JPH1121250A - 医薬製剤 - Google Patents

医薬製剤

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JPH1121250A
JPH1121250A JP9177022A JP17702297A JPH1121250A JP H1121250 A JPH1121250 A JP H1121250A JP 9177022 A JP9177022 A JP 9177022A JP 17702297 A JP17702297 A JP 17702297A JP H1121250 A JPH1121250 A JP H1121250A
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JP
Japan
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compound
solution
free amino
insulin
amino acid
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Application number
JP9177022A
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English (en)
Inventor
Yasuki Katou
泰己 加藤
Hiroko Kusano
宏子 草野
Yuji Kawaguchi
祐司 川口
Kunio Ito
邦雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 遊離のアミノ基を有する化合物と還元性
を有する糖類とを反応させることにより得られる化合物
を含有してなる医薬製剤。 【効果】 本発明の製剤は、化合物の生体内での持続性
を向上させ、種々の化合物をpH変化に応答して解離さ
せることができ、標的部位で特異的に当該化合物を作用
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬化合物の生体内
挙動を変化させ、効率よくその効果が得られる医療上有
用な製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペプチド、蛋白質の医薬品への応
用が数多くなされてきた。例えば、生体内における持続
性を高めるため、ペプチド、蛋白質等の医薬品をポリエ
チレングリコール、デキストラン、ポリアミノ酸、アル
ブミン、イヌリン等で化学修飾する方法が知られてい
る。
【0003】一方、ペプチド、蛋白質等の医薬品の標的
指向型製剤の開発も試みられている。例えば、肝臓を標
的とするものとして、アシアロ糖蛋白質のリゾチームや
アルブミン[J.C.Rogers and S.Kornfeld,Biochem.Biop
hys.Res.Commn, 45, 622, (1971)]およびグルタミナー
ゼ[G.Schemer et al.,Biochem.Biophys.Acta, 538,397
(1978)]への修飾も知られている。またラクトースで
アルブミン[L.Fuimeet al., FEBS Lett. 146, 42 (198
2)、L.Fuime et al., Biochem.Pharmacol., 35, 967 (1
986)]、L−アスパラギナーゼ[J.W.Marsh et al., J.
Biol.Chem., 252, 7678 (1977) ]、リボヌクレアーゼ
[G.Wilson, J.Biol.Chem., 253, 2070(1977)]を化学
修飾することにより肝臓への集積性が認められている。
これらの標的化における化学修飾はカルボジイミド法、
グルタルアルデヒド法、SPDP法、活性エステル法、
水素化シアノホウ素ナトリウムを用いた還元法等の非解
離型であるため、生体内では徐々に分解されるが、pH
変化等による速やかな解離は望めない。
【0004】癌細胞等では間質のpHの低下が知られて
おり間質のpHはグルコース投与によりpH6.9から
6.2に低下することが知られている[H.Kahler and
W.V.Robertson, J.Natl.Cancer Inst.,3, 495,(1943)、
P.M.Gullino,et al,J.Natl.Cancer Inst., 34, 857(196
5)]。また、炎症部ではpH6.5と酸性を示すことも
知られている[V.Menkin,Biochemical Mechanism in In
flammation, Thomas,Spingfield, III, pp.69-7 (195
6)]。さらに、ラットにおいて一過性の虚血によりpH
7.4から6.5に低下することが実験的に示されてい
る[N.Watanabeet al.,Biochem.Pharmacol., 38, 3477
(1989)]。また、スチレンマレイン酸共重合体(SM)
を用いたスーパーオキシドディスミュターゼ(SOD)
のpH感受性ドラッグ・デリバリー・システム(DD
S)が知られている[Biochemistry, 28, 6619 (198
9)、Biochem.Pharmacol., 38, 3477(1989)]。当該DD
Sでは、スチレンマレイン酸共重合体が共有結合したス
ーパーオキシドディスミュターゼ(SM−SOD)が、
中性付近のpHで血液中のアルブミンとワーファリン結
合部位に非共有結合し、pH低下によりSMがプロトン
化されアルブミンとの結合能が低下し解離する。この場
合、SODはSMに共有結合しているので、SM−SO
Dは所謂プロドラッグに相当する。
【0005】また、EGF受容体は偏平上皮癌に過剰発
現することが知られており[S.Ogawa et al, Jpn. J. C
ancer Res., 79, 1201 (1988)]、これを利用して抗E
GF受容体抗体を用いた制癌剤のターゲティング療法が
試みられている[E.A.Piraket al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 86, 3778 (1989)]。土屋らはリポソーム表
面にEGFを結合させ、EGF受容体を介した細胞への
取り込みを見出している[土屋ら、Drug Delivery Syst
em, 4, 193(1989)]。しかしながら、EGF受容体は正
常細胞にも発現しており、病変部のみをターゲットとす
ることは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アミ
ノ酸誘導体、ペプチド、蛋白質等の遊離のアミノ基を有
する化合物を病症部におけるpH変化により速やかに解
離させることができる製剤を提供することにある。本発
明の製剤は、遊離のアミノ基を有する種々の化合物をp
Hに応答して解離させることができ、炎症部位や腫瘍部
位等のpHが低下した標的部位で特異的に当該化合物を
解離してその効果を発揮させ、また、標的部位以外で当
該化合物の解離がされない結果、副作用の軽減等の効果
が期待される。また、生体内に投与すると、未修飾薬物
に比べ体内動態が変化し、例えば血中持続性が向上する
等の効果が期待される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、遊離のアミノ
基を有する化合物と還元性を有する糖類とを反応させる
ことにより得られる化合物を含有してなる医薬製剤を提
供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる遊離のアミノ
基を有する化合物としては、とくに限定はないが、例え
ば、エンケファリン、ブラジキニン、アンジオテンシ
ン、アントリオペプチン、オキシトシン、バソプレシ
ン、アドレノコルチコトロピン(ACTH),カルシト
ニン、インスリン、グルカゴン、コレシストキニン、β
−エンドルフィン、、メラノサイト阻害因子、メラノサ
イト刺激ホルモン、ガストリンアンタゴニスト、ニュー
ロテンション、ソマトスタチン、ブルシン、シクロスポ
リン、エンケファリン、トランスフェリン、甲状腺ホル
モン、成長ホルモン、ゴナトロピン、性腺刺激ホルモ
ン、黄体形成ホルモン(LHRH),アスパラギナー
ゼ、アルギナーゼ、ウリカーゼ、カルボキシペプチダー
ゼ、グルタミナーゼ、SOD、組織プラスミノーゲンア
クチベーター(t−PA)、ストレプトキナーゼ、イン
ターロイキン、インターフェロン、ムラミルジペプチ
ド、サイモポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G−C
SF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM
−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポ
エチン(TPO)、トリプシンインヒビター、リゾチー
ム、表皮細胞成長因子(EGF)、インスリン様成長因
子(IGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成
長因子(PDGF)、形質転換成長因子(TGF)、内
皮細胞成長因子(ECGF)、フィブロブラスト(繊維
芽細胞)成長因子(FGF)、グリア細胞成長因子(G
GF)、サイモシン等のペプチド、蛋白質および酵素、
ドキソルビシン誘導体[3’−(D−Val−Leu−
Lys)−doxorubisin]、5−フルオロウ
ラシル誘導体[L−Ala−2−(5−fluorou
racil−1−yl)−Gly]、ドーパミン、メチ
ルドーパ等のアミノ酸誘導体、アモキシシリン、アンピ
シリン、塩酸アマンダジン、塩酸エピルビシン、塩酸ド
キシルビシン、塩酸ドパミン、塩酸バンコマイシン、塩
酸タラアンピシリン、塩酸バカアンピシリン、サイクロ
セリン、シクラシリン、セファクロル、セファトリジ
ン、セファドロキシル、セファレキシン、セファラジ
ン、セファロキサジン、トラネキサム酸、ノルエピネフ
リン、メチルドパ、メルファラン、リオテロニンナトリ
ウム、硫酸アストロマイシン、硫酸イセパマイシン、硫
酸カナマイシン、硫酸シクロノマイシン、硫酸シソマイ
シン、硫酸ジベカシン、硫酸スルベカシン、硫酸ネオマ
イシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸パロモマイシン、硫
酸ブレオマイシン、レボドパ等の医薬化合物等が挙げら
れる。
【0009】本発明の製剤に用いる糖類としては、還元
性を有するものであれば何れでもよく、例えば、グルコ
ース、ラクトース、フコシルグルコース、ガラクトシル
ラクトース、フコシルラクトース、ラクト−N−テトラ
オース、ラクト−N−ヘキサオース、ラクト−N−ネオ
ヘキサオース、ジマンノシル−N−アセチルグルコサミ
ン、3’−シアリルラクトース、ジシアリルラクトー
ス、N,O−ジアセチルノイラミニルラクトース、3’
−シアリルラクトース6’−硫酸、ラクトース6’−硫
酸、ラクトース3’−リン酸、ジシアリルラクト−N−
テトラオース、および糖脂質等が挙げられる。当該還元
性を有する糖類は、糖鎖中に存在する還元性を有する水
酸基(アルデヒド)が、上記アミノ基を有する化合物の
アミノ基と反応することにより、アミノ基を有する化合
物と糖鎖が結合した化合物が得られる。
【0010】また、リポソーム、リピッドエマルジョ
ン、マイクロエマルジョン、ポリマーミセル、マイクロ
カプセル、マイクロスフェアー、磁性体微粒子等の薬物
運搬体を本発明の遊離のアミノ基を有する化合物に修飾
させることもできる。この場合、薬物運搬体には、前記
した医薬化合物のほか、薬理活性を示す如何なる化合物
も封入させることができる。また、薬物運搬体で修飾さ
れる遊離のアミノ基を有する化合物としては、前記医薬
化合物のほか、アミノ基を有する化合物であれば特に薬
理活性を示さない化合物であってもよい。
【0011】本発明のpH応答型製剤は、遊離アミノ基
を有する化合物またはそれらを修飾した薬物運搬体の1
重量部に対し、還元性を有する糖類を1〜10,000
重量部、好ましくは10〜1,000重量部加え、pH
7〜14、好ましくはpH7.5〜10の水溶液中、0
〜100℃、好ましくは20〜50℃で1分間〜1カ月
間、好ましくは1〜96時間放置して、反応させること
によりに製造することができる。
【0012】本発明の製剤は、上記製造法で得られたも
のをそのまま使用できるが、使用目的、保存条件等によ
りマンニトール、ラクトース、グリシン等の賦形剤を加
え凍結乾燥することもできる。また、グリセリン等の凍
結保護剤を加え、凍結保存することもできる。本発明の
方法により得られる糖類修飾体は注射剤として用いるの
が一般的であるが、経口剤、点鼻剤、点眼剤、経皮剤、
坐剤、吸入剤等として加工して使用することもできる。
【0013】本発明の製剤は、生体内に投与すると、未
修飾薬物に比べ体内動態が変化し、例えば血中持続性が
向上したり、肝臓におけるガラクトース受容体に特異的
に結合させることができる等の効果がある。また抗腫瘍
活性を有する化合物を用いた製剤の場合、腫瘍の病巣部
近傍ではpHが低下しているため、腫瘍の病巣付近で当
該抗腫瘍活性を有する化合物が糖から解離し、腫瘍細胞
以外の細胞を傷つけることなく抗腫瘍活性を有する化合
物を腫瘍細胞に直接作用させることができ、当該化合物
の副作用の発生を防止することができる。また、抗EG
F受容体抗体を用いた本発明の製剤の場合は、抗EGF
受容体抗体が糖で修飾されているため正常細胞のEGF
受容体とは結合しないが、腫瘍周辺のpHが低いことか
ら、腫瘍周辺では本発明の製剤から糖が解離し、抗EG
F受容体抗体が遊離して腫瘍細胞に効果を発揮すること
ができる。
【0014】以下に本発明の実施例および試験例を示
す。
【0015】
【実施例】
実施例1 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を2mM塩酸水溶液1mLに溶解した液、320m
gの無水β−ラクトース(ナカライテスク社製)を2m
Lの蒸留水に溶解した液、および200mMリン酸緩衝
液(pH8.4)1mLを試験管中で混合したところ、
pHは8.1付近であった。この試験管を40℃の恒温
水槽中に入れて反応を行い、0時間、5時間および24
時間後にサンプリングし、反応液中のインシュリンとラ
クトースとの反応生成物を以下の条件で高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)により調べた。
【0016】カラム;YMC−Pack ODS−Aま
たはYMC−Pack ODS−AM,6.0×150
mm 移動相;0.001%トリトンX−100含有100m
Mリン酸緩衝液(pH8.0):0.001%トリトン
X−100含有アセトニトリル=25容量部:9容量部 流速;1.3mL/分 検出波長;210nm この結果、ラクトースとインシュリンとの反応により3
つの反応生成物が生成することがわかった。その生成物
をHPLCの保持時間の短いものから生成体−3、生成
体−2、生成体−1と名付けた。なお、インシュリンの
保持時間は最も長かった。結果を第1表に示す。
【0017】
【表1】
【0018】この結果、ラクトースとインシュリンとの
反応により、3つの反応生成物が得られることが判明し
た。第1表は、ラクトースがpH8.1の弱アルカリ溶
液中、40℃においてインシュリンと経時的に反応する
ことを示している。5時間においては生成体−1の生成
が多いが、24時間では生成体−3の割合が増加した。
【0019】実施例2 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を1mM塩酸水溶液1mLに溶解した。約25mg
の純度75%シアリルラクトース(ベーリンガー・マン
ハイム社製)に0.1mLの600mMリン酸二ナトリ
ウム水溶液を加え溶解した。インシュリン溶液0.1m
Lとシアリルラクトース溶液0.1mLを試験管中で混
合したところ、pHは7.8付近であった。この試験管
を40℃の恒温水槽に入れて3日間反応させた。反応液
は、経時的にサンプリングし、3000rpm、20分
間遠心分離して不溶物を除去した。反応後0時間、1日
および3日後の反応液中のインシュリンとシアリルラク
トースとの反応生成物の分析を、以下の条件でHPLC
により行った。その結果を第2表に示す。
【0020】カラム;YMC−Pack ODS−A
P,4.6×150mm 移動相;0.001%トリトンX−100含有20mM
リン酸緩衝液(pH8.0):0.001%トリトンX
−100含有アセトニトリル=411容量部:140容
量部 流速;1.3mL/分 検出波長;220nm
【0021】
【表2】
【0022】この結果、シアリルラクトースとインシュ
リンとの反応により、3つの反応生成物が得られること
が判明した。このインシュリンとの反応により生成した
生成物を、HPLC上の保持時間の短いものから生成体
−3、生成体−2、生成体−1と名付けた。なお、イン
シュリンの保持時間は最も長かった。第2表は、シアリ
ルラクトースがpH7.8の弱アルカリ溶液中、40℃
においてインシュリンと経時的に反応することを示して
いる。5時間においては生成体−1の生成が多いが、2
4時間では生成体−2の割合が増加した。
【0023】実施例3 0.1mgのウシ膵臓由来インシュリン(シグマ社製)
を20mM塩酸水溶液0.1mLに溶解した液、160
mgの無水β−ラクトース(ナカライテスク社製)を1
mLの蒸留水に溶解した液、および100mMリン酸緩
衝液(pH8.4)0.9mLを試験管中で混合し、3
7℃で、24時間反応を行った。
【0024】実施例4 0.1mgのウシ膵臓由来インシュリン(シグマ社製)
を20mM塩酸水溶液0.1mLに溶解した。これに6
00mMリン酸水素二ナトリウム水溶液0.9mLを加
え試験管中で混合しインシュリン溶液とした。約25m
gの純度75%シアリルラクトース(ベーリンガー・マ
ンハイム社製)に0.13mLの蒸留水を加え溶解し、
インシュリン溶液0.13mLとシアリルラクトース溶
液0.13mLとを試験管中で混合し、37℃で24時
間反応を行った。
【0025】比較例1 20mM塩酸水溶液0.1mL、蒸留水1mLおよび1
00mMリン酸緩衝液(pH8.4)0.9mLを試験
管中で混合し、37℃で24時間処理した。 比較例2 0.1mgのウシ膵臓由来インシュリン(シグマ社製)
を20mM塩酸水溶液0.1mLに溶解した液、蒸留水
1mL、および100mMリン酸緩衝液(pH8.4)
0.9mLを試験管中で混合し、37℃で24時間処理
した。
【0026】比較例3 160mgの無水β−ラクトース(ナカライテスク社
製)を1mLの蒸留水に溶解した液、20mM塩酸水溶
液0.1mL、および100mMリン酸緩衝液(pH
8.4)0.9mLを試験管中で混合し、37℃で24
時間処理した。本液をA液(ラクトース溶液)とした。
【0027】比較例2と同様に、0.1mgのウシ膵臓
由来インシュリン(シグマ社製)を20mM塩酸水溶液
0.1mLに溶解したインシュリン溶液と蒸留水1m
L、および100mMリン酸緩衝液(pH8.4)0.
9mLを試験管中で混合し、37℃で24時間処理し
た。本液をB液(インシュリン溶液)とした。
【0028】試験例1 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を2mM塩酸水溶液1mLに溶解した液、320m
gの無水β−ラクトース(ナカライテスク社製)を2m
Lの蒸留水に溶解した液、および200mMリン酸緩衝
液(pH8.4)1mLを試験管中で混合し、40℃で
24時間反応させた。この溶液3mLに50mMのクエ
ン酸水溶液0.5mLを加えpH6.7にした後、40
℃で反応させた。反応後0分後、30分後に反応液中の
インシュリンとラクトースとの反応生成物の分析を実施
例1と同様にHPLCにより行った。その結果を第3表
に示す。
【0029】
【表3】
【0030】第3表に示したように、溶液のpHを8.
1から6.7に低下させた場合、生成体からラクトース
が解離し、ラクトースが反応していない遊離のインシュ
リンが増加した。
【0031】試験例2 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を2mM塩酸水溶液1mLに溶解した液、320m
gの無水β−ラクトース(ナカライテスク社製)を2m
Lの蒸留水に溶解した液、および200mMリン酸緩衝
液(pH8.4)1mLを試験管中で混合し、40℃で
24時間反応させた。この溶液3mLに100mMのク
エン酸水溶液0.5mLを加えpH5.9にした後、4
0℃で反応させ、経時的に反応液中のインシュリンとラ
クトースとの反応生成物の分析を実施例1と同様にHP
LCにより行った。その結果を第4表に示す。
【0032】
【表4】
【0033】第4表に示したように、pHを8.1から
5.9に低下させることにより速やかに生成体−1およ
び生成体−3からラクトースが解離した。
【0034】試験例3 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を2mM塩酸水溶液1mLに溶解した液、320m
gの無水β−ラクトース(ナカライテスク社製)を2m
Lの蒸留水に溶解した液、および200mMリン酸緩衝
液(pH8.4)1mLを試験管中で混合し、40℃で
24時間反応させた。この溶液3mLに150mMのク
エン酸水溶液0.5mLを加えpH5.0にした後、4
0℃で反応させ、経時的に反応液をサンプリングし、イ
ンシュリンとラクトースとの反応生成物の分析を実施例
1と同様にHPLCにより行った。その結果を第5表に
示す。
【0035】
【表5】
【0036】第5表に示したようにpHを8.1から
5.0に低下させることにより速やかに全ての生成体か
らラクトースが殆ど完全に解離した。
【0037】試験例4 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を1mM塩酸水溶液1mLに溶解し、約25mgの
純度75%シアリルラクトース(ベーリンガー・マンハ
イム社製)に0.1mLの600mMリン酸水素二ナト
リウム水溶液を加えて溶解し、インシュリン溶液0.1
mLとシアリルラクトース溶液0.1mLを試験管中で
混合した。この溶液のpHは7.8付近であった。この
溶液を40℃で3日間反応させ、反応後、3000rp
mで20分間遠心分離し、上清40μLに50mMのク
エン酸水溶液0.04mLを加えて溶液のpHを6.4
に調整した。この溶液を40℃で反応させ、経時的に反
応液をサンプリングし、インシュリンとシアリルラクト
ースとの反応生成物の分析を実施例2と同様にHPLC
により行った。その結果を第6表に示す。
【0038】
【表6】
【0039】試験例5 0.2mgのウシ膵臓由来インシュリン(和光純薬社
製)を1mM塩酸水溶液1mLに溶解し、約25mgの
純度75%シアリルラクトース(ベーリンガー・マンハ
イム社製)に0.1mLの600mMリン酸水素二ナト
リウム水溶液を加え溶解した。インシュリン溶液0.1
mL、シアリルラクトース溶液0.1mLを試験管中で
混合したところ、溶液のpHは7.8付近であった。こ
の溶液を40℃で3日間反応させ、反応後3000rp
mで20分間遠心分離した。この上清40μLに100
mMのクエン酸水溶液0.04mLを加えて溶液のpH
を5.3に調整し、40℃で反応させ、経時的にサンプ
リングを行い、反応液中のインシュリンとシアリルラク
トースとの反応生成物の分析を実施例2と同様にHPL
Cにより行った。その結果を第7表に示す。
【0040】
【表7】
【0041】試験例6 SD系雄性ラットを予め16から20時間絶食させた
後、50mg/kgのペントバルビタールナトリウムを
腹腔内投与し麻酔し、大腿静脈および頚動脈にカニュレ
ーション処置を施した。さらに気管にもカニュレーショ
ン処置を施し気道を確保した。薬液投与5分前に頚動脈
カニューレより0.4mL採血し、へパリン処理したプ
ラスチック製試験管に移した。採血後0.4mLの生理
的食塩水を頚動脈カニューレより注入した。実施例3、
実施例4、比較例1および比較例2で得られた反応液を
ラット100g当たり20μL大腿静脈に装着したカニ
ューレより静脈内投与した。また、比較例3で得られた
A液をラット100g当たり20μL大腿静脈に装着し
たカニューレより静脈内投与し、その直後にB液を同様
に静脈内投与した。投与後5、10、30、60および
120分後に頚動脈カニューレより0.4mLづつ採血
し、へパリン処理したプラスチック製試験管に移した。
各時点で採血後0.4mLの生理的食塩水を頚動脈カニ
ューレより注入した。採血した血液を5℃において1
0,000rpmで5分間遠心分離し血漿を採取した。
得られた血漿中のインシュリン濃度をグラザイム In
sulin−EIA Test(和光純薬社製)を用い
た酵素免疫法により測定した。その結果を第8表に示
す。
【0042】
【表8】
【0043】第8表に示したように、実施例3および実
施例4の製剤は、比較例1から比較例3の製剤に比べて
血漿中インシュリン濃度が高く推移した。また、比較例
2と比較例3の製剤の差がないことから、解離したラク
トースは血漿中のインシュリン濃度の消失には影響を与
えるものでないことが示された。
【0044】
【発明の効果】本発明により、アミノ酸誘導体、ペプチ
ド、蛋白質等の遊離のアミノ基を有する化合物を病症部
におけるpH変化により速やかに解離させることができ
る製剤を提供される。本発明の製剤は、化合物の生体内
での持続性を向上させ、種々の化合物をpH変化に応答
して解離させることができ、標的部位で特異的に当該化
合物を作用させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/27 A61K 37/02 38/04 37/26 38/44 37/36 38/46 37/43 38/21 37/50 45/00 AGZ 37/54 47/00 37/66 H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離のアミノ基を有する化合物と還元性
    を有する糖類とを反応させることにより得られる化合物
    を含有してなる医薬製剤。
  2. 【請求項2】 遊離のアミノ基を有する化合物が、医薬
    化合物である請求項1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 遊離のアミノ基を有する化合物が、ペプ
    チド、蛋白質及びアミノ酸誘導体から選ばれる請求項1
    記載の製剤。
  4. 【請求項4】 医薬化合物が、ペプチド、蛋白質及びア
    ミノ酸誘導体から選ばれる請求項2記載の製剤。
  5. 【請求項5】 ペプチドがインシュリンである請求項4
    記載の製剤。
  6. 【請求項6】 遊離のアミノ基を有する化合物が、薬物
    運搬体で修飾されたものである請求項1記載の製剤。
  7. 【請求項7】 薬物運搬体が、リポソーム、リピッドエ
    マルジョン、マイクロエマルジョン、ポリマーミセル、
    マイクロカプセル、マイクロスフェアー、磁性体微粒子
    から選ばれるものである請求項6記載の製剤。
  8. 【請求項8】 薬物運搬体に、医薬化合物を封入させた
    請求項6または7記載の製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010510978A (ja) * 2006-11-24 2010-04-08 カディラ・ヘルスケア・リミテッド Peg−インターフェロンアルファ接合体の配合物

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