JPH11201029A - 高圧供給装置 - Google Patents

高圧供給装置

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JPH11201029A
JPH11201029A JP745198A JP745198A JPH11201029A JP H11201029 A JPH11201029 A JP H11201029A JP 745198 A JP745198 A JP 745198A JP 745198 A JP745198 A JP 745198A JP H11201029 A JPH11201029 A JP H11201029A
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pressure
slurry
compartment
pump
volume
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JP745198A
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Inventor
Atsumi Ikeda
篤海 池田
Hiroshi Kato
寛 加藤
Hidetaka Miyazaki
英孝 宮崎
Hiroyuki Kono
博之 河野
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プランジャーポンプを使用した、高度な耐久性
を有するスラリーの高圧供給装置を提供する。 【解決手段】室内が変位性の隔膜2によって2つの隔室
(A)及び(B)に分割された耐圧容器1の、隔室
(A)に圧力媒体3を供給するためのプランジャーポン
プ4が、隔室(B)に該隔室(B)からのスラリーの逆
流を止める逆止弁5を介してスラリーを供給するための
低圧ポンプ6がそれぞれ接続され、上記隔室(B)に
は、スラリーの高圧取出口7が設けられ、且つ上記変位
性の隔膜の変位によって隔室(A)が採り得る最大容積
と最小容積との差の容積を、プランジャーポンプの1ス
トロークの容積より10倍以上、好ましくは100倍以
上大きくした高圧供給装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリーの新規な
高圧供給装置に関する。詳しくは、プランジャーポンプ
を使用した、高度な耐久性を有するスラリーの高圧供給
装置である。
【0002】
【従来の技術】塗料、顔料、インキ、医薬品、感光材
料、磁気記録媒体、研磨剤等の製造において、それぞれ
の用途に対応した機能を有する固体粒子を溶媒に分散さ
せたスラリーが使用される。例えば、研磨剤において
は、シリカ、窒化珪素等の研磨用固体粒子を所望のpH
の水に分散したスラリーが調製される。かかるスラリー
中の該固体粒子を均一に分散せしめるために各種の分散
装置が用いられている。
【0003】上記分散装置としては、各種のボールミ
ル、サンドグラインダー、ホモジナイザー、コロイドミ
ル、高せん断ミキサー、超音波分散装置等が知られてい
るが、そのうち、スラリーを高圧で衝突せしめるか或い
はオリフィスを通過させることによって該固体粒子を液
体中に均一分散せしめる分散装置(以下、高圧ホモジナ
イザーともいう)は、他の機種に比べて固体粒子分散液
の製造において優れた分散能力を示し、また、ボールミ
ル等の分散装置に比べて装置からのコンタミが極めて少
ないという特徴があり、好適に使用される。
【0004】上記高圧ホモジナイザーにおいて、スラリ
ーを高圧で供給する高圧供給装置としては、高圧ポンプ
として、プランジャーポンプが一般に使用され、該スラ
リーを300〜2500kg/cm2の高圧に加圧して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記プ
ランジャーポンプによってスラリーを高圧で供給する手
段においては、長期の連続運転を行おうとした場合に、
種々の問題が発生する。即ち、プランジャーポンプは、
300〜2500kg/cm2という高圧で動作させる
ために、プランジャーが1秒間に数回の割合で往復運動
を行うが、そのときスラリー中の固体粒子がプランジャ
ーの摺動部に噛み込み、そのシール部材が摩耗して液漏
れを起こし易く、場合によっては、この摩耗はプランジ
ャー自身にまでにも及ぶという問題を有する。
【0006】また、上記プランジャーポンプは、プラン
ジャー一本に対して供給側と排出側にそれぞれ一つずつ
逆支弁を有しており、長期の運転において、上記固体粒
子の影響により、この逆支弁のシール性が劣化すること
も多い。
【0007】上記のような問題点を解決するために、特
開平3−89930号や特開平6−330860号に
は、スラリーとプランジャーのシール部材とが接触しな
いように、個々のプランジャーとスラリーが通過するポ
ンプ室との間に伸縮性の隔膜を設けた構造のものが提案
されている。かかる構造は、従来から提案されている膜
ポンプと呼ばれる構成のポンプを応用したものである
が、プランジャーの往復回数だけいわゆる伸縮性の隔膜
も作動しなければならず、長期運転においては隔膜の劣
化が著しいという問題を有し、実用化には至っていない
のが現状である。
【0008】したがって、本発明の目的は、長期の連続
運転においても安定に作動することが可能なスラリーの
高圧供給装置を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の容量
を有する耐圧容器を変位性の隔膜によって2室に分割
し、分割された一方の室には、逆止弁を介して低圧ポン
プを接続すると共に取出口を設け、該低圧ポンプよりス
ラリーを供給する如く構成し、他方の室には、プランジ
ャーポンプを接続し、固体粒子を含まない圧力媒体を供
給する如く構成し、該低圧ポンプにより耐圧容器に供給
されたスラリーをプランジャーポンプから耐圧容器に供
給される圧力媒体により変位性の隔膜を介して伝達され
る圧力により、前記取出口から高圧で取り出せるように
することにより、プランジャー部と被分散液の接触を避
け、且つ該変位性の隔膜と逆止弁の作動回数を低減で
き、長期間安定してスラリーを高圧で供給できる高圧供
給装置が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】以下、本発明の代表的な態様を示す図1に
よって説明する。
【0011】本発明のスラリーの高圧供給装置は、室内
が変位性の隔膜2によって2つの隔室(A)及び(B)
に分割された耐圧容器1の、隔室(A)に圧力媒体3を
供給するためのプランジャーポンプ4が、隔室(B)に
該隔室(B)からのスラリーの逆流を止める逆止弁5を
介してスラリーを供給するための低圧ポンプ6がそれぞ
れ接続され、上記隔室(B)には、スラリーの高圧取出
口7が設けられ、且つ上記変位性の隔膜の変位によって
隔室(A)が採り得る最大容積と最小容積との差の容積
を、プランジャーポンプの1ストロークの容積より10
倍以上大きくしたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、耐圧容器1は、
プランジャーポンプにより該容器にかかる圧力に耐えら
れる材質、構造を有するものならば、特に制限されな
い。上記構造としては、所定の肉厚を有する中空の円柱
状、球状、角柱状などが一般的である。
【0013】また、材質としては、例えば、ステンレ
ス、炭素鋼、鋼、鋳造鋼、工具鋼などが好適に使用され
る。
【0014】本発明で使用される変位性の隔膜は、上記
耐圧容器内を2室に分割するものであり、圧力媒体とし
ての液体及び対象となるスラリーに対して非透過性であ
り、少なくとも一部分において変位性を有するものなら
ば特に制限なく公知のものが使用できる。ここで、変位
性とは、耐圧容器において、分割された室の体積比を変
えるように隔膜の面が変位可能であることをいう。具体
的には、可撓性の隔膜を使用し、該隔膜と耐圧容器の内
面とが固定された状態で、隔膜の面が変位し得るように
した態様、剛体よりなる隔膜が耐圧容器の内面と液密状
態で接触した状態で摺動し得るようにした態様等が挙げ
られる。そのうち、特に、摺動部を持たない、可撓性の
隔膜を固定して使用する態様が好適である。
【0015】上記可撓性の隔膜を使用した態様として
は、伸縮性を有する材質によって構成し、該隔膜の伸縮
可能な範囲で隔膜を変位させ、分割された隔室の体積比
を可変とした態様、該隔膜に弛みを持たせ、かかる弛み
の範囲内で隔膜を変位させ、分割された隔室の体積比を
可変とした態様、上記態様の両方の機能を使用した態様
等が挙げられる。
【0016】上記可撓性の隔膜は、分割された隔室の体
積比を大きく変えることができるものほど装置の小型化
が可能であり好ましい。一般には、隔室の最小体積に対
して2〜100倍の最大体積を採り得るように、隔膜の
材質や面積を選択することが望ましい。
【0017】上記伸縮性の材質としては、前記特性を満
足するものを公知の材質より選択することができる。例
えば、シリコンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、
フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン
プロピレンゴム、ハイパロン、天然ゴムなどのゴム類、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系高分
子等より選択して採用できる。
【0018】また、隔膜を弛ませて使用する伸縮性を実
質的に持たない可撓性材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのオレフィン系高分子等が挙げられ
る。
【0019】上記耐圧容器内に隔膜を固定して使用する
場合、該隔膜の固定位置は、隔室(A)及び隔室(B)
が確保できる位置ならばどこに設けても良い。好ましく
は、隔膜が隔室(A)及び隔室(B)側にそれぞれ均等
に変位した場合に前記容積比が最大値を取り得るような
位置が、装置の効率の上好ましい。
【0020】本発明において、プランジャーポンプ4
は、目的とする圧力まで昇圧できるものならば、公知の
ものが特に制限無く採用できる。
【0021】一般には、図1に示すように、プランジャ
ー8の後退によって液をポンプ室9内に吸引し、前進に
よってポンプ室9より排出するよう、該ポンプ室にそれ
ぞれ逆止弁10、10'を取り付けた構造が採用され
る。そして、該プランジャーは、一般には、5〜200
回/分の速度で往復運動を行い、100〜3000kg
/cm2の圧力で液を供給することができる。
【0022】上記プランジャーポンプの駆動動力は、電
動モーター式、空圧式、油圧式のいずれでも良い。ま
た、プランジャーの本数は、1〜数本のものが制限なく
採用できる。
【0023】また、上記プランジャーポンプが接続され
る隔室(A)には、圧力媒体を供給後、これを効率よく
排出するために、図示されていないが、バルブ有する液
排出口を設けることが好ましい。上記液排出口は、隔室
(A)に直接取り付けても良いし、隔室(A)とプラン
ジャーポンプ4との間の配管に設けても良い。
【0024】本発明において、低圧ポンプ6は、隔膜を
伸縮させて耐圧容器内(隔室(B))に固体粒子分散液
を供給することができるものならば何等制限無く採用す
ることができる。したがって、低圧ポンプは1〜7kg
/cm2の吐出圧力を有するものが好適に使用される。
【0025】上記低圧ポンプ6は、逆止弁5を介して隔
室(B)に接続されることにより、高圧時の逆流を防止
することができる。ここで、使用される逆止弁は、固体
粒子分散液の逆流を防ぐことができるものならば何等制
限無く採用することができる。例えば、ボール式あるい
は板式のチャッキ弁が好適に採用できる。また、逆支弁
を接続する方向は、低圧ポンプから隔室(B)には液が
流れ、逆向きには液が流れない方向に取り付ける必要が
ある。
【0026】また、逆支弁の機能をバルブによって行う
ことも本発明の態様に含まれる。即ち、隔室(B)と低
圧ポンプの間にバルブを取り付け、後で詳述する動作に
おいて、隔室(B)に固体粒子スラリーを供給する際に
はバルブを開け、供給終了後にはバルブを閉じる操作を
行うことによって逆止弁の機能を持たせることも可能で
ある。
【0027】本発明の重要な要件は、隔室(A)の採り
得る最大容積と最小容積との差の容積(以下では隔室の
容積差と略記することもある。)を、プランジャーポン
プの1ストロークの容積より10倍以上大きくすること
が必要である。
【0028】即ち、本発明の装置は、隔膜によってスラ
リーとプランジャーシール部との接触を避けることによ
って、該プランジャーのシール部の寿命を延ばすことが
可能であるが、隔室の容積差を上記範囲に設定すること
によって変位性の隔膜及び低圧ポンプ側に設けられた逆
支弁の動作回数を減らすことができ、装置の寿命を大幅
に延ばすことができる。
【0029】上記隔室の容積差は、プランジャーポンプ
のプランジャー1ストロークの容積の10倍以上が確保
できればよいが、好ましくは50倍以上、更に好ましく
は100倍以上にすることが必望ましい。
【0030】上記プランジャーポンプのプランジャーの
1ストロークの容積は、プランジャーの容積、本数によ
って異なるが、一般に、1ml〜数百mlの範囲であ
り、これに対して、耐圧容器の隔室の容積差が設定され
る。
【0031】尚、上記隔室(A)の採り得る最大容積と
最小容積は、耐圧容器の断面積、使用する隔膜の伸縮性
や弛みの度合い等によって異なるが、該隔膜が実用上破
損しない範囲をもって決定される。
【0032】本発明において、スラリーの高圧取出口7
は、隔室(B)よりスラリーを高圧で供給するためのも
のであり、該隔室(B)に直接取り付けても良いし、該
隔室(B)と逆止弁5との間の配管に取り付けても良
い。
【0033】本発明の装置に使用するバルブや配管類
は、使用する圧力に耐えられるものであれば公知のもの
が採用できる。固体粒子分散液や圧力媒体として水系の
溶媒を使用する場合には、耐食性の高いステンレス等が
好ましい。
【0034】本発明において使用される圧力媒体として
は、固体粒子を含まない液体が特に制限無く使用される
が、水または防錆剤などを混合した水溶液、シリコンオ
イル、潤滑油、シリンダーオイル等のオイル類等が好適
に使用できる。
【0035】また、高圧供給するスラリーとしては、シ
リカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化セリウ
ム、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの金属
酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硝酸銀等の塩
類、窒化珪素、炭化珪素、窒化チタン、窒化ホウ素等の
非酸化物セラミックス、カーボン、グラファイト、各種
の有機高分子類等の有機粉体等を水や有機溶媒に分散さ
せたものが挙げられる。
【0036】本発明の高圧供給装置において、スラリー
の高圧取出口7に接続する高圧装置12は、スラリーの
用途において適宜選択することができる。例えば、スラ
リーが前記研磨剤である場合、砥粒である固体粒子の均
一な分散を達成するために、高圧噴射式分散器が接続さ
れる。
【0037】上記高圧噴射式分散器は、口径が100〜
数100μmの流路を有し、該流路に被分散液を通過さ
せることによって分散処理を行うものである。一般的
に、ダイヤモンド等の超硬材料によって作製されてお
り、大別すると二つのタイプがある。一つは二つの流路
を有し、それぞれの流路から出てきた被分散液同士を互
いに衝突させるもの(対抗衝突式とも呼ばれている)
で、もう一つは、口径の狭いオリフィス状の流路に単に
被分散液を通過させるもの(オリフィス式とも呼ばれて
いる)である。
【0038】次に、本発明の装置の動作原理を図1を用
いて更に説明する。
【0039】まず、隔室(A)及び該隔室(A)とプラ
ンジャーポンプ4及びバルブ11を接続するライン(以
下、Aラインと言う)は、空気を抜いた状態で水等の圧
力媒体が充填されている。一方、隔室(B)には、低圧
ポンプ6よりスラリーが圧送される。尚、高圧装置12
として高圧噴射式分散器を使用する場合、かかる装置は
100〜数百μmの貫通孔を有しているのでごく少量の
被分散液は流れ出るが、その流量は低圧ポンプの圧力で
は無視できるほど小さい。
【0040】ここで、バルブ12を開けると、隔膜が押
し広げられ隔室(B)にはスラリーが充填され、隔室
(A)の圧力媒体はバルブ12より系外に排出される。
隔室(A)の体積が前記適当な容積まで減少した時、バ
ルブ12を閉じ、プランジャーポンプを作動させると、
隔室(A)に圧力媒体としての水が高圧で充填され、隔
室(B)の高圧取出口7からスラリーが、該プランジャ
ーポンプの圧力に対応する高圧で排出され、高圧装置1
1、例えば、高圧噴射式分散器に供給され、スラリーの
均一分散が行われる。
【0041】隔室(B)よりスラリーが排出されたとこ
ろで、バルブ12を開け、好ましくは、プランジャーポ
ンプを停止することによって、Aラインの圧力が下が
り、逆支弁5が開状態になって低圧ポンプよりスラリー
を再び隔室(B)に供給することができる。その後、前
記操作を繰り返して実施することにより、スラリーを高
圧で供給することが可能である。
【0042】なお、本発明の装置では、バルブと逆支弁
は、基本的には一方を閉じたときにはもう一方は開いて
いる。したがって、バルブと逆支弁を機械的に連動して
開閉するようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】上記の説明より理解されるように、本発
明のスラリーの高圧供給装置は、耐圧容器を変位性の隔
膜によって分割された隔室に、それぞれプランジャーポ
ンプによる圧力媒体の供給系と低圧ポンプによるスラリ
ーの供給系とを接続することによって、プランジャーシ
ール部とスラリーとが接触することなく、プランジャー
シール部の劣化を抑えることができた。また、上記隔室
の容量を特定の容量以上確保することによって、前記隔
膜や逆支弁の動作回数を大幅に減らすことができたた
め、装置の寿命を驚異的に延ばすことが可能となった。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。
【0045】実施例 図1に示されるスラリーの高圧供給装置を下記のように
して製造した。
【0046】耐圧容器1には、内容積約1リットルのス
テンレス製の耐圧容器を用いた。該耐圧容器のほぼ中央
部にシリコンゴム製の伸縮性のある隔膜2を設け、隔室
(A)と隔室(B)に分割した。該隔膜は十分に弾性を
有し、液漏れのないことを確認した。該耐圧容器の隔室
(A)には3連のプランジャーポンプ4を接続した。こ
のプランジャーポンプのプランジャーの直径は9mm
で、1ストロークの容積は3mlであった。また、該耐
圧容器の隔室(A)に設けるバルブ12は、高圧用のス
トップバルブを使用した。該耐圧容器の隔室(B)の高
圧取出口7には高圧噴射式分散器(100μmの穴の開
いたダイヤモンド製ディスクを装着したもの)を接続
し、更に、隔室(B)には逆支弁5を介して空圧駆動の
ダイヤフラムポンプよりなる低圧ポンプ6を接続した。
なお、逆支弁は低圧ポンプから隔室(B)に液が流れ、
逆向きには流れない方向に接続した。低圧ポンプの圧力
は1.5kg/cm2にセットした。
【0047】スラリー13としてはシリカの水分散液を
用いた。シリカにはフュームドシリカ(トクヤマ製、Q
S10)を用い、シリカ濃度が10重量%になるように
水に分散させたものを調製し、使用した。
【0048】次に、本装置の動作を確認した。
【0049】まず、バルブ12を開にしてプランジャー
ポンプ4を低速で作動させ、隔室(A)を含めたAライ
ンの中の空気を排出し、純水で充たした。バルブを半開
状態にしてプランジャーポンプを一旦停止した。
【0050】続いて、低圧ポンプのスイッチを入れてラ
インから空気を押し出して、スラリーで充たした。低圧
ポンプの吐出圧力は1.5kg/cm2であるので、隔
膜はある程度膨張したところで釣り合いが取れ、高圧噴
射式分散器からごく少量のスラリーが漏れ出る状態にな
った。
【0051】なお、このときの隔室(A)の採り得る最
大容積と最小容積との差の容積は、約700mlであっ
た。また、前述したようにプランジャーの1ストローク
の容積は3mlであるので、両者の比率は約233倍で
あった。
【0052】次に、バルブ12を閉じてから、プランジ
ャーポンプ4を起動し、徐々に圧力を上げていったとこ
ろ、高圧装置11として使用した高圧噴射式分散器から
徐々に勢いを増してシリカ分散液が排出されてきた。定
常状態になったときのAライン及びBラインの圧力は約
800kg/cm2であった。
【0053】高圧噴射式分散器から排出されたシリカ分
散液の体積が700mlを超える前に、低圧ポンプ6は
作動した状態で、バルブ12を全開にした。Aラインの
圧力が1.5kg/cm2未満になると自動的に逆支弁
が開き、低圧ポンプよりシリカ分散液が隔室(B)に供
給された。隔室(B)が一杯になったところでバルブ1
2を全閉にすることによって、プランジャーポンプ4の
高圧がかかるようにし、高圧噴射式分散器を通してシリ
カ分散液を排出させた。
【0054】以上の操作を繰り返し行って、装置の安定
動作を確認した。
【0055】上記の装置を用いて合計200時間以上運
転を行ったが、プランジャーシールの漏れや逆支弁の動
作不良は起こらず、安定に動作することが確認できた。
【0056】また、本装置を用いて処理したシリカ分散
液の物性を測定したところ、シリカの分散状態は非常に
優れていることが確認できた。
【0057】比較例 プランジャーポンプと高圧噴射式分散器を直結した構成
の分散装置を組み立てた。実施例と同じ条件でシリカ分
散液を処理したところ、約40時間でプランジャーシー
ル部から液漏れが発生した。プランジャーシールを交換
して試験を継続したところ、約60時間後には圧力変動
が大きくなったため逆支弁を分解して調べたところ、弁
座に傷が入っていることがわかった。
【0058】なお、正常に動作していたときのシリカの
分散状態は、実施例と全く同一であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散液の製造装置を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 耐圧容器 2 隔膜 3 圧力媒体 4 プランジャーポンプ 5 逆止弁 6 低圧ポンプ 7 高圧取出口 8 プランジャー 9 ポンプ室 10、10' 逆止弁 11 高圧装置 12 バルブ 13 スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 博之 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内が変位性の隔膜によって2つの隔室
    (A)及び(B)に分割された耐圧容器の、隔室(A)
    に圧力媒体を供給するためのプランジャーポンプが、隔
    室(B)に該隔室(B)からのスラリーの逆流を止める
    逆止弁を介してスラリーを供給するための低圧ポンプが
    それぞれ接続され、上記隔室(B)には、スラリーの高
    圧取出口が設けられ、且つ上記変位性の隔膜の変位によ
    って隔室(A)が採り得る最大容積と最小容積との差の
    容積を、プランジャーポンプの1ストロークの容積より
    10倍以上大きくしたことを特徴とするスラリーの高圧
    供給装置。
JP745198A 1998-01-19 1998-01-19 高圧供給装置 Pending JPH11201029A (ja)

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JP745198A JPH11201029A (ja) 1998-01-19 1998-01-19 高圧供給装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510931A (ja) * 2004-08-25 2008-04-10 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 粒子状物質を容器へ注入するための装置および設備と関連の方法
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