JPH11208583A - 大規模浮体の動揺抑制方法 - Google Patents
大規模浮体の動揺抑制方法Info
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- JPH11208583A JPH11208583A JP2635598A JP2635598A JPH11208583A JP H11208583 A JPH11208583 A JP H11208583A JP 2635598 A JP2635598 A JP 2635598A JP 2635598 A JP2635598 A JP 2635598A JP H11208583 A JPH11208583 A JP H11208583A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潮位の影響を受けずに大規模浮体の端部の動
揺を抑制する。 【解決手段】 海上3に浮上係留された大規模浮体1の
端部2に、波力が減少した水深に位置する水平版5を連
結材6で連結し、浮体端部2の上下動揺を水平版5の上
下の面に作用する動水圧の抵抗で抑制するようにした大
規模浮体の動揺抑制方法である。なお、潮位変化のよう
なゆっくりした動きに対しては動水圧が生ぜず浮体はフ
リーな状態で追随する。又、海上3に浮上係留された大
規模浮体1の端部2に、満潮時でかつ、最大動揺時にお
いても海底4に着底する長さの鎖状重錘を吊り下げ、浮
体端部2の上下動揺に伴って鎖状重錘の水中重量wが増
減するようにして浮体端部に動揺方向と逆向きの荷重を
与えることによって動揺を抑制するようにした大規模浮
体の動揺抑制方法である。
揺を抑制する。 【解決手段】 海上3に浮上係留された大規模浮体1の
端部2に、波力が減少した水深に位置する水平版5を連
結材6で連結し、浮体端部2の上下動揺を水平版5の上
下の面に作用する動水圧の抵抗で抑制するようにした大
規模浮体の動揺抑制方法である。なお、潮位変化のよう
なゆっくりした動きに対しては動水圧が生ぜず浮体はフ
リーな状態で追随する。又、海上3に浮上係留された大
規模浮体1の端部2に、満潮時でかつ、最大動揺時にお
いても海底4に着底する長さの鎖状重錘を吊り下げ、浮
体端部2の上下動揺に伴って鎖状重錘の水中重量wが増
減するようにして浮体端部に動揺方向と逆向きの荷重を
与えることによって動揺を抑制するようにした大規模浮
体の動揺抑制方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海上に浮上係留され
た浮体人工島、海上空港等の大規模浮体の動揺を抑制す
る方法に関し、さらに詳しくは箱形形式の大規模浮体の
上下動揺を抑制する方法に関する。
た浮体人工島、海上空港等の大規模浮体の動揺を抑制す
る方法に関し、さらに詳しくは箱形形式の大規模浮体の
上下動揺を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、国土総合開発のうえで海洋空間の
利用が注目されてきている。これは海上に浮上係留した
大規模浮体を廃棄物処理施設、レジャー施設、物流基地
等の浮体人工島や海上空港として利用しようとするもの
で、陸上スペースを利用した場合や埋立てによるものに
比べて、広大なスペースが得やすく、耐震性が有利とな
り、騒音・臭気などの環境公害を緩和できること等多く
の利点がある。これらの大規模浮体は例えば海上空港の
場合、1辺が数kmにもおよぶ巨大なものとなる。浮体
の構造形式には箱型(プンツーン)、半潜水型(セミサ
ブ)があるが経済性の面では箱型が有利であるが、反
面、この形式は波浪の影響を受けやすい。浮体は利用時
の安全性確保、設備保全、居住性等の面からできるだけ
動揺を小さくする必要がある。従来技術における動揺抑
制手段としては、図5に示すように浮体の前面に防波
堤・消波堤13を構築する、浮体の剛性を高めて変形
しにくくする、テンションレグプラットホームの如く
浮体を海底に緊張係留する方法等がある。この他、作業
船、バース等の浮体の動揺減少対策として特開平9−
202291に開示されているものがある。これは、図
6に示すように、海底4に設置した重錘14を反力とし
て浮体1を減揺索15で保持し、この減揺索15の張力
をウインチ17と空圧シリンダ−のダンパー16によっ
て所定の設定範囲になるように制御したもので、潮位変
化に追従し、かつ波による浮体の動揺を減少させるもの
である。また、大規模浮体を対象としたものでは、特
開平5−278677に開示されているものがある。こ
れは浮体の下面に進入する波を消波して波浪外力を軽減
させるもので、図7に示すように浮体1の外周に波圧が
減少する深さまで没水した消波板18を浮体1と一体的
に設けたもので、浮体の下面に作用する波浪外力を軽減
させることによって動揺を軽減するものである。
利用が注目されてきている。これは海上に浮上係留した
大規模浮体を廃棄物処理施設、レジャー施設、物流基地
等の浮体人工島や海上空港として利用しようとするもの
で、陸上スペースを利用した場合や埋立てによるものに
比べて、広大なスペースが得やすく、耐震性が有利とな
り、騒音・臭気などの環境公害を緩和できること等多く
の利点がある。これらの大規模浮体は例えば海上空港の
場合、1辺が数kmにもおよぶ巨大なものとなる。浮体
の構造形式には箱型(プンツーン)、半潜水型(セミサ
ブ)があるが経済性の面では箱型が有利であるが、反
面、この形式は波浪の影響を受けやすい。浮体は利用時
の安全性確保、設備保全、居住性等の面からできるだけ
動揺を小さくする必要がある。従来技術における動揺抑
制手段としては、図5に示すように浮体の前面に防波
堤・消波堤13を構築する、浮体の剛性を高めて変形
しにくくする、テンションレグプラットホームの如く
浮体を海底に緊張係留する方法等がある。この他、作業
船、バース等の浮体の動揺減少対策として特開平9−
202291に開示されているものがある。これは、図
6に示すように、海底4に設置した重錘14を反力とし
て浮体1を減揺索15で保持し、この減揺索15の張力
をウインチ17と空圧シリンダ−のダンパー16によっ
て所定の設定範囲になるように制御したもので、潮位変
化に追従し、かつ波による浮体の動揺を減少させるもの
である。また、大規模浮体を対象としたものでは、特
開平5−278677に開示されているものがある。こ
れは浮体の下面に進入する波を消波して波浪外力を軽減
させるもので、図7に示すように浮体1の外周に波圧が
減少する深さまで没水した消波板18を浮体1と一体的
に設けたもので、浮体の下面に作用する波浪外力を軽減
させることによって動揺を軽減するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記、従来技術のの
場合は防波堤・消波堤の築造に費用が嵩み、特に水深の
深い海域では膨大な費用を要することになる。は大規
模浮体に適用するには浮体全体の構造が大型となり製作
・建造費に高額な投資が必要となる。また、の場合は
巨大な波浪の上下動荷重の他、潮位変化があっても浮体
の高さ位置を常に一定に保持するため高潮位において係
留索に浮力増大分の張力が加わり、これに抵抗する大掛
かりな係留索、海底アンカーを要する。また、の場合
は、ウインチ、空圧シリンダー・ダンパー等の複雑な張
力設定装置を多数配置する必要があり制御装置のランニ
ングコストなどの点で不経済であり、浮体上のスペース
占有の問題もある。一方、前記の従来技術は大規模浮
体の外周に簡易な消波板を設けて水深の影響を受けずに
浮体に作用する波浪外力を軽減できるもので経済的な対
策といえる。しかし、消波板に作用する波浪外力によっ
て浮体の水平動揺が大きくなることや潮流力を受けやす
い課題があった。本発明における対象とする箱型形式の
大規模浮体は従来の浮体構造(剛構造)と異なった動揺
特性を示す。すなわち、浮体は図3に示すように長さに
比べて高さが小さく、全体的にみると薄い版状構造とな
るため波浪中の挙動は弾性応答を呈する。ここで、図4
に箱型形式の1,000m級の大規模浮体が周期(T)
10秒の波浪外力を受けた時の上下動揺解析例を示す。
図4の縦軸は浮体の動揺の応答倍率を示し、横軸は浮体
中央を中心とした距離(m)を示す。浮体の動揺は図4
に示すように中間部に比べて端部2が著しく大きくなっ
ており、この比率は数倍となっている。
場合は防波堤・消波堤の築造に費用が嵩み、特に水深の
深い海域では膨大な費用を要することになる。は大規
模浮体に適用するには浮体全体の構造が大型となり製作
・建造費に高額な投資が必要となる。また、の場合は
巨大な波浪の上下動荷重の他、潮位変化があっても浮体
の高さ位置を常に一定に保持するため高潮位において係
留索に浮力増大分の張力が加わり、これに抵抗する大掛
かりな係留索、海底アンカーを要する。また、の場合
は、ウインチ、空圧シリンダー・ダンパー等の複雑な張
力設定装置を多数配置する必要があり制御装置のランニ
ングコストなどの点で不経済であり、浮体上のスペース
占有の問題もある。一方、前記の従来技術は大規模浮
体の外周に簡易な消波板を設けて水深の影響を受けずに
浮体に作用する波浪外力を軽減できるもので経済的な対
策といえる。しかし、消波板に作用する波浪外力によっ
て浮体の水平動揺が大きくなることや潮流力を受けやす
い課題があった。本発明における対象とする箱型形式の
大規模浮体は従来の浮体構造(剛構造)と異なった動揺
特性を示す。すなわち、浮体は図3に示すように長さに
比べて高さが小さく、全体的にみると薄い版状構造とな
るため波浪中の挙動は弾性応答を呈する。ここで、図4
に箱型形式の1,000m級の大規模浮体が周期(T)
10秒の波浪外力を受けた時の上下動揺解析例を示す。
図4の縦軸は浮体の動揺の応答倍率を示し、横軸は浮体
中央を中心とした距離(m)を示す。浮体の動揺は図4
に示すように中間部に比べて端部2が著しく大きくなっ
ており、この比率は数倍となっている。
【0004】本発明は、このような箱型形式の大規模浮
体の動揺特性を考慮し、特に浮体端部の上下動揺の抑制
について従来技術の動揺軽減対策とは異なった簡易な構
成で経済性の高い動揺抑制方法を提供するものである。
体の動揺特性を考慮し、特に浮体端部の上下動揺の抑制
について従来技術の動揺軽減対策とは異なった簡易な構
成で経済性の高い動揺抑制方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
海上3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、波力
が減少した水深に位置する水平版5を連結材6で連結
し、浮体端部2の上下動揺を水平版5の上下面に作用す
る動水圧p1,pの抵抗で抑制するようにした大規模浮
体の動揺抑制方法である。なお、潮位変化のようなゆっ
くりした動きに対しては動水圧p1,pが生ぜず浮体は
フリーな状態で追随する。請求項2に係る発明は、海上
3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、満潮時で
かつ、最大動揺時においても海底4に着底する長さの鎖
状重錘8を吊り下げ、浮体端部2の上下動揺に伴って鎖
状重錘8の水中重量Wが増減するようにして浮体端部に
動揺方向と逆向きの荷重を与えることによって動揺を抑
制するようにした大規模浮体の動揺抑制方法である。
海上3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、波力
が減少した水深に位置する水平版5を連結材6で連結
し、浮体端部2の上下動揺を水平版5の上下面に作用す
る動水圧p1,pの抵抗で抑制するようにした大規模浮
体の動揺抑制方法である。なお、潮位変化のようなゆっ
くりした動きに対しては動水圧p1,pが生ぜず浮体は
フリーな状態で追随する。請求項2に係る発明は、海上
3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、満潮時で
かつ、最大動揺時においても海底4に着底する長さの鎖
状重錘8を吊り下げ、浮体端部2の上下動揺に伴って鎖
状重錘8の水中重量Wが増減するようにして浮体端部に
動揺方向と逆向きの荷重を与えることによって動揺を抑
制するようにした大規模浮体の動揺抑制方法である。
【0006】(作用)本発明は、箱型形式の大規模浮体
1が波浪外力を受けた時、端部2の上下方向動揺(弾性
撓み)が中間部に比べて著しく大きくなる動揺特性に対
応して浮体端部2の上下動揺を対象にこれを抑制する手
段を提供するものである。すなわち、前述のように箱型
形式の大規模浮体1は全体的にみると薄い版状構造とな
るため波浪中の挙動は弾性応答を呈し、浮体端部2の上
下動揺は浮体中間部に比べて数倍に達する。この動揺特
性は波浪外力を受けた浮体の動揺が浮体構造物の固有振
動で浮体全体が励振され、共振現象によって特に自由端
の浮体端部2の動揺が顕著になっているものと考えられ
る。従って、浮体端部2の動揺を抑制すれば全体の動揺
を小さくする効果が期待できる。本発明はこのような箱
型形式の大規模浮体の動揺特性を考慮した各種の上下動
揺の抑制方法を提供するものである。
1が波浪外力を受けた時、端部2の上下方向動揺(弾性
撓み)が中間部に比べて著しく大きくなる動揺特性に対
応して浮体端部2の上下動揺を対象にこれを抑制する手
段を提供するものである。すなわち、前述のように箱型
形式の大規模浮体1は全体的にみると薄い版状構造とな
るため波浪中の挙動は弾性応答を呈し、浮体端部2の上
下動揺は浮体中間部に比べて数倍に達する。この動揺特
性は波浪外力を受けた浮体の動揺が浮体構造物の固有振
動で浮体全体が励振され、共振現象によって特に自由端
の浮体端部2の動揺が顕著になっているものと考えられ
る。従って、浮体端部2の動揺を抑制すれば全体の動揺
を小さくする効果が期待できる。本発明はこのような箱
型形式の大規模浮体の動揺特性を考慮した各種の上下動
揺の抑制方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明の実施の形態
つき、実施例を含め、図面を参照して説明する。図3は
本発明を適用する大規模浮体1の斜視図である。大規模
浮体1は1辺L、Bが数km、高さDが数mにもなる巨
大なもので水深hの海上3に浮上し、係累索10(また
はドルフィン11に緩衝材12を介して)にて海底4に
係留されている。図1(a)は本発明の請求項1に係る
ものの例であって、海上3に浮上係留された大規模浮体
1の端部2に、海中に没水する水平版5を連結材6で連
結した構成である。海中に没水する水平版5は連結材6
で伝達される浮体端部2の上下動揺を水平版5の上下面
に作用する動水圧p1,p2で抵抗させて動揺を抑制す
るものである。従って、水平版5自身が波浪の影響を受
けないように波力(px)が減少した水深h3に適切な
面積のものを連結材6で位置保持させる必要がある。水
深hxと波力pxの関係は波浪周期Tに関係するが、図
1の左側に示すように水深hxが深くなるに従い非線形
で波力pxは低減する。水平版5の水深位置h3は波力
pxが零になる位置が最も望ましく、できるだけ深くし
て波力が減少した位置にする方がよいが連結材6の長さ
が長くなり、その分浮体端部2に与える重量が増えたり
不経済になるため、少なくとも表層波力p0の1/2以
下の波力となる水深より深くする。なお、これ以浅の深
さにすると水平版5自身が波浪の影響を受け、動揺抑制
の作用効果が発揮できなくなったり、却って動揺が助長
されてしまう可能性がある。本発明の動揺抑制は波浪外
力によるもののみ対象としており、潮位変化h1〜h2
や高潮等の異常潮位変化のようなゆっくりした動きでは
動水圧p1、p2が発生しないため抑制力は生じない。
水平版5は連結材6から伝達される浮体端部2の上下動
揺を上下面に作用する動水圧p1,p2で抵抗させて動
揺を抑制するものであるためその抑制力は水平版5の面
積に依存し、大面積にする程大きな抑制力を発揮できる
がその分、水平版5と連結材6に作用する荷重が大きく
なるためある程度の動揺を許容するような面積とする。
図1(b)は浮体端部2が上向きに動く際の様子を示し
たもので水平版5に作用する動水圧p1は下向きに作用
し、図1(c)は下向きの動き時の水平版5に作用する
動水圧p2を示す。なお、水平版5は鋼製、コンクリー
ト製のいずれでもよく、また、図1(d)に示すように
面内に動水圧p1,p2の大きさを調整する貫通孔5a
を設けてもよい。連結材6は浮体端部2の上下動で水平
版上下の面に作用する動水圧p1,p2の抵抗力を受け
るに十分な支持強度を有するH型鋼や鋼管等からなる鉄
骨構造や柱状体とし、浮体端部2または水平版5に剛結
またはピン結合により結合する。水平版5は浮体端部2
に連続して設けるか、または間隔をおいて断続的に設け
てもよい。
つき、実施例を含め、図面を参照して説明する。図3は
本発明を適用する大規模浮体1の斜視図である。大規模
浮体1は1辺L、Bが数km、高さDが数mにもなる巨
大なもので水深hの海上3に浮上し、係累索10(また
はドルフィン11に緩衝材12を介して)にて海底4に
係留されている。図1(a)は本発明の請求項1に係る
ものの例であって、海上3に浮上係留された大規模浮体
1の端部2に、海中に没水する水平版5を連結材6で連
結した構成である。海中に没水する水平版5は連結材6
で伝達される浮体端部2の上下動揺を水平版5の上下面
に作用する動水圧p1,p2で抵抗させて動揺を抑制す
るものである。従って、水平版5自身が波浪の影響を受
けないように波力(px)が減少した水深h3に適切な
面積のものを連結材6で位置保持させる必要がある。水
深hxと波力pxの関係は波浪周期Tに関係するが、図
1の左側に示すように水深hxが深くなるに従い非線形
で波力pxは低減する。水平版5の水深位置h3は波力
pxが零になる位置が最も望ましく、できるだけ深くし
て波力が減少した位置にする方がよいが連結材6の長さ
が長くなり、その分浮体端部2に与える重量が増えたり
不経済になるため、少なくとも表層波力p0の1/2以
下の波力となる水深より深くする。なお、これ以浅の深
さにすると水平版5自身が波浪の影響を受け、動揺抑制
の作用効果が発揮できなくなったり、却って動揺が助長
されてしまう可能性がある。本発明の動揺抑制は波浪外
力によるもののみ対象としており、潮位変化h1〜h2
や高潮等の異常潮位変化のようなゆっくりした動きでは
動水圧p1、p2が発生しないため抑制力は生じない。
水平版5は連結材6から伝達される浮体端部2の上下動
揺を上下面に作用する動水圧p1,p2で抵抗させて動
揺を抑制するものであるためその抑制力は水平版5の面
積に依存し、大面積にする程大きな抑制力を発揮できる
がその分、水平版5と連結材6に作用する荷重が大きく
なるためある程度の動揺を許容するような面積とする。
図1(b)は浮体端部2が上向きに動く際の様子を示し
たもので水平版5に作用する動水圧p1は下向きに作用
し、図1(c)は下向きの動き時の水平版5に作用する
動水圧p2を示す。なお、水平版5は鋼製、コンクリー
ト製のいずれでもよく、また、図1(d)に示すように
面内に動水圧p1,p2の大きさを調整する貫通孔5a
を設けてもよい。連結材6は浮体端部2の上下動で水平
版上下の面に作用する動水圧p1,p2の抵抗力を受け
るに十分な支持強度を有するH型鋼や鋼管等からなる鉄
骨構造や柱状体とし、浮体端部2または水平版5に剛結
またはピン結合により結合する。水平版5は浮体端部2
に連続して設けるか、または間隔をおいて断続的に設け
てもよい。
【0008】図2(a)は本発明の請求項3に係るもの
で、海上3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、
間隔を隔てて多数のアンカーチェーンのような鎖状重錘
8を吊り下げたものである。本発明は、図2(b)のよ
うに浮体端部2の動揺時に端部2が上方に移動する際は
鎖状重錘8が持ち上げられその分浮体端部2の重量が重
くなって(W1=W+△w)上方への移動を阻止する作
用力(−△w)が働き、下降時には図2(c)のように
軽くなり(W2=W−△w)逆の作用力+△wが働き、
浮体端部2の上下動揺に伴って自動的に鎖条重錘8の水
中重量Wが増減されて動揺を抑制するようにした大規模
浮体1の動揺抑制方法である。従って、鎖状重錘8は浮
体端部2が最高潮位で、かつ最大動揺時においても海底
4に着底する十分な長さとする必要がある。本発明も潮
位変化に対して浮体がフリーで追随するものであるが、
潮位変化時には潮位差h1〜h2分の鎖状重錘8の重量
差が浮体端部2の重量に作用することになる。しかし、
その浮力バランスに与える影響は小さい。
で、海上3に浮上係留された大規模浮体1の端部2に、
間隔を隔てて多数のアンカーチェーンのような鎖状重錘
8を吊り下げたものである。本発明は、図2(b)のよ
うに浮体端部2の動揺時に端部2が上方に移動する際は
鎖状重錘8が持ち上げられその分浮体端部2の重量が重
くなって(W1=W+△w)上方への移動を阻止する作
用力(−△w)が働き、下降時には図2(c)のように
軽くなり(W2=W−△w)逆の作用力+△wが働き、
浮体端部2の上下動揺に伴って自動的に鎖条重錘8の水
中重量Wが増減されて動揺を抑制するようにした大規模
浮体1の動揺抑制方法である。従って、鎖状重錘8は浮
体端部2が最高潮位で、かつ最大動揺時においても海底
4に着底する十分な長さとする必要がある。本発明も潮
位変化に対して浮体がフリーで追随するものであるが、
潮位変化時には潮位差h1〜h2分の鎖状重錘8の重量
差が浮体端部2の重量に作用することになる。しかし、
その浮力バランスに与える影響は小さい。
【0009】
【発明の効果】本発明は、潮位変化に対しては浮体の上
下移動を自由に追随させ、波浪による大規模浮体の端部
の大きな上下動揺を簡単な構成でしかも経済性の高い方
法で抑制することとして大規模浮体全体の動揺抑制を行
うことができる。また、本発明の動揺抑制手段は水平版
に作用する動水圧、鎖状重錘の水中重量の増減等の自然
エネルギーを利用しているため制御装置を要しないため
操作要員やランニングコストが不要である。
下移動を自由に追随させ、波浪による大規模浮体の端部
の大きな上下動揺を簡単な構成でしかも経済性の高い方
法で抑制することとして大規模浮体全体の動揺抑制を行
うことができる。また、本発明の動揺抑制手段は水平版
に作用する動水圧、鎖状重錘の水中重量の増減等の自然
エネルギーを利用しているため制御装置を要しないため
操作要員やランニングコストが不要である。
【図1】本発明の請求項1に係る実施例で水平版を用い
た大規模浮体の動揺抑制方法を説明する図である。
た大規模浮体の動揺抑制方法を説明する図である。
【図2】本発明の請求項2に係る実施例で鎖状重錘を用
いた大規模浮体の動揺抑制方法を説明する図である。
いた大規模浮体の動揺抑制方法を説明する図である。
【図3】本発明を適用する大規模浮体の斜視図である。
【図4】大規模浮体の上下動揺分布図である。
【図5】従来技術の動揺軽減例で防波堤を使用したもの
を示す図である。
を示す図である。
【図6】従来技術の動揺軽減例でダンパーを用いたもの
を示す図である。
を示す図である。
【図7】従来技術の動揺軽減例で大規模浮体に消波堤を
設けたものを示す図である。
設けたものを示す図である。
1 大規模浮体 2 海上 3 海底 4 浮体端部 5 水平版 6 連結材 7 補強トラス 7a 鋼板桁 8 鎖状重錘 10 係留索 11 ドルフイン 12 緩衝材 13 防波堤・消波堤 14 重錘 15 減揺索 16 ダンパー 17 ウンイチ 18 消波板
Claims (2)
- 【請求項1】 海上に浮上係留された大規模浮体の端部
に、波力が減少した水深に位置する水平版を連結材で連
結し、浮体端部の上下動揺を水平版の上下の面に作用す
る動水圧の抵抗で抑制するようにしたことを特徴とする
大規模浮体の動揺抑制方法。 - 【請求項2】 海上に浮上係留された大規模浮体の端部
に、最大動揺時においても海底に着底する長さの鎖状重
錘を吊り下げ、浮体端部の上下動揺に伴って鎖状重錘の
水中重量が増減するようにして動揺を抑制するようにし
たことを特徴とする大規模浮体の動揺抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2635598A JPH11208583A (ja) | 1998-01-26 | 1998-01-26 | 大規模浮体の動揺抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2635598A JPH11208583A (ja) | 1998-01-26 | 1998-01-26 | 大規模浮体の動揺抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11208583A true JPH11208583A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12191179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2635598A Pending JPH11208583A (ja) | 1998-01-26 | 1998-01-26 | 大規模浮体の動揺抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11208583A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011027949A1 (ko) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | 한국과학기술원 | 해상부유물의 동요 방지장치 |
KR20190078878A (ko) * | 2017-12-27 | 2019-07-05 | 주식회사 엠에스엘테크놀로지 | 항로 표시용 등부표 |
-
1998
- 1998-01-26 JP JP2635598A patent/JPH11208583A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011027949A1 (ko) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | 한국과학기술원 | 해상부유물의 동요 방지장치 |
KR20190078878A (ko) * | 2017-12-27 | 2019-07-05 | 주식회사 엠에스엘테크놀로지 | 항로 표시용 등부표 |
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