JPH11191716A - エンベロープメモリ効果を有する非線形増幅器のシミュレーション方法 - Google Patents

エンベロープメモリ効果を有する非線形増幅器のシミュレーション方法

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JPH11191716A
JPH11191716A JP10251762A JP25176298A JPH11191716A JP H11191716 A JPH11191716 A JP H11191716A JP 10251762 A JP10251762 A JP 10251762A JP 25176298 A JP25176298 A JP 25176298A JP H11191716 A JPH11191716 A JP H11191716A
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frequency
signal
amplifier
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JP10251762A
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Vahid Meghdadi
メグダディ バイ
Jean-Pierre Cances
カーンス ジャン−ピエール
Francois-Rene Chevallier
シュバリエ フランソワ−ルネ
Jean-Michel Dumas
デュマ ジャン−ミシェル
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Orange SA
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France Telecom SA
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits

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  • Amplifiers (AREA)
  • Amplitude Modulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 メモリ効果を有する非線型増巾器のレスポン
ス信号のシミュレーションを行なう。 【解決手段】 出力信号yの計算のためのブロック31
と、出力信号yを修正するため、相互変調成分の周波数
を計算する、ハーモニクス発生の平行なブロック32が
備えられている。非線形増幅器のレスポンスのシミュレ
ーション方法は、入力側において一定の振幅で行われる
増幅器の振幅と振幅/位相シフト変換の非線形性の特性
の測定と、異なる周波数におけるその特性の測定と、エ
ンベロープメモリ効果をシミュレートするため、直接伝
達関数のために周波数修正値を計算し、振幅変調歪みの
特性を入力振幅を変調することによってそれぞれ測定
し、入力変調振幅によって出力側の歪みの振幅を再生す
る変調伝達関数を計算し、入力振幅が変調されるとき直
接伝達関数を修正する、伝達直接伝達関数の数列におけ
る特性の展開を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非線形増幅器の信号
のレスポンスのシミュレーションに関するものである。
本発明の目的はメモリ効果を有する非線形増幅器のレス
ポンス信号のシミュレーションのシステムである。この
種のシステムは、高効率のマイクロ波増幅、特にAB級
やB級あるいはC級の増幅のシミュレーション、中でも
地上波放送あるいは衛星放送に使用されるソリッドステ
ート電流増幅器(SSPA)や進行波管増幅器(TW
T)のレスポンスのシミュレーションに用いることがで
きる。この種の増幅装置は、高周波、あるいは高効率時
に、非線形特有のレスポンス曲線を有する。
【0002】
【従来の技術】図1は、非線形増幅器ANLの入出力の
レスポンス曲線の一例を示す。増幅器ANLの入力信号
レベルxの関数として出力信号レベルgを与える曲線
は、飽和現象のために、通常入力信号xが大振幅Aのと
きに屈曲する。入力信号レベルxの関数として利得が一
定ではない状態で増幅器が使用される時、増幅器は非線
形モードで動作していると言ったり、単にその増幅を非
線形増幅と呼んだりする。非線形装置は、メモリ無しの
装置、準メモリ無しの装置、メモリ付きの装置に分ける
ことができる。
【0003】メモリ無しの増幅器は、振幅における非線
形性が高く、位相歪みがより小さい。従って、メモリ無
しの増幅器ANLの入出力レスポンス特性を変形して、
図1に示すように単一の曲線g(x)にすることができ
る。メモリ無しの増幅器ANLのレスポンスを時間tの
関数として、周波数f、振幅変調A、位相変調φの正
弦波形の入力信号xにモデル化し、シミュレートするこ
とは可能である。この信号は以下のように表される:
【0004】
【式1】
【0005】A(t)は入力信号のエンベロープを表
し、振幅の極限値によって定義され、その極限値におい
てサイン信号xが展開し、エンベロープは時間関数とし
て変化する。図3は、一定のエンベロープAを有する信
号x(t)のタイミング図を示す。一方メモリ無しの増
幅器の出力信号gは下記(2)の式で表される。
【0006】
【式2】
【0007】メモリ無しの増幅器は、瞬間レスポンスを
行うので、時間tのリファレンスを放棄する際、これら
の信号xとgに複素数のエンベロープを与えることは有
用である。式(1)で表される出力信号xは、下記
(3)の式で表される複素数のエンベロープXを有す
る:
【0008】
【式3】
【0009】振幅変調A(t)や位相変調φに関する有
用な情報は全てこの複素数のエンベロープXに記録され
る。同様に、式(2)で表される出力信号gは、下記
(4)の式で表される複素数のエンベロープGを有す
る:
【0010】
【式4】
【0011】メモリ無しの非線形増幅器ANLについて
は、C(A)が入出力のレスポンス曲線g(x)のチェ
ビシェフ(Chebyshev)変換であることが示さ
れている。したがって、メモリ無しの非線形増幅器AN
Lの被変調信号xに対するレスポンスは、図6(a)の
実線に例示したように、単一の曲線C(A)のみによっ
てモデル化し、シミュレートすることができる。入力振
幅Aの関数として出力振幅Cを表すこの種の曲線を振幅
における非線形曲線と呼び、短縮形でAM/AM曲線と
いう。
【0012】図2は、メモリ付き非線形増幅器ANLA
Mに特有のレスポンスを示しており、メモリ効果によっ
て生じたヒステリシス現象が見られる。上昇するヒステ
リシス曲線mとm′は入力信号の振幅AとA′それぞれ
が異なる時、互いに重畳しないということがわかる。振
幅の変化に関係してメモリの時が変化するため、曲線m
とm′は互いに重畳することができない。
【0013】増幅器ANLAMのメモリの時が振幅変動
A(t)の周期と比較して無視し得る場合、さらに振幅
Aは一定であると考えられ、その増幅器は準メモリ無し
の増幅器と呼ばれる。図4は準メモリ無しの増幅器の出
力信号yのタイミング図を示すが、これには図3のタイ
ミング図に示した入力信号xが適用される式(1)を下
記に再度示す。
【0014】
【式5】
【0015】式(1)の信号xが適用される準メモリ無
しの非線形増幅器については、出力信号yが以下のよう
に示される。
【0016】
【式6】 ここで、C(A)は出力信号yの振幅、φ(A)は、入
力信号の振幅A(t)に依存する出力信号yの位相のず
れ(シフト)である。
【0017】そこで、ある瞬間tにおいて出力信号yの
振幅C(A)と位相のずれφ(A)はその瞬間tにおけ
る入力信号xの振幅Aにのみ依存する。振幅の変化A
(t)を時間の関数として無視し、振幅Aは図3に見ら
れるようにほとんど一定であるとみなすことが可能にな
る。上記の信号xとyのエンベロープを複素式で表すこ
ともまた有用である。エンベロープX、Yはそれぞれ下
記式(3)、式(6)となる。
【0018】
【式7】 (エンベロープAは時間に関して一定であると考えられ
る)
【0019】
【式8】
【0020】このように、準メモリ無しの非線形増幅器
のレスポンスは下記の2つの特性曲線の知識に基づいて
モデル化し、シミュレートすることができる: −入力信号の振幅Aの関数として出力信号y振幅Cを表
した曲線C(A)[図6(a)に実線で示した曲線AM
/AM(振幅/振幅(amplitude/ampli
tude)変換曲線)] −出力信号yの入力信号xに対する位相のずれφを信号
xの振幅Aの関数として表した曲線φ(A)であって、
振幅/位相(amplitude/phase)変換曲
線、略してAM/PMと称され、図6(b)に実線で示
す。同様に、曲線C(A)はレスポンス特性y(x)の
複素チャビシェフ変換のノルムであり、曲線φ(A)
は、複素変換の偏角であるということがわかる。出力信
号の複素数エンベロープYもまた、2つに分けて書くこ
とができる。つまり、実数部と虚数部で同相成分Pと直
交成分Qに対応する。この成分PとQはそれぞれ下記式
(7′)と(7″)で表される。
【0021】
【式9】
【0022】図7は図6(a)および(b)の曲線C
(A)とφ(A)に相当する曲線P(A)とQ(A)の
一例を示す。この2組の曲線は厳密に同値であるが、知
られている準メモリ無し増幅器のレスポンスのシミュレ
ーションのモデルとして一般的によく使われるのは、C
(A)とφ(A)ではなくむしろP(A)とQ(A)の
1対の曲線の特性である。
【0023】非線形増幅器のシミュレーションの知られ
ている原理によると、現存の増幅器は、テストベンチで
事前に特性を測定される。事前の特性測定は、任意の周
波数と振幅の信号に対するレスポンスをシミュレートす
るため、ある特定の周波数と振幅を有する信号を用いて
なされる。
【0024】図5に図示されるように、異なる振幅
A′、A″、A′″をとるある単一の周波数fを有す
る信号が、例えば図6または図7に示すような特性を得
るようにテストした増幅器に印加される。しかし、ある
一定の量のメモリを有する増幅器について、その特性
は、増幅される信号の周波数f とfおよびf
に対応してかなり変化することが確認されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このような増幅器のシ
ミュレーションの知られているシステムについてはH.
B.ポーザ(H.B.Poza)が文献「A Wide
band Data Link Computer S
imulation Model」,「NAECON′
75 Record」,page 71で説明してい
る。文献では、複数の増幅器の動作の周波数f 、f
またはf について何対かの曲線AM/AMとAM
/PMをプロットすることを提案している。図6
(a)、図6(b)は、方向性ラジオリンク増幅器の有
効な帯域BUに位置する3つの周波数f 、fおよ
びf 各々において得られた3対のAM/AMおよび
AM/PM曲線を示す。
【0026】H.B.ポーザのシミュレーターは、AM
/AMとAM/PMの曲線を1対だけ記憶する。例えば
周波数fにおいて得られた1対の曲線を記憶し、他の
周波数f 、f または中間の周波数に対応する記
憶されていない曲線を再構成する。記憶されていない曲
線は記憶された曲線を単に適切なベクトルで移動するこ
とによって導きだされる。シミュレーターは、図6
(a)または図6(b)の実線で示した周波数fの曲
線が点線で示した周波数f またはf の曲線にで
きるだけ近くなるように移動ベクトルのA軸、およびC
軸またはφ軸成分を計算する。
【0027】この種のシミュレーションシステムは、準
メモリ無しの増幅器で異なる周波数において生じる歪み
をシミュレートするにはあまりにも近似的である。この
種のシステムのもうひとつの欠点は、メモリ付き増幅器
のレスポンスのシミュレーションには使えないことであ
る。
【0028】図9に、A.A.M.サレー(A.A.
M.Saleh)のモデルによるもう一つの知られてい
るシミュレーションシステムで、文献「Frequen
cy−Independent and Freque
ncy−DependentModels of TW
TA Amplifiers」,November,1
982,「IEEE Transactions on
Communication」,Volume Co
m−29,No.11,page 1715に記載され
たシステムを示す。準メモリ無しの非線形増幅器の入力
信号xに対するレスポンスの計算は、出力信号yの2つ
のそれぞれの成分ypとyqの計算のため、P(A,
f)とQ(A,f)の2段階に分割することができる。
成分ypは入力信号xと同位相であり、成分yqは直角
位相である。
【0029】サレーのシミュレーションシステムは、複
数の周波数fにおける増幅器の特性測定の結果を用い
る。すなわち、出力信号yの成分ypとyqの計算のた
めの各アームに対応する伝達関数P(A,f)とQ
(A,f)を計算するためにいくつかの周波数fにおい
て幾組かの曲線P(A)とQ(A)がプロットされる。
位相のずれはそれぞれの計算ブランチには導入されない
ので、伝達関数P(A,f)またはQ(A,f)はそれ
ぞれメモリ効果無しの非線形レスポンスの計算値に対応
する。
【0030】A.A.M.サレーの文献ではこのシステ
ムのモデルは単一周波信号の増幅に適用することができ
ると言われており、推測では、どのような型の信号のシ
ミュレーションにも適用できると仮定されている。この
モデルのもうひとつの欠点は、メモリの時定数に対して
高速に信号の振幅が変化する時、異なる周波数において
現れる歪みをこのシステムでは再現することができない
ため、メモリ付きの増幅器に適用することができないこ
とである。
【0031】メモリ付きの非線形増幅器ANLAMで
は、振幅A(t)が変化する時間と比較してメモリに要
する時間が無視できないため、メモリ効果はさらに大き
い。このような場合、非線形微分方程式または特性曲線
の関数列における展開のような、より複雑な方法がメモ
リ付きの増幅器ANLAMのレスポンスをシミュレート
するために必要となる。
【0032】知られている改良されたモデルは、文献
「Frequency−Dependent Nonl
inear Quadrature Model fo
r TWT Amplifiers」,August
1984,「IEEE Transactions o
n Communication」,Volume C
om.32,No.8,page 982のにおいて
M.T.アブエルマアッティ(M.T.Abuelm
a′atti)が提案している。このモデルは、ベッセ
ル関数の数列における非線形増幅器の特性曲線の展開を
用いて、メモリ付き増幅器のレスポンスのシミュレーシ
ョンを可能にした。
【0033】図10は、M.T.アブエルマアッティが
上記に述べたシミュレーションシステムを表したもの
で、これは出力信号yの同相成分ypと直交成分yqの
2つの計算ブランチで構成されており、ここで各アーム
は周波数の修正係数αと因数G(f)によって各関数
J1を重みづけして、入力信号xの振幅Aに依存するN
ベッセル関数の数列J1の寄与を計算する。係数α
因数G(f)は、増幅器の複数のテスト周波数fでプ
ロットされる非線形増幅器の特性曲線P(A)とQ
(A)を何対か設定した後、計算される。
【0034】図8では、J1(nπA/D)と呼ばれる
一次の1種類目のNベッセル関数の2つの重みづけ合計
により、これらの関数J1の重みづけ係数αnpとα
nqを調整しながら、図7に示すような曲線P(A)と
Q(A)を非常に正確に補間することができるようにな
っているのがわかる。
【0035】ベッセル関数はサイン関数のチェビシェフ
変換であり、曲線P(A)とQ(A)のベッセル関数列
における展開は、増幅器の非線形性の曲線y(x)のサ
イン関数列におけるフーリエ展開に相当し、これは図2
に示すヒステリシス曲線y(x)の正弦波形に正確に一
致する。理論的には、この種のシステムによってマルチ
キャリヤ信号つまり、異なる周波数の複数の正弦波成分
で構成される信号の増幅のシミュレーションができるは
ずである。しかし、マルチキャリヤ入力信号の非線形増
幅は、相互変調現象として知られている歪みの発生によ
り複雑になる。非線形増幅器がいくつかのキャリヤ周波
を入力側で受ける時、出力側では増幅されたキャリヤに
加えて、相互変調の結果として知られる好ましくないハ
ーモニクス成分が得られるが、このハーモニクス成分の
それぞれはキャリヤの周波数と異なる周波数を有する。
【0036】図11〜14は2つのキャリヤ信号の非線
形増幅時の相互変調現象の出現を示す。図11は、2キ
ャリヤ入力信号xの周波数に関するグラフで、例えば、
それぞれ周波数f−1およびfの2つのキャリヤ成分
を表し、これらは同じ入力振幅Aを有する。2つのキャ
リヤ周波数f−1とfは、増幅器の有効な周波数帯域
BUにあり、周波数差dfだけ離れている。
【0037】図14は、図11の2キャリヤ入力信号x
のメモリ効果付きの増幅ANLAMに対応する出力信号
yの周波数に関するグラフである。出力信号yは、周波
数fが多様で振幅Cが異なる一連のハーモニクス成分を
有することがわかる。この各相互変調成分の周波数は入
力側のキャリヤ周波数の整数結合である。図14に示さ
れた有効な帯域BUに含まれる出力ハーモニクスの詳細
は下記のとおりである: −それぞれ、周波数がf−1とfで出力での振幅がC
−1とCであるキャリヤ; −それぞれ、周波数がf−3とfで出力側の振幅がC
−3とCである3次相互変調成分。
【0038】図15はキャリヤ成分と3次相互変調成分
の振幅C−1とCおよびC−3とCの推定を可能に
したアブエルマアッティのモデルによる結果を再現して
いる。しかし、アブエルマアッティのモデルによる相互
変調成分の振幅の推定では高効率のマルチキャリヤの動
作における非線形増幅器の相互変調歪みを実際に測定す
るにはうまく対応しない。
【0039】実際、マルチキャリヤ信号が増幅される
と、エンベロープメモリ効果として知られている現象が
起こる。この場合、準メモリ無しのモデルの時のように
エンベロープが一定であると仮定することはできない。
事実、エンベロープの変化の時間に関して、メモリの時
定数は無視することはできない。
【0040】図11の2キャリヤ入力信号xの時間的変
化を示した図12は、例えば各キャリヤfとf−1
振幅Aが一定であると仮定されているのに、2キャリヤ
信号のエンベロープX(t)と−X(t)が非常に速く
そして大部分が変化することを表している。そこで、前
述の2キャリヤの入力信号に対応する出力信号yの時間
的変化を示した図13は出力信号yのエンベロープY
(t)と−Y(t)が相互変調歪みによって大きく歪ん
だように現れることを示している。メモリ付き非線形増
幅器の信号のこのような振幅の歪みを指して『エンベロ
ープメモリ効果』という名称が用いられている。
【0041】知られているモデルは特に図16と17に
表した2つの効果について重視していない。まずはじめ
に見られる効果は、図16に表した比C1/C3、つま
りキャリヤの振幅C1を相互変調成分の振幅C3につい
て比較した比が入力信号のキャリヤの周波数の差dfお
よびキャリヤの振幅Aの正確な値によって大きく変化す
ることである。アブエルマアッティのモデルを適用する
と、C1/C3の比は周波数の差に依存せず入力振幅A
に応じて連続的に変化する。次に見られる効果は第2の
キャリヤの存在が第1のキャリヤの出力振幅に影響を与
えることである。図17は例えば、2つのキャリヤの周
波数の差df(df=f−f−1)に依存する、周波
数がそれぞれfまたはf−1であるキャリヤの出力振
幅の減衰または共振のピークCまたはC−1を示す。
【0042】知られているモデルの1つの欠点はこのよ
うな効果を考慮しないことである。一般的に、知られて
いるモデルの欠点はいかなるエンベロープメモリ効果も
シミュレートしないことである。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は非線形増
幅器のエンベロープメモリ効果の正確なシミュレーショ
ンを提供することである。本発明の目的は特に、マルチ
キャリヤ信号に対する非線形増幅器のレスポンスの正確
なシミュレーションを可能にする方法と装置を提供する
ことである。本発明のもうひとつの目的は、メモリ効果
付きの非線形増幅器のシミュレーションの簡単な方法と
装置を提供することである。
【0044】本発明によると、歪みが発生する条件にあ
る増幅器の特性の動的測定を行うことによって、これら
の目的は達成される。本発明によると、各測定において
振幅変調された信号を印加して信号のエンベロープを変
化させ、振幅変調の歪みの特性を測定するようになって
いる。歪みの特性によって、一定の振幅でプロットされ
た特性に基づいてシミュレートされたレスポンスを修正
することが可能になる。特に、マルチキャリヤ信号、つ
まり変調された振幅を印加することによって特性を測定
するようになっている。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、メモリ効果を示す非線
形増幅器の信号レスポンスのシミュレーション方法を実
施することによって達成されるが、そのシミュレーショ
ン方法は: −入力で一定の振幅においてそれぞれ増幅器の振幅/振
幅変換と振幅/位相シフト変換の特性を測定し、 −直接伝達関数の数列においてその特性を展開するとい
う手順とを含み、この方法はさらに: −各測定において入力振幅を変調して、振幅変調の歪み
の特性を測定し、 −入力変調振幅に対応して、出力側の歪み振幅を再生す
る変調伝達関数を計算し、エンベロープメモリ効果をシ
ミュレートするために入力振幅が変調される時、直接伝
達関数を修正する、 という手順を含む。
【0046】本発明による方法は: −異なる周波数における特性を測定し、 −直接伝達関数の周波数修正値を測定する、 という手順を含むのが好ましい。本発明に従うと、振幅
変調の歪みの特性の測定は、少なくとも2つの異なる周
波数のキャリヤを含む信号を入力に印加して相互変調の
歪みの測定することで構成される。
【0047】本発明により提供される第1の方法は: −特定の振幅を有するキャリヤのグループを入力して出
力側の相互変調成分の除去特性を測定することである。
本発明により提供されるそれに代わる第2の方法は: −特定の振幅を有する入力側の1グループのキャリヤを
用いて出力側の相互作用を測定することである。 本発明により提供されるそれらに代わる第3の方法は: −特定の入力変調振幅を用いて、出力変調ノイズの特性
を測定することである。 本発明によれば好ましくは: −入力変調周波数の差を用いて歪みの特性を測定する。 本発明によれば好ましくは: −入力変調振幅の値を複数用いて相互変調歪みの特性を
測定する。
【0048】本発明によってさらに、メモリ効果を有す
る非線形増幅器の信号レスポンスのシミュレーション装
置が提供されるが、この装置は: −非線形増幅器の単一キャリヤ信号に対するレスポンス
の計算のためのモジュールで、このモジュールは増幅器
の真の特性、特に振幅の非線形性と振幅/位相シフト変
換の特性から生成される伝達関数を有する少なくとも1
つのフィルターを備え、この伝達関数は、異なる周波数
の単一キャリヤ信号において測定された特性に基づいて
計算された修正値により、周波数において修正され、上
記装置はマルチキャリヤ信号へ応答するハーモニクスを
発生する手段を備える。
【0049】本発明による装置のハーモニクス発生手段
は、信号を周波数成分にフーリエ解析するためのモジュ
ールおよび/または相互変調成分の周波数の結合を計算
する結合モジュールおよび/または信号振幅のr.m.
s値を計算する標準モジュールを備えているのが好まし
い。
【0050】本発明による装置の第1の実施例では、計
算モジュールのレスポンスの変調のためのフィルター
で、この変調フィルターは、マルチキャリヤ信号が装置
によりシミュレートされる時、相互変調成分を除去する
特性から生成された伝達関数を有する。
【0051】本発明による装置の第2の実施例では、計
算モジュールのレスポンスの修正のためのフィルター
で、このフィルターはキャリヤの相互作用特性から生成
された伝達関数を有し、そのために計算モジュールによ
り与えられたキャリヤの振幅は、マルチキャリヤ信号の
増幅が本装置によってシミュレートされる時、修正フィ
ルターによって修正される。
【0052】本発明の利点は高効率で動作するマイクロ
波増幅器の信号レスポンスのシミュレーションに利用す
ることができることである。本発明の他の特性や目的や
利点を下記の詳細な説明や添付図面に示すが、これらは
実施例に限定されるものではない。
【0053】
【実施例】本発明によるシミュレーション方法や装置
は、知られているモデルシステムを基に開発された。本
発明は、任意の型の信号、特に複数の周波数成分を含む
信号の増幅をシミュレートすることを提案している。本
発明による装置の第一の特性によると、シミュレーショ
ン装置はマルチキャリヤ信号に応答してハーモニクスを
発生する手段を有する。
【0054】図21〜23に示した、本発明による装置
の様々な構造には必ず、知られているモデルによる出力
信号yの計算のためのブロック11や21や31と、出
力信号yを修正するため、正確な振幅を計算する前に相
互変調成分の周波数を計算する、ハーモニクス発生の平
行なブロック12や22、または23や32が備えられ
ている。出力信号の計算ブロック11と21と31は知
られているシミュレーションモデル、例えば、H.B.
ポーザによるメモリ無しの非線形モデルMNLSM、
A.A.M.サレーによるメモリ無しの2次非線形モデ
ルMNLSM、M.T.アブエルマアッティによるメモ
リ付きのモデルMMそれぞれを実施するために設計され
たものである。主にM.T.アブエルマアッティの改良
されたモデルを基にして他のモデルを実施することがで
き、本発明の実施の説明が展開される。
【0055】出力計算ブロックMNLSMまたはMMと
ハーモニクス発生ブロックHarmの並列な構造が一例
として与えられていることは理解されるであろう。これ
らのブロックは本発明における計算のサブプログラム機
能を概略的に表したものであるが、ブロックの構造は連
続していてもよく、計算ブロックを効率的に形成するに
はなるべくコンピュータープログラムで行うのがよい。
【0056】図23は、図10で示したアブエルマアッ
ティの簡単なモデルを基に改良されたハーモニクス発生
手段Harmと相互変調成分の計算のための手段MMの
もう一つの実施例の詳細な図面である。入力信号xが
A,B,…,Mの多重の周波数成分を含む時、モジュー
ルHarmとMMによってY010、Y1−11、Y
−120、Y−111、Y0−12、Y−102、Y
20−1、Y2−10、Y11−1、Y02−1、とい
った相互変調成分の振幅の計算を可能になった。Har
mとMMという手段のこうした複素構造は任意の型の信
号、特にマルチキャリヤ信号の増幅をシミュレートする
ように設計された。
【0057】図20ではハーモニクス発生手段Harm
は、多重周波の入力信号xを振幅がA,B,…,Mの周
波数成分に解析するためのFFTフーリエ級数解析のフ
ィルターを備えていることが分かる。これらの成分は相
互変調成分、例えばY010の計算に対応するテーブル
にグループ分けされた基本フィルターの入力に印加され
る。各基本フィルターは図10のフィルターの例で一般
化されたベッセル関数Jから得られた伝達関数を有す
る。フィルターのテーブルの伝達関数や一般化されたベ
ッセル関数の詳細は下記に詳しく説明する。
【0058】本発明による装置の構造はハーモニクスの
発生手段、できればフーリエ級数解析モジュールや知ら
れているシミュレーションモデルを備える手段を含んで
いるのが好ましいということは理解されるであろう。
【0059】知られているモデルの中で最も改良されて
いるアブエルマアッティのモデルにより提案された式の
展開は、下記に示すようにシミュレーションエラーを引
き起こす。こうしたエラーは本発明によって修正され
る。事実、上記式(7′)と(7″)に続いて、アブエ
ルマアッティは同位相の非線形特性Pと直交位相の非線
形特性Qを別々に下記式(8′)と(8″)でNベッセ
ル関数の数列に分析した:
【0060】
【式10】 ここで、2Dは増幅器の入力のダイナミックレンジであ
り、αnpとαnqは引用文献に示した最小の平均2乗
誤差法で計算された係数である。
【0061】この分析と対応するアブエルマアッティの
シミュレーション装置は図10に示した。ここで、入力
信号xが周波数がf−1とfで等しい振幅がAとする
2つのキャリヤを有すると仮定すると、信号xは下記式
(9)のような式になる:
【0062】
【式11】
【0063】入力信号xはそこで、図12と下記式(1
0)に示すように振幅において大きく変調されたエンベ
ロープXを有する:
【0064】
【式12】 ここでdf=f−f−1は2つのキャリヤfとf
−1の周波数の差を表す。
【0065】準メモリ無しの2次式モデルによると、式
(9)と(10)の入力信号xに対応する出力信号のエ
ンベロープYは次のような2次式になる:
【0066】
【式13】 ここで、Yは前記入力信号xに対応する出力信号yの
エンベロープYの同相成分で、YはエンベロープYの
直交成分となる。
【0067】ここで、式(11)と(11′)はメモリ
付きの非線形増幅器ANLAMのシミュレーションに直
接利用することはできない。というのは、出力エンベロ
ープXは周波数が周波数の差dfの半分の正弦波で、メ
モリの時定数と比較して時間に関する変化が急激すぎる
からである。アブエルマアッティの改良モデルでは、式
(9)と(10)の2キャリヤ入力信号xに対応する出
力信号のエンベロープYは、周波数をf、振幅をC
(iは正または負の整数である)とする一連の成分を含
む。
【0068】図14に詳細に示したとおり、その出力信
号の周波数成分は下記の周波数と振幅である: −出力振幅Cを有する周波数fのキャリヤ成分; −出力振幅C−1を有する周波数f−1のキャリヤ周
波; −符号のない振幅を有する周波数がそれぞれ、2.f
−1、f−1+f、2.fとf−1−fに等しい
第2相互変調成分; −周波数が2.f−f−1に等しいfで、振幅がC
である第3相互変調成分; −周波数が2.f−1−fに等しいf−3で、振幅が
−3である第3相互変調成分; −周波数が3.f−2.f−1に等しいfで、振幅
がCである第5相互変調成分; −他の奇数番の成分のより小さい値のものや他の偶数番
の成分は、一般的に有効な帯域BUから除去される。
【0069】3次と、可能性としては5次の相互変調成
分のみが有効帯域BUに位置し、増幅器のレスポンスの
試験に十分な振幅C−3、C、C−5、Cを有す
る。相互変調成分の次数が、キャリヤ周波の結合の整数
係数の絶対値の合計であることは理解されるであろう。
対応する出力信号yは下記式(12)のように、周波数
成分の振幅の合計である:
【0070】
【式14】 ここでiは全ての正負の奇数の整数値をとり、Cは下
記式のように実数部Cip(同位相)と虚数部C
iq(直角位相)に分析される:
【0071】
【式15】
【0072】アブエルマアッテイは上記文献で、2キャ
リヤ信号の増幅により現れる相互変調成分の振幅C
計算は下記式のように1種類目のただしn次である様々
なベッセル関数Jnの和を基に行うことができることを
示した:
【0073】
【式16】 ここで、αnpとαnqは第1ベッセル関数J1のみの
非線形性の特性PとQの展開によって式(8′)と
(8″)から得られた係数であり、J0、J1、J2は
それぞれ0次、1次、2次のベッセル関数の1種類目で
ある。
【0074】0次、1次、2次またはN次のベッセル関
数J0、J1、J2またはJNは、振幅がCである相
互変調成分の周波数がfである時のキャリヤ周波数f
−1またはfの結合の整数係数の絶対値に対応するよ
うに選択される。そこで、|i|次の各相互変調成分C
は、各式に含まれる0次、1次、2次またはN次ベッ
セル関数J0、J1、J2のまたはJNの和に対応す
る。一般には、入力信号xがA,B,..,Mと呼ばれ
る任意の振幅のm個の周波数成分(キャリヤ)を有する
時、下記式に与えられる周波数を有する多数の相互変調
の積が得られる:
【0075】
【式17】 ここで、α,β,…,μは相対整数であり、f
,...,fは入力信号xにそれぞれ現れるキャ
リヤA,B,..,Mの周波数である。
【0076】周波数がfである各相互変調成分の振幅
は下記一般式の通りである:
【0077】
【式18】 ここで、J|n|は絶対値nに対応する次数の1種類目
のベッセル関数である(一般化)。
【0078】そこで、メモリ付きのモデルのこれらの式
を展開した相互変調成分の計算手段MMの詳細な実施例
を図20に示した。この図は、マルチキャリヤ信号の成
分A,B,..,Mの振幅によって変調された一般ベッ
セル関数J|α|の積を計算するため、基本フィルター
のテーブルを水平に直列接続した表した概略図である。
各水平方向の結果はそこで、出力側でハーモニクスの振
幅Yα,β,…,μを与える前に、テーブルの別の水平
方向の結果や直交位相成分の類似のテーブルの結果に加
算される。
【0079】この詳細な実施例において、中央のキャリ
ヤBと両端のキャリヤAとMを基にして、周波数f
増幅されたキャリヤY010を除く少なくとも9つの相
互変調積Y20−1,Y2−10,Y11−1,Y
02−1,Y1−11,Y−120,Y−111,Y
0−12,Y−102が中央の周波数fのすぐ近くに
得られることが分かる。それゆえ、相互変調積の数は、
キャリヤの数mと共に指数関数的に増えるため、2つ以
上のキャリヤの信号のシミュレーションの実施を本明細
書中に詳細に示すことができないことがわかる。当業者
であれば、2つのキャリヤ用に説明した計算を一般化す
ることで図にすることができる。
【0080】マイクロ波増幅システムの設計や選択にお
ける質の決定因数は、出力側の最大の相互変調成分の振
幅Cのキャリヤ成分の出力側の振幅Cに対する比で
ある。本明細書では、相互変調除去因数と呼ばれるこの
因数は下記式(18)で表される:
【0081】
【式19】
【0082】P/Iの比が高い程、キャリヤC1がC3
に表される相互変調ノイズとよりはっきり区別され、こ
のシステムの質は向上する。マイクロ波の分野におい
て、除去因数は一般に電流によって表される。これは下
記の比率に対応する:C1/C3はここで、P/I
と呼ぶ。2次形式にすると相互変調除去因数は、下記
のように表すことができる:
【0083】
【式20】
【0084】上記のアブエルマアッティによる式(1
4′)、(14″)と(16′)、(16″)の結果を
用いるとマイクロ波増幅器のためにシミュレートされた
相互変調除去因数は周波数に応じてほとんど変化しない
ことがわかる。事実、周波数修正値G(f)は修正
効果が低く、修正値Gの曲線は単一のキャリヤでの測
定、つまり入力エンベロープの変調無しの測定から計算
される。このように計算された相互変調除去因数P/I
は、例えば図16に示した共振効果とは逆にキャリヤの
周波数の差dfの関数ではない。
【0085】本発明の最初の実施例によると、相互変調
除去の特性を正確に測定し、その測定値を知られている
モデルを基に計算された出力信号yを修正するために用
いるようになっている。下記の展開において、アブエル
マアッティのモデルにより計算された信号y(t)は、
実際に測定された相互変調成分を含む信号z(t)と比
較される。この種の比較により、変調信号u(t)の値
が得られ、本発明による変調フィルターによりシミュレ
ートされる。図21はこの種のフィルター14を備えた
本発明による装置の最初の実施例を図式化したものであ
る。フィルター14は入力信号の関数として信号uを計
算する伝達関数E(f,H)を有する。知られているモ
デル11の信号yはそこで、実際に測定された変調歪み
を再生する信号zを導出するように変調信号uによって
修正される。
【0086】下記の展開によって、相互変調の計算のた
めのフィルターIMFの伝達関数E(f,H)を構成す
るために用いることができる関係の1例を設定すること
が可能になる。まず最初に、変調信号uは入力信号が被
振幅変調エンベロープXを有する場合のみ、有用である
ことが認識される。事実、入力信号xが変調されない
時、知られているモデル11は増幅器のレスポンスを適
切にシミュレートする出力信号yを有する。本発明によ
り、信号xのノルムの2乗をとることによって、信号の
エンベロープを得られる。振幅がAで周波数の差dfの
2キャリヤ信号のエンベロープXを与える式(10)に
関しては、下記式(20)のようなエンベロープの2
乗、Xが得られる:
【0087】
【式21】
【0088】式(20)により与えられた2乗式X
下記式(20′)のように、一定の振幅Aと変調因数
とに分けることができる:
【0089】
【式22】
【0090】図21はフィルター14が入力側で入力信
号xのエンベロープのr.m.s.値X(t)を受け
ることを示す。本発明によると、フィルター14から来
た変調信号uによって下記のような修正式を表すことが
できると仮定される:
【0091】
【式23】 ここで、Zは実際に測定された相互変調のある出力信号
zのエンベロープであり、Yは知られているモデルで計
算された信号yのエンベロープであり、Uは信号uのエ
ンベロープである。
【0092】その結果、入力側で変調が無い時、本発明
によりシミュレートされた信号zは、知られているモデ
ルMNLSMまたはMMにシミュレートされた出力信号
yのエンベロープYに対応するエンベロープZを有し、
変調信号uはゼロであるのが好ましい。仮に、変調信号
のエンベロープUを入力側のハーモニクスhの周波数f
と振幅Hに依存する伝達関数E(f,H)によるr.
m.s.値Xの変換の結果として、式(20′)のよ
うに表すと、下記式(22)の様な式になる:
【0093】
【式24】 ここで、E(df,A)は周波数がdfで振幅がAであ
る信号に対する、伝達関数のレスポンスであり、E
(0,A)は周波数の差がゼロの伝達関数のレスポンス
である。
【0094】一般にキャリヤ周波数に差が無いと変調信
号uを有する必要がないため、E(0,A)はゼロ値で
ある。Kは下記変数のリファレンスとして用いられる: K=A.E(df,A) 式(22)に与えられた変調信号のエンベロープUは下
記のように複素指数式で書くのが好ましい:
【0095】
【式25】
【0096】ここで、式(12)のように、下記のよう
な複素指数式で知られているモデルの出力信号yのエン
ベロープを表すのが好ましい:
【0097】
【式26】 ここで、iは正負の値を全てとる奇数の整数である。
【0098】
【式27】
【0099】式(21)、(23)、(24′)からは
下記のような展開が導かれる:
【0100】
【式28】
【0101】最初の方法では、知られているモデルによ
り計算された1次のキャリヤ成分の最小の変更を行うこ
とによって、3次の相互変調成分の振幅のみを変調する
ことが求められている。これはKの値を最小にして、項
K.C−3,K.C,K.C−1,K.Cを無視し
得るようにすることによって得ることができる。この場
合、式(25)の中央の2行により、変調された出力信
号zにおいて周波数f−1とfのキャリヤ成分がそれ
ぞれ、実質的にC−1とCと等しい振幅を有すること
が示される。
【0102】まず最初に、相互変調成分の振幅Cは、
式(12′)〜(25″)に示された周波数修正値G
np,q(f)を消去することによって、周波数f
に依存しないと仮定することができる。そこで、キャリ
ヤf−1とfの周囲の周波数f−1とfにおいて対
称的な成分が下記の恒等式のような等しい振幅を有する
ため、計算は単純化される: C−i=C 式(23)の最後の2行はそれぞれ周波数成分fとf
を表すが、これらは、除去因数P/Iの計算を可能に
し、最終的にP/Iは下記のような値を有する:
【0103】
【式29】
【0104】数値でいえば、知られている方法により成
分の振幅C(A)とC(A)とC(A)を決定
し、キャリヤの振幅がAである除去因数P/Iの値を測
定した後に、式(26)は変数Kの値を決定するように
解かれる。解のために変数Kは下記のような複素式であ
るのが好ましい: K=|K|.exp(j・θ) 偏角θは偏角θの関数としてのノルム|K|の値を計算
するために変化するようにできている。上記で求められ
ていたキャリヤf−1とfの振幅C−1とCの変更
の最小化は偏角θを用いて行われ、ノルム|K|の最小
値を求められるのが可能になった。
【0105】図18は、本発明により実施された測定の
システムを概略図にしたものである。キャリヤの振幅
A、A′、A″とキャリヤの周波数の差df′=f−1
−f両方の変化を得るためにマルチキャリヤ信号f
−1とfを用いた一連の測定を行うことによって特性
が決定されるのがわかる。さらに、周波数の差dfのリ
ファレンスとして用いられるキャリヤfまたはf−1
の基本的な周波数fの変化を得ることも可能である。
【0106】周波数の差dfについては、図16に示す
ように入力キャリヤの振幅Aや電流の関数としての特性
曲線P/Iを測定することが可能である。上記の計算を
適用して、各周波数の差dfにキャリヤの振幅Aの関数
としての変数K値の曲線が得られる。キャリヤの周波数
の差df、df′、df″、df′″、df″″の変化
を得ることによって、変数K値の曲線のテーブルが得ら
れる。この変数K値の曲線のテーブルによってフィルタ
ー14の伝達関数E(df,H)の枠が設定される。
【0107】入力側のハーモニクスの振幅Hまたは入力
信号のエンベロープの電流Xによる伝達関数E(d
f,H)の連続性は変数K値の曲線のテーブルの離散的
な値を補間することによって得られる。計算や補間は全
ての周波数の差dfに関しても実施されるが、変数Kの
値を選択された値df′、df″、df′″、df″″
の間において周波数の差dfで補間することも可能であ
る。コンピュータープログラムがこの種の計算を行い、
マトリックス形式で変数Kの値を記憶するのが好まし
い。
【0108】第2段階では、相互変調成分の振幅C
完全式である式(14′)〜(17″)による周波数f
に依存すると仮定する。そこで、CとC−iの間に
はもはや恒等式が成り立たなくなる。増幅器のレスポン
スの周波数における非対称性は、最初の方法のこうした
変形によってシミュレートされる。この場合において、
フィルター14の伝達関数E′(df,H)が非対称で
もよいことが本発明によって提案された。式(22)や
前述の計算の仮定はそこで下記の複素式によって変更さ
れる:
【0109】
【式30】 ここで、E”(O,A)は、このフィルターがいかなる
信号の連続成分も伝達しないため値0をとり、E′(−
df,A)は、伝達関数E′の周波数の差−dfに対す
るレスポンスであり、これはフィルターE′が非対称な
ため、周波数の差dfに対するレスポンスE′(df,
A)と異なる。
【0110】式(22′)の項を下記のような単純化し
た式で表す: K=A.E′(df,A) K=A.E′(−df,A) 式(23)はここで、下記式によって変更される:
【0111】
【式31】
【0112】最初の方法のこうした変形によって得られ
た出力信号z′の変調成分をC′とする。そこで出力
信号z′は、図23のフィルター34の伝達関数E′に
よって計算された変調信号u′で、知られているモデル
の信号yを変調することによって得られる。このため、
本発明による被変調成分C′と知られているメモリ無
しのモデルMNLSMに計算された成分Cの区別がで
きるようになった。上記式(21)、(24′)、(2
8)によると、被変調成分は下記式によって決定される
振幅C−3′、C−1′、C′、C′を有する:
【0113】
【式32】
【0114】ここで除去因数が、より高いキャリヤで相
互変調周波数がfとfの時測定されるか、より低い
キャリヤで相互変調周波数がf−1とf−3の時に測定
されるかによって、P/I、P/Iと呼ばれる相互
変調除去因数の複素数の結果があと2つ得られる。この
2つの除去因数は下記のような形になる:
【0115】
【式33】
【0116】そこで、知られている方法で2つの変数K
とKを用いて2つの式(33)と(34)を解く。
増幅器がキャリヤ周波の周囲に非対称のレスポンスを有
する時、本発明により出力側における変調歪みをシミュ
レートするために、キャリヤの振幅Aと周波差dfの上
部と下部の2つの除去因数P/IとP/Iの測定を
提供することによって、相互変調除去特性を測定するよ
うになっている。
【0117】本発明による2次の方法は相互変調歪みの
2次の効果をシミュレートするために用いられる。2次
に見られる効果とは、図17に例示されたエンベロープ
周波数df/2の関数としてのキャリヤの利得の変化で
ある。もう一つのキャリヤf−1の存在下で出力振幅C
のキャリヤfの増幅器の利得を測定することによっ
て、その利得は2つのキャリヤf−1とfの周波数の
差dfの関数として大きく変化するかもしれないことが
分かる。
【0118】本発明によって、知られているモデルによ
り計算されたキャリヤの出力振幅CとC−1をキャリ
ヤの相互作用の特性C1/C−1の測定を考慮に入れ
て、調整することが可能になった。2次の方法における
調整は、上記に述べた本発明の最初の方法において計画
された主要相互変調成分C3とC−3の調整と組み合わ
せるのが好ましい。さらに2次の相互変調成分C5とC
−5を調整することも可能である。
【0119】本発明による装置の2次の実施例において
調整は、修正伝達関数Fを有するフィルター37から来
る修正信号vを用いて、出力信号yまたは好ましくは被
変調信号zかz′を修正することによって行われる。伝
達関数Fは、関数Eと同じように式(29)〜(32)
において上記に公式化した被変調成分C′を仮に修正
することによって下記式のように計算される:
【0120】
【式34】 ここで、L=A.F(df,A)、L=A.F(d
f,A)で、Fはエンベロープの変調周波数、つまり入
力側のキャリヤ振幅Aの周波数の差dfの関数として表
される修正伝達関数である。
【0121】成分C″、C−3″、C″、C−1
は被修正成分と称される。式(35)〜(38)は、知
られている方法で解かれる4つの変数K、K
、Lを有する4つの式から成るシステムを形成す
る。最後の2式(37)と(38)を解くことで修正変
数LとLの値が与えられる。3次の相互変調成分f
とf−3と、キャリヤfとf−1の実際の振幅を正
確に測定することによって、知られているモデルで1
次、3次、5次の成分C−5、C−3、C−1、C
、Cを計算した後、変調伝達関数E(df,A)
と周波数修正関数F(df,A)を計算することが可能
になる。
【0122】出力側の3次と5次の相互変調除去成分の
測定とキャリヤ相互作用の測定の両方を含むこの種の増
幅器の出力側の成分の振幅を全て測定することによっ
て、非線形メモリ増幅器のエンベロープメモリ効果によ
る歪みを有する信号レスポンスの全体的なシミュレーシ
ョンが可能になった。しかし、3次の相互変調除去の測
定C1/C3やキャリヤ相互作用の測定C1/C−1の
ような部分的な測定でも相互変調歪みの特定の効果を特
性化するには十分である。
【0123】2次の方法で、キャリヤが多数あるとき
(その電流のパワースペクトル密度DSPはホワイトノ
イズでモデル化されるが)、信号対ノイズの比を測定す
ることによってモデルを評価することができるようにな
った。図19(a)と19(b)は、非線形メモリ増幅
器を特性化するためにそれぞれ非線形メモリ増幅器の入
力側で利用され、出力側で測定されるノイズ周波数のグ
ラフを示す。
【0124】本発明では、図19(a)に示すようにノ
イズの無い周波ウィンドウBHを除く周波帯域BWにお
いて一定のレベルNPであるパワースペクトル密度DS
Pを有するホワイトノイズが適用される。この入力信号
は、一定のスペクトル密度を有するにも関らず、可変振
幅を有する。そのため、増幅器の出力側に現れる変調歪
みの測定が可能になった。歪みは、上記に定義したウィ
ンドウBHに対するノイズのキャリーオーバーの形で増
幅器の出力側に現れる。
【0125】増幅器の特性化は、周波帯域BWとウィン
ドウBHにおける出力側のノイズのレベルNPRの差を
測定することによりノイズのキャリーオーバーをウィン
ドウBHに制限する増幅器の能力の測定からなる。こう
した特性の測定は異なるノイズレベルNPにおいて行わ
れ、シミュレーターに導入され、シミュレーターがその
ノイズ特性を動作環境に応じて再生する。モデルの評価
を制御する第3の方法は被変調キャリヤの増幅における
2進エラーレートの測定からなる。
【0126】図24は本発明により、メモリ効果付きの
非線形増幅器DUTの特性を測定するのに用いられたテ
ストベンチを示す。このテストベンチ(操作の詳細は当
業者には周知である)は特に振幅変調信号の発生のため
のユニット10を備えており、このユニットは例えば増
幅装置DUTを特性化するためマルチキャリヤ信号を適
用する、異なる周波数を持つ2つの発生装置SG1とS
G2を有する。さらにこのテストベンチはウインドウ付
きのホワイトノイズ発生装置NGを有するノイズ測定ユ
ニット20と、できれば、ランダム2進メッセージによ
って変調された信号の発生装置MODと元の信号と増幅
器からのリターン信号を比較するコンパレーターCom
pを有する、2進エラーレートを測定するためのユニッ
ト30を備える。
【0127】最後に、図25は本発明の方法により非線
形増幅をシミュレートするためのコンピューターによっ
て実施された特性化のファイルを図示したものである。
プログラムProはここで、統計的特性AP、つまり知
られている方法で一定の振幅において描かれる曲線C、
φまたは曲線P、Qの測定結果を記憶するファイル20
3を用いる。プログラムProはまた、相互変調除去曲
線C1/C3または相互作用曲線C1/C−1のような
動的特性P/Iの測定結果を記憶する一連のファイル2
05、206、207を用いる。一連のファイル205
や206や207は、例えばキャリヤの周波数の差df
のためにそれぞれ作成される。
【0128】プログラムはシミュレートする増幅器に一
般的なデータDatを導入した後、開始する。出力側に
おいてプログラムProは、ファイル204に直接伝達
関数、特にベッセル関数の数列の係数αを与える。何よ
りも本発明によるこのプログラムは、上記に述べた変調
伝達関数Eと修正関数Fのデータを含むファイル208
と209を与える。
【0129】図26はこの種のプログラムProにより
行われる方法の手順の実施例を示す。本発明による装置
は図20〜24に実施例として概略的に示されたブロッ
クに対応する関数を有するコンピュータープログラムの
形式で作成されるのが好ましい。他の実施例と特性と利
点は、特に下記項目に定義された発明の範囲内で当業者
により改良してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上記に述べた、非線形増幅器のレスポンス曲
線を示す。
【図2】 上記に述べた、非線形増幅器のレスポンス曲
線を示す。
【図3】 上記に述べた、メモリ無し非線形増幅器また
は準メモリ無し非線形増幅器の信号レスポンスのタイミ
ング図を示す。
【図4】 上記に述べた、メモリ無し非線形増幅器また
は準メモリ無し非線形増幅器の信号レスポンスのタイミ
ング図を示す。
【図5】 上記に述べた、知られている原理による特性
測定の周波数の概念図を示す。
【図6】 (a)は上記に述べた、知られている方法で
得られた振幅/振幅変換曲線と振幅/位相シフト変換曲
線の形の非線形増幅器の特性をし、(b)は、上記に述
べた、知られている方法で得られた振幅/振幅変換曲線
と振幅/位相シフト変換曲線の形の非線形増幅器の特性
を示す。
【図7】 上記に述べた、知られている同等の方法で得
られた同位相と直角位相の非線形性曲線型の非線形増幅
器の特性を示す。
【図8】 上記に述べた、知られているシミュレーショ
ン方法により実施される特性分析のためのベッセル関数
の数列を示す。
【図9】 上記に述べた、知られているシミュレーショ
ン装置を示す。
【図10】 上記に述べた、知られているシミュレーシ
ョン装置を示す。
【図11】 上記に述べた、メモリ付き非線形増幅器の
入出力それぞれの側のマルチキャリヤ信号の振幅をを示
す周波数のグラフ。
【図12】 上記に述べた、メモリ付き非線形増幅器の
入出力それぞれの側のマルチキャリヤ信号の振幅を表す
タイミング図を示す。
【図13】 上記に述べた、メモリ付き非線形増幅器の
入出力それぞれの側のマルチキャリヤ信号の振幅を表す
タイミング図を示す。
【図14】 上記に述べた、メモリ付き非線形増幅器の
入出力それぞれの側のマルチキャリヤ信号の振幅を示す
周波数のグラフ。
【図15】 上記に述べた、知られているシミュレーシ
ョン方法で実施された2キャリヤ入力信号のキャリヤの
振幅による非線形増幅器の出力周波数成分の振幅のシミ
ュレーション結果を再現した。
【図16】 本発明により実施された、キャリヤの多様
な周波数の差dfのための、キャリヤの入力側の振幅A
の関数としてキャリヤ出力の振幅と相互変調成分の振幅
の比に対応するC1/C3の比で表された、メモリ付き
非線形増幅器の入力時のキャリヤー成分に関連する出力
側の相互変調成分除去の測定を示す。
【図17】 本発明により実施された、メモリ付きの非
線形増幅器の出力キャリヤの相互作用の測定を、キャリ
ヤの周波数の差の関数としてキャリヤの出力振幅yの形
で示す。
【図18】 本発明により実施された特性の測定を示す
周波数のグラフ。
【図19】 (a)は、増幅器の入力側でノイズ対電力
比NPRを測定するために用いられた信号のパワースペ
クタル密度の例を示し、(b)は、増幅器の入力側でノ
イズ対電力比NPRを測定するために用いられた信号の
パワースペクタル密度の例を示す。
【図20】 本発明によるハーモニクス発生手段を備え
る、メモリ付き非線形増幅器のシミュレーションのため
の装置の実施例を示す。
【図21】 本発明によるメモリ付き非線形増幅器のシ
ミュレーションのための装置の最初の実施例を示す。
【図22】 本発明によるメモリ付き非線形増幅器のシ
ミュレーションのための装置の最初の実施例の変形例を
示す。
【図23】 本発明によるメモリ付き非線形増幅器のシ
ミュレーションのための装置の2次の実施例を示す。
【図24】 本発明による方法や装置により用いられ
る、相互変調歪みの特性の測定のためのベンチを示す。
【図25】 本発明による非線形増幅器のレスポンスの
シミュレーションのための方法により実施される特性フ
ァイルの概念図を示す。
【図26】 本発明による非線形増幅器のレスポンスの
シミュレーションのための方法の手順の概念図を示す。
【符号の説明】
11、21、31 出力信号計算ブロック 12、22、23、32 ハーモニクス発生ブロック 14 変調フィルター 10 振幅変調信号発生ユニット 20 ノイズ測定ユニット 30 2次エラーレート測定ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランソワ−ルネ シュバリエ フランス国 92160 アントニー ブルバ ール コルベ 24 (72)発明者 ジャン−ミシェル デュマ フランス国 87000 リモージュ アヴニ ュ ガリバルデイ 76

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メモリ効果を示す非線形増幅器の信号レ
    スポンスのシミュレーション方法であって: −入力で一定の振幅においてそれぞれ増幅器の振幅/振
    幅変換と振幅/位相シフト変換の特性を測定し、 −入力振幅により振幅と出力位相シフトを設定する直接
    伝達関数列においてその特性を展開するという手順を含
    み、 −少なくとも2つの周波数成分で構成される信号を入力
    に印加して増幅器の変調歪みの特性を測定し、この変調
    歪みの特性が前記周波数成分のいくつかの周波数の差お
    よび/またはいくつかの振幅に関して測定され、各測定
    によって出力周波数成分の振幅が前記入力周波数成分の
    周波数の差および振幅の関数として与えられ、 −エンベロープメモリ効果をシミュレートするため、入
    力振幅が変調される時に入力周波数成分の周波数の差と
    振幅に従って変調歪みの特性基づいて直接伝達関数の出
    力周波数成分の振幅を修正する変調伝達関数を計算する
    手順を含む方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 −異なる周波数における特性を測定し、 −直接伝達関数の周波数修正値を測定する、という手順
    を含む方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、 −入力成分の周波数と異なる周波数における非線形増幅
    器の出力に現れる相互変調成分の除去の特性を測定し、
    各測定によって相互変調成分が入力周波数成分の周波数
    の差および振幅の関数として与えられ、 −相互変調成分の除去特性の測定から、直接伝達関数の
    出力成分の振幅、特に3次相互変調周波数成分の振幅を
    変調する変調信号を入力周波数成分の周波数の差と振幅
    に従って設定する変調伝達関数を計算する:という手順
    を含む方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、増幅器
    が周波数において非対称で、 −相互変調成分の除去の2つの因数を入力周波数成分の
    各周波数の差および各振幅について測定し、 −正の周波数の差に対するレスポンスと異なる負の周波
    数の差に対するレスポンスを有する非対称な変調伝達関
    数を計算する手順を含む方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    方法において、 −少なくとも2つの周波数成分を含む信号を非線形増幅
    器の入力に印加して周波数成分の相互作用の特性を測定
    し、各測定が、前記周波数成分の出力振幅を前記周波数
    成分の周波数の差および入力振幅の関数として与え、 −周波数成分の相互作用特性の測定から、直接伝達関数
    から導出される周波数成分の振幅または被変調振幅を調
    整する修正信号を入力周波数成分の周波数の差と振幅か
    ら設定する修正伝達関数を計算する手順を含む方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法において、エンベ
    ロープ周波数の関数としてキャリヤの利得が変化する増
    幅器で、キャリヤの周波数の差の関数として別のキャリ
    ヤが存在してキャリヤの振幅における利得の特性を測定
    するよう構成されている方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載の方法において、 −入力変調の所定の振幅で、それぞれ出力側の変調のノ
    イズ特性を測定する手順を含む方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    方法において、 −ウインドウを有するホワイトノイズの入力により周波
    数のウィンドウにおけるノイズのキャリーオーバーの特
    性を測定するという手順を含む方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれか1項に記載の
    方法において、高効率で作動するマイクロ波増幅器の信
    号レスポンスのシミュレーションに利用される方法。
  10. 【請求項10】 メモリ効果を有する非線形増幅器の信
    号レスポンスのシミュレーションのための装置であっ
    て: −非線形増幅器の単一キャリヤ信号に対するレスポンス
    の計算のためのモジュールを備え: −前記モジュールが、少なくとも1つの直接フィルター
    を備え、このフィルターが増幅器において実際に測定さ
    れた振幅/振幅と振幅/位相シフト変換の特性から生成
    された伝達関数を有し、この直接伝達関数が異なる振幅
    をとる単一キャリヤ信号で生成され、前記装置が: −マルチキャリヤ信号に応答するハーモニクス発生手段
    と、 −計算モジュールのレスポンスの変調のための少なくと
    も1つのフィルターを備え、この変調フィルターは実際
    に増幅器において測定された振幅変調歪みの特性から生
    成された伝達関数を有し、この変調伝達関数がマルチキ
    ャリヤ信号で設定されている装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の装置において、上
    記モジュールが、 −直接フィルターの伝達関数の重みづけをする少なくと
    も1つの周波数修正器を備え、各周波数修正器が増幅器
    においてそれぞれ異なる単一キャリヤ信号周波数で測定
    された変換特性から生成された修正関数を有する装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の装置に
    おいて、ハーモニクス発生手段が信号を周波数成分にフ
    ーリエ解析するためのモジュールを備える装置。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか1項に記
    載の装置において、ハーモニクス発生手段が相互変調成
    分の周波の結合を計算する結合モジュールを備える装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれか1項に記
    載の装置において、ハーモニクス発生手段が信号振幅の
    r.m.s値を計算する結合モジュールを備える装置。
  15. 【請求項15】 請求項10〜14のいずれか1項に記
    載の装置において、変換フィルターが相互変調成分の除
    去特性から生成された伝達関数を有し、マルチキャリヤ
    信号の増幅が装置によってシミュレートされる時に変調
    フィルターにより計算された振幅相互変調成分が計算モ
    ジュールのレスポンスに加えられる装置。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15のいずれか1項に記
    載の装置において、計算モジュールのレスポンスの修正
    のためのフィルターを備え、このフィルターはキャリヤ
    の相互作用特性から生成された伝達関数を有し、マルチ
    キャリヤ信号の振幅が前記装置によってシミュレートさ
    れる時に、計算モジュールによって与えられたキャリヤ
    の振幅が修正フィルターによって修正される装置。
  17. 【請求項17】 請求項10から16のいずれか1項に
    記載の装置において、高効率で動作するマイクロ波増幅
    器の信号レスポンスのシミュレーションに利用される装
    置。
JP10251762A 1997-08-01 1998-08-03 エンベロープメモリ効果を有する非線形増幅器のシミュレーション方法 Abandoned JPH11191716A (ja)

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