JPH11186021A - 高透磁率コアとその製造方法 - Google Patents

高透磁率コアとその製造方法

Info

Publication number
JPH11186021A
JPH11186021A JP9351205A JP35120597A JPH11186021A JP H11186021 A JPH11186021 A JP H11186021A JP 9351205 A JP9351205 A JP 9351205A JP 35120597 A JP35120597 A JP 35120597A JP H11186021 A JPH11186021 A JP H11186021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
core
permeability
amorphous alloy
based amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9351205A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuaki Moriya
泰明 森谷
Takao Kusaka
隆夫 日下
Kazumi Sakai
和美 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9351205A priority Critical patent/JPH11186021A/ja
Publication of JPH11186021A publication Critical patent/JPH11186021A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0213Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s)
    • H01F41/0226Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s) from amorphous ribbons

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズフィルタ、発振トランス、通信用トラ
ンス等として用いる際に求められる高透磁率を維持しつ
つ、透磁率等の磁気特性の経時安定性を高める。 【解決手段】 Co基アモルファス合金薄帯を巻回して
なる磁性コアであって、飽和磁束密度が0.6T以下で、か
つ磁気異方性エネルギーが0.8J/m3 以上である高透磁率
コアである。このような高透磁率コアは、例えば初透磁
率が 40000以上であり、かつ393K×24h の条件下におけ
る透磁率の変化率が 20%以内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Co基アモルファ
ス合金薄帯を用いた高透磁率コアとその製造方法に係
り、より詳しくは高透磁率を有すると共にその経時安定
性に優れる高透磁率コアとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノイズフィルタ、発振トランス、
通信用トランス等の磁性コアには、一般的にフェライト
コアやパーマロイコアが用いられてきた。しかし、フェ
ライトコアでは5000〜 10000程度の透磁率しか得られ
ず、一方パーマロイコアは 20000程度の透磁率が得られ
るものの、周波数特性が悪いという問題を有していた。
【0003】近年のノイズフィルタや発振トランス等に
用いられる磁性コアには、特に高透磁率が要求されてお
り、さらに動作周波数や発振周波数等は高周波化される
傾向にあることから、周波数特性に優れる高透磁率コア
が求められている。例えば、コモンモードチョークコイ
ルをノイズフィルタとして用いる場合、雑音入力電圧に
対する雑音出力電圧の大きさはチョークコイルに用いた
磁性コアの透磁率に関係し、透磁率が大きいほど雑音出
力電圧は小さくなる。また、 MHz以上の高周波域でも有
効に機能させる必要があるため、透磁率等の磁気特性の
周波数特性が良好であると共に、高周波域で低損失であ
ることが求められる。
【0004】一方、Co基アモルファス合金薄帯を巻回
してなる磁性コアは、一般的には可飽和コアとして多用
されているものの、Co基アモルファス合金薄帯の幅方
向に磁場を印加しながら熱処理を施すことによって、角
形比が低下して高透磁率が得られることが知られてい
る。このような幅方向の磁場中熱処理を施したCo基ア
モルファスコアは、上記したように低角形比、高透磁率
等の特性を有することから、ノイズフィルタ、発振トラ
ンス、通信用トランス等の磁性コアに使用することが検
討されている。
【0005】しかしながら、Co基アモルファスコアは
幅方向磁場中熱処理で高透磁率化を図った場合に、透磁
率等の磁気特性の経時変化が大きくなるという問題を有
している。すなわち、高透磁率化したCo基アモルファ
スコアを長期間使用すると、経時的に透磁率等の磁気特
性が低下しやすく、例えばノイズフィルタとしての機能
が経時的に劣化してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、幅方
向磁場中熱処理を施したCo基アモルファス合金薄帯を
用いた磁性コアは、高透磁率が得られ、かつ周波数特性
に優れる等の特徴を有する反面、温度に対する磁気特性
の安定性に欠け、経時的に透磁率等の磁気特性が劣化し
やすいという問題を有している。
【0007】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、ノイズフィルタ、発振トランス、通信
用トランス等として用いる際に十分な透磁率を有し、か
つ透磁率等の磁気特性の経時安定性に優れる高透磁率コ
アおよびその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の高透磁率コア
は、請求項1に記載したように、Co基アモルファス合
金薄帯を巻回してなる磁性コアであって、飽和磁束密度
が0.6T以下で、かつ磁気異方性エネルギーが0.8J/m3
上であることを特徴としている。
【0009】本発明の高透磁率コアにおいて、前記磁性
コアの角形比は、例えば請求項2に記載したように 10%
以下とすることが好ましい。さらに、請求項3に記載し
たように、前記磁性コアは初透磁率が 40000以上で、か
つ393K×24h の条件下における透磁率の変化率が 20%以
内であることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の高透磁率コアの製造方法
は、請求項5に記載したように、Co基アモルファス合
金薄帯を所望のコア形状に巻回する工程と、前記Co基
アモルファス合金薄帯の幅方向に磁場を印加しながら、
前記巻回体に423K以上キュリー温度以下の温度で 0.5〜
10時間保持して磁場中熱処理する工程とを有することを
特徴としている。本発明の高透磁率コアの製造方法にお
いて、前記磁場中熱処理工程でCo基アモルファス合金
薄帯に印加する磁場は、請求項6に記載したように30kA
/m以上とすることが好ましい。
【0011】本発明の高透磁率コアの製造方法は、さら
に請求項7に記載したように、Co基アモルファス合金
薄帯の幅をW[m] 、キュリー温度をTc [K] としたと
き、前記磁場中での熱処理温度T[K] を、 W-1/2+Tc −80<T<W-1/2+Tc −40 を満足する範囲に設定することを特徴としている。この
ような熱処理条件は請求項8に記載したように、Co基
アモルファス合金薄帯として幅Wが30mm以下の薄帯を使
用する際に特に効果的である。
【0012】Co基アモルファス合金薄帯の巻回体から
なる磁性コアに幅方向磁場中熱処理を施した場合、直流
B−H曲線は傾きが緩やかになって透磁率が向上する。
従来の幅方向磁場中熱処理は、透磁率の向上のみを目的
としたものであるため、磁気特性の経時劣化を招いてい
た。一方、本発明では例えばノイズフィルタや発振トラ
ンス等に用いる上で必要とされる高透磁率を維持した上
で、磁性コアの経時安定性を大幅に高めている。これは
磁気異方性エネルギーがCo基アモルファス合金薄帯の
巻回体からなる磁性コアの経時安定性に大きく影響を及
ぼすためであり、この磁気異方性エネルギーを0.8J/m3
以上とすることによって、磁性コアの経時安定性を大幅
に高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0014】本発明の高透磁率コアは、基本的にはCo
基アモルファス合金薄帯を所望のコア形状に巻回して作
製した磁性コアからなるものである。ここで、Co基ア
モルファス合金薄帯としては、例えば 一般式:(Co1-a a 100-x x ……(1) (式中、MはFe、Ti、V、Cr、Mn、Ni、C
u、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wおよび白金族元
素から選ばれる少なくとも 1種の元素を、XはSi、
B、CおよびPから選ばれる少なくとも 1種の元素を示
し、 aおよび xは0≦ a≦ 0.5、10≦ x≦35at% をそれ
ぞれ満足する数を示す)で実質的に表される組成を有す
るものが用いられる。
【0015】特に、Co基アモルファス合金薄帯は、 一般式:(Co1-b-c Feb M′c 100-y (Si1-d d y …(2) (式中、M′はTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ta、Wおよび白金族元素から
選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 b、 c、dおよ
び yは0.02≦ b≦0.08、 0≦ c≦0.07、 0.3≦ d≦ 0.
9、15≦ y≦30at%をそれぞれ満足する数を示す)で実質
的に表される組成を有することが好ましい。
【0016】上記したようなCo基アモルファス合金薄
帯は、高周波特性等を高める上で、平均板厚が30μm 以
下であることが好ましく、さらに好ましくは20μm 以下
である。このようなCo基アモルファス合金薄帯を所定
のコア形状に巻回することによって、本発明の高透磁率
コアの基本となる磁性コア(アモルファスコア)が得ら
れる。
【0017】本発明におけるCo基アモルファス合金薄
帯の巻回体からなる磁性コアは、飽和磁束密度が0.6T以
下で、かつ磁気異方性エネルギーが0.8J/m3 以上の条件
を少なくとも満足させたものである。ここで、ノイズフ
ィルタや発振トランス等に適用する上で必要とされる高
透磁率、例えば 40000以上の透磁率を得る上で、飽和磁
束密度は少なくとも0.6T以下とする必要がある。ただ
し、この条件のみでは磁性コアの経時安定性が劣る場合
があるが、本発明においては磁気異方性エネルギーを0.
8J/m3 以上とすることによって、Co基アモルファス合
金薄帯の巻回体からなる磁性コアの経時安定性を高めて
いる。磁気異方性エネルギーは磁性コアの経時安定性に
影響を及ぼすものである。
【0018】すなわち、Co基アモルファス合金薄帯の
巻回体からなる磁性コアに幅方向磁場中熱処理を施した
場合、図1に示すように、直流B−H曲線は傾きが緩や
かになって透磁率が向上する。これは前述した通りであ
る。この際、従来の幅方向磁場中熱処理の具体的な条件
は、透磁率の向上のみを目的として設定されていたもの
であり、従来のCo基アモルファスコアでは実際に1000
00〜140000というような透磁率が得られている。しか
し、透磁率の向上のみを目的とした幅方向磁場中熱処理
を施したCo基アモルファスコアは、上記したように高
透磁率が得られるものの、磁気特性の経時安定性が低
く、透磁率の低下が大きい。また、このようなCo基ア
モルファスコアは、一般的に磁気異方性エネルギーが小
さい。
【0019】一方、幅方向磁場中熱処理条件を制御し
て、例えばノイズフィルタや発振トランス等に用いる上
で必要とされる高透磁率、例えば 40000以上の透磁率を
維持しつつ、Co基アモルファスコアの磁気異方性エネ
ルギーを高めることによって、透磁率等の磁気特性の経
時安定性を大幅に高めることが可能となる。すなわち、
磁気異方性エネルギーがCo基アモルファス合金薄帯の
巻回体からなる磁性コアの経時安定性に大きく影響を及
ぼし、この磁気異方性エネルギーを0.8J/m3 以上とする
ことによって、磁性コアの経時安定性を大幅に高めるこ
とができる。
【0020】ここで、磁気異方性エネルギーE[J/m3 ]
は、基本的には E= 1/2・Bs ・Hs (式中、Bs は飽和磁束密度を、Hs は飽和磁化を示
す)の式で表され、また図1に示す通りである。このよ
うな磁気異方性エネルギーの値が大きいほど、直流B−
H曲線の傾きが緩やかとなり、これによって磁気特性の
経時安定性が向上する。ただし、初透磁率の絶対値自体
は磁気異方性エネルギーの増大に伴って低下する傾向に
あるため、ノイズフィルタや発振トランス等に用いる上
で必要とされる高透磁率を満足し得る範囲で磁気異方性
エネルギーを制御することが好ましい。
【0021】これらの点について、図2および図3に示
す実験結果に基いて詳述する。図2は、Co基アモルフ
ァス合金薄帯の巻回体からなる磁性コアの磁気異方性エ
ネルギーと透磁率の経時変化率との関係の一例を示すも
のである。また、図3は磁性コアの磁気異方性エネルギ
ーと初透磁率との関係の一例を示すものである。なお初
透磁率は 10kHz, 0.1Vでの値であり、透磁率の経時変化
率は393K×24h の条件で熱処理した際の透磁率の変化率
である。
【0022】図2から明らかなように、磁気異方性エネ
ルギーを増大させることにより、透磁率の経時変化率を
小さくすることができる。具体的には、磁気異方性エネ
ルギーを0.8J/m3 以上とすることによって、透磁率の経
時変化率を 20%以内とすることが可能となる。一方、図
3に示すように、磁気異方性エネルギーを増大させるこ
とにより、初透磁率が低下する傾向にあるが、0.8J/m3
以上の磁気異方性エネルギーを有する磁性コアであって
も、ノイズフィルタや発振トランス等に求められる 400
00以上の初透磁率を満足させることができる。
【0023】また、上述したように磁性コアの磁気異方
性エネルギーを0.8J/m3 以上とすることによって、直流
B−H曲線の傾きはより緩やかとなり、Br /Bs (B
r :残留磁束密度)で表される角形比は低下する。本発
明の高透磁率コアにおいて、角形比(Br /Bs )は例
えば 10%以下とすることができる。
【0024】このように、Co基アモルファス合金薄帯
の巻回体からなる磁性コアの飽和磁束密度を0.6T以下と
すると共に、磁気異方性エネルギーを0.8J/m3 以上と
し、さらには角形比(Br /Bs )を 10%以下とするこ
とによって、ノイズフィルタや発振トランス等に求めら
れる 40000以上の初透磁率を満足させた上で、393K×24
h の条件下における透磁率の経時変化率を 20%以内とす
ることが可能となる。初透磁率は 60000以上であること
がより好ましく、さらに透磁率の経時変化は再現性よく
向上させることが望ましい。このような条件を満足させ
る上で、磁気異方性エネルギーは 0.9〜1.6J/m3 の範囲
とすることが望ましい。
【0025】上述したように、Co基アモルファス合金
薄帯の巻回体からなる磁性コアの透磁率は、幅方向磁場
中熱処理条件を制御することにより、例えば100000〜14
0000というような値が得られるが、このような透磁率を
有する磁性コアは磁気特性の経時安定性が低い。そこ
で、本発明は例えば幅方向磁場中熱処理条件を調整し、
磁気異方性エネルギーを0.8J/m3 以上とすることによっ
て、透磁率は多少低下するものの、ノイズフィルタや発
振トランス等に求められる 40000以上の初透磁率を満足
させた上で、393K×24h の条件下における透磁率の経時
変化率を 20%以内とした磁性コアを提供するものであ
る。
【0026】Co基アモルファス合金薄帯の巻回体から
なる磁性コアの飽和磁束密度および磁気異方性エネルギ
ー、さらには角形比(Br /Bs )は、幅方向磁場中熱
処理条件を制御することにより所望の値とすることがで
きる。具体的には、Co基アモルファス合金薄帯を所定
のコア形状に巻回し、通常の結晶化温度以下での歪取り
熱処理を行った後、Co基アモルファス合金薄帯の幅方
向に磁場を印加しながら、423K以上キュリー温度以下の
温度で 0.5〜10時間保持して磁場中熱処理を行う。磁場
中熱処理工程における印加磁場は、磁場中熱処理効果を
十分に得る上で30kA/m以上とすることが好ましい。
【0027】上記した幅方向磁場中熱処理において、熱
処理温度が423K未満であると磁気異方性エネルギーを十
分に高めることができず、透磁率の経時安定性を高める
ことができない。なお、熱処理温度がキュリー温度を超
えると磁場中熱処理の効果が得られなくなる。また、熱
処理時間が 0.5時間未満であると、透磁率やその経時安
定性を高めることができない。熱処理時間が10時間を超
えると初透磁率が低下しすぎて、高透磁率コアを得るこ
とができない。
【0028】さらに、熱処理温度はCo基アモルファス
合金薄帯の幅に応じて設定することが好ましい。具体的
には、Co基アモルファス合金薄帯の幅をW[m] 、キュ
リー温度をTc [K] としたとき、磁場中での熱処理温度
T[K] は、 W-1/2+Tc −80<T<W-1/2+Tc −40 を満足する範囲に設定することが好ましい。このような
熱処理条件は特にCo基アモルファス合金薄帯の幅Wが
10mm以下の場合に効果を発揮する。すなわち、磁性コア
を薄型化する場合、熱処理温度を上げて磁場中熱処理効
果を高めることが好ましく、上記した関係式を満足する
熱処理温度を適用することによって、磁性コアの透磁率
および経時安定性をより一層高めることができる。
【0029】本発明の高透磁率コアは、コモンモードチ
ョークコイル等のノイズフィルタ用の磁性コア、発振ト
ランスや通信用トランス等の磁性コアに好適である。通
信用トランスとしては、モデム用トランス、ISDN用
トランス等が挙げられる。ただし、本発明の高透磁率コ
アの使用用途はこれらに限られるものではなく、一般的
なチョークコイルやトランス等の用途にも好ましく用い
られるものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0031】実施例1 まず、Co67.6Fe4 Nb1.5 Cr1.9 Si1411で組
成が表されるCo基アモルファス合金薄帯(厚さ:20μ
m )を単ロール法により作製し、これを外径12mm×内径
8mm×高さ 4.5mmのコア形状に巻回した。このような巻
回体を複数作製し、それぞれ 440℃×30分の条件で歪取
り熱処理を施した後、表1に示す条件でそれぞれ磁場中
熱処理を行った。磁場中熱処理は、Co基アモルファス
合金薄帯の幅方向に 100kA/mの磁場を印加しながら実施
した。
【0032】このようにして得た各アモルファスコアの
飽和磁束密度Bs 、磁気異方性エネルギーEおよび直流
角形比(Br /Bs )は、表1に示す通りである。ま
た、得られた各アモルファスコアの初透磁率(10kHz,0.1
V)と393K×24h の条件下での透磁率の経時変化率を測
定、評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0033】
【表1】 表1から明らかなように、磁場中で423K以上キュリー温
度以下の温度で 0.5〜10時間保持し、磁気異方性エネル
ギーEを0.8J/m3 以上としたアモルファスコアは、初透
磁率が 40000以上であると共に、393K×24h の条件下に
おける透磁率の経時変化率が 20%以内であり、高透磁率
およびその経時安定性に優れることが分かる。
【0034】実施例2 実施例1と同一組成で、幅 1mm、 5mm、10mmのCo基ア
モルファス合金薄帯(厚さ:20μm )をそれぞれ用意し
た。これらをそれぞれ外径12mm×内径 8mmのコア形状に
巻回し、実施例1と同様な条件で歪取り熱処理を実施し
た。
【0035】次に、Co基アモルファス合金薄帯の各幅
の毎に熱処理温度を設定した。具体的には、W-1/2+T
c −80<T<W-1/2+Tc −40の関係式に基いて熱処理
温度Tを算出した。上記したCo基アモルファス合金の
キュリー温度Tc は513Kであるため、幅 1mmの場合には
464〜504K、幅 5mmの場合には 447〜487K、幅10mmの場
合には 443〜483Kとなる。これらの温度でそれぞれCo
基アモルファス合金薄帯の巻回体を、幅方向に 100kA/m
の磁場を印加しながら熱処理した。
【0036】このようにして得た各アモルファスコアの
初透磁率(10kHz,0.1V)と393K×24hの条件下での透磁率
の経時変化率を測定、評価した。その結果、上記関係式
を満足する温度で磁場中熱処理したアモルファスコアは
いずれも初透磁率が 40000以上で、その経時変化率も 2
0%以内を満足するものであった。このように、上記した
関係式を満足する温度で磁場中熱処理を施すことによっ
て、特に良好な初透磁率が得られ、さらにその経時安定
性も優れたものとなる。
【0037】なお、上述した条件で磁場中熱処理を実施
したアモルファスコアは、いずれも飽和磁束密度Bs
0.6T以下、磁気異方性エネルギーEが0.8J/m3 以上、直
流角形比(Br /Bs )が 10%以下であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ノ
イズフィルタや発振トランス等に適用する際に十分な透
磁率を有し、かつその経時安定性に優れる高透磁率コア
を提供することができる。また、本発明の高透磁率コア
の製造方法によれば、そのような磁性コアを再現性よく
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 幅方向磁場中熱処理によるB−Hカーブの変
化および磁気異方性エネルギーを説明するための図であ
る。
【図2】 Co基アモルファス合金薄帯の巻回体からな
る磁性コアの磁気異方性エネルギーと透磁率の経時変化
率との関係の一例を示す図である。
【図3】 Co基アモルファス合金薄帯の巻回体からな
る磁性コアの磁気異方性エネルギーと初透磁率との関係
の一例を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co基アモルファス合金薄帯を巻回して
    なる磁性コアであって、飽和磁束密度が0.6T以下で、か
    つ磁気異方性エネルギーが0.8J/m3 以上であることを特
    徴とする高透磁率コア。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高透磁率コアにおいて、 前記磁性コアは角形比が 10%以下であることを特徴とす
    る高透磁率コア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高透磁率コアにおいて、 前記磁性コアは初透磁率が 40000以上で、かつ393K×24
    h の条件下による透磁率の変化率が 20%以内であること
    を特徴とする高透磁率コア。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の高透磁率コアにおいて、 前記磁性コアは、磁気異方性エネルギーが 0.9〜 1.6 J
    /m3 の範囲であり、かつ初透磁率が 60000以上であるこ
    とを特徴とする高透磁率コア。
  5. 【請求項5】 Co基アモルファス合金薄帯を所望のコ
    ア形状に巻回する工程と、 前記Co基アモルファス合金薄帯の幅方向に磁場を印加
    しながら、前記巻回体を423K以上キュリー温度以下の温
    度で 0.5〜10時間保持して磁場中熱処理する工程とを有
    することを特徴とする高透磁率コアの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の高透磁率コアの製造方法
    において、 前記磁場中熱処理工程で、前記Co基アモルファス合金
    薄帯の幅方向に30kA/m以上の磁場を印加することを特徴
    とする高透磁率コアの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の高透磁率コアの製造方法
    において、 前記Co基アモルファス合金薄帯の幅をW[m] 、キュリ
    ー温度をTc [K] としたとき、前記磁場中での熱処理温
    度T[K] を、 W-1/2+Tc −80<T<W-1/2+Tc −40 を満足する範囲に設定することを特徴とする高透磁率コ
    アの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の高透磁率コアの製造方法
    において、 前記Co基アモルファス合金薄帯として幅Wが30mm以下
    の薄帯を使用することを特徴とする高透磁率コアの製造
    方法。
JP9351205A 1997-12-19 1997-12-19 高透磁率コアとその製造方法 Withdrawn JPH11186021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9351205A JPH11186021A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 高透磁率コアとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9351205A JPH11186021A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 高透磁率コアとその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11186021A true JPH11186021A (ja) 1999-07-09

Family

ID=18415768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9351205A Withdrawn JPH11186021A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 高透磁率コアとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11186021A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183334A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立金属株式会社 巻磁心の磁場中熱処理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183334A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日立金属株式会社 巻磁心の磁場中熱処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3233313B2 (ja) パルス減衰特性に優れたナノ結晶合金の製造方法
JP3357386B2 (ja) 軟磁性合金およびその製造方法ならびに磁心
JPH07278764A (ja) ナノ結晶合金およびその製造方法ならびにそれを用いた磁心
JP3059187B2 (ja) 軟磁性合金、その製造方法および磁心
JPH079057B2 (ja) 非晶質合金磁心の製造方法
JP3856245B2 (ja) 高透磁率ナノ結晶合金の製造方法
JPH01294847A (ja) 軟磁性合金
JPH01247557A (ja) 超微結晶軟磁性合金の製造方法
JPH01290744A (ja) Fe基軟磁性合金
JPH11186021A (ja) 高透磁率コアとその製造方法
JP2698769B2 (ja) 高透磁率磁心の製造方法
JPH0917623A (ja) ナノ結晶合金磁心およびその製造方法
JPH03107417A (ja) 超微結晶軟磁性合金の製造方法
JPH01247556A (ja) 恒透磁率性に優れたFe基磁性合金
JP2001052933A (ja) 磁気コアおよび磁気コアを用いた電流センサ
JPH0257683B2 (ja)
JP3228427B2 (ja) 超微結晶軟磁性合金
JPH0549742B2 (ja)
JPS61183454A (ja) 非晶質合金磁心の製造方法
JPH0766029A (ja) アモルファスコア
JP2561573B2 (ja) 非晶質薄帯可飽和磁心
JP2000252111A (ja) 高周波用可飽和磁心ならびにこれを用いた装置
JP2637184B2 (ja) 発振トランス用磁心
JPH0238520A (ja) Fe基軟磁性合金の製法及び巻磁心
JP3638291B2 (ja) 低損失磁心

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301