JPH11206490A - 高さ調節脚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般規格のねじを用いた上で少ない操作量で
より大きな昇降ストロークが得られる高さ調節脚を提供
する。 【解決手段】 第１の雌ねじ４を備えかつ基台３に固定
される固定部材５と、第１の雌ねじに螺合する第１の雄
ねじ６および第１の雌ねじと逆向きかつ第１の雄ねじと
同軸の第２の雌ねじ８を備えた回転部材９と、第２の雌
ねじに螺合する第２の雄ねじ１０を備えかつその端部を
接地するストローク部材１２と、固定部材とストローク
部材との間の相対回転を規制する回り止め手段１３とを
有するものとする。これにより、回転部材を捻回してこ
れの第１の雄ねじを固定部材の第１の雌ねじにねじ込む
と、第１の雌ねじと逆ねじでありかつ固定部材に対して
回り止めされたストローク部材は、第１の雌ねじに対す
る第１の雄ねじのねじ込みに伴う回転部材の軸線方向移
動と同一方向へと移動することとなる。従って、回転部
材の捻回量に対する固定部材とストローク部材の接地端
との間の伸縮ストロークが倍増することとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプロジェク
ターの光軸角度やデスクの天板の水平度を調節するため
の高さ調節脚に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プロジェクターの光軸角度やデスクの天
板の水平度を調節するために、ねじ手段、つまり回転変
位を長さ変位に変換する手段を用いて高さを調節する器
具を脚部に組み込むことが一般に行われている。このよ
うな高さ調節脚の昇降ストロークは、雌ねじと雄ねじと
の間の相対的な回転角度で定まる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、例えばＩＳ
Ｏ規格に代表される如きねじの規格は、大荷重の静止支
持を重視したリード角となっているので、上記の如き高
さ調節脚に用いるには一回転当たりのストロークが小さ
くなり、微細な調節を行う上には適しているが、迅速な
調節を行う上には不満足な面があった。

【０００４】ねじのリード角を所望に応じて適宜に設定
することも考えられるが、規格外の特殊なねじを使うこ
とは互換性や加工性の面から見てむしろデメリットの方
が多くなるので得策とは言い難い。

【０００５】本発明は、このような従来技術に課せられ
た問題点を解消するべく案出されたものであり、その主
な目的は、一般規格のねじを用いた上で少ない操作量で
より大きな昇降ストロークが得られる高さ調節脚を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、第１の雌ねじ４を備えかつ
基台３に固定される固定部材５と、前記第１の雌ねじに
螺合する第１の雄ねじ６および前記第１の雌ねじと逆向
きかつ前記第１の雄ねじと同軸の第２の雌ねじ８を備え
た回転部材９と、前記第２の雌ねじに螺合する第２の雄
ねじ１０を備えかつその端部を接地するストローク部材
１２と、前記固定部材と前記ストローク部材との間の相
対回転を規制する回り止め手段１３とを有することを特
徴とする高さ調節脚を提供するものとした。

【０００７】これによると、回転部材を捻回してこれの
第１の雄ねじを固定部材の第１の雌ねじにねじ込むと、
第１の雌ねじと逆ねじでありかつ固定部材に対して回り
止めされたストローク部材は、第１の雌ねじに対する第
１の雄ねじのねじ込みに伴う回転部材の軸線方向移動と
同一方向へと移動することとなる。従って、回転部材の
捻回量に対する固定部材とストローク部材の接地端との
間の伸縮ストロークが倍増することとなる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示した具体的
な実施例を参照して本発明の構成について詳細に説明す
る。

【０００９】図１並びに図２は、例えば光軸角度の調節
用として液晶プロジェクタの筐体の底面に設けられた高
さ調節脚の構造および構成部品を示している。この調節
脚１は、その上端に形成されたフランジ２をもって筐体
３の底面に固定され、かつその下端側に第１雌ねじ４が
形成された円筒状をなす固定部材５と、固定部材５の第
１雌ねじ４に螺合する第１雄ねじ６が形成され、かつそ
の下端側の外周に調節操作用のノブ７が、また下端側の
中心に第２雌ねじ８が、それぞれ形成された回転部材９
と、回転部材９の第２雌ねじ８に螺合する第２雄ねじ１
０を備えかつその端部に滑り止めのクッションゴム１１
が設けられた有底円筒状をなすストローク部材１２と、
固定部材５とストローク部材１２との間の相対回転を規
制するための回り止め部材１３とからなっている。

【００１０】回り止め部材１３は、固定部材５に一体的
に結合する第１部分１３ａと、第１部分１３ａの軸部１
４の外周並びにストローク部材１２の内周に、例えばキ
ー１５とキー溝１６との係合によって回転不能にかつ軸
線方向移動自在に係合する第２部分１３ｂとからなって
いる。これら回り止め部材１３の軸部１４、第２部分１
３ｂ、およびストローク部材１２は、固定部材５に対す
るストローク部材１２の伸縮運動に伴ってテレスコピッ
ク式に相互に伸縮可能に組み合わされている。なお、回
り止め部材１３の回転不能にかつ軸線方向移動自在に係
合する手段については、例えば多角形の断面形状の軸と
孔との組み合わせや、セレーションによるものであって
も良い。

【００１１】次に上記実施例の使用要領について説明す
る。調節脚１が一杯に伸びた状態（図の中心線から右側
に示した状態）からノブ７の操作で回転部材９を回転さ
せて第１雄ねじ６を第１雌ねじ４にねじ込むと、第１雄
ねじ４は固定部材５の内側に没入して行く。つまりノブ
７が筐体３の底面に近づいて行く。

【００１２】一方、ストローク部材１２は回転し得ず、
しかも第１雌ねじ４とは逆ねじの関係で第２雌ねじ８と
第２雄ねじ１０とが互いに螺合しているので、回転部材
９を回転させることによってストローク部材１２はノブ
７の内側に没入して行く。つまり筐体３の底面とストロ
ーク部材１２の接地端との距離が収縮して行く。

【００１３】これとは逆方向へ回転部材９を回転させる
と、筐体３の底面とストローク部材１２の接地端との距
離が伸張する。

【００１４】このようにして、ノブ７と一体の回転部材
９の固定部材５に対する軸線方向変位量に、回転部材９
に対するストローク部材１２の軸線方向変位量が加算さ
れるので、回転部材９の単位回転角度当たりのストロー
ク部材１２の接地端の変位量が通常の約２倍となる。と
同時に、伸縮比もより一層大きくすることができるの
で、大型化せずに調節範囲の増大を実現し得る。

【００１５】

【発明の効果】このように本発明によれば、高さ調節脚
における操作量に対する伸縮量をより一層大きくするこ
とができるので、迅速な高さ調節を実施することが可能
となり、この種の調節脚の使用性を高める上に多大な効
果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による調節脚の縦断面図

【図２】本発明による調節脚の分解斜視図

【符号の説明】

１ 調節脚 ２ フランジ ３ 筐体 ４ 第１雌ねじ ５ 固定部材 ６ 第１雄ねじ ７ ノブ ８ 第２雌ねじ ９ 回転部材 １０ 第２雄ねじ １１ クッションゴム １２ ストローク部材 １３ 回り止め部材 １４ 軸部 １５ キー １６ キー溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の雌ねじを備えかつ基台に固定され
   る固定部材と、 前記第１の雌ねじに螺合する第１の雄ねじおよび前記第
   １の雌ねじと逆向きかつ前記第１の雄ねじと同軸の第２
   の雌ねじを備えた回転部材と、 前記第２の雌ねじに螺合する第２の雄ねじを備えかつそ
   の端部を接地するストローク部材と、 前記固定部材と前記ストローク部材との間の相対回転を
   規制する回り止め手段とを有することを特徴とする高さ
   調節脚。