JPH11216357A - 生理活性物質用の吸着担体 - Google Patents
生理活性物質用の吸着担体Info
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Abstract
を効率よく放出させることにより、生体内吸収性をあげ
ることができる生理活性物質用の吸着担体および該担体
に生理活性物質を吸着および/または付着させた組成物
を提供する。 【解決手段】 粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
なる生理活性物質用の吸着担体であり、さらに該担体に
生理活性物質、なかでも生理活性ペプチドを吸着および
/または付着させた組成物とする。
Description
吸着担体に係り、詳細には、担体に吸着および/または
付着された生理活性物質を効率よく放出させることによ
り、生体内吸収性をあげることができる生理活性物質用
の吸着担体に関する。さらに本発明は、生理活性物質を
当該担体に吸着および/または付着させることにより、
製剤的安定性に優れるとともに、吸着および/または付
着された生理活性物質の生体内吸収性に優れた組成物に
も関する。
粉体は、個々の粒子が所有する物理的な基礎的性質を利
用して、各種の工業分野で幅広く使用されている。この
ような粉体のなかでも、その粒子の粒径が重要視されて
おり、特定の粒子径を有する粉体を目的に応じて選択
し、使用している。このような粉体としては、従来より
粒子径が非常に小さい15μm以下の微細粉体である
か、あるいは粒子の粗い0.1m/m以上の粉体に2分
されている。例えば、各種の業界で古くから汎用されて
いる炭酸カルシウムの粉体を例にとれば、一般的な建材
用に使用される粉体にあっては、その粉体を構成する固
体粒子の粒子径は0.1m/m〜11m/mの大きなも
のが使用されており、また一方、顔料、歯磨、飼料、製
紙、農薬、塗料、ゴム、プラスチック、食品、医薬等に
使用される粉体にあっては、その固体粒子の粒子径が1
5μm以下のものであり、場合によってはナノメーター
単位の粒子径のものも使用されている。したがって驚く
べきことに、これらの中間に入る100μm〜20μm
程度の粒子径をもつ固体粒子からなる炭酸カルシウムの
粉体は、全く使用されていないし、また市販されていな
いのが現状である。
体が幅広く使用されてきている。すなわち、医薬品を投
与するに際しては、その医薬品の有効成分である生理活
性物質を含有する投与に適した各種の製剤、例えば、錠
剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤等とする製剤設
計がなされており、これらの製剤化は、一般的に生理活
性物質を賦形剤、結合剤、崩壊剤等の粉体と混合・練合
し、所望の剤形とすることにより行われている。この製
剤化においては、生理活性物質と混合・練合する粉体の
基礎的性質が重要なものであり、そのなかでも粒子の大
きさ、形状および表面積などの性質は特に重要なもので
ある。加えて、単位重量(または単位体積)あたりの総
表面積や、粒子の数が同じであってもそれを構成する粒
子の大きさの分布(粒度分布)が異なると、粒子集合体
(粒子群)としての粉体の性質(充填性、流動性など)
が著しく異なってくることより、製剤中に生理活性物質
を均質に含有させることもなかなか困難であるといった
問題も発生している。このことは、製剤が投与された場
合に、その製剤から生理活性物質の放出性ならびに生体
内への吸収性に大きな影響を与えている。
よび/または付着させる粉体である吸着担体を開発する
ことは、有効成分である生理活性物質のバイオアベイラ
ビリティーの点で極めて重要なことである。生理活性物
質のなかでも、特に、カルシトニン、インシュリン等の
生理活性ペプチドは、消化管内のプロテアーゼにより分
解を受けるため、そのままでは胃粘膜からはほとんど吸
収されず、したがって経口投与が困難であり、これら薬
物の投与方法としては注射投与に限られている。
方法として、これら生理活性ペプチドについての経鼻投
与型粉末製剤の提案がなされ、鼻粘膜をとおして極めて
良好に生体内吸収され、従来の注射投与製剤で得られる
場合と同程度のバイオアベイラビリティーが得られるも
のであることが確認されている。このような経鼻投与に
より生体内吸収される生理活性物質は何も生理活性ペプ
チドに限られるものではなく、従来から経口投与あるい
は注射投与されている生理活性物質についても適用し得
るものであり、より有効な経鼻投与型製剤の開発もまた
重要なものである。
物質を粉体に均質に吸着および/または付着させること
は、経鼻投与型粉末製剤のみならず、通常の経口投与用
の錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤にとっても
製剤からの有効成分の放出性、生体内への吸収性の点か
ら一つの重要な要因ではあるが、これまで生理活性物質
を均質に吸着および/または付着し得る粉体である吸着
担体についてはあまり積極的な検討がなされてきていな
い。そこで本発明は、かかる現状を鑑み、生理活性物質
を担体表面に均質に吸着および/または付着することが
可能であり、製剤的安定性に優れるとともに、吸着ある
いは付着された生理活性物質が製剤から効率よく放出さ
れ、その結果生体内吸収性が高められた、生理活性物質
用の吸着担体粒子からなる粉体を提供することを課題と
する。
めに本発明は、粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
なる生理活性物質用の吸着担体を提供する。
が加えられていなかった粒子径が100μm〜20μm
程度の固体粒子からなる粉体であっても、その粒子の表
面に生理活性物質を吸着あるいは付着させるに際して、
生理活性物質が所有する表面積を十分に補えるだけの表
面積をもつようにし、さらに粒度分布を整えるべく20
μm以下の粒径粒子を2%未満とした場合の粉末を吸着
担体として使用すると、驚くべきことに生理活性物質が
当該吸着担体に均質に吸着および/または付着され、そ
の結果得られた組成物は製剤的安定性が極めて良好なも
のであり、そのうえ生理活性物質が組成物中より効率よ
く放出され、生体内吸収性が優れたものであることが判
明した。
て、生理活性物質を、粒子の表面積が0.1〜0.4m
2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約100μmに
あり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉
体からなる担体に、吸着および/または付着させた組成
物をも提供する。
る粉体は、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、マ
グネシウム化合物またはケイ素化合物等の2価以上の多
価金属塩化合物である。これらの粉体は、製剤学的に
は、賦形剤、安定剤、充填剤、結合剤、分散剤、崩壊
剤、滑沢剤、吸着剤等として使用されているものではあ
るが、そのような製剤上で一般的に使用され、市販され
ているものにあっては、その粉体を構成する固体粒子の
粒子径はいずれも15μm以下の微細粉末である。また
その一方で、医薬品分野以外に使用されている粉体にあ
っては粒径の粗い0.1m/m以上のものでしかない。
したがって、本発明で使用する100μm〜20μm程
度の粒子径をもつ粉体は市販されていないことはもちろ
んのこと、生理活性物質の吸着担体としての適用もなん
ら検討されていなかったものである。
あっては、粒子径分布によりその粒子径がほぼ20μm
〜100μmの範囲内にあり、20μm以下の粒径粒子
を2%未満に調整し、さらに粒子の表面積が0.1〜
0.4m2 /gとなるようにした粉体である。このよう
な特異的な物理的性質を有する粉体を生理活性物質の吸
着担体をする場合には、当該生理活性物質が所有する表
面積以上の粒子表面積をもつことより、付着しきれない
生理活性物質が分離してしまうか、あるいは偏積を生ず
ることがなく、担体粒子表面に生理活性物質が均質に吸
着および/または付着することができるのである。
離あるいは偏積等を生じさせることは、得られた組成物
からの当該生理活性物質の放出性にバラツキを与えるも
のであり、したがってバイオアベイラビリティーの点で
も好ましいものではない。このような分離、偏積等は、
生理活性物質と担体である粉体との比重差が大きいほど
激しいものである。本発明が提供する粉体である吸着担
体は、このような比重差に影響されることなく、担体に
対する生理活性物質の均質な吸着および/または付着を
確保し得るものである。そのような本発明の吸着担体と
しての粒子径が100μm〜20μmの範囲にあり、粒
子の表面積が0.1〜0.4m2 /gを有する粉体を、
効率よく、かつ安定して得るためには、吸着担体の原料
となる粉体を単に解砕、分級するだけでは困難であり、
原料の粉体の粒子径分布までさかのぼって検討した結
果、これを解決したものである。
用原料となる粉体として、撹拌などの力を加えても崩れ
ることのない程度の硬度を有するものであり、さらに粉
体中に20μm以下の粒子径をもつ粉体が10%程度含
有されている担体用原料を用いて、解砕条件ならびに分
級条件を適宜選択し、組み合わせることにより所望の吸
着担体を得ることが可能となることが判明した。この担
体用原料となる粉体中での粒子径分布において、20μ
m以下の粒子径をもつ粉体の占める比率によっては、目
的とする吸着担体を製造するにあたっては表1に記載す
る影響があることが判明した。
上の多価金属塩化合物であるアルミニウム化合物として
は、具体的には、乾燥水酸化アルミニウムゲル、クロル
ヒドロキシアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、軽
質酸化アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム・ゲル、硫酸アルミニウム、
ジヒドロキシアルミニウムアセテート、ステアリン酸ア
ルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム、モノステアリン
酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム等が挙げら
れる。
ト、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、エデト酸
カルシウム二ナトリウム、塩化カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カル
シウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カ
ルシウム、ステアリン酸カルシウム、第三リン酸カルシ
ウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、オレ
イン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、D−パン
トテン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、無水リン
酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カ
ルシウム、酢酸カルシウム、糖酸カルシウム、硫酸カル
シウム、リン酸一水素カルシウム、パラアミノサリチル
酸カルシウム、生体内石灰化合物等が挙げられる。
−アスパラギン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グ
ルコン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、合成ケイ酸
ナトリウム・マグネシウム等が挙げられる。
ケイ素、形質無水ケイ酸、合成ヒドロタルサイト、ケイ
ソウ土、二酸化ケイ素等が挙げられる。
独で使用してもよいし、また適宜複数を組み合わせて使
用してもよい。そのなかでも特に、ヒドロキシアパタイ
ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウムまたは水酸化アルミニウムが良好な結果を与
えることが判明した。
び/または付着される生理活性物質は特に限定されな
い。しかしながら、経口投与により吸収性の低い生理活
性物質が好適に使用可能であり、特に生理活性ペプチド
について良好な結果を与えることが判明した。この生理
活性ペプチドを本発明の吸着担体に均質に吸着および/
または付着された組成物は、後記実施例に記載する試験
結果からも明らかなように、経鼻投与されることによ
り、注射投与で得られる場合と等しい生体内吸収性を示
すものであった。
しては、生理活性ペプチドを、粒子の表面積が0.1〜
0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約10
0μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に調
整したヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、乳酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたは水酸化アル
ミニウムから選択される粉体からなる担体に、吸着およ
び/または付着させた組成物を提供するものでもある。
は、ペプチドホルモン、オピオイドペプチド、生理活性
タンパク、酵素タンパク等があげられ、なかでもペプチ
ドホルモンが特に好ましい。そのようなペプチドホルモ
ンとしては、カルシトニン、インシュリン、甲状腺刺激
ホルモン放出ホルモン(TRH)例えばサイロリベリ
ン、黄体化ホルモン放出ホルモン(LH−RH)例えば
ブセレリン、LH−RHアンタゴニスト、ソマトスタチ
ン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副腎皮質刺激
ホルモン放出ホルモン(CRH)例えばコルチコリベリ
ン、成長ホルモン放出ホルモン(GH−RH)例えばソ
マトレリン、ゴナトロピン(性腺刺激ホルモン)、性腺
刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)例えばゴナドリ
ベリン、副甲状腺ホルモン(PTH)、甲状腺刺激ホル
モン(TSH)、成長ホルモン(GH)例えばソマトロ
ピン、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)、卵胞刺激ホ
ルモン(FSH)、グルカゴン、バソプレシン、ソマト
スタチン(成長ホルモン放出抑制因子)、パラトルモン
(副甲状腺ホルモン)、アンギオテンシン、ガストリ
ン、セクレチリン、メラニン細胞刺激ホルモン、オキシ
トシン、プロチレリン、コルチコトロピン、チロトロピ
ン(甲状腺刺激ホルモン)、G−CSF、エリスロポエ
チン、スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)等で
ある。また、各種エンドルフィン、インターフェロン、
インターロイキン、ウロキナーゼ、リゾチーム、ワクチ
ン等もあげることができる。
製剤学的に汎用されている他の賦形剤、安定剤、充填
剤、結合剤、分散剤、崩壊剤、滑沢剤、吸着剤などと練
合・混合して通常の経口投与用の錠剤、散剤、細粒剤、
顆粒剤、カプセル剤等とすることもできる。しかしなが
ら、本発明の組成物は、その粉末組成物の形態のままで
経鼻投与させることにより、組成物からの有効成分の放
出性に優れ、鼻粘膜を通して生体内への吸収性が特に良
好なものであることが判明した。したがって、本発明が
提供する組成物の好ましい使用は、経鼻投与型の粉末製
剤としての組成物である。
明する。なお、便宜上担体用原料としての2価以上の多
価金属塩化合物のなかで、カルシウム化合物である炭酸
カルシウムを用いた例を代表例として記載するが、他の
多価金属塩化合物にあっても同様のものでもある。した
がって、本発明はこれらの実施例になんら限定されるも
のではないことに留意すべきである。
ウムを用いた。この担体用原料の炭酸カルシウムの粒子
径分布は以下のとおりのものであった。 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 11.0% 20〜75μm 74.7% 75〜180μm 12.8% 180μm以上 1.5% 合計 100.0% この炭酸カルシウムを用いて、解砕・分級を行い、以下
の粒子径分布からなる本発明の吸着担体を得た。
着担体の粒子の粒度分布を図1として示す。図中の結果
からより明らかなように、本発明の吸着担体は、その粒
子径が20μm〜100μmの範囲内にあり、55μm
付近を中心とする正規分布的に構成された粉体であるこ
とが理解される。この粒子の表面積をガス吸着によるB
ET 1点式流動法にて測定した場合、0.302m2
/gであった。
ウムを用いた。この担体用原料の炭酸カルシウムの粒子
径分布は以下のとおりのものであった。 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 7.0% 20〜75μm 78.7% 75〜180μm 13.6% 180μm以上 0.7% 合計 100.0% この炭酸カルシウムを用いて、解砕・分級を行い、以下
の粒子径分布からなる本発明の吸着担体を得た。
着担体の粒子の粒度分布を図2として示す。図中の結果
からより明らかなように、この本発明の吸着担体にあっ
ても、その粒子径が20μm〜100μmの範囲内にあ
り、55μm付近を中心とする正規分布的に構成された
粉体であることが理解される。この粒子の表面積をガス
吸着によるBET 1点式流動法にて測定した場合、
0.292m2 /gであった。
価 上記の各実施例に記載の方法により得られた吸着担体中
における20μm以下の粒子の含有率は、その粒度分布
によれば見かけ上は0%となっている。この吸着担体中
における20μm以下の粒子の実際の含有率を以下のよ
うにして求めた。すなわち、上記の実施例の方法により
得られた乾燥吸着担体の3種類の5gを正確に秤量し
(これをAgとする)、湿式篩別法にて20μm以下の
粒子を完全に除去し、除去後に得られた篩上物の水分が
ゼロになるまで乾燥し、その重量を正確に秤量した(こ
れをBgとする)。
含有率は、以下により求めることができる。 20μm以下の粒子の含有率=[(A−B)/A]×1
00 これにより求めた3種類の吸着担体における20μm以
下の粒子の含有率は、次のようなものであった。 吸着担体a・・・・・・0.7% 吸着担体b・・・・・・0.9% 吸着担体c・・・・・・0.8%
ペプチドであるサケカルシトニンを選び、吸着担体とし
て上記実施例1に記載の方法で製造した炭酸カルシウム
粉体(表面積は0.2〜0.4m2 /gであった)を使
用し、サケカルシトニンの含有量として200MRC
(IU)/25mgの組成物となる本発明の組成物を調
製した。正常人男子3名を対象として、上記の組成物を
経鼻投与(単回)し、血液試料を2.5mlづつ、0時
間、5、10、15、20、30、45、60、90
分、2時間、3時間毎に採血し、標準RIA検定キット
を使用してサケカルシトニンの血中濃度の測定を行なっ
た。その結果を表2にまとめた。
特異的吸着担体としてのの炭酸カルシウムを使用した本
発明の組成物を用いることにより、サケカルシトニンの
血中への吸収が優れていることが判明し、その血中濃度
も、注射投与の場合と同等のものであるといえる。
ペプチドであるグルカゴンを選び、吸着担体として実施
例1に記載の方法で製造した炭酸カルシウム粉体(表面
積は0.2〜0.3m2 /gであった)を使用し、グル
カゴンの含有量として2単位/30mg含有組成物とな
るように本発明の組成物を調製した。正常人男子4名を
対象として、上記の組成物を経鼻投与(単回)し、血液
試料を2.5mlづつ、0時間、5、10、15、2
0、30、45、60、90分、2時間、2.5時間、
3時間毎に採血し、血中グルカゴン量測定用キット(ラ
ジオイムノアッセイ法)を使用してグルカゴンの血中濃
度の測定を行なった。その結果を表3にまとめた。
によりグルカゴンの血中への吸収は期待通りのものであ
ることが判明する。
ルモンであるソマトロピンを選び、吸着担体として表面
積が0.2〜0.4m2 /gを保持する、実施例1と同
様の方法で得た炭酸カルシウムを使用し、ソマトロピン
の含有量6.825単位/25mg含有組成物となる本
発明の組成物を調製した。正常人男子2名を対象とし
て、上記の組成物を経鼻投与(単回)し、血液試料を
2.5mlづつ、0時間、5、10、15、20、3
0、45、60、90分、2時間、2.5時間毎に採血
し、血中ソマトロピンを、ビーズ固相法を用いたIRM
A(イムノラジオメトリックアッセイ法)に基づく血中
成長ホルモン量測定キットを使用して測定した。その結
果を表4にまとめた。
ピンの血中への吸収は、期待通りのものであり、良好に
生体内吸収されていることが判明する。
性物質を担体表面に均質に吸着および/または付着する
ことが可能であり、製剤的安定性に優れるとともに、吸
着および/または付着された生理活性物質が製剤から効
率よく放出され、その結果生体内吸収性が高められた、
生理活性物質用の吸着担体粒子からなる粉体が提供され
る。また、本発明の吸着担体を使用して生理活性物質を
吸着および/または付着させた本発明の組成物は、たと
えば、経鼻ルートで投与すること、すなわち鼻粘膜に適
用することにより、その生理活性物質、特に生理活性ペ
プチドを良好に生体内吸収させるものであり、有効な臨
床的治療が可能であることが示唆される。したがって、
その医療効果は多大なものである。
布ならびに粒度累積分布を示す図である。
布ならびに粒度累積分布を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
なる生理活性物質用の吸着担体。 - 【請求項2】 粉体が、アルミニウム化合物、カルシウ
ム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物のい
ずれかから選択される2価以上の多価金属塩化合物であ
る請求項1記載の吸着担体。 - 【請求項3】 多価金属塩化合物がヒドロキシアパタイ
ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウムまたは水酸化アルミニウムである請求項2記
載の吸着担体。 - 【請求項4】 生理活性物質が生理活性ペプチドである
請求項3記載の吸着担体。 - 【請求項5】 生理活性物質を、粒子の表面積が0.1
〜0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約1
00μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に
調整した粉体からなる担体に吸着および/または付着さ
せた組成物。 - 【請求項6】 粉体が、アルミニウム化合物、カルシウ
ム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物のい
ずれかから選択される2価以上の多価金属塩化合物であ
る請求項5記載の組成物。 - 【請求項7】 多価金属塩化合物がヒドロキシアパタイ
ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウムまたは水酸化アルミニウムである請求項6記
載の組成物。 - 【請求項8】 生理活性物質がペプチドである請求項5
ないし7のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項9】 生理活性ペプチドを、粒子の表面積が
0.1〜0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm
〜約100μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%
未満に調整したヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウ
ム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたは
水酸化アルミニウムから選択される粉体からなる担体に
吸着および/または付着させた組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10035402A JPH11216357A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | 生理活性物質用の吸着担体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10035402A JPH11216357A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | 生理活性物質用の吸着担体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11216357A true JPH11216357A (ja) | 1999-08-10 |
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---|---|---|---|
JP10035402A Pending JPH11216357A (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | 生理活性物質用の吸着担体 |
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1998
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