから無機ハロゲン化物を除去
した後、当該活性炭を燃焼させ、発生するハロゲン化水
素を測定して全有機ハロゲンを測定する方法自体は、公
知であり、例えば、三菱化学による「全有機ハロゲン分
析システム」が知られている。このシステムは、米国E
PAの公定法 No9020に準拠したものであり、
「TOX−100」や「TOX−10Σ」の商品名で市
販されている。この市販システムによる場合、全有機ハ
ロゲンの測定は次の表に示す(1)〜(4)のステップ
によって行われる。
【0031】
【表1】 (1)活性炭カラムに硝酸塩溶液(約1重量%)を通し
て無機ハロゲン化物を除去する。 (2)活性炭カラムから取り出した活性炭をボートに押
出し、ボートを燃焼管内に挿入し、活性炭を酸素気流中
で燃焼させる。これにより、全有機ハロゲンはハロゲン
化水素に変換される。 (3)生成したハロゲン化水素を滴定セルに導き、電量
的に発生した銀イオンにより自動滴定する。 (4)滴定に要した電気量より、ファラデーの法則に基
づきハロゲン量(塩素換算値)がデジタル表示される。
【0032】次に、本発明の第2の実施態様(難揮発性
有機ハロゲンの分析)について説明する。本発明で使用
する図2に示す難揮発性有機ハロゲン捕捉装置は、主と
して、活性炭カラム(4)と加熱機構(10)から構成
される。そして、液体媒体トラップ(1)、空トラップ
(2)、冷却バス(3)は、ポンプ(6)保護のために
使用される任意の設備であり、活性炭カラム(4)とポ
ンプ(6)の間に配置される。なお、これらの要素の内
容および機能は、基本的には、図1に示す全有機ハロゲ
ン捕捉装置の場合と同じである。
【0033】そして、上記の難揮発性有機ハロゲン捕捉
装置において、活性炭カラム(4)は、加熱機構(1
0)により、110〜300℃の範囲の略一定温度(好
ましくは±5℃)に保持されていることが重要である。
このことにより、本発明においては、ダイオキシン類と
の相関関係が認められている難揮発性有機ハロゲンとし
て、クロロベンゼンを初め、特に、ダイオキシン類を含
めた高沸成分を確実に捕捉することが出来る。この際、
燃焼排ガス中の水分は、活性炭カラム(4)内で結露す
ることなく当該活性炭カラムを通過する。その結果、活
性炭カラム(4)においては、表面の水膜形成が防止さ
れるため、固形成分(微粒子)の捕捉と共に発揮される
ガス成分の吸着能が高く維持される。なお、活性炭を燃
焼させ、発生するハロゲン化水素を測定して全有機ハロ
ゲン(活性炭カラムに捕捉されたクロロベンゼン等の難
揮発性有機ハロゲン)を測定する方法は、前記と全く同
様に行われる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0035】実施例1(全有機ハロゲンの分析) 下記表2に記載の仕様を備えた図1に示す全有機ハロゲ
ン捕捉装置を使用し、ゴミ焼却炉の120℃の排ガスを
サンプリングし、その中の全有機ハロゲンを分析した。
【0036】
【表2】
【0037】先ず、燃焼排ガスを13L/min(S.
T.P)でポンプ(6)により等速吸引して0.5Nm
3サンプリングした。次いで、各要素を取り外し、60
0mlの水で液体トラップ(1)と空トラップ(2)を
洗浄した。そして、次の方法により、上記の洗浄液およ
び活性炭カラム(4)中の全有機ハロゲンを分析した。
【0038】<洗浄液>先ず、別途に準備した活性炭カ
ラム(ダイアインスツルメンツ製「TOX吸着用活性炭
カラム」:有機塩素量1.3μg)に洗浄液を通した
後、1重量%のKNO3水溶液を通して無機ハロゲン化
物を除去した。次いで、ダイアインスツルメンツ製「T
OX−100」により、全有機ハロゲン(塩素換算値)を
測定した。
【0039】<活性炭カラム(4)>洗浄液の場合と同
様の操作にり、連結された各カラム毎に全有機ハロゲン
(塩素換算値)を測定した。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示す結果より、4段目および5段目
の活性炭カラムの全有機ハロゲンは元々活性炭自身に含
まれていたものであることが判る。その結果、本実施例
においては、燃焼排ガス中の分析せんとする有機ハロゲ
ンが完全に捕捉されていることを確認することが出来
る。一方、燃焼排ガス中の全有機ハロゲン量(μg-C
l/Nm3)は次の様に計算することが出来る。 {(98.5-1.3)+(101.6+32.4+12.
7)-5.1×3}×2=457.2(μg-Cl/Nm
3
【0042】実施例2(難揮発性有機ハロゲンの分析) 図2に示した難揮発性有機ハロゲン捕捉装置を使用した
(ただし、5連結して使用した全ての活性炭カラムは1
50℃の略一定に保持されている)。そして、実施例1
と同様に燃焼排ガスのサンプリングを行って連結された
各カラム毎に難揮発性有機ハロゲン(塩素換算値)を測
定した。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示す結果より、4段目および5段目
の活性炭カラムの難揮発性有機ハロゲンは元々活性炭自
身に含まれていたものであることが判る。その結果、本
実施例においては、燃焼排ガス中の分析せんとする有機
ハロゲンが完全に捕捉されていることを確認することが
出来る。一方、燃焼排ガス中の難揮発性有機ハロゲン量
(μg-Cl/Nm3)は次の様に計算することが出来
る。 {(156.3+47.4+11.2)-3.3×3}×
2=410(μg-Cl/Nm3
【0045】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、燃焼排ガ
ス中のダイオキシン類の濃度の指標として有効に利用す
ることが出来る燃焼排ガス中の有機ハロゲンの簡易で且
つ実験室内の汚染を生じない分析方法(活性炭カラム方
式)が提供される。また、本発明によれば、活性炭カラ
ムに充填した活性炭量がサンプルガス中の全有機ハロゲ
ンを充分に捕捉し得る量に見合う量であったことの確認
を行うことが出来る分析方法が提供される。更に、本発
明によれば、実験室内が猛毒のダイオキシン類で汚染さ
れず、実験室内を負圧にする等の設備投資も不要であ
り、通常の実験室内で分析を行うことが出来るため、工
業的に多大の利益を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様で使用する全有機ハロ
ゲン捕捉装置の一例の説明図
【図2】本発明の第2の実施態様で使用する難揮発性有
機ハロゲン捕捉装置の一例の説明図
【符号の説明】
1:液体媒体トラップ 2:空トラップ 3:冷却バス 4:活性炭カラム 5:サンプリング管 6:ポンプ 7:流量計 8:積算流量計 9:煙道 10:加熱機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく
    採取し、活性炭カラムに吸引し、次いで、活性炭カラム
    から無機ハロゲン化物を除去した後、当該活性炭を燃焼
    させ、発生するハロゲン化水素を測定する方法であっ
    て、上記の燃焼排ガス通過用の活性炭カラムとして、活
    性炭が多段形式で充填された活性炭カラムを使用するこ
    とを特徴とする燃焼排ガス中の有機ハロゲンの分析方
    法。
  2. 【請求項2】 煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく
    採取し、冷却された液体媒体トラップ中の液体媒体にバ
    ブリングさせた後、必要に応じて空トラップを通過させ
    て活性炭カラムに吸引し、次いで、液体媒体トラップ及
    び空トラップに捕捉された成分を液体にて回収した後、
    別途の活性炭カラムに流通して再捕捉し、次いで、全て
    の活性炭カラムから無機ハロゲン化物を除去した後、当
    該活性炭を燃焼させ、発生するハロゲン化水素を測定し
    て燃焼排ガス中の有機ハロゲンを分析する請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 液体媒体トラップが氷冷された水トラッ
    プであり、当該トラップの後に氷冷された空トラップが
    配置されており、水トラップ及び空トラップに捕捉され
    た成分が水にて回収された後に、空トラップの後に配置
    された活性炭カラムに再捕捉される請求項2に記載の分
    析方法。
  4. 【請求項4】 煙道内の燃焼排ガスを冷却することなく
    採取し、110〜300℃の範囲の略一定温度に保持さ
    れた活性炭カラムに吸引し、次いで、当該活性炭カラム
    から無機ハロゲン化物を除去した後、当該活性炭を燃焼
    させ、発生するハロゲン化水素を測定して燃焼排ガス中
    の難揮発性ハロゲンを分析する請求項1に記載の方法。
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