JPH11207373A - 汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化方法及びその装置 - Google Patents

汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化方法及びその装置

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JPH11207373A
JPH11207373A JP1687598A JP1687598A JPH11207373A JP H11207373 A JPH11207373 A JP H11207373A JP 1687598 A JP1687598 A JP 1687598A JP 1687598 A JP1687598 A JP 1687598A JP H11207373 A JPH11207373 A JP H11207373A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄化効率の高い汚染地下水及び/又は汚染地
層の浄化方法及びその設備を提供する。 【解決手段】 本浄化方法は、地下水流から地下水を揚
水し、汚染物質の分解微生物の増殖に必要なガス(以
下、増殖ガスと言う)及び栄養塩のうちの少なくとも一
つを揚水地下水に溶解して注入水を調製し、調製した注
入水を地下水流に注入して、微生物により汚染地下水及
び/又は汚染地層を浄化する方法である。本方法は、揚
水・注入井戸18の揚水ポイント16から地下水流中の
地下水をポンピングし、ポンピングした地下水に増殖ガ
ス及び栄養塩のうちの少なくとも一つを溶解して注入水
を地上で調製し、調製した注入水を同じ井戸の揚水ポイ
ントから上方に離間した注入ポイントから地下水流に注
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分解微生物により
汚染地下水及び/又は汚染地層を浄化する方法及びその
装置に関し、更に詳細には、浄化効率の高い浄化方法及
び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリクロロエチレン(C2HCl3、以下、T
CEと略記する) や、テトラクロロエチレン(Cl2C=CCl
2)などの有機塩素化合物は、油脂等に対する溶解性が高
いので、一般溶剤、脱脂用洗浄剤等として各種の工場及
びクリーニング店等で広く使用されている。そのため、
長年の間に、これらの有機塩素化合物のかなりの量が、
使用中に誤って外部に流出したり、或いは廃棄されたり
して、地層及び地下水を汚染している。
【0003】これらの有機塩素化合物は発ガン性物質で
ある恐れがあるため、汚染された地層及び地下水の浄化
が、近年、大きな社会的要望となっていて、そこで、汚
染サイトで微生物を利用して有機塩素化合物を分解する
原位置バイオレメディエーション(bioremediation)技
術が注目されている。原位置バイオレメディエーション
技術による地層および地下水の浄化方法は、有機塩素化
合物等の汚染物質に対する分解能を有する微生物を汚染
サイトの地層中で増殖、活性化して、汚染物質を原位
置、即ち地層中で分解して無害な物質に転化することに
より、地層および地下水を浄化する方法を言う。
【0004】有機塩素化合物による汚染地層及び汚染地
下水を微生物学的に浄化する場合、有機塩素化合物を直
接資化できる菌は、地層中に存在していないので、メタ
ン、トルエン、フェノール、アンモニア等をそれぞれ資
化する菌(以下、それぞれメタン資化菌、トルエン資化
菌、フェノール資化菌、アンモニア資化菌と言う)の共
酸化を利用した処理方法が提案されている。この方法
は、メタン資化菌等の資化菌の増殖に必要な栄養塩及び
酸素に加えて、メタン資化菌等の資化菌のそれぞれの基
質として、環境的に比較的害の少ないメタン、トルエ
ン、フェノール、アンモニアなどを汚染サイトに注入し
て資化菌を増殖し、有機塩素化合物を分解する分解酵素
を資化菌により誘導する。そして、誘導された分解酵素
により有機塩素化合物を分解し、無害な物質に転化する
方法である。
【0005】ところで、バイオレメディエーション技術
で利用できる資化菌には、上述のように種々のものがあ
るが、実用的には、通常、メタン資化菌又はプロパン資
化菌を利用した例が多い。例えば、メタン資化菌は、T
CEを分解して増殖することはできないものの、基質と
するメタンを酸化して増殖し、その際、TCEなどの有
機塩素化合物を共酸化により分解するメタンモノオキシ
ゲナーゼという分解酵素を誘導する。分解酵素により分
解されるTCE量は、メタン資化菌の菌体増殖量により
決定されるので、原位置バイオレメディエーション技術
では、メタン資化菌の増殖を図るために、メタン、プロ
パン等の常温、常圧ではガス状の炭化水素をメタン資化
菌等の資化菌の基質として汚染地下水及び汚染地層に供
給している。
【0006】メタン資化菌の増殖に必要なものを供給す
るに当たっては、従来、揚水井を介して地下水を汲み上
げて、地下水にメタン資化菌の増殖に必要な酸素とメタ
ン(以下、簡単に増殖ガスと言う)、更には栄養塩を溶
解して注入水として調製し、調製した注入水を注入井を
介して地下水流に注入し、有機塩素化合物により汚染さ
れた地層を浄化している。ここで、図6を参照して、汚
染地層に存在するメタン資化菌を利用した原位置バイオ
レメディエーション法を適用した場合の従来の浄化装置
を説明する。図6は、従来の原位置バイオレメディエー
ション法による浄化装置(以下、簡単に浄化装置と言
う)の構成の一例を示す概念図である。
【0007】従来の浄化装置90は、揚水井と、地下水
流の流れ方向に見て揚水井の上流側に設けられた注入井
とを備え、揚水井から地下水を汲み上げ、地下水に増殖
ガス及び栄養塩を注入して注入水を調製し、調製した注
入水を注入井を介して地下水流に注入する形式の装置で
あって、図6に示すように、注入水設備12と、地下水
揚水設備14とから構成されている。地下水揚水設備1
4は、汚染地層中の地下水を汲み上げる揚水井30と、
揚水井30内に設けられた揚水ポンプ32と、揚水井3
0から揚水ポンプ32により揚水した地下水を曝気する
曝気塔34と、曝気塔34に曝気用空気を送入するブロ
ア36とから構成されている。注入水設備12は、曝気
した地下水を昇圧して注入水とする注入水ポンプ92
と、注入水ポンプ92から注入井94の底部まで延在
し、先端に流出口を有する注入水管96と、注入水管9
6に設けられた注入水調製装置とから構成されている。
注入水調製装置は、増殖ガスボンベ24、例えば酸素ガ
ス及びメタンガスのボンベ(図6では24として1個の
ボンベのみ図示)から供給された酸素及びメタンを水に
送入、溶解させるガス送入ノズル22(図6では26と
して1個のノズルのみ図示)と、ガス送入ノズル26の
下流に設けられ、送入した酸素及びメタンと水とを混合
して溶解を促進するインラインミキサ28と、図示しな
い栄養塩添加設備とを備えている。また、浄化装置90
は、地下水中の酸素濃度、メタン濃度、栄養塩濃度、メ
タン資化菌の菌数、汚染物質濃度等を測定するための観
測井38を備えている。
【0008】揚水井30から揚水ポンプ32により揚水
され、曝気塔34で曝気された地下水は、注入水として
注入水ポンプ92により昇圧され、注入水調製装置によ
り酸素、メタン及び必要な栄養塩が送入された後、注入
水管96を介し、注入井94から地下水流に注入され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した浄
化装置を使用して汚染地下水及び/又は汚染地層を浄化
する場合、汚染地下水及び汚染地層中の有機塩素化合物
濃度が注入水の注入により希釈されて、有機塩素化合物
濃度が低くなるという問題、及び、有機塩素化合物が拡
散して、汚染領域が広がるという問題があって、そのた
めに、浄化効率の向上を図ることが難しかった。以上の
説明では、主としてメタン資化菌による原位置バイオレ
メディエーション方法を例にして説明したが、汚染物質
を分解する分解微生物の増殖により汚染地下水及び/又
は汚染地層を浄化する方法では、同じ問題が付随してい
る。
【0010】そこで、本発明の目的は、浄化効率の高い
汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化方法及びその設備
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、汚染地下水
及び汚染地層中の有機塩素化合物濃度が注入水の注入に
より希釈されて、有機塩素化合物濃度が低くなるという
問題、及び、有機塩素化合物が拡散して、汚染領域が広
がるという問題が生じる原因は、揚水井から地下水を揚
水して注入水を調製し、調製した注入水を上流の注入井
を介して地下水流に注入していることにあると見い出し
た。そして、一つの井戸から地下水を揚水して地上で注
入水を調製し、調製した注入水を同じ井戸を介して地下
水流に注入すること、及び、地下水流に注入された注入
水が、ポンプにより地下水として揚水されるようなこと
がないように、注入ポイントと揚水ポイントとを離間す
ることを着想し、実験の末に、本発明を完成するに到っ
た。
【0012】上記目的を達成するために、以上の知見に
基づいて、本発明に係る汚染地下水及び/又は汚染地層
の浄化方法は、地下水流から地下水を揚水し、汚染物質
を分解する分解微生物の増殖に必要なガス(以下、増殖
ガスと言う)及び栄養塩を揚水地下水に溶解して注入水
を調製し、調製した注入水を地下水流に注入して、分解
微生物により汚染地下水及び/又は汚染地層を浄化する
方法であって、揚水・注入井戸を設置するとともに、当
該井戸の揚水ポイントから地下水流中の地下水をポンピ
ングし、ポンピングした地下水に増殖ガス及び栄養塩の
うちの少なくとも一つを地上で溶解して注入水を調製
し、調製した注入水を揚水ポイントと離間した同じ井戸
内の注入ポイントから地下水流に注入するようにしたこ
とを特徴としている。
【0013】本発明で、汚染地下水及び/又は汚染地層
を浄化するとは、汚染地下水及び汚染地層の双方を浄化
すること、又は汚染地下水又は汚染地層のいずれかを浄
化することを意味する。また、汚染物質とは、有機塩素
化合物に限らず、地下水及び地層を汚染するあらゆる物
質、例えば石油等の炭化水素化合物をも意味する広い概
念である。分解微生物とは、汚染物質を分解する分解微
生物であって、例えば汚染物質が有機塩素化合物である
場合には、メタン資化菌、トルエン資化菌、フェノール
資化菌、アンモニア資化菌等の資化菌を意味し、汚染物
質が石油のような場合には、石油を分解、資化する石油
分解菌を意味する。汚染物質の分解微生物の増殖に必要
なガス(以下、増殖ガスと言う)とは、ガスの種類に制
約はなく、広く、汚染物質の分解微生物の増殖に必要な
ガスを意味し、また1種類のみのガスとは限らず複数種
類のガスである場合も多い。増殖ガスは、例えば分解微
生物がメタン資化菌の場合には、メタンガス、酸素ガ
ス、空気等を意味し、分解微生物が石油分解菌の場合に
は、酸素ガス、空気等を意味する。更には、本明細書で
は、資化菌が基質として資化するガスを基質ガスと言
い、例えばメタン資化菌が基質として資化するメタンガ
スを基質ガスと言う。本発明方法では、増殖ガスのう
ち、例えば酸素ガスだけを地下水に溶解しても良く、基
質ガスだけを溶解しても良く、また酸素ガス及び基質ガ
スの双方を溶解しても良い。
【0014】本発明では、複数種類の増殖ガスの混合ガ
ス、例えば酸素ガスと基質ガスとの混合ガスを注入水に
送入しても良く、酸素ガスと基質ガスとを別々に同じ注
入水に送入しても良く、またガスの種類を切り換えて酸
素ガスと基質ガスとを交互に同じ注入水に送入しても良
く、各井戸毎に注入水に注入するガスの種類を代えても
良い。また、栄養塩のみを地下水に溶解して注入水を調
製しても良い。また、本発明では、注入ポイントで地下
水流に注入された注入水が、地下水流に混合して円滑に
下流に拡散するように、注入ポイントと揚水ポイントと
は少なくとも30cm離間していることが好ましい。
【0015】本発明の好適な実施態様では、注入水を注
入した井戸付近に注入水が滞留するのを防止するため
に、地下水流の流れ方向に見て揚水・注入井戸の下流に
設けた揚水井を介して地下水を揚水し、揚水した地下水
を地上水流に放流する。本実施態様では、揚水井から地
下水を揚水して、揚水・注入井戸の下流の地下水流の流
速を大きくすることにより、注入水が地下水流の流れに
伴い注入した井戸の下流の汚染地下水及び/又は汚染地
層の領域に拡散して行くので、浄化効率を一層向上させ
ることができる。
【0016】本発明方法を実施するのに好適な汚染地下
水及び/又は汚染地層の浄化装置は、地下水流から地下
水を揚水し、汚染物質を分解する分解微生物の増殖に必
要なガス(以下、増殖ガスと言う)及び栄養塩を揚水地
下水に溶解して注入水を調製し、調製した注入水を地下
水流に注入して、分解微生物により汚染地下水及び/又
は汚染地層を浄化する浄化装置であって、地下水流内に
位置する揚水・注入井戸と、揚水・注入井戸内に設けら
れた地下水の揚水ポイントを介して地下水流から地下水
をポンピングするポンプと、ポンピングした地下水に増
殖ガス及び栄養塩のうちの少なくとも一つを溶解して注
入水を調製するために地上に設けられた注入水調製装置
と、揚水ポイントからポンプを経て注入水調製装置まで
延在して、ポンプにより揚水した地下水を注入水調製装
置に送水する地下水管と、注入水調製装置から、揚水ポ
イントと離間して同じ井戸内に設けられた注入ポイント
まで延在して、注入水を注入ポイントで地下水流に注入
する注入水管とを備えていることを特徴としている。
【0017】本発明設備の好適な実施態様では、揚水ポ
イントと注入ポイントとを確実に離間するために、揚水
・注入井戸は、井戸内が、地下水流の上層流に位置する
区画と、上層流より下方の地下水流の流れに位置する区
画との上下の2区画に不透水性隔壁によって区分され、
地下水管の揚水ポイントと注入水管の注入ポイントとが
上下2区画に対して別々に設けられている。
【0018】本発明では、ポンプの据え付け場所は、ポ
ンプの種類、形式により異なり、井戸内でも、また地上
でも良い。例えば、水中ポンプを使って揚水・注入井戸
内で地下水流から地下水を汲み取っても、また水中ポン
プではない通常のポンプを地上に設置して、井戸内の地
下水流から地下水を地上に汲み上げても良い。
【0019】実施態様で使用する隔壁は、揚水・注入井
戸内の上部区画と下部区画との間で地下水が相互に混合
しないように、不透水性の材料で形成されている限り、
その材料に制約はなく、例えば揚水・注入井戸の内部に
ベントナイト層を設け、それを隔壁にすることができ
る。また、通常の隔壁材料、例えば金属板、木板、プラ
スチック板等を使用しても良い。本実施態様では、隔壁
で揚水ポイントと注入ポイントとを物理的に分離し、地
下水流の下層流域から揚水ポイントを介してポンピング
した地下水を注入水として注入ポイントを介して地下水
流の上層流域に注入することにより、注入水が、地下水
として再びポンピングされることない。これにより、注
入水は地下水流に伴って下流に流れ、拡散するので、注
入水の注入効率が高く、従って浄化効率が高くなる。な
お上層流域から揚水し、上層流域から注入してもさしつ
かえない。
【0020】本発明の更に好適な実施態様では、ポンプ
が、注入水管の注入ポイントでの地下水流の水圧より高
い圧力に注入水を昇圧するポンプであり、注入水調製装
置は、注入水の圧力よりも高い圧力に昇圧された増殖ガ
スを注入水に送入、溶解させる送入・溶解手段と、送入
・溶解手段の下流の注入水管に設けられ、注入水管の流
路を絞って注入水管内の注入水の圧力を保持し、かつ注
入水を地下水流に流出させる絞り・流出手段とを備えて
いる。
【0021】上述した本発明の更に別の好適な本実施態
様は、酸素及びメタンの供給量が増加するにつれて、バ
イオレメディエーション技術によるTCE除去率が向上
することを確認した、以下のカラム実験例の結果に基づ
いている。実験例 次のようにして、加圧下でメタンガス及び酸素ガスを地
下水に溶解した実験試料溶液、大気圧下でメタンガス及
び酸素ガスを地下水に溶解したコントロールテスト溶液
及び地下水をそのまま使用したブランクテスト溶液を調
製し、それぞれについてTCE除去率を測定するカラム
テストを実施した。先ず、TCEで汚染された汚染サイ
トから採取した土を充填高さ約40cmに充填したカラム
を用意した。TCEで汚染された汚染サイトから地下水
を採取し、その地下水に栄養塩として無機塩培地(NM
S培地)を地下水の10%濃度になるように添加し、更
に1kg/cm2gの加圧下でメタンガスと酸素ガスとを地下
水に溶解し、メタン濃度が10mg/l、及び酸素濃度
が40mg/lの実験試料溶液を調製した。次いで、試
料溶液と充填層との接触時間が約24時間になるような
通水速度で、試料溶液をカラムに連続的に通水した。そ
して、カラムの入口及び出口で経時的にヘッドスペース
法によるガスクロマトグラフ分析(PID)によって試
料溶液中のTCE濃度を定量してTCE除去率を算出
し、TCEの分解活性を調べた。その結果は、図1のグ
ラフに示す通りである。
【0022】次に、汚染サイトから採取した地下水に栄
養塩として無機塩培地(NMS培地)を地下水の10%
濃度になるように添加し、更に大気圧下でメタンガスと
酸素ガスとを地下水に溶解し、メタン濃度が5mg/
l、及び酸素濃度が20mg/lのコントロールテスト
溶液を調製した。次いで、試料溶液と同じ通水条件でコ
ントロールテスト溶液のカラムテストを行い、同様にT
CE濃度を測定してTCE除去率を求め、その結果を図
1のグラフに示した。更に、汚染サイトから採取したそ
のままの地下水をブランクテスト溶液として使用し、試
料溶液と同じ通水条件でカラムテストし、同様にTCE
濃度を測定してTCE除去率を求め、その結果を図1の
グラフに示した。
【0023】図1から判る通り、カラム通水経過日数が
10日以降では、メタンガス及び酸素ガスを加圧状態で
地下水に溶解した実験試料溶液によるTCE除去率は、
約40%に達している。一方、コントロールテスト溶液
及びブランクテスト溶液によるTCE除去率は、それぞ
れ約20%及び約5%であった。これは、メタンガス及
び酸素ガスを加圧下で溶解した、ガス濃度の高い注入水
を地下水に注入することにより、バイオレメディエーシ
ョン技術による浄化効率を向上させることができること
を示している。
【0024】以上の実験例に基づいて、本実施態様で
は、溶解した注入水の注入位置での地下水流の水圧より
所定圧力だけ高いガス圧力下でガスを溶解することによ
り、ガス濃度の高い注入水を地下水に注入する。本実施
態様で言う所定圧力とは、0.5kg/cm2以上を言い、所
定圧力を大きくする方が好ましいが、好適には地下水流
の水圧より1kg/cm2以上高い圧力下で増殖ガスを溶解す
るのが好ましい。
【0025】本発明の更に好適な実施態様では、地下水
流の流れ方向に見て揚水・注入井戸の下流に設けた揚水
井と、揚水井を介して地下水を揚水する揚水ポンプと、
揚水ポンプの下流に設けられ、揚水した地下水を地上水
流に放流する放流設備とを備えている。放流設備には、
地上水流に放流できる許容水質にまで揚水地下水を処理
する設備、例えば曝気装置を設けることが好ましい。本
実施態様では、揚水井から地下水を揚水して、揚水・注
入井戸の下流の地下水流の流速を大きくすることによ
り、注入水が地下水流の流れに伴い揚水・注入井戸の下
流の汚染地下水及び/又は汚染地層の領域に拡散して行
くので、浄化効率を一層向上させることができる。
【0026】本発明装置は、微生物により汚染地下水及
び/又は汚染地層を浄化する際の装置として適用でき、
例えば有機塩素化合物による汚染に限らず、石油等の汚
染物質により汚染された地下水及び又は地層を微生物に
より浄化する場合に適用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例1 本実施形態例は、本発明に係る汚染地下水及び/又は汚
染地層の浄化装置の実施形態例であって、図2はその構
成を示すフローシートである。図2から図5中、図6と
同じ機器には同じ符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態例の汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化装
置(以下、浄化装置と言う)10は、地下水流から地下
水を揚水し、増殖ガス及び栄養塩を揚水地下水に溶解し
て注入水を調製し、調製した注入水を地下水流に注入し
て、分解微生物により汚染地下水及び/又は汚染地層を
浄化する浄化装置であって、図2に示すように、注入水
設備12と、地下水揚水設備14とから構成されてい
る。
【0028】注入水設備12は、地下水流から地下水を
揚水する揚水ポイント16と、注入水を地下水流に注入
する注入ポイント17とを有する揚水・注入井18と、
地上に設けられた揚水・注入ポンプ20と、増殖ガス及
び栄養塩を地下水に溶解して注入水を調製するために地
上に設けられた注入水調製装置21と、揚水ポイント1
6から揚水・注入ポンプ20を経て注入水調製装置21
まで延在する地下水管22と、注入水調製装置21から
注入ポイント17まで延在する注入水管23とを有す
る。揚水・注入ポンプ20は、揚水・注入井18の底部
に設けられた揚水ポイント16から地下水管22を介し
て地下水をポンピングし、注入水管23を介して注入水
を注入ポイント17から地下水流に注入する。注入ポイ
ント17は、揚水ポイント16から上方に少なくとも3
0cm離間している。注入水調製装置21は、増殖ガスボ
ンベ24、例えば酸素ガスのボンベ及びメタンガスのボ
ンベ(図5では増殖ガスボンベ24として1個のボンベ
のみ図示)と、増殖ガスボンベ24から供給された酸素
及びメタンをそれぞれ地下水に送入、溶解させるガス送
入ノズル26(図2ではガス送入ノズル26として1個
のノズルのみ図示)と、ガス送入ノズル26の下流に設
けられ、送入した酸素及びメタンと地下水とを混合して
溶解を促進するインラインミキサ28と、図示しない既
知の構成の栄養塩添加設備とを備え、揚水・注入ポンプ
20の下流の地下水管22に設けられている。インライ
ンミキサ28は、ドーナツ状に孔を開けたドーナツ板と
ディスクとをパイプ内に交互に設けた形式のインライン
ミキサであって、ガスと地下水との混合、溶解を完全に
する機能を有する。
【0029】地下水揚水設備14は、揚水井30と、揚
水井30を介して汚染地層中の地下水を汲み上げる揚水
ポンプ32と、揚水井30で揚水した地下水を曝気する
曝気塔34と、放流ポンプ35と、曝気塔34に曝気用
空気を送入するブロア36とを備えている。これによ
り、地下水揚水設備14は、揚水井30から揚水ポンプ
32により地下水を汲み上げて曝気塔34で曝気し、曝
気した地下水を放流ポンプ35により地上水流に放流す
る。地下水揚水設備14は、揚水井30から地下水を揚
水して、揚水・注入井18の下流の地下水流の流速を大
きくすることにより、注入水が地下水流の流れに伴い揚
水・注入井18の下流の汚染地下水及び/又は汚染地層
の領域に拡散して行くので、浄化効率を一層向上させる
ことができる。但し、地下水揚水設備14は、本発明に
おいて必ずしも常に必要な設備ではない。また、浄化装
置10は、地下水中の酸素濃度、メタン濃度、栄養塩濃
度、メタン資化菌の菌数、汚染物質濃度等を測定するた
めの観測井38を備えている。
【0030】上述の浄化装置10を使用して、汚染地下
水及び/又は汚染地層の浄化方法を実施するには、揚水
・注入井18内の揚水ポイント16から地下水流中の地
下水を揚水・注入ポンプ20によりポンピングして、地
下水管22を介して注入水調製装置21に送る。注入水
調製装置21では、ポンピングした地下水に増殖ガス及
び栄養塩を溶解して注入水を調製する。次いで、調製し
た注入水を注入水管23を介して揚水・注入井18の注
入ポイント17から地下水流に注入する。一方、揚水井
30を介して揚水ポンプ32により地下水を揚水し、曝
気塔34で曝気処理して後、地上水流に放流する。
【0031】本実施形態例では、揚水・注入井18から
地下水を揚水して注入水に調製し、次いで同じ揚水・注
入井18から地下水流に注入水を注入しているので、汚
染地下水及び汚染地層中の有機塩素化合物濃度が注入水
の注入により希釈されて、有機塩素化合物濃度が低くな
るという現象、及び、有機塩素化合物が拡散して、汚染
領域が広がるという現象の発生が防止されている。しか
も、注入ポイント17が揚水ポイント16より少なくと
も30cm上方に離間しているので、地下水流に注入され
た注入水が、揚水・注入ポンプ20により地下水として
揚水されるようなことがなく、効率良く注入水を地下水
流に注入することができる。なお、注入ポイント17を
上方とし、揚水ポイント16を下方としてもよい。ま
た、地下水揚水設備14を設けて地下水を揚水し、地下
水流の流速を速くしているので、注入した注入水が地下
水流に伴い揚水・注入井18から揚水井30に向かって
拡散し、注入井18と揚水井30間の汚染された地層及
び地下水中の分解微生物に栄養塩を付与し、それにより
汚染地層及び汚染地下水を効率良く浄化することができ
る。
【0032】実施形態例2 本実施形態例は、本発明に係る浄化装置の実施形態の別
の例であって、図3はその構成を示すフローシートであ
る。本実施形態例の浄化装置40は、揚水・注入井44
の構成が異なることを除いて、実施形態例1と同じ構成
の注入水調製装置42と、実施形態例1と同じ構成の地
下水揚水設備14とを備えている。揚水・注入井44
は、図3に示すように、井戸内が地下水流の上層流に位
置する上部区画46と、上層流より下方の地下水流の流
れに位置する下部区画48との上下の2区画に隔壁50
により区分された2段構造になっている。地下水流から
地下水を揚水する揚水ポイント16は、下部区画48内
に位置し、注入ポイント17は、揚水ポイント16から
上方に少なくとも30cm離間して、上部区画46内に位
置する。隔壁50は、ベントナイトを充填してなる不透
水性のベントナイト層として構成されている。これによ
り、上下の2区画46、48の間では、地下水が相互に
混合することはない。地下水管22は、下部区画48の
揚水ポイント16から隔壁50を貫通して地上の揚水・
注入ポンプ20、更に注入水調製装置21にまで延在
し、注入水管23は注入水調製装置21から注入ポイン
ト17まで延在している。
【0033】本実施形態例では、地下水管22の揚水ポ
イント16近傍の揚水・注入井44の地下水流の上流側
半周分の管壁には、多数の貫通孔が設けてあって、多孔
管壁が取水用のスクリーンとして機能している。また、
注入水管23の先端の注入ポイント17近傍の揚水・注
入井44の地下水流の下流側半周分の管壁にも、同じ
く、多数の貫通孔が設けてあって、多孔管壁が注水用の
スクリーンとして機能している。
【0034】本実施形態例では、隔壁50により揚水・
注入井44が上下の2区画に区分されているので、揚水
ポイント16と注入ポイント17とが物理的に分離され
ている。従って、注入水が再び揚水・注入ポンプ20に
より地下水として揚水されるようなことが、より一層確
実に防止される。
【0035】実施形態例3 本実施形態例は、実施形態例2の改変例であって、図4
はその構成を示すフローシートである。実施形態例3の
浄化装置60では、図4に示すように、揚水・注入ポン
プ20として水中ポンプを使用し、その揚水・注入ポン
プ20を揚水・注入井44の下部区画48に、また、注
入水調製装置のうち増殖ガスボンベ24を除くガス送入
ノズル26及びインラインミキサ28を、揚水・注入井
44の上部区画46に、それぞれ、配置している。これ
を除いて、本実施形態例の構成は、実施形態例2の構成
と同じである。これにより、本実施形態例は、実施形態
例2と同じ効果を奏する。
【0036】実施形態例4 本実施形態例は、実施形態例2の別の改変例であって、
揚水・注入ポンプ20として水中ポンプを使用し、図示
しないが、揚水・注入ポンプ20のみを揚水・注入井4
4の下部区画48に配置し、注入水調製装置21の増殖
ガスボンベ24、ガス送入ノズル26及びインラインミ
キサ28を地上に配置する例である。これを除いて、本
実施形態例の構成は、実施形態例2の構成と同じであ
る。これにより、本実施形態例は、実施形態例2と同じ
効果を奏する。
【0037】実施形態例5 本実施形態例は、本発明に係る浄化装置の実施形態の更
に別の例であって、図5はその構成を示すフローシート
である。本実施形態例の浄化装置70は、図5に示すよ
うに、実施形態例2と同じ構成の揚水・注入井44と、
地上に配置された揚水・注入ポンプ72と、同じく地上
に配置された注入水調製装置74と、地下水管76と、
注入水管78と、実施形態例1と同じ構成の地下水揚水
設備14とを備えている。揚水・注入ポンプ72は、揚
水・注入井44の下部区画48の揚水ポイント16で地
下水流から地下水をポンピングし、上部区域46に設け
られた注入ポイント17で注入水が地下水流の水圧より
高い圧力になるように昇圧する。注入水調製装置74
は、増殖ガスを地下水管76に送入するガス送入ノズル
80と、送入された増殖ガスを地下水に混合して溶解し
て注入水にするインラインミキサ82と、及び注入水を
滞留させ、更に増殖ガスと注入水との溶解を完全にする
加圧接触パイプ84と、図示しない既知の構成の栄養塩
添加設備とを備えている。
【0038】地下水管76は、実施形態例2と同様に、
下部区画48の揚水ポイント16から隔壁50を貫通し
て地上の揚水・注入ポンプ72にまで延在し、注入水管
78は注入水調製装置74から注入ポイント17まで延
在している。注入水管78の注入ポイント17近傍に
は、注入水管78の流路を絞って注入水の圧力を保持す
る流路絞り手段として、遠隔操作式の圧力調整バルブ8
6が設けられている。ガス送入ノズル80には、加圧状
態の増殖ガスを圧入するガスボンベ88が接続されてい
る。
【0039】以上の構成により、揚水・注入ポンプ72
により昇圧された注入水は、加圧状態の増殖ガスがガス
送入ノズル80から送入された後、インラインミキサ8
2及び加圧接触パイプ84で増殖ガスを溶解し、続いて
注入水管78及び圧力調整バルブ86を経て、言わば過
飽和溶解状態で増殖ガスを溶存させつつ揚水・注入井4
4の上部区画46の注入ポイント17から地下水流中に
注入される。尚、栄養塩は、既知の手順で地下水に添加
される。
【0040】実施形態例5では、加圧接触パイプ84に
代えて、溶解タンクにしても良く、また、圧力調整バル
ブ86に代えて、エゼクタを使用しても良い。溶解タン
クは、回転攪拌羽根を水面近傍に有し、水面を叩くよう
にして、タンク内に収容した注入水を攪拌する攪拌機を
備え、注入水に注入したガスを溶解させるタンクであ
る。また、エゼクタは、注入水を駆動水流とし、駆動水
流により地下水流から地下水を導入して注入水と地下水
とを混合して流出させると共に、注入水管の流路を絞っ
て注入水管78内の圧力を高い圧力に維持する。
【0041】実施形態例1から5では、簡単にするため
に、酸素ガス及び基質ガスのいずれか一方を注入水に送
入する場合を例にして説明しているが、実施形態例1か
ら5で説明したガス送入・溶解機構と同じものを2個以
上備えて、酸素ガス及び基質ガスをそれぞれ注入水に送
入、溶解するようにしても良い。
【0042】
【発明の効果】本発明の構成によれば、揚水・注入井戸
の揚水ポイントから地下水流中の地下水をポンピング
し、ポンピングした地下水に増殖ガスを地上で溶解して
注入水を調製し、調製した注入水を揚水ポイントと離間
した同じ井戸内の注入ポイントから地下水流に注入す
る。これにより、従来の浄化方法では生じていた、汚染
地下水及び汚染地層中の有機塩素化合物濃度が注入水の
注入により希釈されて、有機塩素化合物濃度が低くなる
という現象、及び、有機塩素化合物が拡散して、汚染領
域が広がるという現象の発生を大幅に抑制することがで
きる。よって、分解微生物を利用した、例えば原位置バ
イオレメディエーション技術により、従来の浄化方法に
比べて高い浄化効率で汚染地下水及び/又は汚染地層を
浄化することができる。本発明に係る、汚染地下水及び
/又は汚染地層の浄化装置を使用することにより、本発
明方法を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例の結果を示すグラフである。
【図2】実施形態例1の注入水の注入装置の構成を示す
概念図である。
【図3】実施形態例2の注入水の注入装置の構成を示す
概念図である。
【図4】実施形態例4の注入水の注入装置の構成を示す
概念図である。
【図5】実施形態例5の注入水の注入装置の構成を示す
概念図である。
【図6】従来の原位置バイオレメディエーション設備の
一例の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
10 浄化装置 12 注入水調製装置 14 地下水揚水設備 16 揚水ポイント 17 注入ポイント 18 揚水・注入井 20 揚水・注入ポンプ 21 注入水調製装置 22 地下水管 23 注入水管 24 増殖ガスボンベ 26 ガス送入ノズル 28 インラインミキサ 30 揚水井 32 揚水ポンプ 34 曝気塔 35 ポンプ 36 ブロア 38 観測井 40 実施形態例2の浄化装置 42 注入水調製装置 44 揚水・注入井 46 上部区画 48 下部区画 50 隔壁 60 実施形態例3の浄化装置 70 実施形態例5の浄化装置 72 揚水・注入ポンプ 74 注入水調製装置 76 地下水管 78 注入水管 80 ガス送入ノズル 82 インラインミキサ 84 加圧接触パイプ 86 圧力調整バルブ 88 ガスボンベ 90 従来の浄化装置 92 注入水ポンプ 94 注入井 96 注入水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02D 19/12 B09B 3/00 E

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下水流から地下水を揚水し、汚染物質
    を分解する分解微生物の増殖に必要なガス(以下、増殖
    ガスと言う)及び栄養塩を揚水地下水に溶解して注入水
    を調製し、調製した注入水を地下水流に注入して、分解
    微生物により汚染地下水及び/又は汚染地層を浄化する
    方法であって、 揚水・注入井戸を設置するとともに、当該井戸内の揚水
    ポイントから地下水流中の地下水をポンピングし、ポン
    ピングした地下水に増殖ガス及び栄養塩のうちの少なく
    とも一つを地上で溶解して注入水を調製し、調製した注
    入水を揚水ポイントと離間した同じ井戸内の注入ポイン
    トから地下水流に注入するようにしたことを特徴とする
    汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化方法。
  2. 【請求項2】 地下水流の流れ方向に見て揚水・注入井
    戸の下流に設けた揚水井を介して地下水を揚水し、揚水
    した地下水を地上水流に放流することを特徴とする請求
    項1に記載の汚染地下水及び/又は汚染地層の浄化方
    法。
  3. 【請求項3】 地下水流から地下水を揚水し、汚染物質
    を分解する分解微生物の増殖に必要なガス(以下、増殖
    ガスと言う)及び栄養塩を揚水地下水に溶解して注入水
    を調製し、調製した注入水を地下水流に注入して、分解
    微生物により汚染地下水及び/又は汚染地層を浄化する
    浄化装置であって、 地下水流内に位置する揚水・注入井戸と、 揚水・注入井戸内に設けられた地下水の揚水ポイントを
    介して地下水流から地下水をポンピングするポンプと、 ポンピングした地下水に増殖ガス及び栄養塩のうちの少
    なくとも一つを溶解して注入水を調製するために地上に
    設けられた注入水調製装置と、 揚水ポイントからポンプを経て注入水調製装置まで延在
    して、ポンプにより揚水した地下水を注入水調製装置に
    送水する地下水管と、 注入水調製装置から、揚水ポイントと離間して同じ井戸
    内に設けられた注入ポイントまで延在して、注入水を注
    入ポイントで地下水流に注入する注入水管とを備えてい
    ることを特徴とする汚染地下水及び/又は汚染地層の浄
    化装置。
  4. 【請求項4】 ポンプは、揚水・注入井戸内又は地上に
    設けられていることを特徴とする請求項3に記載の汚染
    地下水及び/又は汚染地層の浄化装置。
  5. 【請求項5】 揚水・注入井戸は、井戸内が、地下水流
    の上層流に位置する区画と、上層流より下方の地下水流
    の流れに位置する区画との上下の2区画に不透水性隔壁
    によって区分され、地下水管の揚水ポイントと、注入水
    管の注入ポイントとが上下2区画に対して別々に設けら
    れていることを特徴とする請求項3又は4に記載の汚染
    地下水及び/又は汚染地層の浄化装置。
  6. 【請求項6】 ポンプが、注入水管の注入ポイントでの
    地下水流の水圧より高い圧力に注入水を昇圧するポンプ
    であり、 注入水調製装置は、注入水の圧力よりも高い圧力に昇圧
    された増殖ガスを注入水に送入、溶解させる送入・溶解
    手段と、送入・溶解手段の下流の注入水管に設けられ、
    注入水管の流路を絞って注入水管内の注入水の圧力を保
    持し、かつ注入水を地下水流に流出させる絞り・流出手
    段とを備えていることを特徴とする請求項3から5のう
    ちのいずれか1項に記載の汚染地下水及び/又は汚染地
    層の浄化装置。
  7. 【請求項7】 地下水流の流れ方向に見て揚水・注入井
    戸の下流に設けられた揚水井と、 揚水井を介して地下水を揚水する揚水ポンプと、 揚水した地下水を処理して地上水流に放流する処理・放
    流設備とを備えていることを特徴とする請求項3から6
    のうちのいずれか1項に記載の汚染地下水及び/又は汚
    染地層の浄化装置。
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