JPH11201155A - 軸 受 - Google Patents

軸 受

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JPH11201155A
JPH11201155A JP430498A JP430498A JPH11201155A JP H11201155 A JPH11201155 A JP H11201155A JP 430498 A JP430498 A JP 430498A JP 430498 A JP430498 A JP 430498A JP H11201155 A JPH11201155 A JP H11201155A
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bearing
shaft
carrier
triangular
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Kiyoshi Suzuki
清 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフトを支持する軸受を三角筒状に形成
し、三角筒の内壁三面にシャフト外周が摺接することに
よって、キャリアとシャフトのがた付きを確実に防止し
て、高度な印字品質を実現する。 【解決手段】 シャフト30に沿って移動するキャリア
20側の軸受保持部21に嵌挿されて、シャフト30が
軸通される筒状の軸受であり、全体が断面ほぼ正三角形
の三角筒状に形成され、この三角筒状の軸受の一頂辺1
0aが開口して、軸受全体がバネ性を有するとともに、
内壁に樹脂層からなる摺動部12を備え、三角筒状の各
頂辺10a,10b,10cが軸受保持部21の内壁面
に圧入状態で当接する構成としてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリアルプリンタ
等において、シャフトに沿って移動するキャリア側に嵌
挿され、シャフトが軸通される軸受に関し、特に、全体
が三角筒状をなし、この三角筒の内壁三面にシャフト外
周が摺接することによって、キャリアとシャフトのがた
付きを確実に防止して、高度な印字品質を実現できる軸
受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリアルプリンタ等における印
字ユニットを搭載したキャリアは、シャフトに沿って移
動して印字を行うようになっており、キャリア側には、
シャフトが軸通される軸受が備えられている。
【0003】そして、印字ユニットを搭載したキャリア
が往復移動する際に、キャリアとキャリアの移動をガイ
ドするシャフトとの間に軸受が介在し、キャリアの移動
が滑らかに行われるようになっている。
【0004】図8及び図9に、このようなシャフトが軸
通される軸受を備えた従来のキャリアを示す。図8は、
従来の軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図であり、
図9は、図8に示す従来のキャリアの要部拡大側面図で
あり、シャフトと軸受の関係を示している。
【0005】これらの図に示す従来のキャリア120
は、円柱状のシャフト130が軸通される円筒状の軸受
110及びこの軸受110が嵌挿される軸受保持部12
1を備えており、図示しないステッピングモータからの
駆動力をタイミングベルトを介して受けることにより、
シャフト130に沿って移動するようになっている。な
お、図8に示すように、キャリア120の図面上面側に
はインクカートリッジを保持するフレーム122が設け
られている。
【0006】キャリア120側に形成された軸受保持部
121は、図9に示すように、円筒状の軸受110が圧
入状態で嵌挿できるように、軸受110の外径とほぼ同
一の内径を有する円筒状の孔部を有している。
【0007】また、軸受110は、シャフト130が摺
接状態で軸通される円筒状部材であり、金属板をシャフ
ト130の外径とほぼ同一の内径となる円筒状に曲折形
成してなるホルダ111の内壁面に、樹脂等からなる摺
動材112をコーティング,接着等により配設した、い
わゆるバックメタル材によって構成されている。
【0008】このような構成からなる従来の軸受を備え
たキャリアによれば、軸受110に軸通されたシャフト
130にガイドされて、軸受110を含むキャリア12
0全体が、シャフト130の軸方向に沿って摺動するこ
とによって、プリンタとして必要な印字動作が行えるよ
うになっている。
【0009】このとき、軸受110の内壁面には摺動材
112が配設してあるので、摺動材112とシャフト1
30の外周面との摺接が滑らに行われ、キャリア120
がシャフト130に沿って滑らかに移動できるようにな
っている。
【0010】なお、このような軸受を備えたキャリアに
関する技術としては、これまで種々のものが提案,開示
されており、例えば特公平4−72699号公報記載の
液体噴射記録装置などが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の軸受は、いずれも筒の断面形状が円形と
なる円筒状に形成されていたため、シャフトとの接触
は、寸法精度を高精度に保っても、キャリアの自重等に
より隙間が生じ、接触点は1カ所となり(図9に示す頂
点部分)、その頂点で全負荷を受けることとなってい
た。
【0012】一方で、この種の軸受においては、温度変
化等による軸受内径の寸法変化分を吸収する必要性か
ら、軸受とシャフトの間には、一定のクリアランスを設
ける必要もあった。
【0013】このため、従来のキャリアに備えられた軸
受では、軸受とシャフト間に必ず一定の隙間が生じるこ
ととなり、キャリアの移動時にがた付きが生じてしま
い、印字の際に文字が振れて印字品質が低下するという
問題が生じ、特にインパクトタイプのドットプリンタ等
において、このような不都合が顕著であった。
【0014】本発明は、このような従来の技術が有する
問題を解決するために提案されたものであり、シリアル
プリンタ等においてシャフトに沿って移動するキャリア
側に備えられた、シャフトが軸通される軸受の全体を三
角筒状に構成し、この三角筒の内壁面をそれぞれシャフ
トに摺接させることによって、キャリアとシャフトのが
た付きを確実に防止して、高度な印字品質を実現でき
る、特にインパクトタイプにプリンタに好適な軸受の提
供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1記載の軸受は、シャフトに沿って移動
するキャリア側の嵌挿部に嵌挿されて、前記シャフトが
軸通される筒状の軸受であって、全体が三角筒状に形成
された構成としてある。
【0016】また、請求項2記載の軸受は、前記三角筒
状の軸受の断面形状が、ほぼ正三角形をなす構成として
あり、請求項3では、前記三角筒状の軸受の各頂辺が、
前記キャリア側嵌挿部の内壁面に圧入状態で当接する構
成としてある。
【0017】このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受が断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成してあ
るので、この三角筒の内壁三面にそれぞれシャフトの外
周三箇所を摺接状態で線接触させることができる。
【0018】これにより、シャフト外周の三箇所が軸受
内壁の三面に線接触して支持されることにより、キャリ
アが往復移動する際も、シャフトと軸受の間にがた付き
が生じることがない。また、シャフトを軸通したキャリ
アが自重によって下がった場合でも、シャフトは軸受の
内壁の少なくとも二面で線接触して支持されるので、こ
の二箇所支持によって従来のキャリアのようながた付き
は生じない。
【0019】なお、軸受を三角筒状とすることにより、
軸受に軸通された状態のシャフトの周囲には、軸受の内
壁との接触部以外は、軸受の各頂辺に向って空間が存在
することになる。
【0020】これにより、シャフトの軸通等の組立作業
が容易に行えるとともに、この空間の存在によって、軸
受に対する空冷効果も向上し、配線その他の収納空間と
して活用することも可能となる。
【0021】また、請求項4記載の軸受は、前記三角筒
状の軸受の一頂辺が開口した構成としてあり、請求項5
記載の軸受では、この三角筒状の軸受が、バネ性を有す
る構成としてある。
【0022】このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受の一頂辺側が開口して弾性を有することによ
って、軸受のキャリア側への嵌挿作業が容易に行えると
ともに、軸受の内壁面をシャフトの外周に常に弾性をも
って接触させることができ、軸受とシャフトとのはめ合
いがたをなくすことができる。
【0023】また、このように開口し、かつ、弾性を有
する頂辺を備えることにより、例えば、温度変化等によ
って軸受やシャフトの寸法が膨張,収縮により変化した
場合でも、開口部の弾性変化の範囲内で寸法変化分を吸
収させることができるので、軸受やシャフト等の製作上
の寸法精度が緩和されるとともに、従来のようなクリア
ランス等を設ける必要もなくなる。
【0024】さらに、請求項6記載の軸受は、前記三角
筒状の軸受が、内壁に摺動材を備えた構成としてある。
【0025】このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受内壁に配設した樹脂層等からなる摺動材に、
軸受のバネ性を利用してシャフト外周を圧接状態で接触
させることができ、シャフトと軸受の間が滑らかに摺動
できるようになり、より滑らかなキャリアの移動が実現
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の軸受の実施の形態
について、図面を参照して説明する。 [第一実施形態]まず、本発明の第一の実施形態につい
て図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態
にかかる軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図であ
り、図2は、本実施形態にかかる軸受の全体斜視図であ
る。また、図3は、図1に示す軸受にシャフトを軸通し
た状態の一部断面側面図であり、さらに、図4は、図1
に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側面図である。
【0027】これらの図に示すように、本実施形態の軸
受は、バックメタル材を、断面がほぼ正三角形状となる
よう三角筒状に曲げ加工を行って軸受10を形成するこ
とにより、この軸受10の筒内に軸通されるシャフト3
0を、外周の三箇所(少なく二箇所)において軸受10
の内壁面に線接触させるようにしたものである。
【0028】具体的には、本実施形態の軸受10は、シ
リアルプリンタ等における印字ユニットを搭載したキャ
リア20側に嵌挿されて、中心にシャフト30が軸通さ
れる軸受部材である。
【0029】キャリア20は、軸受10が嵌挿される軸
受保持部21を備えており、この軸受保持部21及び軸
受10を介してシャフト30に取付け,支持されるよう
になっている。
【0030】そして、図示しないステッピングモータか
らの駆動力をタイミングベルトを介して受けることによ
り、キャリア20の全体がシャフト30にガイドされ
て、シャフト30の軸方向に沿って移動し、必要な印字
動作を行うようになっている。なお、図1に示すよう
に、キャリア20の上面側に、図示しないインクカート
リッジを保持するフレーム22が設けてある。
【0031】ここで、キャリア20側に形成された軸受
保持部21は、図4に示すように、後述するほぼ正三角
形の筒状に曲折形成された軸受10が圧入状態で嵌挿で
きるようになっており、軸受10の外形とほぼ同一形状
の三角筒状の孔部を有する構成してある。
【0032】なお、この軸受保持部21は、図4に示す
ように、嵌挿される軸受10の一面(後述する開口を有
する頂辺10aに対向する面)が、キャリア20の正面
側壁部に沿って配設されるようにしてある。このように
軸受保持部21を形成することによって、軸受10を三
角筒状に形成しても、キャリア20から頂辺が突出する
ことがない。
【0033】そして、本実施形態にかかる軸受10は、
キャリア20側の軸受保持部21に嵌挿され、中心にシ
ャフト30が軸通される筒状部材であって、図2に示す
ように、全体が三角筒状となっている。そして、この軸
受10の三角筒の内壁の三面(少なくとも二面)に、シ
ャフト30の外周が線接触状態で摺接するようにしてあ
る。
【0034】具体的には、本実施形態の軸受10は、帯
状の金属板の一面に樹脂層を接着,コーティングして摺
動材としたいわゆるバックメタル材を、プレス加工によ
り曲げ加工することにより、三つの頂辺10a,10
b,10cを有する三角筒状に形成してある。
【0035】そして、このバックメタル材の金属板部分
が、図2に示すホルダ11を構成し、このホルダ11の
内壁面側に配設された摺動材部分が、図2に示す摺動部
12を構成している。これにより、軸受10は、ホルダ
11で軸受の本体を構成し、樹脂層からなる摺動部12
をシャフト30の外周と線接触させることができ、シャ
フト30と軸受10との摩擦をなくしている。
【0036】ここで、軸受10の三角筒は、軸通される
シャフト30の外周が軸受10の摺動部12の内接円と
なるように形成する。具体的には、図3に示すように、
軸受10は、全体が断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成
してあり、本実施形態では、この三角筒の内壁三面のそ
れぞれに、シャフト30の外周が摺接状態で線接触する
大きさにしてある。
【0037】これにより、シャフト30は、外周の三箇
所で軸受10の内壁三面に線接触して支持させることに
なり、後述するように、キャリア20が往復移動する際
も、シャフト30と軸受10の間にがた付きが生じるこ
とがない。
【0038】一方で、図3に示すように、軸受10に軸
通された状態のシャフト30の周囲には、軸受10の内
壁との接触部以外は、軸受10の各頂辺10a,10
b,10cに向って空間が存在している。
【0039】これによって、シャフト30の軸通等の組
立作業が容易に行えるとともに、この空間の存在によ
り、軸受10に対する空冷効果も向上し、配線その他の
収納空間として活用することも可能となる。
【0040】そして、このような軸受10では、シャフ
ト30が軸通されたキャリア20が自重によって下がっ
た場合でも、シャフト30は軸受10の内壁の少なくと
も二面で線接触して支持されることになるので(図4参
照)、この二箇所支持によって従来のキャリアのような
がた付きは生じない。
【0041】なお、キャリア20の自重等による負荷を
シャフト30に対して均等に加わるようにする観点から
は、軸受10の位置を、三角筒の一頂辺をシャフト30
の上方中心に位置させるように配設することが好まし
く、本実施形態の軸受10をキャリア20側にそのよう
に配設するようにしてもよい。
【0042】さらに、この三角筒からなる軸受10は、
帯状の金属板を曲げ加工しているので、一頂辺10aが
開口しており、これにより軸受10の全体がバネ性を有
するようになり、開口部近傍がバネ性を有するスプリン
グ部13を構成している。従って、軸受10のホルダ1
1を構成する金属板としては、バネ性に優れた板バネ,
鋼板を用いることが好ましい。
【0043】このように、軸受10の一頂辺10a側が
開口して弾性を有するスプリング部13を構成すること
によって、軸受10のキャリア20側への嵌挿作業が容
易に行えるとともに、軸受10の内壁面にシャフト30
の外周を常に弾性をもって線接触させることができ、軸
受10とシャフト30とのはめ合いがたをなくすことが
できる。従って、このようなバネ性を有する軸受10の
三角筒は、その内接円が、軸通されるシャフト30の外
周円より、やや小さくなるように形成しておくことが好
ましい。
【0044】さらに、このように、開口する頂辺10a
を有し、全体がバネ性を有する軸受10によれば、例え
ば、温度変化等により軸受10やシャフト30の寸法が
膨張,収縮により変化した場合でも、スプリング部13
等の弾性変化の範囲内で寸法変化分を吸収させることが
できる。これによって、軸受10やシャフト30等の製
作上の寸法精度が緩和されるとともに、従来のようなク
リアランス等を設ける必要もなくなる。
【0045】なお、本実施形態の軸受10は、帯状の金
属板を曲げ加工して形成してあることから、必然的に三
角筒の一頂辺10aが開口し、かつ、全体が弾性を有す
ることになるが、これ以外の方法、例えば、全体が樹脂
製の三角筒を一体成形により形成する等の方法で軸受1
0を形成することも可能であり、そのような場合には、
少なくとも三角筒の一頂辺に開口を設け、全体が一定の
弾性を有するようなものであれば、本実施形態の場合と
同様の効果を奏することができる。
【0046】そして、このような構成からなる軸受10
は、上述したように、三角筒の各頂辺10a,10b,
10cが、キャリア20側の軸受保持部21の内壁面に
圧入状態で当接するようになっている。
【0047】ここで、この軸受10と軸受保持部21と
は、図4に示すように、軸受10の各頂辺10a,10
b,10cが、それぞれほぼ正三角形状に形成された軸
受保持部21の内周の三頂辺に圧入状態で当接するよう
になっている。これにより、軸受10は、軸受保持部2
1内において三辺で支持され、堅固に固定されることに
なる。
【0048】そして、このとき、軸受10の外周三面
と、軸受保持部21の内周三面との間には、わずかに隙
間ができるように、軸受保持部21の大きさを軸受10
よりわずかに大きく形成しておく。これによって、軸受
保持部21への軸受10の嵌挿作業が容易に行えるとと
もに、軸受10の周囲に空間が存在することになるの
で、軸受10に対する空冷効果も確保することができ
る。
【0049】次に、このような構成からなる本実施形態
の軸受を備えたキャリアの動作について説明する。印字
ユニット等を搭載したキャリア20は、ステッピングモ
ータからの動力をタイミングベルトを介して受け、シャ
フト30上を往復動作を行う。なお、本実施形態にかか
る図面では、印字ユニット,ステッピングモータ,タイ
ミングベルトは本発明の要旨には直接関係がないので記
載を省略してある。
【0050】軸受10は、キャリア20の軸受保持部2
1に嵌挿され、圧入状態で固定されており、摺動部12
がシャフト30の外周に摺接し、キャリア20がシャフ
ト30上を摺動する。
【0051】シャフト30の軸受10の内壁に摺設する
部分は、軸受10全体の弾性によって摺動部12に弾性
をもって圧接しているので、シャフト30と軸受10の
間にがた付きが生じることなく、かつ、キャリア20が
滑らかに移動して、正確な印字動作が行われる。
【0052】これによって、シリアルプリンタにおい
て、シャフト30とキャリア20の軸受10にがた付き
が生じることがなくなり、文字振れや文字歪みのない高
品質の印字が得られ、特に機械的衝撃により印字を行う
インパクトタイプのプリンタに好適である。
【0053】このように本実施形態のによれば、軸受1
0を断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成してあるので、
この三角筒の内壁三面のそれぞれに、シャフト30の外
周を摺接状態で線接触させることができる。
【0054】これにより、シャフト30の外周三箇所が
軸受10の内壁の三面に線接触して支持されることによ
り、キャリア20が往復移動する際も、シャフト30と
軸受10の間にがた付きが生じることがない。
【0055】また、シャフト30を軸通したキャリア2
0が自重によって下がった場合でも、シャフト30は軸
受10の内壁の少なくとも二面で線接触して支持される
ので、この二箇所支持によって従来のキャリアのような
がた付きは生じない。
【0056】さらに、軸受10を三角筒状とすることに
より、軸受10に軸通された状態のシャフト30の周囲
に、軸受10の各頂辺10a,10b,10cに向って
空間が存在するので、軸受10に対する空冷効果も向上
し、配線その他の収納空間として活用することも可能と
なる。
【0057】なお、上述した本実施形態の軸受10は、
断面正三角形の三角筒状に形成してあるが、これ以外の
形状、例えば、断面二等辺三角形や断面正方形の角筒状
に形成し、いずれかの頂辺に開口を設けて、軸受全体に
スプリング性をもたせるようにしても、本実施形態の場
合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0058】[第二実施形態]次に、本発明の軸受の第
二の実施形態について図5及び図6を参照して説明す
る。図5は、本発明の第二実施形態にかかる軸受を備え
たキャリアを示す概略斜視図であり、図6は、図5に示
す軸受を備えたキャリアの要部拡大側面図である。
【0059】これらの図に示すように、本実施形態の軸
受は、上述した第一実施形態における軸受10が嵌挿さ
れるキャリア20側の軸受保持部21の形状を変更した
ものであって、他の部分については同様の構成としてあ
る。従って、第一実施形態と共通する部分については、
同一符号を附し、詳細な説明は省略する。
【0060】すなわち、本実施形態の軸受保持部21
は、嵌挿された状態の軸受10の周囲に空間を大きく確
保する形状にしてある。具体的には、図6に示すよう
に、軸受保持部21は、正三角形の筒状の軸受10の各
頂辺10a,10b,10cが圧入状態で嵌挿できる内
径の孔部を有している。
【0061】そして、この軸受保持部21の孔部は、第
一実施形態の場合と同様、軸受10の一面(開口を有す
る頂辺10aに対向する面)が、シャフト30に直交す
る垂直方向に沿って配設される形状となっていると同時
に、この垂直面以外の面が外側に向って膨出した形状と
なっており、全体としては、ほぼ半長孔形状となってい
る。
【0062】このような形状の軸受保持部21によれ
ば、上述した第一実施形態の場合と比較して、軸受10
の周囲にさらに大きい空間が存在することになり、第一
実施形態が有する効果をさらに向上させることができ
る。
【0063】すなわち、この大きな空間によって、軸受
保持部21への軸受10の嵌挿作業がさらに容易に行え
るとともに、軸受10に対する空冷効果もより大きく確
保することができる。また、この空間に配線やオイル等
の潤滑剤を含浸させた布等を収納することも可能とな
り、省スペース化や、より滑らかなキャリア20の移動
を実現することができる。
【0064】なお、このように軸受10の周囲により大
きな空間を形成する観点から軸受保持部21を構成する
場合、上述した半長孔形状のものに限定されるものでは
なく、種々の変形実子も可能である。
【0065】例えば、図7に示すように、軸受保持部2
1の孔部を真円としたり、あるいは、特に図示しないが
楕円,長楕円,多角形等、三角筒状の軸受10が圧入状
態で嵌挿,固定されるものであれば、どのような形状で
あってもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明の軸受によれ
ば、シリアルプリンタ等においてシャフトに沿って移動
するキャリア側に備えられた、シャフトが軸通される軸
受の全体を三角筒状に構成し、この三角筒の内壁面をそ
れぞれシャフトに摺接させることによって、キャリアと
シャフトのがた付きを確実に防止して、高度な印字品質
を実現でき、特にインパクトタイプにプリンタに好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る軸受の全体斜視図
である。
【図3】図1に示す軸受にシャフトを軸通した状態の一
部断面側面図である。
【図4】図1に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側
面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアを示す概略斜視図である。
【図6】図5に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側
面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアの要部拡大側面図である。
【図8】従来の軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図
である。
【図9】図8に示す従来の軸受を備えたキャリアの要部
拡大側面図である。
【符号の説明】
10 軸受 11 ホルダ 12 摺動部 20 キャリア 21 軸受保持部 30 シャフト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 軸受
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリアルプリンタ
等において、シャフトに沿って移動するキャリア側に嵌
挿され、シャフトが軸通される軸受に関し、特に、全体
が三角筒状をなし、この三角筒の内壁三面にシャフト外
周が摺接することによって、キャリアとシャフトのがた
付きを確実に防止して、高度な印字品質を実現できる軸
受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリアルプリンタ等における印
字ユニットを搭載したキャリアは、シャフトに沿って移
動して印字を行うようになっており、キャリア側には、
シャフトが軸通される軸受が備えられている。
【0003】そして、印字ユニットを搭載したキャリア
が往復移動する際に、キャリアとキャリアの移動をガイ
ドするシャフトとの間に軸受が介在し、キャリアの移動
が滑らかに行われるようになっている。
【0004】図8及び図9に、このようなシャフトが軸
通される軸受を備えた従来のキャリアを示す。図8は、
従来の軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図であり、
図9は、図8に示す従来のキャリアの要部拡大側面図で
あり、シャフトと軸受の関係を示している。
【0005】これらの図に示す従来のキャリア120
は、円柱状のシャフト130が軸通される円筒状の軸受
110及びこの軸受110が嵌挿される軸受保持部12
1を備えており、図示しないステッピングモータからの
駆動力をタイミングベルトを介して受けることにより、
シャフト130に沿って移動するようになっている。な
お、図8に示すように、キャリア120の図面上面側に
はインクカートリッジを保持するフレーム122が設け
られている。
【0006】キャリア120側に形成された軸受保持部
121は、図9に示すように、円筒状の軸受110が圧
入状態で嵌挿できるように、軸受110の外径とほぼ同
一の内径を有する円筒状の孔部を有している。
【0007】また、軸受110は、シャフト130が摺
接状態で軸通される円筒状部材であり、金属板をシャフ
ト130の外径とほぼ同一の内径となる円筒状に曲折形
成してなるホルダ111の内壁面に、樹脂等からなる摺
動材112をコーティング,接着等により配設した、い
わゆるバックメタル材によって構成されている。
【0008】このような構成からなる従来の軸受を備え
たキャリアによれば、軸受110に軸通されたシャフト
130にガイドされて、軸受110を含むキャリア12
0全体が、シャフト130の軸方向に沿って摺動するこ
とによって、プリンタとして必要な印字動作が行えるよ
うになっている。
【0009】このとき、軸受110の内壁面には摺動材
112が配設してあるので、摺動材112とシャフト1
30の外周面との摺接が滑らに行われ、キャリア120
がシャフト130に沿って滑らかに移動できるようにな
っている。
【0010】なお、このような軸受を備えたキャリアに
関する技術としては、これまで種々のものが提案,開示
されており、例えば特公平4−72699号公報記載の
液体噴射記録装置などが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の軸受は、いずれも筒の断面形状が円形と
なる円筒状に形成されていたため、シャフトとの接触
は、寸法精度を高精度に保っても、キャリアの自重等に
より隙間が生じ、接触点は1カ所となり(図9に示す頂
点部分)、その頂点で全負荷を受けることとなってい
た。
【0012】一方で、この種の軸受においては、温度変
化等による軸受内径の寸法変化分を吸収する必要性か
ら、軸受とシャフトの間には、一定のクリアランスを設
ける必要もあった。
【0013】このため、従来のキャリアに備えられた軸
受では、軸受とシャフト間に必ず一定の隙間が生じるこ
ととなり、キャリアの移動時にがた付きが生じてしま
い、印字の際に文字が振れて印字品質が低下するという
問題が生じ、特にインパクトタイプのドットプリンタ等
において、このような不都合が顕著であった。
【0014】本発明は、このような従来の技術が有する
問題を解決するために提案されたものであり、シリアル
プリンタ等においてシャフトに沿って移動するキャリア
側に備えられた、シャフトが軸通される軸受の全体を三
角筒状に構成し、この三角筒の内壁面をそれぞれシャフ
トに摺接させることによって、キャリアとシャフトのが
た付きを確実に防止して、高度な印字品質を実現でき
る、特にインパクトタイププリンタに好適な軸受の提
供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1記載の軸受は、シャフトに沿って移動
するキャリア側の嵌挿部に嵌挿されて、前記シャフトが
軸通される筒状の軸受であって、板材を断面が三角形と
なるように折り曲げ、一頂辺の開口する全体が三角筒状
に形成した構成としてある。
【0016】 このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受が断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成してあ
るので、この三角筒の内壁三面にそれぞれシャフトの外
周三箇所を摺接状態で線接触させることができる。
【0017】 これにより、シャフト外周の三箇所が軸受
内壁の三面に線接触して支持されることにより、キャリ
アが往復移動する際も、シャフトと軸受の間にがた付き
が生じることがない。また、シャフトを軸通したキャリ
アが自重によって下がった場合でも、シャフトは軸受の
内壁の少なくとも二面で線接触して支持されるので、こ
の二箇所支持によって従来のキャリアのようながた付き
は生じない。
【0018】 なお、軸受を三角筒状とすることにより、
軸受に軸通された状態のシャフトの周囲には、軸受の内
壁との接触部以外は、軸受の各頂辺に向って空間が存在
することになる。
【0019】 これにより、シャフトの軸通等の組立作業
が容易に行えるとともに、この空間の存在によって、軸
受に対する空冷効果も向上し、配線その他の収納空間と
して活用することも可能となる。
【0020】さらに、本発明 の軸受は、前記三角筒状の
軸受の一頂辺開口した構成としてあり、また、この三
角筒状の軸受が、バネ性を有する構成としてある。
【0021】 このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受の一頂辺側が開口して弾性を有することによ
って、軸受のキャリア側への嵌挿作業が容易に行えると
ともに、軸受の内壁面をシャフトの外周に常に弾性をも
って接触させることができ、軸受とシャフトとのはめ合
いがたをなくすことができる。
【0022】 また、軸受の一頂辺が開口し、かつ、弾性
を有する頂辺を備えることにより、例えば、温度変化等
によって軸受やシャフトの寸法が膨張,収縮により変化
した場合でも、開口部の弾性変化の範囲内で寸法変化分
を吸収させることができるので、軸受やシャフト等の製
作上の寸法精度が緩和されるとともに、従来のようなク
リアランス等を設ける必要もなくなる。
【0023】 さらに、本発明の軸受は、前記三角筒状の
軸受が、内壁に摺動材を備えた構成としてある。
【0024】 このような構成からなる本発明の軸受によ
れば、軸受内壁に配設した樹脂層等からなる摺動材に、
軸受のバネ性を利用してシャフト外周を圧接状態で接触
させることができ、シャフトと軸受の間が滑らかに摺動
できるようになり、より滑らかなキャリアの移動が実現
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の軸受の実施の形態
について、図面を参照して説明する。 [第一実施形態]まず、本発明の第一の実施形態につい
て図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態
にかかる軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図であ
り、図2は、本実施形態にかかる軸受の全体斜視図であ
る。また、図3は、図1に示す軸受にシャフトを軸通し
た状態の一部断面側面図であり、さらに、図4は、図1
に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側面図である。
【0026】 これらの図に示すように、本実施形態の軸
受は、バックメタル材を、断面がほぼ正三角形状となる
よう三角筒状に曲げ加工を行って軸受10を形成するこ
とにより、この軸受10の筒内に軸通される丸棒状の
ャフト30を、外周の三箇所(少なく二箇所)において
軸受10の内壁面に線接触させるようにしたものであ
る。
【0027】 具体的には、本実施形態の軸受10は、シ
リアルプリンタ等における印字ユニットを搭載したキャ
リア20側に嵌挿されて、中心にシャフト30が軸通さ
れる軸受部材である。
【0028】 キャリア20は、軸受10が嵌挿される軸
受保持部21を備えており、この軸受保持部21及び軸
受10を介してシャフト30に取付け,支持されるよう
になっている。
【0029】 そして、図示しないステッピングモータか
らの駆動力をタイミングベルトを介して受けることによ
り、キャリア20の全体がシャフト30にガイドされ
て、シャフト30の軸方向に沿って移動し、必要な印字
動作を行うようになっている。なお、図1に示すよう
に、キャリア20の上面側に、図示しないインクカート
リッジを保持するフレーム22が設けてある。
【0030】 ここで、キャリア20側に形成された軸受
保持部21は、図4に示すように、後述するほぼ正三角
形の筒状に曲折形成された軸受10が圧入状態で嵌挿で
きるようになっており、軸受10の外形とほぼ同一形状
の三角筒状の孔部を有する構成してある。
【0031】 なお、この軸受保持部21は、図4に示す
ように、嵌挿される軸受10の一面(後述する開口を有
する頂辺10aに対向する面)が、キャリア20の正面
側壁部に沿って配設されるようにしてある。このように
軸受保持部21を形成することによって、軸受10を三
角筒状に形成しても、キャリア20から頂辺が突出する
ことがない。
【0032】 そして、本実施形態にかかる軸受10は、
キャリア20側の軸受保持部21に嵌挿され、中心にシ
ャフト30が軸通される筒状部材であって、図2に示す
ように、全体が三角筒状となっている。そして、この軸
受10の三角筒の内壁の三面(少なくとも二面)に、シ
ャフト30の外周が線接触状態で摺接するようにしてあ
る。
【0033】 具体的には、本実施形態の軸受10は、帯
状の金属板の一面に樹脂層を接着,コーティングして摺
動材としたいわゆるバックメタル材を、プレス加工によ
り曲げ加工することにより、三つの頂辺10a,10
b,10cを有する三角筒状に形成してある。
【0034】 そして、このバックメタル材の金属板部分
が、図2に示すホルダ11を構成し、このホルダ11の
内壁面側に配設された摺動材部分が、図2に示す摺動部
12を構成している。これにより、軸受10は、ホルダ
11で軸受の本体を構成し、樹脂層からなる摺動部12
をシャフト30の外周と線接触させることができ、シャ
フト30と軸受10との摩擦をなくしている。
【0035】 ここで、軸受10の三角筒は、軸通される
シャフト30の外周が軸受10の摺動部12の内接円と
なるように形成する。具体的には、図3に示すように、
軸受10は、全体が断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成
してあり、本実施形態では、この三角筒の内壁三面のそ
れぞれに、シャフト30の外周が摺接状態で線接触する
大きさにしてある。
【0036】 これにより、シャフト30は、外周の三箇
所で軸受10の内壁三面に線接触して支持させることに
なり、後述するように、キャリア20が往復移動する際
も、シャフト30と軸受10の間にがた付きが生じるこ
とがない。
【0037】 一方で、図3に示すように、軸受10に軸
通された状態のシャフト30の周囲には、軸受10の内
壁との接触部以外は、軸受10の各頂辺10a,10
b,10cに向って空間が存在している。
【0038】 これによって、シャフト30の軸通等の組
立作業が容易に行えるとともに、この空間の存在によ
り、軸受10に対する空冷効果も向上し、配線その他の
収納空間として活用することも可能となる。
【0039】 そして、このような軸受10では、シャフ
ト30が軸通されたキャリア20が自重によって下がっ
た場合でも、シャフト30は軸受10の内壁の少なくと
も二面で線接触して支持されることになるので(図4参
照)、この二箇所支持によって従来のキャリアのような
がた付きは生じない。
【0040】 なお、キャリア20の自重等による負荷を
シャフト30に対して均等に加わるようにする観点から
は、軸受10の位置を、三角筒の一頂辺をシャフト30
の上方中心に位置させるように配設することが好まし
く、本実施形態の軸受10をキャリア20側にそのよう
に配設するようにしてもよい。
【0041】 さらに、この三角筒からなる軸受10は、
帯状の金属板を曲げ加工しているので、一頂辺10aが
開口しており、これにより軸受10の全体がバネ性を有
するようになり、開口部近傍がバネ性を有するスプリン
グ部13を構成している。従って、軸受10のホルダ1
1を構成する金属板としては、バネ性に優れた板バネ,
鋼板を用いることが好ましい。
【0042】 このように、軸受10の一頂辺10a側が
開口して弾性を有するスプリング部13を構成すること
によって、軸受10のキャリア20側への嵌挿作業が容
易に行えるとともに、軸受10の内壁面にシャフト30
の外周を常に弾性をもって線接触させることができ、軸
受10とシャフト30とのはめ合いがたをなくすことが
できる。従って、このようなバネ性を有する軸受10の
三角筒は、その内接円が、軸通されるシャフト30の外
周円より、やや小さくなるように形成しておくことが好
ましい。
【0043】 さらに、このように、開口する頂辺10a
を有し、全体がバネ性を有する軸受10によれば、例え
ば、温度変化等により軸受10やシャフト30の寸法が
膨張,収縮により変化した場合でも、スプリング部13
等の弾性変化の範囲内で寸法変化分を吸収させることが
できる。これによって、軸受10やシャフト30等の製
作上の寸法精度が緩和されるとともに、従来のようなク
リアランス等を設ける必要もなくなる。
【0044】 なお、本実施形態の軸受10は、帯状の金
属板を曲げ加工して形成してあることから、必然的に三
角筒の一頂辺10aが開口し、かつ、全体が弾性を有す
ることになるが、これ以外の方法、例えば、全体が樹脂
製の三角筒を一体成形により形成する等の方法で軸受1
0を形成することも可能であり、そのような場合には、
少なくとも三角筒の一頂辺に開口を設け、全体が一定の
弾性を有するようなものであれば、本実施形態の場合と
同様の効果を奏することができる。
【0045】 そして、このような構成からなる軸受10
は、上述したように、三角筒の各頂辺10a,10b,
10cが、キャリア20側の軸受保持部21の内壁面に
圧入状態で当接するようになっている。
【0046】 ここで、この軸受10と軸受保持部21と
は、図4に示すように、軸受10の各頂辺10a,10
b,10cが、それぞれほぼ正三角形状に形成された軸
受保持部21の内周の三頂辺に圧入状態で当接するよう
になっている。これにより、軸受10は、軸受保持部2
1内において三辺で支持され、堅固に固定されることに
なる。
【0047】 そして、このとき、軸受10の外周三面
と、軸受保持部21の内周三面との間には、わずかに隙
間ができるように、軸受保持部21の大きさを軸受10
よりわずかに大きく形成しておく。これによって、軸受
保持部21への軸受10の嵌挿作業が容易に行えるとと
もに、軸受10の周囲に空間が存在することになるの
で、軸受10に対する空冷効果も確保することができ
る。
【0048】 次に、このような構成からなる本実施形態
の軸受を備えたキャリアの動作について説明する。印字
ユニット等を搭載したキャリア20は、ステッピングモ
ータからの動力をタイミングベルトを介して受け、シャ
フト30上を往復動作を行う。なお、本実施形態にかか
る図面では、印字ユニット,ステッピングモータ,タイ
ミングベルトは本発明の要旨には直接関係がないので記
載を省略してある。
【0049】 軸受10は、キャリア20の軸受保持部2
1に嵌挿され、圧入状態で固定されており、摺動部12
がシャフト30の外周に摺接し、キャリア20がシャフ
ト30上を摺動する。
【0050】 シャフト30の軸受10の内壁に摺設する
部分は、軸受10全体の弾性によって摺動部12に弾性
をもって圧接しているので、シャフト30と軸受10の
間にがた付きが生じることなく、かつ、キャリア20が
滑らかに移動して、正確な印字動作が行われる。
【0051】 これによって、シリアルプリンタにおい
て、シャフト30とキャリア20の軸受10にがた付き
が生じることがなくなり、文字振れや文字歪みのない高
品質の印字が得られ、特に機械的衝撃により印字を行う
インパクトタイプのプリンタに好適である。
【0052】 このように本実施形態のによれば、軸受1
0を断面ほぼ正三角形をなす筒状に形成してあるので、
この三角筒の内壁三面のそれぞれに、シャフト30の外
周を摺接状態で線接触させることができる。
【0053】 これにより、シャフト30の外周三箇所が
軸受10の内壁の三面に線接触して支持されることによ
り、キャリア20が往復移動する際も、シャフト30と
軸受10の間にがた付きが生じることがない。
【0054】 また、シャフト30を軸通したキャリア2
0が自重によって下がった場合でも、シャフト30は軸
受10の内壁の少なくとも二面で線接触して支持される
ので、この二箇所支持によって従来のキャリアのような
がた付きは生じない。
【0055】 さらに、軸受10を三角筒状とすることに
より、軸受10に軸通された状態のシャフト30の周囲
に、軸受10の各頂辺10a,10b,10cに向って
空間が存在するので、軸受10に対する空冷効果も向上
し、配線その他の収納空間として活用することも可能と
なる。
【0056】 なお、上述した本実施形態の軸受10は、
断面正三角形の三角筒状に形成してあるが、これ以外の
形状、例えば、断面二等辺三角形や断面正方形の角筒状
に形成し、いずれかの頂辺に開口を設けて、軸受全体に
スプリング性をもたせるようにしても、本実施形態の場
合とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0057】 [第二実施形態]次に、本発明の軸受の第
二の実施形態について図5及び図6を参照して説明す
る。図5は、本発明の第二実施形態にかかる軸受を備え
たキャリアを示す概略斜視図であり、図6は、図5に示
す軸受を備えたキャリアの要部拡大側面図である。
【0058】 これらの図に示すように、本実施形態の軸
受は、上述した第一実施形態における軸受10が嵌挿さ
れるキャリア20側の軸受保持部21の形状を変更した
ものであって、他の部分については同様の構成としてあ
る。従って、第一実施形態と共通する部分については、
同一符号を附し、詳細な説明は省略する。
【0059】 すなわち、本実施形態の軸受保持部21
は、嵌挿された状態の軸受10の周囲に空間を大きく確
保する形状にしてある。具体的には、図6に示すよう
に、軸受保持部21は、正三角形の筒状の軸受10の各
頂辺10a,10b,10cが圧入状態で嵌挿できる内
径の孔部を有している。
【0060】 そして、この軸受保持部21の孔部は、第
一実施形態の場合と同様、軸受10の一面(開口を有す
る頂辺10aに対向する面)が、シャフト30に直交す
る垂直方向に沿って配設される形状となっていると同時
に、この垂直面以外の面が外側に向って膨出した形状と
なっており、全体としては、ほぼ半長孔形状となってい
る。
【0061】 このような形状の軸受保持部21によれ
ば、上述した第一実施形態の場合と比較して、軸受10
の周囲にさらに大きい空間が存在することになり、第一
実施形態が有する効果をさらに向上させることができ
る。
【0062】 すなわち、この大きな空間によって、軸受
保持部21への軸受10の嵌挿作業がさらに容易に行え
るとともに、軸受10に対する空冷効果もより大きく確
保することができる。また、この空間に配線やオイル等
の潤滑剤を含浸させた布等を収納することも可能とな
り、省スペース化や、より滑らかなキャリア20の移動
を実現することができる。
【0063】 なお、このように軸受10の周囲により大
きな空間を形成する観点から軸受保持部21を構成する
場合、上述した半長孔形状のものに限定されるものでは
なく、種々の変形実子も可能である。
【0064】 例えば、図7に示すように、軸受保持部2
1の孔部を真円としたり、あるいは、特に図示しないが
楕円,長楕円,多角形等、三角筒状の軸受10が圧入状
態で嵌挿,固定されるものであれば、どのような形状で
あってもよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の軸受によれ
ば、シリアルプリンタ等においてシャフトに沿って移動
するキャリア側に備えられた、シャフトが軸通される軸
受の全体を三角筒状に構成し、この三角筒の内壁面をそ
れぞれシャフトに摺接させることによって、キャリアと
シャフトのがた付きを確実に防止して、高度な印字品質
を実現でき、特にインパクトタイプにプリンタに好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る軸受の全体斜視図
である。
【図3】図1に示す軸受にシャフトを軸通した状態の一
部断面側面図である。
【図4】図1に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側
面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアを示す概略斜視図である。
【図6】図5に示す軸受を備えたキャリアの要部拡大側
面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る軸受を備えたキャ
リアの要部拡大側面図である。
【図8】従来の軸受を備えたキャリアを示す概略斜視図
である。
【図9】図8に示す従来の軸受を備えたキャリアの要部
拡大側面図である。
【符号の説明】 10 軸受 11 ホルダ 12 摺動部 20 キャリア 21 軸受保持部 30 シャフト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトに沿って移動するキャリア側の
    嵌挿部に嵌挿されて、前記シャフトが軸通される筒状の
    軸受であって、全体が三角筒状に形成されたことを特徴
    とする軸受。
  2. 【請求項2】 前記三角筒状の軸受の断面形状が、ほぼ
    正三角形をなす請求項1記載の軸受。
  3. 【請求項3】 前記三角筒状の軸受の各頂辺が、前記キ
    ャリア側嵌挿部の内壁面に圧入状態で当接する請求項1
    又は2記載の軸受。
  4. 【請求項4】 前記三角筒状の軸受の一頂辺が開口した
    請求項1,2又は3記載の軸受。
  5. 【請求項5】 前記三角筒状の軸受が、バネ性を有する
    請求項1,2,3又は4記載の軸受。
  6. 【請求項6】 前記三角筒状の軸受が、内壁に摺動材を
    備えた請求項1,2,3,4又は5記載の軸受。
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US6524021B2 (en) * 2000-12-05 2003-02-25 Hewlett-Packard Company Multiple orientation image forming device and carriage for use with same
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