JPH11199599A - 補体活性阻害性ペプチドおよび抗補体剤 - Google Patents

補体活性阻害性ペプチドおよび抗補体剤

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JPH11199599A
JPH11199599A JP9338964A JP33896497A JPH11199599A JP H11199599 A JPH11199599 A JP H11199599A JP 9338964 A JP9338964 A JP 9338964A JP 33896497 A JP33896497 A JP 33896497A JP H11199599 A JPH11199599 A JP H11199599A
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lys
peptide
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amino acid
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アドリエル デル カルピオ カルロス
Yasuki Kojima
泰樹 小島
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AZUMA SHIGEMI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補体の第1成分(C1)と確実に結合してそ
の活性化を充分に抑制できるものとし、生体に本来必要
な生体防御能力を低下させにくい医療製剤用のペプチド
を提供することである。 【解決手段】 下記のアミノ酸配列からなるペプチドを
1単位とし、2単位のC末端同士を遊離Lys を介して連
結した2倍体、2つの2倍体の前記連結に係るLys 同士
を遊離のLys を介して結合した4倍体、2つの4倍体の
前記連結に係るLys 同士を遊離のLys を介して結合した
8倍体、または2つの8倍体の前記連結に係るLys 同士
を遊離のLys を介して結合した16倍体からなり、補体
成分C1に対して不活化性を有する補体活性阻害性ペプ
チド、またはこのペプチドを有効成分とする抗補体剤と
する。 Val Gln Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、免疫反応抑制や
アレルギーの発症を防止する医療製剤用のペプチドに関
し、詳しくはヒト血清中の補体の活性化を抑制する補体
活性阻害性ペプチドおよび抗補体剤に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫反応による炎症やアレルギーなどを
抑制するために、ヒト血清中の補体反応を抑制する抗補
体剤を用いた治療法が知られている。
【0003】補体は、血清中に存在するタンパク質であ
って、C1、C4、C2、C3、C5、C6、C7、C
8、C9の9成分からなり、抗原抗体複合物または加熱
により凝集した抗体と反応して前記順序で活性化される
(古典的経路)。また活性化の経路において、特にC3
とC5の分解によって生じたC3aとC5aなどは生理
活性を有し、肥満細胞に作用してヒスタミンを遊離さ
せ、血管の透過性を亢進させたり、平滑筋を収縮させる
アナフィラトキシンとも呼ばれる。
【0004】このような補体は、最終的には溶菌や溶血
反応を起こす作用があり、抗原が赤血球の場合には、活
性化されたC9が細胞膜に障害を与えて溶血反応が起こ
り、また抗原がグラム陰性菌等である場合には溶菌が起
こる。
【0005】ところで、IgG型抗体では、抗体分子の
Fc部分のCH2と呼ばれる領域のペプチド(Val Gln
Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg )が、補体の第
1成分(C1)と結合することが知られている(J. Imm
unol., 27 2555 (1981))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したIg
G由来のC1結合性ペプチドは、補体の第1成分の活性
型(C1q)との結合力が弱く、このようなペプチド単
独では補体の活性を充分に抑制することが困難であると
考えられていた。
【0007】また、上記したIgG由来のC1結合性ペ
プチド(単独)は、血清中のエンドプロテアーゼで速や
かに分解されてしまうので、医療製剤用のペプチドとし
て実際に使用することは困難であった。
【0008】また、周知の抗補体剤として、CVFやs
CRIと呼ばれるものが知られているが、これらは補体
を枯渇させたり、活性化の前記両経路をいずれも抑制す
るものであるため、本来生体に必要な生体防御能力を阻
害したり、低下させたりするものであった。
【0009】さらにまた、補体の第1成分の活性型(C
1q)は、血小板凝集を起こしたり、好中球を活性化す
ることで妊娠中毒症や腎炎、関節リウマチ、膠原病、ア
ルツハイマー病、敗血症や再潅流障害における広汎性血
管内凝固(DIC)や組織障害を起こす場合もある。
【0010】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、補体の第1成分(C1)と確実に結合し
てその活性化を充分に抑制できるものとすることであ
る。
【0011】また、この発明の他の課題としては、生体
に本来必要な生体防御能力を低下させにくい医療製剤用
のペプチドまたは抗補体剤を提供することである。
【0012】さらにまた、この発明の他の課題として
は、血清中のエンドプロテアーゼで分解されにくい医療
製剤用のペプチドまたは抗補体剤を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、下記のアミノ酸配列からなる
ペプチドを1単位とし、2単位のC末端同士を遊離Lys
を介して連結した2倍体、2つの2倍体の前記連結に係
るLys 同士を遊離のLys を介して結合した4倍体、2つ
の4倍体の前記連結に係るLys 同士を遊離のLys を介し
て結合した8倍体、または2つの8倍体の前記連結に係
るLys 同士を遊離のLys を介して結合した16倍体から
なり、補体成分C1に対して不活化性を有する補体活性
阻害性ペプチドとしたのである。または、このような補
体活性阻害性ペプチドを有効成分とする抗補体剤とした
のである。 Val Gln Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg この発明に係る補体活性阻害性ペプチドは、ヒトIgG
抗体のFc部分のCH2と呼ばれる領域のペプチドと同
じ配列部分を有しているので、抗原性に乏しく副作用が
少ない。また、CIq(C1の活性型)に選択的に結合
することにより、補体活性化の古典経路のみ抑制し、生
体防御の中心である代価経路を温存することができる。
【0014】この発明の抗補体剤は、補体の第1成分の
活性型(C1q)に起因する症状、その他に補体系の関
与する炎症症状の鎮静化に有効であり、具体的にはII型
アレルギーやIII 型アレルギー(例えば、血清病、動物
由来モノクローナル抗体を用いた治療薬によるショック
症状の治療、全身性エリテマトーデス(SLE)、進行
性全身性硬化症、結節性多発性動脈炎、リウマチ熱、関
節リュウマチ、皮膚筋炎など)の治療や予防に使用でき
るものである。また、敗血症、DICなどC1qが増悪
因子となっている病態を改善するのに使用できるもので
ある。また、輸血製剤中のC1qの定量などの検査試薬
としても利用可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明における所定のアミノ酸
配列からなるペプチドは、上述のように化学合成法など
の周知のペプチド調製方法を用いて製造することができ
る。具体的には、化学合成、遺伝子組み替えなどの手法
で製造することができる。
【0016】固相合成法によりペプチドを合成する場合
には、架橋ポリスチレンなどの不溶性支持体上に合成す
べきペプチドのC末端のアミノ酸を固定し、それを起点
としてマイクロコンピュータで制御された市販の合成装
置でN−α−t−ブトキシカルボニル化アミノ酸(Bo
c−アミノ酸)またはN−α−9−フルオレニルメトキ
シカルボニル化アミノ酸(Fmoc−アミノ酸)に対し
て、適宜に保護基を除去して順に所要のペプチド鎖を伸
長させる。因みに、ペプチド合成機の製造会社または販
売会社としては、ファルマシア バイオテク社、パーキ
ンエルマージャパン社、アロカ社、島津製作所製などが
ある。
【0017】ショートペプチドの2〜16倍体のMAP
(Multiple antigen peptide) を製造するには、架橋ポ
リスチレンなどの不溶性支持体にBoc−Lys(Bo
c)またはFmoc−Lys(Fmoc)を用いて枝分
かれペプチドを合成し、そこに抗原のペプチドのC末端
のアミノ酸を固定し、それを起点としてペプチドを成長
させていく方法を採用できる。ペプチドを成長させるに
は、通常の固相合成法によりペプチドを合成する方法で
あるBoc法やFmoc法を採用できる。
【0018】その際に注意すべきことは、反応点が増加
するので最初のLysの含有量を0.1mmol/g程
度に調節すること、およびぺプチド鎖を成長させるアミ
ノ酸縮合反応の後、未反応のアミノ基を必ずアセチル化
して、それ以後のペプチド鎖の伸長を阻止し、途中のア
ミノ酸が欠落したペプチドを生成しないようにすること
である。
【0019】この発明の所定のアミノ酸配列からなるペ
プチドを有効成分とする抗補体剤の有効成分の投与量
は、患者の年齢や体重その他の最適な条件で個別に設定
されるため、特に限定されるものではないが、例えば経
口投与の場合、成人に対して一日5〜10mg程度を投
与することが好ましい。
【0020】また、この発明の補体活性阻害性ペプチド
を有効成分とする抗補体剤は、プロテアーゼで分解され
難いので、経口、外用、筋肉注射、静脈注射のいずれの
処方も採用できるものである。
【0021】投与に際しては、有効成分を薬理学的に許
容される担体や賦型剤などを混合することもでき、製剤
の形態としては、錠剤、顆粒剤などの固形剤、溶液剤、
懸濁剤などの液剤その他の周知の剤型が挙げられる。
【0022】
【実施例】〔比較例1〕自動ペプチド合成機(バイオシ
ステム社製:ABI 431A)を用い、J.Am.Chem.,8
5,2149 (1963) に記載の化学合成法(t−Boc法によ
る固相合成法で縮合剤としてBOPを使用する。)によ
り、アミノ酸配列が、Thr Lys Pro Argからなるペプチ
ド(289−292)を作製し、逆相カラムを用いた高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製し
た。
【0023】〔比較例2〕自動ペプチド合成機(バイオ
システム社製:431)を用い、J.Am.Chem.,85,2149
(1963) に記載の化学合成法(t−Boc法による固相
合成法で縮合剤としてBOPを使用する。)により、ア
ミノ酸配列が、Val Gln Val His Asn Ala Lys Thr Lys
Pro Arg からなるペプチドを作製し、逆相カラムを用い
た高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精
製した。
【0024】HPLCは、粒径5μmのC18シリカゲル
を充填した和光純薬社製の内径φ4.6mm、長さ25
0mmのカラム(Wakosil-2、5C18 AR)を用
い、ペプチド溶出の条件は初期溶媒を0.1%テトラフ
ルオロ酢酸(TFA)水溶液に5%アセトニトリル(C
3 CN)を含ませた混合溶液とし、アセトニトリル濃
度を5〜65%の範囲で経時的に濃度勾配を設けて毎分
9.5mlの流量で30分溶出とした。
【0025】HPLCは、波長220nmの紫外線検出
器を用い、吸光度のピークを検出し、その結果を図1に
示した。なお、ピークリポートは以下の通りである。 ピーク番号 検出時間(分) エリア 高さ 濃度 1 6.2 259226 26932 3.6 2 6.5 6943396 640651 96.4 。
【0026】〔実施例1〕自動ペプチド合成機(バイオ
システム社製:ABI 431A)を用い、J.Am.Che
m.,85,2149 (1963) に記載の化学合成法(t−Boc法
による固相合成法で縮合剤としてBOPを使用する。)
を利用すると共に、バイオケミストリー第85巻、pp.5
409-5413(1988年8月発行)に記載のジェームス
(JAMESP.TAM)の方法に従って、2倍体、4
倍体、8倍体または16倍体のMAPを製造した。
【0027】すなわち、ジビニルベンゼンで架橋したポ
リスチレン樹脂に官能基を導入した樹脂(ヒドロキシメ
チルフェニルアセトアミド樹脂(PAMレジンとも呼ば
れる)、または4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂)
にBoc−Lys(Boc)を使用する自動ペプチド合
成機を用いた。
【0028】自動ペプチド合成機では、Boc−Ala
−PAMレジン0.03mmol(0.5mmolの16分
の1)とBoc−Lys(Boc)−OH0.09mmo
lをBOPでカップリングさせて2倍体のMAPのコア
を製造した。次に、Boc−Lys(Boc)−OH0.
09mmolをBOPでカップリングさせた後、Boc
−Lys(Boc)−OH0.18mmolをBOPでカ
ップリングさせて4倍体のMAPのコアを製造した。さ
らに、同様にBoc−Lys(Boc)−OH0.36m
molをBOPでカップリングさせて8倍体のMAPの
コアを製造し、さらにBoc−Lys(Boc)−OH
0.72mmolをBOPでカップリングさせて16倍体
のMAPのコアを製造した。この合成工程を図2に示
し、参考のため樹脂から切り出した状態のMAP16の
コアの構造を図3に示した。なお、図2中のKおよびA
は、それぞれLys、Alaの略式表示である。
【0029】次に、前記自動ペプチド合成機でアルギニ
ン(Arg)を固定し、分岐型ペプチドの2、4、8ま
たは16個のN末端に、周知のBoc法によりアミノ酸
配列がVal Gln Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg
からなるペプチドをそれぞれ作製し、ショートペプチド
を2、4、8または16単位結合した2、4、8または
16倍体のMAP(Multiple antigen peptide) を製造
し、それぞれ溶媒で保護基の除去およびペプチドの脱離
を行なった。
【0030】因みに、自動ペプチド合成機による固相合
成(Boc法、0.5mmolスケール)では、下記の
〜の機械的な操作を繰り返すことで、所定のアミノ酸
を樹脂にC末端から連結させる。なお、操作中溶液の量
は約5〜10mlである。 脱Boc化 50%TFA/ジクロロメタン 5
min ボルテックス(攪拌)→溶液を排出→50%T
FA/ジクロロメタン 30min ボルテックス→溶
液を排出 洗浄 (ジクロロメタン 1min ボルテックス
→溶液を排出)×3回→(DMF 1min ボルテッ
クス→溶液を排出)×3回 縮合 Boc−アミノ酸1.5mmol/DMF、B
OP1.5mmol/DMF、DIEA2mmol 40
min→排出 洗浄 (DMF 1min ボルテックス→溶液を
排出)×3回→(ジクロロメタン 1min ボルテッ
クス→溶液を排出)×3回 。
【0031】次に、樹脂からの切り出しと同時にアミノ
酸側鎖の保護基の脱保護をフッ化水素(HF)で行なっ
た。すなわち、HF反応管に、樹脂500mg、m−ク
レゾール1ml、エタンジオール0.7ml、ジメチルス
ルフィド0.5mlを入れ、HF装置に装着した。減圧
下、−78℃に反応管を冷却し、HF10mlを反応管
に導いた。0℃で1時間攪拌した後、HFを留去した。
無水エーテルを加え、残渣をガラスフィルターに移し、
エーテルジクロロメタンでよく洗浄した。10%酢酸水
でペプチドを溶解させ、ろ液を凍結乾燥した。
【0032】得られたペプチドのうち16倍体のMAP
は、比較例2と全く同様にして逆相カラムを用いた高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)を行ない精製し
た。HPLCは、波長220nmの紫外線検出器を用
い、吸光度のピークを検出し、その結果を図5に示し
た。なお、ピークリポートは以下の通りである。 ピーク番号 検出時間(分) エリア 高さ 濃度 1 10.0 4460070 59022 99.8 2 15.9 7627 563 0.2 。
【0033】〔比較例3〕比較例2と同様のペプチド合
成機を用いた化学合成法により、アミノ酸配列がHis Le
u Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser からなるペプチド
を作製した。そして、得られたペプチドを逆相カラムを
用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっ
て精製した。
【0034】〔比較例4〕比較例2と同様のペプチド合
成機を用いた化学合成法により、アミノ酸配列が、His
Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser (配列番号3)
からなるペプチドを作製し、さらに実施例1と全く同じ
操作を行なって上記アミノ酸配列のC末端にLys を結合
した16倍体のMAPを作成した。そして、得られた1
6倍体のMAPを逆相カラムを用いた高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)によって精製した。
【0035】以上のようにして得た実施例1、比較例1
〜4(表1にまとめてアミノ酸配列を示した。)および
参考としてのIgG、IgGのFab部分、IgGのF
c部分についての抗補体作用を調べるため、以下の条件
による新鮮ヒト血清によるブタ赤血球溶血反応阻害率を
測定した。
【0036】《ブタ赤血球溶血反応阻害率の測定》10
μlの新鮮ヒト血清に30μlの段階希釈した各種阻害
剤(実施例、比較例等)を混合し、速やかに20μlの
3%ブタ赤血球と37℃の下で30分反応させ、3%ブ
タ赤血球の溶血阻害率(50%阻害定数=I50、単位:
mM)を調べ、結果を表2に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表2の結果からも明らかなように、実施例
1の補体活性阻害性ペプチドは、IgGと比較して16
7倍(0.1/0.0006)、比較例2と比べて55
00倍(3.3/0.0006)の阻害効果が認められ
た。
【0040】なお、上記評価は、比較例2のペプチドが
活性型の補体成分Clqと結合することが周知であるた
め、ペプチドによる溶血反応阻害は、Clqとの結合に
よる結果であるとの考えに基づいている。
【0041】次に、新鮮ヒト血清と3%ブタ赤血球の組
合わせの代わりに、精製補体と感作ヒツジ赤血球を用い
て同様の抗補体作用、すなわち赤血球溶血反応阻害試験
を行なった。
【0042】この結果、IgGのI50は、0.05m
M、比較例2(Val Gln Val His AsnAla Lys Thr Lys P
ro Arg のアミノ酸配列からなるペプチド)は、0.7
2mMであった。
【0043】上記試験における溶血反応阻害率を新鮮ヒ
ト血清を用いた試験の結果と比較すると、IgGに関し
てはほぼ同じ結果であるが、比較例2に関しては4.5
倍の強い阻害効果が認められた。精製補体と感作ヒツジ
赤血球を用いた抗補剤の赤血球溶血反応阻害試験におけ
る系にはエンドプロテアーゼが存在しないので、上記結
果は、ショートペプチドの比較例2が血中で分解されな
いことに起因すると考えられる。そして、このことから
実施例1は、新鮮ヒト血清を用いた前記試験においても
強い溶血反応阻害率を示すことから、血清中のエンドプ
ロテアーゼで分解されにくい特性を示していた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、所定のアミノ酸配
列で補体成分C1の不活化性を有するこの発明の補体活
性阻害性ペプチドまたは抗補体剤は、補体の第1成分
(C1)と確実に結合してその活性化を充分に抑制でき
るという利点がある。
【0045】また、この発明の補体活性阻害性ペプチド
および抗補体剤は、生体に本来必要な生体防御能力を低
下させにくいものである。
【0046】さらにまた、この発明の補体活性阻害性ペ
プチドまたは抗補体剤は、血清中のエンドプロテアーゼ
で分解されにくいという利点もある。
【0047】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:2 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:3 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例2のHPLCの測定チャートを示す図表
【図2】分岐型ペプチド(MAP2、4、8、16のコ
ア)の合成工程の説明図
【図3】リジン(Lys)15個が連結した分岐型ペプチド
の構造を示す説明図
【図4】分岐したペプチド(MAP)からなる実施例1
のアミノ酸配列を示す図表
【図5】実施例1のHPLCの測定チャートを示す図表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596141952 東 成見 愛知県名古屋市昭和区汐見町137番地の1 (72)発明者 カルロス アドリエル デル カルピオ 愛知県豊橋市浜道町管石32−2−202 (72)発明者 小島 泰樹 愛知県渥美郡田原町大字田原字築出20番地 の1 ファミールハイツ202

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のアミノ酸配列からなるペプチドを
    1単位とし、2単位のC末端同士を遊離Lys を介して連
    結した2倍体、2つの2倍体の前記連結に係るLys 同士
    を遊離のLys を介して結合した4倍体、2つの4倍体の
    前記連結に係るLys 同士を遊離のLys を介して結合した
    8倍体、または2つの8倍体の前記連結に係るLys 同士
    を遊離のLys を介して結合した16倍体からなり、補体
    成分C1に対して不活化性を有する補体活性阻害性ペプ
    チド。 Val Gln Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg
  2. 【請求項2】 請求項1記載の補体活性阻害性ペプチド
    を有効成分とする抗補体剤。
JP9338964A 1997-12-09 1997-12-09 補体活性阻害性ペプチドおよび抗補体剤 Pending JPH11199599A (ja)

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