JPH11200286A - 発泡断熱材用面材 - Google Patents
発泡断熱材用面材Info
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- JPH11200286A JPH11200286A JP36023197A JP36023197A JPH11200286A JP H11200286 A JPH11200286 A JP H11200286A JP 36023197 A JP36023197 A JP 36023197A JP 36023197 A JP36023197 A JP 36023197A JP H11200286 A JPH11200286 A JP H11200286A
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Abstract
液の浸透防止と難燃性とを両立させた合成樹脂発泡体へ
直貼り可能な発泡断熱用面材を提供する。 【解決手段】セルロース繊維を主体とする有機成分とガ
ラス繊維および無機粉体からなる無機成分とから構成さ
れた無機質紙であって、全原料の絶乾重量に対して有機
成分が18〜33重量%、無機成分が67〜82重量%
およびガラス繊維が2〜7重量%であり、かつ前記無機
質紙に撥水剤を含む含浸液を固形分重量で0.07g/
m2以上含浸させる。無機粉体としては自己消火性を有
する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが、撥水
剤としてはフッ素系撥水剤が好ましく使用できる。
Description
中間工程紙および表面材として用いられる発泡断熱材用
面材に関し、さらに詳しくは、合成樹脂発泡体へ直貼り
可能な無機質紙を原紙とした発泡断熱材用面材に関する
ものである。
材ボードあるいは断熱材パネルの表面材としては、片面
あるいは両面をポリエチレンフィルムでラミネートした
積層シートが使用されており、この積層シートにより発
泡硬化前の合成樹脂発泡液の浸透を防いでいる。
は、ラミネート加工を施さないと、合成樹脂発泡液が浸
透し、加工機を汚したり面材がローラー類に巻き付いて
操業ができなくなるなどの不都合があった。従って、こ
の合成樹脂発泡液の浸透を防ぐためには、面材のラミネ
ート加工は操業上不可欠なものであった。しかし、難燃
性が求められる分野においては、このラミネート加工に
よる面材の難燃性の低下が問題視されている。
ムや水酸化マグネシウムなどの無機粉体を65〜75重
量%程度内填した難燃性を備えた無機質紙も知られてい
るが、かような自己消火性を備えた無機質紙を面材用原
紙として使用した場合でも、ラミネート加工を施すこと
により難燃性の不十分な面材となってしまう。
となく、合成樹脂発泡液の浸透防止と難燃性とを両立さ
せた発泡断熱用面材を提供することを目的としてなされ
たものである。
熱材用面材は、セルロース繊維を主体とする有機成分と
ガラス繊維および無機粉体からなる無機成分とから構成
された無機質紙であって、全原料の絶乾重量に対して有
機成分が18〜33重量%、無機成分が67〜82重量
%およびガラス繊維が2〜7重量%であり、かつ前記無
機質紙に撥水剤を含む含浸液を固形分重量で0.07g
/m2以上含浸させたことを特徴とするものである。こ
こでいう「含浸」とは、塗工(塗布)による加工も含め
るものとする。
ガラス繊維を含有する無機質紙を原紙として用いること
によって難燃性能を備えた原紙とするとともに、さらに
この無機質紙に撥水剤を含む含浸液を所定量含浸させる
ことによって無機質紙表面に撥水機能を付与するのであ
る。これによって、ラミネート加工を施さずとも合成樹
脂発泡液の浸透阻止性と、優れた難燃性との両方の性質
を兼ね備えた発泡断熱材用面材とすることができる。
機成分としては、ガラス繊維と無機粉体を使用する。無
機粉体としては、無機物質内填材として従来から用いら
れる炭酸カルシウム、クレー、珪酸カルシウム等を使用
できる。特に難燃性が求められる場合には、自己消火性
を備えた水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等を
用いることができる。これらの自己消火性無機粉体は、
加熱により結晶水を放出し、吸熱分解するため自己消火
性を無機質紙に付与することができる。
の含有量は、無機質紙全原料の絶乾重量に対して67〜
82重量%の範囲とする。無機物質の含有量を82重量
%を超えて多くしても無機質紙の難燃性能はそれ以上向
上せず、むしろ無機質紙の強度低下が起こるので無機成
分の含有量は82重量%以下とする。一方、無機成分の
含有量が67重量%未満では所望の難燃性が得られな
い。
燃性能を高める目的で配合している。ガラス繊維の無機
質紙中の含有量は、無機質紙全原料の絶乾重量に対して
2〜7重量%、好ましくは3〜6重量%の範囲である。
ガラス繊維が2重量%よりも少ないと着火後の炎の延焼
を止めることができず、7重量%より多くすると均一に
分散せず地合いの崩れが起こり抄紙上好ましくない。
を止めることができる。そのため、使用するガラス繊維
は、繊維長が長く、繊維本数の多いものが望ましい。し
かし、繊維長を長くして繊維径を細くしていくと、無機
質紙中のガラス繊維の分布変動幅が大きくなり、地合い
の崩れを生じやすくなるため、繊維長が2〜5mm程
度、繊維径が5〜10μmのガラス繊維が好ましく使用
できる。
主体は、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ
およびその他の木材パルプの1種あるいは2種以上を配
合した混合パルプまたはリンターパルプ等のセルロース
繊維であるが、必要に応じてポリエステル繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊
維等の合成繊維や、紙力増強剤、サイズ剤等の紙質改善
のための薬剤を含んでもよく、これらはいずれも有機成
分の構成成分となる。
る。例えばセルロース繊維およびガラス繊維の繊維スラ
リーに紙力増強剤を適宜選択して添加し、この繊維スラ
リーに無機粉体の所定量を混合した後、さらに歩留向上
剤、サイズ剤等を適宜選択して添加して調成した紙料を
用いて抄造する。
機質紙に撥水剤を含む含浸液を用いて含浸処理を行う
が、その目的は、紙表面に撥水機能を持たせ、合成樹脂
発泡体からなるボードあるいはパネルを製造する際の合
成樹脂発泡液の浸透を防ぎ、従来のラミネート加工を不
要にするためである。本発明に用いる撥水剤としては、
天然系ワックス、石油系ワックス、塩素化パラフィン、
ワックスエマルジョン等の各種ワックス、オレフィン
系、オルフィン系、フッ素系、およびシリコン系樹脂、
クロム錯塩、ジルコニウム塩等を挙げることができ、こ
れらは適宜溶媒、特に有機溶媒に溶解させて使用する。
なお、パーフルオロアルキル基(−CF2 )10Fで覆わ
れた表面は特に高い撥水性を示すため、フッ素系撥水剤
を用いるのがより好ましい。撥水剤の含浸量が固形分重
量で0.07g/m2未満では、合成樹脂発泡液の浸透
を防ぐ効果はまだ十分ではない。発泡液の浸透を確実に
防ぐには、固形分重量で0.07g/m2以上の含浸量
が必要となる。ただし、固形分重量で0.2g/m2以
上含浸させても撥水効果は大幅な向上は見られず、コス
ト高を招くために適さない。
上述したような撥水剤の所定量を無機質紙に含浸させて
もよく、あるいは、塗布、含浸をスムーズにさせるた
め、PVA−澱粉系水溶液に撥水剤を混合させた含浸処
理液を調製し、この液を無機質紙に含浸させた後乾燥す
る方法を採ることもできる。
さらに詳述する。
機質紙の種類、およびこの無機質紙を使用して得られた
各種面材に対する合成樹脂発泡液の浸透評価および防炎
性能評価は以下のようにして行った。
表1に示す2種類のものを使用した。一つは、Al(O
H)3およびガラス繊維からなる無機成分69重量%、
有機成分としてセルロース繊維30重量%およびポリビ
ニルアルコール繊維1重量%(有機成分として合計31
重量%)を混合した繊維からなる、米坪量153(g/
m2)、サイズ度(KBB法)177秒の無機質紙(以
下『基紙−1』という)を使用した。また、もう一つは
Al(OH)3/Mg(OH)2およびガラス繊維からな
る無機成分70重量%、有機成分としてセルロース繊維
29重量%およびポリビニルアルコール繊維1重量%
(有機成分として合計30重量%)を混合した繊維から
なる、米坪量153(g/m2)、サイズ度(KBB
法)201秒の無機質紙(以下『基紙−2』という)を
使用した。
樹脂発泡液の浸透評価は、面材裏面への未反応発泡液浸
透の有無(一次評価)と発泡硬化過程における発泡圧に
よる面材裏面への未硬化発泡液浸透の有無(二次評価)
について実施した。方法は以下の通りである。なお、本
評価試験には2液混合タイプのウレタン発泡体用反応液
を使用した。
切り取り試験片とし、ガラス板上に置く。そして、その
試験片上に、これのみでは発泡しない任意濃度のポリオ
ール溶液を滴下し、さらにガラス棒により塗り広げ、静
置した。その時点から裏面へポリオール液が1点以上、
点状に浸透してくるまでの時間をストップウォッチを用
いて測定した。
切り取り試験片とし、ガラス板上に置く。そして、任意
濃度のポリオール、イソシアネートの2種の溶液を混合
し、5〜6秒後発泡が始まると同時に、試験片上に前記
混合液をガラス棒により塗り広げる。さらに、発泡中の
混合液上にガラス板を載せ、加圧力が0.07Kg/c
m2になるように加重を掛ける。加圧は2分間行った。
混合液を塗布した時点から裏面へその発泡混合液が1点
以上、点状に浸透してくるまでの時間をストップウォッ
チを用いて測定した。
基準は、発泡混合液の硬化完了時間(2分以内)から推
測して、一次評価および二次評価ともに裏面への浸透時
間が2分以上を合格とした。
は、JIS A 1322に準じて評価し、防炎2級以
上を合格とした。
になるようにポリビニルアルコール(クラレ社製、「ポ
バール117」)を水に溶解し、さらに撥水剤としてフ
ッ素系撥水剤(ダイキン工業社製、「ユニダインTG−
410」)を撥水剤含浸量が0.05〜0.3g/m2
になるように添加、混合して、表2−1に示す含浸処理
液『含浸液A−0』〜『含浸液A−4』を調製した。P
VAと撥水剤を含有するこれらの含浸処理液の基紙に対
する飽和含浸量は2.0g/m2となった。
2』に上記の各種含浸処理液を3分間含浸し、120℃
に設定したドラム型乾燥機で乾燥し、実施例1〜10に
よる面材シートを得た。
泡液の浸透時間および防炎性能を測定した結果を表3に
示す。
%になるように澱粉粉(王子コーンスターチ社製、「王
子エースA」)を水に溶解し、さらに撥水剤としてフッ
素系撥水剤(「ユニダインTG−410」)を撥水剤含
浸量が0.05〜0.3g/m2になるように添加、混
合して、表2−2に示す含浸処理液『含浸液B−0』〜
『含浸液B−4』を調製した。澱粉と撥水剤を含有する
これらの含浸処理液の基紙に対する飽和含浸量は1.9
g/m2となった。
2』に上記の各種含浸処理液を3分間含浸し、120℃
に設定したドラム型乾燥機で乾燥し、実施例11〜20
による面材シートを得た。
泡液の浸透時間および防炎性能を測定した結果を表4に
示す。
ル(「ポバール117」)と澱粉粉(「王子エース
A」)とを、両者の固形分比率が1:1となるようにか
つ合計固形分濃度が8重量%となるように水に溶解し、
さらに撥水剤としてフッ素系撥水剤(「ユニダインTG
−410」)を撥水剤含浸量が0.05〜0.3g/m
2になるように添加、混合して、表2−3に示す含浸処
理液『含浸液C−0』〜『含浸液C−4』を調製した。
澱粉、PVAおよび撥水剤を含有するこれらの含浸処理
液の基紙に対する飽和含浸量は3.2g/m2となっ
た。
処理液を3分間含浸し、120℃に設定したドラム型乾
燥機で乾燥し、実施例21〜25による面材シートを得
た。これらの面材シートについて、合成樹脂発泡液の浸
透時間および防炎性能を測定した結果を表5に示す。
(「ユニダインTG−410」)を撥水剤含浸量が0.
05〜0.3g/m2になるように水に溶解して、表2
−4に示す各種含浸処理液『含浸液D−0』〜『含浸液
D−4』を調製した。
2』に上記の各種含浸処理液を3分間含浸し、120℃
に設定したドラム型乾燥機で乾燥し、実施例26〜35
による面材シートを得た。
泡液の浸透時間および防炎性能を測定した結果を表6に
示す。
および『基紙−2』に含浸処理液を含浸させず、基紙そ
のままについて、合成樹脂発泡液の浸透時間および防炎
性能を測定した結果を表7に示す。
および『基紙−2』に含浸処理液を含浸させずに、ポリ
エチレンフィルムで厚さが15μmになるようにラミネ
ートし、比較例3〜4による面材シートを得た。これら
の面材シートについて、防炎性能を測定した結果を表8
に示す。なお、上記ラミネートには、主としてポリエチ
レン樹脂を練り込む一軸押出機(東洋精機社製、D20
20型)と、さらにそれを押し出すTダイ(東洋精機社
製、特注品)等を使用した。
例1〜10は、『基紙−1』あるいは『基紙−2』に対
して、PVA/撥水剤を含む含浸処理液を含浸し、撥水
剤を所定範囲内の含浸量となるように含浸させた面材シ
ートの例であり、撥水剤の含浸量が0.07g/m2以
上(コストを考慮に入れると、実際には0.07〜0.
2g/m2 が最適)で、合成樹脂発泡液に対して優れ
た耐浸透性と防炎2級以上の難燃性を有していることが
わかる。
施例11〜20)、澱粉/PVA/撥水剤を含む含浸処
理液(実施例21〜25)、撥水剤水溶液からなる含浸
処理液(実施例26〜35)を含浸させた面材シートに
ついても、上記と同様の結果が得られている。
1』あるいは『基紙−2』に撥水剤の含浸処理を行わな
ず、基紙そのままについての例であり、難燃性が良好で
あっても合成樹脂発泡液に対する浸透性が不十分である
ことがわかる。
いは『基紙−2』に撥水剤の含浸処理を行わず、ポリエ
チレンフィルムにラミネート加工を施した従来の面材シ
ートを示す例であり、ラミネート加工することによって
難燃性が不十分になることがわかる。
機質紙に撥水剤を含む含浸液を所定量含浸させることに
よって、無機質紙表面に撥水機能を付与するため、ポリ
エチレンフィルム等によるラミネート加工を施さずとも
合成樹脂発泡液の浸透を効果的に阻止することができ
る。また、ラミネート加工を不要にできるため、面材製
造工程を簡略化することもできる。
粉体、好ましくは自己消火性を有する無機粉体とガラス
繊維とを含有する無機質紙を用いることによって原紙自
体に難燃性能を付与することができ、しかも難燃性を低
減させる原因となっていたラミネート加工を不要にでき
るため、優れた難燃性をもたらすことができる。
止性と、優れた難燃性との両方の性質を兼ね備えた発泡
断熱材用面材を提供することが可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 セルロース繊維を主体とする有機成分と
ガラス繊維および無機粉体からなる無機成分とから構成
された無機質紙であって、全原料の絶乾重量に対して有
機成分が18〜33重量%、無機成分が67〜82重量
%およびガラス繊維が2〜7重量%であり、かつ前記無
機質紙に撥水剤を含む含浸液を固形分重量で0.07g
/m2以上含浸させたことを特徴とする発泡断熱材用面
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36023197A JP3968842B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 発泡断熱材用面材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36023197A JP3968842B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 発泡断熱材用面材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11200286A true JPH11200286A (ja) | 1999-07-27 |
JP3968842B2 JP3968842B2 (ja) | 2007-08-29 |
Family
ID=18468484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36023197A Expired - Fee Related JP3968842B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 発泡断熱材用面材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3968842B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013099864A (ja) * | 2011-11-07 | 2013-05-23 | Sekisui Chem Co Ltd | 不燃積層材 |
JP2016104568A (ja) * | 2016-01-15 | 2016-06-09 | 積水化学工業株式会社 | 不燃積層材 |
WO2021235189A1 (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 阿波製紙株式会社 | 断熱シート |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36023197A patent/JP3968842B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013099864A (ja) * | 2011-11-07 | 2013-05-23 | Sekisui Chem Co Ltd | 不燃積層材 |
JP2016104568A (ja) * | 2016-01-15 | 2016-06-09 | 積水化学工業株式会社 | 不燃積層材 |
WO2021235189A1 (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 阿波製紙株式会社 | 断熱シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3968842B2 (ja) | 2007-08-29 |
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