JPH11216357A - 生理活性物質用の吸着担体 - Google Patents

生理活性物質用の吸着担体

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JPH11216357A
JPH11216357A JP10035402A JP3540298A JPH11216357A JP H11216357 A JPH11216357 A JP H11216357A JP 10035402 A JP10035402 A JP 10035402A JP 3540298 A JP3540298 A JP 3540298A JP H11216357 A JPH11216357 A JP H11216357A
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JP
Japan
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physiologically active
active substance
particle size
powder
carrier
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JP10035402A
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English (en)
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Sadao Tsutsumi
貞夫 堤
Tomoko Okuno
朋子 奥野
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TSUTSUMI TECHNO PLANNING KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着および/または付着された生理活性物質
を効率よく放出させることにより、生体内吸収性をあげ
ることができる生理活性物質用の吸着担体および該担体
に生理活性物質を吸着および/または付着させた組成物
を提供する。 【解決手段】 粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
なる生理活性物質用の吸着担体であり、さらに該担体に
生理活性物質、なかでも生理活性ペプチドを吸着および
/または付着させた組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質用の
吸着担体に係り、詳細には、担体に吸着および/または
付着された生理活性物質を効率よく放出させることによ
り、生体内吸収性をあげることができる生理活性物質用
の吸着担体に関する。さらに本発明は、生理活性物質を
当該担体に吸着および/または付着させることにより、
製剤的安定性に優れるとともに、吸着および/または付
着された生理活性物質の生体内吸収性に優れた組成物に
も関する。
【0002】
【従来の技術】固体粒子または固体粒子の集合体である
粉体は、個々の粒子が所有する物理的な基礎的性質を利
用して、各種の工業分野で幅広く使用されている。この
ような粉体のなかでも、その粒子の粒径が重要視されて
おり、特定の粒子径を有する粉体を目的に応じて選択
し、使用している。このような粉体としては、従来より
粒子径が非常に小さい15μm以下の微細粉体である
か、あるいは粒子の粗い0.1m/m以上の粉体に2分
されている。例えば、各種の業界で古くから汎用されて
いる炭酸カルシウムの粉体を例にとれば、一般的な建材
用に使用される粉体にあっては、その粉体を構成する固
体粒子の粒子径は0.1m/m〜11m/mの大きなも
のが使用されており、また一方、顔料、歯磨、飼料、製
紙、農薬、塗料、ゴム、プラスチック、食品、医薬等に
使用される粉体にあっては、その固体粒子の粒子径が1
5μm以下のものであり、場合によってはナノメーター
単位の粒子径のものも使用されている。したがって驚く
べきことに、これらの中間に入る100μm〜20μm
程度の粒子径をもつ固体粒子からなる炭酸カルシウムの
粉体は、全く使用されていないし、また市販されていな
いのが現状である。
【0003】ところで、医薬品業界においては種々の粉
体が幅広く使用されてきている。すなわち、医薬品を投
与するに際しては、その医薬品の有効成分である生理活
性物質を含有する投与に適した各種の製剤、例えば、錠
剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤等とする製剤設
計がなされており、これらの製剤化は、一般的に生理活
性物質を賦形剤、結合剤、崩壊剤等の粉体と混合・練合
し、所望の剤形とすることにより行われている。この製
剤化においては、生理活性物質と混合・練合する粉体の
基礎的性質が重要なものであり、そのなかでも粒子の大
きさ、形状および表面積などの性質は特に重要なもので
ある。加えて、単位重量(または単位体積)あたりの総
表面積や、粒子の数が同じであってもそれを構成する粒
子の大きさの分布(粒度分布)が異なると、粒子集合体
(粒子群)としての粉体の性質(充填性、流動性など)
が著しく異なってくることより、製剤中に生理活性物質
を均質に含有させることもなかなか困難であるといった
問題も発生している。このことは、製剤が投与された場
合に、その製剤から生理活性物質の放出性ならびに生体
内への吸収性に大きな影響を与えている。
【0004】したがって、生理活性物質を均質に吸着お
よび/または付着させる粉体である吸着担体を開発する
ことは、有効成分である生理活性物質のバイオアベイラ
ビリティーの点で極めて重要なことである。生理活性物
質のなかでも、特に、カルシトニン、インシュリン等の
生理活性ペプチドは、消化管内のプロテアーゼにより分
解を受けるため、そのままでは胃粘膜からはほとんど吸
収されず、したがって経口投与が困難であり、これら薬
物の投与方法としては注射投与に限られている。
【0005】しかしながら最近、注射投与に代わる投与
方法として、これら生理活性ペプチドについての経鼻投
与型粉末製剤の提案がなされ、鼻粘膜をとおして極めて
良好に生体内吸収され、従来の注射投与製剤で得られる
場合と同程度のバイオアベイラビリティーが得られるも
のであることが確認されている。このような経鼻投与に
より生体内吸収される生理活性物質は何も生理活性ペプ
チドに限られるものではなく、従来から経口投与あるい
は注射投与されている生理活性物質についても適用し得
るものであり、より有効な経鼻投与型製剤の開発もまた
重要なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、生理活性
物質を粉体に均質に吸着および/または付着させること
は、経鼻投与型粉末製剤のみならず、通常の経口投与用
の錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤にとっても
製剤からの有効成分の放出性、生体内への吸収性の点か
ら一つの重要な要因ではあるが、これまで生理活性物質
を均質に吸着および/または付着し得る粉体である吸着
担体についてはあまり積極的な検討がなされてきていな
い。そこで本発明は、かかる現状を鑑み、生理活性物質
を担体表面に均質に吸着および/または付着することが
可能であり、製剤的安定性に優れるとともに、吸着ある
いは付着された生理活性物質が製剤から効率よく放出さ
れ、その結果生体内吸収性が高められた、生理活性物質
用の吸着担体粒子からなる粉体を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明は、粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
なる生理活性物質用の吸着担体を提供する。
【0008】すなわち本発明は、これまで積極的に検討
が加えられていなかった粒子径が100μm〜20μm
程度の固体粒子からなる粉体であっても、その粒子の表
面に生理活性物質を吸着あるいは付着させるに際して、
生理活性物質が所有する表面積を十分に補えるだけの表
面積をもつようにし、さらに粒度分布を整えるべく20
μm以下の粒径粒子を2%未満とした場合の粉末を吸着
担体として使用すると、驚くべきことに生理活性物質が
当該吸着担体に均質に吸着および/または付着され、そ
の結果得られた組成物は製剤的安定性が極めて良好なも
のであり、そのうえ生理活性物質が組成物中より効率よ
く放出され、生体内吸収性が優れたものであることが判
明した。
【0009】したがって、本発明はその別の態様とし
て、生理活性物質を、粒子の表面積が0.1〜0.4m
2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約100μmに
あり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉
体からなる担体に、吸着および/または付着させた組成
物をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の吸着担体として使用され
る粉体は、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、マ
グネシウム化合物またはケイ素化合物等の2価以上の多
価金属塩化合物である。これらの粉体は、製剤学的に
は、賦形剤、安定剤、充填剤、結合剤、分散剤、崩壊
剤、滑沢剤、吸着剤等として使用されているものではあ
るが、そのような製剤上で一般的に使用され、市販され
ているものにあっては、その粉体を構成する固体粒子の
粒子径はいずれも15μm以下の微細粉末である。また
その一方で、医薬品分野以外に使用されている粉体にあ
っては粒径の粗い0.1m/m以上のものでしかない。
したがって、本発明で使用する100μm〜20μm程
度の粒子径をもつ粉体は市販されていないことはもちろ
んのこと、生理活性物質の吸着担体としての適用もなん
ら検討されていなかったものである。
【0011】しかしながら本発明で使用する吸着担体に
あっては、粒子径分布によりその粒子径がほぼ20μm
〜100μmの範囲内にあり、20μm以下の粒径粒子
を2%未満に調整し、さらに粒子の表面積が0.1〜
0.4m2 /gとなるようにした粉体である。このよう
な特異的な物理的性質を有する粉体を生理活性物質の吸
着担体をする場合には、当該生理活性物質が所有する表
面積以上の粒子表面積をもつことより、付着しきれない
生理活性物質が分離してしまうか、あるいは偏積を生ず
ることがなく、担体粒子表面に生理活性物質が均質に吸
着および/または付着することができるのである。
【0012】特に、吸着担体における生理活性物質の分
離あるいは偏積等を生じさせることは、得られた組成物
からの当該生理活性物質の放出性にバラツキを与えるも
のであり、したがってバイオアベイラビリティーの点で
も好ましいものではない。このような分離、偏積等は、
生理活性物質と担体である粉体との比重差が大きいほど
激しいものである。本発明が提供する粉体である吸着担
体は、このような比重差に影響されることなく、担体に
対する生理活性物質の均質な吸着および/または付着を
確保し得るものである。そのような本発明の吸着担体と
しての粒子径が100μm〜20μmの範囲にあり、粒
子の表面積が0.1〜0.4m2 /gを有する粉体を、
効率よく、かつ安定して得るためには、吸着担体の原料
となる粉体を単に解砕、分級するだけでは困難であり、
原料の粉体の粒子径分布までさかのぼって検討した結
果、これを解決したものである。
【0013】すなわち、本発明者の検討によれば、担体
用原料となる粉体として、撹拌などの力を加えても崩れ
ることのない程度の硬度を有するものであり、さらに粉
体中に20μm以下の粒子径をもつ粉体が10%程度含
有されている担体用原料を用いて、解砕条件ならびに分
級条件を適宜選択し、組み合わせることにより所望の吸
着担体を得ることが可能となることが判明した。この担
体用原料となる粉体中での粒子径分布において、20μ
m以下の粒子径をもつ粉体の占める比率によっては、目
的とする吸着担体を製造するにあたっては表1に記載す
る影響があることが判明した。
【0014】
【表1】
【0015】本発明で吸着担体として使用される2価以
上の多価金属塩化合物であるアルミニウム化合物として
は、具体的には、乾燥水酸化アルミニウムゲル、クロル
ヒドロキシアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、軽
質酸化アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウムマグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム・ゲル、硫酸アルミニウム、
ジヒドロキシアルミニウムアセテート、ステアリン酸ア
ルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム、モノステアリン
酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム等が挙げら
れる。
【0016】またカルシウム化合物としては、アパタイ
ト、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、エデト酸
カルシウム二ナトリウム、塩化カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カル
シウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カ
ルシウム、ステアリン酸カルシウム、第三リン酸カルシ
ウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、オレ
イン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、D−パン
トテン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、無水リン
酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カ
ルシウム、酢酸カルシウム、糖酸カルシウム、硫酸カル
シウム、リン酸一水素カルシウム、パラアミノサリチル
酸カルシウム、生体内石灰化合物等が挙げられる。
【0017】さらに、マグネシウム化合物としては、L
−アスパラギン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グ
ルコン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、合成ケイ酸
ナトリウム・マグネシウム等が挙げられる。
【0018】また、ケイ素化合物としては、含水二酸化
ケイ素、形質無水ケイ酸、合成ヒドロタルサイト、ケイ
ソウ土、二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0019】本発明の吸着担体は、上記のその1種を単
独で使用してもよいし、また適宜複数を組み合わせて使
用してもよい。そのなかでも特に、ヒドロキシアパタイ
ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウムまたは水酸化アルミニウムが良好な結果を与
えることが判明した。
【0020】一方、本発明の吸着担体に均質に吸着およ
び/または付着される生理活性物質は特に限定されな
い。しかしながら、経口投与により吸収性の低い生理活
性物質が好適に使用可能であり、特に生理活性ペプチド
について良好な結果を与えることが判明した。この生理
活性ペプチドを本発明の吸着担体に均質に吸着および/
または付着された組成物は、後記実施例に記載する試験
結果からも明らかなように、経鼻投与されることによ
り、注射投与で得られる場合と等しい生体内吸収性を示
すものであった。
【0021】したがって、本発明の最も好ましい態様と
しては、生理活性ペプチドを、粒子の表面積が0.1〜
0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約10
0μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に調
整したヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、乳酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたは水酸化アル
ミニウムから選択される粉体からなる担体に、吸着およ
び/または付着させた組成物を提供するものでもある。
【0022】なお、そのような生理活性ペプチドとして
は、ペプチドホルモン、オピオイドペプチド、生理活性
タンパク、酵素タンパク等があげられ、なかでもペプチ
ドホルモンが特に好ましい。そのようなペプチドホルモ
ンとしては、カルシトニン、インシュリン、甲状腺刺激
ホルモン放出ホルモン(TRH)例えばサイロリベリ
ン、黄体化ホルモン放出ホルモン(LH−RH)例えば
ブセレリン、LH−RHアンタゴニスト、ソマトスタチ
ン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副腎皮質刺激
ホルモン放出ホルモン(CRH)例えばコルチコリベリ
ン、成長ホルモン放出ホルモン(GH−RH)例えばソ
マトレリン、ゴナトロピン(性腺刺激ホルモン)、性腺
刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)例えばゴナドリ
ベリン、副甲状腺ホルモン(PTH)、甲状腺刺激ホル
モン(TSH)、成長ホルモン(GH)例えばソマトロ
ピン、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)、卵胞刺激ホ
ルモン(FSH)、グルカゴン、バソプレシン、ソマト
スタチン(成長ホルモン放出抑制因子)、パラトルモン
(副甲状腺ホルモン)、アンギオテンシン、ガストリ
ン、セクレチリン、メラニン細胞刺激ホルモン、オキシ
トシン、プロチレリン、コルチコトロピン、チロトロピ
ン(甲状腺刺激ホルモン)、G−CSF、エリスロポエ
チン、スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)等で
ある。また、各種エンドルフィン、インターフェロン、
インターロイキン、ウロキナーゼ、リゾチーム、ワクチ
ン等もあげることができる。
【0023】本発明の組成物は、そのままあるいは他の
製剤学的に汎用されている他の賦形剤、安定剤、充填
剤、結合剤、分散剤、崩壊剤、滑沢剤、吸着剤などと練
合・混合して通常の経口投与用の錠剤、散剤、細粒剤、
顆粒剤、カプセル剤等とすることもできる。しかしなが
ら、本発明の組成物は、その粉末組成物の形態のままで
経鼻投与させることにより、組成物からの有効成分の放
出性に優れ、鼻粘膜を通して生体内への吸収性が特に良
好なものであることが判明した。したがって、本発明が
提供する組成物の好ましい使用は、経鼻投与型の粉末製
剤としての組成物である。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、便宜上担体用原料としての2価以上の多
価金属塩化合物のなかで、カルシウム化合物である炭酸
カルシウムを用いた例を代表例として記載するが、他の
多価金属塩化合物にあっても同様のものでもある。した
がって、本発明はこれらの実施例になんら限定されるも
のではないことに留意すべきである。
【0025】実施例1:担体用原料として、炭酸カルシ
ウムを用いた。この担体用原料の炭酸カルシウムの粒子
径分布は以下のとおりのものであった。 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 11.0% 20〜75μm 74.7% 75〜180μm 12.8% 180μm以上 1.5% 合計 100.0% この炭酸カルシウムを用いて、解砕・分級を行い、以下
の粒子径分布からなる本発明の吸着担体を得た。
【0026】 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 0 % 20〜75μm 85.6% 75〜180μm 14.4% 合計 100.0%
【0027】得られた炭酸カルシウムの粉体からなる吸
着担体の粒子の粒度分布を図1として示す。図中の結果
からより明らかなように、本発明の吸着担体は、その粒
子径が20μm〜100μmの範囲内にあり、55μm
付近を中心とする正規分布的に構成された粉体であるこ
とが理解される。この粒子の表面積をガス吸着によるB
ET 1点式流動法にて測定した場合、0.302m2
/gであった。
【0028】実施例2:担体用原料として、炭酸カルシ
ウムを用いた。この担体用原料の炭酸カルシウムの粒子
径分布は以下のとおりのものであった。 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 7.0% 20〜75μm 78.7% 75〜180μm 13.6% 180μm以上 0.7% 合計 100.0% この炭酸カルシウムを用いて、解砕・分級を行い、以下
の粒子径分布からなる本発明の吸着担体を得た。
【0029】 粒子径範囲 含有分布比率 20μm以下 0 % 20〜75μm 84.6% 75〜180μm 15.4% 合計 100.0%
【0030】得られた炭酸カルシウムの粉体からなる吸
着担体の粒子の粒度分布を図2として示す。図中の結果
からより明らかなように、この本発明の吸着担体にあっ
ても、その粒子径が20μm〜100μmの範囲内にあ
り、55μm付近を中心とする正規分布的に構成された
粉体であることが理解される。この粒子の表面積をガス
吸着によるBET 1点式流動法にて測定した場合、
0.292m2 /gであった。
【0031】実施例3:20μm以下の粒子の含有率評
価 上記の各実施例に記載の方法により得られた吸着担体中
における20μm以下の粒子の含有率は、その粒度分布
によれば見かけ上は0%となっている。この吸着担体中
における20μm以下の粒子の実際の含有率を以下のよ
うにして求めた。すなわち、上記の実施例の方法により
得られた乾燥吸着担体の3種類の5gを正確に秤量し
(これをAgとする)、湿式篩別法にて20μm以下の
粒子を完全に除去し、除去後に得られた篩上物の水分が
ゼロになるまで乾燥し、その重量を正確に秤量した(こ
れをBgとする)。
【0032】吸着担体中における20μm以下の粒子の
含有率は、以下により求めることができる。 20μm以下の粒子の含有率=[(A−B)/A]×1
00 これにより求めた3種類の吸着担体における20μm以
下の粒子の含有率は、次のようなものであった。 吸着担体a・・・・・・0.7% 吸着担体b・・・・・・0.9% 吸着担体c・・・・・・0.8%
【0033】実施例4:生理活性物質として、生理活性
ペプチドであるサケカルシトニンを選び、吸着担体とし
て上記実施例1に記載の方法で製造した炭酸カルシウム
粉体(表面積は0.2〜0.4m2 /gであった)を使
用し、サケカルシトニンの含有量として200MRC
(IU)/25mgの組成物となる本発明の組成物を調
製した。正常人男子3名を対象として、上記の組成物を
経鼻投与(単回)し、血液試料を2.5mlづつ、0時
間、5、10、15、20、30、45、60、90
分、2時間、3時間毎に採血し、標準RIA検定キット
を使用してサケカルシトニンの血中濃度の測定を行なっ
た。その結果を表2にまとめた。
【0034】
【表2】
【0035】表中の結果から明らかなように、本発明の
特異的吸着担体としてのの炭酸カルシウムを使用した本
発明の組成物を用いることにより、サケカルシトニンの
血中への吸収が優れていることが判明し、その血中濃度
も、注射投与の場合と同等のものであるといえる。
【0036】実施例5:生理活性物質として、生理活性
ペプチドであるグルカゴンを選び、吸着担体として実施
例1に記載の方法で製造した炭酸カルシウム粉体(表面
積は0.2〜0.3m2 /gであった)を使用し、グル
カゴンの含有量として2単位/30mg含有組成物とな
るように本発明の組成物を調製した。正常人男子4名を
対象として、上記の組成物を経鼻投与(単回)し、血液
試料を2.5mlづつ、0時間、5、10、15、2
0、30、45、60、90分、2時間、2.5時間、
3時間毎に採血し、血中グルカゴン量測定用キット(ラ
ジオイムノアッセイ法)を使用してグルカゴンの血中濃
度の測定を行なった。その結果を表3にまとめた。
【0037】
【表3】
【0038】表中の結果から明らかなように、経鼻投与
によりグルカゴンの血中への吸収は期待通りのものであ
ることが判明する。
【0039】試験例6:生理活性ペプチドとして成長ホ
ルモンであるソマトロピンを選び、吸着担体として表面
積が0.2〜0.4m2 /gを保持する、実施例1と同
様の方法で得た炭酸カルシウムを使用し、ソマトロピン
の含有量6.825単位/25mg含有組成物となる本
発明の組成物を調製した。正常人男子2名を対象とし
て、上記の組成物を経鼻投与(単回)し、血液試料を
2.5mlづつ、0時間、5、10、15、20、3
0、45、60、90分、2時間、2.5時間毎に採血
し、血中ソマトロピンを、ビーズ固相法を用いたIRM
A(イムノラジオメトリックアッセイ法)に基づく血中
成長ホルモン量測定キットを使用して測定した。その結
果を表4にまとめた。
【0040】
【表4】
【0041】表中の結果から明らかなように、ソマトロ
ピンの血中への吸収は、期待通りのものであり、良好に
生体内吸収されていることが判明する。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、生理活
性物質を担体表面に均質に吸着および/または付着する
ことが可能であり、製剤的安定性に優れるとともに、吸
着および/または付着された生理活性物質が製剤から効
率よく放出され、その結果生体内吸収性が高められた、
生理活性物質用の吸着担体粒子からなる粉体が提供され
る。また、本発明の吸着担体を使用して生理活性物質を
吸着および/または付着させた本発明の組成物は、たと
えば、経鼻ルートで投与すること、すなわち鼻粘膜に適
用することにより、その生理活性物質、特に生理活性ペ
プチドを良好に生体内吸収させるものであり、有効な臨
床的治療が可能であることが示唆される。したがって、
その医療効果は多大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の吸着担体の粒度分
布ならびに粒度累積分布を示す図である。
【図2】実施例2で得られた本発明の吸着担体の粒度分
布ならびに粒度累積分布を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の表面積が0.1〜0.4m2 /g
    を有し、粒度分布が約20μm〜約100μmにあり、
    20μm以下の粒径粒子を2%未満に調整した粉体から
    なる生理活性物質用の吸着担体。
  2. 【請求項2】 粉体が、アルミニウム化合物、カルシウ
    ム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物のい
    ずれかから選択される2価以上の多価金属塩化合物であ
    る請求項1記載の吸着担体。
  3. 【請求項3】 多価金属塩化合物がヒドロキシアパタイ
    ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
    グネシウムまたは水酸化アルミニウムである請求項2記
    載の吸着担体。
  4. 【請求項4】 生理活性物質が生理活性ペプチドである
    請求項3記載の吸着担体。
  5. 【請求項5】 生理活性物質を、粒子の表面積が0.1
    〜0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm〜約1
    00μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%未満に
    調整した粉体からなる担体に吸着および/または付着さ
    せた組成物。
  6. 【請求項6】 粉体が、アルミニウム化合物、カルシウ
    ム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物のい
    ずれかから選択される2価以上の多価金属塩化合物であ
    る請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 多価金属塩化合物がヒドロキシアパタイ
    ト、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マ
    グネシウムまたは水酸化アルミニウムである請求項6記
    載の組成物。
  8. 【請求項8】 生理活性物質がペプチドである請求項5
    ないし7のいずれかに記載の組成物。
  9. 【請求項9】 生理活性ペプチドを、粒子の表面積が
    0.1〜0.4m2 /gを有し、粒度分布が約20μm
    〜約100μmにあり、20μm以下の粒径粒子を2%
    未満に調整したヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウ
    ム、乳酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムまたは
    水酸化アルミニウムから選択される粉体からなる担体に
    吸着および/または付着させた組成物。
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