JPH11221882A - クリスタル調磨りガラス外観のアクリル系樹脂積層板 - Google Patents

クリスタル調磨りガラス外観のアクリル系樹脂積層板

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JPH11221882A
JPH11221882A JP2468298A JP2468298A JPH11221882A JP H11221882 A JPH11221882 A JP H11221882A JP 2468298 A JP2468298 A JP 2468298A JP 2468298 A JP2468298 A JP 2468298A JP H11221882 A JPH11221882 A JP H11221882A
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JP
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acrylic resin
weight
crystal
fine particles
laminate
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JP2468298A
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English (en)
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Satoru Hirota
悟 廣田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形を行ってもその風合いが損なわれず、
多量の添加物による問題がなく、全光線透過率の低下を
押さえ、光拡散率のみを効果的にアップさせたクリスタ
ルガラスの透明風合と磨りガラスの重厚な風合いを兼ね
備えた特定組成の二層以上の層構造の、アクリル系樹脂
積層物を提供する。 【解決手段】 積層板の構成がアクリル系樹脂(A)9
9〜70重量%と該アクリル系樹脂との屈折率差の絶対
値が0.02〜0.2で、かつ平均粒子径が1〜100
μmの球状微粒子(B)1〜30重量%配合したアクリ
ル系樹脂層(イ)をアクリル系樹脂(C)99.995
〜99重量%に該アクリル系樹脂との屈折率差の絶対値
が0.02〜0.2で、かつ平均粒子径が1〜100μ
mの球状微粒子(D)を0.005〜1重量%配合して
からなる基板層(ロ)の片面又は両面に積層せしめたク
リスタル調磨りガラス外観のアクリル系樹脂積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリスタル調磨りガ
ラス外観のアクリル系樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂は、透明性、表面硬度、
成形加工性、耐候性等に優れ、照明器具カバー、テール
ランプなどの車輌外装品、レンズ、導光板、ビデオディ
スク、プロジェクションテレビ用スクリーンなどの光学
用部品、自動販売機の前面板、屋外看板、店装ディスプ
レイ等の用途に広く使用されている。
【0003】この中で照明カバー分野では、多様化する
照明に合わせ、装飾性を付与した種々の照明カバー用材
料が求められ、クリスタルガラス調外観の材料が要望さ
れている。シート表面に磨りガラス調風合いを付与する
方法としては、押出シート生産時に、ポリシングロール
にマットロールを用いシート表面に微細な凹凸を転写さ
せる方法、また、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の
無機粉末を配合して成形する方法などが一般的に開示さ
れている。
【0004】しかしながら、マットロールの転写で得ら
れたシートは熱成形を行うと凹凸面が消失し、その結果
ガラス調の外観が失われる。また、上記のような添加物
を用いる方法では、ガラス状態を形成するためには多量
の添加剤を加える必要があり、全光線透過率の低下や透
明感が損なわれ、尚かつ照明カバー用途で要望される透
明感を備えたクリスタル調磨りガラスの風合を達成する
ことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱成
形を行ってもシート表面のガラス調風合が損なわれず、
更に添加物を多量に加えることによる欠点を防止するの
は言うまでもなく、添加物を加えることによる全光線透
過率の低下を極力押さえ、光拡散率のみを効果的にアッ
プさせたクリスタルガラスの透明風合と磨りガラスの重
厚な風合を兼ね備えたアクリル系樹脂積層物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の現状
に鑑み、鋭意研究した結果、積層板の全光線透過率が7
0%以上、へーズ80%以上且つ光拡散率が10%以上
のクリスタル調磨りガラスの外観風合いを有するアクリ
ル系樹脂積層板であって、基板層に特定の球状微粒子を
特定量添加されたものは、積層板の全光線透過率が低下
することなく光拡散率のみがアップすることを見い出
し、本願発明を完成するに至った。
【0007】本発明におけるクリスタル調磨りガラス風
合とは、透明クリスタルガラスに艶消し仕上げを施した
風合を意味し、全光線透過率が70%以上の高透過性と
へーズ80%以上で且つ光拡散率が10%以上の特性を
満足する風合いを指すものである。即ち、本願発明は、
アクリル系樹脂層(イ)が基板層(ロ)の片面または両
面に積層されている積層板であって、上記アクリル系樹
脂層(イ)がアクリル系樹脂(A)99〜70重量%と
該アクリル系樹脂との屈折率差の絶対値が0.02〜
0.2でかつ平均粒子径が1〜100μmである球状微
粒子(B)1〜30重量%とが配合されてなり、基板層
(ロ)がアクリル系樹脂(C)99.995〜99重量
%に該アクリル系樹脂との屈折率差の絶対値が0.02
〜0.2でかつ平均粒子径が1〜100μmである球状
微粒子(D)0.005〜1重量%とが配合されてから
なることを特徴とするクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板、である。
【0008】本発明のクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板は、アクリル系樹脂層(イ)が基板
層(ロ)の表面層に積層され、積層部の厚み及び/また
は基板部の厚みがコントロールされることにより得られ
る、任意の、好みの風合のクリスタル調磨りガラス板で
ある。以下に本願発明をさらに詳しく説明する。
【0009】本発明でクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板とは、全光線透過率が70%以上、
ヘーズ80%以上且つ光拡散率が10%以上である範囲
の光学特性を有するものをいう。全光線透過率が70%
未満では、すっきりとした透明風合が不十分であり、ヘ
ーズが80%未満ではクリスタル調磨りガラスに近い白
さが得られず、光拡散率が10%未満では照明カバーと
して光源器具に装着した場合、光源のランプ形状が映り
過ぎてしまう。
【0010】本発明における球状微粒子(B)及び
(D)は、アクリル系樹脂との屈折率差の絶対値が0.
02〜0.2であり、かつ平均粒子径が1〜100μm
の微粒子である(平均粒子径は重量平均粒子径であ
る)。例えば、架橋シロキサン系樹脂微粒子、架橋スチ
レン系樹脂微粒子等が挙げられ、それらを単独または併
用して添加することができる。アクリル系樹脂との屈折
率差の絶対値及び平均粒子径は、用途、目的、製品イメ
ージにより異なるが、屈折率差の絶対値が0.02未満
であるとクリスタル調磨りガラスに近い白さ及び拡散性
が不足し、0.2を越えると光の透過性が低くなり白す
ぎてしまうため好ましくない。平均粒子系は、100μ
mを越えると表面状態が粗悪となり、1μm未満では表
層部の艶消し効果が少なく好ましくない。好ましくは2
〜50μm、より好ましくは2〜30μmである。球状
微粒子(B)は耐光着色の点から好ましくは架橋シロキ
サン系樹脂微粒子であるがこれに限定されるものではな
い。
【0011】本発明のクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板で、積層部に用いるアクリル系樹脂
層(イ)を製造する場合、球状微粒子(B)と混合する
ことが可能なアクリル系樹脂(A)としては、メタクリ
ル酸メチル単独重合体若しくはメタクリル酸メチルと他
の単量体との共重合体が使用される。共重合体中のメタ
クリル酸メチル構造単位は80重量%以上有するものが
好ましい。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体と
しては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸シクロヘキル等のメタクリル酸アルキルエス
テル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物類、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイニド等のマレイミド類、
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸
無水物類、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸等の
不飽和酸類等が挙げられる。メタクリル酸あるいはアク
リル酸の共重合体は、それを熱処理して脱水反応等によ
り六員環酸無水物化した共重合体も含まれる。これらの
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体は、1種また
は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0012】本発明でクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板の基板層に用いることのできるアク
リル系樹脂(C)として、上述のアクリル系樹脂を使用
することができる。このようなアクリル系樹脂(A)及
び(C)の製造方法としては特に制限はなく、懸濁重
合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液重合等の公知の
方法のいずれを用いてもよい。重合開始剤としては、通
常のパーオキサイド系やアゾ系のラジカル重合開始剤を
用いることができ、これと還元剤とを組み合わせてレド
ックス系開始剤として実施してもよい。アルキルリチウ
ムなどを用いたアニオン重合法、有機金属錯体を用いた
配位重合法、グループトランスファー重合法などを用い
て得られたアクリル系樹脂を使用してもさしつかえな
い。重合温度は、懸濁重合または乳化重合では30〜1
00℃、塊状または溶液重合では80〜170℃で実施
するのが一般的である。アクリル系樹脂の還元粘度を制
御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤と
して用いて実施してもよい。その他、多層構造アクリル
ゴムなどで耐衝撃性を付与したアクリル系樹脂組成物も
使用できる。
【0013】本発明のクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板は、積層部に用いるアクリル系樹脂
層(イ)が、球状微粒子(B)を1〜30重量%、好ま
しくは3〜25重量%、より好ましくは6〜25重量%
と、アクリル系樹脂(A)70〜99重量%、好ましく
は75〜97重量%、更に好ましくは75〜94重量%
とが混合されたものである。
【0014】球状微粒子が1重量%未満の場合は、得ら
れる積層板の光拡散性が劣るため好ましくない。一方、
球状微粒子が30重量%を越える場合は、得られる積層
板の表層部が粗悪となり且つ機械強度が低下してやはり
好ましくない。また、球状微粒子が架橋スチレン系樹脂
微粒子を使用する場合は、耐光変色等の理由を考慮する
と、1重量%未満でもよく、さらに、他の球状微粒子と
併用することが好ましい。
【0015】アクリル系樹脂層(イ)を製造するための
混合方法には特に制限がない。ドラムブレンダーやヘン
シェルミキサーで混合する方法や、これらの方法で混合
したあと押出機を用いて200〜280℃の温度で造粒
する方法等がある。また、本発明のクリスタル調磨りガ
ラス外観のアクリル系樹脂積層板は、基板層(ロ)に用
いるアクリル系樹脂が、アクリル系樹脂(C)99.9
95〜99重量%に、アクリル系樹脂との屈折率差の絶
対値が0.02〜0.2でありかつ平均粒子径が1〜1
00μmである球状微粒子(D)を0.005〜1重量
%配合してなるものである。ここで、基板層に球状微粒
子を微量配合することにより全光線透過率の低下及びヘ
ーズ値の上昇を抑え且つ光拡散率のみを向上させること
ができるものである。
【0016】配合量が0.005未満であるとその効果
が充分発揮されず、1重量%を越えると光拡散率のアッ
プと共に全光線透過率が著しく低下するため好ましくな
い。基板層(ロ)を製造するための混合方法には特に制
限がない。ドラムブレンダーやヘンシェルミキサーで混
合する方法や、これらの方法で混合したあと押出機を用
いて200〜280℃の温度で造粒する方法等がある。
【0017】また、本願発明のクリスタル調磨りガラス
外観のアクリル系樹脂積層板を粉砕機等でペレット状に
粉砕し、アクリル系樹脂(C)と球状微粒子が所定量に
なるようドラムブレンダーやヘンシェルミキサーで混合
する方法等が挙げられる。アクリル系樹脂(A)と球状
微粒子(B)とを混合してアクリル系樹脂層(イ)を製
造する場合に、全光線透過性、へーズ、光拡散性に大き
な影響を与えず、積層板としたときの微妙な表面風合を
調整する目的でアクリル樹脂層(イ)100重量部に対
してアクリル系樹脂(A)との屈折率差の絶対値が0.
02未満であり、重量平均粒子径が該球状微粒子(B)
の2倍以上で、且つ20μm以上である球状架橋アクリ
ル系樹脂微粒子を1〜20重量部配合することができ
る。配合量は、好ましくは2〜15重量部、より好まし
くは2〜10重量部である。配合量が1重量部未満では
表面風合いの改善効果が見られず、20重量部を越える
と全光線透過率、へーズ、光拡散率に大きな影響を与え
る為好ましくない。また、球状架橋アクリル系樹脂微粒
子を基板層(ロ)を構成するアクリル系樹脂100重量
部に対して5重量%を超えない範囲であれば添加しても
何ら影響はないため、球状架橋アクリル系樹脂微粒子を
アクリル系樹脂層(イ)に添加した積層板も粉砕機等で
ペレット状に粉砕し、アクリル系樹脂(C)と球状微粒
子が所定量になるようドラムブレンダーやヘンシェルミ
キサー等で混合し基板層(ロ)として使用できる。
【0018】また、シートとした時にその外観を損なわ
ない範囲で必要に応じて無機透明物質微粉末および/ま
たは無機顔料を添加することができる。ここでいう無機
透明物質微粉末としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等が挙げられ、また、無機顔料としては酸化チタン等
が挙げられる。更に、シートとした時にその外観を損な
わない範囲で例えば、熱安定剤、酸化防止剤としてヒン
ダードフェノール系、リン酸塩系など、紫外線吸収剤と
してベンゾトリアゾール系、2ーヒドロキシベンゾフェ
ノン系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系
など、可塑剤としてフタル酸エステル系、脂肪酸エステ
ル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、
ポリエステル系など、離型剤として高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリ
セリドなど、滑剤として高級脂肪酸エステル、ポリオレ
フィンなど、難燃剤としてリン系、リン/塩素系、リン
/臭素系など、帯電防止剤としてポリエーテルエステル
アミド、ポリアルキレングリコール、ポリエーテルエス
テル、ポリエーテルイミドアミドなどのエラストマーお
よびアルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ等の電解質助
剤を該アクリル樹脂層(イ)、基板層(ロ)に任意に混
合してもよい。
【0019】本発明のクリスタル調磨りガラス風合いの
外観を有するアクリル系樹脂積層板は、製造する方法に
は、特に限定はなく、通常の共押出法(コエクストルー
ジョン法)やラミネート法等を用い得る。シートに加工
する場合、樹脂温度を180〜280℃の範囲で実施す
ることが好ましい。本発明のクリスタル調磨りガラス風
合いの外観を有する積層板を製造する方法の1つである
共押出法は、積層時に両層の流動性を合わせ均一にする
ことができるので両層の密着性が良く成形歪みも少ない
という点で優れている。
【0020】共押出法は、通常、押出機を2台以上使用
し、基板部樹脂には40mmφ、60mmφ、90mm
φ等の押出機を用い、また積層部樹脂にはそれらよりも
小さい20mmφ、30mmφ、45mmφ等の押出機
を用い、押出用のダイで押出すのが好ましい。積層部及
び基板部の厚み調整は、各押出機の押出量を調整し、ま
た押出用ダイの出口に設置したポリシングロールの間隔
を調整して行うのが一般的である。また基板部樹脂と積
層部樹脂との流動性を合わせて共押出しするために各押
出機の温度を調整することで対応し得る。積層部に用い
るアクリル系樹脂層(イ)は、一般にアクリル系樹脂
(A)と球状微粒子(B)とを予めブレンダー等を使っ
て均一に混合し、その後押出機で混練、ペレット化した
ものが好ましい。
【0021】他の方法としてラミネート法があるが、ラ
ミネート法で製造する場合は、予めアクリル系樹脂層
(イ)を所望の厚みのフィルム状に成形しておき、これ
と基板層を押出機出口のポリシングロールで重ね合わせ
て一定厚みの積層シートとするのが一般的な方法であ
る。この場合、重ね合わせた時の空気残留防止とロール
温度制御等による密着性の向上がポイントである。
【0022】本発明のクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板の厚みは、一般的には0.5〜10
0mmのものが用いられる。本発明のクリスタル調磨り
ガラス外観のアクリル系樹脂積層板は、積層部の厚み
が、3〜400μmであることが好ましく、さらに好ま
しくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μ
mである。積層部の厚みが3μm未満の場合は、積層板
のガラス調風合いが不十分となり好ましくない。一方、
積層部の厚さが400μmを越える場合は、積層板の機
械的強度が低下するのでやはり好ましくない。一般的に
積層部の厚みは、シートの全厚みの30%以下であるこ
とが機械的強度の保持の観点から好ましい。基板部の両
面に積層部を設ける場合にも積層部の合計厚みが積層板
の全厚みの30%以下であることが好ましい。この積層
板の積層部の厚みは、積層板の断面を微分干渉顕微鏡や
電子顕微鏡で観察することによって計測することができ
る。積層板製造時に積層部厚みの測定を容易にするため
に、アクリル系樹脂層(イ)に微量の染料等を含有させ
ておくこともできる。
【0023】本発明のクリスタル調磨りガラス外観のア
クリル系樹脂積層板は、全光線透過率が70%以上、へ
ーズ80%以上且つ光拡散率が10%以上であるものが
好ましい。本発明のクリスタル調磨りガラス外観のアク
リル系樹脂積層板は、アクリル樹脂板の成形に用いられ
る圧空成形、真空成形、フリー加熱成形等の一般的な成
形方法で加工することができる。
【0024】また、本発明のクリスタル調磨りガラス外
観のアクリル系樹脂積層板は、クリスタル調磨りガラス
風合を付与することによる生産性の低下もなく、添加物
によるコストアップも最小限に抑えることができ、経済
的にも優れた方法で生産できるものであり、産業上の利
用範囲は大きいものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例と比較例を用いて本
発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。なお、評
価および試験方法を以下に示す。 1.全光線透過率、ヘーズはJIS K−7105に準
拠して測定した。 2.光拡散率の算出方法 オプテス社製、ゴニオフォトメーターを使用し、平行光
束径30mmφ、受光部径10mmφで各拡散光量を測
定し、下記式により光拡散率を算出した。
【0026】光拡散率={20°拡散光量+70°拡散
光量/5°拡散光量×2}×100
【0027】
【実施例1】アクリル樹脂{旭化成工業(株)製、デル
ペットLP−1}(以下、A−1)90重量部、重量平
均粒子径4.5μmの球状架橋シロキサン系樹脂微粒子
{東芝シリコーン(株)製、トスパール145}(以
下、B−1)10重量部をドラムブレンダーで混合し、
30mm二軸押出機を用いて樹脂温度約250℃で混
練、造粒し積層部用樹脂組成物とした。
【0028】また、A−1を99.92重量部、B−1
を0.08重量部をドラムブレンダーで混合し、30m
m二軸押出機を用いて樹脂温度約250℃で混練、造粒
し基板層用樹脂組成物とした。得られた積層部用樹脂組
成物を30mmφ、L/D=24の押出機を用い、ま
た、基板層用樹脂組成物を90mmφ、L/D=32の
押出機を用いて共押出しを行った。ダイは2種2層のフ
ィードブロック式を用い、積層板が2.5ミリの厚さに
なるようにリップ開度及びポリシングロールのクリアラ
ンスで調整し、押出機とダイの温度は250〜260℃
で行った。積層部の厚みのコントロールは30mmφ、
L/D=24の押出機の吐出量を変えることによって調
整した。このようにして幅約30cmの積層板を製造し
たところ、積層板の全厚みは2.5mm、積層部の厚み
は100μmであった。
【0029】このシートから試験片を切り出し、全光線
透過率、ヘーズ、光拡散率を測定したところ以下の結果
を得た。全光線透過率87%、ヘーズ93%、光拡散率
25%であった。又、表面を目視で観察したところ、ク
リスタル調磨りガラスの風合を呈するものであった。
【0030】
【比較例1】基板層(ロ)はA−1を100重量部と
し、添加剤を加えず実施例1と同様に実施し、評価を行
った。積層板の全厚みは2.5mm、積層部の厚みは1
00μmであった。このシートから試験片を切り出し、
全光線透過率、ヘーズ、光拡散率を測定したところ以下
の結果を得た。
【0031】全光線透過率89%、ヘーズ92%、光拡
散率20%でり、実施例1に比べ光拡散率が約5%劣る
ものであった。
【0032】
【比較例2】基板層(ロ)はA−1を100重量部とし
添加剤を加えず、アクリル系樹脂層(イ)の添加剤量を
15重量部、アクリル系樹脂を85重量部に変更した以
外は実施例1と同様に実施し、評価を行った。積層板の
全厚みは2.5mm、積層部の厚みは100μmであっ
た。
【0033】このシートから試験片を切り出し、全光線
透過率、ヘーズ、光拡散率を測定したところ以下の結果
を得た。全光線透過率81%、ヘーズ93%、光拡散率
26%でり、実施例1に比べ光拡散率及びヘーズは同等
であるが全光線透過率が6%劣るものであった。
【0034】
【実施例2〜5、比較例3〜7】球状架橋シロキサン系
樹脂微粒子として、実施例1に加えさらに、重量平均粒
子径6.0μm{東芝シリコーン(株)製、トスパール
2000B}(以下、B−2)、重量平均粒子径4.0
μm{積水化学工業(株)製、テクポリマーSBX4}
(以下、B−3)、重量平均粒子径50μm{積水化学
工業(株)製、テクポリマーMBX50}(以下、B−
4)を用い、配合量を変えた他は実施例1と同様に実施
し、評価を行った。結果を表1にまとめて示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本願発明のクリスタル調磨りガラス外観
のアクリル系樹脂積層板は、クリスタルガラスの透明風
合と磨りガラスの重厚な風合を兼ね備えたアクリル系樹
脂積層板であり、熱成形を行ってもその風合が損なわれ
ず、添加物を多量に加えることによる欠点を防止するの
は言うまでもなく、特定組成の二層以上の層構造を施す
ことにより、全光線透過率の低下を極力押さえ、光拡散
率のみを効果的にアップさせたクリスタルガラスの透明
風合と磨りガラスの重厚な風合を兼ね備えたアクリル系
樹脂積層物である。
【0037】従って、本願発明のクリスタル調磨りガラ
ス外観のアクリル系樹脂積層板は、高齢化社会到来等2
1世紀に向けて注目される安全性の確保、軽量化の推進
において硝子代替素材として照明器具カバー、各種看
板、目隠し衝立等の用途に好適に用いられるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04 // B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂層(イ)が基板層(ロ)
    の片面または両面に積層されている積層板において、上
    記アクリル系樹脂層(イ)がアクリル系樹脂(A)99
    〜70重量%と該アクリル系樹脂との屈折率差の絶対値
    が0.02〜0.2でかつ平均粒子径が1〜100μm
    である球状微粒子(B)1〜30重量%とが配合されて
    なり、上記基板層(ロ)がアクリル系樹脂(C)99.
    995〜99重量%に該アクリル系樹脂との屈折率差の
    絶対値が0.02〜0.2でかつ平均粒子径が1〜10
    0μmである球状微粒子(D)0.005〜1重量%と
    が配合されてからなることを特徴とするクリスタル調磨
    りガラス外観のアクリル系樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 球状微粒子(B)及び(D)が架橋シロ
    キサン系樹脂微粒子および/または架橋スチレン系樹脂
    微粒子であることを特徴とする請求項1記載のクリスタ
    ル調磨りガラス外観のアクリル系樹脂積層板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクリスタル調磨り
    ガラス外観のアクリル系樹脂積層板を用いた照明カバ
    ー。
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