JPH11205683A - 動体検出用赤外線固体撮像装置 - Google Patents

動体検出用赤外線固体撮像装置

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JPH11205683A
JPH11205683A JP10002244A JP224498A JPH11205683A JP H11205683 A JPH11205683 A JP H11205683A JP 10002244 A JP10002244 A JP 10002244A JP 224498 A JP224498 A JP 224498A JP H11205683 A JPH11205683 A JP H11205683A
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JP
Japan
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signal
output
infrared
pixel
circuit
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JP10002244A
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English (en)
Inventor
Masahiro Shoda
昌宏 正田
Hitoshi Nomura
仁 野村
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】赤外線により動体を検出する装置であって、外
部における画像処理が不要で、且つ、簡単な構成で高性
能な動体の検出が可能である動体検出用赤外線固体撮像
装置を提供する。 【解決手段】マトリクス状に配列され、入射する赤外線
輻射量に応じた電気信号を出力する画素1は、列毎に垂
直読み出し線2a,2bに接続される。垂直読み出し線
2a、2bには信号比較回路20とビデオ信号生成回路
30とが配置される。信号比較回路20は、直前のフレ
ームに対する電気信号を記憶し、次に現在のフレームに
対する電気信号が入力されてこれらの値を比較して異値
信号を生成して出力する。ビデオ信号生成回路30は、
ビデオ信号を生成して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線固体撮像装
置に関し、特に直前のフレームと現在のフレーム間の赤
外線量の変化を2値化信号として出力する赤外線固体撮
像装置に関する。
【0002】 〔発明の詳細な説明〕
【0003】
【従来の技術】従来より、マトリックス状に配置された
多数の画素にて画像データを得、この画像データを直前
のフレームでの値として記憶し、次いで現在のフレーム
での値を検出し、これらを互いに比較して、被写体のう
ち動体の部分を検出するようにした動き検出用画像処理
装置が公知である。
【0004】図14は、従来の動き検出用画像処理装置
200を示す。この動き検出用画像処理装置200は、
固体撮像装置201と、該固体撮像装置201によって
得られた画像データをあらわす映像信号(アナログ信
号)をディジタル信号に変換するAD変換回路202
と、該AD変換回路202からのディジタル信号を保存
する画像メモリ1(第1の画像メモリ)203及び画像
メモリ2(第2の画像メモリ)204と、該画像メモリ
203,204に保存されているディジタルの画像デー
タを互いに比較して動きをあらわす画像データを得る画
像処理回路205とで構成されている。
【0005】即ち、この動き検出用画像処理装置200
では、先ず、固体撮像装置201で得られた第1のフレ
ームにおける映像信号(アナログ信号)がAD変換回路
202でディジタル信号に変換された後、直前のフレー
ムでの映像信号として前記第1の画像メモリ203に保
存される。次に、第1のフレーム(直前のフレーム)に
連続する第2のフレームで、固体撮像装置201によっ
て得られた映像信号(アナログ信号)がAD変換回路2
02でディジタル信号に変換された後、現在のフレーム
での映像信号として第2の画像メモリ204に保存され
る。
【0006】そして、画像処理回路205で第1の画像
メモリ203に保存されているディジタル信号と、第2
の画像メモリ204に保存されているディジタル信号の
大きさが各画素毎に比較され、第1のフレーム(直前の
フレーム)と第2のフレーム(現在のフレーム)とで比
較されたディジタル信号の差が所定値以上となった画素
が検出される。
【0007】この場合、第1のフレームと第2のフレー
ムは連続し、また、前記第1の画像メモリ203に保存
されているディジタル信号は第1のフレームにおける固
体撮像装置201の各画素の輝度信号に対応し、前記第
2の画像メモリ204に保存されているディジタル信号
は、第2のフレームにおける固体撮像装置201の各画
素の輝度信号に対応している。
【0008】従って、固体撮像装置201の同一の画素
から各フレーム毎に出力される2つのディジタル信号を
比較することで連続した2フレーム間(直前のフレーム
と現在のフレーム)の輝度信号の差を検出し(固体撮像
装置201の外部での2値化)、被写体の中から変化の
みを検出することができる。そして、上記動作を繰り返
すことにより、連続して動体検出を行うことができる。
【0009】一方、近年、赤外線を映像化することによ
り、可視光領域から得られる情報以外の物理情報を利用
する研究が盛んに行われ、様々な産業分野への応用展開
が期待されている。このように赤外線を検知する赤外線
撮像装置には、様々な方式が提案されている。このう
ち、例えば特開平8−222716には、白金シリサイ
ドを赤外線の受光部とし、転送部をCCDに採用した赤
外線固体撮像装置が開示されている。これは、いわゆる
量子型と称されるもので、2次元状に配置された受光部
のバンドギャップを励起したキャリアを計測し、映像化
するものであり、既に実用化されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、赤外線の
情報を様々な分野に利用することが、近年望まれている
が、赤外線の映像による動き検出用画像処理装置は、提
案されていない。ただし、上記従来技術による動き検出
用画像処理装置と赤外線固体撮像装置を組み合わせた赤
外線の映像による動き検出用画像処理装置ならば、当業
者であるなら容易に成すことができる。即ち、図14の
固体撮像装置201を赤外線固体撮像装置に置き換えれ
ば、これが可能となる。このようにすれば、動体が検出
されるばかりでなく、撮像範囲における温度変化領域な
ども観察することが可能となる(以下、赤外線映像によ
る動体検出とは、赤外線輻射量の時間的変化を検出する
ことと定義する)。
【0011】しかしながら、このようにして赤外線映像
による動体の検出を行う場合、赤外線固体撮像装置から
映像信号(アナログ信号)を出力した後、AD変換回路
202でディジタル信号に変換し、その後、一旦、画像
メモリ203,204に当該ディジタル信号を保存し、
更に、斯く保存したディジタル信号を用いて赤外線固体
撮像装置の外部にある前記画像処理回路205で変化検
出処理(直前のフレームと現在のフレームでのディジタ
ル信号の比較)を行うこととなり、赤外線固体撮像装置
の周辺回路が複雑で、動き検出用画像処理装置200全
体として、高価になるという問題がある。
【0012】上記の問題を避けるために、上記した赤外
線固体撮像装置の各画素毎に直前のフレームと現在のフ
レームでの映像信号を記憶するためのメモリを設け、更
に画素毎にこのメモリに記憶された映像信号を比較する
回路を設けて、各画素毎に動体をあらわす信号を生成す
ることも考えられるが、このような手法を用いると、各
画素の構造が複雑になり、赤外線固体撮像装置の開口率
の低下や、解像度の低下を引き起こし、多画素化に応え
られないという問題があった。
【0013】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、赤外線映像により動体を検出するに当り、
外部における画像処理(2値化処理等)が不要で、且つ
簡単な構成で高性能な変化の検出が可能である動体検出
用赤外線固体撮像装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の変化検出用赤外線固体撮像装置
は、「マトリクス状に配列され、入射する赤外線輻射量
に応じた電気信号を出力する複数の画素と、前記複数の
画素の列毎に設けられた複数の垂直読み出し線と、前記
複数の画素の特定の行を選択して、当該画素からの電気
信号を一定のタイミングで、当該垂直読み出し線に転送
する垂直走査回路と、前記複数の垂直読み出し線上に各
々配置され、一定のタイミングで画素から前記垂直読み
出し線に出力された電気信号を直前のフレームの電気信
号として記憶すると共に、該記憶した電気信号と、次の
一定タイミングで当該画素から出力された現在のフレー
ムに対する電気信号とを比較してこれらの比較した結果
をあらわす異値信号を出力する信号比較回路と、前記複
数の垂直読み出し線から各々出力された異値信号を順次
水平読み出し線に転送する水平走査回路とを備えてい
る」ことを特徴とする。
【0015】この構成により、赤外線映像の現在のフレ
ームに対する電気信号と直前のフレームに対する電気信
号を複数の垂直読み出し線毎に設けられた信号比較回路
で比較することができ、赤外線による動体変化を表す異
値信号を容易に生成できる。また、異値信号は2値化さ
れて垂直読み出し線から水平読み出し線を介して出力端
子まで伝わることになるので、アナログ信号に比べて雑
音の影響が小さくなる。
【0016】また、請求項2に記載の発明は「マトリク
ス状に配列され、入射する赤外線輻射量に応じた電気信
号を出力する複数の画素と、前記複数の画素の列毎に設
けられた複数の垂直読み出し線と、前記複数の画素の特
定の行を選択して、当該画素からの電気信号を一定のタ
イミングで、当該垂直読み出し線に転送する垂直走査回
路と、前記複数の垂直読み出し線上に各々配置され、一
定のタイミングで画素から前記垂直読み出し線に出力さ
れた電気信号を直前のフレームの電気信号として記憶す
ると共に、該記憶した電気信号と、次の一定タイミング
で当該画素から出力された現在のフレームに対する電気
信号とを比較してこれらの比較した結果をあらわす異値
信号を出力する信号比較回路と、前記複数の垂直読み出
し線上に各々配置され、一定のタイミングで当該画素か
ら前記垂直読み出し線に出力される現在のフレームに対
する電気信号に基づいて赤外線映像信号を生成し、出力
するビデオ信号生成回路と、前記信号比較回路から、前
記複数の垂直読み出し線の各々に対応して出力される前
記比較した結果をあらわす異値信号を、順次、第1の水
平読み出し線に転送する第1の水平走査回路と、前記ビ
デオ信号生成回路から、前記複数の垂直読み出し線の各
々に対応して出力される前記赤外線映像信号を、順次、
第2の水平読み出し線に転送する第2の水平走査回路と
を備えている」ことを特徴とする。
【0017】この構成により、請求項1と同様な作用が
得られる他、垂直読み出し線にビデオ信号生成回路が設
けられているので、前記異値信号と同時に赤外線映像信
号であるビデオ信号を外部に出力することが可能とな
る。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請
求項2のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体撮像装
置において「前記画素は、入射する赤外線輻射量に応じ
た電荷を生成し蓄積する光電変換部と、当該光電変換部
から出力される赤外線輻射量に応じた電荷が転送されて
これを保持する電荷蓄積部と、前記光電変換部と前記電
荷蓄積部とを電気的に接続/分離する転送用トランジス
タと、前記電荷蓄積部に保持された電荷に応じた電気信
号を生成し、そのゲートが前記電荷蓄積部の一部をなす
増幅用トランジスタと、当該画素の前記増幅用トランジ
スタと前記垂直読み出し線とを接続/分離する画素分離
用トランジスタと、前記電荷蓄積部に蓄積された電荷を
当該画素の外部に放出するために前記電荷蓄積部と接続
され、これにリセットするための電源電圧を供給するリ
セット用トランジスタとを備える」ことを特徴とする。
【0018】この構成により、1つのフレームの間に光
電変換部にて生成・蓄積された入射した赤外線輻射量に
応じた電荷が、該光電変換部と電気的に分離された電荷
蓄積部に転送された後保持され、該保持された電荷に基
づいて、直前のフレームに対する電気信号と現在のフレ
ームに対する電気信号の2つの信号を得ることができ
る。
【0019】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載された動体検出用赤外線固体撮像装置において
「前記光電変換部は、白金シリサイドとP型シリコンと
のショットキー接合による赤外線用フォトダイオードで
ある」ことを特徴とする。請求項4に記載の動体検出用
赤外線固体撮像装置によれば、光電変換部に白金シリサ
イドとP型シリコンとのショットキー接合を用いるの
で、赤外線感度の高い動体検出用赤外線固体撮像装置を
提供できる。また、シリサイド物質はシリコン半導体プ
ロセスとなじみが良いため、特段の製造プロセスの変更
なしに、広く採用されているシリコン半導体プロセスで
動体検出用赤外線固体撮像装置を製造することができ
る。
【0020】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
または請求項4のいずれかに記載の動体検出用赤外線固
体撮像装置において「前記画素は、前記光電変換部と接
続されてこれをリセットするための電源電圧を供給する
第2のリセット用トランジスタをさらに有する」ことを
特徴とする。請求項5に記載の動体検出用赤外線固体撮
像装置によれば、第2のリセット用トランジスタを光電
変換部と接続し、該光電変換部に電源電圧を供給するよ
うにしたので、電荷蓄積部(増幅用トランジスタのゲー
トを含む)のリセットと光電変換部のリセットを個別に
行うことができる。よって、光電変換部のリセット(プ
リチャージ)を十分に行うことができ、例え光電変換部
に電荷が残留していても残像等の発生の無い良好な画像
を得ることができる。
【0021】また、光電変換部のリセットを十分に行え
るので、光電変換部のバイアス電圧が増大する。一般に
知られるように、ショットキー接合型赤外線受光部は、
バイアス電圧が高いほど感度が向上する。よって、請求
項5の構成により、光電変換部は、赤外線に対する感度
が向上する。さらに、光電変換部と電荷蓄積部のリセッ
トを別個に行えるので、光電変換部での光電変換時間
を、1フレーム時間から光電変換部から前記電荷蓄積部
への信号読み出し時間を差し引いた時間内で任意に変え
ることができ、いわゆる電子シャッター動作を容易に実
現できる。
【0022】また、請求項6に記載の発明は、請求項3
または請求項4のいずれかに記載の動体検出用赤外線固
体撮像装置において「前記光電変換部と前記転送用トラ
ンジスタの間に接続され、且つ、前記光電変換部と前記
リセット用トランジスタの間に接続される第2の転送用
トランジスタを前記画素にさらに有する」ことを特徴と
する。
【0023】この構成により、請求項5に記載の発明と
同様に電荷蓄積部と光電変換部のリセットを個別に行う
ことが可能となる。即ち、リセット用トランジスタと第
1の転送用トランジスタを同時にオンすることにより、
電荷蓄積部をリセットすることができ、また、第1の転
送用トランジスタと第2の転送用トランジスタを同時に
オンにすることで、光電変換部をリセットすることがで
きる。このため、光電変換部のリセットを十分に行え、
また、光電変換部の赤外線に対する感度が向上し、さら
に、電子シャッターの動作が可能となる。
【0024】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
から請求項6のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体
撮像装置において「前記信号比較回路は、前記直前のフ
レームに対する電気信号を記憶する第1の異値化用コン
デンサと、前記現在のフレームに対する電気信号を記憶
する第2の異値化用コンデンサとを備え、前記第1の異
値化用コンデンサに記憶された前記直前のフレームに対
する電気信号と前記第2の異値化用コンデンサに記憶さ
れた前記現在のフレームに対する電気信号との差分の大
きさが所定値以上のときに、論理ローレベルまたは論理
ハイレベルを示す信号を出力する」ことを特徴とする。
【0025】請求項7に記載の動体検出用赤外線固体撮
像装置によれば、当該画素からの順次出力される電気信
号を直前のフレームに対する電気信号または現在のフレ
ームに対する電気信号として、垂直読み出し線上に配置
された第1の異値化用コンデンサまたは第2の異値化用
コンデンサに各々記憶させて、該記憶させた信号を互い
に比較するだけで動体を表す異値信号を得ることが可能
となる。
【0026】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
から請求項6のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体
撮像装置において「前記信号比較回路は、2つの入力端
子を有する2値化回路と、該2値化回路の一方の入力端
子に接続された第1のサンプルホールド回路と、該2値
化回路の他方の入力端子に接続された第2のサンプルホ
ールド回路とを備え、前記第1のサンプルホールド回路
を用いて、前記現在のフレームに対する電気信号の値と
前記直前のフレームに対する電気信号の値とに対する差
分が、第1の所定値より高いときに論理ハイレベルまた
は論理ローレベルを示す信号を出力し、前記第2のサン
プルホールド回路を用いて、前記現在のフレームに対す
る電気信号の値と前記直前のフレームに対する電気信号
の値とに対する差分が、第2の所定値より高いときに論
理ハイレベルまたは論理ローレベルを示す信号を出力す
る」ことを特徴とする。
【0027】請求項8に記載の動体検出用赤外線固体撮
像装置によれば、第1のサンプルホールド回路にホール
ドされる値を直前のフレームに対する電気信号と第1の
所定値とし、第2のサンプルホールド回路にホールドさ
れる値を直前のフレームに対する電気信号と第2の所定
値に変更できるので、現在のフレームに対する出来信号
と直前のフレームに対する電気信号との大小関係の判別
に用いるしきい値を自在に設定できる。
【0028】また、請求項9に記載の発明は、請求項3
に記載の動体検出用赤外線固体撮像装置において「前記
ビデオ信号生成回路は、前記リセット用トランジスタに
より前記増幅用トランジスタのゲートが前記電源電圧を
供給されてリセット動作が行われたときに該電源電圧に
応じて出力される暗出力信号と、前記リセット動作後に
前記転送用トランジスタによって前記光電変換部からの
電荷が前記増幅用トランジスタのゲートに転送されたと
きに画素より出力される電気信号との差を現在のフレー
ムにおけるビデオ信号として生成する」ことを特徴とす
る。
【0029】請求項9に記載の動体検出用赤外線固体撮
像装置によれば、当該画素をリセットした後の暗出力
と、該暗出力を含んだ現在のフレームに対する電気信号
の差分のビデオ信号を出力するので、当該暗出力を除去
したビデオ信号を出力することが可能となる。
【0030】 〔発明の詳細な説明〕
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態について、図1〜図6を用いて説明す
る。図1は、第1の実施形態の動体検出用赤外線固体撮
像装置10の概略構成を示す模式回路図である。尚、図
1には、説明を簡単にするために、4つの画素1,1,
1,1がマトリクス状に配置された動体検出用赤外線固
体撮像装置10を示している。
【0032】先ず、この動体検出用赤外線固体撮像装置
10の概略について説明する。動体検出用赤外線固体撮
像装置10は、上記のように画素1,1,1,1がマト
リックス状に配列され、各列の画素1,1…が対応する
垂直読み出し線2a,2bに接続されている。また、画
素1,1…には、特定の行を選択して、当該画素1,
1,…からの赤外線輻射量に応じた電気信号を一定のタ
イミングで、対応する垂直読み出し線2a,2bに転送
するための垂直走査回路6が、クロックライン3a,3
b,4a,4b,5a,5b等を介して接続されてい
る。
【0033】また、各列毎に設けられた前記垂直読み出
し線2a,2bには、異値検出回路(信号比較回路)2
0を介してシフトレジスタ13が接続されると共に、ビ
デオ信号生成回路30を介して水平走査回路35が接続
されている。このうち異値検出回路(信号比較回路)2
0は、各垂直読み出し線2a,2bに各々配置された回
路部20A,20Bによって構成されている。この異値
検出回路20は、一定のタイミングで各画素1,1…か
ら各々の垂直読み出し線2a,2bに入射する赤外線輻
射量に応じた電気信号が出力されたとき、その電気信号
を直前のフレームに対する電気信号として記憶すると共
に、該記憶した電気信号と、次の一定タイミングで同じ
画素1,1…から出力された現在のフレームに対する電
気信号とを比較し、これら比較した結果をあらわす信号
(異値信号)を出力するものである。
【0034】この異値検出回路20から出力された異値
信号は、シフトレジスタ(第1の水平走査回路)13の
働きによって、順次、水平読み出し線(第1の水平読み
出し線)12に転送され、その後、出力端子VOから出
力される。また、ビデオ信号生成回路30は、各垂直読
み出し線2a,2bに各々配置された回路部30A,3
0Bとによって構成されている。このビデオ信号生成回
路30は、一定のタイミングで各画素1,1…から各々
の垂直読み出し線2a,2bに入射する赤外線輻射量に
応じた電気信号が出力されたとき、その電気信号から暗
電流成分を差し引いた信号を現在のフレームにおけるビ
デオ信号として出力するものである。
【0035】このビデオ信号生成回路60から出力され
たビデオ信号は、第2の水平走査回路35の働きによっ
て、順次、水平読み出し線(第2の水平読み出し線)3
4に転送され、その後、出力バッファアンプ37を介し
て出力端子Aoから出力される。次に、動体検出用赤外
線固体撮像装置10の各画素1,1,1,1の具体的な
回路構成、並びに垂直読み出し線2a,2b、クロック
ライン3a,3b,…等との接続関係について、図1及
び図6を参照しながら説明する。
【0036】図1に示すように、画素1は、入射する赤
外線の輻射量に応じた電荷を生成・蓄積する赤外線用フ
ォトダイオード(光電変換部)PDと、ゲートに供給さ
れた電荷に応じてそのソース・ドレイン間に入射する赤
外線輻射量に応じたアナログ信号を出力する増幅用トラ
ンジスタQAと、前記赤外線用フォトダイオードPDで
生成・蓄積された電荷を増幅用トランジスタQAのゲー
トに転送するためのnチャネル型の転送用MOSトラン
ジスタQTと、前記増幅用トランジスタQAのゲートの
電荷をリセットするためのnチャネル型のリセット用M
OSトランジスタQR1と、増幅用トランジスタQAと
当該垂直読み出し線2a,2bの間に設けられて増幅用
トランジスタQAのソースと当該垂直読み出し線2aま
たは2bを分離/接続するnチャネル型の画素分離用M
OSトランジスタQXとによって構成されている。
【0037】図6は、赤外線用フォトダイオードPD及
び転送用MOSトランジスタQTの構造を示す断面図で
ある。赤外線用フォトダイオードPDは、P型のシリコ
ン基板61と白金シリサイド層62とのショットキー接
合によって構成される。P型シリコン基板61と白金シ
リサイド層62との組み合わせによるショットキー接合
は、N型シリコン基板と白金シリサイド層との組み合わ
せよりもバンドギャップが狭い。よって、より長い波長
の赤外線まで検出可能となる。
【0038】白金シリサイド層62は、数十オングスト
ローム程度と非常に薄いため、赤外線用フォトダイオー
ドPDの周縁において電界が集中してしまう。その結
果、白金シリサイド層62とシリコン基板61との接合
耐圧は、極めて低い値となる。接合耐圧が低いと、赤外
線用フォトダイオードPD部における暗電流の増加を抑
えることができない。そこで、接合耐圧を高めるため
に、当該ショットキー接合の周囲を取り囲むようにガー
ドリング63が設けられている。ガードリング63は、
シリコン基板61とは逆導電型であるN型の不純物をシ
リコン基板61に拡散したものである。ガードリング6
3の周縁では拡散領域の曲率が緩やかであり、前記電界
の集中を防ぐことが可能となる。
【0039】赤外線64は、図6のようにシリコン基板
の裏面(図の下方)から入射する。そして、赤外線用フ
ォトダイオードPDに入射して光電変換され信号電荷を
生じ、蓄積される。しかし、このとき光電変換される赤
外線は、入射する成分の一部であり、残りの赤外線は赤
外線用フォトダイオードPDを透過する。そこで、アル
ミニウム膜による反射膜65を配置させる。反射膜65
は、透過した赤外線を反射させ再度赤外線用フォトダイ
オードPDに入射させる。白金シリサイド層62と反射
膜65の間は、絶縁膜としてシリコン酸化膜66が配置
される。その膜厚dをd=λ/4n(λは入射波長、n
は絶縁膜の屈折率。シリコン酸化膜は1.45)とすれ
ば、赤外線強度は、定在波効果により最も強くなる。こ
こでは、入射波長を4ミクロンと定め、上式により膜厚
dを0.68ミクロンとしている。
【0040】なお、本実施形態では、赤外線用フォトダ
イオードPDにおけるショットキー接合をP型シリコン
基板61と白金シリサイド層62との組み合わせで示し
た。しかし、これに限られるものではく、例えば、ニッ
ケルシリサイドやチタンシリサイドとシリコン基板との
ショットキー接合でも構わない。これらの組み合わせな
らば、電子冷却程度の冷却温度でも赤外線を検出できる
ため、よりコンパクトなシステムを構築することが可能
となる。
【0041】赤外線用フォトダイオードPDに隣接して
転送用MOSトランジスタQTが配置される。これは、
ガードリング63をソース、n拡散部をドレイン69、
ポリシリコン膜をゲート67とするスイッチトランジス
タである。この転送用MOSトランジスタQTがオン状
態になる電圧をゲート67に印加させると、赤外線用フ
ォトダイオードPDで生じて蓄積された信号電荷がガー
ドリング63(ソース)からドレイン69に転送され、
配線68を介して増幅用トランジスタQAのゲートに送
られる。
【0042】画素1内に配置されるMOSトランジスタ
は、転送用MOSトランジスタQTに限らずすべてnチ
ャネル型である。本装置は、上記のようにP型シリコン
基板を使用する。nチャネル型のMOSトランジスタに
すれば、ソース、ドレインとなる領域にN型不純物を拡
散すれば良く、開口率が向上する。仮に、pチャネル型
のMOSを採用するなら、n型不純物拡散によるnウエ
ルを作成し、その中にpチャネル型のMOSトランジス
タを配置させることになる。よって、トランジスタの占
める領域が増大し、開口率が低下してしまう。
【0043】このように構成された画素1においては、
赤外線用フォトダイオードPDからの入射した赤外線の
輻射量に応じた信号(信号電荷)が増幅用トランジスタ
QAのゲートに供給されてそのソースホロワ動作によっ
て電流増幅され、その後、この電気信号が、各々対応す
る垂直読み出し線2a,2b(図1参照)に読み出され
る。
【0044】ところで、増幅用トランジスタQAのゲー
トは、転送用MOSトランジスタQTのソース・ドレイ
ンを形成する拡散領域と接続されている。そして、これ
らのトランジスタの間には増幅用トランジスタQAのゲ
ート容量、転送用MOSトランジスタQTの拡散容量、
及び配線容量が寄生容量として存在する。これらの寄生
容量の総和を以下「電荷蓄積部CS1」と称す。よっ
て、赤外線用フォトダイオードPDで生じて蓄積された
信号電荷は、転送用MOSトランジスタQTがオンされ
ると、実際には増幅用トランジスタQAのゲートではな
く、該ゲートを含んだ電荷蓄積部CS1に蓄積される。
なお、本実施形態では、上記の寄生容量の総和のみを電
荷蓄積部に使用するが、容量値が不足するなら新たにコ
ンデンサを作り込んでもよい。
【0045】また、電荷蓄積部CS1は、転送用MOS
トランジスタQTがオフの場合、赤外線用フォトダイオ
ードPDから電気的に分離されているので、一旦、この
電荷蓄積部に転送され蓄積された電荷(電気信号)は、
その転送動作の終了の後あらたに赤外線用フォトダイオ
ードPDにて生成される電荷と混ざりあうことがない。
【0046】また、画素1では、上記した各増幅用トラ
ンジスタQAのソースは、画素分離用MOSトランジス
タQXを介して、各列毎に配置された垂直読み出し線2
aまたは2bに共通に接続されている。また、各増幅用
トランジスタQAのドレイン及び赤外線用フォトダイオ
ードPDのアノード側には電源電圧(グランドあるいは
最低電位の電源)が接続されている。また、赤外線用フ
ォトダイオードPDのカソード側と当該増幅用トランジ
スタQAのゲートには、転送用MOSトランジスタQT
のソース・ドレインが接続されている。また、転送用M
OSトランジスタQTの転送用ゲートは、各行毎に配置
されたクロックライン3a,3bに共通接続されてい
る。また、リセット用MOSトランジスタQR1のドレ
インには、電源電圧VRDが接続されている。また、リ
セット用MOSトランジスタQR1のゲートは、各行毎
に配置されたクロックライン4a,4bに共通に接続さ
れ、そのソースは、転送用MOSトランジスタQTのド
レインと共有になっている。また、画素分離用MOSト
ランジスタQXのゲートは、各行毎に配置されたクロッ
クライン5a,5bに共通接続されている。
【0047】このように各要素が互いに接続された画素
1では、クロックライン3a,3bに接続された垂直走
査回路6から送出される駆動パルスφTG1,φTG2
が与えられると、駆動パルスφTG1,φTG2のレベ
ルに応じて、転送用MOSトランジスタQTが各行毎に
順次動作する。また、前記リセット用MOSトランジス
タQR1は、そのゲートに前記垂直走査回路6から駆動
パルスφRG1,φRG2が与えられると、この駆動パ
ルスφRG1,φRG2のレベルに応じて動作する。
【0048】また、画素分離用MOSトランジスタQX
は、そのゲートに与えられる前記垂直走査回路6からの
駆動パルスφPX1,φPX2のレベルに応じて、各行
毎に順次動作する。次に、前記垂直読み出し線2a,2
bの途中に、各列毎に配置された異値検出回路(信号比
較回路)20とシフトレジスタ(第1の水平走査回路)
13との関係、及び、ビデオ信号生成回路30と第2の
水平走査回路35について、図1を用いて説明する。
【0049】異値検出回路20は、前述したように各垂
直読み出し線2a,2b毎に配置された回路部20A,
20Bとによって構成され、各回路部20A,20Bの
出力は、各列毎にそれぞれシフトレジスタ(第1の水平
走査回路)13の対応するビットのレジスタ(図1には
現れていない。)に接続されている。尚、レジスタは例
えばフリップフロップ回路によって構成される。
【0050】この場合、異値検出回路20の第1列目
(垂直読み出し線2a上)の回路部20Aの出力は、選
択信号ライン14aを介してシフトレジスタ13の第1
ビット目のレジスタのデータ入力端子Q1に接続され、
第2列目(垂直読み出し線2b上)の回路部20Bの出
力は、選択信号ライン14bを介してシフトレジスタ1
3の第2ビット目のレジスタのデータ入力端子Q2に接
続されている。
【0051】この異値検出回路20は、各列毎に共通
に、クロックライン8a及びクロックライン9aを介し
て、駆動パルス発生回路(図示省略)側のノード8及び
9にそれぞれ接続され、駆動パルス発生回路から供給さ
れる駆動パルスφSA、φSBのレベルが変化するタイ
ミングに応じて、異値信号(ディジタル信号)を出力す
る。
【0052】また、シフトレジスタ13は、そのロード
信号入力端子LDが、クロックライン11aを介して駆
動パルス発生回路(図示省略)側のノード11に接続さ
れている。また、そのクロック信号入力端子CKは、ク
ロックライン15aを介して駆動パルス発生回路(図示
省略)側のノード15に接続されている。また、シフト
レジスタ13の出力は、水平読み出し線12を介して出
力端子VOに接続されている。
【0053】このシフトレジスタ13は、そのロード信
号入力端子LDに入力される駆動パルスφLDに応じた
タイミングで、前記異値検出回路20から各データ入力
端子Q1,Q2に入力される信号(異値信号)が、それ
ぞれ対応するレジスタに記憶される。そして、シフトレ
ジスタ13のクロック信号入力端子CKに入力されるク
ロックパルスφCKのレベルに応じて各ビットのレジス
タに記憶されているデータが、それぞれ1ビットずつ隣
のレジスタにシフトされ、その後、読み出し線12を介
して、出力端子VOから順次出力される。
【0054】このときシフトレジスタ13から出力され
た信号は、各レジスタに記憶された信号(異値検出回路
20で生成された異値信号)である。また、ビデオ信号
生成回路30は、前述したように各垂直読み出し線2
a,2b毎に配置された回路部30A,30Bとによっ
て構成され、各回路部30A,30Bの出力は、選択信
号ライン38a,38b、更には、nチャンネル型の水
平読み出しスイッチ用MOSトランジスタ(スイッチ回
路)QH1,QH2を介して第2の水平読み出し線34
に接続されている。
【0055】このビデオ信号生成回路30は、クロック
ライン32aを介して、駆動パルス発生回路(図示省
略)側のノード32に共通接続され、駆動パルス発生回
路からクロックライン32aを介して供給される駆動パ
ルスφVのレベルに応じて、その出力信号としてビデオ
信号(アナログ信号)が出力されるようになっている。
このビデオ信号生成回路30から出力されるビデオ信号
は、暗電流により生じる暗出力信号と画素1で入射する
赤外線輻射量に応じて生成された電気信号との差、すな
わち差分のビデオ信号である。
【0056】このビデオ信号生成回路30は、その出力
が、水平読み出しスイッチ用MOSトランジスタQH
1,QH2を介して、各列毎に水平走査回路(第2の信
号転送回路)35に接続されている。そして、水平読み
出しスイッチ用MOSトランジスタQH1,QH2の各
ゲートに、水平選択信号ライン33a,33bを介して
水平走査回路35から駆動パルスφH1,φH2が供給
されると、これら駆動パルスφH1,φH2のレベルに
応じて、ビデオ信号生成回路30で生成されたビデオ信
号が第2の水平読み出し線34に転送される(水平読み
出し制御)。このとき、第2の水平読み出し線34に読
み出されたビデオ信号は、出力バッファアンプ37を介
して、出力端子Aoから順次出力される。
【0057】なお、第2の水平読み出し線34には、ソ
ースが接地された出力線用リセットスイッチ(nチャン
ネル型MOSトランジスタ)QRSHのドレインが接続
されている。そして、該出力線用リセットスイッチQR
SHのゲートに、ノード36よりクロックライン36a
を介して、駆動パルス発生回路(図示省略)からリセッ
ト用の駆動パルスφRSHが出力されたとき、第2の水
平読み出し線34に残留した電荷の排出(リセット)動
作が行われる。
【0058】上記のように、異値検出回路20とビデオ
信号生成回路30が配置された垂直読み出し線2a,2
bには、更に、各列毎に、垂直線用リセットスイッチ
(nチャネル型MOSトランジスタ)QRSV1,QR
SV2のドレインと、各定電流源17a,17bとが接
続されている。この場合、垂直線用リセットスイッチQ
RSV1,QRSV2のソースは接地され、各定電流源
17a,17bにはグランド(あるいは最低電位)が供
給されている。そして、垂直線用リセットスイッチQR
SV1,QRSV2のゲートに、ノード16及びクロッ
クライン16aを介して、駆動パルス発生回路(図示省
略)から供給される駆動パルスφRSVのレベルに応じ
て、これら垂直線用リセットスイッチQRSV1,QR
SV2が動作するようになっている。
【0059】次に、上記した異値検出回路20の具体的
な構成について、図2を用いて説明する。尚、図2は、
図1に示す異値検出回路20のうち、垂直読み出し線2
aに接続された回路部20Aを示す回路図である。この
実施形態では、異値検出器XAが異値信号を出力する。
すなわち、異値検出部XAは、同図に示すように、垂直
読み出し線2aから分岐された読み出し線2a−1,2
a−2に各々配置された2つの電圧比較器AP1,AP
2と、論理和演算器ORとによって構成されている。
【0060】ここで、前記電圧比較器AP1は、その非
反転入力端子に、読み出し線2a−1及びこれに接続さ
れた前記第1の異値化用コンデンサCRの一方の端子が
接続され、その反転入力端子に、前記した読み出し線2
a−2及びこれに接続された前記第2の異値化用コンデ
ンサCSの一方の端子が接続されている。また、前記電
圧比較器AP2は、その非反転入力端子に、読み出し線
2a−2及びこれに接続された前記第2の異値化用コン
デンサCSの一方の端子が接続され、その反転入力端子
に、前記した読み出し線2a−1及びこれに接続された
前記第1の異値化用コンデンサCRの一方の端子が接続
されている。
【0061】そして、前記した2つの電圧比較器AP
1,AP2の出力は、共に、論理和演算器ORの2つの
入力端子に接続され、該論理和演算器ORの出力が異値
検出回路20の出力となって、選択信号ライン14aに
接続されている。また、読み出し線2a−1,2a−2
には、各々、スイッチ用MOSトランジスタ(第1のス
イッチ回路)QR,スイッチ用MOSトランジスタ(第
2のスイッチ回路)QSが配置され、これらスイッチ用
MOSトランジスタQR,QSのゲートに、図外の駆動
パルス発生回路(電荷蓄積制御回路)から前記クロック
ライン8a及びクロックライン9aを介して、駆動パル
スφSA、φSBが供給される。従って、この駆動パル
スφSA、φSBのレベルが変化するタイミングに応じ
て、各画素1,1…からの入射する赤外線輻射量に応じ
た電気信号(信号電荷)が、異なるタイミングで、第1
の異値化用コンデンサCR、第2の異値化用コンデンサ
CSに各々蓄積される。
【0062】次に、垂直読み出し線2a,2bに配置さ
れたビデオ信号生成回路30の構成について、図3を用
いて説明する。尚、図3は、図1に示すビデオ信号生成
回路30のうち、垂直読み出し線2aに接続された回路
部30Aを示す回路図である。ビデオ信号生成回路30
は、同図に示すように、ホールド容量CVと、サンプル
ホールド切り替え用のスイッチ用MOSトランジスタ
(nチャネル型)QVによって構成されている。
【0063】ホール容量CVの一方の電極CVAは、垂
直読み出し線2aに接続され、他方の電極CVBはスイ
ッチ用MOSトランジスタQVを介して電源に接続され
ると共に、ビデオ信号生成回路30の出力となってい
る。この場合、スイッチ用MOSトランジスタQVのゲ
ートには、クロックライン32aが接続されている。ま
た、ビデオ信号生成回路30の出力となる電極CVB
は、選択信号ライン38a、更には水平読み出しスイッ
チ用MOSトランジスタQH1を介して、第2の水平読
み出し線34に接続されている。
【0064】このように構成されたビデオ信号生成回路
30では、クロックライン32aを介して、サンプルホ
ールド切り替え用のスイッチ用MOSトランジスタQV
のゲートに駆動パルスφVが供給されたとき、該駆動パ
ルスφVが変化するタイミングに応じて、ビデオ信号
(アナログ信号)が出力される。次に、上記構成の動体
検出用赤外線固体撮像装置10の動作について、図4に
示すタイミングチャートに従って説明する。
【0065】尚、図4には、一定のタイミング毎に入射
する赤外線輻射量を検知する1つの画素1が、連続した
2フレーム、即ち第N−1フレーム(直前のフレー
ム)、第Nフレーム(現在のフレーム)で赤外線輻射量
を検出して、その読み出し動作を行う場合を示してい
る。また、マトリックス状に配置された画素1,1,
1,1のうち同一の行の画素1,1の読み出し動作は同
じである。ここで、図4の第N−1フレームまたは第N
フレームの期間t10〜t16が第1行目の画素1の読
み出し動作を、期間t20〜t26が、第2行目の画素
1の読み出し動作を各々示している。
【0066】以下、第Nフレーム(現在のフレーム)に
おける第1行目の画素1の読み出し動作を中心に説明す
る。従って、図4のタイミングチャートの第Nフレーム
の期間t10に至ったときから説明する。尚、第N−1
フレームにおける読み出し動作は、以下に説明する第N
フレームにおける読み出し動作と同じである。第Nフレ
ームでの期間t10に至る直前(第N−1フレームの期
間t26最後)、すべての駆動パルス、すなわち、φT
G1,TG2,φPX1,φPX2,φRG1,φRG
2,φRSV,φSA,φSB、φLD,φCK,φ
V,φH1,φH2,φRSHはローレベルに保持され
ている。
【0067】特に、期間t10に至る前、駆動パルスφ
TG1,φTG2がローレベルのため各画素1,1…の
転送用MOSトランジスタQTはオフとなり、駆動パル
スφRG1,φRG2がローレベルのため各画素1,1
…のリセット用MOSトランジスタQR1はオフとなっ
ている。従って、このとき増幅用トランジスタQAのゲ
ートはフローティング状態とされるが、寄生容量(電荷
蓄積部CS1)の効果により、すでに直前の第N−1フ
レームで転送用MOSトランジスタQTを介して各増幅
用トランジスタQAのゲートに転送された入射する赤外
線輻射量に応じた電荷(第1の信号電荷)は、当該転送
用MOSトランジスタQTがオフとなった後も各増幅用
トランジスタQAのゲートに保持された状態となってい
る。なお、増幅用トランジスタQAは、そのゲートに蓄
積された電荷が残っている間(リセットされるまでの期
間)に画素分離用MOSトランジスタQXがオンになる
と、ソースホロワ動作によりそのゲート電圧に応じた電
気信号を出力する。
【0068】尚、転送用MOSトランジスタQTがオフ
となった後は、各赤外線用フォトダイオードPDでは、
新たに入射する赤外線輻射量に応じた電荷(第2の信号
電荷)が生成・蓄積される。このときの第1の信号電荷
が、赤外線用フォトダイオードPDにて生成・蓄積され
た第N−1フレーム(直前のフレーム)における赤外線
輻射量に応じた電荷であり、第2の信号電荷が赤外線用
フォトダイオードPDにて生成・蓄積された第Nフレー
ム(現在のフレーム)における赤外線輻射量に応じた電
荷となる。
【0069】また、期間t10に至る前、駆動パルスφ
PX1,φPX2が共にローレベルのため第1行目,第
2行目の画素分離用MOSトランジスタQXは共にオフ
となっており、画素1,…はすべて垂直読み出し線2
a,2bから分離された状態となっている。またこのと
き、駆動パルスφRSVがローレベルのため垂直線用リ
セットスイッチQRSV1,QRSV2は共にオフとな
っている。
【0070】また、駆動パルスφSA,φSBが共にロ
ーレベルのため異値検出回路20内のスイッチ用MOS
トランジスタQR,QSは共にオフとなって、垂直読み
出し線2a,2b上の電気信号が、第1,第2の異値化
用コンデンサCR,CSに供給されないようになってい
る(図2)。また、駆動パルスφLDがローレベルのた
め、シフトレジスタ13の各ビットに対応したレジスタ
には信号が入力されないようになっている。
【0071】期間t10に至ると、駆動パルスφRSV
がローレベルからハイレベルに反転され、垂直線用リセ
ットスイッチQRSV1,QRSV2がオンとなって、
垂直読み出し線2a,2bに各々残留していた電荷が排
出される。そして、期間t10の終了時、即ち、期間t
11の開始時、駆動パルスφRSVがローレベルに反転
され、垂直線用リセットスイッチQRSV1,QRSV
2がオフとなる。また、駆動パルスφSAがハイレベル
に反転することによってスイッチ用MOSトランジスタ
QRがオンとなる。なお、このときスイッチ用MOSト
ランジスタQSはオフのままとなっている。
【0072】また、この期間t11では、駆動パルスφ
PX1がハイレベルに反転され、第1行目の各画素1の
画素分離用MOSトランジスタQXがオンとなって、当
該増幅用トランジスタQAは、ソースが当該垂直読み出
し線2a,2bに接続され、オン(選択)となる。この
とき、第1行目の各画素1の増幅用トランジスタQAの
ゲートには、すでに直前のフレームにおいて(第N−1
のフレームの期間t14において)入射した赤外線輻射
量に応じた第1の信号電荷が転送され、該転送用MOS
トランジスタQTがオフとなった後も第1の信号電荷が
そのまま保持されているので、この保持された第1の信
号電荷に応じた電気信号が垂直読み出し線2a,2bに
出力される。
【0073】また、上記したように期間t11では、垂
直線用リセットスイッチQRSV1,QRSV2がオフ
となっているので、この期間t11において選択されて
いる第1行目の各増幅用トランジスタQAがソースホロ
ワ動作をしたとき、そのソースの電位は、ソース・ドレ
イン間に流れる電流(ドレイン電流)が、IB(定電流
源17a,17bに流れる電流値)になるまで変化す
る。
【0074】このとき、この第1行目の各増幅用トラン
ジスタQAは、上記したように、そのゲートに、直前の
フレーム(第N−1フレームの期間t14)において第
1の信号電荷が転送され、転送終了後(転送用MOSト
ランジスタQTがオフ)もそのゲート電圧を保持してい
るため、ソースホロワ動作によって第1の信号電荷に応
じた第1の出力信号(第1の電気信号)を出力する。こ
の第1の出力信号は、この期間t11でオンとなったス
イッチ用MOSトランジスタQRを介して、第1の異値
化用コンデンサCRに充電される。
【0075】尚、このとき第2行目の各増幅用トランジ
スタQAに関しては、駆動パルスφPX2が依然ローレ
ベルであるために、第2行目の各画素分離用MOSトラ
ンジスタQXがオフとなっており、第2行目の各増幅用
トランジスタQAのソースは各々対応する垂直読み出し
線2a,2bに接続されない状態になっている(非選
択)。
【0076】期間t11の終了時、即ち、期間t12に
至ると、駆動パルスφSAがローレベルに反転され、駆
動パルスφRG1がハイレベルに反転される。上記駆動
パルスφSAがローレベルになることにより、スイッチ
用MOSトランジスタQRがオフとなり、第1の異値化
用コンデンサCRは、フローティング状態とされて第1
の出力信号をそのまま保持する。
【0077】ところで、上記したように、この期間t1
1で、第1の異値化用コンデンサCRに保持されている
第1の出力信号は、直前のフレーム(第N−1フレーム
の期間t14)で転送用MOSトランジスタQTを介し
て第1の信号電荷が転送され該転送用MOSトランジス
タQTがオフされた後にもゲートに第1の信号電荷が保
持される増幅用トランジスタQAの出力(ソースホロワ
動作によってソース・ドレイン間に流れる電流がIBに
なったときの該増幅用トランジスタQAの出力信号)で
ある。
【0078】この第1の出力信号をVSS1とすると、
VSS1の値は、次式(1)に示される値となる。 VSS1=VRD+VS1−VT …(1) ここで、VRDは第N−1フレームでリセット用MOS
トランジスタQR1がオンのときに供給された電源電
圧、VS1は第N−1フレームにおける第1の信号電荷
に応じた増幅用トランジスタQAのゲート電位の変化
分、VTは増幅用トランジスタQAのドレイン電流がI
Bのときのゲート・ソース間の電圧である。尚、VS1
の値は、(入射する赤外線輻射量に応じた第1の信号電
荷/ゲート容量)で求められる。
【0079】しかして、期間t11では、駆動パルスφ
SAがハイレベルであるため(スイッチ用MOSトラン
ジスタQRがオン)、第1の異値化用コンデンサCRの
両端は、当該期間t11で充電された前記式(1)で表
される電位VSS1となる。尚、この電位VSS1は、
期間t11の終了時(期間t12の開始時)に前記駆動
パルスφSAがローレベルに反転されてスイッチ用MO
SトランジスタQRがオフとなる時点までに、第1の異
値化用コンデンサCRに充電され、その値VSS1が保
持される。
【0080】図4の説明に戻り、期間t12において、
駆動パルスφRG1がハイレベルになることによって、
第1行目の各リセット用MOSトランジスタQR1がオ
ンとなり、電源電圧VRD(読み出しレベル)が第1行
目の各増幅用トランジスタQAのゲートに伝わる(リセ
ット)。このリセット用MOSトランジスタQR1のオ
ンにより、前記増幅用トランジスタQAのゲートから前
記第1の信号電荷が排出されると共に、該増幅用トラン
ジスタQAのゲートが上記した電源電圧VRD(読み出
しレベル)にバイアスされる。
【0081】期間t12の終了時、即ち、期間t13に
至ると、駆動パルスφRG1がローレベルに反転される
ことにより、第1行目の各リセット用MOSトランジス
タQR1が再びオフとなり、第1行目の増幅用トランジ
スタQAのゲートはフローティング状態とされるが、そ
の寄生容量(電荷蓄積部CS1)の効果によって、当該
ゲートは、前記電源電圧VRD(読み出しレベル)にバ
イアスされたままの状態が保持される。
【0082】また、駆動パルスφVがハイレベルに反転
することによって、ビデオ信号生成回路30(図3)の
スイッチ用MOSトランジスタQVがオンして、ホール
ド容量CVの電極CVBが電源に接続され、詳細は後述
するようにホールド容量CVの両端(電極CVAと電極
CVB間)の電位差が暗出力信号VDと等しくなる。
尚、上記暗出力信号VDは、駆動パルスφVがローレベ
ルに反転されてスイッチ用MOSトランジスタQVがオ
フになる時点までに、ホールド容量CVに充電される。
【0083】期間t13の終了時、即ち、期間t14に
至ると、駆動パルスφVが再びローレベルに反転され、
今度は、駆動パルスφTG1がハイレベルに反転され
る。この駆動パルスφTG1がハイレベルとなることに
より、第1行目の各画素1の転送用MOSトランジスタ
QTがオンとなり、第1行目の各画素1の赤外線用フォ
トダイオードにおいて生成・蓄積された赤外線輻射量に
応じた電荷(第2の信号電荷)が、第1行目の各画素1
の増幅用トランジスタQAのゲートに転送される。この
第2の信号電荷が、第Nフレームにおける赤外線輻射量
に応じた信号電荷となる。
【0084】このように増幅用トランジスタQAのゲー
トに、第Nフレーム(現在のフレーム)における赤外線
輻射量に応じた電荷(第2の信号電荷)が転送される
と、各増幅用トランジスタQAのゲート電位は、転送さ
れた電荷の分だけ変化するので、第1行目の増幅用MO
SトランジスタQAがソースホロワ動作をし、当該増幅
用トランジスタQAのソースの電位は、前記ゲート電位
の変化分だけ変化する。
【0085】この場合、ソースホロワ動作をする第1行
目の各増幅用トランジスタQAからは第2の信号電荷に
応じた第2の出力信号(第2の電気信号)が、このとき
オンとなっている画素分離用MOSトランジスタQXを
介して、垂直読み出し線2a,2bに出力される。期間
t14の終了時、即ち、期間t15の開始時には駆動パ
ルスφTG1がローレベルとなることにより、第1行目
の各転送用MOSトランジスタQTがオフとなり、第1
行目の画素1の赤外線用フォトダイオードPDにおいて
生成・蓄積された赤外線輻射量に応じた電荷(第2の信
号電荷)の増幅用トランジスタQAのゲートへの転送が
終了し、該増幅用トランジスタQAのゲートは再びフロ
ーティング状態とされるが、その寄生容量(電荷蓄積部
CS1)の効果によって、転送された電荷(第2の信号
電荷)の分だけ該ゲートの電位が変化したままその状態
が保持される。
【0086】ついでながら、この第Nフレームで、現在
のフレームに対する第2の信号電荷として当該ゲートに
転送された電荷は、次の第N+1フレーム(図示省略)
でこのゲートがリセットされるまで(リセット用MOS
トランジスタQR1がオンとなるまで)保持される。こ
の結果、このときゲートに蓄積されている電荷が、第N
+1フレームでは第1の信号電荷(直前のフレームに対
する電荷)として用いられる。
【0087】このように転送用MOSトランジスタQT
がオンとなって第2の信号電荷が、増幅用トランジスタ
QAのゲートに一旦転送され、その後、転送用MOSト
ランジスタQTがオフとなっても、当該第2の信号電荷
がゲートに保持されるので、画素分離用MOSトランジ
スタQXがオン状態であるなら、増幅用トランジスタQ
Aからは、その後ゲートがリセットされるまでのソース
ホロワ動作で(期間t14以降)、ゲートに蓄積された
電荷(第2の信号電荷)に応じた信号(電圧信号)が出
力されることとなる。
【0088】また、期間t14の終了時に駆動パルスφ
SBがハイレベルとなることにより、スイッチ用MOS
トランジスタQSがオンし、そのソースホロワ動作によ
ってゲートに第2の信号電荷が蓄積されている第1行目
の各増幅用トランジスタQAから出力された第2の出力
信号が、オン状態となっている画素分離用MOSトラン
ジスタQX、垂直読み出し線2a,2bを介して、第2
の異値化用コンデンサCSに充電される。
【0089】この期間t15において、ソースホロワ動
作によってソース・ドレイン間に流れる電流がIBにな
ったとき、増幅用トランジスタQAのソースの電位(第
2の出力信号;VSS2と表記する。)VSS2の値
は、次式(2)に示される値になる。 VSS2=VRD+VS2−VT …(2) ここで、VS2は第2の信号電荷に応じた増幅用トラン
ジスタQAのゲート電位の変化分である。尚、VS2の
値は、前記したVS1と同様に、(入射する赤外線輻射
量に応じた第2の信号電荷/ゲート容量)としてあらわ
される。
【0090】しかして、この期間t15では、駆動パル
スφSBがハイレベルであるため(スイッチ用MOSト
ランジスタQSがオン)、第2の異値化用コンデンサC
Sの両端は、当該期間t15で充電された前記式(2)
で表される電位VSS2となる。尚、この電位VSS2
は、期間t15の終了時(期間t16の開始時)に前記
駆動パルスφSBがローレベルに反転されてスイッチ用
MOSトランジスタQSがオフとなる時点までには、第
2の異値化用コンデンサCSに充電される。
【0091】このように、第2の異値化用コンデンサC
Sには、式(2)で表される第2の出力信号(電圧信
号)が記憶保持されるが、一方で、第1の異値化用コン
デンサCRには、上記したように式(1)で表される第
1の出力信号(電圧信号)が記憶保持される。そして、
これら記憶された第2の出力信号(電圧信号)、第1の
出力信号(電圧信号)が異値検出器XAに入力されるよ
うになっている。
【0092】そして、異値検出器XAからは、詳細は後
述するように、第1の出力信号(アナログ信号)と第2
の出力信号(アナログ信号)との差分の大きさが所定値
以上の場合にのみ出力がハイレベル(論理レベルのハイ
レベル)もしくはローレベル(論理レベルのローレベ
ル)の異値信号(ディジタル信号)が出力されるように
なっている。
【0093】また、期間t14の終了時に駆動パルスφ
LDがハイレベルとなることにより、シフトレジスタ1
3の各ビットに対応したレジスタに、データ入力端子Q
1,Q2を介して異値信号(ディジタル信号)が記憶さ
れる。期間t15の終了時、即ち、期間t16の開始時
には、駆動パルスφLD、駆動パルスφSBが再びロー
レベルに戻される。このとき駆動パルスφSBがローレ
ベルとなって、スイッチ用MOSトランジスタQSがオ
フとなる。
【0094】また、期間t16中、駆動パルスφH1,
φH2が、一定期間、順次立ち上げられて、水平読み出
しスイッチ用MOSトランジスタQH1,QH2が、所
定のタイミングで、交互にオンする。この水平読み出し
スイッチ用MOSトランジスタQH1,QH2のオンに
よって、前記ビデオ信号生成回路30にて生成されたビ
デオ信号が第2の水平読み出し線34に転送される。
【0095】また、この期間16中、駆動パルスφRS
Hが、所定のタイミングでハイレベルに立ち上げられ
る。そして、この駆動パルスφRSHがハイレベルとな
るタイミングで、出力線用リセットスイッチQRSHが
オンし、第2の水平読み出し線34に残留した電荷の排
出(リセット)動作が行われる。また、期間t16中、
すなわち、期間t20に至る前に駆動パルスφPX1が
ローレベルに戻され、第1行目の画素1,1が垂直読み
出し線2a,2bから分離される。
【0096】そして、期間t16の終了時、即ち、期間
t20の開始時には、駆動パルスφRSVがハイレベル
に反転され、垂直読み出し線2a,2bのリセット動作
が開始される。尚、期間t20の開始までに、当該期間
t16において、シフトレジスタ13にクロックパルス
φCKが入力されると、各ビットに対応するレジスタに
保持されている前記異値信号(ディジタル信号)は、順
次水平読み出し線12に読み出され、出力端子VOに出
力される。
【0097】尚、本実施形態では、水平読み出し線12
に現れる電気信号(異値信号)は2値化(ディジタル
化)されている。一般によく知られているように、ディ
ジタル信号はアナログ信号と比べて高速に読み出すこと
が可能であり、読み出し動作の高速化が図られる。ま
た、水平読み出し線12に読み出される信号がディジタ
ル信号なので、雑音の影響を受けずに信号を出力するこ
とができる。
【0098】続く期間t20〜t26においては、第2
行目の画素1,1に対して、上記した期間t10〜t1
6における第1行目の画素1,1の読み出し動作と同様
の動作が繰り返して行われ、この第2行目の画素1,1
から当該第Nフレームにおける異値信号(ディジタル信
号)が、順次出力端子VOから出力される。以上説明し
たように、連続した2フレーム(第N−1フレームと第
Nフレーム)間において各々得られた、入射する赤外線
輻射量に応じて出力される各画素1,1,1,1からの
アナログ信号(輝度をあらわす電気信号)が、各々比較
されて、その差分の大きさが一定値以上のときに、当該
画素1,1,1,1から信号(異値信号)が出力され
る。
【0099】このように、連続した2フレーム(第N−
1フレームと第Nフレーム)間で得られた電気信号(輝
度信号)の差分の大きさが異なった画素を検出すること
で、赤外線映像による動体検出を行うことができる。な
お、前述したとおり、ここで言う「動体」とは動く物ば
かりではない。撮像範囲における温度変化領域なども検
出することが可能である。即ち、入射する赤外線輻射量
の時間的変化を検出することが可能となる。
【0100】そして、上記動作を繰り返して行うことに
より、更に連続した2またはそれ以上のフレーム間でそ
の動体検出を行うことができるようになる。次に、異値
検出回路20にのみ着目して、その具体的な動作つい
て、再び図4を用いて説明する。前述したように、図4
に示す第Nフレームの期間t10では、画素分離用MO
SトランジスタQXがオフとなっているので(駆動パル
スφPX1がローレベル)、各画素1,1,1,1は、
垂直読み出し線2a,2bから分離されている。
【0101】そして、この期間t10では、上記したよ
うに垂直線用リセットスイッチQRSV1,QRSV2
がオンして、垂直読み出し線2a,2bの電荷が排除さ
れる(初期状態)。次の期間t11では、増幅用トラン
ジスタQAからの電気信号が第1の異値化用コンデンサ
CRに保持される(第1の出力信号VSS1)。すなわ
ち、直前のフレームに対する電気信号の読み出しが行わ
れる。
【0102】また、期間t12では、上記したように増
幅用トランジスタQAのゲートに蓄えられていた電気信
号がリセットされる。また、期間t13では、暗出力信
号の読み出しが行われる(ホールド容量CVの充電)。
そして、期間t14では、新たに赤外線用フォトダイオ
ードPDで生成・蓄積されていた信号電荷が増幅用トラ
ンジスタQAのゲートに転送され、その信号電荷に応じ
た電気信号が、当該画素1から垂直読み出し線2a,2
bに転送される。すなわち、現在のフレームに対する信
号電荷の転送である。
【0103】このように垂直読み出し線2a,2bに転
送された電気信号は、次の期間t15において、スイッ
チ用MOSトランジスタQS(このときオン)を介し
て、第2の異値化用コンデンサCSに蓄えられる(第2
の出力信号VSS2)。すなわち、この期間t15で現
在のフレームに対する電気信号の読み出しが行われる。
そして、期間t16で、水平読み出し線12への異値信
号の出力と、水平読み出し線34へのビデオ信号の出力
が行われる。
【0104】ところで上記した期間t15では、上記し
たように第1の異値化用コンデンサCRには、すでに第
1の出力信号VSS1が蓄積・保持され、該第1の出力
信号VSS1は、電圧比較器AP1の非反転入力端子
と、電圧比較器AP2の反転入力端子に供給されてい
る。そして、この期間t15において、あらたに第2の
出力信号VSS2が第2の異値化用コンデンサCRに蓄
積・保持されると、該第2の出力信号VSS2が、電圧
比較器AP2の非反転入力端子と、電圧比較器AP1の
反転入力端子に入力される。
【0105】この結果、異値検出回路20では、電圧比
較器AP1と、電圧比較器AP2とで、別々に、第1の
出力信号VSS1と第2の出力信号VSS2の大きさが
比較されることとなる。このときの第1の出力信号VS
S1は、前記した式(1)であらわされ、第2の出力信
号VSS2は前記した式(2)であらわされる。
【0106】従って、電圧比較器AP1と電圧比較器A
P2では、次式(3)に示す、第1の出力信号VSS1
と第2の出力信号VSS2との大きさの比較が行われ
る。 VSS1−VSS2=(VRD+VS1−VT) −(VRD+VS2−VT) =VS1−VS2 …(3) このように、第1の出力信号VSS1と第2の出力信号
VSS2の2つの信号の大きさを比較することは、特定
の画素1における第N−1フレームでの入射する赤外線
輻射量の輝度(VS1に相当)から第Nフレームにおけ
る入射する赤外線輻射量の輝度(VS2)への変化、即
ち、連続した2フレーム間における輝度の変化を検知す
ることと同義である。
【0107】ところで、上記式(3)に示す値を比較す
る電圧比較器AP1と、電圧比較器AP2は、共に、非
反転入力端子に入力される信号が、反転入力端子に入力
される信号より大きい場合には、電源電圧レベル(ハイ
レベル)を出力し、非反転入力端子に入力される信号
が、反転入力端子に入力される信号と等しい場合あるい
は小さい場合には、接地レベル(ローレベル)を出力す
る。
【0108】従って、第1の出力信号VSS1が第2の
出力信号VSS2より大きい場合には、電圧比較器AP
1の出力が電源電圧レベル(ハイレベル)になり、逆
に、第2の出力信号VSS2が第1の出力信号VSS1
より大きい場合には、電圧比較器AP2の出力が電源電
圧レベル(ハイレベル)となる。また、第1の出力信号
VSS1と第2の出力信号VSS2が等しい場合には、
電圧比較器AP1,AP2の出力は共に接地レベル(ロ
ーレベル)となる。
【0109】このようにして得られた電圧比較器AP
1,AP2の出力は、共に論理和演算器ORに入力され
論理和演算が行われる。この場合、第1の出力信号VS
S1と第2の出力信号VSS2の大きさが異なる(どち
らか一方が他方より大きい、もしくは、小さい)場合の
み、論理和演算器ORすなわち異値検出器XAの出力は
ハイレベル(論理レベルのハイレベル)となる。
【0110】そして、第1の出力信号VSS1と第2の
出力信号VSS2の大きさが等しい場合には、論理和演
算器ORすなわち異値検出器XAの出力はローレベル
(論理レベルのローレベル)となる。尚、前述した式
(1),(2)のVT(ゲート・ソース間電圧)の値
は、各増幅用トランジスタQA毎にばらついて、いわゆ
る固定パターン雑音の要因となることが知られている。
しかして、前述の式(3)で示したように、異値検出を
行う際、即ち、第1の出力信号VSS1と第2の出力信
号VSS2との大きさの比較を行う場合、異値信号はV
T値の影響を受けないので、固定パターン雑音の影響を
受けずに異値検出(動体検出)を行うことができる。
【0111】また、前記した第1の出力信号VSS1と
第2の出力信号VSS2は、通常、前記固定パターン雑
音の成分とは別に、ランダム雑音の成分を含んでいるこ
とが知られている。従って、異値検出を行う際、これら
のランダム雑音の成分により誤信号が発生する場合が考
えられる。しかし、本実施形態では、上記した電圧比較
器AP1、電圧比較器AP2を、このランダム雑音の成
分による誤信号の発生を防止すべく、非反転入力端子に
入力される信号電圧と反転入力端子に入力される信号電
圧の差が或る一定の閾値電圧以上になったとき出力が反
転するような特性としている。
【0112】図5は、本実施形態の異値検出器XAを構
成する電圧比較器AP1,AP2の入出力特性の一例を
示す特性図である。この図5において、電圧ΔHは閾値
電圧で、通常のランダム雑音の成分の大きさと比べて十
分大きくなるように設定される。また、V1は電圧比較
器AP1,AP2の非反転入力端子に入力される入力電
圧値を、V2は反転入力端子に入力される入力電圧値
を、Voutは出力電圧値を示す。
【0113】この場合、(V1−V2)の値が、閾値電
圧ΔHより大きくなると、出力Voutが反転(ローレ
ベルからハイレベルに反転)する。このように、異値検
出器XAを構成する電圧比較器AP1,AP2を、上記
の特性とすることで、特に、閾値電圧ΔHをランダム雑
音の成分の大きさに比べて十分大きく設定することで、
電圧比較器AP1は、第1の出力信号電圧VSS1と第
2の出力信号電圧VSS2との差が閾値電圧ΔHより大
きい場合(VSS1−VSS2>ΔH)、その出力が電
源電圧レベル(ハイレベル)になる。
【0114】同様に、電圧比較器AP2は、第2の出力
信号電圧VSS2と第1の出力信号電圧VSS1との差
が閾値電圧ΔHより大きい場合(VSS2−VSS1>
ΔH)、その出力が電源電圧レベル(ハイレベル)にな
る。換言すれば、第1の出力信号VSS1と、第2の出
力信号VSS2との差分の大きさ、即ち絶対値|VSS
1−VSS2|が、閾値電圧ΔHより大きい場合のみ、
電圧比較器AP1、電圧比較器AP2の何れかの出力が
電源電圧レベル(ハイレベル)となり、ランダム雑音の
成分による誤信号を発生することなく、異値検出(赤外
線による動体検出)を行うことができる。
【0115】次に、ビデオ信号生成回路30にのみ着目
して、その具体的な動作ついて、再び図4を用いて説明
する。なお、以下では、特に第Nフレームの期間t10
から期間t16(第1行目の画素1,1の動作)につい
て説明する。第Nフレームの期間t10に至る前(第N
−1フレームの期間t26の最後の状態)、駆動パルス
φPX1,PX2、駆動パルスφTG1、駆動パルスφ
RG1、駆動パルスφVはローレベルに保持されてい
る。なお、前記駆動パルスφPX2は、期間t21に至
るまでローレベルに保持され続け、第Nフレームの期間
t10から期間t16では、第2行目の画素1,1は垂
直読み出し線2a,2bから分離されてる(非選択)。
【0116】期間t10に至る前は、駆動パルスφTG
1がローレベルのため転送用MOSトランジスタQTは
オフ、駆動パルスφRG1がローレベルのためリセット
用MOSトランジスタQR1もオフとなっている。この
とき増幅用トランジスタQAのゲートはフローティング
状態となるが、寄生容量(電荷蓄積部CS1)の効果に
よりこの時点ですでにゲートに転送されている信号電
荷、即ち、直前のフレームでの入射する赤外線輻射量に
応じた電荷(第1の信号電荷)に応じた電圧がバイアス
された状態に保持されている。
【0117】一方、赤外線用フォトダイオードPD側で
は、現在のフレームで入射した赤外線輻射量に応じた電
荷(第2の信号電荷)が生成・蓄積されている。その
後、期間t11に至ると、駆動パルスφPX1がローレ
ベルからハイレベルに反転することで、すでに第N−1
フレームで増幅用トランジスタQAのゲートに転送され
そのままゲートに保持されている電荷(第1の信号電
荷)に応じた電気信号(電圧信号)が、そのソースホロ
ワ動作によって垂直読み出し線2aに供給される(選
択)。
【0118】そして、期間t11の終了時、即ち、期間
t12の開始時には、駆動パルスφRG1がハイレベル
に反転されることによりリセット用MOSトランジスタ
QR1がオンとなって、増幅用トランジスタQAのゲー
トに蓄えられていた電荷が排出される(リセット)。そ
して、期間t12の終了時、即ち、期間t13に至る
と、駆動パルスφRG1が再びローレベルに反転される
ことによって上記リセットが解除され、増幅用トランジ
スタQAのゲートはフローティング状態となる。しか
し、寄生容量(電荷蓄積部CS1)の効果により、リセ
ットされたときのバイアス状態が保持され、そのバイア
ス状態に応じた電気信号(以下暗出力信号VDと称す
る)が、増幅用トランジスタQAがソースフォロワ動作
を行うことにより、ホールド容量CVの一方の電極CV
Aに供給される。
【0119】また、時刻t12の開始時に駆動パルスφ
Vがハイレベルになることにより、スイッチ用MOSト
ランジスタQVがオンとなり、ホールド容量CVの他方
の電極CVBは接地される。これらの動作によって、前
述したようにホールド容量CVの両端の電位差が、暗出
力信号VDと等しくなる。
【0120】そして、期間t13の終了時、即ち、期間
t14に至ると、駆動パルスφVが再びローレベルに反
転され、駆動パルスφTG1がハイレベルに反転され
る。尚、この暗出力信号VDは、期間t13の終了時
(期間t14の開始時)に前記駆動パルスφVがローレ
ベルに反転されてスイッチ用MOSトランジスタQVが
オフになる時点までに、ホールド容量CVに充電され
る。
【0121】駆動パルスφTG1がハイレベルになるこ
とにより、転送用MOSトランジスタQTがオンとな
り、この時点までに赤外線用フォトダイオードPDにお
いて生成・蓄積された赤外線輻射量に応じた電荷(現在
のフレームに対する電荷=第2の信号電荷)が、新たに
増幅用トランジスタQAのゲートに転送用MOSトラン
ジスタQTを介して転送される。
【0122】この場合、増幅用トランジスタQAはソー
スホロワ動作をして、第2の信号電荷に応じた第2の出
力信号(現在のフレームに対する電気信号=第2の電気
信号)が垂直読み出し線2aに転送される。そして、期
間t14の終了時、即ち、期間t15の開始時には駆動
パルスφTG1がローレベルに反転され、転送用MOS
トランジスタQTがオフとなって、赤外線用フォトダイ
オードPDにおいて生成・蓄積された赤外線輻射量に応
じた電荷(現在のフレームに対する電荷=第2の信号電
荷)の増幅用トランジスタQAのゲートへの転送が終了
する。
【0123】このとき、増幅用トランジスタQAのゲー
トは再びフローティング状態となるが、その寄生容量
(電荷蓄積部CS1)の効果によって、転送された電荷
(現在のフレームに対する電荷=第2の信号電荷)の分
だけ該ゲートの電圧が変化したままその状態が保持され
る。この場合、増幅用トランジスタQAからはそのソー
スホロワ動作によって、電荷の転送後ゲートに蓄積され
たままの電荷(現在のフレームに対する電荷=第2の信
号電荷)に応じた電気信号(現在のフレームに対する電
気信号=第2の電気信号、以下VBと表記する)が、ホ
ールド容量CVの一方の電極CVAに出力される。
【0124】ところで、この第Nフレーム(現在のフレ
ーム)で得られた電荷(現在のフレームに対する電荷=
第2の信号電荷)に応じた電気信号VBが、ホールド容
量CVの一方の電極CVAに出力される時点では、この
ホールド容量CVの両端には、上記したように暗出力信
号VDが蓄えられている。そしてホールド容量CVの一
方の電極CVAに、新たに第Nフレームで得られた電気
信号VBが供給されると、ホールド容量CVの他方の電
極CVBの電位は(VB−VD)となる。
【0125】ここで、電気信号VBは、暗出力信号VD
と第Nフレーム(現在のフレーム)で得られた電荷(現
在のフレームに対する電荷=第2の信号電荷)による増
幅用トランジスタQAのゲート電位の変化分に対する信
号(以下、赤外線映像信号VSと称する)の和と考えら
れる。即ち、 VB=VD+VS …(4) 従って、期間t15においてトランジスタQAがソース
フォロワ動作を行うことによって、ビデオ信号生成回路
30の出力は、 (VB−VD)=(VD+VS−VD)=VS …(5) となり、赤外線映像信号VS(差分のビデオ信号)のみ
が得られるこになる。
【0126】ところで、暗出力信号VDには、固定パタ
ーン雑音の原因となる増幅用トランジスタQAのゲート
・ソース間電圧のばらつきや、ランダム雑音の原因とな
るトランジスタQAのゲートをリセットした直後のリセ
ット雑音などが含まれていることがよく知られており、
結局、前記ビデオ信号生成回路30により、固定パター
ン雑音やランダム雑音を除去した差分のビデオ信号を得
ることができる。
【0127】なお、第Nフレームで増幅用トランジスタ
QAのゲートに転送された電荷は、該第Nフレームでは
第2の信号電荷として扱われるが、次の第N+1フレー
ム(図示省略)では、第1の信号電荷として扱われるこ
とになる。また、すでに説明したように期間t15にお
いては、異値検出回路50から異値信号が出力されるの
で、動体検出(異値信号の生成)とビデオ信号の生成を
同時に行うことができる。
【0128】なお、この第1の実施形態の画素1,1,
1,1は、上述のように白金シリサイドとp型シリコン
基板間に形成されるショットキー接合型の赤外線用フォ
トダイオードPDである。光電変換部のバンドギャップ
は、赤外線によりキャリアが励起されるように低く形成
され、背景の熱によってもキャリアが励起されてしま
う。このため、本実施形態の動体検出用赤外線固体撮像
装置は、液体窒素温度に冷却して使用される。
【0129】また、光電変換部のバンドギャップが低い
ため、過剰電荷は基板側に逃げるので、光電変換部のシ
ョットキー接合以外にオーバーフロードレイン構造を設
置しなくとも良い。すなわち、光電変換部のショットキ
ー接合によって、ブルーミング、スミア等のにじみの現
象を抑制することができる。以上説明した動体検出用赤
外線固体撮像装置10によれば、連続した2フレームの
赤外線の輝度差を、異値検出回路20の働きによって、
容易に生成することができる。この場合、異値信号は、
水平読み出し線12に転送する時点で2値化されている
ので、シフトレジスタ13を用いて、異値信号を出力端
子VOから高速に出力できる。また、動体検出用赤外線
固体撮像装置10の異値検出回路20によって異値信号
が生成されるとともに、他方では、ビデオ信号生成回路
30によってビデオ信号が生成されるようになってい
る。
【0130】このように1つの動体検出用赤外線固体撮
像装置10で、異値信号と、ビデオ信号(赤外線映像信
号)を同時に生成して、表示装置等で、選択的に表示す
ることが可能になると、動体検出用赤外線固体撮像装置
10を用いた画像処理の利用分野が著しく拡大する。例
えば、防犯用監視システム等に動体検出用赤外線固体撮
像装置10を使用するのであれば、以下のような用途が
考えられる。すなわち、動体検出用赤外線固体撮像装置
10に接続される表示装置(CRT等)に、常時は異値
信号に基づいた動体の表示をさせ、他方で、ビデオ信号
を記録装置に記録しておく。このように、常時は、異値
信号で動体のみを表示させることで被写体の動きのみを
抽出して監視し、必要に応じてビデオ信号を再生して、
その画像を出力することで、効率のよい監視が可能にな
る。
【0131】また、この実施形態の動体検出用赤外線固
体撮像装置10を、実際に防犯用監視システムに用いる
に当って、例えば、昼間、人の往来の激しい場所で人間
(動体)の監視を行う場合にはアナログ信号(ビデオ信
号)を用いたアナログ画像を生成してこれを基に監視を
行い、夜間、人の往来が途絶えたときにその監視を行う
場合には異値信号(2値化信号)を用いた2値画像を生
成してこれを基に監視を行うことが考えられる。
【0132】この昼間のアナログ画像(ビデオ信号)に
よる監視と、夜間の2値画像(異値信号)による監視を
行うにあたっては、動体検出用赤外線固体撮像装置10
の駆動タイミングを変更する必要がなく、容易にしか
も、適宜、画像を切り替えることで各々の監視を行うこ
とができる。すなわち、状況に応じて、適宜、アナログ
画像と2値画像の両方若しくは一方を用いた最適な監視
を行うことができる。
【0133】なお、アナログ画像を用いた監視(例えば
昼間)と2値画像を用いた監視(夜間)との切替(例え
ば、モニタ画面上での再生)は、例えば、タイマ、時計
等を用いて自動的に、しかも容易に行うことができる。
さらに、アナログ画像を用いた監視と2値画像を用いた
監視の切替は、例えば、2値化信号の変化の様子を検出
し、2値化信号の変化が、ある値以上のときにアナログ
信号(ビデオ信号)を用いた監視に、ある値以下のとき
に当該2値化信号(異値信号)を用いた監視に自動的に
切り替えるようにしてもよい。
【0134】また、本実施形態の動体検出用赤外線固体
撮像装置10は、上述したとおり、動きの検出の他、撮
像範囲内の温度変化領域を検出することができる。この
ため、火災検知器としても使用できる。即ち、火災が生
じた場合、同一場所の赤外線輻射量が増大し、且つ、温
度上昇する領域が拡大していく。このような事象を検出
することで、火災の有無を監視することが可能となる。
このようなシステムに動体検出用赤外線固体撮像装置1
0を採用すれば、一台のシステムで極めて広範囲を監視
することができるという効果もある。
【0135】さらに、動体検出用赤外線固体撮像装置1
0から出力される赤外線映像信号は、その輝度により温
度さえも計測することができる。そして、例えば、人と
自動車等の機械とを区別することも可能である。よっ
て、人の動体を検出したときだけ、警報を発令すること
もできる。図7は、第1の実施形態の変形例に係る動体
検出用赤外線固体撮像装置110である。第1の実施形
態の動体検出用赤外線固体撮像装置10との構成上の相
違点は、ビデオ信号生成回路(30)とビデオ信号を出
力する第2の水平走査回路が削除されている点にある。
このような構成では、赤外線映像信号(ビデオ信号)は
出力されず、異値信号のみ出力される。しかし、異値信
号が出力されることにより、物体の動き又は温度変化領
域の存在が検出される。このため、上記の火災監視シス
テムや防犯用監視システムに利用できる。
【0136】また、このような構成にすればシステムが
簡略化される。このため、システムが更に小型化、ロー
コスト化されるという効果もある。 (第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態につ
いて、図8及び図9を用いて説明する。この第2の実施
形態は、2つの連続したフレーム(第N−1フレーム,
第Nフレーム)間の電気信号を比較して異値信号を出力
する異値検出回路(信号比較回路)50の構成のみが、
上記した第1の実施形態の動体検出用赤外線固体撮像装
置10と異なっている。
【0137】尚、図8では、説明を簡単にするために、
複数の垂直読み出し線(2a,2b)のうち、1つの列
に係る垂直読み出し線2aに配置された異値検出回路5
0のみを示す。また、この第2の実施形態では、その画
素1は、第1の実施形態の画素1,1,1,1と同一で
あるため、その詳細な説明は省略する。以下、垂直読み
出し線2aに配置された異値検出回路(信号比較回路)
50について説明する。
【0138】異値検出回路50は、同図に示すように、
2つのコンデンサCCA,CCBと、5つのインバータ
INV1〜INV5と、4つのスイッチ用MOSトラン
ジスタQB1〜QB4と、論理和回路ORとによって構
成されている。このうち、コンデンサCCAとスイッチ
用MOSトランジスタQB1とによって第1のサンプル
ホールド回路50Aが構成され、コンデンサCCBとス
イッチ用MOSトランジスタQB2とによって第2のサ
ンプルホールド回路50Bが構成されている。
【0139】コンデンサCCA,CCBの一方の電極
は、垂直読み出し線2aに接続され、他方の電極は、各
々、インバータINV1,INV2(2値化回路)の入
力端子に接続されると共に、スイッチ用MOSトランジ
スタQB1,QB2のドレインに各々接続されている。
前記インバータINV1の出力端子には、インバータI
NV3,INV5を介して前記論理和回路ORの一方の
入力端子が接続されている。一方、前記インバータIN
V2の出力端子には、インバータINV4を介して前記
論理和回路ORの他方の入力端子が接続されている。
【0140】そして、インバータINV3の出力端子は
インバータINV1の入力端子に接続されて閉ループを
構成し、インバータINV4の出力端子はインバータI
NV2の入力端子に接続されて閉ループを構成してい
る。また、インバータINV3の出力端子からインバー
タINV1の入力端子に至る信号線上にはスイッチ用M
OSトランジスタQB3が、インバータINV4の出力
端子からインバータINV2の入力端子に至る信号線上
にはスイッチ用MOSトランジスタQB4が各々設けら
れている。
【0141】この異値検出回路50では、図には現れて
いないが、第1の実施形態の異値検出回路20と同様
に、その出力(論理和回路ORの出力)が、シフトレジ
スタ(信号転送回路)の対応するビットのレジスタ(記
憶回路)のデータ入力端子に接続されている。そして、
シフトレジスタ(第1の信号転送回路)の出力が水平読
み出し線に接続されている。
【0142】しかして、異値検出回路50の出力信号
(直前のフレームと現在のフレームの電気信号の差をあ
らわす異値信号)は、所定のタイミングで該シフトレジ
スタの対応するレジスタに記憶され、シフトレジスタに
入力されるクロックパルスφCKに応じて、当該シフト
レジスタの出力端子から順次出力されるようになってい
る。
【0143】次に、本動体検出用赤外線固体撮像装置の
異値検出回路50の動作について、図9に示すタイミン
グチャートを用いて説明する。図9は、図4と同様に、
一定のタイミング毎に入射する赤外線輻射量を検知する
1つの画素1が、連続した2フレーム(第N−1フレー
ム、第Nフレーム)で入射する赤外線輻射量を検出し
て、その読み出し動作を行う場合を示している。尚、以
下では、第Nフレームにおける第1行目の画素1の読み
出し動作を、図9の第Nフレームの期間t10の直前の
動作から説明する。
【0144】この第Nフレームの期間t10に至る前
(第N−1フレームの期間t26)、増幅用トランジス
タQAのゲートはフローティング状態であるが、寄生容
量(電荷蓄積部CS1)の効果によりこの時点ですでに
ゲートに転送されている信号電荷、即ち、直前のフレー
ム(第N−1フレーム)で入射した赤外線輻射量に応じ
て生成された電荷(第1の信号電荷)に応じた電圧がバ
イアスされた状態に保持されている。
【0145】一方、赤外線用フォトダイオードPD側で
は、現在のフレーム(第Nフレーム)での入射した赤外
線輻射量に応じた電荷(第2の信号電荷)が生成・蓄積
されている。先ず、期間t10では、それまでハイレベ
ルに保持されていた駆動パルスφSBが、ローレベルに
反転される。
【0146】次の期間t11に至ると、駆動パルスφP
X1がハイレベルとなることによって、すでに第N−1
フレームでトランジスタQAのゲートに転送され、その
ままゲートに保持されている電荷(第1の信号電荷)に
応じた電気信号(電圧信号)が、そのソースホロワ動作
によって、2つのコンデンサCCA、CCBの一方の電
極CCA1,CCB1に供給される。
【0147】また、駆動パルスφSAがハイレベルとな
ることによって、スイッチ用MOSトランジスタQB
1,QB2がオンとなって、2つのコンデンサCCA、
CCBの他方の電極CCA2,CCB2に、一定電圧V
R1(=VT−Vth),VR2(=VT+Vth)が
各々供給される。またこのとき、駆動パルスφSBがロ
ーレベルのままであるため、インバータINV3の出力
端子からインバータINV1の入力端子への経路、及
び、インバータINV4の出力端子からインバータIN
V2の入力端子への経路が遮断される。
【0148】これらの動作によって、コンデンサCCA
の両端の電位差が第N−1フレームにおける赤外線輻射
量に応じた電気信号(VAと表記する)と一定電圧VR
1(=VT−Vth;ここではVthが第1の所定値)
との差分となる。一方、コンデンサCCBでは、その両
端の電位差が第N−1フレームにおける電気信号VAと
一定電圧VR2(=VT+Vth;ここではVthが第
2の所定値)との差分となる。
【0149】期間t12に至ると、駆動パルスφSAが
ローレベルに反転され、コンデンサCCAの両端にその
まま第N−1フレームにおける電気信号VAと一定電圧
VR1(=VT−Vth)との差分が蓄えられ、コンデ
ンサCCBの両端にそのまま第N−1フレームにおける
電気信号VAと一定電圧VR2(=VT+Vth)との
差分がそのまま蓄えられる。
【0150】また、駆動パルスφRG1がハイレベルと
なることによりリセット用MOSトランジスタ(nチャ
ネル型)QR1がオンとなって、増幅用トランジスタQ
Aのゲートに蓄えられていた電荷が排出される(リセッ
ト)。期間t13に至ると駆動パルスφRG1が再びロ
ーレベルに反転されて上記リセットが解除される。
【0151】期間t14に至ると、今度は駆動パルスφ
TG1がローレベルに反転され、転送用MOSトランジ
スタQTがオンとなり、この時点までに赤外線用フォト
ダイオードPDにおいて生成・蓄積された赤外線輻射量
に応じた電荷(第2の信号電荷)が、新たに増幅用トラ
ンジスタQAのゲートに転送用MOSトランジスタQT
を介して転送される。この場合、増幅用トランジスタQ
Aはソースホロワ動作をして、第2の信号電荷に応じた
第2の出力信号(第2の電気信号)が垂直読み出し線2
aに転送される。
【0152】期間t15に至ると、駆動パルスφTG1
がローレベルとなることで転送用MOSトランジスタQ
Tがオフとなって、赤外線用フォトダイオードPDにお
いて生成・蓄積された入射する赤外線輻射量に応じた電
荷(第2の信号電荷)のトランジスタQAのゲートへの
転送が終了する。このとき、増幅用トランジスタQAの
ゲートは再びフローティング状態となるが、その寄生容
量(電荷蓄積部CS1)の効果によって、転送された電
荷(第2の信号電荷)の分だけ該ゲートの電圧が変化し
たままその状態が保持される。
【0153】この場合、増幅用トランジスタQAからは
そのソースホロワ動作によって、電荷の転送後ゲートに
蓄積されたままの電荷(第2の信号電荷)に応じた電気
信号(VBと表記する)が、2つのコンデンサCCA、
CCBの一方の電極CCA1,CCB1に出力される。
ところで、この第Nフレーム(現在のフレーム)で得ら
れた電荷(第2の信号電荷)に応じた電気信号VBが、
コンデンサCCA、CCBの一方の電極CCA1,CC
B1に出力される時点では、これら2つのコンデンサC
CA、CCBの両端には、上記したように第N−1フレ
ームにおける電気信号VAと一定電圧VR1(=VT−
Vth)との差分、同様に電気信号VAと一定電圧VR
2(=VT+Vth)との差分が蓄えられている。
【0154】そしてコンデンサCCAに関しては、その
一方の電極CCA1に、新たに第Nフレームで得られた
電気信号VBが供給されると、コンデンサCCAの他方
の電極CCA2の電位は(VB+VR1−VA)とな
る。一方、コンデンサCCBに関しては、その一方の電
極CCB1に電気信号VBが供給されると、他方の電極
CCB2の電位は(VB+VR2−VA)となる。
【0155】ここで、VR1(=VT−Vth),VR
2(=VT+Vth)を決定する値のうちVTを、イン
バータINV1、インバータINV2の閾値電圧とした
場合を考える。このとき、インバータINV1は、その
入力側の電位(この場合、VB+VR1−VA)がVT
より大きくなったとき(VB+VR1−VA>VT)、
ローレベルの信号を出力するのであるから、現在のフレ
ームで得られた電気信号VBが、VT+VA−VR1よ
り大きくなったときに、ローレベルの信号を出力する。
【0156】ここで、VR1は(VT−Vth)である
から、結果として、インバータINV1は、VBが(V
A+Vth)より大きくなったときローレベルの信号
を、VBが(VA+Vth)より小さくなったときハイ
レベルの信号を出力する。また、インバータINV2に
関しては、その入力側の電位(この場合、VB+VR2
−VA)がVTより大きくなったとき(VB+VR2−
VA>VT)、ローレベルの信号を出力するのであるか
ら、現在のフレームで得られた電気信号VBが、VT+
VA−VR2より大きくなったときに、ローレベルの信
号を出力する。
【0157】ここで、VR2は(VT+Vth)である
から、結果として、インバータINV2は、VBが(V
A−Vth)より大きくなったときローレベルの信号
を、VBが(VA−Vth)より小さくなったときハイ
レベルの信号を出力する。上記したインバータINV1
の出力信号は、インバータINV3、インバータINV
5でそれぞれ反転された後、論理和回路ORの一方の入
力端子に転送され、インバータINV2の出力信号は、
インバータINV4によって反転された後、論理和回路
ORの他方の入力端子に転送される。
【0158】図9の説明に戻り、この期間t15で、駆
動パルスφLDがハイレベルとなることで、このとき出
力された信号(異値信号)が、シフトレジスタ13のレ
ジスタに記憶される。そして、次の期間t16では、駆
動パルスφSBがハイレベルに反転されるとともに、ク
ロックパルスφCKが、一定間隔で複数回、ハイレベル
に立ち上げられる。
【0159】駆動パルスφSBがハイレベルとなること
で、インバータINV3の出力端子とインバータINV
1の入力端子が接続されて閉ループが形成され、一方
で、インバータINV4の出力端子とインバータINV
2の入力端子が接続されて閉ループが形成される。この
ようにインバータINV3とインバータINV1との間
で閉ループが形成されると、インバータINV1の出力
が固定化され、同様に、インバータINV4とインバー
タINV2との間で閉ループが形成されることによっ
て、インバータINV2の出力が固定化される。このイ
ンバータINV1,2の出力の固定化は、駆動パルスφ
SBがローレベルに反転されるまで(期間t20)行わ
れる。
【0160】また、この期間t16においては、クロッ
クパルスφCKが立ち上がる毎に、水平読み出し線12
に、各レジスタに記憶された異値信号が、順次出力され
る。この場合、水平読み出し線(図示省略)に供給され
る電圧信号(異値信号)は、当該異値検出回路50によ
ってすでに2値化(ディジタル化)されているため、そ
の読み出し動作の高速化が図られる。また、水平読み出
し線に読み出される信号がディジタル信号なので、雑音
の影響を受けずに信号を出力することができる。
【0161】以上のように、異値検出回路50の出力
(論理和回路ORの出力)は、(1) VBが(VA+
Vth)より大きくなったとき、即ち、(VB−VA)
がVthより大きくなったとき、(2) VBが(VA
−Vth)より小さくなったとき、即ち、(VA−V
B)がVthより大きくなったときの何れかの条件が満
たされたとき論理ハイレベルの信号を出力する。
【0162】なお、第Nフレームで増幅用トランジスタ
QAのゲートに転送された電荷は、該第Nフレームでは
第2の信号電荷として扱われるが、次の第N+1フレー
ム(図示省略)では、第1の信号電荷として扱われるこ
とになる。以上説明した第2の実施形態でも、異値信号
と、ビデオ信号を同時に生成して、表示装置等で、選択
的に表示することが可能になるので、第1の実施形態と
同様に、画像処理の利用分野が著しく拡大する。
【0163】なお、上記した第1及び第2の実施形態で
は、画素1,1…と、垂直読み出し線2a,2bを接続
・分離する接続分離回路として画素分離用MOSトラン
ジスタQXを用いた例をあげて説明したが、これに限る
ことなく、例えば、画素1,1…の増幅用トランジスタ
QAのゲートにコンデンサの一方の電極を接続し、他方
の電極印加される電圧を制御して、その接続・分離を行
うようにしても良い。
【0164】さらに、上記第1および第2の実施形態で
は、画素1,1…が2次元マトリックス上に配列されて
いる場合を説明したが、1次元上に配列される場合にお
いても、本発明は、同様に適用できるのは勿論である。 (第3の実施形態)以下、本発明の第3の実施形態につ
いて、図10、図11を用いて説明する。この第3の実
施形態は、画素141の構成と垂直走査回路146が前
記第1の実施形態(又は第2の実施形態)の画素1垂直
走査回路6と異なっている。
【0165】図10は、本発明の第3の実施形態の画素
部を示す回路図である。図から判るように、赤外線用フ
ォトダイオードPD、増幅用トランジスタQA、転送用
MOSトランジスタQT、リセット用MOSトランジス
タQR1、画素分離用MOSトランジスタQXは、第1
の実施形態と同じである。よって、p型シリコン基板に
よるショットキー接合を使用することや、上記のトラン
ジスタがすべてnチャネル型であることも同様であり、
ここではその構成や効果に関する説明を省略する。
【0166】本実施形態の画素141が第1の実施形態
の画素1と異なる点は、第2のリセット用MOSトラン
ジスタQR2が赤外線用フォトダイオードPDと電源V
RDの間に配置される点にある。当然ながら、第2のリ
セット用MOSトランジスタQR2は、nチャネル型で
構成されたMOSトランジスタである。そして、第2の
リセット用MOSトランジスタQR2のゲートは、垂直
走査回路146から出力される駆動パルスφRP1(別
の行ではφRP2、φRP3・・・)が印加されるよう
になっている。
【0167】第1の実施形態では、転送用MOSトラン
ジスタQTがオンすることにより、赤外線用フォトダイ
オードPDで生じて蓄積されたの信号電荷が増幅用トラ
ンジスタQAに転送されて、当該赤外線用フォトダイオ
ードPDがリセットされる。一方、本実施形態では、第
2のリセット用MOSトランジスタQR2がオンされる
と、赤外線用フォトダイオードPDに電源VRDが供給
されて当該赤外線用フォトダイオードPDがリセットさ
れる。即ち、赤外線用フォトダイオードPDは、転送用
MOSトランジスタQTの動作によらずとも、リセット
することが可能となる。よって、仮に信号電荷が転送動
作の際に、赤外線用フォトダイオードPDに残留したと
しても、第2のリセット用MOSトランジスタQR2を
動作させることにより、完全にこれをリセットすること
が可能となる。リセットを完全に行えば、残像の発生の
無い良好な赤外線映像が得られる。また、それにより、
誤信号の可能性がより少ない異値信号を得ることができ
る。
【0168】ところで、ショットキー型の赤外線用フォ
トダイオードは、バイアス電圧を大きくすれば感度が向
上することが知られている。即ち、バイアス電圧が大き
いと、電荷の発生量がより多くなる。一方、第2のリセ
ット用MOSトランジスタQR2により完全にリセット
されると、バイアス電圧は、不完全なリセットに比べて
より大きくなる。よって、第2のリセット用MOSトラ
ンジスQR2を配置させることにより、本装置の赤外線
用フォトダイオードは、赤外線に対して高感度になると
いう効果もある。
【0169】次に、上記構成の画素141の動作につい
て、図11に示すタイミングチャートに従って説明す
る。尚、図11には、一定のタイミング毎に入射する赤
外線輻射量を検知する1つの画素141が、連続した2
フレーム、即ち第N−1フレーム(直前のフレーム)、
第Nフレーム(現在のフレーム)で入射する赤外線輻射
量を検出して、その読み出し動作を行う場合を示してい
る。また、その他の駆動パルス波形は、図4におけるφ
RSVより下の駆動パルス波形と同じであるから省略し
てある。
【0170】また、マトリックス状に配置された画素の
うち同一の行の画素の読み出し動作は同じである。ここ
で、図11の第N−1フレームまたは第Nフレームの期
間t10〜t16が第1行目の画素の読み出し動作を、
期間t20〜t26が、第2行目の画素の読み出し動作
を各々示している。また、ここでも、増幅用トランジス
タQAのゲート容量、転送用MOSトランジスタの拡散
容量、及び配線容量の各寄生容量の総和を「電荷蓄積部
CS1」と称す。
【0171】以下、第Nフレーム(現在のフレーム)に
おける第1行目の画素の読み出し動作を中心に説明す
る。従って、図11のタイミングチャートの第Nフレー
ムの期間t10に至ったときから説明する。尚、第N−
1フレームにおける読み出し動作は、以下に説明する第
Nフレームにおける読み出し動作と同じである。第Nフ
レームでの期間t10に至る直前(第N−1フレームの
期間t26最後)、駆動パルスφTG1,φTG2がロ
ーレベルのため各画素の転送用MOSトランジスタQT
はオフとなり、駆動パルスφRG1,φRG2がローレ
ベルのため各画素のリセット用MOSトランジスタQR
1はオフとなっている。
【0172】従って、このとき増幅用トランジスタQA
のゲートはフローティング状態とされるが、電荷蓄積部
CS1の効果により、すでに直前の第N−1フレームで
転送用MOSトランジスタQTを介して各増幅用トラン
ジスタQAのゲートに転送された赤外線輻射量に応じた
電荷(第1の信号電荷)は、当該転送用MOSトランジ
スタQTがオフとなった後も各増幅用トランジスタQA
のゲートに保持された状態となっている。増幅用トラン
ジスタQAは、そのゲートに蓄積された電荷が残ってい
る間(リセットされるまでの期間)に画素分離用MOS
トランジスタQXがオンになると、ソースホロワ動作に
よりそのゲート電圧に応じた電気信号を出力する。
【0173】期間t11に至ると、駆動パルスφPX1
がハイレベルに反転されることによって、第1行目の各
画素の画素分離用MOSトランジスタQXがオンとな
り、当該増幅用トランジスタQAは、ソースが当該垂直
読み出し線2a,2bに接続され、オン(選択)とな
る。このとき、第1行目の各画素の増幅用トランジスタ
QAのゲートには、すでに直前のフレームにおいて(第
N−1のフレームの期間t14において)赤外線輻射量
に応じた第1の信号電荷が転送され、該転送用MOSト
ランジスタQTがオフとなった後も第1の信号電荷がそ
のまま保持されている。そして、この保持された第1の
信号電荷に応じた電気信号が垂直読み出し線2a,2b
に出力される。
【0174】このとき、この第1行目の各増幅用トラン
ジスタQAは、上記したように、そのゲートに、直前の
フレーム(第N−1フレームの期間t14)において第
1の信号電荷が転送され、転送終了後(転送用MOSト
ランジスタQTがオフ)もそのゲート電圧を保持してい
るため、ソースホロワ動作によって第1の信号電荷に応
じた第1の出力信号(第1の電気信号)を出力する。
【0175】期間t11の終了時、即ち、期間t12に
至ると、駆動パルスφRG1がハイレベルに反転するこ
とにより、第1行目の各リセット用MOSトランジスタ
QR1がオンとなり、電源電圧VRD(読み出しレベ
ル)が第1行目の各増幅用トランジスタQAのゲートに
伝わる(CS1のリセット)。このリセット用MOSト
ランジスタQR1のオンにより、前記増幅用トランジス
タQAのゲートから前記第1の信号電荷が排出されると
共に、該増幅用トランジスタQAのゲートが上記した電
源電圧VRD(読み出しレベル)にバイアスされる。し
かし、転送用MOSトランジスタQTはオフされている
ので、赤外線用フォトダイオードPDには電源電圧VR
Dが印加されない。
【0176】期間t12の終了時、即ち、期間t13に
至ると、駆動パルスφRG1がローレベルに反転され、
第1行目の各リセット用MOSトランジスタQR1が再
びオフとなる。これにより、第1行目の増幅用トランジ
スタQAのゲートはフローティング状態とされるが、電
荷蓄積部CS1の効果によって、当該ゲートは、前記電
源電圧VRD(読み出しレベル)にバイアスされたまま
の状態が保持される。
【0177】期間t13の終了時、即ち、期間t14に
至ると、駆動パルスφTG1がハイレベルに反転され、
第1行目の各画素141の転送用MOSトランジスタQ
Tがオンとなり、第1行目の各画素1の赤外線用フォト
ダイオードPDにおいて生成・蓄積された赤外線輻射量
に応じた電荷(第2の信号電荷)が、第1行目の各画素
の増幅用トランジスタQAのゲートに転送される。この
第2の信号電荷が、第Nフレームにおける入射した赤外
線輻射量に応じた信号電荷となる。
【0178】このように増幅用トランジスタQAのゲー
トに、第Nフレーム(現在のフレーム)における入射し
た赤外線輻射量に応じた電荷(第2の信号電荷)が転送
されると、各増幅用トランジスタQAのゲート電位は、
転送された電荷の分だけ変化するので、第1行目の増幅
用MOSトランジスタQAがソースホロワ動作をし、当
該増幅用トランジスタQAのソースの電位は、前記ゲー
ト電位の変化分だけ変化する。
【0179】この場合、ソースホロワ動作をする第1行
目の各増幅用トランジスタQAからは第2の信号電荷に
応じた第2の出力信号(第2の電気信号)が、このとき
オンとなっている画素分離用MOSトランジスタQXを
介して、垂直読み出し線2a,2bに出力される。期間
t14の終了時、即ち、期間t15の開始時には駆動パ
ルスφTG1がローレベルに反転され、第1行目の各転
送用MOSトランジスタQTがオフとなり、第1行目の
画素の赤外線用フォトダイオードPDにおいて生成・蓄
積された赤外線輻射量に応じた電荷(第2の信号電荷)
の増幅用トランジスタQAのゲートへの転送が終了し、
該増幅用トランジスタQAのゲートは再びフローティン
グ状態とされる。しかし、電荷蓄積部CS1の効果によ
って、転送された電荷(第2の信号電荷)の分だけ該ゲ
ートの電位が変化したままその状態が保持される。
【0180】ついでながら、この第Nフレームで、現在
のフレームに対する第2の信号電荷として当該ゲートに
転送された電荷は、次の第N+1フレーム(図示省略)
でこのゲートがリセットされるまで(リセット用MOS
トランジスタQR1がオンとなるまで)保持される。こ
の結果、このときゲートに蓄積されている電荷が、第N
+1フレームでは第1の信号電荷(直前のフレームに対
する電荷)として用いられる。
【0181】このように転送用MOSトランジスタQT
がオンとなって第2の信号電荷が、増幅用トランジスタ
QAのゲートに一旦転送され、その後、転送用MOSト
ランジスタQTがオフとなっても、当該第2の信号電荷
がゲートに保持されるので、画素分離用MOSトランジ
スタQXがオン状態であれば、増幅用トランジスタQA
からは、その後ゲートがリセットされるまでのソースホ
ロワ動作で(期間t14以降)、ゲートに蓄積された電
荷(第2の信号電荷)に応じた信号(電圧信号)が出力
されることとなる。
【0182】期間t16に至ると、駆動用パルスφRP
1がハイレベルになり第2のリセット用MOSトランジ
スタQR2がオンとなり、赤外線用フォトダイオードP
Dは、リセット(プリチャージ)される。その後、駆動
用パルスφRP1は期間t16中にローレベルになる。
また、期間t16の後半、すなわち、期間t20に至る
前に駆動パルスφPX1がローレベルに戻され、第1行
目の画素が垂直読み出し線2a,2bから分離される。
【0183】続く期間t20〜t26においては、第2
行目の画素に対して、上記した期間t10〜t16にお
ける第1行目の画素の読み出し動作と同様の動作が繰り
返して行われ、この第2行目の画素から当該第Nフレー
ムにおける異値信号(ディジタル信号)が、順次出力端
子VOから出力される。なお、赤外線用フォトダイオー
ドPDが、入射する赤外線によって光電変換する期間
は、第2のリセット用MOSトランジスタQR2がオフ
してから転送用MOSトランジスタQTがオンする期
間、即ち、駆動パルスφRP1がローレベルに反転して
から駆動パルスφTG1がハイレベルに反転する期間で
ある。
【0184】一方、第1の実施形態においては、転送用
MOSトランジスタQTがオフしてから再度オンするま
での期間、即ち、図4において、駆動パルスφTG1が
ローレベルに反転してから、再度ハイレベルに反転する
までの期間である。このように、本実施形態の動体検出
用赤外線固体撮像装置は、第2のリセット用MOSトラ
ンジスタを配置したことにより、電子シャッターとして
の効果も有するのである。 (第4の実施例)以下、本発明の第4の実施形態につい
て、図12、図13を用いて説明する。この第4の実施
形態は、画素151の構成と垂直走査回路が156が前
記第1の実施形態(又は第2の実施形態)の画素1垂直
走査回路6と異なっている。
【0185】図12は、本発明の第4の実施形態の画素
151を示す回路図である。図から判るように、赤外線
用フォトダイオードPD、増幅用トランジスタQA、転
送用MOSトランジスタQT、リセット用MOSトラン
ジスタQR1、画素分離用MOSトランジスタQXは、
第1の実施形態と同じである。よって、p型シリコン基
板によるショットキー接合を使用することや、上記のト
ランジスタがすべてnチャネル型であることも同様であ
り、ここではその構成や効果に関する説明を省略する。
【0186】本実施形態の画素151が第1の実施形態
の画素1と異なる点は、第2の転送用MOSトランジス
タ(第2の転送回路)QRTが赤外線用フォトダイオー
ドPDと転送用MOSトランジスタQTの間、且つ、赤
外線用フォトダイオードPDとリセット用MOSトラン
ジスタQR1の間に配置される点にある。当然ながら、
第2の転送用MOSトランジスタQRTは、nチャネル
型で構成されたMOSトランジスタである。そして、第
2の転送用MOSトランジスタQRTのゲートは、垂直
走査回路156から出力される駆動パルスφRP1(別
の行ではφRP2、φRP3・・・)が印加されるよう
になっている。
【0187】第1の実施形態では、リセット用MOSト
ランジスタQR1がオンすることにより、増幅用トラン
ジスタQAのゲート(正確には電荷蓄積部CS1)がリ
セットされる。また、その後に転送用MOSトランジス
タQTがオンすることにより、赤外線用フォトダイオー
ドPDで生じて蓄積されたの信号電荷が増幅用トランジ
スタQAのゲートに転送されて、当該赤外線用フォトダ
イオードPDがリセットされる。
【0188】一方、本実施形態では、リセット用MOS
トランジスタQR1と転送用MOSトランジスタQTが
同時にオンされると、増幅用トランジスタQAのゲート
に電源電圧VRDが供給されてこれがリセットされる。
また、リセット用MOSトランジスタQR1と第2の転
送用MOSトランジスタQRTが同時にオンされると、
赤外線用フォトダイオードPDに電源VRDが供給され
て、これがリセットされる。
【0189】即ち、赤外線用フォトダイオードPDは、
増幅用トランジスタQAとは別個にリセットすることが
可能となる。よって、仮に信号電荷が転送動作の際に、
赤外線用フォトダイオードPDに残留したとしても、リ
セット用MOSトランジスタQR1と第2の転送用MO
SトランジスタQRTを同時にオンさせることにより、
完全にこれをリセットすることが可能となる。赤外線用
フォトダイオードPDのリセットを完全に行えば、残像
の発生の無い良好な赤外線映像が得られる。また、それ
により、誤信号の無い異値信号が得られる。
【0190】ところで、ショットキー型の赤外線用フォ
トダイオードは、バイアス電圧を大きくすれば感度が向
上することが知られている。即ち、バイアス電圧が大き
いと、電荷の発生量がより多くなる。一方、赤外線用フ
ォトダイオードPDがリセット用MOSトランジスタQ
R1及び第2の転送用MOSトランジスタにより完全に
リセットされると、バイアス電圧は、より大きくなる。
よって、本装置の赤外線用フォトダイオードは、不完全
なリセットに比べて赤外線に対して高感度になるという
効果もある。
【0191】次に、上記構成の画素151の動作につい
て、図13に示すタイミングチャートに従って説明す
る。尚、図13には、一定のタイミング毎に入射する赤
外線輻射量を検知する1つの画素151が、連続した2
フレーム、即ち第N−1フレーム(直前のフレーム)、
第Nフレーム(現在のフレーム)で入射する赤外線輻射
量を検出して、その読み出し動作を行う場合を示してい
る。また、その他の駆動パルス波形は、図4におけるφ
RSVより下の駆動パルス波形と同じであるから省略し
てある。
【0192】また、マトリックス状に配置された画素の
うち同一の行の画素の読み出し動作は同じである。ここ
で、図13の第N−1フレームまたは第Nフレームの期
間t10〜t16が第1行目の画素1の読み出し動作
を、期間t20〜t26が、第2行目の画素の読み出し
動作を各々示している。また、ここでも、増幅用トラン
ジスタQAのゲート容量、転送用MOSトランジスタの
拡散容量、及び配線容量の各寄生容量の総和を「電荷蓄
積部CS1」と称す。
【0193】以下、第Nフレーム(現在のフレーム)に
おける第1行目の画素の読み出し動作を中心に説明す
る。従って、図13のタイミングチャートの第Nフレー
ムの期間t10に至ったときから説明する。尚、第N−
1フレームにおける読み出し動作は、以下に説明する第
Nフレームにおける読み出し動作と同じである。第Nフ
レームでの期間t10に至る直前(第N−1フレームの
期間t26最後)、駆動パルスφTG1,φTG2がロ
ーレベルのため各画素の転送用MOSトランジスタQT
はオフとなり、駆動パルスφRG1,φRG2がローレ
ベルのため各画素のリセット用MOSトランジスタQR
1はオフとなっている。
【0194】従って、このとき増幅用トランジスタQA
のゲートはフローティング状態とされるが、電荷蓄積部
CS1の効果により、すでに直前の第N−1フレームで
転送用MOSトランジスタQTを介して各増幅用トラン
ジスタQAのゲートに転送された赤外線輻射量に応じた
電荷(第1の信号電荷)は、当該転送用MOSトランジ
スタQTがオフとなった後も各増幅用トランジスタQA
のゲートに保持された状態となっている。なお、増幅用
トランジスタQAは、そのゲートに蓄積された電荷が残
っている間(リセットされるまでの期間)に画素分離用
MOSトランジスタQXがオンになると、ソースホロワ
動作によりそのゲート電圧に応じた電気信号を出力す
る。
【0195】期間t11に至ると、駆動パルスφPX1
がハイレベルに反転されることによって、第1行目の各
画素の画素分離用MOSトランジスタQXがオンとな
り、当該増幅用トランジスタQAは、ソースが当該垂直
読み出し線2a,2bに接続され、オン(選択)とな
る。このとき、第1行目の各画素の増幅用トランジスタ
QAのゲートには、すでに直前のフレームにおいて(第
N−1のフレームの期間t14において)赤外線輻射量
に応じた第1の信号電荷が転送され、該転送用MOSト
ランジスタQTがオフとなった後も第1の信号電荷がそ
のまま保持されている。そして、この保持された第1の
信号電荷に応じた電気信号が垂直読み出し線2a,2b
に出力される。
【0196】このとき、この第1行目の各増幅用トラン
ジスタQAは、上記したように、そのゲートに、直前の
フレーム(第N−1フレームの期間t14)において第
1の信号電荷が転送され、転送終了後(転送用MOSト
ランジスタQTがオフ)もそのゲート電圧を保持してい
るため、ソースホロワ動作によって第1の信号電荷に応
じた第1の出力信号(第1の電気信号)を出力する。
【0197】期間t11の終了時、即ち、期間t12に
至ると、駆動パルスφRG1及びφTG1がハイレベル
に反転することにより、第1行目の各リセット用MOS
トランジスタQR1及び転送用MOSトランジスタQT
がオンとなり、電源電圧VRD(読み出しレベル)が第
1行目の各増幅用トランジスタQAのゲートに伝わる
(電荷蓄積部CS1のリセット)。
【0198】このリセット用MOSトランジスタQR1
及び転送用MOSトランジスタQTのオンにより、前記
増幅用トランジスタQAのゲートから前記第1の信号電
荷が排出されると共に、該増幅用トランジスタQAのゲ
ートが上記した電源電圧VRD(読み出しレベル)にバ
イアスされる。しかし、第2の転送用MOSトランジス
タQRTはオフされているので、赤外線用フォトダイオ
ードPDには電源電圧VRDが印加されない。
【0199】期間t12の終了時、即ち、期間t13に
至ると、駆動パルスφRG1及びφTG1がローレベル
に反転され、第1行目の各リセット用MOSトランジス
タQR1及び転送用MOSトランジスタQTが再びオフ
となる。このことにより、第1行目の増幅用トランジス
タQAのゲートはフローティング状態とされるが、電荷
蓄積部CS1の効果によって、当該ゲートは、前記電源
電圧VRD(読み出しレベル)にバイアスされたままの
状態が保持される。
【0200】期間t13の終了時、即ち、期間t14に
至ると、駆動パルスφTG1及びφRP1がハイレベル
に反転され、第1行目の各画素151の転送用MOSト
ランジスタQT及び第2の転送用MOSトランジスタQ
RTがオンとなり、第1行目の各画素の赤外線用フォト
ダイオードにおいて生成・蓄積された赤外線輻射量に応
じた電荷(第2の信号電荷)が、第1行目の各画素の増
幅用トランジスタQAのゲートに直接転送される。この
第2の信号電荷が、第Nフレームにおける入射した赤外
線輻射量に応じた信号電荷となる。このように増幅用ト
ランジスタQAのゲートに、第Nフレーム(現在のフレ
ーム)における入射した赤外線輻射量に応じた電荷(第
2の信号電荷)が転送されると、各増幅用トランジスタ
QAのゲート電位は、転送された電荷の分だけ変化する
ので、第1行目の増幅用MOSトランジスタQAがソー
スホロワ動作をし、当該増幅用トランジスタQAのソー
スの電位は、前記ゲート電位の変化分だけ変化する。
【0201】この場合、ソースホロワ動作をする第1行
目の各増幅用トランジスタQAからは第2の信号電荷に
応じた第2の出力信号(第2の電気信号)が、このとき
オンとなっている画素分離用MOSトランジスタQXを
介して、垂直読み出し線2a,2bに出力される。期間
t14の終了時、即ち、期間t15の開始時には駆動パ
ルスφTG及びφRP1がローレベルに反転され、第1
行目の各転送用MOSトランジスタQT及び第2の転送
用MOSトランジスタQRTがオフとなり、第1行目の
画素の赤外線用フォトダイオードPDにおいて生成・蓄
積された赤外線輻射量に応じた電荷(第2の信号電荷)
の増幅用トランジスタQAのゲートへの転送が終了し、
該増幅用トランジスタQAのゲートは再びフローティン
グ状態とされる。しかし、CS1の効果によって、転送
された電荷(第2の信号電荷)の分だけ該ゲートの電位
が変化したままその状態が保持される。
【0202】ついでながら、この第Nフレームで、現在
のフレームに対する第2の信号電荷として当該ゲートに
転送された電荷は、次の第N+1フレーム(図示省略)
でこのゲートがリセットされるまで(リセット用MOS
トランジスタQR1及び転送用MOSトランジスタQT
がオンとなるまで)保持される。この結果、このときゲ
ートに蓄積されている電荷が、第N+1フレームでは第
1の信号電荷(直前のフレームに対する電荷)として用
いられる。
【0203】このように転送用MOSトランジスタQT
及び第2の転送用MOSトランジスタQRTがオンとな
って第2の信号電荷が、増幅用トランジスタQAのゲー
トに一旦転送され、その後、これらのMOSトランジス
タがオフとなっても、当該第2の信号電荷がゲートに保
持されるので、画素分離用MOSトランジスタQXがオ
ン状態であるなら、増幅用トランジスタQAからは、そ
の後ゲートがリセットされるまでのソースホロワ動作で
(期間t14以降)、ゲートに蓄積された電荷(第2の
信号電荷)に応じた信号(電圧信号)が出力されること
となる。
【0204】期間t16に至ると、駆動パルスφRP1
及びφRG1がハイレベルになり第2の転送用MOSト
ランジスタQRT及びリセット用MOSトランジスタQ
R1がオンとなり、赤外線用フォトダイオードPDは、
リセット(プリチャージ)される。その後、駆動パルス
φRP1及びφRG1は期間t16中にローレベルにさ
れる。
【0205】また、期間t16の後半、すなわち、期間
t20に至る前に駆動パルスφPX1がローレベルに戻
され、第1行目の画素が垂直読み出し線2a,2bから
分離される。続く期間t20〜t26においては、第2
行目の画素に対して、上記した期間t10〜t16にお
ける第1行目の画素の読み出し動作と同様の動作が繰り
返して行われ、この第2行目の画素から当該第Nフレー
ムにおける異値信号(ディジタル信号)が、順次出力端
子VOから出力される。
【0206】なお、赤外線用フォトダイオードPDが、
入射する赤外線によって光電変換する期間は、第2の転
送用用MOSトランジスタQRT及びリセット用MOS
トランジスタQR1が同時にオフしてから転送用MOS
トランジスタQT及び第2の転送用MOSトランジスタ
QRTが同時にオンする期間、即ち、駆動パルスφRP
1及びφRG1が同時にローレベルに反転してから駆動
パルスφTG1及びφRP1が同時にハイレベルに反転
する期間である。
【0207】一方、第1の実施形態においては、転送用
MOSトランジスタQTがオフしてから再度オンするま
での期間、即ち、図4において、駆動パルスφTG1が
ローレベルに反転してから、再度ハイレベルに反転する
までの期間である。このように、本実施形態の動体検出
用赤外線固体撮像装置は、第2のリセット用MOSトラ
ンジスタを配置したことにより、電子シャッターとして
の効果も有するのである。
【0208】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、赤外線映
像による動体検出を行うことができる。また、本発明
は、連続した2フレーム間で得られた入射する赤外線輻
射量による電気信号(輝度信号)の差分を算出するの
で、いわゆる「動き」の検出ばかりではなく、撮像範囲
における温度変化領域なども検出することが可能であ
る。即ち、入射する赤外線輻射量の時間的変化を検出す
ることが可能となる。
【0209】請求項1に記載の発明によれば、連続した
2フレームの赤外線輻射量の差(輝度差)を、水平読み
出し線に転送する時点で2値化して出力できるので、動
体検出用赤外線固体撮像装置内での処理が可能になり、
その外部に、AD変換回路、画像メモリや画像処理回路
などの周辺回路を設ける必要がなくなり、装置全体とし
てコストの低減が図られる。
【0210】また、画素毎に異値信号を生成するための
回路(信号比較回路)を設ける場合に比べても、開口率
の向上、解像度の向上が図られる。また、画素から出力
された電気信号を、直前のフレームに対する電気信号と
現在のフレームに対する電気信号として用いて、異値信
号を生成しているので、トランジスタ毎の固定パターン
雑音や、ランダム雑音の影響を受けずに、動体検出処理
を行なうことができ、精度の高い、安定した動体検出処
理が可能になる。また、第1の水平読み出し線に読み出
される時点で、異値信号が2値化信号となっているた
め、シフトレジスタ等を用いた信号処理の高速化が図ら
れる。
【0211】請求項2に記載の発明によれば、動体検出
(異値信号の生成)と、赤外線映像信号であるビデオ信
号の生成とを同時に行うことができるので、上記の効果
の他、異値信号とビデオ信号を組み合わせた画像表示の
バリエーションが増えて、動体検出用赤外線固体撮像装
置の用途が著しく広がる。請求項3に記載の発明によれ
ば、連続した2フレームの電気信号を容易に画素から連
続して出力することが可能となる。
【0212】請求項4に記載の動体検出用赤外線固体撮
像装置によれば、光電変換部の赤外線に対する感度を向
上させることができ、また、汎用的なシリコン半導体プ
ロセスを採用することができる。請求項5または請求項
6に記載の発明によれば、電荷蓄積部(増幅用トランジ
スタのゲートを含む)のリセットと光電変換部のリセッ
トを個別に行うことが可能となる。よって、光電変換部
のリセット(プリチャージ)を十分に行うことができ、
例え光電変換部に電荷が残留していても残像等の発生の
無い良好な画像を得るという効果がある。
【0213】また、光電変換部のリセットを十分に行え
るので、光電変換部のバイアス電圧が増大して赤外線に
対する感度が向上するという効果もある。さらに、いわ
ゆる電子シャッター動作を容易に実現できるという効果
もある。請求項7に記載の発明によれば、連続した2フ
レームを2つのコンデンサにそれぞれ蓄積させ、それら
の信号を互いに比較して異値信号を得るので、信号比較
回路が簡略化されて小型化、低コスト化になる効果があ
る。
【0214】請求項8に記載の発明によれば、現在のフ
レームに対する出来信号と直前のフレームに対する電気
信号との大小関係の判別に用いるしきい値を自在に設定
できる。請求項9に記載の発明によれば、暗出力の差し
引かれたピュアな赤外線によるデオ信号がえられる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の動体検出用赤外線固
体撮像装置10の概略構成を示す模式回路図である。
【図2】動体検出用赤外線固体撮像装置10の異値検出
回路20の内部構成を示す回路図である。
【図3】動体検出用赤外線固体撮像装置10のビデオ信
号生成回路30の内部構成を示す回路図である。
【図4】動体検出用赤外線固体撮像装置10の動作を説
明するタイミングチャートである。
【図5】異値検出回路20内の異値検出器XAの入出力
特性の一例を示す特性図である。
【図6】動体検出用赤外線固体撮像装置10の赤外線用
フォトダイオードPD及び転送用MOSトランジスタQ
Tの構造を示す断面図である。
【図7】第1の実施形態の変形例に係る動体検出用赤外
線固体撮像装置110である。
【図8】本発明の第2の実施形態の異値検出回路50を
示す模式回路図である。
【図9】第2の実施形態の異値検出回路50の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態の画素を示す回路図
である。
【図11】第3の実施形態の画素の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態の画素を示す回路図
である。
【図13】第4の実施形態の画素の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【図14】従来の異値信号の生成するための画像処理装
置100を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,131,141,151 画素 2a,2b 垂直読み出し線 6 垂直走査回路 10、101 動体検出用赤外線固体撮像装置 12 水平読み出し線(第1の水平読み出し線) 13 シフトレジスタ(第1の水平走査回路) 20,50 異値検出回路(信号比較回路) 30 ビデオ信号生成回路 34 水平読み出し線(第2の水平読み出し線) 35 第2の水平走査回路 50A 第1のサンプルホールド回路 50B 第2のサンプルホールド回路 PD 赤外線用フォトダイオード(光電変換部) QA 増幅用MOSトランジスタ QT 転送用MOSトランジスタ QR1 リセット用MOSトランジスタ QX 画素分離用MOSトランジスタ QR スイッチ用MOSトランジスタ(第1のスイッチ
回路) QS スイッチ用MOSトランジスタ(第2のスイッチ
回路) QR2 第2のリセット用MOSトランジスタ QRT 第2の転送用MOSトランジスタ CR 第1の異値化用コンデンサ CS1 電荷蓄積部 CS 第2の異値化用コンデンサ XA 異値検出器 INV1,INV2 インバータ(2値化回路) CV ホールド容量 QV スイッチ用MOSトランジスタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状に配列され、入射する赤外
    線輻射量に応じた電気信号を出力する複数の画素と、 前記複数の画素の列毎に設けられた複数の垂直読み出し
    線と、 前記複数の画素の特定の行を選択して、当該画素からの
    電気信号を一定のタイミングで、当該垂直読み出し線に
    転送する垂直走査回路と、 前記複数の垂直読み出し線上に各々配置され、一定のタ
    イミングで画素から前記垂直読み出し線に出力された電
    気信号を直前のフレームの電気信号として記憶すると共
    に、該記憶した電気信号と、次の一定タイミングで当該
    画素から出力された現在のフレームに対する電気信号と
    を比較してこれらの比較した結果をあらわす異値信号を
    出力する信号比較回路と、 前記複数の垂直読み出し線から各々出力された異値信号
    を順次水平読み出し線に転送する水平走査回路とを備え
    ていることを特徴とする動体検出用赤外線固体撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 マトリクス状に配列され、入射する赤外
    線輻射量に応じた電気信号を出力する複数の画素と、 前記複数の画素の列毎に設けられた複数の垂直読み出し
    線と、 前記複数の画素の特定の行を選択して、当該画素からの
    電気信号を一定のタイミングで、当該垂直読み出し線に
    転送する垂直走査回路と、 前記複数の垂直読み出し線上に各々配置され、一定のタ
    イミングで画素から前記垂直読み出し線に出力された電
    気信号を直前のフレームの電気信号として記憶すると共
    に、該記憶した電気信号と、次の一定タイミングで当該
    画素から出力された現在のフレームに対する電気信号と
    を比較してこれらの比較した結果をあらわす異値信号を
    出力する信号比較回路と、 前記複数の垂直読み出し線上に各々配置され、一定のタ
    イミングで当該画素から前記垂直読み出し線に出力され
    る現在のフレームに対する電気信号に基づいて赤外線映
    像信号を生成し、出力するビデオ信号生成回路と、 前記信号比較回路から、前記複数の垂直読み出し線の各
    々に対応して出力される前記比較した結果をあらわす異
    値信号を、順次、第1の水平読み出し線に転送する第1
    の水平走査回路と、 前記ビデオ信号生成回路から、前記複数の垂直読み出し
    線の各々に対応して出力される前記赤外線映像信号を、
    順次、第2の水平読み出し線に転送する第2の水平走査
    回路とを備えていることを特徴とする動体検出用赤外線
    固体撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記画素は、 入射する赤外線輻射量に応じた電荷を生成し蓄積する光
    電変換部と、 当該光電変換部から出力される赤外線輻射量に応じた電
    荷が転送されてこれを保持する電荷蓄積部と、 前記光電変換部と前記電荷蓄積部とを電気的に接続/分
    離する転送用トランジスタと、 前記電荷蓄積部に保持された電荷に応じた電気信号を生
    成し、そのゲートが前記電荷蓄積部の一部をなす増幅用
    トランジスタと、 当該画素の前記増幅用トランジスタと前記垂直読み出し
    線とを接続/分離する画素分離用トランジスタと、 前記電荷蓄積部に蓄積された電荷を当該画素の外部に放
    出するために前記電荷蓄積部と接続され、これにリセッ
    トするための電源電圧を供給するリセット用トランジス
    タとを備えることを特徴とする請求項1または請求項2
    のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記光電変換部は、白金シリサイドとP
    型シリコンとのショットキー接合による赤外線用フォト
    ダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の動
    体検出用赤外線固体撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記画素は、前記光電変換部と接続され
    てこれをリセットするための電源電圧を供給する第2の
    リセット用トランジスタをさらに有することを特徴とす
    る請求項3または請求項4のいずれかに記載の動体検出
    用赤外線固体撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記光電変換部と前記転送用トランジス
    タの間に接続され、且つ、前記光電変換部と前記リセッ
    ト用トランジスタの間に接続される第2の転送用トラン
    ジスタを前記画素にさらに有することを特徴とする請求
    項3または請求項4のいずれかに記載の動体検出用赤外
    線固体撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記信号比較回路は、前記直前のフレー
    ムに対する電気信号を記憶する第1の異値化用コンデン
    サと、前記現在のフレームに対する電気信号を記憶する
    第2の異値化用コンデンサとを備え、前記第1の異値化
    用コンデンサに記憶された前記直前のフレームに対する
    電気信号と前記第2の異値化用コンデンサに記憶された
    前記現在のフレームに対する電気信号との差分の大きさ
    が所定値以上のときに、論理ローレベルまたは論理ハイ
    レベルを示す信号を出力することを特徴とする請求項1
    から請求項6のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体
    撮像装置。
  8. 【請求項8】 前記信号比較回路は、 2つの入力端子を有する2値化回路と、 該2値化回路の一方の入力端子に接続された第1のサン
    プルホールド回路と、該2値化回路の他方の入力端子に
    接続された第2のサンプルホールド回路とを備え、 前記第1のサンプルホールド回路を用いて、前記現在の
    フレームに対する電気信号の値と前記直前のフレームに
    対する電気信号の値とに対する差分が、第1の所定値よ
    り高いときに論理ハイレベルまたは論理ローレベルを示
    す信号を出力し、 前記第2のサンプルホールド回路を用いて、前記現在の
    フレームに対する電気信号の値と前記直前のフレームに
    対する電気信号の値とに対する差分が、第2の所定値よ
    り高いときに論理ハイレベルまたは論理ローレベルを示
    す信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項
    6のいずれかに記載の動体検出用赤外線固体撮像装置。
  9. 【請求項9】 前記ビデオ信号生成回路は、前記リセッ
    ト用トランジスタにより前記増幅用トランジスタのゲー
    トが前記電源電圧を供給されてリセット動作が行われた
    ときに該電源電圧に応じて出力される暗出力信号と、前
    記リセット動作後に前記転送用トランジスタによって前
    記光電変換部からの電荷が前記増幅用トランジスタのゲ
    ートに転送されたときに画素より出力される電気信号と
    の差を現在のフレームにおけるビデオ信号として生成す
    ることを特徴とする請求項3に記載の動体検出用赤外線
    固体撮像装置。
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