JPH11193472A - 金属酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜の製造方法

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JPH11193472A
JPH11193472A JP36803997A JP36803997A JPH11193472A JP H11193472 A JPH11193472 A JP H11193472A JP 36803997 A JP36803997 A JP 36803997A JP 36803997 A JP36803997 A JP 36803997A JP H11193472 A JPH11193472 A JP H11193472A
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JP
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metal oxide
thin film
film
transition metal
coating
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Naoko Asakuma
直子 朝隈
Hiroaki Imai
宏明 今井
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KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO K
KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
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KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO K
KANSAI SHINGIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックスなどの耐熱性の低い基体上に
も、結晶化した遷移金属酸化物の薄膜を形成でき、高価
な製造設備を使用する必要も無く、成膜しようとする基
体の形状や大きさにも制約されない方法を提供する。 【解決手段】 遷移金属のアルコキシドまたは塩を出発
原料として得られる金属酸化物の前駆体塗布液を被塗布
物の表面に塗布して、被塗布物表面に塗布膜を形成した
後、その塗布膜に対して波長が360nm以下である紫
外光を照射し、塗布膜を形成している遷移金属酸化物を
結晶化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガラス、セラミ
ックス、金属、プラスチックス等の基板の表面に電子材
料などの機能性酸化物薄膜を形成する方法、特に、加熱
処理することなく結晶化された遷移金属酸化物の薄膜を
形成する金属酸化物薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遷移金属酸化物には、誘電材料、導電材
料、半導体材料などとして優れた電気特性を有する化合
物が多く存在する。これら遷移金属酸化物の薄膜は、ゾ
ル−ゲル法、噴霧熱分解法、スパッタリング法、MOC
VD法などにより製造される。
【0003】ゾル−ゲル法による遷移金属酸化物薄膜の
製造方法に関しては、例えば、チタニア膜は、400℃
の温度でアナターゼが結晶化し、さらに800℃の温度
で加熱処理することによりルチル相へ転移することが知
られており、ジルコニア膜は、700℃の温度で加熱処
理することにより結晶化し(窯業協会誌、94、823
(1986)参照)、酸化ニオブ膜は、400℃の温度
で加熱処理することにより結晶化し(キャタリシス・ト
ゥデイ(Catalysis Today)、16、4
95(1993)参照)、酸化鉄膜は、450℃までの
温度でγ−酸化鉄(ヘグマタイト)へ結晶化し、さらに
450℃以上の温度で加熱処理することによりα−酸化
鉄へ転移し(ジャーナル・オブ・マテリアル・サイエン
ス(J.Mater.Sci.)、26、497(19
91)参照)、酸化亜鉛膜は、400℃以上の温度で結
晶化すること(日本セラミックス協会学術論文誌、10
4、296(1991)参照)がそれぞれ報告されてい
る。また、噴霧熱分解法による遷移金属酸化物薄膜の製
造方法に関しては、各種の金属塩を出発原料として酸化
鉄、クロミア、チタニア、ジルコニアなどの薄膜が形成
されることが報告されている(チン・ソリッド・フィル
ムズ(Thin Solid Films)、77、8
1(1981)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、一般
的なゾル−ゲル法や噴霧分解法により遷移金属酸化物の
薄膜を形成する従来方法では、残留有機物や金属塩を熱
分解して除去することが必要であり、その結果として、
金属酸化物を結晶化させるためには、400℃以上の高
温での加熱処理が必須である。このため、従来の方法に
よっては、プラスチックスなどのような耐熱性の低い基
体上に、結晶化した遷移金属酸化物の薄膜を形成するこ
とができなかった。
【0005】また、スパッタリング法やMOCVD法
は、真空プロセスによるものであり、このため、高価な
製造設備が必要で、製造コストが高くなり、また、成膜
しようとする基体の形状や大きさに制約がある、といっ
た問題点がある。また、これらの方法も、結晶性の金属
酸化物薄膜を得るためには、基板の加熱処理を必要とす
る場合が多い。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、プラスチックスなどの耐熱性の低い
基体上にも、結晶化した遷移金属酸化物の薄膜を形成す
ることができ、高価な製造設備を使用する必要も無く、
また、成膜しようとする基体の形状や大きさにも制約さ
れない金属酸化物薄膜の製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では、上記目的
を達成するための手段として、ゾル−ゲル法により形成
された遷移金属酸化物ゲルの薄膜を結晶化させるのに、
紫外光を利用するようにした。すなわち、請求項1に係
る発明は、遷移金属のアルコキシドまたは塩を出発原料
として得られる金属酸化物の前駆体塗布液を被塗布物の
表面に塗布して、被塗布物表面に塗布膜を形成した後、
その塗布膜に対して波長が360nm以下である紫外光
を照射し、塗布膜を形成している遷移金属酸化物を結晶
化させることを特徴とする。
【0008】請求項1に係る発明の製造方法では、遷移
金属のアルコキシドまたは塩を出発原料として得られる
金属酸化物の前駆体塗布液を被塗布物の表面に塗布し
て、塗布膜を形成した後、その塗布膜に対して波長が3
60nm以下である紫外光を照射することにより、遷移
金属酸化物が結晶化される。したがって、遷移金属酸化
物の結晶化のために高温での加熱処理を行う必要が無い
ので、プラスチックスのような耐熱性の低い基体上に
も、結晶化した遷移金属酸化物の薄膜を形成することが
可能になる。なお、紫外光の照射による遷移金属酸化物
の結晶化のメカニズムは明確ではないが、紫外光を薄膜
が吸収し、そのエネルギーによって原子の再配列が進行
させられ、遷移金属酸化物が結晶化するものと考えられ
る。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の製
造方法において、遷移金属がIVa族元素またはVa族元
素であることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2記載の製造方法において、金属酸化物ゲルの薄膜
に対して照射する紫外光の光源として、高圧水銀ラン
プ、低圧水銀ランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエ
キシマレーザ、YAGレーザの4倍波もしくは3倍波、
エキシマランプまたはシンクロトロン放射光を使用する
ことを特徴とする。光源は、1種類のものだけを使用し
ても、また2種以上のものを組み合わせて使用してもよ
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について説明する。
【0012】この発明に係る金属酸化物薄膜の製造方法
では、まず、遷移金属のアルコキシドまたは塩を出発原
料として、金属酸化物の前駆体塗布液(ゾル)を調製す
る。遷移金属は、例えばIVa族元素またはVa族元素で
ある。塗布液の調製方法は特に限定されないが、塗布膜
(ゲル膜)を形成したときに、膜中の残留有機物が少な
くなる程、また、加熱処理によるゲル膜の結晶化温度が
低くなる程好ましい。塗布液の調製方法を以下に説明す
る。
【0013】出発原料として使用される金属アルコキシ
ドとしては、アルコキシル基の炭素数が1〜5であるも
のが使用され、より好ましくはアルコキシル基の炭素数
が2〜4のものが使用される。また、金属塩としては、
硝酸塩、塩化物などの無機塩、酢酸などの有機酸塩や、
アセチルアセトナートなどのβ−ジケトンの塩が使用さ
れる。
【0014】金属アルコキシドまたは金属塩を溶解させ
る溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどの
有機酸エステル、アセトニトリル、アセトンやメチルエ
チルケトンなどのケトン類、テトラヒドラフラン(TH
F)やジオキサンなどのシクロエーテル、ホルムアミド
(FA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)な
どの酸アミド、炭化水素、トルエンなどの芳香族などが
使用される。
【0015】また、金属アルコキシドを含む溶液に、多
座配位化合物であるβ−ジケトン(RCOCH2CO
R’;R、R’はアルキル基またはアルコキシル基)、
アルコキシアルコール、アルカノールアミン、グリコー
ル類、グリセリンなどを、アルコキシドの安定化の目的
で含まれるようにしてもよい。β−ジケトンとしては、
アセチルアセトン、アセト酢酸エチルやアセト酢酸メチ
ルなどのアセト酢酸エステル、マロン酸ジエチルなどの
マロン酸エステルなどが使用される。アルコキシアルコ
ールとしては、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−メトキシ−2−プロパノールなどが使
用される。アルカノールアミンとしては、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
などが使用される。グリコール類としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールおよびプロピレングリコールやこれらの化合物のモ
ノアルキルエーテルや酢酸エステルが使用される。これ
らの化合物は単独で用いられあるいは併用され、その種
類は、金属種やアルコキシル基の種類により選定され
る。また、これらの化合物は、アルコキシドの0.1モ
ル倍〜1.5モル倍の量が含まれることが望ましい。な
お、アルコキシアルコール類は、溶媒として使用するこ
とも可能である。
【0016】金属アルコキシドまたは金属塩を含む溶液
の加水分解には、金属アルコキシドまたは金属塩の0.
05モル倍〜2モル倍の水が用いられ、より好ましく
は、0.5モル倍〜1.5モル倍の水が用いられる。こ
の加水分解には、酸触媒および/または塩基触媒を用い
るようにしてもよく、好ましくは、塩酸などの鉱酸や酢
酸などの有機酸が用いられる。なお、アルコキシドの種
類によっては、アルコキシドの希釈溶液が用いられる。
また、出発原料として金属塩を使用した場合には、アル
コール系の溶剤との反応を有効に利用するようにする。
【0017】遷移金属のアルコキシドまたは塩を含む溶
液の加水分解によって金属酸化物の前駆体塗布液(ゾ
ル)が調製されると、その塗布液を基板の表面に塗布
し、それを乾燥させて基板表面に塗布膜(金属酸化物ゲ
ル膜)を形成する。塗布液の塗布方法は、特に限定され
ず、通常行われるディップコート法、スピンコート法、
フローコート法、バーコート法、超音波噴霧法などが用
いられる。なお、このとき得られたゲル膜としては、上
記したように、その膜中の残留有機物量が少ない程、ま
た、加熱処理した場合の結晶化温度が低い程好ましい。
【0018】基板表面に塗布膜が形成されると、その塗
布膜に対して波長が360nm以下である紫外光を照射
する。紫外光の光源としては、波長が360nm以下で
ある紫外光を照射可能であれば、その種類を問わず、目
的とする金属酸化物薄膜に応じて適宜選択して使用され
るが、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキ
シマランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレ
ーザ、YAGレーザ4倍波または3倍波、シンクロトロ
ン放射光などが使用される。また、これらの光源のうち
2つもしくはそれ以上のものを組み合わせて使用するこ
とも可能である。この塗布膜に対する紫外光照射の際
に、目的に応じて、基板を加熱したり、基板を減圧下に
置いたり、雰囲気(酸化雰囲気または非酸化雰囲気)を
制御したりすることも可能である。また、紫外光の照射
強度やショット数は、塗布膜の種類や組成などに応じて
適宜選択される。塗布膜に対して紫外光が照射されるこ
とにより、塗布膜を形成している金属酸化物ゲルが結晶
化され、基板の表面に遷移金属酸化物の薄膜が形成され
る。
【0019】
【実施例】次に、この発明を具体的に適用した実施例に
ついて説明する。
【0020】〔実施例1〕ペンタエトキシタンタルを、
金属酸化物の固形分濃度が3重量%となるようにエタノ
ールに溶解させて、塗布液を調製した。この塗布液を、
スピンコータ(2,000rpm×15秒)を使用して
シリカ基板上に塗布した後、100℃の温度の乾燥器で
1時間乾燥させて、シリカ基板上に塗布膜を形成した。
得られた塗布膜に、ArFエキシマレーザ(193n
m、25mJ/cm2、300ショット)を照射した。こ
れにより、結晶性の酸化タンタル(Ta25)薄膜が得
られた。得られた薄膜の薄膜X線回折パターンを図1に
示す。
【0021】〔実施例2〕ペンタエトキシニオブを、金
属酸化物の固形分濃度が3重量%となるようにエタノー
ルに溶解させて、塗布液を調製した。この塗布液を、ス
ピンコータ(2,000rpm×15秒)を使用してシ
リカ基板上に塗布した後、100℃の温度の乾燥器で1
時間乾燥させて、シリカ基板上に塗布膜を形成した。得
られた塗布膜に、ArFエキシマレーザ(193nm、
25mJ/cm2、300ショット)を照射した。これに
より、結晶性の酸化ニオブ(Nb25)薄膜が得られ
た。
【0022】〔実施例3〕テトライソプロポキシチタン
を2−メトキシエタノールに溶解させ、チタンと等モル
の水を含む0.1規定塩酸を2−メトキシエタノール溶
液に添加し、溶液を加水分解させて、塗布液を調製し
た。この塗布液中の金属酸化物の固形分濃度は、3重量
%となるようにした。この塗布液を、スピンコータ
(2,000rpm×15秒)を使用してシリコン基板
上に塗布した後、100℃の温度の乾燥器で1時間乾燥
させて、シリコン基板上に塗布膜を形成した。得られた
塗布膜に、YAGレーザの4倍波(266nm、10m
J/cm2)を、照射ショット数を変化させて照射した。
これにより、ルチル(TiO2)薄膜が得られた。照射
ショット数が100ショットであったときに、ルチル回
折ピークが認められた。得られた薄膜の薄膜X線回折パ
ターンの変化を図2に示す。
【0023】〔実施例4〕四塩化チタンを、金属酸化物
の固形分濃度が3重量%となるように無水エタノールに
添加し、1日撹拌して溶解させ、塗布液を調製した。こ
の塗布液を、スピンコータ(2,000rpm×15
秒)を使用してシリコン基板上に塗布した後、100℃
の温度の乾燥器で1時間乾燥させて、シリコン基板上に
塗布膜を形成した。得られた塗布膜に、YAGレーザの
4倍波(266nm、10mJ/cm2、300ショッ
ト)を照射した。これにより、上記した実施例3と同様
にルチル(TiO2)薄膜が得られた。
【0024】〔実施例5〕テトラノルマルブトキシジル
コニウムを2−メトキシエタノールに溶解させ、ジルコ
ニウムと等モルのアセチルアセトンを2−メトキシエタ
ノール溶液に添加し、さらに、ジルコニウムと等モルの
水を含む0.1規定塩酸を2−メトキシエタノール溶液
に添加し、溶液を加水分解させて、塗布液を調製した。
この塗布液中の金属酸化物の固形分濃度は、3重量%と
なるようにした。この塗布液を、スピンコータ(2,0
00rpm×15秒)を使用してシリコン基板上に塗布
した後、100℃の温度の乾燥器で1時間乾燥させて、
シリコン基板上に塗布膜を形成した。得られた塗布膜
に、ArFエキシマレーザ(193nm、25mJ/cm
2、100ショット)を照射した。これにより、立方晶
のジルコニア(ZrO2)薄膜が得られた。さらに、塗
布膜にArFエキシマレーザを1,000ショット照射
することにより、ジルコニアの高温相である単斜晶が認
められた。得られた薄膜の薄膜X線回折パターンの変化
を図3に示す。
【0025】〔実施例6〕ジルコニウムテトラアセチル
アセトナートを、金属酸化物の固形分濃度が3重量%と
なるようにメタノールに溶解させて、塗布液を調製し
た。この塗布液を、スピンコータ(2,000rpm×
15秒)を使用してシリコン基板上に塗布した後、湿度
60%の雰囲気中に3時間放置し、その後に100℃の
温度のオーブンで1時間乾燥させて、シリコン基板上に
塗布膜を形成した。得られた塗布膜に、ArFエキシマ
レーザ(193nm、25mJ/cm2、1,000ショ
ット)を照射した。これにより、上記した実施例5と同
様に立方晶および単斜晶のジルコニア(ZrO2)薄膜
が得られた。
【0026】〔比較例1〜6〕上記した実施例1〜6に
おいて得られた塗布膜(金属酸化物ゲル膜)を加熱処理
することにより、結晶性の金属酸化物薄膜を作製した。
このときのそれぞれの加熱処理温度と得られた結晶相を
表1にまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から分かるように、結晶性の金属酸化
物薄膜を得るためには、400℃以上の温度での加熱処
理が必要であった。特に、実施例3〜実施例6でそれぞ
れ得られたルチル単相膜や単斜晶ジルコニア膜を得るた
めには、700℃以上の温度での加熱処理が必要であっ
た。
【0029】なお、この発明は、上記実施例で示した遷
移金属酸化物薄膜の形成に限定されるものではなく、上
記以外の遷移金属酸化物薄膜を加熱処理なしで形成する
場合にも適用可能であることは言うまでもない。このよ
うに、加熱処理を行わずに結晶性の遷移金属酸化物薄膜
を形成することができるので、この発明の方法による
と、従来方法では不可能であったプラスチックス等の耐
熱性に劣る基板上に遷移金属酸化物薄膜を形成すること
ができ、また、有機物を含む多層膜における遷移金属酸
化物薄膜の形成も可能になる。
【0030】
【発明の効果】請求項1ないし請求項3に係る発明の製
造方法によると、結晶化した遷移金属酸化物の薄膜を室
温付近の温度で得ることができる。したがって、プラス
チックスなどの耐熱性の低い基板上にも、結晶性の遷移
金属酸化物薄膜を形成することが可能である。また、こ
の製造方法を実施するために、高価な製造設備を使用す
る必要は無く、従って製造コストを低く抑えることがで
き、また、成膜しようとする基体の形状や大きさに制約
されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る製造方法によって得られた酸化
タンタル薄膜の薄膜X線回折パターンを示す図である。
【図2】同じく、この発明に係る製造方法によって得ら
れたルチル薄膜の薄膜X線回折パターンの変化を示す図
である。
【図3】同じく、この発明に係る製造方法によって得ら
れたジルコニア薄膜の薄膜X線回折パターンの変化を示
す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属のアルコキシドまたは塩を出発
    原料として得られる金属酸化物の前駆体塗布液を被塗布
    物の表面に塗布して、被塗布物表面に塗布膜を形成した
    後、その塗布膜に対して波長が360nm以下である紫
    外光を照射し、塗布膜を形成している遷移金属酸化物を
    結晶化させることを特徴とする、金属酸化物薄膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 遷移金属が、IVa族元素またはVa族元
    素である請求項1記載の、金属酸化物薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗布膜に対して照射する紫外光の光源
    が、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ArFエキシマ
    レーザ、KrFエキシマレーザ、YAGレーザの4倍波
    もしくは3倍波、エキシマランプまたはシンクロトロン
    放射光である請求項1または請求項2記載の、金属酸化
    物薄膜の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100665263B1 (ko) 2005-07-22 2007-01-09 삼성전기주식회사 복합금속산화물 유전체막 제조방법 및 복합금속산화물유전체막

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