JPH11209816A - 転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法 - Google Patents
転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法Info
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- JPH11209816A JPH11209816A JP2251098A JP2251098A JPH11209816A JP H11209816 A JPH11209816 A JP H11209816A JP 2251098 A JP2251098 A JP 2251098A JP 2251098 A JP2251098 A JP 2251098A JP H11209816 A JPH11209816 A JP H11209816A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 出鋼時間の延長をもたらすこと無く、取鍋内
に流入するスラグを大幅に低減する。 【解決手段】 転炉の出鋼孔径より大きな径を持ち、溶
鋼とスラグの間の比重を有する耐火性物体を出鋼中に転
炉炉内に装入することにより前記出鋼孔からのスラグの
流出を防止する方法において、前記耐火性物体が、逆円
錐状又は逆角錐状で、しかも、該耐火性物体の上面と側
周面のなす角度を5度〜40度とするものである。
に流入するスラグを大幅に低減する。 【解決手段】 転炉の出鋼孔径より大きな径を持ち、溶
鋼とスラグの間の比重を有する耐火性物体を出鋼中に転
炉炉内に装入することにより前記出鋼孔からのスラグの
流出を防止する方法において、前記耐火性物体が、逆円
錐状又は逆角錐状で、しかも、該耐火性物体の上面と側
周面のなす角度を5度〜40度とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の精錬工程にお
いて、転炉から取鍋へ溶鋼を出鋼する際に、取鍋に流出
するスラグ量を削減する方法に関するものである。
いて、転炉から取鍋へ溶鋼を出鋼する際に、取鍋に流出
するスラグ量を削減する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉から取鍋への出鋼時に転炉内のスラ
グが取鍋へ流出する。この取鍋に流出したスラグは酸化
鉄や酸化マンガンを含むので次工程である取鍋精錬工程
や鋳造工程において溶鋼中のAl,Si等の合金添加成
分を酸化し合金成分の酸化ロスを生じている。また、そ
の時に生成する酸化アルミニウム等の介在物は成品欠陥
の原因となる。そこで取鍋へのスラグの流出を極力減少
する対策がこれまで開発されてきた。
グが取鍋へ流出する。この取鍋に流出したスラグは酸化
鉄や酸化マンガンを含むので次工程である取鍋精錬工程
や鋳造工程において溶鋼中のAl,Si等の合金添加成
分を酸化し合金成分の酸化ロスを生じている。また、そ
の時に生成する酸化アルミニウム等の介在物は成品欠陥
の原因となる。そこで取鍋へのスラグの流出を極力減少
する対策がこれまで開発されてきた。
【0003】例えば、出鋼中にボ−ル状の物質を転炉炉
内に装入しこれが出鋼孔にはまり込むことによりスラグ
カットを行うもの(特開平1−263215号公報)
や、図4に示すように、板状体10の上面に吊り下げフ
ック11を有し、下面中央部に半円状の突起誘導体12
を有する金属ブロック13を、出鋼孔の上方のスラグと
溶鋼との間に吊保持して、溶鋼流出孔から流出する溶鋼
に発生する渦流を防止し、更に、溶鋼流出完了時に前記
溶鋼流出孔を閉塞してスラグカットを行うもの(実開平
60−146300号公報)等がある。
内に装入しこれが出鋼孔にはまり込むことによりスラグ
カットを行うもの(特開平1−263215号公報)
や、図4に示すように、板状体10の上面に吊り下げフ
ック11を有し、下面中央部に半円状の突起誘導体12
を有する金属ブロック13を、出鋼孔の上方のスラグと
溶鋼との間に吊保持して、溶鋼流出孔から流出する溶鋼
に発生する渦流を防止し、更に、溶鋼流出完了時に前記
溶鋼流出孔を閉塞してスラグカットを行うもの(実開平
60−146300号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、処理能力35
0t、出鋼孔250mmの転炉においては、前記特開平1
−263215号公報で提案のスラグボ−ルを使用する
と、該スラグボ−ルの大きさは出鋼孔から流出しない大
きさである250mm以上(350mm程度)のものが使用
される。また、転炉内のスラグ厚は吹錬する鋼種によっ
ても多少異なるが概ね200mm程度である。
0t、出鋼孔250mmの転炉においては、前記特開平1
−263215号公報で提案のスラグボ−ルを使用する
と、該スラグボ−ルの大きさは出鋼孔から流出しない大
きさである250mm以上(350mm程度)のものが使用
される。また、転炉内のスラグ厚は吹錬する鋼種によっ
ても多少異なるが概ね200mm程度である。
【0005】このため、転炉内の残留溶鋼が150mm程
度になると、溶鋼が転炉内に残留している内にスラグボ
−ルが出鋼孔にはまり込み出鋼速度が著しく低下、出鋼
時間の延長を余儀なくされることがある。これは特に高
生産転炉においては好ましからざる事態である。また、
実開平60−146300号公報で提案の、板状体10
の下面中央部に半円状の突起誘導体12を有する金属ブ
ロック13の場合においては、板状体10の下面の突起
誘導体12の付け根部18の部分で、溶鋼に発生してい
る渦流に乱れが発生することから、転炉内の吊保持する
ことなく転炉の溶鋼上に浮遊させた場合においては前記
金属ブロック13が前後左右に移動し、出鋼末期におい
て確実にスラグの流出を防止する事が出来ない問題を有
するものであった。本発明は、出鋼時間の延長をもたら
すこと無く、転炉の出鋼孔から流出するスラグを確実に
防止することを課題とするものである。
度になると、溶鋼が転炉内に残留している内にスラグボ
−ルが出鋼孔にはまり込み出鋼速度が著しく低下、出鋼
時間の延長を余儀なくされることがある。これは特に高
生産転炉においては好ましからざる事態である。また、
実開平60−146300号公報で提案の、板状体10
の下面中央部に半円状の突起誘導体12を有する金属ブ
ロック13の場合においては、板状体10の下面の突起
誘導体12の付け根部18の部分で、溶鋼に発生してい
る渦流に乱れが発生することから、転炉内の吊保持する
ことなく転炉の溶鋼上に浮遊させた場合においては前記
金属ブロック13が前後左右に移動し、出鋼末期におい
て確実にスラグの流出を防止する事が出来ない問題を有
するものであった。本発明は、出鋼時間の延長をもたら
すこと無く、転炉の出鋼孔から流出するスラグを確実に
防止することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、その手段1は、転炉の
出鋼孔径より大きな径で、溶鋼とスラグの間の比重を有
する耐火性物体を出鋼中に転炉炉内に装入することによ
り、前記出鋼孔からのスラグの流出を防止する方法にお
いて、前記耐火性物体が、逆円錐状又は逆角錐状で、し
かも、該耐火性物体の上面と側周面のなす角度を5度〜
40度とするものである。また、手段2は、前記耐火性
物体の上面の径を前記出鋼孔径の1.2倍以上とするも
のである。更に、手段3は、前記耐火性物体に加えて、
出鋼完了時にスラグが流出すると直ちに前記出鋼孔内に
高圧の不活性ガスを吹き込んでスラグの流出を防止する
方法と併用するものである。
するためになされたものであり、その手段1は、転炉の
出鋼孔径より大きな径で、溶鋼とスラグの間の比重を有
する耐火性物体を出鋼中に転炉炉内に装入することによ
り、前記出鋼孔からのスラグの流出を防止する方法にお
いて、前記耐火性物体が、逆円錐状又は逆角錐状で、し
かも、該耐火性物体の上面と側周面のなす角度を5度〜
40度とするものである。また、手段2は、前記耐火性
物体の上面の径を前記出鋼孔径の1.2倍以上とするも
のである。更に、手段3は、前記耐火性物体に加えて、
出鋼完了時にスラグが流出すると直ちに前記出鋼孔内に
高圧の不活性ガスを吹き込んでスラグの流出を防止する
方法と併用するものである。
【0007】前記逆円錐状又は逆角錐状とは、逆円錐、
逆角錐及びその台形状のものを含むものである。また、
前記逆円錐台、逆角錐台としては角数が多い方が好まし
い。更には、耐火性物体の上面には突起物が無いように
する必要があり、逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台
のものをそのまま使用しても良いが、後述するように、
逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台の上面に平板を設
けると、外周部の溶損がなくなり、耐火性物体を健全な
状態で複数回繰り返し使用することが可能となり好まし
い。
逆角錐及びその台形状のものを含むものである。また、
前記逆円錐台、逆角錐台としては角数が多い方が好まし
い。更には、耐火性物体の上面には突起物が無いように
する必要があり、逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台
のものをそのまま使用しても良いが、後述するように、
逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台の上面に平板を設
けると、外周部の溶損がなくなり、耐火性物体を健全な
状態で複数回繰り返し使用することが可能となり好まし
い。
【0008】
【作用】出鋼中に出鋼孔上方に位置する転炉炉内溶鋼は
渦流を生成する。これは転炉内溶鋼が出鋼孔から落下す
る時に不可避的に生じるものである。この時に溶鋼上に
浮いているスラグが巻き込まれて取鍋に流出する。この
スラグ巻き込みを防止するために溶鋼とスラグの間の比
重を持つ耐火性物体を溶鋼とスラグの間に浮かべること
が有効である。即ち、溶鋼とスラグの間(好ましくは溶
鋼とスラグの中間の比重)の比重を持つ耐火性物体は、
溶鋼より上方かつスラグより下方、即ち、溶鋼とスラグ
の間に浮遊する。
渦流を生成する。これは転炉内溶鋼が出鋼孔から落下す
る時に不可避的に生じるものである。この時に溶鋼上に
浮いているスラグが巻き込まれて取鍋に流出する。この
スラグ巻き込みを防止するために溶鋼とスラグの間の比
重を持つ耐火性物体を溶鋼とスラグの間に浮かべること
が有効である。即ち、溶鋼とスラグの間(好ましくは溶
鋼とスラグの中間の比重)の比重を持つ耐火性物体は、
溶鋼より上方かつスラグより下方、即ち、溶鋼とスラグ
の間に浮遊する。
【0009】スラグ巻き込みは、溶鋼の上面が渦流によ
り凹みを生じ、その凹み部にスラグが捕らえられ溶鋼と
共に出鋼孔を通して取鍋へ流れ落ちることにより発生す
るものである。そこで、その凹み部に耐火性物体を浮遊
静置させることによりスラグが溶鋼の凹み部に捕らえら
れることを防止できる。しかし、単なる平坦な平板では
出鋼中の溶鋼の揺動等の影響で、該平板が出鋼孔の直上
に静置せずに移動してしまい、スラグ巻き込みの防止に
寄与しなくなることがある。
り凹みを生じ、その凹み部にスラグが捕らえられ溶鋼と
共に出鋼孔を通して取鍋へ流れ落ちることにより発生す
るものである。そこで、その凹み部に耐火性物体を浮遊
静置させることによりスラグが溶鋼の凹み部に捕らえら
れることを防止できる。しかし、単なる平坦な平板では
出鋼中の溶鋼の揺動等の影響で、該平板が出鋼孔の直上
に静置せずに移動してしまい、スラグ巻き込みの防止に
寄与しなくなることがある。
【0010】そこで、この耐火性物体を逆円錐、逆角
錐、逆円錐台、逆角錐台にすることにより、出鋼孔の直
上の溶鋼の渦流の凹み部に耐火性物体が静置され、スラ
グ巻き込みの防止を確実に向上することが可能である。
これは、耐火性物体が溶鋼の凹み部に静置されると容易
には移動できないためである。即ち、逆円錐状の溶鋼の
凹み部に逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台の耐火性
物体が落ち込むと、該耐火性物体には逆円錐状の溶鋼渦
流を乱す部分もないことから、この渦流の凹み部から脱
出するためには重力に逆らって上方に移動する必要があ
るからである。
錐、逆円錐台、逆角錐台にすることにより、出鋼孔の直
上の溶鋼の渦流の凹み部に耐火性物体が静置され、スラ
グ巻き込みの防止を確実に向上することが可能である。
これは、耐火性物体が溶鋼の凹み部に静置されると容易
には移動できないためである。即ち、逆円錐状の溶鋼の
凹み部に逆円錐、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台の耐火性
物体が落ち込むと、該耐火性物体には逆円錐状の溶鋼渦
流を乱す部分もないことから、この渦流の凹み部から脱
出するためには重力に逆らって上方に移動する必要があ
るからである。
【0011】以下図面によって詳細に説明する。図1
(a)は円錐状耐火性物体を示す簡略図であり、図1
(b)は円錐状耐火性物体の上面と側周面がなす角度α
と出鋼時間のを示す図であり、図1(c)は円錐状耐火
性物体の上面と側周面がなす角度αと取り鍋スラグ厚の
関係を示す図である。
(a)は円錐状耐火性物体を示す簡略図であり、図1
(b)は円錐状耐火性物体の上面と側周面がなす角度α
と出鋼時間のを示す図であり、図1(c)は円錐状耐火
性物体の上面と側周面がなす角度αと取り鍋スラグ厚の
関係を示す図である。
【0012】ここで、図1(a)に示すその逆円錐(又
は、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台)の上面と外周面がな
す角度αが重要になる。即ち、図1(b)に示すように
角度αが40度超の場合は、該耐火性物体の重心が下方
になり溶鋼中での安定性は良好となるが、耐火性物体の
厚さが厚くなり、前記スラグボ−ルと同様に出鋼末期に
出鋼孔に早期に嵌まり込み出鋼時間の延長をもたらす。
そこで、角度αを40度以下の鈍いものとする必要があ
る。しかし、角度αを5度未満とすると該耐火性物体の
厚さが薄くなり、出鋼孔に嵌まり込むタイミングが遅く
なり、出鋼時間の延長はなくなるが、該耐火性物体の重
心が上方になって耐火性物体の静置効果を得ることが出
来なくなり、図1(C)に示すように取鍋内スラグ量が
多くなると共にその流出バラツキも大きくなる。これ
は、角度αが5度未満ではほとんど平坦な板状と同様と
なり、溶鋼の渦の凹み部に安定して静置できず耐火性物
体の移動によりスラグ巻き込みの防止効果が減少すると
共にその効果にばらつきが生じるものと思われる。
は、逆角錐、逆円錐台、逆角錐台)の上面と外周面がな
す角度αが重要になる。即ち、図1(b)に示すように
角度αが40度超の場合は、該耐火性物体の重心が下方
になり溶鋼中での安定性は良好となるが、耐火性物体の
厚さが厚くなり、前記スラグボ−ルと同様に出鋼末期に
出鋼孔に早期に嵌まり込み出鋼時間の延長をもたらす。
そこで、角度αを40度以下の鈍いものとする必要があ
る。しかし、角度αを5度未満とすると該耐火性物体の
厚さが薄くなり、出鋼孔に嵌まり込むタイミングが遅く
なり、出鋼時間の延長はなくなるが、該耐火性物体の重
心が上方になって耐火性物体の静置効果を得ることが出
来なくなり、図1(C)に示すように取鍋内スラグ量が
多くなると共にその流出バラツキも大きくなる。これ
は、角度αが5度未満ではほとんど平坦な板状と同様と
なり、溶鋼の渦の凹み部に安定して静置できず耐火性物
体の移動によりスラグ巻き込みの防止効果が減少すると
共にその効果にばらつきが生じるものと思われる。
【0013】図2(a)は図1(a)と同様の円錐状耐
火性物体を示す簡略図であり、図2(b)は円錐状耐火
性物体上面の径と出鋼時間との関係を示す図でありる。
図2(a)に示す耐火性物体、即ち、逆円錐の上面の径
の大きさは、少なくとも出鋼孔径の1.1倍以上である
ことが必要であるが、1.2倍以上とする事が好まし
い。即ち、図2(b)に示すように出鋼孔径の1.1倍
未満では出鋼孔にはまり込む確率が急激に増加して出鋼
時間延長をもたらし、1.2倍以上にすると出鋼時間も
安定するために好ましい。しかし、耐火性物体の上面の
径の自乗に比例して該耐火性物体の重量が増加し制作コ
ストも上昇するので、2倍以下が望ましい。又、耐火性
物体の厚みも特に必要条件は無いが、制作コストの安価
化の面から薄いものが望ましい。
火性物体を示す簡略図であり、図2(b)は円錐状耐火
性物体上面の径と出鋼時間との関係を示す図でありる。
図2(a)に示す耐火性物体、即ち、逆円錐の上面の径
の大きさは、少なくとも出鋼孔径の1.1倍以上である
ことが必要であるが、1.2倍以上とする事が好まし
い。即ち、図2(b)に示すように出鋼孔径の1.1倍
未満では出鋼孔にはまり込む確率が急激に増加して出鋼
時間延長をもたらし、1.2倍以上にすると出鋼時間も
安定するために好ましい。しかし、耐火性物体の上面の
径の自乗に比例して該耐火性物体の重量が増加し制作コ
ストも上昇するので、2倍以下が望ましい。又、耐火性
物体の厚みも特に必要条件は無いが、制作コストの安価
化の面から薄いものが望ましい。
【0014】更に耐火性物体の使用に加えて出鋼完了時
にガス吹込式のスラグカットを実施すると、取鍋流出ス
ラグ厚を50mm以下まで極小化する事が可能である。
これは、耐火性物体のみでは、溶鋼に発生する渦流中に
スラグが巻き込まれる事を防止する効果は有るものの、
出鋼完了時に転炉を傾動復帰させるときに耐火性物体が
出鋼孔からずれるので、出鋼孔から流出するスラグを止
めることができないためであり、このスラグ流出をガス
吹込により防止する事が可能となる。これにより出鋼時
間延長することなくスラグ厚の極小化が可能となる。
にガス吹込式のスラグカットを実施すると、取鍋流出ス
ラグ厚を50mm以下まで極小化する事が可能である。
これは、耐火性物体のみでは、溶鋼に発生する渦流中に
スラグが巻き込まれる事を防止する効果は有るものの、
出鋼完了時に転炉を傾動復帰させるときに耐火性物体が
出鋼孔からずれるので、出鋼孔から流出するスラグを止
めることができないためであり、このスラグ流出をガス
吹込により防止する事が可能となる。これにより出鋼時
間延長することなくスラグ厚の極小化が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、340ト
ン/チャ−ジの容量で出鋼孔径250mmの転炉にて吹
錬を行い、330〜340トンの溶鋼及び、20〜25
トンのスラグを生成し出鋼を行った。そして、直径38
0mmの円板7aとその下面に設けた前記角度αが45
度の逆円錐7bで構成した比重4.5kg/cm3 (溶
鋼の比重は7.0kg/cm3 、スラグの比重は3.0
kg/cm3 である)の円錐耐火性物体を装入すると共
に、ガス吹込式スラグカット装置を使用して取鍋へのス
ラグ流出量を測定し評価した場合について説明する。
ン/チャ−ジの容量で出鋼孔径250mmの転炉にて吹
錬を行い、330〜340トンの溶鋼及び、20〜25
トンのスラグを生成し出鋼を行った。そして、直径38
0mmの円板7aとその下面に設けた前記角度αが45
度の逆円錐7bで構成した比重4.5kg/cm3 (溶
鋼の比重は7.0kg/cm3 、スラグの比重は3.0
kg/cm3 である)の円錐耐火性物体を装入すると共
に、ガス吹込式スラグカット装置を使用して取鍋へのス
ラグ流出量を測定し評価した場合について説明する。
【0016】図3において転炉1を傾動させて転炉炉内
の溶鋼3を取鍋5に出鋼を開始する。この時、スラグ2
の取鍋への流出量を削減するため円錐耐火性物体7を炉
内に装入する。該円錐耐火性物体7は出鋼孔4から流出
する溶鋼流により出鋼孔4の直上の溶鋼3の上部の凹み
部に静置する。また、出鋼終了時にはガス吹込式スラグ
カット装置6を使用して取鍋へのスラグ流出を防止す
る。ガス吹込式スラグカット装置6は、不活性ガスを噴
出するノズルとこれを支持するア−ム、ア−ムを回転さ
せる軸から成り、軸は転炉炉体に装着されている。さら
に、遠隔操作によりア−ムを回転させノズルが出鋼孔内
に装入されるように構成されている。また、ア−ムが回
転すると高圧の不活性(窒素)ガスがノズルから噴出す
る仕組みとなっている。
の溶鋼3を取鍋5に出鋼を開始する。この時、スラグ2
の取鍋への流出量を削減するため円錐耐火性物体7を炉
内に装入する。該円錐耐火性物体7は出鋼孔4から流出
する溶鋼流により出鋼孔4の直上の溶鋼3の上部の凹み
部に静置する。また、出鋼終了時にはガス吹込式スラグ
カット装置6を使用して取鍋へのスラグ流出を防止す
る。ガス吹込式スラグカット装置6は、不活性ガスを噴
出するノズルとこれを支持するア−ム、ア−ムを回転さ
せる軸から成り、軸は転炉炉体に装着されている。さら
に、遠隔操作によりア−ムを回転させノズルが出鋼孔内
に装入されるように構成されている。また、ア−ムが回
転すると高圧の不活性(窒素)ガスがノズルから噴出す
る仕組みとなっている。
【0017】円錐耐火性物体7は、転炉出鋼時間の後半
に炉内に装入することにより出鋼末期に出鋼孔4の直上
に静置させる。また、ガス吹込式スラグカット装置6は
出鋼完了時に動作させる。出鋼孔から取鍋へのスラグ流
出を確認して、ガス突出ノズルを出鋼孔4に差し込むと
同時に圧力12〜15kg/cm2 の窒素を出鋼孔内に
噴出する。ガス突出ノズルは転炉炉体に接続された軸を
中心に遠隔操作で回転させて出鋼孔に導入する。また、
円錐耐火性物体7は、鉄製の芯金の周囲をアルミナ−シ
リカ系の不定形の耐火物で15mm被覆することで実施し
ている。形状は上面の直径380mmの逆円錐であり、
最大厚みが100mm、上面と側周面のなす角度αは1
5度である。
に炉内に装入することにより出鋼末期に出鋼孔4の直上
に静置させる。また、ガス吹込式スラグカット装置6は
出鋼完了時に動作させる。出鋼孔から取鍋へのスラグ流
出を確認して、ガス突出ノズルを出鋼孔4に差し込むと
同時に圧力12〜15kg/cm2 の窒素を出鋼孔内に
噴出する。ガス突出ノズルは転炉炉体に接続された軸を
中心に遠隔操作で回転させて出鋼孔に導入する。また、
円錐耐火性物体7は、鉄製の芯金の周囲をアルミナ−シ
リカ系の不定形の耐火物で15mm被覆することで実施し
ている。形状は上面の直径380mmの逆円錐であり、
最大厚みが100mm、上面と側周面のなす角度αは1
5度である。
【0018】
【実施例】本発明の例、比較例、従来例を表1に従って
説明する。表1中、本発明例1〜3は上面の径が出鋼孔
径比(円錐状耐火性物体上面径/出鋼孔径)1.5倍の
円錐状耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を使
用してスラグの流出防止を図ったものであり、出鋼時間
の延長なくスラグ厚を50mm以下に低減出来た。ま
た、本発明例4〜6は出鋼孔径比2.0倍の径の円錐状
耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を使用して
スラグの流出防止を図ったものであり、出鋼時間の延長
なく、スラグ厚を50mm以下に低減出来た。
説明する。表1中、本発明例1〜3は上面の径が出鋼孔
径比(円錐状耐火性物体上面径/出鋼孔径)1.5倍の
円錐状耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を使
用してスラグの流出防止を図ったものであり、出鋼時間
の延長なくスラグ厚を50mm以下に低減出来た。ま
た、本発明例4〜6は出鋼孔径比2.0倍の径の円錐状
耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を使用して
スラグの流出防止を図ったものであり、出鋼時間の延長
なく、スラグ厚を50mm以下に低減出来た。
【0019】本発明例7〜8は出鋼孔径比1.1倍の径
の円錐状耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を
使用したものであり、スラグ厚を50mm以下に低減出
来たが、上記本発明例1〜6に比較して出鋼時間がやや
延長している。本発明例9〜10は、円錐状耐火性物体
のみを使用したもので出鋼時間延長はないが、スラグ厚
みが本発明例1〜8に比較してやや増加した。
の円錐状耐火性物体及びガス吹込式スラグカット装置を
使用したものであり、スラグ厚を50mm以下に低減出
来たが、上記本発明例1〜6に比較して出鋼時間がやや
延長している。本発明例9〜10は、円錐状耐火性物体
のみを使用したもので出鋼時間延長はないが、スラグ厚
みが本発明例1〜8に比較してやや増加した。
【0020】
【表1】
【0021】更に、比較例1〜3は、円錐状耐火性物体
の上面の径を250mmと出鋼孔径と同等としたもので
あり、スラグ厚みは低減出来たが、出鋼時間の延長をも
たらした。比較例4〜5は、円錐状耐火性物体の上面の
径を200mmと、出鋼孔径より小さくしたものであり
スラグ厚みを低減不出来なかった。比較例6は、円錐状
耐火性物体の比重を3.0と、スラグと同等にしたもの
でありスラグ厚みを低減出来なかった。また、円錐状耐
火性物体の比重を7.0以上とすると溶鋼よりも重くな
り、円錐状耐火性物体が溶鋼中に沈んでしまうのでスラ
グの流出防止能力がないので表1には記載しなかった。
の上面の径を250mmと出鋼孔径と同等としたもので
あり、スラグ厚みは低減出来たが、出鋼時間の延長をも
たらした。比較例4〜5は、円錐状耐火性物体の上面の
径を200mmと、出鋼孔径より小さくしたものであり
スラグ厚みを低減不出来なかった。比較例6は、円錐状
耐火性物体の比重を3.0と、スラグと同等にしたもの
でありスラグ厚みを低減出来なかった。また、円錐状耐
火性物体の比重を7.0以上とすると溶鋼よりも重くな
り、円錐状耐火性物体が溶鋼中に沈んでしまうのでスラ
グの流出防止能力がないので表1には記載しなかった。
【0022】比較例7は、円錐状耐火性物体の上面と側
周面がなす角度αを45度にしたものである。スラグ厚
みは低減可能であるが、出鋼時間の延長をもたらした。
また、比較例8は、円錐状耐火性物体の上面と側周面が
なす角度αを0度、即ち平坦な板状体としたものであり
スラグ厚みを低減で出来なかった。従来例1〜3はスラ
グボ−ルのみを使用したもので出鋼時間が大幅に延長し
た。以上説明したように、本発明例のは出鋼時間の延長
なくスラグ厚の低減が可能であり良好である。
周面がなす角度αを45度にしたものである。スラグ厚
みは低減可能であるが、出鋼時間の延長をもたらした。
また、比較例8は、円錐状耐火性物体の上面と側周面が
なす角度αを0度、即ち平坦な板状体としたものであり
スラグ厚みを低減で出来なかった。従来例1〜3はスラ
グボ−ルのみを使用したもので出鋼時間が大幅に延長し
た。以上説明したように、本発明例のは出鋼時間の延長
なくスラグ厚の低減が可能であり良好である。
【0023】
【発明の効果】本発明により転炉から取鍋へ流出するス
ラグ量を安価で、しかも、簡便にして、出鋼時間の延長
無しに大幅に低減することが可能となり、これにより、
転炉の生産能率を阻害すること無く、取鍋スラグによる
合金成分の酸化ロスの削減によるコスト削減や、溶鋼中
アルミニウム分の再酸化による溶鋼中介在物の生成抑制
による成品品質の向上が可能となる。
ラグ量を安価で、しかも、簡便にして、出鋼時間の延長
無しに大幅に低減することが可能となり、これにより、
転炉の生産能率を阻害すること無く、取鍋スラグによる
合金成分の酸化ロスの削減によるコスト削減や、溶鋼中
アルミニウム分の再酸化による溶鋼中介在物の生成抑制
による成品品質の向上が可能となる。
【図1】(a)は円錐状耐火性物体を示す簡略図。
(b)は円錐状耐火性物体の上面と側周面がなす角度α
と出鋼時間のを関係を示す図。(c)は円錐状耐火性物
体の上面と側周面がなす角度αと取り鍋スラグ厚の関係
を示す図。
(b)は円錐状耐火性物体の上面と側周面がなす角度α
と出鋼時間のを関係を示す図。(c)は円錐状耐火性物
体の上面と側周面がなす角度αと取り鍋スラグ厚の関係
を示す図。
【図2】(a)は円錐状耐火性物体を示す簡略図。
(b)は円錐状耐火性物体上面の径と出鋼時間との関係
を示す図。
(b)は円錐状耐火性物体上面の径と出鋼時間との関係
を示す図。
【図3】転炉からの出鋼状況を示す模式図。
【図4】従来の耐火性物体を示す簡略図。
1:転炉本体 2:スラグ 3:溶鋼 4:出鋼孔 5:取鍋 6:ガス吹込式スラグカット装置 7:円錐状耐火性物体 10:板状体 11:フック 12:突起誘導体 13:金属ブロック 14:付け根部
Claims (3)
- 【請求項1】 転炉の出鋼孔径より大きな径で、溶鋼と
スラグの間の比重を有する耐火性物体を出鋼中に転炉炉
内に装入することにより前記出鋼孔からのスラグの流出
を防止する方法において、前記耐火性物体が、逆円錐状
又は逆角錐状で、しかも、該耐火性物体の上面と側周面
のなす角度が5度〜40度であることを特徴とする転炉
出鋼孔からのスラグ流出防止方法。 - 【請求項2】 前記耐火性物体の上面の径を前記出鋼孔
径の1.2倍以上とすることを特徴とする請求項1記載
の転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法 - 【請求項3】 出鋼完了時にスラグが流出すると直ちに
前記出鋼孔内に高圧の不活性ガスを吹き込んでスラグの
流出を防止する事を特徴とする請求項1又は2のいずれ
かに記載の転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2251098A JPH11209816A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | 転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2251098A JPH11209816A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | 転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209816A true JPH11209816A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12084766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2251098A Withdrawn JPH11209816A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | 転炉出鋼孔からのスラグ流出防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209816A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015102190A1 (ko) * | 2013-12-30 | 2015-07-09 | 주식회사 우진 | 회전 분사형 노즐을 갖는 가스 분사 랜스 및 이를 구비하는 슬래그 유출 방지 장치 |
JP2020111772A (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-27 | 日本製鉄株式会社 | 転炉内スラグの流出防止方法 |
-
1998
- 1998-01-21 JP JP2251098A patent/JPH11209816A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015102190A1 (ko) * | 2013-12-30 | 2015-07-09 | 주식회사 우진 | 회전 분사형 노즐을 갖는 가스 분사 랜스 및 이를 구비하는 슬래그 유출 방지 장치 |
JP2020111772A (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-27 | 日本製鉄株式会社 | 転炉内スラグの流出防止方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050405 |