JPH11199722A - 難燃性プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性プロピレン系樹脂組成物

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JPH11199722A
JPH11199722A JP263598A JP263598A JPH11199722A JP H11199722 A JPH11199722 A JP H11199722A JP 263598 A JP263598 A JP 263598A JP 263598 A JP263598 A JP 263598A JP H11199722 A JPH11199722 A JP H11199722A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
hydrocarbon group
aliphatic hydrocarbon
aromatic hydrocarbon
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JP263598A
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Junji Tan
淳 二 丹
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Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の難燃性プロピレン系樹脂組成物
は、(A)プロピレン系樹脂100重量部、および
(B)ポリリン酸アンモニウム(b1−1)および特定
のリン含有環状化合物からなる群より選ばれる少なくと
も2種類のリン含有化合物の混合物(b1)と、特定の
1,3,5-トリアジン骨格を有する化合物、特定のイソシア
ヌレート骨格を有する化合物、およびこれらの化合物群
から選ばれる同種もしくは異種の複数の化合物同士が化
学的に結合した化合物、からなる群より選ばれる少なく
とも1種類の窒素含有環状化合物(b2)とからなるリ
ン・窒素系難燃剤10〜100重量部を含有してなるこ
とを特徴としている。 【効果】上記組成物は、有毒性ガスおよび腐食性ガスの
発生が極めて少なく、高度な難燃性を有するとともに、
優れた外観、耐水性および機械物性を有する成形体を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、難燃性プロピレン系樹脂
組成物に関し、さらに詳しくは、有毒ガスおよび腐蝕性
ガスの発生が少なく、高度な難燃性を有するとともに、
優れた外観耐水性および機械物性を有する成形体を提供
することができる非ハロゲン系の難燃性プロピレン系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】プロピレン系樹脂は、優れた機械
的性質、電気的性質、加工性、耐薬品性などを有してい
るため、射出成形品、中空成形品、フィルム、シート、
繊維などに加工され、各種用途に用いられている。しか
しながら、プロピレン系樹脂は、極めて燃えやすいとい
う欠点を有している。
【0003】このため、従来からプロピレン系樹脂を燃
え難くする試みがなされてきた。難燃剤として、ハロゲ
ン系化合物および酸化アンチモンを用い、プロピレン系
樹脂に添加する方法が、最も一般的に用いられている。
しかしながら、このような難燃化方法により得られるプ
ロピレン系樹脂組成物は、その成形体の燃焼時や成形時
にハロゲン化水素などの有毒ガスおよび腐食性ガスを発
生するという欠点を有している。
【0004】一方、ハロゲン系化合物を用いない難燃化
方法として、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を用
いる方法もある。しかしながら、このような金属水和物
を難燃剤としてプロピレン系樹脂に添加する方法は、難
燃効果が低く、金属水和物の添加量を著しく多くする必
要があるため、この難燃化方法により得られるプロピレ
ン系樹脂組成物の成形体は、比重が大きくなり、機械物
性が著しく損なわれるという欠点がある。
【0005】また、ハロゲン系化合物を用いない他の難
燃化方法として、プロピレン系樹脂に、難燃剤としてポ
リリン酸アンモニウムを添加するとともに、メラミン、
ペンタエリスリトール等の相乗化剤も併せて添加する難
燃化方法も知られている。しかしながら、この方法で
も、難燃性は十分でなく、難燃剤を多量に添加しなけれ
ばならず、しかも、この方法により得られるプロピレン
系樹脂組成物からは、耐水性の悪い成形体しか得られな
いという欠点を有する。
【0006】さらに、米国特許第4,312,805号
明細書には、ポリオレフィンに対して、ポリリン酸アン
モニウムとポリアミドを含む窒素化合物とを併用する難
燃化方法が開示されている。しかしながら、この方法を
用いると、難燃性の向上は見られるものの、高度な難燃
性が発現するとは言い難く、また良好な外観を有する成
形体は得られない。
【0007】また、特開平6−184374号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム、メラミンおよびペンタエ
リスリトールの難燃系にアマイド化合物を添加する方法
が開示されている。しかしながら、この方法でも、十分
な難燃性は得られず、しかも、この方法により得られる
プロピレン系樹脂組成物の成形体の耐水性も十分ではな
い。
【0008】そこで、本願発明者らは、このような状況
下に、プロピレン系樹脂の難燃化について鋭意研究し、
リン原子および窒素原子を特定割合で含有した特定の化
合物群を添加することにより、有毒性ガスおよび腐食性
ガスの発生が極めて少なく、高度な難燃性を有するとと
もに、優れた外観、耐水性および機械物性を有する成形
体を提供することができる難燃性プロピレン系樹脂組成
物が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、有毒性ガスおよ
び腐食性ガスの発生が極めて少なく、高度な難燃性を有
するとともに、優れた外観、耐水性および機械物性を有
する成形体を成形することができる非ハロゲン系の難燃
性プロピレン系樹脂組成物を提供することを目的として
いる。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組
成物は、(A)プロピレン系樹脂100重量部、および
(B)ポリリン酸アンモニウム(b1−1)および下記
式(b1−2)ないし(b1−4)で示される化合物か
らなる群より選ばれる少なくとも2種類のリン含有化合
物の混合物(b1)と、下記式(b2−1)ないし(b
2−2)で示される化合物、および(b2−1)ないし
(b2−2)で示される化合物群から選ばれる同種もし
くは異種の複数の化合物同士が化学的に結合した化合
物、からなる群より選ばれる少なくとも1種類の窒素含
有環状化合物(b2)とからなるリン・窒素系難燃剤1
0〜100重量部を含有してなることを特徴としてい
る。
【0011】
【化6】
【0012】[式中、A、B、CおよびDは、それぞれ
独立に、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、E
およびFは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子
であり、mおよびnは、それぞれ独立に、0または1で
あり、YおよびZは、それぞれ独立に、酸素原子または
硫黄原子であり、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化
水素基であり、これらの基は置換基を有していてもよ
い。]
【0013】
【化7】
【0014】[式中、AおよびBは、それぞれ独立に、
酸素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、Eは、酸素
原子または硫黄原子であり、mは、0または1であり、
Yは、酸素原子または硫黄原子であり、R1 は、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基
であり、これらの基は置換基を有していてもよく、R3
およびR4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の
脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭化水
素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数1〜1
2の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む
炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1
つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水
素基、または少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子
数6〜12の芳香族炭化水素基である。]
【0015】
【化8】
【0016】[式中、A、BおよびCは、それぞれ独立
に、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、Yは、
酸素原子または硫黄原子であり、R5 は、炭素原子数1
〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香
族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子
数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸
基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少な
くとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪
族炭化水素基、または少なくとも1つのアミノ基を含む
炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基である。]
【0017】
【化9】
【0018】[式中、R6 、R7 およびR8 は、それぞ
れ独立に、水酸基、アミノ基、モノ置換アルキルアミノ
基、ジ置換アルキルアミノ基、ピペリジノ基、炭素原子
数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の
芳香族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素
原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの
水酸基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、
少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の
脂肪族炭化水素基、または少なくとも1つのアミノ基を
含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基である。]
【0019】
【化10】
【0020】[式中、R9 、R10、およびR11は、それ
ぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12の脂肪族炭
化水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少
なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数1〜12の脂肪
族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子
数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1つのアミ
ノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、ま
たは少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数6〜1
2の芳香族炭化水素基である。]
【0021】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る難燃性プロピレ
ン系樹脂組成物について具体的に説明する。本発明に係
る難燃性プロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系樹脂
(A)およびリン・窒素系難燃剤(B)を含有してな
る。
【0022】プロピレン系樹脂(A) 本発明で用いられるプロピレン系樹脂(A)としては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、1-ブ
テン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル
-1- ブテン、4-メチル-1- ペンテン等のα- オレフィン
とのランダム共重合体またはブロック共重合体が挙げら
れる。これらの共重合体は、アイソタクチック共重合体
であってもよいし、またシンジオタクチック共重合体で
あってもよい。
【0023】これらのプロピレン系樹脂(A)は、単独
で、または2種以上組み合わせて用いることができる。リン・窒素系難燃剤(B) 本発明で用いられるリン・窒素系難燃剤(B)とは、ポ
リリン酸アンモニウム(b1−1)および後述する式
(b1−2)ないし(b1−4)で示される化合物から
なる群より選ばれる少なくとも2種類のリン含有化合物
の混合物(b1)と、後述する式(b2−1)ないし
(b2−2)で示される化合物、および式(b2−1)
ないし(b2−2)で示される化合物群から選ばれる同
種もしくは異種の複数の化合物同士が化学的に結合した
化合物、からなる群より選ばれる少なくとも1種類の窒
素含有環状化合物(b2)とからなる難燃剤を指す。
【0024】[リン含有化合物の混合物(b1)]上記
ポリリン酸アンモニウム(b1−1)としては、通常市
販されているポリリン酸アンモニウムを用いることがで
きる。
【0025】これらのポリリン酸アンモニウムは、表面
をメラミンやメラミン樹脂、フッ素系ポリマーで被覆し
た変性ポリリン酸アンモニウムであってもよいし、さら
にメラミンで被覆したのち架橋化処理をしたメラミン架
橋ポリリン酸アンモニウムであってもよい。このような
表面をメラミン等で被覆した変性ポリリン酸アンモニウ
ムを用いると、プロピレン系樹脂の耐水性が向上する。
【0026】
【化11】
【0027】式中、A、B、CおよびDは、それぞれ独
立に、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、Eお
よびFは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子で
あり、mおよびnは、それぞれ独立に、0または1であ
り、YおよびZは、それぞれ独立に、酸素原子または硫
黄原子であり、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂
肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水
素基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
【0028】R1 およびR2 における脂肪族炭化水素基
としては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-
ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、
n-オクチル基、sec-ブチル基、sec-アミル基、sec-ペン
チル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-
ドデシル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチ
ル基、1-アミノエチル基、2-アミノエチル基等のアルキ
ル基などが挙げられる。
【0029】また、脂環族炭化水素基としては、具体的
には、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、メチ
ルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デカ
ヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、ヒドロキシ
シクロヘキシル基、アミノシクロヘキシル基などが挙げ
られる。
【0030】また、芳香族炭化水素基としては、具体的
には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、キシリル
基、メシチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ヒドロキ
シフェニル基、アミノフェニル基、ジプロピルフェニル
基、ジブチルフェニル基等のアリール基などが挙げられ
る。
【0031】上記式(b1−2)で表わされる化合物
は、A、B、CおよびDが酸素原子あるいはイミノ基
(−NH−)であることが好ましく、E、Fが酸素原子
あるいはm、nが0でE、Fがないことが好ましく、
Y、Zがともに酸素原子であることが好ましく、R1
2 がフェニル基、メチル基またはエチル基であること
が好ましい。
【0032】具体的な化合物としては、下記式(b1−
2a)〜(b1−2f)で示される化合物などが挙げら
れ、これらの中でも、式(b1−2a)で示される化合
物がより好ましい。なお、これらの式中におけるPh、
Me、Etは、それぞれフェニル基、メチル基、エチル
基を示す。
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】式中、AおよびBは、それぞれ独立に、酸
素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、Eは、酸素原
子または硫黄原子であり、mは、0または1であり、Y
は、酸素原子または硫黄原子であり、R1 は、脂肪族炭
化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基で
あり、これらの基は置換基を有していてもよく、R3
よびR4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の脂
肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素
基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数1〜12
の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭
素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1つ
のアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素
基、または少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数
6〜12の芳香族炭化水素基である。
【0037】R1 は、上述した式(c1−2)における
1 と同じである。R3 およびR4 における炭素原子数
1〜12の脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソ
ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、sec-ブチル
基、sec-アミル基、sec-ペンチル基、n-ノニル基、n-デ
シル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基などが挙げられ
る。
【0038】また、R3 およびR4 における炭素原子数
6〜12の芳香族炭化水素基としては、具体的には、フ
ェニル基、トリル基、ナフチル基、キシリル基、メシチ
ル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチル
フェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル
基、ジブチルフェニル基などが挙げられる。
【0039】R3 およびR4 における少なくとも1つの
水酸基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基と
しては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブ
チル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-
オクチル基、sec-ブチル基、sec-アミル基、sec-ペンチ
ル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ド
デシル基等の水素原子が1または2以上の水酸基で置換
されている基が挙げられる。
【0040】R3 およびR4 における少なくとも1つの
水酸基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基と
しては、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル
基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、プロ
ピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジエチルフェニル
基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基等の水
素原子が1または2以上の水酸基で置換されている基が
挙げられる。
【0041】R3 およびR4 における少なくとも1つの
アミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基
としては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-
ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、
n-オクチル基、sec-ブチル基、sec-アミル基、sec-ペン
チル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-
ドデシル基等の水素原子が1または2以上のアミノ基で
置換されている基が挙げられる。
【0042】R3 およびR4 における少なくとも1つの
アミノ基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基
としては、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチ
ル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、プ
ロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジエチルフェニ
ル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基等の
水素原子が1または2以上のアミノ基で置換されている
基が挙げられる。
【0043】また、上記式(b1−3)で表わされる化
合物は、AおよびBが酸素原子あるいはイミノ基(−N
H−)であることが好ましく、Eが酸素原子あるいはm
が0でEがないことが好ましく、Yが酸素原子であるこ
とが好ましく、R1 がフェニル基、メチル基またはエチ
ル基であることが好ましく、R3 およびR4 がメチル
基、エチル基またはヒドロキシメチル基であることが好
ましい。
【0044】具体的な化合物としては、下記式(b1−
3a)〜(b1−3l)で示される化合物などが挙げら
れ、これらの中でも、式(b1−3a)で示される化合
物がより好ましい。なお、これらの式中におけるPh、
Me、Etは、それぞれフェニル基、メチル基、エチル
基を示す。
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】式中、A、BおよびCは、それぞれ独立
に、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基であり、Yは、
酸素原子または硫黄原子であり、R5 は、炭素原子数1
〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香
族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子
数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸
基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少な
くとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪
族炭化水素基、または少なくとも1つのアミノ基を含む
炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基である。
【0050】R5 は、上述した式(b1−3)における
3 ないしR4 と同じである。上記式(b1−4)で表
わされる化合物は、A、BおよびCが酸素原子あるいは
イミノ基(−NH−)であることが好ましく、Yが酸素
原子であることが好ましく、R5 がメチル基、エチル
基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基またはア
ミノメチル基、アミノエチル基であることが好ましい。
【0051】具体的な化合物としては、下記式(b1−
4a)〜(b1−4f)で示される化合物などが挙げら
れ、これらの中でも、式(b1−4a)で示される化合
物がより好ましい。
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】本発明では、リン含有化合物の混合物(b
1)として、少なくとも上記の異なる化合物群から選ば
れる2種類以上のリン含有化合物を組み合わせた混合物
が用いられる。このような組み合わせからなるリン含有
化合物の混合物(b1)を用いることにより、プロピレ
ン系樹脂の難燃性を向上させることができる。
【0055】リン含有化合物の混合物(b1)としての
リン含有化合物の組み合わせは、上記に掲げた化合物で
あれば、特に限定はされないが、次のような組み合わせ
が好ましい。 (1) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−2)で示される化合物群より選ばれる化合物との組み
合わせ。 (2) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−3)で示される化合物群より選ばれる化合物との組み
合わせ。 (3) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−4)で示される化合物群より選ばれる化合物との組み
合わせ。 (4) 式(b1−2)で示される化合物群より選ばれる化
合物と、式(b1−4)で示される化合物群より選ばれ
る化合物との組み合わせ。 (5) 式(b1−3)で示される化合物群より選ばれる化
合物と、式(b1−4)で示される化合物群より選ばれ
る化合物との組み合わせ。 (6) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−2)で示される化合物群より選ばれる化合物と、式
(b1−3)で示される化合物群より選ばれる化合物と
の組み合わせ。 (7) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−2)で示される化合物群より選ばれる化合物と、式
(b1−4)で示される化合物群より選ばれる化合物と
の組み合わせ。 (8) ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−3)で示される化合物群より選ばれる化合物と、式
(b1−4)で示される化合物群より選ばれる化合物と
の組み合わせ。 (9) 式(b1−2)で示される化合物群より選ばれる化
合物と、式(b1−3)で示される化合物群より選ばれ
る化合物と、式(b1−4)で示される化合物群より選
ばれる化合物との組み合わせ。 (10)ポリリン酸アンモニウム(b1−1)と、式(b1
−2)で示される化合物群より選ばれる化合物と、式
(b1−3)で示される化合物群より選ばれる化合物
と、式(b1−4)で示される化合物群より選ばれる化
合物との組み合わせ。
【0056】このような組み合わせからなるリン含有化
合物の混合物(b1)は、組み合わせた各化合物の難燃
剤として作用する温度および機構が異なるため、難燃性
の向上効果が相乗的に発現し、難燃性が顕著に向上する
ものと考えられる。
【0057】また、この組み合わせる比率としては、リ
ン含有化合物の混合物(b1)全体を100重量%とし
た場合、2成分を組み合わせる場合には、1成分が10
〜90重量%の範囲で組み合わせることが好ましく、3
成分を組み合わせる場合には、1成分が10〜80重量
%の範囲で組み合わせることが好ましく、4成分を組み
合わせる場合には、1成分は10〜70重量%の範囲で
組み合わせることが好ましい。
【0058】また、式(b1−2)、式(b1−3)お
よび式(b1−4)で示される化合物からなる群より選
ばれるリン含有化合物は、それぞれの式で示される化合
物群より1種類の化合物であっても、2種類以上の化合
物の混合物であってもよい。
【0059】[窒素含有環状化合物(b2)]上記窒素
含有環状化合物(b2)とは、下記式(b2−1)で示
される化合物、(b2−2)で示される化合物、および
(b2−1)ないし(b2−2)で示される化合物群よ
り選ばれる同種もしくは異種の複数の化合物同士が化学
的に結合した化合物からなる群より選ばれる少なくとも
1種類の窒素含有環状化合物である。
【0060】
【化21】
【0061】式中、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ
独立に、水酸基、アミノ基、モノ置換アルキルアミノ
基、ジ置換アルキルアミノ基、ピペリジノ基、炭素原子
数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の
芳香族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素
原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの
水酸基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、
少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の
脂肪族炭化水素基、または少なくとも1つのアミノ基を
含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基である。
【0062】R6 、R7 およびR8 におけるモノ置換ア
ルキルアミノ基としては、具体的には、メチルアミノ
基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピ
ルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、
sec-ブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、n-ペンチルア
ミノ基、イソペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ
基、n-ヘキシルアミノ基、n-ヘプチルアミノ基などが挙
げられる。
【0063】また、R6 、R7 およびR8 におけるジ置
換アルキルアミノ基としては、具体的には、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n- プロピルアミノ基、
ジイソプロピルアミノ基、ジ-n- ブチルアミノ基、ジイ
ソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-t- ブ
チルアミノ基、メチルエチルアミノ基などが挙げられ
る。
【0064】R6 、R7 およびR8 における炭素原子数
1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳
香族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原
子数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水
酸基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少
なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂
肪族炭化水素基、および少なくとも1つのアミノ基を含
む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基は、上述した
式(b1−3)におけるR3 、R4 および式(b1−
4)におけるR5 と同じである。
【0065】上記式(b2−1)で示される化合物とし
ては、具体的には、メラミン、シアヌル酸、2-メチル-
4,6- ジアミノ- トリアジン、2,4-ジメチル-6- アミノ-
トリアジン、2-メチル-4,6- ジヒドロキシ- トリアジ
ン、2,4-ジメチル-6- ヒドロキシ- トリアジン、トリメ
チルトリアジン、トリス(ヒドロキシメチル)トリアジ
ン、トリス(1-ヒドロキシエチル)トリアジン、トリス
(2-ヒドロキシエチル)トリアジンなどが挙げられる。
【0066】
【化22】
【0067】式中、R9 、R10、およびR11は、それぞ
れ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12の脂肪族炭化
水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少な
くとも1つの水酸基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族
炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数
6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1つのアミノ
基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、また
は少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数6〜12
の芳香族炭化水素基である。
【0068】R9 、R10、およびR11における炭素原子
数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の
芳香族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素
原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの
水酸基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、
少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の
脂肪族炭化水素基、および少なくとも1つのアミノ基を
含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基は、上述し
た式(b1−3)におけるR3 、R4 、式(b1−4)
におけるR5 および式(b2−1)におけるR6
7 、R8 と同じである。
【0069】上記式(b2−2)で示される化合物とし
ては、具体的には、イソシアヌル酸、トリス(1-ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシメチ
ル)イソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートな
どが挙げられる。
【0070】また、上記式(b2−1)ないし(b2−
2)で示される化合物群より選ばれる同種もしくは異種
の複数の化合物同士が化学的に結合した化合物とは、メ
ラミンシアヌレートのようにイオン的に結合し塩を形成
している化合物、およびトリス(ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートのような水酸基を複数含有する化合物の
分子間の水酸基が脱水反応で結合しオリゴマー化した下
記式(b2−3)、(b2−4)および(b2−5)で
示されるような化合物が挙げられる。
【0071】
【化23】
【0072】[式中、nは1〜10の整数である]
【0073】
【化24】
【0074】[式中、nは1〜10の整数である]
【0075】
【化25】
【0076】[式中、nは1〜10の整数である] このようにオリゴマー化した化合物は、水への溶解性が
低下し、耐水性が向上するため、好ましい。
【0077】本発明で用いられるリン・窒素系難燃剤
(B)としては、リン含有化合物の混合物(b1)と窒
素含有環状化合物(b2)との混合物であることが好ま
しい。この組み合わせる比率としては、どのような配合
比であってもよいが、リン・窒素系難燃剤(B)全体を
100重量%とした場合、リン含有化合物の混合物(b
1)が30〜98重量%、好ましくは40〜95重量
%、さらに好ましくは50〜90重量%であることが望
ましく、窒素含有環状化合物(b2)が70〜2重量
%、好ましくは60〜5重量%、さらに好ましくは50
〜10重量%であることが望ましい。このような比率で
リン含有化合物の混合物(b1)と窒素含有環状化合物
(b2)とを組み合わせると、難燃性に優れた樹脂組成
物を得ることができる。
【0078】リン・窒素系難燃剤(B)は、プロピレン
系樹脂(A)100重量部に対し、10〜100重量
部、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは1
5〜50重量部の割合で用いられる。
【0079】難燃性プロピレン系樹脂組成物 本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組成物は、プロピ
レン系樹脂(A)およびリン・窒素系難燃剤(B)が上
述した特定の割合で配合されているので、難燃性に優れ
るとともに、外観、耐水性および機械物性のバランスに
優れた成形体を提供することができる。
【0080】本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組成
物中に、上記成分(A)および(B)、の他に、他の既
知の非ハロゲン系難燃剤、たとえば赤リン、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水和物などを、
本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。
【0081】また、本発明に係る難燃性プロピレン系樹
脂組成物は、シランカップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤等の表面処理剤を含有していることが好まし
い。本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組成物中に、
たとえばガラス繊維等の補強剤、充填剤、増量剤、安定
剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、発錆剤などの添加剤
または他のポリマーを、本発明の目的を損なわない範囲
で配合することができる。
【0082】難燃性プロピレン系樹脂組成物の調製 本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組成物の調製に
は、一般に可塑剤、安定剤、着色剤あるいは充填剤をブ
レンドする際に採用されている種々の方法を採用するこ
とができる。プロピレン系樹脂(A)およびリン・窒素
系難燃剤(B)等の各成分のブレンドは、たとえば押出
機、プラストミル等の一般の混合機を用いて行なうこと
ができる。
【0083】
【発明の効果】本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組
成物は、有毒性ガスおよび腐食性ガスの発生が極めて少
なく、高度な難燃性を有するとともに、優れた外観、耐
水性および機械物性を有する成形体を提供することがで
きる。
【0084】本発明に係る難燃性プロピレン系樹脂組成
物は、家庭用品から工業用品に至る広い用途、たとえば
電気部品、電子部品、自動車部品、機械機構部品、パイ
プ、電線などに好適に使用することができる。
【0085】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0086】なお、実施例、比較例で用いた難燃剤は次
の通りである。難燃剤NA ポリリン酸アンモニウム(b1−1)とイソシアヌレー
ト化合物((b2−2)に該当する化合物)との混合
物; 商品名 ホスタフラム(Hostaflam) AP750、ヘキ
スト社製難燃剤NB メラミン変性ポリリン酸アンモニウム(b1−1); 商品名 ホスタフラム(Hostaflam) AP462、ヘキ
スト社製難燃剤NC メラミン((b2−1)に該当する化合物);和光純薬
工業(株)製難燃剤ND メラミンシアヌレート((b2)に該当する化合物); 商品名 MC−440、日産化学(株)製難燃剤NE 下式で表わされるリン含有化合物(上述した式(b1−
2a)で示される化合物)
【0087】
【化26】
【0088】難燃剤NF 下式で表わされるリン含有化合物(上述した式(b1−
3a)で示される化合物)
【0089】
【化27】
【0090】難燃剤NG 下式で表わされるリン含有化合物(上述した式(b1−
4a)で示される化合物)
【0091】
【化28】
【0092】難燃剤NH トリフェニルホスフェート[(C65O)3PO]
((b1)を構成するリン含有化合物以外のリン化合
物);和光純薬工業(株)製難燃剤NI ペンタエリスリトール;和光純薬工業(株)製
【0093】
【実施例1】プロピレンホモポリマー(230℃、2.
16kg荷重時のMI=12g/10分)100重量部
に対して、難燃剤として難燃剤NA19重量部、難燃剤
NE6重量部、イルガノックス1010(商品名;チバ
ガイギー社製、フェノール系酸化防止剤)0.1重量
部、イルガフォス168(商品名;チバガイギー社製、
リン系安定剤)0.1重量部、およびステアリン酸カル
シウム0.1重量部を混合し、ラボプラストミル
[(株)東洋精機製作所製]を用い、230℃の温度で
溶融混練した。
【0094】得られたプロピレン系樹脂組成物を加熱温
度230℃、冷却温度20℃でプレス成形し、下記の測
定で用いる各種試験片を作製した。これらの試験片を用
いて各種測定を行なった結果を第1表に示す。
【0095】なお、各種の物性測定は次の条件で行なっ
た。 <物性の測定方法> (1)燃焼性 長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ1/8”の試験片
を用いて、UL94V試験を、次の要領で行なった。ま
ず試験片を鉛直に立て、真下に脱脂綿を置き、試験片の
下から炎長3/4インチの炎で10秒間接炎し、有炎燃
焼時間を測定した。消火後すぐに10秒間再び接炎し、
有炎および無炎燃焼時間を測定した。試験片数は5個と
した。
【0096】難燃性の評価は、以下の要求水準に照らし
て判定した。 V−0 A:各回の有炎燃焼時間は10秒以下。 B:試験片5個の合計有炎燃焼時間は50秒以下。 C:クランプまで有炎あるいは無炎燃焼しないこと。 D:下の綿を発火させないこと。 E:2回目の無炎燃焼時間は30秒以下。
【0097】 V−1 A:各回の有炎燃焼時間は30秒以下。 B:試験片5個の合計有炎燃焼時間は250秒以下。 C、D:V−0と同じ。 E:2回目の無炎燃焼時間は60秒以下。 V−2 A,B,C,E:V−1と同じ。 D:下の綿発火OK。 不合格 上のいずれにも該当しなかったもの。
【0098】(2)耐水性 プレス成形品を80℃、90%RHの条件下に、48時
間放置した場合の色相差(ΔE)を、ミノルタカメラ
(株)製の測色計CM−1000を用いて測定した。Δ
Eの値が小さいほど、耐水性に優れている。
【0099】(3)外観 プレス成形品の85°グロスをスガ試験機(株)製の携
帯光沢計HG−268を用いて測定した。グロス値が大
きいほど外観が優れている。
【0100】
【実施例2】実施例1において、難燃剤NEの代わり
に、難燃剤NFを6重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして、試験片を作製し、上記の各種測定を行なっ
た。
【0101】その結果を第1表に示す。
【0102】
【実施例3】実施例1において、難燃剤NEの代わり
に、難燃剤NGを6重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして、試験片を作製し、上記の各種測定を行なっ
た。
【0103】その結果を第1表に示す。
【0104】
【実施例4】実施例1において難燃剤として、難燃剤N
Aおよび難燃剤NEの配合量をともに12.5重量部に
変更した以外は、実施例1と同様にして、試験片を作製
し、上記の各種測定を行なった。
【0105】その結果を第1表に示す。
【0106】
【実施例5】実施例1において、難燃剤NA19重量部
のかわりに、難燃剤NBを15重量部、難燃剤NCを4
重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、試験片を
作製し、上記の各種測定を行なった。
【0107】その結果を第1表に示す。
【0108】
【実施例6】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの代わりに、難燃剤NBを15重量部、難燃剤N
Cを4重量部、難燃剤NFを6重量部用いた以外は、実
施例1と同様にして、試験片を作製し、上記の各種測定
を行なった。
【0109】その結果を第1表に示す。
【0110】
【実施例7】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの代わりに、難燃剤NBを15重量部、難燃剤N
Dを4重量部、難燃剤NFを6重量部用いた以外は、実
施例1と同様にして、試験片を作製し、上記の各種測定
を行なった。
【0111】その結果を第1表に示す。
【0112】
【実施例8】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの配合量をそれぞれ15重量部、5重量部に変更
し、さらに難燃剤NGを5重量部用いた以外は、実施例
1と同様にして、試験片を作製し、上記の各種測定を行
なった。
【0113】その結果を第1表に示す。
【0114】
【比較例1】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの配合量をそれぞれ25重量部、0重量部に変更
した以外は、実施例1と同様にして、試験片を作製し、
上記の各種測定を行なった。
【0115】その結果を第1表に示す。リン含有化合物
が1種類の場合は高い難燃性が得られなかった。
【0116】
【比較例2】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの代わりに、難燃剤NBを19重量部、難燃剤N
Cを6重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、試
験片を作製し、上記の各種測定を行なった。
【0117】その結果を第1表に示す。リン含有化合物
が1種類の場合は高い難燃性が得られなかった。
【0118】
【比較例3】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの配合量をそれぞれ0重量部、19重量部に変更
し、さらに難燃剤NCを6重量部用いた以外は、実施例
1と同様にして、試験片を作製し、上記の各種測定を行
なった。
【0119】その結果を第1表に示す。リン含有化合物
が1種類の場合は高い難燃性が得られなかった。
【0120】
【比較例4】実施例1において、難燃剤NEの代わり
に、難燃剤NHを6重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして、試験片を作製し、上記の各種測定を行なっ
た。
【0121】その結果を第1表に示す。(b1)を構成
するリン含有化合物以外のリン化合物(トリフェニルホ
スフェート)を組み合わせても高い難燃性は得られなか
った。
【0122】
【比較例5】実施例1において、難燃剤NAおよび難燃
剤NEの代わりに、難燃剤NBを15重量部、難燃剤N
Cを5重量部および難燃剤NIを5重量部用いた以外
は、実施例1と同様にして、試験片を作製し、上記の各
種測定を行なった。
【0123】その結果を第1表に示す。難燃剤NI(ペ
ンタエリスリトール)を用いても、実施例ほどの難燃性
は得られず、また耐水性も低かった。
【0124】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/5399 C08K 5/5399

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)プロピレン系樹脂100重量部、お
    よび(B)ポリリン酸アンモニウム(b1−1)および
    下記式(b1−2)ないし(b1−4)で示される化合
    物からなる群より選ばれる少なくとも2種類のリン含有
    化合物の混合物(b1)と、 下記式(b2−1)ないし(b2−2)で示される化合
    物、および(b2−1)ないし(b2−2)で示される
    化合物群から選ばれる同種もしくは異種の複数の化合物
    同士が化学的に結合した化合物、からなる群より選ばれ
    る少なくとも1種類の窒素含有環状化合物(b2)とか
    らなるリン・窒素系難燃剤10〜100重量部を含有し
    てなることを特徴とする難燃性プロピレン系樹脂組成
    物; 【化1】 [式中、A、B、CおよびDは、それぞれ独立に、酸素
    原子、硫黄原子またはイミノ基であり、 EおよびFは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原
    子であり、 mおよびnは、それぞれ独立に、0または1であり、 YおよびZは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原
    子であり、 R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素
    基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
    これらの基は置換基を有していてもよい。]、 【化2】 [式中、AおよびBは、それぞれ独立に、酸素原子、硫
    黄原子またはイミノ基であり、 Eは、酸素原子または硫黄原子であり、 mは、0または1であり、 Yは、酸素原子または硫黄原子であり、 R1 は、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳
    香族炭化水素基であり、これらの基は置換基を有してい
    てもよく、 R3 およびR4 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜1
    2の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭
    化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数1
    〜12の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を
    含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくと
    も1つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭
    化水素基、または少なくとも1つのアミノ基を含む炭素
    原子数6〜12の芳香族炭化水素基である。]、 【化3】 [式中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、酸素原
    子、硫黄原子またはイミノ基であり、 Yは、酸素原子または硫黄原子であり、 R5 は、炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素
    原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1つの
    水酸基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、
    少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数6〜12の芳
    香族炭化水素基、少なくとも1つのアミノ基を含む炭素
    原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、または少なくとも
    1つのアミノ基を含む炭素原子数6〜12の芳香族炭化
    水素基である。]、 【化4】 [式中、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立に、水
    酸基、アミノ基、モノ置換アルキルアミノ基、ジ置換ア
    ルキルアミノ基、ピペリジノ基、炭素原子数1〜12の
    脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜12の芳香族炭化水
    素基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数1〜1
    2の脂肪族炭化水素基、少なくとも1つの水酸基を含む
    炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1
    つのアミノ基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水
    素基、または少なくとも1つのアミノ基を含む炭素原子
    数6〜12の芳香族炭化水素基である。]、 【化5】 [式中、R9 、R10、およびR11は、それぞれ独立に、
    水素原子、炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭
    素原子数6〜12の芳香族炭化水素基、少なくとも1つ
    の水酸基を含む炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素
    基、少なくとも1つの水酸基を含む炭素原子数6〜12
    の芳香族炭化水素基、少なくとも1つのアミノ基を含む
    炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基、または少なく
    とも1つのアミノ基を含む炭素原子数6〜12の芳香族
    炭化水素基である。]。
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