JPH11214289A - 位置計測方法、及び該方法を用いる露光方法 - Google Patents

位置計測方法、及び該方法を用いる露光方法

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JPH11214289A
JPH11214289A JP10017223A JP1722398A JPH11214289A JP H11214289 A JPH11214289 A JP H11214289A JP 10017223 A JP10017223 A JP 10017223A JP 1722398 A JP1722398 A JP 1722398A JP H11214289 A JPH11214289 A JP H11214289A
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measurement
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JP10017223A
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Shinichi Nakajima
伸一 中島
Koji Yoshida
幸司 吉田
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Nikon Corp
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography

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  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のノイズの影響を受けにくく、検出対象
物から得られる計測信号に基づいて、その検出対象物の
位置を高精度に計測できる位置計測方法を提供する。 【解決手段】 検出対象のウエハマークを撮像して得ら
れる計測信号のパターンA’の内で、先頭からp番目よ
りI個までのデータを切り出して被検パターンAとす
る。DP(Dynamic Programming)マッチング法を適用し
て、被検パターンAと標準パターンBとの間の各データ
対の距離の和が最小、又は最大になるときのその和を、
両パターンA,B間の距離とする。被検パターンAを切
り出すときのシフト量(p)を次第に変化させてそれぞ
れ両パターンA,B間の距離を求め、この距離が最小
値、又は最大値を取るときのシフト量(p)を、その計
測信号のパターンA’の位置ずれ量とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計測信号のパター
ンを所定の標準パターンと比較することによって位置計
測を行う位置計測方法に関し、例えば、半導体素子、液
晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等をリソグラフィ技術
を用いて製造する際に、マスクのパターンを感光性の基
板上に転写するために使用される露光装置において、そ
の基板とそのマスクとのアライメントを行う場合等に使
用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子等を製造する際
に、マスクとしてのレチクルに形成された微細パターン
の像を投影光学系を介して、基板としてのフォトレジス
ト等の感光材料が塗布された半導体ウエハ(又はガラス
プレート等)上に露光するステッパー等の露光装置が使
用されている。例えば半導体素子は半導体ウエハ(以
下、単に「ウエハ」と言う)上に多層の回路パターンを
所定の位置関係で積み重ねて形成されるため、ウエハ上
の2層目以降に重ね合わせ露光する際には、レチクルの
パターン像とウエハ上の各ショット領域に既に形成され
ている回路パターンとの位置合わせ(アライメント)を
高精度に行う必要がある。この際に要求されるアライメ
ント精度がパターンの微細化と共に厳しくなってきてい
るのに応えるため、種々のアライメント方式が提案され
ている。
【0003】まず、レチクルのアライメント方式として
は露光光を用いる方式が一般的である。その方式の一例
として、露光光をレチクル上に描画されたアライメント
マーク(レチクルマーク)に照射し、CCDカメラなど
でそのレチクルマークを撮像して得られる画像データを
画像処理してそのマーク位置を計測するVRA(Visual
Reticle Alignment)方式がある。
【0004】ウエハのアライメント方式としては、レー
ザ光とウエハ上のドット列状のアライメントマーク(ウ
エハマーク)とを相対走査し、そのマークにより回折又
は散乱された光を用いてマーク位置を検出するLSA
(Laser Step Alignment)方式がある。更に、ハロゲン
ランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光でウエハマー
クを照明し、CCDカメラなどでウエハマークを撮像し
て得られる画像データを画像処理してマーク位置を計測
するFIA(Field Image Alignment)方式、或いは回折
格子状のウエハマークに周波数を僅かに変えたレーザ光
を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉さ
せ、その干渉光の位相からそのウエハマークの位置を計
測するLIA(Laser Interferometric Alignment)方式
等がある。これらのアライメント方式においては、予め
求められているレチクルのパターン像の投影位置に、ウ
エハマークの位置計測結果に基づいてウエハステージを
駆動して、ウエハ上の露光対象のショット領域を重ね合
わせた状態で、露光光を照射することによってレチクル
のパターン像が投影露光される。
【0005】また、露光光によるウエハのアライメント
方式として、例えばレチクル上から露光光によってレチ
クルマークとウエハ上のウエハマークとを同時に計測す
るTTR(Through The Reticle)方式がある。このTT
R方式では、露光光を使用していることから投影光学系
の収差もレチクルのパターンの投影像と全く同じ影響を
受けるため、オフセットの全くないアライメントが可能
である。但し、アライメント時にウエハ上のフォトマス
クが或る程度は感光されてしまうため、アライメント時
間を短縮するか、又はアライメント用の露光光の強度を
小さくする必要がある。
【0006】ところで、ウエハマークは、ウエハ上に主
に段差を有する凹凸のマークとして形成される。その段
差は、一般に20〜300nm程度である。ウエハマー
クはエッチングなどの加工処理によって形成されるが、
その加工処理は、デバイス用の回路形成のために最適な
方法であり、ウエハマークの形状等は前工程までのプロ
セスに大きく依存する。また、ウエハマーク上には通常
レジストが塗布されており、通常のFIA方式の場合、
マークの凹凸を信号強度の変化として検出することは困
難であるが、凹凸の境界領域であるエッジ部分で散乱さ
れた検出光を受光することによって、マークの凹部と凸
部とに反射率差がなくとも、そのエッジ部分が検出でき
る。また、光学系に位相差顕微鏡を用いた位相差FIA
方式では、その凹部と凸部との位相差を信号強度の変化
に変換することで、低段差マークのコントラストを上げ
ることができる。
【0007】これらの各種のアライメント方式において
は、それぞれアライメントセンサより撮像信号等の計測
信号が得られる。これらの計測信号より、例えば対応す
るマークの位置を決定するために、従来は一例としてそ
の計測信号を所定の閾値レベルでスライス処理してエッ
ジ位置を検出する方法(以下、「エッジ検出法」と呼
ぶ)が使用されていた。また、高周波ノイズの影響を軽
減できる信号処理方式として、「正規化相互相関法」も
使用されていた。この処理方法は、計測信号の形状が予
め分かっているときに用いられる方法であり、マークか
ら得られるであろう信号波形が標準パターンB1として
予め保持されている。そして、アライメントセンサによ
って検出された計測信号A1に対し、次のように正規化
された畳み込み積分によって正規化相互相関関数T
(x)が計算される。
【0008】
【数1】T(x)={∫A1(x’−x)B1(x’)d
x’}/(L・|A1|・|B1|) ここで、x,x’は計測方向の位置、Lは積分範囲の長
さ(標準パターンB1の長さ)であり、|A1|及び|
B1|は、それぞれ次式で定義される。
【0009】
【数2】 |A1|2 =∫A1(x’−x)A1(x’)dx’
【0010】
【数3】 |B1|2 =∫B1(x’−x)B1(x’)dx’ そして、その正規化相互相関関数T(x)が、最大値を
とる位置xの値x0 を求めれば、その位置x0 が、信号
A1とパターンB1とのx方向の位置ずれに相当すると
考える。関数T(x)は計測パターンが持つ高周波ノイ
ズに鈍感であるため、エッジ検出法と比較して高周波ノ
イズに強い。
【0011】また、半導体素子にとって、ウエハの或る
層に露光して現像処理した後、次のプロセス処理を行う
前に、工程間で露光が正確に行われたかどうかを確認す
るために行われる位置ずれ計測(レジストレーション計
測)も重要な工程の一つである。その位置ずれ計測は、
例えばウエハ上の2層のマーク間の位置ずれ量を計測す
ることによって行われる。その位置ずれ計測によって、
例えば前工程の回路パターンと今の工程で形成されたレ
ジストパターンとの重ね合わせ精度が悪いことが判明し
た場合、レジストを剥離して、再度フォトレジストの塗
布、及び露光(リワーク)を行うことになる。また、半
導体製造工場において、露光装置が正常に作動している
かを確認したり、あるいは露光装置の組立調整段階にお
いて、露光装置の各種精度を確認するためにも位置ずれ
計測は重要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来より種
々のアライメント方式が提案されているが、各アライメ
ント方式でセンサを介して検出される計測信号には、プ
ロセス処理、及び検出方法による光学的なノイズや、電
気的なノイズが常に含まれている。また、これらのノイ
ズには、ランダムな成分と系統的な成分とが含まれてい
る。例えば、LSA方式のように、ウエハステージを駆
動してレーザビームに対してドット列状のウエハマーク
を相対走査する場合、ウエハステージを駆動している最
中に、レーザ干渉計によって検出されるステージ座標
が、空気揺らぎなどの影響によって誤差を持つと、ウエ
ハマークの本来の形状と比較して、計測信号の波形がラ
ンダムに歪むことになる。
【0013】また、LSA方式やLIA方式では、検出
光としてレーザビームを用いているが、レーザビームは
ウエハマーク上のレジストによる多重干渉の影響を受け
る。そのため、前工程までの処理に起因するウエハ表面
の荒れやレジストの膜厚むら、及びマークの微小な非対
称性の影響などを受けて、計測信号にランダムなノイズ
あるいは系統的なノイズが重畳される。また、レジスト
は通常スピンコートによって塗布されるため、上記のプ
ロセス処理に起因する表面荒れ、及び非対称性がなくと
も、ウエハマークの段差自体のために、レジスト膜厚む
らがマーク付近で生じるため、これが系統的なノイズの
原因となる。更に、微小な欠陥、及び異物などもランダ
ムなノイズの原因となる。
【0014】また、FIA方式では、検出光の波長帯域
が広いため、レジストによる多重干渉の影響は受けにく
いが、ウエハ表面の荒れやレジストの膜厚むら、マーク
の微小な非対称性、及び微小な欠陥や異物などにより計
測信号にノイズが重畳される。更に、ウエハマークの段
差が低い場合には、コントラストを高めるために位相差
FIA方式が使用されるが、この方式では段差が強度信
号の変化として検出されるため、更に上記の影響を受け
やすくなる。
【0015】このようにランダムな或いは系統的なノイ
ズが重畳された計測信号に対して、所定の閾値レベルで
スライス処理を行うエッジ検出法を適用すると、エッジ
位置がずれてしまうため、ウエハマークの位置の検出精
度が低下するという不都合があった。これを避けるた
め、スライス処理の前に平滑化処理(スムージング)を
行う等によって、高周波ノイズの影響を低減することも
可能であるが、低周波ノイズには対応できない。
【0016】一方、正規化相互相関法では、エッジ検出
法と比較して高周波ノイズには強いが、相対的に低周波
のノイズや、系統的なノイズに対しては弱いという不都
合がある。これに関して、ウエハマークの非対称性など
に起因する信号波形の歪みは、低周波のノイズによる誤
差、及び系統的なノイズによる誤差(系統誤差)が支配
的である。また、正規化相互相関法の場合、マークが対
称に形成されていたとしても、マーク線幅が、標準パタ
ーンの線幅と異なったり、マーク間隔がばらついていた
りすると、正規化相互相関関数T(x)は敏感に感度が
悪化するため、位置検出精度が低下するという不都合が
ある。従って、エッジ検出法、及び正規化相互相関法で
は、これ以上検出精度を向上させることは困難である。
【0017】また、位置ずれ計測(レジストレーション
計測)についても、位置合わせの場合と同様に、計測信
号に含まれるノイズが問題となる。一般に、重ね合わせ
精度を確認するための位置ずれ計測は、検出対象が、レ
ジストパターンよりなるマークとプロセス処理されたマ
ーク、あるいはレジストパターンよりなるマーク同士で
あり、プロセス処理されたマーク上にはレジストがない
ため、比較的検出は容易である。しかし、位置ずれ計測
は、1回の計測につき、数nm程度の計測精度が要求さ
れるようになっているため、従来法では、ノイズの影響
によって目標とする精度を得るのが困難になりつつあ
る。
【0018】本発明は斯かる点に鑑み、種々のノイズの
影響を受けにくく、検出対象物から得られる計測信号に
基づいて、その検出対象物の位置を高精度に計測できる
位置計測方法を提供することを目的とする。更に本発明
は、そのような位置計測方法を使用して、高精度にウエ
ハ等の基板の位置合わせ(アライメント)を行うことが
できる露光方法を提供することをも目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の位置
計測方法は、所定の標準パターン(B)と、検出対象物
(22X,24X)から得られる計測信号のパターン
(A’)とを比較することによって、その検出対象物の
位置を計測する位置計測方法において、その標準パター
ンを構成するデータの個数をJ個(Jは2以上の整数)
として、その計測信号のパターン(A’)中のp番目
(pは1以上の整数)のデータから連続するI個(Iは
2以上の整数)のデータ(ai)を抽出し、その標準パタ
ーンを構成するJ個のデータ(bj)に対してその計測信
号のパターンから抽出されたI個のデータ(ai)を対応
付けて、このように対応付けられた1対のデータ毎にそ
れぞれ所定の距離(一種の相関度)を求め、そのように
対応付けられたJ対、又はI対のデータについてのその
距離の和(E(F))を求め、この距離の和が極値を取
るようにそのJ個のデータとそのI個のデータとの対応
付けを行ったときのその距離の和(D(A,B))を、
そのp番目のデータからのその標準パターンとその計測
信号のパターンとのマッチング度とみなし、そのマッチ
ング度が最大値、又は最小値を取るときのそのpの値
(シフト量)よりその検出対象物の位置を求めるもので
ある。
【0020】斯かる本発明は、その計測信号の一部のパ
ターンをその標準パターンと比較するために、音声認識
において用いられているDPマッチング法(Dynamic Pr
ogramming Matching Method)、即ち時間正規化マッチン
グ法を適用したものである。このDPマッチング法で
は、標準パターン(B)と計測信号のパターン(A’)
から選択された計測信号との距離の和が極値を取るよう
にそれらの間の対応付けを行っているため、低周波ノイ
ズや系統的なノイズの影響も低減される。そして、その
マッチング度が最大値、又は最小値を取るときのデータ
のシフト量(p)を例えばその計測信号の位置とみなし
ているため、その計測信号中でその標準パターン(B)
と合致する部分、ひいてはその検出対象物の位置を正確
に検出できる。
【0021】この場合、露光時にはレチクル、及びウエ
ハが位置決め対象物であり、これらの位置決め対象物上
のレチクルマークやウエハマーク等が検出対象物とな
り、これらのレチクルマークやウエハマークの位置が検
出される。一方、位置ずれ計測(レジストレーション計
測)時には、ウエハ等が計測対象物となり、この計測対
象物上の例えば2層のマークが検出対象物となり、これ
らの2つのマークの位置をそれぞれ検出した後、これら
の位置の差分を求めることで、これらの2つのマーク間
の位置ずれ量が検出される。
【0022】この場合、そのように対応付けられた1対
のデータの値をb,aとしたとき、その1対のデータの
距離の一例は、a・b、又は或る整数n(nは例えば1
以上の整数)を用いて|b−a|n の何れかである。そ
の距離をa・bとしたときには、そのマッチング度が最
大値を取るときのシフト量からその検出対象物の位置が
求められる。逆に、その距離を−a・bとしたときに
は、そのマッチング度が最小値を取るときのシフト量か
らその検出対象物の位置が求められる。同様に、その距
離を|b−a|n としたときにも、そのマッチング度が
最小値を取るときのシフト量からその検出対象物の位置
が求められる。
【0023】また、そのJ個のデータとそのI個のデー
タとを対応付ける際に、常に所定の位置のデータが固定
的に対応付けられるようにしてもよい。これによって、
2組のデータの対応付けが大きくずれ過ぎることがなく
なる。また、そのJ個のデータとそのI個のデータとを
対応付ける際に、所定の柔軟度を持たせるようにしても
よい。これは、例えば図5において、2組のデータを対
応付ける経路(28)が所定の直線(j=i)等に対し
て近付くように係数(α(c(k)))を設けることを
意味する。この方法でも、2組のデータの対応付けが大
きくずれ過ぎることがなくなる。
【0024】次に、本発明の第2の位置計測方法は、所
定の基準パターン(B)と、検出対象物(22X,24
X)から得られる計測信号のパターン(A’)とを比較
することによって、その検出対象物の位置を計測する位
置計測方法において、その標準パターンを構成するデー
タの個数をJ個(Jは2以上の整数)として、その計測
信号のパターン(A’)中のp番目(pは1以上の整
数)のデータから連続するI個(Iは2以上の整数)の
データを抽出し、その標準パターンを構成するJ個の各
データとその計測信号のI個のデータとの所定の距離
(一種の相関度)の和(E(F))が極値を取るよう
に、その標準パターンを構成するJ個の各データとその
計測信号のI個のデータとを対応付け、その標準パター
ンを構成するJ個の各データとその計測信号のI個のデ
ータとの前記対応付けに基づいてその検出対象物の位置
を求めるものである。
【0025】本発明によっても、実質的にDPマッチン
グ法が適用されて、低周波ノイズや系統的なノイズの影
響も低減されて、高精度に位置計測が行われる。また、
その距離の一例は、第1の位置計測方法の場合と同様で
ある。この第2の位置計測方法においては、一例とし
て、その対応付けを行った後に、その標準パターン
(B)を構成するJ個の各データ(bj)とその計測信号
のI個のデータ(ai)とを走査して、その対応付けに基
づいたその標準パターンのJ個の各データとその計測信
号のI個のデータとの所定の距離の和が極値を取る位置
を計測する。そのように標準パターンのデータと計測信
号のデータとを走査(相対走査)することによって、そ
の計測信号中でその標準パターンと最も良く合致する部
分、ひいてはその検出対象物の位置が容易に特定でき
る。
【0026】また、別の例として、その対応付けを行う
際にその標準パターンを構成するJ個の各データ(bj)
とその計測信号のI個のデータ(ai)とを走査して、そ
の標準パターンのJ個の各データとその計測信号のI個
のデータとの所定の距離の和が極値を取る位置を算出し
てその検出対象物の位置を求めるようにしてもよい。そ
の対応付けを行う際にDPマッチング法を適用すること
でも、高精度に位置検出を行うことができる。
【0027】また、更に別の例として、その対応付けを
2次元平面上の関数とみなし、この関数に基づいてその
検出対象物の位置を求めるようにしてもよい。このよう
な関数を用いることによって、より少ない計算量で位置
検出を行うことができる。この場合、その2次元平面上
の関数を所定の関数にフィッティングしてその検出対象
物の位置を求めることが望ましい。予め所定の形に設定
された関数を使用することによって、より計算量を少な
くできる。
【0028】次に、本発明による露光装置は、マスク
(10)のパターンを基板(12)上に露光する露光方
法において、その基板を検出対象物として、上記の本発
明による位置計測方法を用いてその基板の位置を計測
し、この計測結果に基づいてその基板とそのマスクとの
位置合わせを行うものである。これによって、高い重ね
合わせ精度が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。図1は、本例で使用さ
れる投影露光装置を示し、この図1において、超高圧水
銀ランプや、エキシマレーザ光源などの露光光源1から
射出された照明光は、ミラー3で反射されて波長選択フ
ィルタ4に入射する。波長選択フィルタ4を通過した露
光に必要な波長域の照明光(露光光)は、照度分布均一
化用のフライアイ・インテグレータ5に入射する。な
お、装置全体の動作を統轄制御する主制御系37が、電
源装置2を介して露光光源1の発光タイミング、及び出
力等を制御している。
【0030】フライアイ・インテグレータ5の射出面に
形成される多数の光源像からの露光光ILは、不図示の
開口絞りを通過して、第1リレーレンズ6Aを経てレチ
クルブラインド7(可変視野絞り)に到達する。レチク
ルブラインド7は、駆動装置18によって開口の大きさ
が切り換えられ、これによって露光光ILによるレチク
ル10上の照明領域が制御される。レチクルブラインド
7の開口を通過した露光光ILは、第2リレーレンズ6
Bを経て、ミラー8で反射された後、コンデンサレンズ
系9を介してレチクル10のパターン面の照明領域を照
明する。レチクル10の照明領域内のパターンの像は、
投影光学系PLを介して投影倍率β(βは1/4,1/
5等)で、レジストが塗布されたウエハ12の表面の各
ショット領域に投影される。以下、投影光学系PLの光
軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1
の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取っ
て説明する。
【0031】まず、レチクル10は、このレチクル10
をXY平面内で位置決めするレチクルステージ11上に
吸着保持されている。レチクルステージ11の位置は不
図示のレーザ干渉計によって計測され、この計測値、及
び主制御系37からの制御情報によってレチクルステー
ジ11の動作が制御されている。一方、ウエハ12は、
不図示のウエハホルダ上に真空吸着によって保持され、
このウエハホルダはウエハステージ13上に固定されて
いる。ウエハステージ13は、例えばリニアモータ方式
によってX方向、Y方向にウエハ12をステップ移動す
ると共に、オートフォーカス方式でウエハ12のフォー
カス位置(光軸AX方向の位置)、及び傾斜角を制御す
ることによって、ウエハ12の表面を投影光学系PLの
像面に合わせ込む。
【0032】ウエハステージ13の上部に固定された移
動鏡14、及び対向して配置されたレーザ干渉計15に
よってウエハステージ13のX座標、Y座標、及び回転
角が計測され、この計測値がステージ制御系36、及び
主制御系37に供給されている。ステージ制御系36
は、その計測値、及び主制御系37からの制御情報に基
づいて、ウエハステージ駆動部16を介してウエハステ
ージ13の動作を制御する。露光時には、ウエハ12上
の1つのショット領域への露光が終了すると、ウエハス
テージ13のステップ移動によってウエハ12上の次の
ショット領域が投影光学系PLの露光領域に移動し、以
下ステップ・アンド・リピート方式でウエハ12上の各
ショット領域へのレチクル10のパターン像の露光が行
われる。
【0033】さて、このような露光が重ね合わせ露光で
あるとすると、予めウエハ12の各ショット領域とレチ
クル10とのアライメントを高精度に行っておく必要が
ある。そのため、図3(a)に示すように、ウエハ12
上の各ショット領域21にはそれぞれ、X方向に配列さ
れた凹凸のライン・アンド・スペースパターンよりなる
X軸のウエハマーク22X、及びY方向に配列された凹
凸のライン・アンド・スペースパターンよりなるY軸の
ウエハマーク22Yが付設されている。ウエハマーク2
2XのX方向の中心座標、及びウエハマーク22YのY
方向の中心座標と、対応するショット領域21の中心座
標とのオフセットは、露光データとして図1の主制御系
37に供給されている。
【0034】また、図3(b)に示すように、レチクル
10のパターン領域23の+X方向側に窓部25Yを挟
んでY方向に所定ピッチでY軸のレチクルマーク24Y
が形成され、パターン領域23の+Y方向側に窓部25
Xを挟んでX方向に所定ピッチでX軸のレチクルマーク
24Xが形成されている。本例では、レチクル10のパ
ターン領域23の投影像の中心にウエハ12のショット
領域21の中心をほぼ合わせた状態で、ウエハマーク2
2X及び22Yの共役像がそれぞれ窓部25X及び25
Yに形成されるようになっている。更に、不図示である
が、レチクル10のパターン面にはパターン領域23を
X方向に挟むように、レチクルアライメント用の2つの
アライメントマークが形成されている。
【0035】図1に戻り、本例の投影露光装置には、レ
チクル10のレチクルマーク24X,24Y(図3参
照)と、対応するウエハ12上の各ショット領域のウエ
ハマーク22X,22Yとの位置ずれ量を投影光学系P
Lを介して検出する、TTR(Through The Reticle)方
式のアライメントセンサ31が備えられ、アライメント
センサ31の計測信号がアライメント信号処理系35に
供給されている。アライメントセンサ31は、実際には
2つのレチクルマーク24X,24Yの上方に2軸配置
されている。
【0036】アライメントセンサ31の方式としては、
アライメント光としてHe−Neレーザ等を使用してド
ット列状のマークからの回折光を受光するLSA方式、
He−Neレーザ光等を使用して回折格子状のマークか
らの回折光よりなる干渉光を受光するLIA方式、又は
露光光と同じ波長域の照明光を使用して被検マークの像
を撮像する露光光アライメント方式等が使用できる。特
に、露光光ILとして、KrF(波長248nm)、A
rF(波長193nm)等のエキシマレーザ光を使用し
た場合には、アライメント光としてHe−Neレーザ光
を使用すると、露光光ILとの波長差が大きくなって投
影光学系PLにおける色収差の補正が複雑になるため、
露光光アライメント方式が好ましい。また、露光光アラ
イメント方式を使うとオフセットを考慮する必要がな
く、いわゆるベースライン量(アライメントセンサの検
出中心と露光中心との間隔)を管理する必要もない。
【0037】そこで、本例ではアライメントセンサ31
としては、露光光ILと同じ波長域の照明光でレチクル
マーク及びウエハマークを照明し、両マークの像をCC
Dカメラ等の撮像素子で撮像する画像処理方式で、かつ
露光光アライメント方式のセンサを使用する。また、レ
チクルのアライメント用として、ウエハステージ13上
に所定の基準マークが形成された基準マーク部材33が
固定されている。そして、例えばレチクル10をレチク
ルステージ11上に載置した際には、基準マーク部材3
3を投影光学系PLの露光領域に移動して、アライメン
トセンサ31によって投影光学系PLを介して、レチク
ル10上のアライメントマークと対応する基準マーク部
材33上の基準マークとの位置ずれ量を計測する。この
位置ずれ量は、アライメント信号処理系35によって求
められて主制御系37に供給され、主制御系37ではそ
の位置ずれ量が所定範囲内に収まるようにレチクルステ
ージ11を制御する。
【0038】また、投影光学系PLの側面に、ウエハ1
2上のウエハマークの位置検出を行うために、オフ・ア
クシス方式のアライメントセンサ32も備えられてい
る。アライメントセンサ32のアライメント方式として
は、画像処理方式(FIA方式)、LSA方式、又はL
IA方式等が使用できるが、オフ・アクシス方式のアラ
イメントセンサは、ウエハ12の大まかな位置合わせ
(サーチアライメント)にも使用されることが多いた
め、画像処理方式が便利である。そこで、本例のアライ
メントセンサ32も、広帯域の照明光で被検マークを照
明し、被検マークの像をCCDカメラ等の撮像素子で撮
像する画像処理方式とする。アライメントセンサ32か
らの撮像信号よりなる計測信号もアライメント信号処理
系35に供給されている。なお、アライメントセンサ3
2の検出中心とレチクル10のパターンの投影像の中心
(露光中心)との間隔(ベースライン量)は、基準マー
ク部材33上の所定の基準マークを用いて予め求められ
て、主制御系37内に記憶されている。
【0039】露光時にTTR方式のアライメントセンサ
31を使用する場合には、アライメントセンサ31を用
いて、レチクル10上のレチクルマーク24X,24Y
と、ウエハ12上の露光対象のショット領域のウエハマ
ーク22X,22Yの像とを同時に撮像し、アライメン
ト信号処理系35でそれらのマーク間の位置ずれ量を検
出し、検出結果を主制御系37に供給する。主制御系3
7では、それらの位置ずれ量が所定の許容範囲に収まる
ようにウエハステージ13を駆動した後、当該ショット
領域にレチクル10のパターン像を露光する。
【0040】一方、露光時にオフ・アクシス方式のアラ
イメントセンサ32を使用する場合には、例えばウエハ
12上から選択された所定個数のショット領域(サンプ
ルショット)のウエハマーク22X,22Yをアライメ
ントセンサ32で撮像する。そして、アライメント信号
処理系35では、計測信号を処理することによって各ウ
エハマーク22X,22Yのアライメントセンサ32内
の検出中心からのX方向、Y方向への位置ずれ量を検出
し、検出結果を主制御系37に供給する。主制御系37
は、各ウエハマークの位置ずれ量を各ウエハマークの位
置を検出したときにレーザ干渉計15によって計測され
ている座標に加算することによって、各ウエハマークの
X座標、又はY座標を算出し、更に各サンプルショット
の配列座標を求める。
【0041】そして、主制御系37は、例えばエンハン
スト・グローバル・アライメント(EGA)方式でそれ
らの配列座標を処理することによって、ウエハ12上の
全部のショット領域の配列座標を求める。その後、主制
御系37は、得られた配列座標をアライメントセンサ3
2のベースライン量等で補正した値に基づいて、ウエハ
ステージ13を駆動してウエハ12上の各ショット領域
を露光位置に位置決めして、レチクル10のパターン像
を露光する。
【0042】次に、アライメント信号処理系35におい
て、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ32から
の計測信号より、図3(a)のX軸のウエハマーク22
Xの検出中心からX方向への位置ずれ量を求める方法の
一例につき説明する。なお、TTR方式のアライメント
センサ31からの計測信号も同様に処理できる。図2
は、アライメント信号処理系35の構成を示すブロック
図であり、この図2において、アライメントセンサ31
及び32からの撮像信号よりなる計測信号は、それぞれ
アライメント信号処理系35内の信号処理部38A及び
38Bに供給される。信号処理部38A及び38Bは、
それぞれ対応する計測信号を例えば画素毎にデジタル信
号に変換した後、非計測方向に加算して平均化し、この
ように平均化された計測信号のパターンA’をRAM等
の第1メモリ39に格納する。計測信号のパターンA’
は、被検マークの像の強度分布を非計測方向に平均化し
て、アライメントセンサ31,32内の撮像素子の画素
毎にサンプリングしたデータの集合ともみなすことがで
きる。第1メモリ39に格納された計測信号のパターン
A’は、制御部40に読み出されて演算判定部42に供
給される。なお、制御部40、及び演算判定部42は、
例えばマイクロプロセッサより構成されている。
【0043】図4(b)のデータ列27は、アライメン
トセンサ32を介して検出されるウエハマーク22Xの
像に対応する計測信号のパターンA’を構成する一連の
データa’q(q=1〜Q:Qは3以上の整数)を示し、
図4(b)の横軸は、その像の検出中心(本例では最も
左側の画素)に対するX方向への相対位置を、ウエハ1
2上での長さに換算した位置を示している。また、デー
タのサンプリング点1,2,…,Qの間隔ΔXは、撮像
素子の画素のピッチをウエハ12上での長さに換算した
長さである。
【0044】図2に戻り、RAM等の第2メモリ41に
は、予め主制御系37から制御部40を介して、ウエハ
マーク22Xの像の計測信号のパターンA’の比較の基
準となる標準パターンBのデータが格納されている。制
御部40は、アライメント時には第2メモリ41から読
み出した標準パターンBのデータを演算判定部42に供
給する。演算判定部42では、計測信号のパターンA’
から次第にシフト量を変えながら切り出した所定幅のデ
ータと、その標準パターンBのデータとを後述のように
比較して、所定のマッチング度が最小値、又は最大値を
取るときのシフト量を求める。
【0045】図4(a)のデータ列26は、ウエハマー
ク22Xの像に対応する標準パターンBを構成する一連
のデータbj(j=1〜J:Jは2以上でQより小さい整
数)を示し、図4(a)の横軸は、その標準パターンB
の各データの1番目のデータb1 からのX方向への相対
位置を、ウエハ12上での長さに換算した位置を示して
いる。また、データのサンプリング点1,2,…,Jの
間隔ΔXは、計測信号のパターンA’のサンプリング点
の間隔と同じである。ただし、標準パターンBのサンプ
リング点の間隔は、計測信号のパターンA’のサンプリ
ング点の間隔と異なっていても差し支えない。なお、図
2の第2メモリ41には、レチクルマーク24X等の像
に対応する標準パターンのデータも格納されている。
【0046】図2において、演算判定部42ではそのよ
うにして求めた計測信号のパターンA’のシフト量を、
ウエハマーク22Xの位置ずれ量として制御部40に供
給し、制御部40はその位置ずれ量を主制御系37に供
給する。次に、演算制御部42で、所定のマッチング度
が最小値、又は最大値を取るときの、計測信号のパター
ンA’のシフト量を決定する方法につき説明する。本例
では、そのためにDPマッチング法を適用しているの
で、まずDPマッチング法につき簡単に説明する。
【0047】A.DPマッチング法(Dynamic Programm
ing Matching Method)の説明 DPマッチング法とは、時間正規化マッチング法とも呼
ばれており、通常は人間の話す声を聞き分けるための音
声認識技術の1つとして使用されている。音声には、同
じ1つの単語でも、発声されるたびに継続時間が異な
り、その時間構造も線形ではないという特徴がある。発
声速度が速くなるに従って、母音の定常部分は短くなる
のに対し、子音部やわたりの部分は比較的固有の長さを
保っている。2つの音声パターンを比較する際に、この
ような性質を考慮して時間長の違いによって生じる本質
的でない差を極力排除する距離尺度を用いて、2つの音
声パターン間の差を定量化する方法がDPマッチング法
である。アライメント信号処理に適用する場合、音声認
識における時間方向が、被検マークの位置計測方向に対
応する。以下に、DPマッチング法を適用した具体的な
計測方法の例をいくつか挙げる。
【0048】B.DPマッチング法によるマッチング度
の計算方法 ここでは、図3(a)のウエハマーク22Xの像に対応
する、図4(b)の計測信号のパターンA’のデータ列
27中から切り出したパターンと、図4(a)の標準パ
ターンBのデータ列26とのマッチング度を計算する方
法について説明する。この場合、標準パターンBは、X
方向に配列されたJ個のデータbj(j=1〜J)より構
成され、計測信号のパターンA’は、J個より多いQ個
のX方向に配列されたデータa’q(q=1〜Q)より構
成されている。そこで、図4(b)において、計測信号
のパターンA’内のp番目(pは1以上で(Q−J)以
下の整数)よりI個(Iは1以上でQ以下の整数)のデ
ータまでのデータ列27aを切り出し、この切り出した
データ列を被検パターンAとする。被検パターンAのデ
ータをai(i=1〜I)とすると、被検パターンAの先
頭のデータa1 はパターンA’のp番目のデータa’p
と同じデータである。従って、被検パターンA、及び標
準パターンBは次のように表される。
【0049】 A=(a1,a2,a3,…,aI ) B=(b1,b2,b3,…,bJ ) 被検パターンA及び標準パターンBの長さは、一般に異
なっていることを許すこともできるが、簡単のため、以
下では等長(I=J)であるとする。まず、被検パター
ンAの各データai と、標準パターンBの各データbj
との間の距離をd(i,j)と定義する。そして、被検
パターンAと標準パターンBとの間の距離の評価値d
(A,B)の最も簡単な定義は次のようになる。この評
価値d(A,B)が両パターンA,Bのマッチング度に
相当する。
【0050】
【数4】 そして、例えば被検パターンA、標準パターンBのそれ
ぞれを規格化した後、データai とデータbj との間の
距離d(i,j)を一例として次のように定義する。
【0051】
【数5】d(i,j)=−ai ×bj このように定義すると、(数4)の評価値d(A,B)
は正規化相互相関に相当する。(数5)のマイナス符号
は、(数4)の評価値d(A,B)の最小値を両パター
ンA,Bの距離とするためである。逆に、評価値d
(A,B)の最大値を両パターンA,Bの距離とする場
合には、d(i,j)=ai ×bj とすればよい。ま
た、距離d(i,j)としては|bj −aj n(nは例
えば1以上の整数)を用いてもよく、この場合にも、
(数4)の評価値d(A,B)の最小値を両パターン
A,Bの距離とすればよい。
【0052】次に、図4(a),(b)のX軸方向に局
所的な補正を加えるために、X軸変換関数として(i,
j)平面上で(1,1)〜(I,J)を結ぶ任意の経路
を取る点列Fを考える。図5は、横軸をj、縦軸をiと
する(i,j)平面を示し、この図5において、(1,
1)〜(I,J)を結ぶ任意の経路28上の点列がFで
あり、点列Fのk番目の点をc(k)とする(kは1〜
Iまでの整数)。そして、各点c(k)での1対のデー
タai 及びデータbj の間の距離をd(c(k))とし
て、点列Fを用いた場合の両パターンA,Bのマッチン
グ度、即ち被検パターンAと標準パターンBとの間の距
離の評価値E(F)を次のように定義する。
【0053】
【数6】 この式において、w(k)は、(i,j)平面上の各点
c(k)に対する重みであり、分母の重みw(k)の和
は評価値E(F)を規格化するために入っている。(数
4)の距離の評価値d(A,B)は、(数6)におい
て、重みw(k)を一定とした場合、即ち図5の点列F
を直線(j=i)上に配列した場合に相当する。
【0054】そして、本例では(数6)の評価値E
(F)が最小値min{E(F)}を取るときの点列F
の経路を決定し、次式で示すように、その最小値をもっ
て被検パターンAと標準パターンBとの間の距離D
(A,B)とみなす。
【0055】
【数7】D(A,B)=min{E(F)} つまり、図5の点列Fに対応する経路28を種々に変更
して、最も評価値E(F)を小さくするときの経路を採
用し、そのときの評価値E(F)の値を両パターンA,
B間の距離D(A,B)とするのである。
【0056】但し、点列Fには、単調性と連続性とか
ら、点列Fの順序が(k−1)番目の点からk番目の点
に移行したときに、被検パターンAのデータの順序i、
及び標準パターンBのデータの順序jはそれぞれ逆戻り
しないと共に、2以上増加しないという条件1を課すの
が妥当である。この条件1は、k番目の点での順序i、
及びjの値をそれぞれi(k)、及びj(k)とする
と、次のようになる。
【0057】条件1: 0≦i(k)−i(k−1)≦1,且つ 0≦j(k)−j(k−1)≦1 また、音声認識においては、X軸方向に極端な変形をし
てしまうことによる誤検出を防ぐため、点列Fに例えば
次のような条件(制限)2、又は条件(制限)2’を課
すことが行われる。
【0058】条件2:図5の点列Fの経路28は、直線
(j=i)から、或る距離以上離れない。これは、経路
28は、直線(j=i)から前後に同じ距離だけ離れた
直線29A及び29Bの間に収まっていることを意味す
る。 条件2’:図5の点列Fの経路28の傾きは、或る範囲
内に入っていなければならない。
【0059】そこで、本例においても、条件2を満足す
るものとする。更に本例は、「パターン認識方法」では
なく、「位置決め方法」に関するものであるため、点列
Fの扱いには注意が必要である。なぜなら、X軸変換関
数(点列F)がパターン全体の位置ずれをも吸収してし
まうと、位置計測ができないからである。そこで、本例
では1つの方法として、標準パターン及び被検パターン
中に、固定点を設ける。この固定点は複数であってもよ
いが、エッジなどの信号の微分係数の高い位置が望まし
い。固定点の位置をi0 とすると、点列Fが点(i0
0 )を必ず通ることを条件にすれば良い。具体的に本
例では次の条件3を課すものとする。
【0060】条件3:図4(a)の標準パターンBの中
央の山型の信号部の両側でデータが大きく変化するu
1、及びu2番目のサンプリング点を固定点とする。こ
の場合、図4(b)の被検パターンAのu1、及びu2
番目のサンプリング点のデータが、必ず標準パターンB
のu1、及びu2番目のサンプリング点のデータに対応
付けられる。これは、図5の経路28を必ず(u1,u
1)及び(u2,u2)を通過するように定めることを
意味する。
【0061】他の方法として、マッチング度としての
(数6)の距離の評価値E(F)に、点列F内の各点で
の距離d(c(k))とは独立に、点c(k)の位置に
依存する項を付加することが考えられる。この場合、
(数6)の代わりに次の評価値E(F)を使用すること
になる。
【0062】
【数8】 ここで、α(c(k))が付加された項である。α(c
(k))を、図5の経路28の例えば直線(j=i)か
らのずれ量に応じた量に取ると、α(c(k))は被検
パターンAの標準パターンBに対するX軸方向のずれ量
の硬さに相当する。即ち、(数8)の評価値E(F)が
最小値を取る経路28を定める場合、直線(j=i)か
らのずれ量が大きい程、α(c(k))の値を大きくす
ることによって、経路28が直線(j=i)に近づくよ
うにバイアスをかけることが可能である。即ち、α(c
(k))は経路28の直線(j=i)に対する「柔軟
度」とも考えることができ、α(c(k))の値を小さ
くする程、経路28は柔軟になる。このように柔軟度を
設けることで、条件3のように予め固定点を設ける必要
がなく、より自然な考え方で位置決めを行えることがあ
る。
【0063】次に、両パターンA,Bのマッチング度に
対応する(数6)、又は(数8)の評価値E(F)を用
いて、図3(a)のウエハマーク22Xの検出中心から
の位置ずれ量を決定する種々の方法につき説明する。 C.DPマッチング法を適用して位置ずれ量を決定する
第1の方法 この方法では、図4(a)の標準パターンBとしては、
例えば複数のウエハマークについて実際に計測を行って
得られた撮像信号を平均化したデータを用いる。そし
て、図4(b)に示すように、計測信号のパターンA’
の先頭からp番目のデータより標準パターンBと同じ長
さIの部分のデータa1 〜aI を切り出して被検パター
ンAとする。そのpの値において、例えば(数6)の被
検パターンAと標準パターンBとの間の距離の評価値E
(F)が最小値min{E(F)}を取るように、図5
の経路28を設定し、その最小値min{E(F)}を
そのpの値における両パターンA,Bの距離D(A,
B)とする。そして、pの値を1から次第に(Q−I)
まで変えていき、各pの値に対して距離D(A,B)を
決定する。
【0064】図6は、そのようにして決定されたpの値
と距離D(A,B)との関係の一例を示し、この図6に
おいて、距離D(A,B)はpがp0 のときに最小値を
取っている。そこで、図4(b)において、計測信号の
パターンA’中で標準パターンBと最も合致する部分
は、先頭(検出中心)からp0 だけシフトした部分とな
り、アライメントセンサ32で撮像されたウエハマーク
22Xの位置ずれ量は、ΔX・p0 となる。この位置ず
れ量は、図2の演算判定部42で求められる。また、図
6において、pについて補間を行うことによって、距離
D(A,B)が最小値を取るときのpの値p0 を小数点
以下まで求めてもよい。なお、距離D(A,B)は、正
規化相互相関法における畳み込み積分に相当する。
【0065】D.DPマッチング法を適用して位置ずれ
量を決定する第2の方法 この方法では、図4(a)の標準パターンBを、図4
(b)の計測信号のパターンA’の中の、標準パターン
Bに対応すべき位置の被検パターンAとの距離が最小と
なるよう変形して、修正標準パターンB’とする。その
後、修正標準パターンB’と計測信号のパターンA’と
の間で、例えば従来技術で説明した(数1)を用いて正
規化相互相関関数T(x)を求め、この関数T(x)が
最大値を取るときのxの値を決定すればよい。
【0066】E.DPマッチング法を適用して位置ずれ
量を決定する第3の方法 この方法では、予め計測信号のパターンA’中で標準パ
ターンBに近い領域を大まかに選択しておく。その後、
その領域内で第1の方法と同様に先頭からp番目よりI
番目までのデータを切り出して被検パターンAとして、
被検パターンAと標準パターンBとの間の(数6)の距
離の評価値E(F)が最小値(距離D(A,B))を取
るように、図5の点列Fを決定して記憶する。そして、
その領域内でpの値を1から次第に増加させてそれぞれ
評価値E(F)、即ち距離D(A,B)を計算するが、
その際にDPマッチングの経路探索は行わず、最初に得
られた点列Fを用いることとする。最後に、最も距離D
(A,B)が小さくなるときのシフト量を求めればよ
い。この方法では、DPマッチングによる最短経路計算
が1回で済むので、処理時間に関して有利である。但
し、標準パターンBが対応すべき被検パターンAが、パ
ターンA’上でどの位置にあるかを知るための、大まか
な位置決めが必要である。
【0067】F.DPマッチング法を適用して位置ずれ
量を決定する第4の方法 (数7)の距離D(A,B)を求めるために得られた図
5の点列Fには、被検パターンAと標準パターンBとの
間の距離をどのような変形のもとで縮めたかという情報
が全て含まれているため、この点列Fを用いて両パター
ンA,B間のX軸方向の位置ずれを評価することもでき
る。例えば、図5の点列Fの経路28と、直線(j=
i)とのずれ量を新たに定義して、両パターンA,B間
のX軸方向のずれ量を評価することにより、位置決定を
行うことができる。
【0068】即ち、図5の点列Fを最小自乗法等を用い
て直線に回帰(フィッティング)する。最小自乗法を用
いる場合には、係数a,bを用いて回帰直線をi=a・
j+bとし、この回帰直線へのフィッティング関数Hを
次のように定義する。
【0069】
【数9】 ここで、i’,j’は点列Fの測定点である。そして、
フィッティング関数Hに点列Fの測定点を順次代入し
て、フィッティング関数Hが最小値となるときの係数a
を回帰直線の傾きとし、係数bを回帰直線のi切片とす
る。そして、a=1のときには、i切片におけるiの値
と点列Fとのずれ量に基づいて被検パターンAと標準パ
ターンBとのずれ量を評価することができる。
【0070】また、a≠1のときには、Jを奇数に設定
し(計測に用いる被検パターンは通常奇数)、その中心
(j=0〜5のときは2)でのiの値に基づいて被検パ
ターンAと標準パターンBとのずれ量を評価することが
できる。また、被検パターンAの持つ位置情報を効果的
に用いるためフィッティング関数Hを以下のようにして
もよい。
【0071】
【数10】 ここで、wh(j)は重み関数であり、この重み関数w
h(j)は上記のように和が1となるように規格化され
ている。重み関数wh(j)を用いることにより、標準
パターンB上の重視する場所、及び軽視する場所を決定
することができる。例えば、信号のエッジ部分(信号の
変化率の大きい部分)は、X軸方向の移動に敏感である
ため、点列Fのjが信号のエッジ部分に相当する箇所は
安定しており信頼性が高い。そこで、重み関数wh
(j)を決定する方法として、次のように標準パターン
Bの微分(微分フィルタによるパターン)を用いること
ができる。
【0072】
【数11】 wh(j)=|(dB/dj)|n (n:整数) なお、フィッティング関数Hを用いて重み付けする場合
には、点列Fの両端の座標(1,1),(I,J)、又
は両端近傍の複数の座標を除いて行えばよい。もう1つ
の方法として、ウエハマーク22Xを多数回計測してフ
ィッティングする方法がある。この場合は、回帰直線に
対する点列Fの各点の計測毎のばらつきを用いる。例え
ば、分散V(j)を次のように定義する。
【0073】
【数12】 更に、標準偏差σ(j)=(V(j))1/2 を用いて、
重み関数wh(j)を次のようにすればよい。
【0074】
【数13】wh(j)=(1/σ(j))n なお、回帰分析を行う際には、直線のみならず2次以上
の高次関数を用いることもできる。同様に、回帰分析を
行う際に直線近似するか高次近似をするかを自動的に判
断するAIC(Akaike Information Criterion )を用い
ることもできる。
【0075】また、上述のフィッティングを行う際に、
標準パターンBを複数の部分パターンに分割して、各部
分パターン毎にフィッティング関数を設定して部分被検
パターンAと部分標準パターンBとのずれ量を求めて、
その平均値から被検パターンAの位置を求めてもよい。
この場合、点列Fに対する条件2、又は条件2’のよう
な条件や、(数8)の補正項α(c(k))は、得られ
る結果に歪みを生じさせる要因となるため無効にし、点
列Fが自由な値を取れるようにする必要がある。また、
この方法も、DPマッチングによる最短経路計算が1回
で済み、距離D(A,B)の計算も1回しか行わないた
め、処理時間に関して第2の方法より更に有利である。
【0076】なお、第4の方法は、第1の方法、又は第
2の方法と組み合わせて補助的に用いることも可能であ
る。また、第1の方法においては、点列Fに対する制限
(条件2、条件2’)や(数8)の柔軟度の補正項α
(c(k))の取り方によっては、図4(b)のシフト
量の値pを変化させたときに、両パターンA,B間の距
離D(A,B)が最小値を取る近傍で、ピークが鈍る可
能性がある。このとき、最小値近傍での点列Fの形状に
より、位置決定をより正確にすることが可能である。
【0077】また、上記の第2の方法では、標準パター
ンBを計測軸方向に変形修正することになるため、この
修正の仕方によっては、修正標準パターンB’全体が元
の標準パターンBに対して位置ずれを起こす可能性もあ
る。その場合に、両パターンB,B’間のX軸方向の位
置ずれを評価するために第4の方法が有効に利用でき
る。
【0078】G.距離の評価値E(F)を最小値にする
ときの点列Fの決定方法上記のようにDPマッチング法
では、両パターンA,B間の(数6)、又は(数8)で
定義される距離の評価値E(F)を最小にするときの、
図5の経路28に対応する点列Fを決定する必要があ
る。これは、全ての可能な経路について評価値E(F)
を計算することでも決定できるが、計算量が膨大になる
ため、ここではできるだけ計算量を少なくできる方法に
つき説明する。
【0079】まず、距離の評価値E(F)としては、
(数6)を用いるものとするが、(数8)を用いても同
様である。一般に、(数6)を最小にする点列Fを求め
るためには、探索を行わなければならない。しかし、規
格化を工夫した動的計画法(Dynamic Programming Meth
od)の適用によって、点列Fを効率よく求めることがで
きる。DPマッチング法という名称はその動的計画法の
言葉に由来している。以下に、その計算方法の一例を示
す。
【0080】(数6)において、計算を複雑にするの
は、分母に点列Fに依存する重みの和Σw(k)の項が
存在するためである。これは規格化因子であるが、Σw
(k)が一定の定数Nとなるような重み付け関数w
(k)を取ることができれば、(数6)は次式のように
加法的になる。
【0081】
【数14】 そのようにΣw(k)を定数Nとするための方法はいろ
いろ考えられるが、次の2つの一般的なものを例として
挙げる。 1)次のように対称型の重みw(k)を用いる。 w(k)=(i(k)−i(k−1))+(j(k)−j
(k−1)) 但し、i(0)=0,j(0)=0であり、N=I+J
となる。
【0082】2)次のように非対称型の重みw(k)を
用いる。 w(k)=i(k)−i(k−1)、又はj(k)−j
(k−1) 但し、i(0)=0,j(0)=0であり、N=I、又
はJ となる。そして、点列Fの内、部分点列を考え
る。図5において、点(1,1)〜(i,j)を、点列
Fに対する種々の制限(条件2、条件2’など)を破ら
ずに最小の経路を通った点列として、この点列での(数
9)に対応する部分和をg(c(k))とする。
【0083】次に、Nが定数である場合、「最適性の原
理」から、最適政策の部分系列は最適政策である。従っ
て、以下の漸化式が成り立つ。なお、min[a,b,
c]はa,b,cの中の最小値を意味する。
【0084】
【数15】 g(i,j)=min[g(i,j−1)+d(i,j), g(i−1,j−1)+2・d(i,j), g(i−1,j)+ d(i,j)] これを、点(1,1)から(i,j)の昇順に点c
(k)の取れる範囲全てにわたって計算することによ
り、最適経路g(I,J)が得られる。
【0085】上述のように本例によれば、DPマッチン
グ法を適用することによって、図3(a)のウエハマー
ク22Xの位置を各種ノイズに影響されることなく高精
度に検出できる。なお、図1のTTR方式のアライメン
トセンサ31からの計測信号より、例えば図3のレチク
ルマーク24Xとウエハマーク22Xとの位置ずれ量を
求める場合には、各マークの位置ずれ量の差分を求めれ
ばよい。
【0086】即ち、図7は、アライメントセンサ31に
よって得られる両マークの像の撮像信号SRXの一例を
示し、この図7において横軸は計測方向であるX方向の
位置を示している。また、撮像信号SRX中で中央の部
分22XSがウエハマーク22Xの像に対応し、両側の
部分24XSがレチクルマーク24Xに対応している。
この場合、DPマッチング法を適用するためには、例え
ばレチクルマーク24X、及びウエハマーク22Xのそ
れぞれの像に対応する標準パターンを備えておき、中央
の部分22XS、及び両側の部分24XSでそれぞれ標
準パターンとの距離の評価値(マッチング度)が最小
値、又は最大値を取る位置X1及びX2を決定すればよ
い。その後、両者の差分(X1−X2)を求めると、こ
れが両マークの位置ずれ量となる。
【0087】なお、本発明は、重ね合わせ露光のための
アライメント時の位置計測だけでなく、位置ずれ計測
(レジストレーション計測)にも用いることができる。
位置ずれ計測は、ウエハを露光、現像した後にプロセス
処理を行う前に、露光が正確に行われたかどうかを確認
するために重要である。位置ずれ計測に、上記の実施の
形態のDPマッチング法を適用する場合の位置ずれ決定
方法として、例えば以下の2つを挙げる。
【0088】H.DPマッチング法で位置ずれ計測を行
う第1の方法この方法では、計測する際に標準パターン
を、位置ずれを計測したい複数のマークの数だけ用意す
る。次に、上記の実施の形態の位置計測方法のいずれか
により、独立にそれぞれのパターンに対して位置計測を
行う。その結果から、マーク間の距離を計算する。
【0089】I.DPマッチング法で位置ずれ計測を行
う第2の方法 この方法は、上記の実施の形態の位置計測方法の内の第
4の方法に基づく。まず、標準パターンとして、複数の
マークが含まれる標準パターンを用意する。これには、
位置ずれ計測の対象となるマークを全て入れておく。こ
の標準パターンを用いて信号パターンとのDPマッチン
グを行い、最適な点列Fを得る。この点列Fの経路を調
べることにより、それぞれのマークについて、標準パタ
ーン上のマーク間相対距離と、信号パターン上のマーク
間相対距離のずれとを計測できる。その結果を位置ずれ
計測結果とする。
【0090】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0091】
【発明の効果】本発明の第1、又は第2の位置計測方法
によれば、実質的にDPマッチング法を適用して計測信
号のパターン中から標準パターンに最も合致する部分を
求めているため、低周波数から比較的高周波数までの種
々のノイズの影響を受けにくく、検出対象物から得られ
る計測信号に基づいて、その検出対象物の位置を高精度
に計測できる利点がある。
【0092】また、系統的なノイズに対しても殆ど影響
されることなく位置検出を行うことができるため、重ね
合わせ露光時のアライメント計測に適用した場合には、
アライメントマークの非対称性、レジストの塗布むらな
どに起因して歪のある信号に対しても、高精度の位置検
出が可能となり、結果として、デバイスの歩留りが向上
する。更に、位置ずれ計測(レジストレーション計測)
に適用した場合には、計測精度が向上できるため、より
高精度な製造工程管理を行うことができる。
【0093】また、対応付けられた1対のデータの値を
b,aとしたとき、その1対のデータの距離を、a・
b、又は或る整数nを用いて|b−a|n の何れかに設
定した場合には、簡単な計算でその距離を求めることが
できる。また、J個のデータとI個のデータとを対応付
ける際に、常に所定の位置のデータが固定的に対応付け
られるようにしたとき、又は所定の柔軟度を持たせたと
きには、それぞれ計測信号のシフト量が大きくなり過ぎ
ることがない。
【0094】次に、本発明の露光方法によれば、そのよ
うな位置計測方法を使用して、高精度にウエハ等の基板
の位置合わせ(アライメント)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露
光装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中のアライメント信号処理系35の構成を
示すブロック図である。
【図3】(a)はウエハマークの一例を示す拡大平面
図、(b)はレチクルマークの一例を示す平面図であ
る。
【図4】(a)は標準パターンBのデータ列の一例を示
す図、(b)は計測信号のパターンA’のデータ列の一
例を示す図である。
【図5】標準パターンBと、計測信号のパターンA’か
ら切り出された被検パターンAとの対応付けの経路の一
例を示す図である。
【図6】被検パターンAのシフト量(p)と2つのパタ
ーン間の距離D(A,B)との関係を示す図である。
【図7】図1のTTR方式のアライメントセンサ31を
介して得られる撮像信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 露光光源 5 フライアイ・インテグレータ 7 レチクルブラインド 10 レチクル PL 投影光学系 12 ウエハ 13 ウエハステージ 15 レーザ干渉計 22X,22Y ウエハマーク 24X,24Y レチクルマーク 31 レチクル用のアライメントセンサ 32 ウエハ用のアライメントセンサ 35 アライメント信号処理系 36 ステージ制御系 37 主制御系

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の標準パターンと、検出対象物から
    得られる計測信号のパターンとを比較することによっ
    て、前記検出対象物の位置を計測する位置計測方法にお
    いて、 前記標準パターンを構成するデータの個数をJ個(Jは
    2以上の整数)として、前記計測信号のパターン中のp
    番目(pは1以上の整数)のデータから連続するI個
    (Iは2以上の整数)のデータを抽出し、 前記標準パターンを構成するJ個のデータに対して前記
    計測信号のパターンから抽出されたI個のデータを対応
    付けて、該対応付けられた1対のデータ毎にそれぞれ所
    定の距離を求め、 前記対応付けられたJ対、又はI対のデータについての
    前記距離の和を求め、 該距離の和が極値を取るように前記J個のデータと前記
    I個のデータとの対応付けを行ったときの前記距離の和
    を、前記p番目のデータからの前記標準パターンと前記
    計測信号のパターンとのマッチング度とみなし、 前記マッチング度が最大値、又は最小値を取るときの前
    記pの値より前記検出対象物の位置を求めることを特徴
    とする位置計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置計測方法であって、 前記対応付けられた1対のデータの値をb,aとしたと
    き、前記1対のデータの距離とは、a・b、又は或る整
    数nを用いて|b−a|n の何れかであることを特徴と
    する位置計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の位置計測方法で
    あって、 前記J個のデータと前記I個のデータとを対応付ける際
    に、 常に所定の位置のデータが固定的に対応付けられるよう
    にすることを特徴とする位置計測方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、又は2記載の位置計測方法で
    あって、 前記J個のデータと前記I個のデータとを対応付ける際
    に、所定の柔軟度を持たせることを特徴とする位置計測
    方法。
  5. 【請求項5】 所定の基準パターンと、検出対象物から
    得られる計測信号のパターンとを比較することによっ
    て、前記検出対象物の位置を計測する位置計測方法にお
    いて、 前記標準パターンを構成するデータの個数をJ個(Jは
    2以上の整数)として、前記計測信号のパターン中のp
    番目(pは1以上の整数)のデータから連続するI個
    (Iは2以上の整数)のデータを抽出し、 前記標準パターンを構成するJ個の各データと前記計測
    信号のI個のデータとの所定の距離の和が極値をとるよ
    うに、前記標準パターンを構成するJ個の各データと前
    記計測信号のI個のデータとを対応付け、 前記標準パターンを構成するJ個の各データと前記計測
    信号のI個のデータとの前記対応付けに基づいて前記検
    出対象物の位置を求めることを特徴とする位置計測方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の位置計測方法であって、 前記対応付けを行った後に、前記標準パターンを構成す
    るJ個の各データと前記計測信号のI個のデータとを走
    査して、 前記対応付けに基づいた前記標準パターンのJ個の各デ
    ータと前記計測信号のI個のデータとの所定の距離の和
    が極値を取る位置を計測することを特徴とする位置計測
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の位置計測方法であって、 前記対応付けを行う際に前記標準パターンを構成するJ
    個の各データと前記計測信号のI個のデータとを走査し
    て、 前記標準パターンのJ個の各データと前記計測信号のI
    個のデータとの所定の距離の和が極値を取る位置を算出
    して前記検出対象物の位置を求めることを特徴とする位
    置計測方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の位置計測方法であって、 前記対応付けを2次元平面上の関数とみなし、この関数
    に基づいて前記検出対象物の位置を求めることを特徴と
    する位置計測方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の位置計測方法であって、 前記2次元平面上の関数を所定の関数にフィッティング
    して前記検出対象物の位置を求めることを特徴とする位
    置計測方法。
  10. 【請求項10】 マスクのパターンを基板上に露光する
    露光方法において、 前記基板を検出対象物として、請求項1〜9の何れか一
    項記載の位置計測方法を用いて前記基板の位置を計測
    し、該計測結果に基づいて前記基板と前記マスクとの位
    置合わせを行うことを特徴とする露光方法。
JP10017223A 1998-01-29 1998-01-29 位置計測方法、及び該方法を用いる露光方法 Withdrawn JPH11214289A (ja)

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