JPH11218124A - 動圧軸受 - Google Patents

動圧軸受

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JPH11218124A
JPH11218124A JP1937398A JP1937398A JPH11218124A JP H11218124 A JPH11218124 A JP H11218124A JP 1937398 A JP1937398 A JP 1937398A JP 1937398 A JP1937398 A JP 1937398A JP H11218124 A JPH11218124 A JP H11218124A
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JP
Japan
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groove
positions
fixed shaft
dynamic pressure
bearing
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JP1937398A
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English (en)
Inventor
Sadaji Sada
貞二 佐田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストが低い動圧軸受を得る。 【解決手段】 固定軸22の外周面に、各々固定軸22
の軸方向両端部に位置すると共に固定軸22の円周方向
の略同一位置に軸方向長さが略同一の溝a及び溝bを加
工する。また、固定軸22の外周面の溝a及び溝bの円
周方向略180度ずれた位置でかつ軸方向の中心位置が
溝aの中心位置及び溝bの中心位置の略中央に位置する
溝cを加工する。この固定軸22を中心軸として回転体
を回転させた場合、溝の存在する部分では空気層が厚く
なって溝の存在しない部分に比較して圧力が低下するの
で、固定軸22の中心に対して偏心した楕円状の圧力分
布70となり、溝a乃至cによる圧力分布70に基づい
て発生する力により回転体は支持されて安定して回転す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受に係り、
より詳しくは、回転体を支持する動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームで原稿を走査して該原稿上の画
像を読み取る画像読取装置や、画像信号で変調された光
ビームにより記録媒体を走査して画像の記録を行う画像
記録装置等では、光ビームを偏向するための手段とし
て、複数の反射鏡面を外周に備えた回転多面鏡を高速で
回転させると共に該回転多面鏡の反射鏡面の所定位置に
光ビームを照射することにより、反射鏡面に対する光ビ
ームの入射角度を時間の経過と共に変化させて光ビーム
の反射鏡面による反射方向を変化させることが一般に行
われている。この場合、回転多面鏡を回転支持する手段
として、動圧軸受やボールベアリングが一般に用いられ
ている。
【0003】次に、図7乃至図10を参照して、回転多
面鏡を回転支持する手段として動圧軸受を使用した場合
の従来の画像記録装置の概略構成について説明する。
【0004】図7に示すように、この画像記録装置は、
光ビームとしてのレーザ光を発生するレーザ光発生器1
0を備えており、レーザ光発生器10からのレーザ光の
出射方向にはレーザ光を平行光とするコリメータレンズ
12及び複数(図7では8面)の反射鏡面14を外周に
備えた回転多面鏡16が順に配置されている。
【0005】図8の破断側面図に示すように、回転多面
鏡16の内周面は回転多面鏡固定用バネ20によって軸
受体としての円筒状の回転スリーブ18の外周面に固定
されており、回転スリーブ18は回転スリーブ18の中
空部分が、下端側が基台38に固定された円柱状の軸体
としての固定軸22に挿入された状態で設置されてい
る。ここで、回転スリーブ18の内径は固定軸22の外
径より若干大きくされている。従って、回転スリーブ1
8は、固定軸22を中心として回転可能とされている。
また、固定軸22の外周には軸方向に対して一定角度で
傾斜した複数のへリングボーン溝24が形成されてい
る。なお、本明細書では、回転スリーブ18及び固定軸
22により構成される部分を動圧軸受と称する。
【0006】回転多面鏡16の下面にはミラー台座26
が取り付けられており、ミラー台座26の上面にはバラ
ンス調整用溝28が穿設されており、バランス調整用溝
28の所定位置にはバランス調整部材30が設置されて
いる。また、ミラー台座26の上部側面にはスラスト軸
受用マグネット部32と駆動用マグネット部33とが一
体的に形成されて構成された軸受駆動マグネット31
が、ミラー台座26の下部側面にはFGマグネット34
が、各々取り付けられている。
【0007】なお、上記回転多面鏡16、回転スリーブ
18、回転多面鏡固定用バネ20、ミラー台座26、バ
ランス調整用溝28、バランス調整部材30、軸受駆動
マグネット31、及びFGマグネット34により構成さ
れる部分は、固定軸22を中心として一体的に回転可能
とされた部分であり、以降の説明ではこの部分を回転体
と称する。また、図8により示されている部分は、レー
ザ光を偏向するための部分であり、以降の説明ではこの
部分を光偏向器と称する。
【0008】一方、基台38の上面には、スラスト軸受
用マグネット部32の側面に対向するように磁性体36
が設置されており、スラスト軸受用マグネット部32と
磁性体36との各々の磁力作用により、回転スリーブ1
8は軸方向に上下動しないように支持されている。
【0009】また、基台38の上面には、コイルユニッ
ト部42、及び制御ユニット部44を備えた駆動制御回
路基板40が駆動用マグネット部33とコイルユニット
部42に設けられた複数の駆動用コイル46とが軸方向
に対向するように設置されている。
【0010】コイルユニット部42には上記駆動用コイ
ル46が設置されていると共に、図9に示すような櫛歯
状のFGパターン60が形成されている。なお、図9で
はFGパターン60の形状を明確に示すために駆動用コ
イル46の図示を省略している。また、所定の駆動用コ
イル46内には駆動用マグネット部33の磁力を検出す
ることにより回転体の位置を検出するホール素子48が
設置されている。
【0011】なお、図10に示すように、FGマグネッ
ト34はN極とS極とが交互に位置するように着磁がな
されており、FGマグネット34がFGパターン60の
上方に位置するように駆動制御回路基板40は位置決め
されている。
【0012】図7に示すように、回転多面鏡16による
レーザ光の反射方向には集光光学系54及び記録媒体と
しての感光体56が順に配置されている。
【0013】以上のように構成された画像記録装置にお
いて、画像を感光体56に記録する際には、まず、複数
の駆動用コイル46の各々に各々位相をずらした交流電
流を供給することによって駆動用マグネット部33と駆
動用コイル46との間に反発力及び吸引力を発生させ
て、所定の回転速度で図7矢印A方向に回転体を回転さ
せる。
【0014】この回転体の回転の際、固定軸22の外周
面にはへリングボーン溝が形成されているため、回転ス
リーブ18と固定軸22との間には数μmの空隙ができ
ると共に、該空隙には空気の圧力膜が形成される。この
圧力膜により回転体の軸方向と直交する方向への移動が
制限される。即ち、固定軸22と回転スリーブ18は、
回転体の軸方向と直交する方向への移動を制限するため
のラジアル軸受を構成している。
【0015】FGマグネット34には、上述したように
N極とS極とが交互に位置するように着磁がなされてい
るので、FGマグネット34が図10矢印A方向に回転
すると、FGマグネット34からの磁力線はFGマグネ
ット34と対向する位置にあるFGパターン60の半径
方向の直線部を次々と横切ることになる。この結果、F
Gパターン60の終端部には、交流信号(FG信号)が
発生する。このFG信号の周波数は、FGマグネット3
4の回転速度に比例しており、このFG信号に基づいて
回転体の回転速度の制御を行う。
【0016】回転体の回転を開始した後、レーザ光発生
器10(図7参照)から画像信号で変調されたレーザ光
を出射する。レーザ光発生器10から出射されたレーザ
光はコリメータレンズ12を介して回転多面鏡16の反
射鏡面14に入射された後、反射鏡面14により反射さ
れて集光光学系54を介して感光体56に投射される。
この際、回転多面鏡16は図7矢印A方向に回転してい
るので、レーザ光は徐々に反射方向が偏向され、感光体
56上を主走査する。1ライン分の主走査が終了する
と、感光体56を図7矢印B方向に1ラインピッチ分だ
け回転させることによって副走査を行う。以上の主走査
及び副走査を1画像のライン数に対応する回数だけ繰り
返して行うことにより、感光体56上には1画像分の画
像(潜像)が記録される。
【0017】このように、従来の画像記録装置等に用い
られる動圧軸受を構成する固定軸22には、固定軸22
と回転スリーブ18との隙間に空気の圧力を発生させ、
回転体を安定して支持する役割を有したへリングボーン
溝24を加工していた。
【0018】ところが、このへリングボーン溝24は、
一般にサンドブラスト処理によって加工されており、こ
のサンドブラスト処理ではサンドブラスト処理用マスク
を用いているため、該マスクの取り付け及び取り外しに
時間がかかり、動圧軸受の生産コストが高い、という問
題点があった。
【0019】サンドブラスト処理用マスクを用いずに、
旋盤、フライス盤、研削盤等の一般的な機械加工によっ
てへリングボーン溝を加工することも考えられるが、こ
の場合、曲面上に軸方向に対して傾斜した溝を加工する
必要があるため、サンドブラスト処理より生産コストが
高くなる場合があった。
【0020】このような問題点を解決し得る技術とし
て、特開昭58−163818号公報、及び特開昭63
−106416号公報に記載の技術があった。
【0021】特開昭58−163818号公報に記載の
技術は、軸体の外周面に、この軸体の軸方向に沿って平
行な複数の溝を設けるようにしたものであり、軸体にへ
リングボーン溝を加工する場合に比較して、溝をフライ
ス盤や研削盤等により容易に加工できるようにしたもの
である。
【0022】また、特開昭63−106416号公報に
記載の技術は、軸体の円周方向に広角、かつくさび状
で、軸方向と平行である複数の溝を設けるようにしたも
のであり、これによって動圧軸受として正逆の回転を可
能としたものである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭58−163818号公報、及び特開昭63−10
6416号公報に記載の技術では、軸体に対してへリン
グボーン溝の代りに軸方向に沿って平行な溝を設けてい
るため、非接触状態で安定して軸体を回転させるために
は軸体に多数の溝を形成する必要があり、このため動圧
軸受の生産コストが高くなる、という問題点があった。
【0024】本発明は、上記問題点を解消するために成
されたものであり、生産コストが低い動圧軸受を提供す
ることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の動圧軸受は、円筒状又は円柱状の軸体
及び円筒状の軸受体の何れか一方が回転することにより
発生する動圧によって、回転している一方を非接触状態
で支持する動圧軸受であって、前記軸体の外周面の円周
方向に略同一でかつ前記軸体の外周面の前記軸受体の内
周面に対向する領域内における軸方向両端部近傍の2個
所の位置と、前記2個所の位置に対して円周方向に略1
80度ずれかつ前記2個所の位置の軸方向略中央の1個
所の位置と、の3個所の位置を1組の位置として1組以
上の位置に溝又は平面部を軸方向に略平行に設けたもの
である。
【0026】請求項1記載の動圧軸受によれば、円筒状
又は円柱状の軸体及び円筒状の軸受体の何れか一方が回
転されることにより発生する動圧によって、回転してい
る一方が非接触状態で支持される。
【0027】ここで上記軸体は、軸体の外周面の円周方
向に略同一でかつ軸体の外周面の上記軸受体の内周面に
対向する領域内における軸方向両端部近傍の2個所の位
置と、該2個所の位置に対して円周方向に略180度ず
れかつ該2個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置
と、の3個所の位置を1組の位置として1組以上の位置
に溝又は平面部が軸方向に略平行に設けられたものとさ
れている。
【0028】従って、このように構成された軸体、又は
軸受体の何れか一方が回転された際には、上記2個所の
位置に設けられた溝又は平面部に起因して軸体周辺に発
生した圧力と上記1個所の位置に設けられた溝又は平面
部に起因して軸体周辺に発生した圧力とに基づいて発生
した互いに逆方向の力によって、回転している一方が支
持されて安定して回転することができる。
【0029】このように請求項1記載の動圧軸受によれ
ば、軸体に対して軸体の外周面の円周方向に略同一でか
つ軸体の外周面の上記軸受体の内周面に対向する領域内
における軸方向両端部近傍の2個所の位置と、該2個所
の位置に対して円周方向に略180度ずれかつ該2個所
の位置の軸方向略中央の1個所の位置と、の3個所の位
置を1組の位置として1組以上の位置に溝又は平面部を
軸方向に略平行に設けているので、軸体に対して最低3
個所の位置に、加工を容易に行うことができる軸方向に
沿って平行な溝又は平面部を設けるのみによって、回転
している一方を安定に回転させ得る動圧軸受を安価に製
造することができる。
【0030】なお、請求項2記載の動圧軸受のように、
請求項1記載の動圧軸受における前記2個所の位置に設
けた溝又は平面部の軸方向の長さは略同一であることが
好ましい。
【0031】また、請求項3記載の動圧軸受は、請求項
1又は請求項2記載の動圧軸受における前記軸体を溝又
は平面部が1個所のみ加工された部材を3個以上組み合
わせて構成するものである。
【0032】このように請求項3記載の動圧軸受によれ
ば、加工が比較的容易な溝又は平面部が1個所のみ加工
された部材を組み合わせることによって軸体を構成して
いるので、1つの部材から軸体を構成する場合に比較し
て、より安価に動圧軸受を製造することができる。
【0033】さらに、請求項4記載の動圧軸受は、円筒
状又は円柱状の軸体及び円筒状の軸受体の何れか一方が
回転することにより発生する動圧によって、回転してい
る一方を非接触状態で支持する動圧軸受であって、前記
軸受体の内周面の円周方向に略同一でかつ前記軸受体の
内周面の軸方向両端部近傍の2個所の位置と、前記2個
所の位置に対して円周方向に略180度ずれかつ前記2
個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置と、の3個所
の位置を1組の位置として1組以上の位置に溝を軸方向
に略平行に設けたものである。
【0034】請求項4記載の動圧軸受によれば、円筒状
又は円柱状の軸体及び円筒状の軸受体の何れか一方が回
転することにより発生する動圧によって、回転している
一方が非接触状態で支持される。
【0035】ここで上記軸受体は、軸受体の内周面の円
周方向に略同一でかつ軸受体の内周面の軸方向両端部近
傍の2個所の位置と、該2個所の位置に対して円周方向
に略180度ずれかつ該2個所の位置の軸方向略中央の
1個所の位置と、の3個所の位置を1組の位置として1
組以上の位置に溝が軸方向に略平行に設けられたものと
されている。
【0036】従って、このように構成された軸受体、又
は軸体の何れか一方が回転された際には、上記2個所の
位置に設けられた溝に起因して軸受体周辺に発生した圧
力と上記1個所の位置に設けられた溝に起因して軸受体
周辺に発生した圧力とに基づいて発生した互いに逆方向
の力によって、回転している一方が支持されて安定して
回転することができる。
【0037】このように請求項4記載の動圧軸受によれ
ば、軸受体に対して軸受体の内周面の円周方向に略同一
でかつ軸受体の内周面の軸方向両端部近傍の2個所の位
置と、該2個所の位置に対して円周方向に略180度ず
れかつ該2個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置
と、の3個所の位置を1組の位置として1組以上の位置
に溝を軸方向に略平行に設けているので、軸受体に対し
て最低3個所の位置に、加工を容易に行うことができる
軸方向に沿って平行な溝を設けるのみによって、回転し
ている一方を安定に回転させ得る動圧軸受を安価に製造
することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を詳細に説明する。
【0039】〔第1実施形態〕図1(A)は、本第1実
施形態に係る動圧軸受を構成する軸体としての固定軸2
2を示した斜視図であり、図1(B)は、図1(A)に
おける固定軸22の溝a、b、cの各部における断面形
状を示した断面図である。図1(A)及び図1(B)に
示すように、固定軸22の外周面には、各々固定軸22
の軸方向両端部に位置すると共に固定軸22の円周方向
の略同一位置に軸方向長さが略同一の溝a及び溝bが加
工されている。また、固定軸22の外周面の溝a及び溝
bの円周方向略180度ずれた位置でかつ軸方向の中心
位置が溝aの中心位置及び溝bの中心位置の略中央に位
置する溝cが加工されている。なお、溝cの軸方向長さ
は、溝a及び溝bと略同一としてもよいし略同一としな
くてもよい。また、溝a乃至cの各々の深さは数μmで
ある。
【0040】このように構成された固定軸22を光偏向
器に適用する場合は、図2に示すように、固定軸22を
基台38’の所定位置に固定ネジ62によって軸方向が
基台38’の表面に対して略垂直となるように固定す
る。なお、図2における固定軸22以外の部分について
は図8で示したものと同様であるので、ここでの説明は
省略する。固定軸22及び回転スリーブ18により構成
される部分が、本発明の動圧軸受に相当する。
【0041】図1(C)は、このように構成された光偏
向器において回転体が回転した際の固定軸22上の各溝
周辺の内部発生圧力分布70を示している。同図に示す
ように、溝の存在する部分では空気層が厚くなって溝の
存在しない部分に比較して圧力が低下するので、固定軸
22の中心に対して偏心した楕円状の圧力分布70とな
る。
【0042】このように発生した圧力により、図3の破
断側面図に示すように、溝a及び溝bの軸方向長さがL
で、溝cの軸方向長さがn×L(nは実数)とした場
合、溝a及び溝bの固定軸22の円周方向に略180度
ずれた位置の各々には力fが発生すると共に、溝cの固
定軸22の円周方向に略180度ずれた位置には力n×
fが発生し、これらの力により回転スリーブ18は支持
され、回転スリーブ18を安定して回転させることがで
きる。
【0043】以上詳細に説明したように、本第1実施形
態に係る動圧軸受では、固定軸22の外周面に溝を3本
のみ固定軸22の軸方向に沿って平行に設けるようにし
たので、各溝をフライス盤や研削盤等による通常の機械
加工で容易かつ短時間に形成することができ、安価に動
圧軸受を製造することができる。
【0044】なお、本第1実施形態では、各溝の深さを
数μmとした場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、固定軸22の外周面の直径サ
イズ、回転体の重量等を考慮して任意好適な深さとする
ことができることはいうまでもない。
【0045】また、本第1実施形態では、3本の溝を1
組のみ固定軸22の外周面に形成した場合について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2組
以上形成する形態としてもよい。
【0046】さらに、本第1実施形態では、固定軸22
を1つの部品として構成した場合について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、固定軸22を
複数の部品により構成する形態としてもよい。
【0047】図4は、溝a及び溝bの各々の軸方向長さ
が固定軸22の軸方向長さの4分の1であり、溝cの軸
方向長さが固定軸22の軸方向長さの2分の1である場
合の固定軸22の構成例を示したものである。この場
合、軸方向長さが固定軸22の軸方向長さの4分の1で
ある部品22’に対して1本の溝を加工した後に、4つ
の部品22’を図4に示す状態に組み合わせて一体化す
ることにより、固定軸22を構成することができる。
【0048】このように、1つの部品に1本の溝を加工
する形態とすることにより、インデックステーブル等に
より固定軸22を回転させて複数の溝を加工する場合に
比較して、安価に固定軸22を製造することができる。
また、この場合、同一形状の部品22’の量が増大する
(図4の場合は固定軸22の数の4倍)ため、量産効果
を大きくすることができる。
【0049】〔第2実施形態〕本第2実施形態では、上
記第1実施形態に示した固定軸22の3本の溝を平面部
に置き換えた場合の実施形態について説明する。
【0050】図5(A)は、本第2実施形態に係る動圧
軸受を構成する軸体としての固定軸22を示した斜視図
であり、図5(B)は、図5(A)における固定軸22
の平面部a’、b’、c’の各部における断面形状を示
した断面図である。図5(A)及び図5(B)に示すよ
うに、固定軸22の外周面には、各々固定軸22の軸方
向両端部に位置すると共に固定軸22の円周方向の略同
一位置に軸方向長さが略同一の平面部a’及び平面部
b’が加工されている。
【0051】また、固定軸22の外周面の平面部a’及
び平面部b’の円周方向に略180度ずれた位置でかつ
軸方向の中心位置が平面部a’の中心位置及び平面部
b’の中心位置の略中央に位置する平面部c’が加工さ
れている。なお、平面部c’の軸方向長さは、平面部
a’及び平面部b’と略同一としてもよいし略同一とし
なくてもよい。また、平面部a’、b’、c’の各々の
深さ(平面部表面から外周面までの垂直方向高さ)は数
μmである。
【0052】このように構成された固定軸22を光偏向
器に適用する場合は、上記第1実施形態で図2を参照し
て説明した手段と同様に、固定軸22を基台38’の所
定位置に固定ネジ62によって軸方向が基台38’の表
面に対して略垂直となるように固定する。
【0053】このように構成された光偏向器において回
転体が回転した際の固定軸22上の各平面部周辺の内部
発生圧力分布は上記第1実施形態において説明した図1
(C)に示した状態と略同一の状態となる。従って、こ
のように固定軸22を構成した場合においても、上記第
1実施形態と同様に、回転スリーブ18を安定して回転
させることができる。
【0054】以上詳細に説明したように、本第2実施形
態に係る動圧軸受では、固定軸22の外周面に平面部を
3個所のみ固定軸22の軸方向に沿って平行に設けるよ
うにしたので、各平面部をフライス盤や研削盤等による
通常の機械加工で容易かつ短時間に形成することがで
き、安価に動圧軸受を製造することができる。
【0055】なお、本第2実施形態では、各平面部の深
さを数μmとした場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、固定軸22の外周面の直
径サイズ、回転体の重量等を考慮して任意好適な深さと
することができることはいうまでもない。
【0056】また、本第2実施形態では、3個所の平面
部を1組のみ固定軸22の外周面に形成した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、2組以上形成する形態としてもよい。
【0057】さらに、本第2実施形態では、固定軸22
を1つの部品として構成した場合について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、上記第1実施
形態において図4を参照して説明した手段と同様の手段
により、固定軸22を複数の部品により構成する形態と
してもよい。この場合、より安価に動圧軸受を製造する
ことができる。
【0058】〔第3実施形態〕本第3実施形態では、軸
受体としての回転スリーブ18の内周面に溝を加工する
場合の実施形態について説明する。
【0059】図6(A)は、本第3実施形態に係る動圧
軸受を構成する回転スリーブ18を示した斜視図であ
り、図6(B)は、図6(A)における回転スリーブ1
8の溝a’’、b’’、c’’の各部における断面形状
を示した断面図及び図6(A)における回転スリーブ1
8が回転した際の各溝周辺の内部発生圧力分布70’を
示す概略図である。
【0060】図6(A)及び図6(B)に示すように、
回転スリーブ18の内周面には、各々回転スリーブ18
の軸方向両端部に位置すると共に回転スリーブ18の内
周面の円周方向略同一位置に軸方向長さが略同一の溝
a’’及び溝b’’が加工されている。また、回転スリ
ーブ18の内周面の溝a’’及び溝b’’の円周方向略
180度ずれた位置でかつ軸方向の中心位置が溝a’’
の中心位置及び溝b’’の中心位置の略中央に位置する
溝c’’が加工されている。
【0061】なお、この場合は、1つの回転スリーブ1
8に対して回転スリーブ18の内周面の中間部に位置す
る溝c’’を加工するのは困難であるので、軸方向長さ
が溝a’’、b’’、c’’の各々の軸方向長さと略同
一の円筒状の部品の内周面に対して1本ずつ溝を加工し
た後に該3つの部品を組み合わせて一体化することによ
り回転スリーブ18を構成する。また、溝c’’の軸方
向長さは、溝a’’及びb’’と略同一としてもよいし
略同一としなくてもよい。また、溝a’’乃至c’’の
各々の深さは数μmである。
【0062】このように構成された回転スリーブ18を
図8で示した光偏向器に適用する場合、固定軸22の外
周面には溝を形成する必要はない。この場合、回転体が
回転した際の各溝周辺の内部発生圧力分布70’は図6
(B)に示すように、溝のある部分では固定軸22との
間の空気層が厚くなって溝のない部分に比較して圧力が
低下するので、回転スリーブ18の中心に対して偏心し
た楕円状の圧力分布70’となる。従って、このように
回転スリーブ18を構成した場合においても、上記第1
実施形態及び第2実施形態と同様に、回転スリーブ18
を安定して回転させることができる。
【0063】以上詳細に説明したように、本第3実施形
態に係る動圧軸受では、回転スリーブ18の内周面に溝
を3本のみ回転スリーブ18の軸方向に沿って平行に設
けるようにしたので、各溝をフライス盤や研削盤等によ
る通常の機械加工で容易かつ短時間に形成することがで
き、安価に動圧軸受を製造することができる。
【0064】なお、本第3実施形態では、各溝の深さを
数μmとした場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、回転スリーブ18の内周面の
直径サイズ、回転体の重量等を考慮して任意好適な深さ
とすることができることはいうまでもない。
【0065】また、本第3実施形態では、3本の溝を1
組のみ回転スリーブ18の内周面に形成した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、2組以上形成する形態としてもよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1及び請求項2記載の動圧軸受に
よれば、軸体に対して軸体の外周面の円周方向に略同一
でかつ軸体の外周面の上記軸受体の内周面に対向する領
域内における軸方向両端部近傍の2個所の位置と、該2
個所の位置に対して円周方向に略180度ずれかつ該2
個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置と、の3個所
の位置を1組の位置として1組以上の位置に溝又は平面
部を軸方向に略平行に設けているので、軸体に対して最
低3個所の位置に、加工を容易に行うことができる軸方
向に沿って平行な溝又は平面部を設けるのみによって、
回転している一方を安定に回転させ得る動圧軸受を安価
に製造することができる、という効果が得られる。
【0067】また、請求項3記載の動圧軸受によれば、
加工が比較的容易な溝又は平面部が1個所のみ加工され
た部材を組み合わせることによって軸体を構成している
ので、1つの部材から軸体を構成する場合に比較して、
より安価に動圧軸受を製造することができる、という効
果が得られる。
【0068】さらに、請求項4記載の動圧軸受によれ
ば、軸受体に対して軸受体の内周面の円周方向に略同一
でかつ軸受体の内周面の軸方向両端部近傍の2個所の位
置と、該2個所の位置に対して円周方向に略180度ず
れかつ該2個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置
と、の3個所の位置を1組の位置として1組以上の位置
に溝を軸方向に略平行に設けているので、軸受体に対し
て最低3個所の位置に、加工を容易に行うことができる
軸方向に沿って平行な溝を設けるのみによって、回転し
ている一方を安定に回転させ得る動圧軸受を安価に製造
することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る固定軸22を説明する図で
あり、(A)は固定軸22の斜視図、(B)は溝a乃至
cの各部における断面形状を示す断面図、(C)は固定
軸22を動圧軸受に適用した場合の回転体が回転した際
の内部発生圧力分布を示す概略図である。
【図2】第1実施形態に係る光偏向器の概略構成を示す
破断側面図である。
【図3】第1実施形態に係る固定軸22を動圧軸受に適
用した場合の回転体が回転した際の固定軸22に対して
発生する力の方向及び大きさを示す破断側面図である。
【図4】第1実施形態に係る固定軸22を複数個の部品
を組み合わせて構成した場合の状態を示す斜視図であ
る。
【図5】第2実施形態に係る固定軸22を説明する図で
あり、(A)は固定軸22の斜視図、(B)は溝a’乃
至c’の各部における断面形状を示す断面図である。
【図6】第3実施形態に係る回転スリーブ18を説明す
る図であり、(A)は回転スリーブ18の斜視図、
(B)は溝a’’乃至c’’の各部における断面形状を
示す断面図及び回転スリーブ18を動圧軸受に適用した
場合の回転体が回転した際の内部発生圧力分布を示す概
略図である。
【図7】従来の画像記録装置の概略構成を示す概略図で
ある。
【図8】従来の光偏向器の概略構成を示す破断側面図で
ある。
【図9】FGパターンの状態を示す斜視図である。
【図10】FGマグネットの着磁の状態及びFGマグネ
ットとFGパターンとの位置関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
18 回転スリーブ(軸受体) 22 固定軸(軸体) 24 へリングボーン溝 70、70’内部発生圧力分布 a、b、c溝 a’、b’、c’平面部 a’’、b’’、c’’溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は円柱状の軸体及び円筒状の軸
    受体の何れか一方が回転することにより発生する動圧に
    よって、回転している一方を非接触状態で支持する動圧
    軸受であって、 前記軸体の外周面の円周方向に略同一でかつ前記軸体の
    外周面の前記軸受体の内周面に対向する領域内における
    軸方向両端部近傍の2個所の位置と、前記2個所の位置
    に対して円周方向に略180度ずれかつ前記2個所の位
    置の軸方向略中央の1個所の位置と、の3個所の位置を
    1組の位置として1組以上の位置に溝又は平面部を軸方
    向に略平行に設けた動圧軸受。
  2. 【請求項2】 前記2個所の位置に設けた溝又は平面部
    の軸方向の長さが略同一である請求項1記載の動圧軸
    受。
  3. 【請求項3】 前記軸体を溝又は平面部が1個所のみ加
    工された部材を3個以上組み合わせて構成する請求項1
    又は請求項2記載の動圧軸受。
  4. 【請求項4】 円筒状又は円柱状の軸体及び円筒状の軸
    受体の何れか一方が回転することにより発生する動圧に
    よって、回転している一方を非接触状態で支持する動圧
    軸受であって、 前記軸受体の内周面の円周方向に略同一でかつ前記軸受
    体の内周面の軸方向両端部近傍の2個所の位置と、前記
    2個所の位置に対して円周方向に略180度ずれかつ前
    記2個所の位置の軸方向略中央の1個所の位置と、の3
    個所の位置を1組の位置として1組以上の位置に溝を軸
    方向に略平行に設けた動圧軸受。
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