JPH1119476A - 空気清浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒シートを利用した空気清浄機におい
て、装置の小型化、形状の自由度の向上を課題とする。 【解決手段】 風翼９の表面が光触媒シート３で構成さ
れた風車５をフレーム６に回転自在に固定し、前記風車
５の回転軸にモータの駆動軸を接続して空気清浄機Ａを
構成する。 【効果】 風車５自体が空気を流動させる作用を奏する
ので、従来必須であったファンが不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、光触媒シートを
利用した空気清浄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光触媒シートは、空気中の臭気、細菌、
汚れをシートに吸着させ、紫外線によってこれら付着成
分を水と炭酸ガスなどにまで分解し、脱臭、抗菌、防汚
作用を奏するものである。光触媒シートのこのような特
性を利用して、光触媒シートを利用した空気清浄機は既
に提案されている。

【０００３】従来の光触媒シートを利用した空気清浄機
は、例えば図７に示すように、ケーシング５１の中に光
触媒シート５２を紫外線ランプ５３を囲うように固定
し、ファン５４によって空気を流動させて光触媒シート
５２に空気流が接触し、光触媒に汚物が吸着するように
してある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来構造に
おいては、ファン５４が必須であり、また空気の流れを
光触媒シート５２へ導くためにケーシング５１が不可欠
であった。更に、ケーシング内へ外気を導く必要からモ
ータも比較的強力なものが必要であった。そのために、
装置の小型化が難しく、また形状においても大きな制約
があった。また、光触媒が分解作用を奏するためには十
分な量の紫外線を光触媒シートの各部分に均等に供給す
る必要がある。そこで、１つの紫外線光源を用いる場合
は光源から等しい距離に、光源を囲うようにして光触媒
シートを配置する筒型形状が一般的であり、装置全体を
薄型にするためには光源を複数用意する必要があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の空気清浄機
は、風翼の表面が光触媒シートで構成された風車をフレ
ームに回転自在に固定し、前記風車の回転軸にモータの
駆動軸を接続したものであり、請求項２の発明は、前記
風車に対向して紫外線光源を配設したものである。な
お、この発明において風車とは、回転することによって
空気を流動させることのできる風翼を有するものをい
い、全体形状及び風翼の形状・構造は問わないものであ
る。

【０００６】

【作用】この発明の空気清浄機において、風車の風翼の
表面が光触媒シートであり、風車はモータで駆動されて
回転する。したがって、風翼が従来装置におけるファン
の機能と光触媒シートの機能とを具備することとなり、
ファンを設置することなく、空気を流動させ、空気中の
汚物が光触媒シートで構成された風翼に吸着する。そし
て、風車に対向して設置する紫外線光源又は自然光によ
って光触媒が分解作用を奏するので、光触媒シートに吸
着した汚物は水と炭酸ガスなどに分解される。また、光
触媒シートは風車として回転するので、１つの光源を設
置することにより光触媒シートのすべての部分に均等に
紫外線を照射することができ、光触媒シートに吸着した
汚物は、付着位置に拘わらず分解される。なお、窓に近
接して設置する場合は、太陽光から紫外線を受けること
ができるので、装置には紫外線光源を配置しなくともよ
い。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２において、円筒体１
の周壁に放射状に多数のフィン２を突設したベース体の
表面全面に、光触媒シート３を層着し、前記円筒体１の
両端部に回転軸４を突設して風車５を構成する。なお、
前記光触媒シート３はベース体に着脱自在にはめ込む構
造としておくと、光触媒シート３の交換が容易となり好
ましい。前記風車５を取り付けるフレーム６の一端には
回転軸４の軸受（図示しない）が設けてあり、他端には
モータ７が取り付けてあり、モータ７の出力軸は前記円
筒体１の回転軸４に接続し、モータ７によって風車５が
回転するようにしてある。前記フレーム６の下側には吸
気用のルーバー６ａと、排気用のルーバー６ｂが設けて
ある。また、前記フレーム６の手前側には紫外線ランプ
８が取り付けてある。この紫外線ランプ８は円筒体１の
長さ（光触媒シート３の幅）に対応した長さの棒状であ
って、前記光触媒シート３の全幅わたり紫外線が均等に
照射できるようにしてある。

【０００８】この実施形態において、モータ７を駆動す
ると風車５が回転する。このとき、フィン２に光触媒シ
ート３を層着して得られる風翼９によって室内の空気は
流動し、図２矢示のようにルーバー６ａからフレーム内
へ流入し、風翼９に沿って流れてルーバー６ｂから流出
する。この間に、空気中の臭気、細菌、汚れは光触媒シ
ート３に吸着する。風車５は回転しているので断続的に
紫外線の照射を受け、光触媒シート３に吸着した臭気、
細菌、汚れなどは分解される。この実施形態の装置は、
壁に取り付けたり、適宜の位置に載置して使用する（載
置型の場合はルーバーの位置を変更する）。

【０００９】上記に実施形態に示す空気清浄機Ａは、風
車５をフレーム６内に装着したが、フレーム内に収納せ
ず、風車５を露出させる構造としてもよい。そして、風
車５を露出させると空気の流動は一層活性化され、清浄
効果が向上する。例えば、図３の空気清浄装置Ａは、光
触媒シート３を装着した風車５をスタンド１０に取り付
けものであり、前記風車５はモータ（図示しない）で回
転するようにしてある。なお、図においては太陽光の紫
外線を利用するものとして紫外線光源は設けていない
が、前記風車５に対向して紫外線ランプをスタンド１０
に取り付けることもできる。

【００１０】図４の空気清浄機は、フレーム６にソーラ
ーバッテリー１１を取り付けて、ソーラーバッテリー１
１を電源としてモータ７を駆動するようにしたものであ
り、フレーム６の上面には空気流通用の窓１４が開口し
ている。ソーラバッテリー１１を取り付けるものは自動
車用に好適である。そして、太陽光を受光できる場所で
使用する場合には、太陽光の紫外線で分解作用を行うこ
とができるので、紫外線ランプは不要である。

【００１１】図５の実施形態は、リング１２を有する回
転盤１３（前記リング１２はスポークによって支持さ
れ、回転盤１３の裏側に光触媒シート３が露出する）の
表面側に光触媒シート３を装着し、この光触媒シート３
には多数のヒダによって風翼９を形成して風車５として
ある。前記回転盤１３の裏面中央部には回転軸４が突設
してあり、回転軸４にモータ７が接続してある。前記モ
ータ７はフレーム１５に取り付けてあり、フレーム１５
の下部には紫外線ランプ８が前記光触媒シート３に向け
て照射できるように配設してある。

【００１２】この実施形態において、モータ７を駆動す
ると回転盤１３に取り付けられた光触媒シート３が回転
し、風翼９によって空気が流動する。そして、空気中の
汚物が光触媒シート３に吸着し、紫外線ランプ８の照射
を受けた光触媒シート３によって分解される。

【００１３】図６はこの発明の空気清浄機を衣装ケース
に装着した例である。すなわち、衣装ケース２１のフレ
ーム２２の上部に空気清浄機の収納室２３を設け、この
収納室２３に例えば図１に示す空気清浄機を収納する。
前記収納室２３の下面及び一側面は空気流通可能として
おき、空気清浄機の風車を回転させると衣装ケース２１
の下方の空気が上方へ移動し、収納室２３を通過し、浄
化された空気が排気口２４から外部へ排出されるように
する。なお、衣装ケース２１のカバー２４には前記排気
口２４に対応して窓２５を設けてある。

【００１４】

【発明の効果】この発明によれば以下のような効果が得
られる。 （１）光触媒シートで風車を構成したので、風車を回転
させることにより空気が流動し、空気中の臭気、細菌、
汚れなどが風翼の光触媒に吸着し、分解する。したがっ
て、従来不可欠であったファンが不要であり、また光触
媒自体が回転するので空気循環の効率がよい。しかも、
回転する風翼がサーキュレータとして機能するので、冷
暖房効率を向上させることができる。 （２）この発明の空気清浄機はファンが不要である。し
たがって、従来ファンで得られる空気の流れを光触媒シ
ートへ向かわせるために必要とされていたファンと光触
媒シートを囲うケーシングは不要である。 （３）この発明の空気清浄機は、ファンと光触媒を囲う
ケーシングが不要である。したがって、光触媒シートが
露出した状態でフレームに取り付けることができる。そ
のために、太陽光の紫外線を利用することも可能であり
紫外線光源を備えなくとも空気清浄作用を得ることがで
き、コストダウン、環境適合性の双方を満足することが
できる。 （４）光触媒シートを露出させることが可能であるか
ら、光触媒シートの汚れ具合を常時確認することがで
き、光触媒シートの交換時期の判断を適格に行うことが
でき、常時所期の清浄機能を得ることができる。また、
汚れ具合が目で見えることから、使用者はこの装置の働
きを視覚的に知ることができる。 （５）光触媒シートが回転するので、一つの紫外線光源
で光触媒シートの全面に均等に紫外線を照射することが
でき、光触媒シートの大きさを自由に設定することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明実施形態の一部を破切した斜視図で
ある。

【図２】 同じく断面図である。

【図３】 同じくスタンドを取り付けた例の斜視図であ
る。

【図４】 同じくソーラバッテリーを取り付けた例の斜
視図である。

【図５】 円盤状とした実施形態の一部を破切した正面
側斜視図である。

【図６】 衣装ケースに装着する使用例の分解斜視図で
ある。

【図７】 従来例の一部を破切した斜視図である。

【符号の説明】

１ 円筒体 ２ フィン ３ 光触媒シート ４ 回転軸 ５ 風車 ６ フレーム ７ モータ ８ 紫外線ランプ ９ 風翼 １０ スタンド １１ ソーラバッテリー １２ リング １３ 回転盤 １４ 窓 １５ フレーム ２１ 衣装ケース ２２ フレーム ２３ 収納室 ２４ 排気口 ２５ 窓 ５１ ケーシング ５２ 光触媒シート ５３ 紫外線ランプ ５４ ファン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 風翼の表面が光触媒シートで構成された
   風車をフレームに回転自在に固定し、前記風車の回転軸
   にモータの駆動軸を接続した、空気清浄機
2. 【請求項２】 風車に対向して紫外線光源を配設した、
   請求項１記載の空気清浄機