JPH11218514A - 窒素酸化物及び酸素検出センサ - Google Patents

窒素酸化物及び酸素検出センサ

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JPH11218514A
JPH11218514A JP10034166A JP3416698A JPH11218514A JP H11218514 A JPH11218514 A JP H11218514A JP 10034166 A JP10034166 A JP 10034166A JP 3416698 A JP3416698 A JP 3416698A JP H11218514 A JPH11218514 A JP H11218514A
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英昭 高橋
Keiichi Saji
啓市 佐治
Katsuji Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素酸化物と酸素を同時に検出することがで
きるセンサを提供する。 【解決手段】 多孔質基板6上に窒素酸化物検知セル
(NOセル)と酸素検知セル(O2 セル)とからなる検
知部が形成されたセンサ素子を備えた窒素酸化物及び酸
素検出センサであって、前記窒素酸化物検知セルは、陽
極8,ZrO2 電解質9,陰極11(白金電極)が順次
積層されてなり、前記酸素検知セルは、陽極7,ZrO
2 電解質9,陰極11(白金−金電極)が順次積層され
てなる窒素酸化物及び酸素検出センサ。本センサは構成
が単純で作製が容易であり、本センサを用いることによ
り、窒素酸化物及び酸素が混在する被測定ガスから選別
性良く窒素酸化物(例えばNO)を検出することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラー,自動車
等から排出される燃焼排気ガス、更には生活環境雰囲気
中に含まれるO2 ガス及びNOガスを、他のガスの影響
を受けることなく選別して高精度に検出することができ
ると共に、著しく小型化が可能な窒素酸化物及び酸素検
出センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】被測定ガス中のガス成分やその濃度を測
定するために各種の測定法及び測定装置が提案され、又
は実用化されている。その中でも、測定精度及び信頼性
が高いガス分析法として、赤外吸収を利用する測定法が
ある。例えばO2 ,NOx ,SOx ,CO2 ,H2 O等
の酸素結合ガスは赤外線領域に固有の吸収スペクトルを
示すので、ガス成分に応じた特有の吸収波長が存在し、
その波長における吸光度から各ガス成分の濃度を測定す
ることができる。しかし、赤外吸収を利用する測定法で
は測定装置が大型となり、それ故、例えば自動車の排気
管のような微小空間内のガス分布の測定に用いることは
困難である。また、赤外吸収を利用する測定法以外の他
の測定法として、固体電解質の両端にガス濃度の差が生
じると、ガス濃度の差に応じた起電力が発生する原理を
利用した測定法もある。例えば、ZrO2 (ジルコニ
ア)電解質からなるペレットの両端に電極を設けて、一
方の電極側を一定の酸素濃度(例えば大気)にして基準
極とし、他の電極を測定極とすると、ネルンストの式に
基ずく酸素濃度の濃淡に応じた起電カが発生する。この
方法にて、酸素ガスはもとよりNOx ,SOx ,C
2 ,H2 Oの各ガスを測定することができる。ZrO
2 電解質を用いるガス成分の測定法は、目的とするガス
以外の他のガスの影響を比較的受けにくいことから優れ
た測定法であるが、個々のガス基準極を必要とするため
にセンサ素子の構造が複雑になるという欠点がある。
【0003】ZrO2 電解質を用いるガス成分の測定法
における前記の欠点を解決するための方法も提案されて
いる。すなわち、ZrO2 電解質は酸素を一方の電極か
ら他方の電極へ排出する酸素ポンプ作用があるので、Z
rO2 電解質を用いて、前記の酸素ポンプ作用によって
流れる電流から雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素濃度
測定法がある。この測定法を用いると、以下の原理に基
づいて酸素結合ガスの濃度を測定することができる。酸
素結合ガスを低酸素分圧の下で分解温度まで加熱すると
酸素結合ガスの分解によってO2 ガスが生成する。そこ
で、生成したO2 ガスをZrO2 電解質に取り込み、陰
極から陽極に移動させて放出し(酸素ポンプ作用)、そ
の時に流れる電流値から酸素結合ガスの濃度を測定す
る。よって、この方法で得られる出力は酸素結合ガスの
濃度に対応した出力となることから、リニアな出力とな
る。しかし、酸素結合ガスの中でNOx ガスはO2 ガス
とほぼ同じ特性を示すので、O2ガスと分離してNOx
ガスを測定することは困難である。
【0004】ZrO2 電解質からなるセンサ素子を用い
てO2 ガスとNOx ガスが混在した被測定ガス中のNO
x ガスを測定する方法として、特開平8−271476
号公報には、ZrO2 電解質からなるセンサ素子に設け
る電極の材料を変えることにより電極近傍におけるNO
x ガスの分解条件を変えると共に、NOx ガスの測定の
障害となる酸素を排除し、その後、残留しているNOx
ガスをN2 ガスとO2ガスに分解し、分解によって生じ
たO2 ガスの酸素ポンプ作用にて流れる電流値からNO
x ガス濃度を測定する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−27147
6号公報に記載された方法においても、O2 ガスとNO
x ガスが混在した被測定ガス中のO2 ガスを実質的に無
視し得る程度に除去した後でなければNOx ガスを測定
することができない。このように、従来技術における固
体電解質の特性を利用したガス成分の測定法も、また、
他の何れのガス成分の測定法も、基本的には単一成分の
ガスを測定する方法であり、多成分のガスの各成分を測
定するためには、個々に測定条件を変える必要がある。
しかしながら、多成分からなる被測定ガスを実際に測定
する場合には、被測定ガス中に含まれる複数のガスを同
時に測定したい場合が多い。そこで、これまでは単一ガ
スを測定する各種のガスセンサを被測定ガス雰囲気中に
挿入して、各ガスセンサの信号から雰囲気中のガス成分
とその濃度を測定していた。そのため、被測定ガス中に
含まれる複数のガス成分及びその濃度を測定するために
測定装置が全体として大型化し、また、その構成が複雑
になると共に、測定に際して被測定ガスの雰囲気を乱す
等の問題があった。それ故、被測定ガス中の複数のガス
成分、とりわけO2 ガスとNOガス(NOx ガス中の主
成分)を簡便迅速に測定するために用いることができる
小型の測定装置が望まれていた。
【0006】本発明は前記従来技術の問題点を解決する
ためのものであり、その目的とするところは、窒素酸化
物及び酸素以外の他のガス,流速,温度の影響を受ける
ことなく同時に、連続的に、且つ応答性良く、O2 ガス
+NO2 ガス(NOx ガス中に少量含まれる),NOガ
スを測定することができる窒素酸化物及び酸素検出セン
サを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の窒素酸化物及び
酸素検出センサは、多孔質基板上に窒素酸化物検知セル
と酸素検知セルとからなる検知部が形成されたセンサ素
子を備えた窒素酸化物及び酸素検出センサであって、前
記窒素酸化物検知セルは、電極,酸素イオン伝導性固体
電解質,白金電極が順次積層されてなり、前記酸素検知
セルは、電極,酸素イオン伝導性固体電解質,白金−金
電極が順次積層されてなることを特徴とする。本発明の
センサを用いることにより、従来の方式、すなわち個々
のガスセンサにてガス成分,ガス濃度を測定することに
より同時に複数のガスを測定する方式の前記欠点を大幅
に改善することができる。
【0008】<基礎検討>一般に、酸素結合ガスは低酸
素分圧の雰囲気で加熱されると酸素及び酸素と結合して
いた他の成分に分解する。その分解速度がある一定の大
きさになる酸素分圧は各々の酸素結合ガスによって異な
る。また、ZrO2 電解質等の酸素イオン伝導性固体電
解質の両端に電極をつけて酸素結合ガスを含む雰囲気に
て電解質に電圧を印加すると、酸素ポンプ作用にて陰極
から陽極へ酸素が排出されると共に陽極から陰極へ電流
が流れるが、その酸素ポンプ作用の始まる電圧は個々の
酸素結合ガスによって異なる。例えば、図10に示す如
く、ZrO2 電解質(センサ素子;陽極=Pt電極,陰
極=Pt−Pd電極)を550℃に加熱し、N2 (N2
のみ),O2 (1%O2 /N2 ),NO(0.1%NO
/N2 ),CO2 (1%CO2 /N2 ),H2O(10
%H2 O/N2 ),NO2 (0.1%NO2 /N2 )の
各ガスの雰囲気で電解質に電圧を印加すると、O2 ,N
O,NO2 では電圧が0Vを越えたところから酸素ポン
プ作用に基づく電流が流れる。それに対して、H2 O,
CO2 では電圧が約1V近傍から酸素ポンプ作用に基づ
く電流が流れる。しかし、ガス分解にともなって酸素ポ
ンプ作用の始まる前記の電圧は、電解質に設ける電極
(特に、陰極)の材料によっても変わる可能性がある。
そこで、このような可能性を調べるために、電極(陰
極)材料を変えて、図11に示す素子を備えた限界電流
式センサを作製した。すなわち、多孔質基板1の一面に
電極2(陽極),ZrO2 電解質3,電極4(陰極)を
順次積層して検知部を構成し、また基板の他面にはPt
ヒータ5を設けた限界電流式センサを作製し、陰極の電
極材料と酸素結合ガスの分解によって酸素ポンプ作用の
始まる電圧(分解電圧)との関係を検討した。電極材料
としては、Pt,Pt−Pd(Pd1重量%を含む),
Pt−Rh(Rh10重量%を含む),Pt−Au(A
u1重量%を含む)の四種類の材料を用いた。結果を図
12に示す。図12から明らかな如く、電極材料の相違
によって各種酸素結合ガスの酸素ポンプ作用の始まる電
圧が変わる。特に、陰極の電極材料としてPt−Au
(Au1重量%を含む)を用いた場合、O2 に対する分
解電圧とNOに対する分解電圧とが充分に分離されてい
ることが判る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のセンサにおいて、窒素酸
化物検知セル及び酸素検知セルの固体電解質材料として
は酸化物イオン伝導性を示すものを使用することができ
る。具体的には、例えばジルコニウム系固体電解質(Z
rO2 −M2 3 固溶体又はZrO2−MO固溶体、M
=Y,Yb,Gd,Ca,Mgなど)、セリア系固体電
解質(CeO2 −M2 3 固溶体又はCeO2 −MO固
溶体、M=Y,Smなど)、酸化ビスマス系固体電解質
(Bi2 3 −WO3 固溶体など)を使用することがで
きる。排気ガス中での安定性の観点から、ジルコニウム
系固体電解質が好ましく、特に熱衝撃抵抗と酸化物イオ
ン伝導率との兼ね合いで、5〜8mol%のY23
固溶させたZrO2 が最も好ましい。
【0010】窒素酸化物検知セル及び酸素検知セルに設
ける二つの電極のうちの一方の電極(陰極)の材料とし
て、窒素酸化物検知セルでは白金を、酸素検知セルでは
白金−金を使用する。酸素検知セルの白金−金電極は、
白金に対して適量の金を添加した材料から形成されてよ
い。白金に金を添加することにより、NOガスに対する
感度を低下させることができるが、金の添加率が0.1
重量%未満では感度低下効果が充分ではなく、反対に金
の添加率が10重量%を越えると電極としての機能が低
くなり過ぎる。それ故、白金に対する金の添加量は、好
ましくは0.01ないし10重量%、特に好ましくは
0.1ないし3重量%である。
【0011】窒素酸化物検知セル及び酸素検知セルに設
ける二つの電極のうちの他方の電極(陽極)の材料は特
に限定されるものではないが、前記の一方の電極と組み
合わせて好適な性能を発揮し得る材料、例えば白金など
の貴金属を利用することができる。
【0012】本発明の窒素酸化物及び酸素検出センサに
おけるセンサ素子(窒素酸化物検知セル,酸素検知セ
ル)及び電極は、この分野における慣用の方法、例え
ば、焼成法(センサ素子),印刷法及びスパッタリング
法(電極)等により製造してよい。センサ素子(窒素酸
化物検知セル,酸素検知セル)及び電極の大きさや形状
は、本センサの大きさや形状に応じて適宜選択する。
【0013】本センサのセンサ素子の窒素酸化物検知セ
ルや酸素検知セルの上部及び/又は近傍には、必要に応
じて種々の機能を更に付与するために、固体電解質や電
極からなる構造を設けてもよい。窒素酸化物検知セル及
び酸素検知セルは多孔質基板の同一面上に設けても、異
なる面上に設けてもよいが、同一面上に設けると構成が
単純になるので好ましい。窒素酸化物検知セル及び酸素
検知セルの構成要素のうちで共通するものは共用するこ
とにより、又は、連続して形成することにより、センサ
素子全体の構成を単純化したり、又は、被測定ガスの移
動を容易にすることができる。例えば、窒素酸化物検知
セルと酸素検知セルとで固体電解質を共用してよく、ま
た、窒素酸化物検知セルの白金電極と酸素検知セルの白
金−金電極とは連続して形成してよい。
【0014】本発明の窒素酸化物及び酸素検出センサに
おける電圧源又は電流源としては、好適な直流電圧電源
又は直流電流電源を選択する。本発明のセンサを慣用の
電圧又は電流の極性の切り替え装置と組み合わせて使用
することもできる。前記電圧源,電流源,切り替え装置
を制御・管理したり、又は、センサ素子からの信号を処
理するために、パーソナルコンピューターなどの装置を
使用することができる。
【0015】本発明のセンサにおけるセンサ素子を更に
他の機能を有するセンサ素子、例えば水素センサ素子,
炭化水素センサ素子等と組み合わせて使用することもで
きる。機能を異にする複数のセンサ素子において、その
構成要素、例えば酸素イオン伝導性固体電解質や電極を
共有することができる場合には、一つの酸素イオン伝導
性固体電解質上に本発明のセンサのセンサ素子を含む複
数のセンサ素子を形成して更なる複合型センサを構成し
てもよい。
【0016】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。なお、以下の実施例の中には、比較・検討のた
めの比較例も含まれる。実施例1 :本発明のセンサの構造及び製造 1)本発明のセンサの構造 本発明の実施例1のセンサの断面図を図1に、上面図を
図2に示す。図1において、多孔質基板6の一面に酸素
検知セル(O2 セル)の陽極7(Pt電極),窒素酸化
物検知セル(NOセル)の陽極8(Pt電極),ZrO
2 電解質9,酸素検知セルの陰極10(Pt−Au電
極),窒素酸化物検知セルの陰極11(Pt電極),Z
rO2 電解質12,参照電極13(Pt電極)が順次積
層・形成されている。多孔質基板6の他面にPtヒータ
14が形成されている。また、酸素検知セルの陰極10
と窒素酸化物検知セルの陰極11とは連設されており、
被測定ガスは多孔性のPtリード線15より入り、多孔
性の陰極10,11を順次通過し得る。酸素検知セル
(O2 セル)側には、電源16,電圧計17,モニター
18が接続されており、また、窒素酸化物検知セル(N
Oセル)側には、電源19,モニター20が接続されて
いる。図2から、陰極10と陰極11とが連設されてい
ることが判る。 2)本発明のセンサの製造 多孔質アルミナ基板(寸法3×4×0.3mm)上に検
知部及びヒータ部を、以下の手順でRFスパッタ装置に
て作製した。その作製手順を図3に基づいて説明する。
多孔質基板にヒータ部を作製するために、マスクを多孔
質基板6上に乗せ、Pt電極材料を約3〜4μmの厚さ
で成膜してPtヒータ14を作製した。一方、他の一面
に検知部を形成するために、まず、陽極作製のためにP
t電極材料を約0.5μmの厚さで成膜して陽極7,8
を作製し、更にその上に、ZrO2 電解質9(ZrO2
+8mol %Y2 3 )を約7μmの厚さで成膜した。そ
してZrO2 電解質9上には、O2 セルを構成するため
の陰極としてPt−Au電極材料を用いて陰極10(膜
厚0.5μm)を作製し、更にNOセルを構成するため
の陰極としてPt電極材料を用いて陰極11(膜厚0.
5μm)を作製した。次に、その上に、ZrO2 電解質
12(ZrO2 +8mol %Y2 3 )を7μmの厚さで
成膜した。更にZrO2 電解質12上には、Pt電極材
料を0.5μmの厚さで成膜して参照電極13を作製し
た。なお、ここでは、図3のセンサ作製工程を説明した
が、これ以外にも、例えば当業者が多用している印刷技
術、更にはグリーンシート技術、焼結技術等の何れかの
他の方法により、本発明のセンサを作製してもよい。
【0017】実施例2:性能評価試験 I.基本特性の評価 実施例1の如く作製したセンサを用いて、以下の方法に
てO2 ガス,NOガスが検出できるかどうか検討した。 方法:図1に示す本センサのO2 セルの温度を720
℃,その時のセル抵抗を5.3kΩとし、また、NOセ
ルの温度を665℃、その時のセル抵抗を6kΩとする
ことにより両セルの抵抗をほぼ同じ値にした。そして、
2 ,NOセル単独のO2 ガス、NOガス濃度変化に対
する特性、更に、両セルを共に動作状態にしたときのN
O+O2 ガス中での特性を調べた。 <結果> I−1)NOセルに電圧を印加せず、O2 セルに電圧を
0.6V印加した場合のN2 −O2 (0〜5%)ガス変
化(O2 ガス濃度を0〜5%の範囲で変化させた,以下
同様)に対する出力電流特性、及びN2 −NO(0〜2
000ppm)ガス変化(NOガス濃度を0〜2000
ppmの範囲で変化させた,以下同様)に対する出力電
流特性を調べた。結果を図4(a),(b)に示す。図
4(a)から明らかなように、O2 ガスに対しては濃度
に対応した出力電流が得られるが、図4(b)から明ら
かなように、NOガスに対しては濃度が変化しても電流
は流れない。 I−2)NOセルに0.6Vの電圧を印加してI−1)
と同様にN2 −O2 (0〜5%)ガス変化に対する出力
電流特性、及びN2 −NO(0〜2000ppm)ガス
変化に対する出力電流特性を調べた。結果を図5
(a),(b)に示す。図5(a)から明らかなよう
に、O2 ガスに対しては図4(a)の場合と同様に濃度
に対応した出力電流が得られる。また、図5(b)から
明らかなように、NOセルでは、NOガス濃度に対応し
た出力電流が流れる。 I−3)O2 セルに0.6Vの電圧を印加し、更にNO
セルに0.4Vの電圧を印加した動作状態でN2 −O2
(5%)−NO(0〜2000ppm)ガス変化に対す
るNOセルの出力電流特性を調べた。結果を図6に示
す。NOセルでNOガス濃度に対応した出力電流が得ら
れることが明確に判る。それ故、図4,5,6から明ら
かなように、O2 ガス共存雰囲気においてもNOセルで
は微量のNOガスを検出することができる。
【0018】II.共存O2 ガスがNOセルの出力電流特
性に及ぼす影響の検討 O2 セルに0.6Vの電圧を印加し、NOセルに0.4
Vの電圧を印加した状態で共存O2 ガスをパラメータに
取り、NOセルのNOガス濃度変化に対する出力電流特
性を調べた。なお、NO2 ガスの影響もあるために、一
定濃度のNO2ガスも共存させた。すなわち、N2 −N
2 (1000ppm)−NO(0〜2000ppm)
−O2 (0〜5%)ガス変化に対するNOセルの出力電
流特性を調べた。結果を図7に示す。図7の結果によれ
ば、共存するO2 濃度によってNO濃度に対する出力電
流値が異なる。特に、O2 濃度が1%以下になるとNO
濃度の変化に対して電流出力がなくなる。このことは、
2 セルに0.6Vの電圧を印加すると、共存するO2
ガス,NO2 ガスのみが酸素ポンプ作用にて汲み出され
ているのではなく微量のNOガスも同時に汲み出されて
いると推定される。また、O2 濃度が高くなると、NO
濃度に対する出力電流値が大きくなるのはNOセルにO
2 ガスが微量漏れてNOガス出力が増加すると考えられ
る。そこで、O2 セルの陰極と参照電極問の起電力がガ
ス雰囲気が変化しても常に0.5VになるようにO2
ルに印加する電圧を制御して、前記の条件及び測定法に
て共存O2 ガスがNOセルの出力電流特性に及ぼす影響
を調べた。その結果を図8に示す。図8の結果から明ら
かなように、O2 セルの陰極と参照電極間の起電力が一
定になるように制御すると、共存するO2 ガスの濃度が
変化しても、NOセルの出力電流はNOガス濃度に対応
した出力を示す。
【0019】III )O2 セル及びNOセルに印加する電
圧条件の検討 本センサの検知部は電極端子の少ない単純な構造とする
ことができる。すなわち、他のガスに影響されることな
く、O2 セルでは被測定ガス中のO2 +NO2ガスを検
出し、NOセルではNOガスを検出するために、本発明
の実施例1のセンサでは3端子の電極にてO2 セルとN
Oセルが構成されている。そのため、O2 セル,NOセ
ルに印加する電圧条件の最適化を図ることが重要であ
る。そこで、以下のガス雰囲気〔N2 +O2 (5%)+
2 O(10%)+CO2 (5%)+NO(2000p
pm)混合ガス〕中でのNOガス濃度を測定するため
に、O2 セル及びNOセルに印加する最適電庄条件につ
いて検討した。結果を表1に示す。総合的な判定を○×
式で行った。なお、前記の検討をするにあたって、下記
の如く、O2 ,NOセルの抵抗が同一になるようにヒー
タ温度を変えて各セルを調整した。 O2 セル:温度680℃(抵抗5.3kΩ) NOセル:温度650℃(抵抗5.0kΩ) 表1の結果から、O2 セル、NOセルに印加する電圧条
件を適正に選ぶ必要があることが判った。すなわち、N
OセルとO2 セルでは電極材料が異なることから、NO
セルと電極の活性が異なるO2 セルでは、1V以上の電
圧を印加するとO2 ,NO,CO2 ,H2 Oガスを酸素
ポンプ作用にて排出する。よって、O2セルでは0.6
V程度の電圧印加にすればO2 ガスのみを、そしてNO
セルでは0.4V程度の電圧印加にすればNOガスのみ
を排出することができ、各セルに流れる電流からO2
ス濃度,NOガス濃度を測定できることが判った。
【0020】IV)O2 セルの電極材料におけるPtへの
Au添加率についての検討 本発明のセンサでは、O2 セルとNOセルを組み合わせ
ることにより、被測定ガス中のO2 +NO2 ,NOガス
のみを分離して計測することから、特に、O2セルに用
いる電極材料の組成が重要であり、充分に検討する必要
がある。先に、Pt電極とPt−Pd電極の組み合わせ
にて限界電流式センサを作製して各酸素結合ガスの分解
電圧について調べた結果について報告した(図10〜1
2参照)。そこでは、Ptのみ,Pt−Pd,Pt−R
h電極材料を用いた場合を比較して、PtにAuを混合
したPt−Au電極材料を用いた電極では、他の電極材
料を用いた場合に比べて、NOガスに対して約0.6V
も高い電圧にて分解が始まることを示した(図12参
照)。そこで、本検討においては、Ptに添加するAu
量の効果を更に詳細に調べるために、Au100%のタ
ーゲット、及びPtに添加するAu量を0.1%,1
%,10%と変えたPt−Auターゲットを準備して、
スバッタ装置にて電極を種々に変えた限界電流式センサ
を作製し、N2 にNOを2000ppm添加したガス雰
囲気での電流一電圧特性を測定した。なお、その時のセ
ンサ温度は600℃、ガス流量5リットル/分とした。
結果を図9に示す。図9から明らかなように、Auの添
加率の影響は大きく、Auを0.1%添加しただけで
も、Ptのみの電極に比較して、電流の流れ始める電圧
が高電圧側へ移行する。Auの添加率が更に増大するに
つれて、センサの抵抗も増大することが電流一電圧特性
から判る。よって、センサ抵抗、分解電圧等から考え
て、Ptに添加するAuの添加率としては0.01〜1
0%が有効と考えられる。
【0021】
【発明の効果】本発明の窒素酸化物及び酸素検出センサ
は、単一の多孔質基板上に窒素酸化物検知セルと酸素検
知セルとからなる検知部を慣用の製造方法により一体化
して形成することができるので、センサの構成が単純で
作製が容易である。また、本センサからの出力信号は限
界電流であり、一定の電圧を印加すれば被測定ガスの濃
度と出力電流が比例するので、低濃度から高濃度まで高
精度で被測定ガスを検出することができる。また、使用
に際して被測定ガスを酸素検知セル,窒素酸化物検知セ
ルの順に流すと、酸素濃度を被測定ガス流の上流側で検
知することになり下流側の酸素濃度を監視していること
となるので、下流側での窒素酸化物検知セルによる窒素
酸化物の検知における酸素濃度の影響を抑制することが
可能となる。このため、本発明のセンサを用いると、窒
素酸化物及び酸素が混在する被測定ガスから選別性良く
窒素酸化物(例えばNO)を検出することができる。更
に、本発明の窒素酸化物及び酸素検出センサは熱的及び
化学的に安定な材料から構成されているので、燃焼排気
ガス中での安定性に優れており、同時に、高温(例えば
700℃)でも使用できるため、排気管などの高温排気
ガス雰囲気に直接挿入することができる小型且つ軽量な
センサを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のセンサの断面図である。
【図2】図1のセンサの上面図である。
【図3】実施例1のセンサの作製手順を示す説明図であ
る。
【図4】実施例1のセンサの作動特性を示す図である。
【図5】実施例1のセンサの作動特性を示す別の図であ
る。
【図6】実施例1のセンサの作動特性を示す更に別の図
である。
【図7】実施例1のセンサにおいて、共存O2 ガスがN
Oセルの出力電流特性に及ぼす影響を示す図である。
【図8】実施例1のセンサにおいて、O2 セルに印加す
る電圧を好適に制御した場合の、共存O2 ガスがNOセ
ルの出力電流特性に及ぼす影響を示す図である。
【図9】限界電流式センサにおいて、O2 セルの電極材
料におけるPtへのAu添加率の出力電流特性に及ぼす
影響を示す図である。
【図10】限界電流式センサにおいて、種々のガスの雰
囲気での出力電流特性を示す図である。
【図11】限界電流式センサのセンサ素子の概略構成図
である。
【図12】図11のセンサにおける、陰極の電極材料と
酸素結合ガスの分解によって酸素ポンプ作用の始まる電
圧(分解電圧)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,6:多孔質基板 2,4:
電極 3,9,12:ZrO2 電解質 5,1
4:Ptヒータ 7,10:陰極 8,1
1:陽極 13:参照電極 15:P
tリード線 16,19:電源 17:電
圧計 18,20:モニター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基板上に窒素酸化物検知セルと酸
    素検知セルとからなる検知部が形成されたセンサ素子を
    備えた窒素酸化物及び酸素検出センサであって、 前記窒素酸化物検知セルは、電極,酸素イオン伝導性固
    体電解質,白金電極が順次積層されてなり、 前記酸素検知セルは、電極,酸素イオン伝導性固体電解
    質,白金−金電極が順次積層されてなることを特徴とす
    る窒素酸化物及び酸素検出センサ。
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CN100405050C (zh) * 2006-03-23 2008-07-23 广州杰赛科技股份有限公司 一种芯片及其含有这种芯片的双向串联片式氧传感器
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