JPH11207293A - 重質油系燃焼灰の処理方法 - Google Patents

重質油系燃焼灰の処理方法

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JPH11207293A
JPH11207293A JP1389098A JP1389098A JPH11207293A JP H11207293 A JPH11207293 A JP H11207293A JP 1389098 A JP1389098 A JP 1389098A JP 1389098 A JP1389098 A JP 1389098A JP H11207293 A JPH11207293 A JP H11207293A
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裕隆 仙波
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務 鈴木
Kenji Nozaki
賢二 野崎
Toshihisa Maruta
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重質油系燃焼灰からニッケルやバナジウム
を効率よく分離回収する処理方法を提供する。 【解決手段】重質油系燃焼灰またはその処理物をアンモ
ニア水と混合してニッケルを含む含有成分を浸出させる
浸出工程、この浸出液にニッケル抽出溶媒を加えてニッ
ケルを抽出する工程、抽出したニッケルを析出させる工
程、析出したニッケルを回収する工程を有するニッケル
処理系、および/または、バナジウム抽出溶媒を用いて
バナジウムを抽出する工程、抽出したバナジウムを析出
する工程、析出したバナジウムを回収する工程を含む重
質油系燃焼灰の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重質油系燃焼灰か
らバナジウムなどの有価金属を効果的に分離回収する処
理方法に関する。より詳しくは、新たなエネルギー源と
して注目されているオリマルジョン等の重質油系燃焼灰
からバナジウムを効率良く回収し、また後続の処理工程
において燃焼灰に含有されているニッケルやマグネシウ
ムあるいは石膏をさらに分離する上で好適な処理方法に
関する。
【0002】火力発電所や各種工業プラントのボイラー
等は重油や石油コークス等の重質油系燃料を用いるもの
が多く、現在、多量の燃焼灰が排出されている。これら
の大部分は埋め立て処分されているが、この燃焼灰には
バナジウム等の有価金属が含有されており、環境汚染の
防止および再資源化の観点から、その有効利用が求めら
れている。
【0003】
【従来の技術】このような重油灰から有価物を回収する
方法が従来いくつか提案されている。特開昭60−46
930号には、石油系燃料の燃焼灰スラリーに硫酸を加
えて未燃カーボンを分離した後に、酸化剤とアンモニア
を加えてアルカリ性下で鉄分を沈殿させ、次いで液性を
強酸性に調整して液中のバナジウムを五酸化バナジウム
として沈殿させ、これを分離回収した後に再び液性をア
ルカリ性に戻し、硫化物を添加して液中のニッケルを硫
化ニッケルとして沈殿させ、これを分離回収した濾液に
石灰を添加して石膏を析出させて回収する処理方法が開
示されている。しかし、この処理方法は液性の調整が煩
雑であり、処理コストが嵩む問題がある。さらに、酸化
剤とアンモニアを加えたときにバナジウム化合物も鉄分
と同時に沈殿してしまい、バナジウム化合物を分離して
回収するのが難しい。
【0004】上記処理方法の改良として、特公平4−6
1709号に、鉄分を除去した後の濾液を冷却してバナ
ジウムのアンモニウム化合物を沈殿させ、分離後、濾液
に硫酸を添加して酸性下で硫酸ニッケルアンモニウムを
析出させる方法が提案されている。この方法は先の処理
方法によりも液性の調整が省略されているが、いずれの
方法でも、アンモニア化合物の沈殿を形成させる際に同
種の金属が共存するとこれらが同時に沈殿するので分離
回収が難しい。また、アンモニアが過剰になるとアンミ
ン錯塩が形成されて沈殿を生じない。しかもその調整が
難しいなどの問題がある。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は、重質油系燃焼灰の処理方
法について、従来の処理方法における上記問題を解決し
たものであり、ニッケルやバナジウムの回収効率が高
く、これらの分離効果に優れた経済的な処理方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は、重質油系燃焼灰ある
いはその処理物をアンモニア水に混合してニッケルを浸
出させ、この浸出液から溶媒抽出によってニッケルを効
率よく抽出して回収できるようにし、また、ニッケルと
共にバナジウムおよびマグネシウムが含むものについて
は、これらも効率よく同時に回収できるようにした。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち、本発明は、(1)重
質油系燃焼灰またはその処理物をアンモニア水と混合し
てニッケルを含む含有成分を浸出させる浸出工程、この
浸出液にニッケル抽出溶媒を加えてニッケルを抽出する
ニッケル抽出工程、抽出したニッケルを析出させるニッ
ケル析出工程、析出したニッケルを固液分離する回収工
程を有することを特徴とする重質油系燃焼灰の処理方法
に関する。
【0008】本発明の上記処理方法は、(2)ニッケル
抽出工程とニッケル析出工程の間に、抽出したニッケル
を含有する有機溶媒に硫酸液を加えてニッケルを硫酸液
に抽出する逆抽出工程を有し、この硫酸液から硫酸ニッ
ケルを析出させる処理方法、(3)浸出工程において固
体濃度を30%以下に調整する処理方法を含む。
【0009】また本発明は、(4)重質油系燃焼灰また
はその処理物をアンモニア水と混合してバナジウムを含
む含有成分を浸出させる浸出工程、この浸出液にバナジ
ウム抽出溶媒を加えてバナジウムを抽出するバナジウム
抽出工程、抽出したバナジウムを析出するバナジウム析
出工程、析出したバナジウムを固液分離する回収工程を
含むことを特徴とする重質油系燃焼灰の処理方法に関す
る。
【0010】本発明の処理方法(4)は、(5)バナジウ
ム抽出工程とバナジウム析出工程の間に、バナジウム抽
出溶媒に逆抽出液を加えてバナジウムを水相に抽出する
逆抽出工程を有し、この逆抽出液にアンモニアを添加し
てバナジウム化合物を析出させる処理方法、(6)逆抽
出液として塩化アンモニウムとアンモニア水の混合液を
用いる処理方法を含む。
【0011】本発明の処理方法に係る上記ニッケル処理
系(1)〜(3)と、上記バナジウム処理系(4)〜(6)とは組み
合わせて実施することができる。この場合、何れの処理
系を先に組み合わせても良い。本発明の処理方法は、こ
れらの処理系を組み合わせた態様として、(7)アンモ
ニア浸出液にニッケル抽出溶媒を加えてニッケルを抽出
する一方、このニッケル抽出工程で分離した浸出液にバ
ナジウム抽出液を加えてバナジウムを抽出する処理方
法、(8)上記(4)〜(6)のいずれかの処理工程を経てバ
ナジウムを分離した濾液を用い、これにニッケル抽出溶
媒を加えてニッケルを抽出する工程、抽出したニッケル
を析出させる工程、析出したニッケルを固液分離する回
収工程を有する処理方法を含む。
【0012】さらに本発明の処理方法は、(9)浸出工
程においてニッケルおよびバナジウムと共に浸出したマ
グネシウムを含む浸出液について、バナジウム抽出工程
で分離した水相に酸化マグネシウムを追加して水酸化マ
グネシウムを析出させ、これを濾過分離して回収する処
理方法に関する。上記処理方法は、(10)水酸化マグ
ネシウムを分離した濾液に石灰を加えて石膏を析出さ
せ、これを濾過分離して回収する処理方法を含む。
【0013】
【発明の実施の態様】以下に本発明を実施例と共に詳細
に説明する。本発明の処理方法は、(イ)重質油系燃焼
灰またはその処理物をアンモニア水と混合してニッケル
を含む含有成分を浸出させる浸出工程、この浸出液を固
液分離した液部にニッケル抽出溶媒を加えてニッケルを
抽出するニッケル抽出工程、抽出したニッケルを析出さ
せるニッケル析出工程、析出したニッケルを固液分離し
て回収する回収工程を有することを特徴とする。さら
に、本発明の処理方法は、(ロ)バナジウムを含む浸出液
について、バナジウム抽出溶媒を加えてバナジウムを抽
出するバナジウム抽出工程、抽出したバナジウムを析出
するバナジウム析出工程、析出したバナジウムを固液分
離する回収工程を含むことを特徴とする。また、本発明
の処理方法は、(ハ)ニッケルおよびバナジウムと共にマ
グネシウムを含む浸出液について、上記バナジウム抽出
工程で分離した水相に酸化マグネシウムを追加して水酸
化マグネシウムを析出させ、これを濾過分離して回収す
る工程を含む。
【0014】以下、各工程ごとに詳しく説明する。な
お、各工程において示した溶媒および抽出条件等は例示
であり、使用される溶媒は例示されるものに限らず、ま
た抽出条件も使用する溶媒の種類に応じて定められる。
また、各抽出工程における抽出装置はミキサセトラー等
の一般の装置を用いることができる。
【0015】(I)重質油系燃焼灰 本発明において重質油系燃焼灰とは、タール質燃料、重
油、石油コークス、石油ピッチ、アスファルト等の重質
油系燃料を燃焼した際に生じる塵灰を云う。これらは発
電所や各種工業プラントのボイラー等から排出される集
塵灰等を処理対象にすることができる。タール質燃料の
1種としてオリノコタールと称する超重質油が最近注目
されている。これはベネズエラのオリノコ川流域から産
出する高粘性の重質油であり、豊富な埋蔵量が見込まれ
ることから新たなエネルギー源として注目されている。
これをエマルジョン化したものはオリマルジョンと呼ば
れている。本発明の処理方法は、このオリマルジョンを
含む各種重質油系燃料の燃焼灰を処理対象とする。因み
に、オリマルジョン燃焼灰の成分は、例えば、V25
5〜10.0wt%、Ni:0.5〜4wt%、MgO:5〜
25wt%、NH3:15〜30wt%、SO3 :30〜6
0wt%であり、この成分例に示すように、バナジウムお
よびマグネシウム、ニッケルが含有されており、硫黄分
およびアンモニアが多く、有価資源として利用すること
ができる。
【0016】本発明は上記重質油系燃焼灰あるいはその
処理物を処理対象とする。燃焼灰を直接にアンモニア浸
出しても良いが、予めこの燃焼灰を水性スラリーとし、
溶出したバナジウムを分離した後の処理物を用いればバ
ナジウム処理の負担が軽減されるので好ましい。なお、
重質油系燃焼灰の処理物は以上のような水性スラリーと
してバナジウムを分離処理したものに限らない。各種の
処理工程を経たものでも良い。
【0017】(II)処理工程(A)アンモニア浸出工程 重質油系燃焼灰またはその処理物をアンモニア水と混合
してニッケルおよびバナジウムを浸出させる。アンモニ
アを用いて浸出することにより、重質油系燃焼灰および
その処理物に含有されるニッケル、バナジウムおよびマ
グネシウムなどが浸出される。浸出は固体濃度30%以
下、好ましくは20%以下が良く、浸出時間は2時間以
上が適当である。
【0018】(B)ニッケル抽出工程 上記浸出液を濾過して浸出残渣を除去した後に、濾液に
ニッケル抽出溶媒を加えて混合し、溶媒中にニッケルを
抽出する。ニッケルイオンを含む抽出液(有機相)を浸出
液(水相)と分離してニッケル析出工程に導く。一方、分
離した水相(浸出液)にはニッケルと共に浸出したバナジ
ウム等が含まれているのでバナジウム抽出工程に導いて
処理する。ニッケルの抽出溶媒としては、キレート剤
(2-Hydroxy-5-Nonylacetophenone-Oxime)をケロシン
で5vol%に希釈したものなどを用いることができる。
抽出操作は、例えば、浸出液に対してこの溶媒を1:1
の液量で混合し、液性を中性付近(pH:8前後)に保って行
う。なお、一般にニッケル抽出溶媒として用いられてい
る他の溶液を用いても良い。以上のニッケル抽出工程
は、後述するバナジウム抽出工程からバナジウム化合物
の析出工程、分離回収工程に至るバナジウム処理工程を
経た溶液を用いても良い。
【0019】(C)ニッケル逆抽出工程 抽出したニッケルイオンを含む溶液(有機相)は、ニッケ
ル析出工程に導く前に硫酸による逆抽出を行うと良い。
すなわち、ニッケル含有抽出液(有機相)に硫酸液を加え
て該硫酸液中にニッケルを逆抽出する。ニッケルが逆抽
出された有機相はニッケルを含む水相(硫酸液)から分離
してニッケル抽出工程に循環し、再利用することができ
る。逆抽出は、例えば、硫酸とニッケル含有抽出液を、
硫酸:抽出液=1:15の液量で混合し、液性をpH1
前後に調整して行う。
【0020】(D)ニッケル析出工程 抽出溶媒(有機相)と分離した硫酸溶液(逆抽出液)から硫
酸ニッケルを析出させる。析出操作は、例えば、この硫
酸溶液を80℃程度に加熱して水分を蒸発させ濃縮すれ
ば良い。あるいは硫酸ニッケルの溶解度以下に冷却して
析出させても良い。
【0021】(E)ニッケル回収工程 析出した硫酸ニッケルを濾過し、回収して乾燥すれば粉
末状の硫酸ニッケルが得られる。この濾液は逆抽出液と
して再利用することができる。
【0022】(F)バナジウム抽出工程 上記アンモニア浸出液、あるいは、上記ニッケル抽出工
程で有機溶媒相と分離した浸出液(水相)をバナジウム抽
出工程に導き、これにバナジウム抽出溶媒を加えて混合
し、溶媒中にバナジウムを抽出する。抽出手段としては
ミキサセトラー等を利用すると良い。バナジウムの抽出
溶媒としては、キレート剤(Tricaprylyl Methyl Ammon
iumChloride)をケロシンで5vol%に希釈したものなど
を用いることができる。抽出操作は、例えば、浸出液に
対してこの溶媒を1:1の液量で混合し、液性を中性(p
H=7.5程度)に保って行う。なお、一般にバナジウム抽出
溶媒として用いられている他の溶液を用いても良い。抽
出したバナジウムイオンを含む溶媒(有機相)は浸出液
(水相)と分離し、バナジウムの析出工程に導く。分離し
た水相は、ニッケルやバナジウムと共にマグネシウムを
含むものはマグネシウム回収工程に導いて処理する。な
お、バナジウムの析出は予め逆抽出によりバナジウムを
水相に移行させて行うと良い。
【0023】(G)バナジウム逆抽出工程 抽出したバナジウムを含む有機溶媒に逆抽出液(水相)を
加えてバナジウムを水相に移行させ、有機相から分離す
る。逆抽出液としては、例えば、塩化アンモニウムとア
ンモニア水の混合液(NH4Cl75%、NH4OH25%)などを用
いることができる。この逆抽出液を有機相に対して、逆
抽出液:有機相=1:15の液量で混合し、中性付近(p
H:8.5)の液性下で逆抽出する。なお、逆抽出液は上記溶
液に限らず、また抽出条件も逆抽出液に応じて定められ
る。バナジウムを含む逆抽出液をバナジウム析出工程に
導く。一方、逆抽出液と分離した有機溶媒はバナジウム
抽出工程に循環して再利用することができる。
【0024】(H)バナジウム析出工程 バナジウムを含む逆抽出液にアンモニア水を加えてアン
モニア濃度を高めることによりバナジウム化合物(メタ
バナジン酸アンモニウム)を析出させる。なお、この場
合、溶液のpHを9前後に調整し、液温を75℃前後に
加熱するのが好ましい。
【0025】(I)バナジウム回収工程 析出したバナジウム化合物を濾過分離して回収する。分
離した濾液はバナジウム逆抽出工程に循環し、逆抽出液
として再利用することができる。回収したメタバナジン
酸アンモニウムは乾燥して製品にし、あるいは210℃
以上に加熱して分解し、バナジン酸の粉末を得る。ま
た、900℃前後に加熱してバナジン酸のフレークとし
ても良い。
【0026】(J)後続の処理工程 アンモニア浸出工程において、ニッケルやバナジウムと
共にマグネシウムや硫黄が浸出されている場合には、ニ
ッケル抽出工程で分離した浸出液からマグネシウムおよ
び石膏を回収することができる。回収方法の一例として
は、ニッケル抽出工程で分離された浸出液(水相)に酸化
マグネシウムを追加し、液温を100〜250℃前後に
加熱した後に、アンモニア水を加えてpH9〜10前後
に調整することにより水酸化マグネシウムを析出させ
る。これを濾過分離して回収する。また、この濾液に石
灰を加え沈殿した石膏を回収することができる。なお、
石膏を分離した液部はアンモニア浸出工程に循環して再
利用すると良い。
【0027】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。実施例1 タール質燃料の燃焼灰(V25:4.0wt%、Ni:0.4
wt%、MgO:4.2wt%、NH3:21.3wt%、SO3:
53.9wt%)500kgを固体濃度が20%になるよう
にアンモニア水を加えて2時間混合し、濾過した。この
濾液(アンモニア浸出液)にニッケルの抽出溶媒を加えて
ニッケルを抽出した。ニッケル抽出溶媒としては、キレ
ート剤(2-Hydroxy-5-Nonylacetophenone-Oxime)をケ
ロシンで5vol%に希釈したものを用い、溶液のpHを
8に調整し、浸出液に対してこの溶媒を1:1の液量で
加えて3分間混合した。このニッケル抽出液を浸出液と
分離し、該抽出液90mlに硫酸液(濃度20wt%)6mlgを
加え(Ni抽出液:硫酸=15:1)、pH1.5の液性
下で3分間混合してニッケルを逆抽出した。引き続き、
この硫酸液を80℃に加熱し、水分を蒸発させて硫酸ニ
ッケル粉末6gを得た。この粉末の不純物濃度はFe,
Mg,Vが何れも50ppm以下であった。
【0028】実施例2 実施例1のニッケル抽出工程で抽出溶媒と分離したアン
モニア浸出液900mlにバナジウム抽出溶媒を加えてバ
ナジウムを抽出した。バナジウムの抽出溶媒としては、
キレート剤(Tricaprylyl Methyl Ammonium Chloride)
をケロシンで5vol%に希釈したもの用い、浸出液に対
してこの溶媒を1:1の液量で混合し、溶液のpHを
7.5に調整して、3分間混合した。次に、このバナジ
ウム抽出液に逆抽出液(塩化アンモニウム75%とアン
モニア水25%の混合液)60ml(逆抽出液:V抽出液
=1:15)を混合し、溶液のpHを8.5に調整し、
3分間混合してバナジウムを逆抽出した。この逆抽出液
をバナジウム抽出溶媒と分離し、その全量にアンモニア
水を加えて溶液のpHを9に調整し、液温を75℃に加
熱して生じた析出物を濾過分離して回収し、乾燥してメ
タバナジン酸アンモニウム粉末3.3gを得た。この粉
末の不純物濃度はCa,Feが何れも50ppm以下であっ
た。
【0029】実施例3 実施例2のバナジウム抽出工程で分離したアンモニア浸
出液500mlを用い、該浸出液100重量部に対して酸
化マグネシウム0.3重量部を加え、液温を100〜2
50℃に加熱した後に、アンモニア水を加え、液性をp
H9.8に調整して沈殿物を析出させ、これを濾過分離
して回収し、乾燥して水酸化マグネシウム粉末15gを
得た。さらに、水酸化マグネシウムを分離した濾液20
0mlに生石灰20gを加えて石膏を沈殿させ、濾過分離
して石膏61gを回収した。
【0030】実施例4 重質油系燃料の燃焼灰として、V25:7wt%、Ni:2
wt%、MgO:10wt%、NH3:18wt%、SO343wt
%の成分からなるものを500g用い、ニッケル抽出溶
媒として2-ethylhexylphosphoric acid、ニッケル逆抽
出液として硫酸、バナジウム抽出溶媒としてtri-octyl
amine、バナジウム逆抽出液として炭酸ナトリウム溶液
を用いた以外は実施例1,2と同様にして硫酸ニッケル粉
末27g、バナジン酸アンモニウム粉末10gを回収し
た。これらの粉末の不純物濃度はCa,Feが何れも1
00ppm以下であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、重質油系燃
焼灰に含まれているニッケルおよびバナジウムを効果的
に分離して回収することができる。また、ニッケルやバ
ナジウムと共にマグネシウムや硫黄分を含むものについ
ても、予めニッケルやバナジウムを分離回収できるので
マグネシウムや硫黄分の処理負担が軽減する。このよう
に本発明の処理方法は、新たなエネルギー源として注目
されているオリマルジョン燃焼灰等の各種の重質油系燃
焼灰を再資源化して利用することができ、従来、廃棄処
理されていた燃焼灰を有効に活用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 賢二 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 丸田 俊久 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油系燃焼灰またはその処理物をアン
    モニア水と混合してニッケルを含む含有成分を浸出させ
    る浸出工程、この浸出液にニッケル抽出溶媒を加えてニ
    ッケルを抽出するニッケル抽出工程、抽出したニッケル
    を析出させるニッケル析出工程、析出したニッケルを固
    液分離する回収工程を有することを特徴とする重質油系
    燃焼灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 ニッケル抽出工程とニッケル析出工程の
    間に、抽出したニッケルを含有する有機溶媒に硫酸液を
    加えてニッケルを硫酸液に抽出する逆抽出工程を有し、
    この硫酸液から硫酸ニッケルを析出させる請求項1の処
    理方法。
  3. 【請求項3】 浸出工程において固体濃度を30%以下
    に調整する請求項1または2の処理方法。
  4. 【請求項4】 重質油系燃焼灰またはその処理物をアン
    モニア水と混合してバナジウムを含む含有成分を浸出さ
    せる浸出工程、この浸出液にバナジウム抽出溶媒を加え
    てバナジウムを抽出するバナジウム抽出工程、抽出した
    バナジウムを析出するバナジウム析出工程、析出したバ
    ナジウムを固液分離する回収工程を含むことを特徴とす
    る重質油系燃焼灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 バナジウム抽出工程とバナジウム析出工
    程の間に、バナジウム抽出溶媒に逆抽出液を加えてバナ
    ジウムを水相に抽出する逆抽出工程を有し、この逆抽出
    液にアンモニアを添加してバナジウム化合物を析出させ
    る請求項4または5の処理方法。
  6. 【請求項6】 逆抽出液として塩化アンモニウムとアン
    モニア水の混合液を用いる請求項5の処理方法。
  7. 【請求項7】 アンモニア浸出液にニッケル抽出溶媒を
    加えてニッケルを抽出する一方、このニッケル抽出工程
    で分離した浸出液にバナジウム抽出液を加えてバナジウ
    ムを抽出する請求項4〜6のいずれかに記載の処理方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6のいずれかの処理工程を経
    てバナジウムを分離した濾液を用い、これにニッケル抽
    出溶媒を加えてニッケルを抽出する工程、抽出したニッ
    ケルを析出させる工程、析出したニッケルを固液分離す
    る回収工程を有する処理方法。
  9. 【請求項9】 浸出工程においてニッケルおよびバナジ
    ウムと共に浸出したマグネシウムを含む浸出液につい
    て、バナジウム抽出工程で分離した水相に酸化マグネシ
    ウムを追加して水酸化マグネシウムを析出させ、これを
    濾過分離して回収する請求項4〜8のいずれかに記載の
    処理方法。
  10. 【請求項10】 水酸化マグネシウムを分離した濾液に
    石灰を加えて石膏を析出させ、これを濾過分離して回収
    する請求項9の処理方法。
JP1389098A 1998-01-27 1998-01-27 重質油系燃焼灰の処理方法 Expired - Lifetime JP3991171B2 (ja)

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JP2001287913A (ja) * 2000-03-31 2001-10-16 Taiyo Koko Co Ltd 硫酸バナジウム溶液の製造方法
JP2010024483A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Ihi Corp タールからの有価金属回収方法
KR101230523B1 (ko) 2010-05-12 2013-02-06 주식회사 엔바이온 중유회를 이용한 tvoc 처리용 탈취패널 제조방법

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