JPH11219918A - 化学蒸着装置 - Google Patents

化学蒸着装置

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JPH11219918A
JPH11219918A JP3396998A JP3396998A JPH11219918A JP H11219918 A JPH11219918 A JP H11219918A JP 3396998 A JP3396998 A JP 3396998A JP 3396998 A JP3396998 A JP 3396998A JP H11219918 A JPH11219918 A JP H11219918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理基板に対してシールド板を配置し両者の
隙間から不活性ガスを導入して原料ガスを基板裏面等へ
の侵入を制御した化学蒸着装置において、不活性ガスの
拡散する領域を従来よりも狭い範囲に限定し、歩留まり
を向上させる必要領域を確保する。 【解決手段】 内部が減圧状態に保持された基板処理室
10と、基板処理室内で基板11を支持する基板支持機構12
と、基板処理室に原料ガスを導入するガス導入機構13
と、基板の周縁部で原料ガスが反応するのを防ぐシール
ド板51を備え、シールド板と基板の間に隙間31が形成さ
れ、隙間に原料ガスと反応しない不活性ガスが周縁部か
ら基板中央部へ流れるように構成される。さらにシール
ド板51には複数の孔52が設けられ、これらの複数の孔に
よって、不活性ガスの流れの一部が基板中央部から遠ざ
かって流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学蒸着装置に関
し、特に、処理すべき基板の周縁部から基板表面の中央
部に向かって不活性ガスを導入する機構を有する化学蒸
着装置において基板表面処理の均一性を向上させるシー
ルド板の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板に配線材料を成膜する装置として有
機金属を原料とした化学蒸着装置が知られている。Al
に次ぐ配線材料として最も有望視されているCuは、化
学蒸着装置(CVD(Chemical Vapor Deposition )装
置とも呼ばれる)による成膜が可能である。
【0003】Cu薄膜を成膜する化学蒸着装置の従来例
を図9に示し、その装置構成を簡単に説明する。この装
置は、内部を減圧状態に保持することが可能な基板処理
室10と、基板処理室10の内部に基板11を支持する
基板支持機構12と、基板処理室10に原料ガス(処理
ガス)を導入するガス導入機構13と、基板11の周縁
部に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構14と、
導入された不活性ガスを整流するシールド板15と、基
板11の温度を制御する基板温度制御機構16を備えて
いる。ガス導入機構13は、基板11に対向したシャワ
ーヘッド40に繋がっており、基板11の表面全体へガ
スを均一に供給する。図9において、20は原料ガス供
給系、21は不活性ガス供給系である。原料ガス供給系
20はバルブ22を備えた配管23を介してガス導入機
構13に接続されている。不活性ガス供給系21はバル
ブ24を備えた配管25を介して不活性ガス導入機構1
4に接続されている。また矢印30はガス(原料ガスと
不活性ガス)の流れを示している。基板処理室10の内
部へ導入されたガスは、図示しない排気機構によって排
気部26を通して外部へ排気される。ここで、基板処理
室10の内部を排気する排気機構、基板支持機構12に
基板11を搬送する基板搬送機構、基板処理室10の壁
温を制御する壁面温度制御機構、導入する原料ガスや不
活性ガスの流量を制御する流量制御機構、導入ガスの温
度を制御するガス温度制御機構、基板処理室10内部圧
力を制御する圧力制御機構等に関しては、本発明を説明
する上で重要ではないため、その図示および説明を省略
する。
【0004】本発明で特に重要なシールド板15に関し
て図10と図11を参照して説明する。図9に示した従
来の化学蒸着装置で使用されているシールド板15は、
図10と図11に示されるごとく、基板11と同心円上
に配置されるリング状部材であり、その内側縁部の半径
は基板11の半径よりも数mm狭い寸法となっている。
例えば、その半径方向の差L=2〜5mm、基板11と
シールド板15の隙間31の間隔W=0.2〜0.5m
mに設定されている。不活性ガス導入機構14から導入
された不活性ガスは、矢印30に示すごとくシールド板
15と基板11の間に形成された隙間31を通り、基板
11の周縁部から中央部に向って流れ、これにより基板
11の周縁部の原料ガス濃度を局部的に減少させてい
る。
【0005】次に、上記の化学蒸着装置の動作方法につ
いて、液体原料である[トリメチルビニルシリル]ヘキ
サフルオロアセチルアセトン酸塩銅(以下Cu(hfa
c)(tmvs)と略す)を利用した場合の成膜手順を
説明する。なお液体原料を気化させる気化器の構成に関
しては、本発明を説明する上で特に重要でないので、説
明を省略する。上記の化学蒸着装置を動作させるには、
図示しない基板搬送機構によって基板11を基板支持機
構12上に配置し、基板処理室10の内部を図示しない
排気機構により所要の真空状態にした後、基板支持機構
12内に配置された基板温度制御機構16により基板1
1を所定の温度とし、原料ガス供給系20から気化器に
よってCu(hfac)(tmvs)を気化させ、キャ
リアーガスと共にガス導入機構13を経由して基板処理
室10内に導入する。
【0006】上記において基板11の温度は150〜2
50℃、基板処理室10内の圧力は0.5〜50Tor
r、基板寸法がφ150mm程度の場合、Cu(hfa
c)(tmvs)の流量は0.05〜3g/min、キ
ャリアーガスの流量は20〜1000sccm、不活性
ガス流量は10〜500sccmとすることが望まし
い。キャリアーガスとしては例えばH2 が、また不活性
ガスとしては例えばArなどの希ガスが一般的に使用さ
れる。以上の一連の処理を行うことにより、基板11上
にCuが成膜される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の化学蒸着装置で
一般的に基板の側面や裏面に目的とする成膜をさせたく
ない場合には、通常、上記のごとく、基板11の周縁部
に不活性ガスを導入し、成膜に寄与するガス分子の濃度
を局所的に下げる方法が利用されている。成膜に寄与す
るガス分子は原料ガスそのものである場合もあるが、一
般的には気相中の反応で生じた中間体と呼ばれるガス分
子である場合が多い。以下の説明では中間体も含めて原
料ガスと呼ぶことにする。
【0008】さらに、上記のごとく化学蒸着装置によっ
て成膜される膜がCuである場合には、Cuは基板の材
料であるSi中に拡散し易いので、拡散を防ぐバリア膜
が通常堆積していない基板の側面や裏面に成膜すると、
基板中に拡散したり、基板裏面の平面性を損なう等の問
題が生じる。そのため、基板の周縁部に不活性ガスを供
給することによって、基板の側面や裏面にCuが成膜す
ることを抑制することが必須となる。
【0009】しかし、化学蒸着装置において不活性ガス
導入機構14とシールド板15の構成に基づいて不活性
ガスを基板11の周縁部に導入すると、基板面上に成膜
するCuの面内均一性が悪化するという問題を提起す
る。これは、導入された不活性ガスが基板周縁部近傍で
広く拡散しCuの成膜速度を減少させてしまうため、成
膜速度の均一性のよい領域が基板中央部でしか得られな
いことが原因となっている。成膜速度の遅い領域が広が
ると、デバイスとして利用できる面積が狭くなり、歩留
まりが悪化する。従来の化学蒸着装置の場合、シールド
板15の内側半径よりも5〜10mm程度内側まで成膜
速度の遅い領域が発生し、基板面内分布の良好な領域が
狭いために、非常に歩留まりを悪くしていた。
【0010】本発明の目的は、上記問題を解決すること
にあり、処理基板に対してシールド板を配置し両者の隙
間から不活性ガスを導入して原料ガスの基板裏面等への
侵入を制御した化学蒸着装置において、不活性ガスの拡
散する領域を従来よりも狭い範囲に限定し、歩留まりを
向上させる必要領域を確保する化学蒸着装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係る化学蒸着装置は、上記目的を
達成するため、内部が減圧状態に保持された基板処理室
と、基板処理室内で処理基板を支持する基板支持機構
と、基板処理室に処理ガスを導入するガス導入機構と、
処理基板の周縁部で処理ガスが反応するのを防ぐシール
ド板を備え、シールド板と処理基板の間に隙間が形成さ
れ、隙間に処理ガスと反応しない不活性ガスが周縁部か
ら基板中央部へ流れるように構成され、さらに、シール
ド板に複数の孔を設け、これらの複数の孔によって、不
活性ガスの流れの一部が基板中央部から遠ざかって流れ
るように構成される。
【0012】上記の本発明では、処理ガスが基板の周縁
端部および裏面に回りこむのを防止するため基板周縁部
から基板中央部に向かって流される不活性ガスを、すべ
て基板中央部に流すのではなく、一部を流し、残りの不
活性ガスは複数の孔によって基板中央部から遠ざかる方
向に流すようにした。これにより、基板上の成膜範囲を
拡大し、歩留まりを高くする。
【0013】第2の本発明(請求項2に対応)に係る化
学蒸着装置は、上記第1の発明において、シールド板は
リング状であり、複数の孔は、処理基板の周縁部に沿っ
て配置されたシールド板の内側縁部に沿って形成され
る。シールド板と基板の間に形成された隙間を通って導
入される不活性ガスは、シールド板の内縁部に沿って形
成された複数の孔で2つの方向に分離される。
【0014】第3の本発明(請求項3に対応)に係る化
学蒸着装置は、上記第1または第2の発明において、孔
を通って流れる不活性ガスの流量は、基板中央部に向か
って流れる不活性ガスの流量よりも多いことを特徴とす
る。基板上の成膜範囲を最適に設定するためには、孔を
通る不活性ガスの流量を基板中央部に向かって流れる不
活性ガスの流量よりも多いことが好ましい。
【0015】第4の本発明(請求項4に対応)に係る化
学蒸着装置は、上記の各発明において、孔の出口側開口
部がシールド板の内側縁部よりも離れるように形成され
ている。これにより、不活性ガスの流量を増したときに
も、上部へ吹き出した不活性ガスの影響を最小にするこ
とができる。
【0016】第5の本発明(請求項5に対応)に係る化
学蒸着装置は、上記の各発明において、上記処理基板の
上側に、ガス導入機構によって基板処理室内へ導入され
た処理ガスを整流するガス導入ガイドが設けられたこと
を特徴とする。上記シールド板は、ホルンストリームと
呼ばれるガス導入ガイドと組み合わせて用いることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0018】本実施形態を示す各図面で、各構成部品
は、本発明を理解できる程度に、その形状、大きさ、お
よび配置関係を概略的に示してある。また各図面におい
て同様な構成要素については同一の番号を付し、その重
複する説明を省略することもある。なお以下の説明中で
挙げる数値的条件は、本発明の範囲内の好適例にすぎ
ず、従って本発明はこれらの条件にのみ限定されるもの
ではない。
【0019】本発明に係る化学蒸着装置の基本的構成の
概略は、例えば図9に示した従来装置と同じであるの
で、従来技術の欄で述べた前記説明を参照し、ここでは
詳細説明を省略する。本発明による化学蒸着装置はシー
ルド板の形態に特徴がある。当該シールド板51は図1
〜図3を参照して詳述される。図1はシールド板51の
平面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は本
発明に係る化学蒸着装置における基板周縁部の付近の部
分縦断面図を示している。
【0020】化学蒸着装置において、基板支持機構12
の上面に配置された基板11に対して、基板11の周縁
部に沿って本実施形態によるシールド板51が配置され
る。シールド板51はリング形状を有し、シールド板5
1の内径は基板11の直径よりも小さくかつシールド板
51の外径は基板11の直径よりも大きくなっている。
シールド板51は基板11の上側に位置し、シールド板
51の内縁部と基板11の周縁部は隙間31が形成され
た状態で重なっている。さらに本実施形態によるシール
ド板51では、内縁部51aに沿って例えば8個の円弧
状の孔52が等間隔で形成されている。図示された孔5
2の形状は長孔であるが、この形状に限定されない。ま
た孔52の個数や間隔も図示されたものに限定されな
い。
【0021】上記のごとくシールド板51に孔52を設
けることにより、基板11とシールド板51の間の隙間
31を基板中央部に向かって流れる不活性ガスにおい
て、その一部が基板11の中央部から遠ざかる方向へ流
れるようにした。この場合に、シールド板51に設けら
れた孔52を通って流れる不活性ガスの流量は、基板1
1の中央部に向って流れる不活性ガスの流量よりも多く
なるように構成される。図3では各寸法L0 、L1 、L
2 、L3 、L4 、L5 、H、Wが示される。ここで、L
0 は基板11とシールド板51の重なり部の径方向の距
離、L1 とL4 はシールド板51の内側端から孔52ま
での径方向の距離、L2 は孔52の下側開口部(入り口
側開口部)の径方向の距離、L3 はL0 からL1 +L2
を引いた距離、L5 は孔52の上側開口部(出口側開口
部)の径方向の距離、Wは隙間31の距離、Hはシール
ド板51の先端部の厚みである。図3に示した各寸法の
関係に関してはW<L1 、W<L2 、L1 ≦L2 、L1
≦L4 、L2 ≦L5 、L4 ≦L5 であることが望まし
い。具体的寸法としては、例えば、L0 =3mm、W=
0.3mm、L1 =0.6mm、L2 =0.6mm、L
4 =0.6mm、L5 =1.0mm、およびH=2mm
に設定される。
【0022】上記シールド板51を備えた化学蒸着装置
の動作は従来の化学蒸着装置の場合と同じである。装置
の動作説明は省略する。プロセス条件としては、基板1
1の温度は150〜250℃、基板処理室10の内部圧
力は0.5〜50Torr、基板寸法がφ150mm程
度の場合、Cu(hfac)(tmvs)の流量は0.
05〜3g/min、キャリアーガスの流量は20〜1
000sccm、不活性ガスの流量は20〜1000s
ccmとすることが望ましい。キャリアーガスとしては
例えばH2 が、また不活性ガスとしては例えばArなど
の希ガスが一般的に使用される。なお従来装置の成膜条
件と比較して、不活性ガスのガス流量のみ従来よりもや
や多く流す点を除き、同様である。以上の条件において
従来と同様の処理を行うことにより、基板上にCuを成
膜することが可能である。
【0023】本実施形態による化学蒸着装置によって成
膜を行った場合の基板面内の成膜速度分布53と、従来
の化学蒸着装置により成膜を行った場合の基板面内の成
膜速度分布54を図4に示す。図4において、横軸は基
板11の中心(O)からの距離(任意単位)を意味し、
縦軸は成膜速度(任意単位)を意味している。横軸で5
5は基板11の端部である。図4のグラフから明らかな
ように、本実施形態の装置に基づく成膜速度の基板面内
分布53の良好な範囲53aが、従来装置の成膜速度の
基板面内分布54の良好な範囲54aよりも広がり、歩
留りの低下を防ぐことが可能となった。
【0024】一般に、ガス分子の拡散の度合いは相互拡
散係数に比例し、流速(V)と流路の長さ(L)に反比
例する。圧力や温度が一定とみなせる場合、相互拡散係
数は装置内部で一定とみなせる。従って、従来のシール
ド板15を用いた場合、基板の側面と裏面への原料ガス
の拡散を抑制するには、基板と基板支持機構の間の隙間
31を流れる不活性ガスの流速を増やすことと、隙間3
1の長さ(径方向の長さL0 )を長くする方法が考えら
れる。不活性ガスの流量を増やすことによってガス流速
を上げることは可能であるが、その場合、不活性ガスが
より勢いよくシールド板15の内側から流れ出すため、
結果として成膜速度が遅くなる領域を広げることにな
る。また隙間31の長さを単純に長くすることは、シー
ルド板が基板を覆う面積(重なり合う面積)を増やすこ
とになるため、やはり成膜速度の基板面内均一性の向上
に対する効果が得られない。
【0025】本実施形態による化学蒸着装置では、基板
11の側面近傍においては、Cuの成膜速度を実質的に
零にできるだけの流速を確保しつつ、シールド板51の
内側から基板中心部に向かって吹き出す不活性ガスの流
速を遅くすることができる構造となっている。この理由
を、ガスの流速に注目し、図5と図6を参照して従来の
装置構成と本実施形態による装置構成の違いを比較しな
がら説明する。
【0026】まず始めに、図5を参照しながら、従来装
置の場合におけるシールド板15と基板11との隙間3
1を流れるガスの平均流速V0 について考える。なお図
5は、説明を簡単にするために、構造を簡略化してあ
る。不活性ガスの流量をQ0 、シールド板15と基板1
1の間の隙間31によって形成される流路の平均的な断
面積をS0 、ガス密度をρとする。ここで、不活性ガス
は半径方向の外側から内側へ流れるため、流路の断面積
は一定ではなく、基板11の半径Rの地点よりも、シー
ルド板15の内側(RよりL0 だけ内側)の地点で小さ
くなる。ただし、その割合は(L0 /R)の程度であ
り、L0 がRと比較して十分小さいので、流路の断面積
はほぼ一定とみなすことができる。そこで以下の説明で
は、L0 の範囲における平均的な断面積をS0 として取
扱うことにする。また基板周縁部近傍の圧力も厳密には
一定ではないが、本発明の要点を説明する上で圧力分布
の差はそれほど重要ではないため、以下の説明では圧力
や密度は一定であると仮定する。このとき、上記の流
量、密度、流速、および流路の断面積の間には次の関係
が成り立つ。
【0027】
【数1】Q0 =ρ×V0 ×S0 …(1)
【0028】次に、図6を参照しながら、本実施形態に
よる装置の場合について同様の関係式について考える。
シールド板51と基板11の隙間31に関して、幅L1
の範囲の平均流速をV1 、流路の平均的な断面積を
0 、流量をQ1 とすると、次のの関係が成り立つ。
【0029】
【数2】Q1 =ρ×V1 ×S0 …(2)
【0030】同様に、幅L3 の範囲の平均流速をV3
流路の平均的な断面積をS0 、流量をQ3 とすると、次
の関係が成り立つ。
【0031】
【数3】Q3 =ρ×V3 ×S0 …(3)
【0032】さらに、シールド板51に設けられた孔5
2を流れるガスの平均流速をV2 、流路の断面積を
2 、流量をQ2 とすると、次の関係が成り立つ。
【0033】
【数4】Q2 =ρ×V2 ×S2 …(4)
【0034】前述の各流量についてQ3 =Q1 +Q2
(5)の関係が成り立っている。コンダクタンスは一般
に断面積に比例することから、次の関係が成り立つ。
【0035】
【数5】 Q1 =(S0 /(S0 +S2 ))×Q3 …(6) =ρ×V3 ×(S0 2 /(S0 +S2 )) …(7)
【0036】ガス分子の拡散の度合いは、先に述べたよ
うに流速と流路の長さに反比例することから、基板11
の周縁部(端部)の流速V3 を従来装置の場合の流速V
0 の比べて(L0 /L3 )倍にすることにより、従来装
置で得られていた程度に、基板側面へのCuの成膜を抑
制することができる。この条件を満足するためには、基
板周縁部の速度V3 は、V3 =(L0 /L3 )×V0
(8)程度に速くなっていれば良い。(8)式を(7)
式に代入して整理すると、下記の式を得ることができ
る。
【0037】
【数6】 Q1 =ρ×V0 ×(L0 /L3 )×(S0 2 /(S0 +S2 ))…(9) =k×ρ×V0 ×S0 …(10) =k×Q0 …(11) ここで、 k=(S0 /(S0 +S2 ))×(L0 /L3 ) …(12)
【0038】(11)式によれば、k<1の場合、Q1
<Q0 であることが分かる。この場合、シールド板51
の内側から基板11の中央部に向けて吹き出す不活性ガ
スの勢いは、従来装置と比較して弱いため、成膜速度の
低減する領域が減少する。従って、k<1を満足するよ
うにS2 やL3 が選ばれれば、基板側面にCuが成膜す
るのを抑制しつつ、成膜速度の基板面内分布の均一性を
向上させることが可能となる。
【0039】前述した本実施形態の条件では、(L0
3 )が約1.7であることから、およそ(S0 /(S
0 +S2 ))<0.6であれば、k<1が満足されるこ
とになる。そのためには、およそS2 >S0 であればよ
いことが分かる。
【0040】なお(8)式を満足するために、不活性ガ
スの流量を増やす必要が生じる。本実施形態の場合には
およそ1.7倍の流量を流せばよい。なおkの値を1よ
り十分小さい条件にすることにより、本発明の効果が高
められることは容易に予想できることであり、本発明の
構成が前述の条件にのみに限定されるものではないこと
は明らかである。
【0041】また本実施形態では、シールド板51に設
けられた孔は8箇所に分けられているが、前述の通り、
実質的に上記の条件を満足する限り、孔の数や形状が限
定されるものではない。
【0042】図7は、本発明に係る化学蒸着装置の他の
実施形態を示し、図3に対応する図である。装置全体の
構成の概略は従来装置と同様であるので、説明を省略す
る。本実施形態の場合には、シールド板51に設けられ
た孔52の上側開口部(出口側開口部)52aの位置
が、前述の実施形態による装置に比べて、シールド板5
1の内側縁から遠くなっている。孔52の下側開口部
(入り口側開口部)52bの位置は前述の実施形態と実
質的に同じである。また好ましくは上側開口部52aは
下側開口部52bよりも大きくなるように形成されてい
る。前述の実施形態で説明された(8)式の関係、およ
び(12)式で与えられるkがk<1となる条件を満足
するように構成されている。このような構成にすること
により、基板側面へのCuの成膜を抑制しつつ、成膜速
度の基板面内分布を向上させることができることは、上
記実施形態において説明した通りである。さらにこの実
施形態によれば、上記実施形態と比較して、ガス流量を
増やした場合においても、シールド板51の孔52を通
ってシールド板の上側に吹き出した不活性ガスの影響を
最小限に抑えることができるという利点を有している。
すなわち、上記実施形態の場合と比較して、成膜速度の
基板面内均一性をさらに向上できる。
【0043】前述の各実施形態では、本発明に係る化学
蒸着装置の特徴部であるシールド板とそれに関連する構
成部分についてのみの説明を行った。前述のごとく、シ
ールド板51は、図9で示した従来の化学蒸着装置に使
用されることが前提である。しかしながら、シールド板
51が用いられる化学蒸着装置はこれに限定されるもの
ではない。図9に示した化学蒸着装置では基板処理室1
0内に原料ガスを供給する装置としてガス導入機構13
に繋がるシャワーヘッド40を備えているが、シャワー
ヘッド以外の装置を備える化学蒸着装置に、上記シール
ド板51を備えた不活性ガス導入機構を設けることがで
きるのは勿論である。例えば本出願人は先に、基板処理
室に原料ガスを供給する機構としてホルンストリームと
呼ばれるガス導入ガイドを備えた化学蒸着装置(CVD
装置)を提案した(特願平9−293230号)。当該
ガス導入ガイドは、基板処理室に導入された原料ガスが
基板の成膜面上で所望の流れの状態を作り出すように、
原料ガスを整流する働きを有するものである。このよう
なガス導入ガイドを備えた化学蒸着装置において、本発
明に係るシールド板を用いることができるのは勿論であ
る。
【0044】図8に、上記ホルンストリーム型ガス導入
ガイドを備えた化学蒸着装置に上記シールド板51を用
いた構成例を示す。図8に示されるように、排気系61
を備えた基板処理室60において、その下部に基板支持
機構12が設けられている。この基板支持機構12の上
には処理対象である基板11が配置され、基板11の周
囲には前述のシールド板51が配置されている。62は
基板導入口である。基板処理室60において、基板支持
機構12の上方には、ガス導入ガイド63が配置されて
いる。ガス導入ガイド63は、上端部にガス導入口63
aを有し、ガス導入口63aから下側部分にホルン形状
のガス整流部63bを備えている。ガス導入ガイド63
の下部開口部は基板11に臨んでいる。ガス導入口63
aは、ガス導入継手64を介してガス導入配管65に接
続されている。ガス導入配管65はさらに原料ガス供給
系70に接続されている。原料ガス供給系70は原料容
器71と気化器72等から構成される。73は温度制御
機構である。
【0045】ガス導入ガイド63には温度制御機構81
が付設される。またガス導入ガイド63の周囲には、ガ
ス導入ガイド63を所定位置に固定するための取付機構
85が設けられる。温度制御機構81は、加熱用ヒータ
82と冷却用冷媒の流通路83と温度センサ84から構
成される。また取付機構85にも、加熱用ヒータ86と
冷却用冷媒の流通路87と温度センサ88からなる温度
制御機構89が付設されている。さらに、基板処理室6
0の外側にも、ヒータ92と温度センサ93からなる温
度制御機構91が付設されている。温度制御機構81,
89,92によってガス導入ガイド63と取付機構85
と基板処理室60の温度が所要温度に保持される。
【0046】原料ガスが、原料ガス供給系70からガス
導入配管65とガス導入ガイド63等を通して基板11
の前面空間に供給されると、基板11の表面近傍等で化
学反応が生じ、基板表面に薄膜が堆積される。このと
き、前述したシールド板51の作用に基づき基板11の
周縁部から中心部に向かって適量の不活性ガスが供給さ
れ、前述のごとく基板上で適切な範囲で薄膜が堆積され
る。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、化学蒸着(CVD)により基板の表面にCuを成
膜し基板の上側周縁部にシールド板を配置し、基板とシ
ールド板の間の隙間を通して不活性ガスを流し、基板の
端部と裏面への成膜を防止した化学蒸着装置において、
シールド板に所要の孔を形成し不活性ガスを部分的に基
板中央部から遠ざかるように流すように構成したため、
従来装置に比較し、基板周縁部にCuが成膜するのを抑
制しつつ、基板周縁部において成膜速度が遅くなる範囲
を十分に狭くし、歩留まりを向上させるために必要な成
膜領域を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化学蒸着装置に使用されるシール
ド板の平面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本発明に係るシールド板の要部構造を示した縦
断面図である。
【図4】本発明による装置の基板面内分布特性と、従来
装置の基板面内分布特性を比較して示した図である。
【図5】従来装置のシールド板による不活性ガスの作用
を説明する部分断面図である。
【図6】本発明に係る装置のシールド板による不活性ガ
スの作用を説明する部分断面図である。
【図7】本発明に係る化学蒸着装置に使用されるシール
ド板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図8】ホルンストリーム型ガス導入ガイドを備えた化
学蒸着装置に対して本発明に係るシールド板を用いた他
の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】化学蒸着装置の全体構成を説明するための構成
図である。
【図10】従来の化学蒸着装置で使用されるシールド板
の平面図である。
【図11】図9におけるB−B線断面図である。
【図12】従来のシールド板の要部構造を示した縦断面
図である。
【符号の説明】
10 基板処理室 11 基板 12 基板支持機構 13 ガス導入機構 14 不活性ガス導入機構 15 シールド板 16 基板温度制御機構 40 シャワーヘッド 51 シールド板 52 孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が減圧状態に保持された基板処理室
    と、前記基板処理室内で処理基板を支持する基板支持機
    構と、前記基板処理室に処理ガスを導入するガス導入機
    構と、前記処理基板の周縁部で前記処理ガスが反応する
    のを防ぐシールド板を備え、前記シールド板と前記処理
    基板の間に隙間が形成され、前記隙間に前記処理ガスと
    反応しない不活性ガスが前記周縁部から基板中央部へ流
    れるように構成された化学蒸着装置において、 前記シールド板に複数の孔を設け、これらの複数の孔に
    よって、前記不活性ガスの流れの一部が前記基板中央部
    から遠ざかって流れるようにしたことを特徴とする化学
    蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記シールド板はリング状であり、前記
    複数の孔は、前記処理基板の周縁部に沿って配置された
    前記シールド板の内側縁部に沿って形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の化学蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記孔を通って流れる前記不活性ガスの
    流量は、前記基板中央部に向かって流れる前記不活性ガ
    スの流量よりも多いことを特徴とする請求項1または2
    記載の化学蒸着装置。
  4. 【請求項4】 前記孔の出口側開口部が前記シールド板
    の内側縁部よりも離れるように形成されたことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学蒸着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記処理基板の上側に、前記ガス導入機
    構によって導入された前記処理ガスを整流するガス導入
    ガイドが設けられることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の化学蒸着装置。
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