JPH11223401A

JPH11223401A - 熱機関用の熱交換器

Info

Publication number: JPH11223401A
Application number: JP4292698A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Sekiya; 弘志関谷; Takashi Inoue; 貴至井上
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 1998-02-09
Filing date: 1998-02-09
Publication date: 1999-08-17

Abstract

(57)【要約】【課題】ヴィルミエサイクル機器等の熱機関の熱
交換器を、製作が容易で加工性に優れ、しかも熱交換性
能の優れた構造にする。【解決手段】熱機関の熱交換器を、アウターシリンダ
ー３６とその内側に挿入固定された熱交換筒３７とから
構成し、熱交換筒３７の外面に沿った熱交換媒体用流路
（二次側冷媒用の流路）４３中に面するように、ベロー
ズフィン４６を配設し、さらにはベローズフィン４６の
円周方向に一定間隔に周縁からの切り込み又は穴を軸方
向に貫通して設けることにより、熱交換媒体用流路の伝
熱面積を増大し、又、熱交換媒体の流れの乱れによって
熱交換器の性能を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スターリングサイ
クル機器（スターリングエンジン、スターリング冷凍機
等）、ヴィルミエサイクル機器、クーク・ヤーボロフサ
イクル機器等の熱機関に装着される熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、スターリングサイクル機器
（スターリングエンジン、スターリング冷凍機等）、ヴ
ィルミエサイクル機器、クーク・ヤーボロフサイクル機
器等の熱機関は、特開平７ー２９３３３４号公報、特開
平９ー１５１７９２号公報、特開平８ー１５８９３９号
公報等において知られているところである。

【０００３】図１において、１は熱機関の一例であるヴ
ィルミエサイクル機関を示し、その高温側ディスプレー
サー２及び低温側ディスプレーサー３は、互いにほぼ直
角位置に配置されたピストンロッド４及び５に連結さ
れ、夫々ヘリウム等の作動ガスを封入し、ガス用のロッ
ドシール４’及び５’により封止された高温側シリンダ
ー６及び低温側シリンダー７内を往復動する。この高温
側シリンダー６の高温室（圧縮室）８には多管式チュー
ブよりなる加熱器９が接続されている。

【０００４】加熱器９の先端９’と高温側シリンダー６
の中温室（膨張室）１０との間には高温側再生器１１と
中温側熱交換器１２が連接介在され、また低温側シリン
ダー７の低温室（圧縮室）１３と中温室（膨張室）１４
との間には、低温側熱交換器１５と低温側再生器１６と
前記と同様の中温側熱交換器１２が連接介在されてい
る。連結ダクト１７は高温側シリンダー６の中温室１０
と低温側シリンダー７の中温室１４とを連通している。

【０００５】ピストンロッド４及び５には、夫々クロス
ガイド１８及び１９が固定され、このクロスガイド１８
及び１９にはクランク機構２０が接続さている。このク
ランク機構２０は、始動時は図示しない電動機等の動力
により、始動後はヴィルミエサイクル機関１自らの動力
により回転する。これにより、高温側ディスプレーサー
２及び低温側ディスプレーサー３が往復運動される。高
温側ディスプレーサ２の上方にはガスバーナ等の加熱手
段２１が設けられている。

【０００６】クランク機構２０の回転により約９０度ず
れた高温側ディスプレーサー２と低温側ディスプレーサ
ー３とが往復運動すれば、高温側シリンダー６の高温室
８の作動ガスが押し出されて高温再生器１１へ導かれ
る。これと同様に、低温側シリンダー７の低温室１３の
作動ガスが押し出され低温側熱交換器１５のガス流路内
を流通する。

【０００７】このようなヴィルミエサイクル機関１等の
熱交換器１２、１５に適用される熱交換器としては、従
来は図２に示されるようなシェルアンドチューブ式熱交
換器２２がある。

【０００８】図２及び図３に示されるシェルアンドチュ
ーブ式熱交換器２２は、インナースリーブ２３とアウタ
ースリーブ２４の間に冷却水等の熱交換媒体の流れる環
状の流路２５が形成され、その流路２５中にヘリウム等
熱機関の作動ガスが流れる多数本のチューブ２６がシェ
ル２７を介して固定されて構成される。しかしながら、
シェルアンドチューブ式熱交換器２２は、性能面では優
れているが、製作に手間がかかり、コスト高である。

【０００９】又、ヴィルミエサイクル機関１等の熱交換
器１２、１５に適用される熱交換器の例としては、図４
及び図５に示される、プレートフィン式熱交換器２８が
ある。このプレートフィン式熱交換器２８は、ハウジン
グ２９とその中に挿入された熱交換器本体３０の間に冷
却水等の熱交換媒体用の流路３１が形成され、この流路
３１に面して熱交換器本体３０の外周壁に多数の環状の
フィン３２が形成されており、熱交換器本体３０の内周
壁面には、熱交換器本体の内周に軸方向に沿って微小な
溝３３が形成され熱交換器本体３０の内周に圧入される
ライナー３４との間でヘリウム等の熱交換流体の流路が
形成されて構成される。

【００１０】この熱交換器２８は、製作や加工性、コス
ト面において優れているが、熱交換性能では上記機関に
適切な十分な性能が得られない。即ち、二次冷媒に接す
るプレートフィンの面積が小さいと十分な熱交換ができ
ず、冷凍能力が低下するという問題がある。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱機関のプ
レートフィン式熱交換器のプレートフィンの構造を改善
して伝熱性能を高め、熱交換性能を向上させるととも
に、簡単な構造、製作の容易な、コストの安い熱交換器
を提供しようとすることである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、アウターシリンダーと、該アウターシリ
ンダーに挿入固定された熱交換筒とを有し、熱交換筒の
内面に沿った作動ガス用流路を流れる熱機関の作動ガス
と熱交換筒の外面に沿った熱交換媒体用流路を流れる熱
交換媒体との間で熱交換をする熱機関用の熱交換器であ
って、上記熱交換媒体用流路中に面するように、上記熱
交換筒の外面に固着されたベローズフィンを具備するこ
とを特徴とする熱機関用の熱交換器を提供する。

【００１３】そして、本発明の上記熱交換器のベローズ
フィンは、円周方向に一定間隔をおいて複数の、軸方向
に貫通する周縁からの切り込みが形成されている。

【００１４】あるいは、本発明の上記ベローズフィンは
異なる円周上の夫々に、円周方向に一定間隔をおいて複
数の、軸方向に貫通孔が形成されている。そして、上記
本発明の熱交換器は、スターリングサイクル機器、ヴィ
ルミエサイクル機器、クーク・ヤーボロフサイクル機器
の熱交換器に適用されるものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき図面を参照して説明する。図６、図７は、本発明の
熱交換器の実施例を示す図である。この実施例の熱交換
器３５は、アウタースリーブ３６と、アウタースリーブ
３６内に挿入された熱交換筒３７とを有し、インナーシ
リンダー（ライナー）３８を介して、あるいは介さず
に、図１に示すようなヴィルミエサイクル機器１の高温
シリンダー６又は低温シリンダー７の外周に嵌合して取
付けられる。

【００１６】熱交換筒３７は、アルミニュウム、銅、Ｓ
ＵＳ鋼等の材料から適当な肉厚を有する円筒状に形成さ
れており、熱交換筒３７の上端部及びアウタースリーブ
３６の下端部の夫々には環状の封止部３９及び３９’が
形成されている。この環状の封止部３９及び３９’の夫
々は、アウタースリーブ内面に当接する大径部４０及び
熱交換筒の外面に当接する小径部４０’と、この大径部
４０及び小径部４０’に形成されたシール嵌入溝４１及
び４１’とを有し、シール嵌入溝４１及び４１’内にシ
ール４２及び４２’が嵌入されている。このシール４２
及び４２’による封止構造は必要に応じて用いられる。

【００１７】上下の封止部３９、３９’と、熱交換筒３
７外面と、アウタースリーブ３６内面とで囲まれる環状
の空間が、熱交換媒体（二次冷媒）の流路４３を形成す
る。

【００１８】アウタースリーブ３６には、熱交換媒体の
流れを考慮した位置に熱交換媒体の流入孔４４及び流出
孔４５が設けられている。熱交換媒体は、流入孔４４か
ら熱交換媒体用流路４３内に流入して、熱交換器内で熱
交換されて流出孔４５から流出する。

【００１９】この熱交換媒体用流路４３に突出するよう
に、複数の環状のフィン４６を有する熱交換用のベロー
ズフィン４７が、熱交換筒３７外面に形成されている。
ベローズフィン４７は、アルミニウム、銅、ＳＵＳ鋼等
の材料により形成され、適宜肉厚を有し、全体的には断
面環状の円筒形に形成されている。このような構造の熱
交換用のベローズフィン４７が熱交換筒３７の外面にろ
う付けにより固着されて設けられている。ベローズフィ
ンには、流入孔４４及び流出孔４５に適合する円周方向
の角度位置（図６では対象位置）に上下方向に貫通して
切り欠いてマニホールド４４’及び４５’が形成されて
いる。マニホールド４４’から熱交換媒体はベローズフ
ィン４７の内側にも流入して流れ、マニホールド４５’
より流出するので、熱交換媒体はベローズフィン４７に
内外面で接触し熱交換性能が高められる。

【００２０】熱交換筒３７の内面に、ワイヤーカット加
工により軸方向に伸びるスプライン状の溝４８が熱交換
筒の周方向に多数本形成され、隣接する溝４８の間にス
プライン状の冷却フィン４９が形成される。熱交換筒３
７を、インナーシリンダー３８を介して又は介さずに、
高温側、低温側シリンダー６、７の外側に嵌合すると、
溝４８とインナーシリンダー３８又は高温側、低温側シ
リンダー６、７の外面により囲まれた部分が作動ガス用
流路となる。

【００２１】なお、作動ガス用の冷却フィン及び流路と
なる溝４８は、熱交換筒３７の内周面ではなく、インナ
ーシリンダー３８の外面にワイヤーカットにより形成し
てもよい。

【００２２】従来は、図５に示されるように、熱交換筒
３７の外面に円周方向の溝を上下方向に一定間隔をもっ
て複数形成し、隣接する円周溝の間にプレートフィンが
形成していたが、機械加工により形成する溝の深さ及び
溝の間に形成されるプレートフィンの直径方向の幅に限
界がある。

【００２３】本発明では、環状のベローズを熱交換筒の
外面にろう付けしてベローズフィンを形成しているの
で、直径方向の幅を従来のプレートフィンより数倍大き
く、流体の接触面積を大きくでき、十分な伝熱面積が形
成される。

【００２４】図８、図９は、熱交換用のベローズフィン
の変形例を示すものである。このベローズフィン５０
は、図６、図７に示すベローズと全体的には略同じ構造
であるが、複数の環状フィン５１の夫々の周縁に円周方
向に一定間隔をおいてスリット（切り込み）５２が形成
され、ベローズフィン５０は全体として軸方向に貫通す
るスリットが形成される。

【００２５】図１０、図１１は、熱交換用のベローズフ
ィンのさらに別の変形例を示すものであり、このベロー
ズフィン５３も、図６、図７に示すベローズと全体的に
は略同じ構造であるが、ベローズフィン５３の異なる円
周上の夫々に、円周方向に一定間隔をおいて軸方向に複
数の貫通孔５４が形成されている。

【００２６】これらの変形例のように、ベローズフィン
に、軸方向に貫通するスリット又は貫通孔が形成される
と、これにより熱交換媒体がベローズフィンの円周方向
だけでなく軸方向にも流れが生じ、流れの乱れによって
熱交換性能がさらに向上する。

【００２７】以上の実施例の構成による作用を説明す
る。熱交換媒体は、流入孔４４より熱交換媒体用流路４
３内に流入し、ベローズフィン４７、５０又は５３に接
触して熱交換媒体用流路４３内を円周方向に流れ、流出
孔４５から流出する。

【００２８】熱交換媒体が熱交換媒体用流路４３内を流
れる際に、熱交換筒３７の外面にベローズフィン５０、
５４が設けられていると、熱交換媒体は、ベローズフィ
ンの外面だけでなくスリットや貫通孔からべローズフィ
ン５０、５４内にも流れ、熱交換媒体の流れの乱れが生
じることにより効率的な熱交換が行なわれる。

【００２９】他方、作動ガスは、作動ガス用流路である
スプライン状の溝４８内をスプライン状のフィン４９に
接触しながら軸方向に流れ、熱交換が行なわれる。

【００３０】なお、本発明は、ヴィルミエサイクル機器
のディスプレーサシリンダーの外周に配設され環状の熱
交換器について説明したが、このような環状の熱交換器
ではなく、特開平９ー１５２２１０号公報の熱交換器の
ように作動ガスの流れる管路に配設される筒状の熱交換
器としてもよい。

【００３１】即ち、熱交換筒３７の内側に中実のスプラ
イン軸を嵌合して、その外面に形成されたスプライン溝
と熱交換筒３７の間で作動ガスの流れる流路を形成する
とともに、熱交換筒３７外周囲に上記のようないろいろ
な構造のベローズフィンを配設した筒状の熱交換器とし
てもよい。

【００３２】以上の実施例は、本発明の熱交換器をヴィ
ルミエサイクル機関の熱交換器に適用した例であるが、
その他スターリング機器、クーク・ヤーボロフサイクル
機器等の熱機関の熱交換器に適用されることはいうまで
もない。

【００３３】

【発明の効果】上記の通り、本発明では、環状のベロー
ズを熱交換筒にろう付けしてベローズフィンを形成して
いるので、従来のプレートフィンより流体の接触面積を
大きくでき、十分な伝熱面積が形成される。

【００３４】さらに、この発明のベローズフィンは、軸
方向に貫通するスリット又は貫通孔が形成されているの
で、これにより熱交換媒体の流れの乱れが生じ、熱交換
性能がさらに向上する。

【００３５】又、本発明は、ベローズフィンを熱交換筒
の外面にろう付けし構成したので、熱交換器の製造が簡
単であり、コストが安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱交換器の適用に適した熱機関の一例
であるヴィルミエサイクル機関を示す図である。

【図２】図３のＡーＡ断面図である。

【図３】従来の熱交換器を示す平面図である。

【図４】従来の別の熱交換器を示す平面図である。

【図５】図４のＢーＢ断面図である。

【図６】本発明の第１の実施例の熱交換器の平面図であ
る。

【図７】図６のＣーＣ断面図である。

【図８】本発明の熱交換器のベローズフィンの変形例を
示す一部平面図である。

【図９】図８のＤーＤ断面図である。

【図１０】本発明の熱交換器のベローズフィンのさらに
別の変形例を示す一部平面図である。

【図１１】図１０のＥーＥ断面図である。

【符号の説明】

１ヴィルミエサイクル機関２高温側ディスプレーサー３低温側ディスプレーサー６高温側シリンダー７低温側シリンダー１１高温側再生器１２中温側熱交換器１５低温側熱交換器１６低温側再生器２２シェルアンドチューブ式熱交換器２６チューブ２８プレートフィン式熱交換器３０熱交換器本体３１流路３３溝３５熱交換器３６アウタースリーブ４３熱交換媒体用流路４７ベローズフィン４８溝４９冷却フィン５０ベローズフィン５２スリット５３ベローズフィン５４貫通孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アウターシリンダーと、該アウターシ
リンダーに挿入固定された熱交換筒とを有し、熱交換筒
の内面に沿った作動ガス用流路を流れる熱機関の作動ガ
スと熱交換筒の外面に沿った熱交換媒体用流路を流れる
熱交換媒体との間で熱交換をする熱機関用の熱交換器で
あって、上記熱交換媒体用流路中に面するように、上記熱交換筒
の外面に固着されたベローズフィンを具備することを特
徴とする熱機関用の熱交換器。
【請求項２】ベローズフィンは、円周方向に一定間
隔をおいて複数の、軸方向に貫通する周縁からの切り込
みが形成されていることを特徴とする請求項１記載の熱
機関用の熱交換器。
【請求項３】ベローズフィンは異なる円周上の夫々
に、円周方向に一定間隔をおいて複数の、軸方向に貫通
孔が形成されていることを特徴とする請求項１記載の熱
機関用の熱交換器。
【請求項４】熱機関が、スターリングサイクル機器
であることを特徴とする、請求項１から３のいずれか記
載の熱機関用の熱交換器。
【請求項５】熱機関が、ヴィルミエサイクル機器である
ことを特徴とする、請求項１から３のいずれか記載の熱
機関用の熱交換器。
【請求項６】熱機関が、クーク・ヤーボロフサイクル機
器であることを特徴とする、請求項１から３のいずれか
記載の熱機関用の熱交換器。