JPH11185698A - 四重極質量分析装置 - Google Patents
四重極質量分析装置Info
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- JPH11185698A JPH11185698A JP9364117A JP36411797A JPH11185698A JP H11185698 A JPH11185698 A JP H11185698A JP 9364117 A JP9364117 A JP 9364117A JP 36411797 A JP36411797 A JP 36411797A JP H11185698 A JPH11185698 A JP H11185698A
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- JP
- Japan
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- ions
- current
- quadrupole
- detector
- ion
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- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 イオン生成量の変動による誤差を解消する。
【解決手段】 四重極フィルタ34のロッド電極の周囲
に金属筒39を配設し、金属筒39に捉えられたイオン
によって流れる電流Icを電流測定アンプ42により検
出する。検出器36に到達したイオンによる電流Isと
電流Icとの和はイオン生成量の変動を反映するから、
補正演算部51はIs+Icの変動に応じてIsを補正
する。
に金属筒39を配設し、金属筒39に捉えられたイオン
によって流れる電流Icを電流測定アンプ42により検
出する。検出器36に到達したイオンによる電流Isと
電流Icとの和はイオン生成量の変動を反映するから、
補正演算部51はIs+Icの変動に応じてIsを補正
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四重極フィルタに
より特定の質量数を有するイオンのみを分離して検出器
に導く四重極質量分析装置に関する。
より特定の質量数を有するイオンのみを分離して検出器
に導く四重極質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、液体クロマトグラフ質量分析装
置(LC/MS)の一例を示す概略構成図である。液体
クロマトグラフ(LC)部10のカラム11内から時間
的に分離して溶出する試料液はインタフェイス部20に
導入され、ノズル22から霧化室21内に噴霧されてイ
オン化される。発生したイオンは、インタフェイス部2
0と質量分析(MS)部30との間に設けられたヒーテ
ッドキャピラリ等の脱溶媒管23を通ってMS部30へ
と送り込まれる。
置(LC/MS)の一例を示す概略構成図である。液体
クロマトグラフ(LC)部10のカラム11内から時間
的に分離して溶出する試料液はインタフェイス部20に
導入され、ノズル22から霧化室21内に噴霧されてイ
オン化される。発生したイオンは、インタフェイス部2
0と質量分析(MS)部30との間に設けられたヒーテ
ッドキャピラリ等の脱溶媒管23を通ってMS部30へ
と送り込まれる。
【0003】MS部30は、第1中間室31、第2中間
室32及び分析室33の三室から成り、霧化室21と第
1中間室31との間に脱溶媒管23、第1中間室31と
第2中間室32との間に極小径の通過孔(オリフェス)
を有するスキマー37が設けられている。霧化室21内
はほぼ大気圧に維持される一方、第1中間室31はロー
タリーポンプによって約1Torr程度まで排気され、第2
中間室32及び分析室33はターボ分子ポンプによって
それぞれ約10-3〜10-4Torr程度及び約10-5〜10
-6Torr程度まで排気される。脱溶媒管23を通過したイ
オンはスキマー37の通過孔を通って第1中間室31か
ら第2中間室32に導入され、イオンレンズ38により
収束及び加速されて分析室33へ送られる。
室32及び分析室33の三室から成り、霧化室21と第
1中間室31との間に脱溶媒管23、第1中間室31と
第2中間室32との間に極小径の通過孔(オリフェス)
を有するスキマー37が設けられている。霧化室21内
はほぼ大気圧に維持される一方、第1中間室31はロー
タリーポンプによって約1Torr程度まで排気され、第2
中間室32及び分析室33はターボ分子ポンプによって
それぞれ約10-3〜10-4Torr程度及び約10-5〜10
-6Torr程度まで排気される。脱溶媒管23を通過したイ
オンはスキマー37の通過孔を通って第1中間室31か
ら第2中間室32に導入され、イオンレンズ38により
収束及び加速されて分析室33へ送られる。
【0004】4本(図4中には2本のみ見えている)の
ロッド電極から成る四重極フィルタ34の対向する一対
のロッド電極には、正の直流電圧に高周波電圧を重畳し
たU+V・cosωtなる電圧が印加され、他の一対の
ロッド電極には負の直流電圧に先の高周波電圧の位相を
180°シフトした高周波電圧を重畳した−(U+V・
cosωt)なる電圧が印加される。この4本のロッド
電極で囲まれる空間の長軸方向に各種イオンが導入され
ると、電圧U及びVにより定まる特定の質量数(質量m
/電荷z)を有するイオンのみがその中心軸近傍を反対
側に通り抜けて検出スリット35を介して検出器36に
到達し、他の質量数を有するイオンは途中で発散してし
まう。検出器36では到達したイオン数に応じた電流が
取り出される。上記電圧U及びVを所定の関係を保ちつ
つ適宜変化させることにより、四重極フィルタ34を通
過するイオンの質量数を順に走査することができるの
で、このときの検出器36の検出信号に基づいて質量ス
ペクトルが作成される。
ロッド電極から成る四重極フィルタ34の対向する一対
のロッド電極には、正の直流電圧に高周波電圧を重畳し
たU+V・cosωtなる電圧が印加され、他の一対の
ロッド電極には負の直流電圧に先の高周波電圧の位相を
180°シフトした高周波電圧を重畳した−(U+V・
cosωt)なる電圧が印加される。この4本のロッド
電極で囲まれる空間の長軸方向に各種イオンが導入され
ると、電圧U及びVにより定まる特定の質量数(質量m
/電荷z)を有するイオンのみがその中心軸近傍を反対
側に通り抜けて検出スリット35を介して検出器36に
到達し、他の質量数を有するイオンは途中で発散してし
まう。検出器36では到達したイオン数に応じた電流が
取り出される。上記電圧U及びVを所定の関係を保ちつ
つ適宜変化させることにより、四重極フィルタ34を通
過するイオンの質量数を順に走査することができるの
で、このときの検出器36の検出信号に基づいて質量ス
ペクトルが作成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に上記構成の装置
では、ノズル22からの液滴の噴霧量が変動するとイオ
ンの生成効率が大きく変動する。例えば質量走査中にイ
オンの生成量が変動するとその影響により検出器36に
到達するイオン数が変動してしまうから、目的とするイ
オン量を正確に測定することができない。このため、分
析精度が劣化する或いは再現性が得られない、等の問題
が生じる。
では、ノズル22からの液滴の噴霧量が変動するとイオ
ンの生成効率が大きく変動する。例えば質量走査中にイ
オンの生成量が変動するとその影響により検出器36に
到達するイオン数が変動してしまうから、目的とするイ
オン量を正確に測定することができない。このため、分
析精度が劣化する或いは再現性が得られない、等の問題
が生じる。
【0006】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的とするところは、インタフェイ
ス部の時間的変動要因による信号強度の変動を補正し、
より高精度な分析が行なえる四重極質量分析装置を提供
することにある。
たものであり、その目的とするところは、インタフェイ
ス部の時間的変動要因による信号強度の変動を補正し、
より高精度な分析が行なえる四重極質量分析装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、イオン源にて発生したイオンの中
で特定の質量数を有するイオンを四重極フィルタにより
分離して検出器に導く四重極質量分析装置において、 a)四重極フィルタの周囲を覆う該フィルタと電気的に絶
縁されたイオン捕集手段と、 b)該イオン捕集手段に捕捉されたイオンによる電流を測
定する電流測定手段と、 c)該電流測定手段の測定値を用いて前記検出器の検出信
号を補正する補正手段と、 を備えることを特徴としている。
に成された本発明は、イオン源にて発生したイオンの中
で特定の質量数を有するイオンを四重極フィルタにより
分離して検出器に導く四重極質量分析装置において、 a)四重極フィルタの周囲を覆う該フィルタと電気的に絶
縁されたイオン捕集手段と、 b)該イオン捕集手段に捕捉されたイオンによる電流を測
定する電流測定手段と、 c)該電流測定手段の測定値を用いて前記検出器の検出信
号を補正する補正手段と、 を備えることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】四重極フィルタの4本のロッド電
極には、所定の質量数を有するイオンのみが該ロッド電
極の中央の空間を通り抜けるように適宜の電圧が印加さ
れる。すると、他の質量数を有するイオンは該ロッド電
極の中心軸近傍を通り抜ける軌道から外れ、隣接するロ
ッド電極の隙間を通ってロッド電極で囲まれる空間から
飛び出る。この飛び出たイオンはイオン捕集手段に接触
して捕捉される。イオン源にて発生したイオンのうち、
一部は四重極フィルタに導入される前に消滅し、他の一
部は四重極フィルタのロッド電極に捕捉されてしまう。
しかし、このようなイオンの割合は確率的なものであっ
てほぼ或る一定割合であると看做すことができるから、
イオン源でのイオンの生成量と、検出器に到達したイオ
ンによる電流及びイオン捕集手段に捉えられたイオンに
よる電流の和とは相関している。
極には、所定の質量数を有するイオンのみが該ロッド電
極の中央の空間を通り抜けるように適宜の電圧が印加さ
れる。すると、他の質量数を有するイオンは該ロッド電
極の中心軸近傍を通り抜ける軌道から外れ、隣接するロ
ッド電極の隙間を通ってロッド電極で囲まれる空間から
飛び出る。この飛び出たイオンはイオン捕集手段に接触
して捕捉される。イオン源にて発生したイオンのうち、
一部は四重極フィルタに導入される前に消滅し、他の一
部は四重極フィルタのロッド電極に捕捉されてしまう。
しかし、このようなイオンの割合は確率的なものであっ
てほぼ或る一定割合であると看做すことができるから、
イオン源でのイオンの生成量と、検出器に到達したイオ
ンによる電流及びイオン捕集手段に捉えられたイオンに
よる電流の和とは相関している。
【0009】つまり、上記両者の電流の和が変動したと
きには、イオン源においてイオン生成量が変動したと推
定することができる。そこで、上記補正手段は、その両
者の電流の和に基づいてイオン生成量の変動を推測し、
該変動の影響が解消されるように検出器の検出信号つま
りその電流値を補正する。例えば、上記電流の和が減少
した場合にはイオン生成量が減少したと判断し、その減
少分に応じて検出信号を増加させる。
きには、イオン源においてイオン生成量が変動したと推
定することができる。そこで、上記補正手段は、その両
者の電流の和に基づいてイオン生成量の変動を推測し、
該変動の影響が解消されるように検出器の検出信号つま
りその電流値を補正する。例えば、上記電流の和が減少
した場合にはイオン生成量が減少したと判断し、その減
少分に応じて検出信号を増加させる。
【0010】
【発明の効果】このように本発明の四重極質量分析装置
によれば、イオン源でのイオン生成量の変動の影響を補
正した信号強度を得ることができる。このため、例えば
より正確な質量スペクトルを作成することができるの
で、分析精度が向上し再現性も高い。
によれば、イオン源でのイオン生成量の変動の影響を補
正した信号強度を得ることができる。このため、例えば
より正確な質量スペクトルを作成することができるの
で、分析精度が向上し再現性も高い。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例である四重極質量分
析装置を図面を参照して説明する。図1は、本実施例に
よる四重極質量分析装置の四重極フィルタ近傍の構成を
示す外観斜視図、図2は本実施例による四重極質量分析
装置の要部の構成図である。
析装置を図面を参照して説明する。図1は、本実施例に
よる四重極質量分析装置の四重極フィルタ近傍の構成を
示す外観斜視図、図2は本実施例による四重極質量分析
装置の要部の構成図である。
【0012】図1に示すように、本実施例では、四重極
フィルタ34の4本のロッド電極を取り囲んで円筒状の
金属筒39が配設される。この金属筒39は、例えば4
本のロッド電極を互いに所定の位置関係を保って保持す
るための絶縁体から成るホルダの周囲に取り付けられ、
ロッド電極とは電気的に絶縁されている。金属筒39の
両端面にはそれぞれイオン通過開口を設けた蓋を設け、
所定の軌道を外れたイオンがより確実に金属筒39に捕
捉されるようにしてもよい。
フィルタ34の4本のロッド電極を取り囲んで円筒状の
金属筒39が配設される。この金属筒39は、例えば4
本のロッド電極を互いに所定の位置関係を保って保持す
るための絶縁体から成るホルダの周囲に取り付けられ、
ロッド電極とは電気的に絶縁されている。金属筒39の
両端面にはそれぞれイオン通過開口を設けた蓋を設け、
所定の軌道を外れたイオンがより確実に金属筒39に捕
捉されるようにしてもよい。
【0013】図2に示すように、金属筒39は、電流測
定アンプ42及びA/D変換器43を介してデータ処理
部50の補正演算部51に接続されている。一方、検出
器36は、プリアンプ40及びA/D変換器41を介し
て同じく補正演算部51に接続されている。補正演算部
51は、後述のような補正演算処理を行なうことにより
質量数に対応する信号強度データを取得し、スペクトル
作成部52はこの信号強度データを基に横軸を質量数、
縦軸を相対信号強度とする質量スペクトルを作成する。
定アンプ42及びA/D変換器43を介してデータ処理
部50の補正演算部51に接続されている。一方、検出
器36は、プリアンプ40及びA/D変換器41を介し
て同じく補正演算部51に接続されている。補正演算部
51は、後述のような補正演算処理を行なうことにより
質量数に対応する信号強度データを取得し、スペクトル
作成部52はこの信号強度データを基に横軸を質量数、
縦軸を相対信号強度とする質量スペクトルを作成する。
【0014】次いで、本実施例の四重極質量分析装置の
動作を説明する。四重極フィルタ34の各ロッド電極に
は上述のように直流と交流とが重畳された電圧が印加さ
れる。質量走査に際しては、その質量範囲に応じて該電
圧が所定ステップ毎に増加又は減少される。所定電圧が
ロッド電極に印加されているとき、図2にて左方向から
導入された所定の質量数を有するイオンは中心軸cに沿
って所定の軌道をとって進み、ロッド電極を通り抜けて
検出器36に到達する。検出器36では到達したイオン
の数に応じた電流が流れ、この電流値Isはプリアンプ
40にて増幅された後にA/D変換器41にてデジタル
信号に変換される。一方、上記所定の質量数以外の各種
イオンは、四重極フィルタ34の印加電圧によって例え
ば図2中のa又はbのようにその軌道が曲げられ、隣接
するロッド電極間の空隙を通って金属筒39に接触し捕
捉される。この捕捉されるイオンによって流れる電流I
cは電流測定アンプ42により検出され、A/D変換器
43にてデジタル信号に変換される。
動作を説明する。四重極フィルタ34の各ロッド電極に
は上述のように直流と交流とが重畳された電圧が印加さ
れる。質量走査に際しては、その質量範囲に応じて該電
圧が所定ステップ毎に増加又は減少される。所定電圧が
ロッド電極に印加されているとき、図2にて左方向から
導入された所定の質量数を有するイオンは中心軸cに沿
って所定の軌道をとって進み、ロッド電極を通り抜けて
検出器36に到達する。検出器36では到達したイオン
の数に応じた電流が流れ、この電流値Isはプリアンプ
40にて増幅された後にA/D変換器41にてデジタル
信号に変換される。一方、上記所定の質量数以外の各種
イオンは、四重極フィルタ34の印加電圧によって例え
ば図2中のa又はbのようにその軌道が曲げられ、隣接
するロッド電極間の空隙を通って金属筒39に接触し捕
捉される。この捕捉されるイオンによって流れる電流I
cは電流測定アンプ42により検出され、A/D変換器
43にてデジタル信号に変換される。
【0015】図4に示した霧化室21又は脱溶媒管23
内部にて発生した全イオンのうち、一部は四重極フィル
タ34に導入される迄に外部に排出されたりイオンレン
ズ38等に衝突したりして消滅する。また、四重極フィ
ルタ34に導入された後に軌道を外れたイオンのうちの
一部は、金属筒39に到達する前にロッド電極に捕捉さ
れる。このようにして消滅するイオンの量はほぼ一定の
確率であると看做すことができる。また、霧化室21や
脱溶媒管23中での多価イオンの生成割合は、イオンの
生成量が変動してもほぼ一定に保たれると看做すことが
できる。従って、全生成イオンによる電荷量に相当する
電流値Ip、検出器36に到達したイオンによる電流値
Is、及び金属筒39に捕捉されたイオンによる電流値
Icの関係はほぼ次の(1)式で表わされる。 Ip=K・(Is+Ic) …(1) 但し、K>1である。
内部にて発生した全イオンのうち、一部は四重極フィル
タ34に導入される迄に外部に排出されたりイオンレン
ズ38等に衝突したりして消滅する。また、四重極フィ
ルタ34に導入された後に軌道を外れたイオンのうちの
一部は、金属筒39に到達する前にロッド電極に捕捉さ
れる。このようにして消滅するイオンの量はほぼ一定の
確率であると看做すことができる。また、霧化室21や
脱溶媒管23中での多価イオンの生成割合は、イオンの
生成量が変動してもほぼ一定に保たれると看做すことが
できる。従って、全生成イオンによる電荷量に相当する
電流値Ip、検出器36に到達したイオンによる電流値
Is、及び金属筒39に捕捉されたイオンによる電流値
Icの関係はほぼ次の(1)式で表わされる。 Ip=K・(Is+Ic) …(1) 但し、K>1である。
【0016】四重極フィルタ34では、例えば機械的振
動等の諸要因により目的イオンが所定の軌道から外れて
検出器36に到達できないこともある。しかしながら、
このようなイオンは金属筒39に捕捉される筈であるか
ら、電流値の和Is+Icは上述のような四重極フィル
タ34の変動の影響を受けない。従って、上記(1)式に
より、電流値の和Is+Icの変動は全生成イオンによ
る電流値Ipの変動を反映していると推測することがで
きる。そこで、補正演算部51は、例えば次の(2)式に
基づき電流値Isを補正した補正電流値Is’を算出す
る。 Is’=T・Is/(Is+Ic) …(2) ここで、Tは適宜の定数とする。
動等の諸要因により目的イオンが所定の軌道から外れて
検出器36に到達できないこともある。しかしながら、
このようなイオンは金属筒39に捕捉される筈であるか
ら、電流値の和Is+Icは上述のような四重極フィル
タ34の変動の影響を受けない。従って、上記(1)式に
より、電流値の和Is+Icの変動は全生成イオンによ
る電流値Ipの変動を反映していると推測することがで
きる。そこで、補正演算部51は、例えば次の(2)式に
基づき電流値Isを補正した補正電流値Is’を算出す
る。 Is’=T・Is/(Is+Ic) …(2) ここで、Tは適宜の定数とする。
【0017】図3は、質量走査時の上記補正処理を説明
するための概念図である。時間tの経過に伴い四重極フ
ィルタ34の印加電圧を走査することにより、質量数
(m/z)の走査が行なわれる。この間、電流値Isは
図3(a)に示すように変動するが、これに対し電流値
Icも変動するので、理想的には電流値の和Is+Ic
はほぼ一定になる筈である。しかしながら、質量走査途
中で一時的にイオン生成量が減少すると、図3(a)に
示すように電流値の和Is+Icも減少する。このよう
な変動に対し、上記(2)式に基づく補正処理を行なう
と、補正電流値Is’は増加される。すなわち、イオン
生成量が減少したと推定される場合、イオン生成量が減
少しなかったとするとより多くの目的イオンが検出器3
6に到達した筈であると考えられる。そこで、電流値I
sは増加するように補正される。スペクトル作成部52
は、このような補正電流値Is’を基に質量スペクトル
を作成する。その結果、図3(b)に示すように、変動
に対応する質量数において信号強度が増加した質量スペ
クトルが作成される。
するための概念図である。時間tの経過に伴い四重極フ
ィルタ34の印加電圧を走査することにより、質量数
(m/z)の走査が行なわれる。この間、電流値Isは
図3(a)に示すように変動するが、これに対し電流値
Icも変動するので、理想的には電流値の和Is+Ic
はほぼ一定になる筈である。しかしながら、質量走査途
中で一時的にイオン生成量が減少すると、図3(a)に
示すように電流値の和Is+Icも減少する。このよう
な変動に対し、上記(2)式に基づく補正処理を行なう
と、補正電流値Is’は増加される。すなわち、イオン
生成量が減少したと推定される場合、イオン生成量が減
少しなかったとするとより多くの目的イオンが検出器3
6に到達した筈であると考えられる。そこで、電流値I
sは増加するように補正される。スペクトル作成部52
は、このような補正電流値Is’を基に質量スペクトル
を作成する。その結果、図3(b)に示すように、変動
に対応する質量数において信号強度が増加した質量スペ
クトルが作成される。
【0018】勿論、質量走査時のみならず単一質量数に
対する信号強度を測定する場合にも、上記補正処理によ
り、予め定めた基準からのずれを補正することができ
る。
対する信号強度を測定する場合にも、上記補正処理によ
り、予め定めた基準からのずれを補正することができ
る。
【0019】また、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行なえることは明らか
である。
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行なえることは明らか
である。
【図1】 本発明の一実施例による四重極質量分析装置
における四重極フィルタ近傍の構成を示す外観斜視図。
における四重極フィルタ近傍の構成を示す外観斜視図。
【図2】 本実施例による四重極質量分析装置の要部の
構成図。
構成図。
【図3】 本実施例による四重極質量分析装置における
補正処理の説明のための概念図。
補正処理の説明のための概念図。
【図4】 一般的な液体クロマトグラフ質量分析装置の
概略構成図。
概略構成図。
34…四重極フィルタ 36…検出器 39…金属筒 40…プリアンプ 41、43…A/D変換器 42…電流測定アンプ 51…補正演算部
Claims (1)
- 【請求項1】 イオン源にて発生したイオンの中で特定
の質量数を有するイオンを四重極フィルタにより分離し
て検出器に導く四重極質量分析装置において、 a)四重極フィルタの周囲を覆う該フィルタと電気的に絶
縁されたイオン捕集手段と、 b)該イオン捕集手段に捕捉されたイオンによる電流を測
定する電流測定手段と、 c)該電流測定手段の測定値を用いて前記検出器の検出信
号を補正する補正手段と、 を備えることを特徴とする四重極質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9364117A JPH11185698A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 四重極質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9364117A JPH11185698A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 四重極質量分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11185698A true JPH11185698A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18481017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9364117A Pending JPH11185698A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 四重極質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11185698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012195104A (ja) * | 2011-03-15 | 2012-10-11 | Shimadzu Corp | 四重極型質量分析装置 |
GB2580091A (en) * | 2018-12-21 | 2020-07-15 | Thermo Fisher Scient Bremen Gmbh | A mass spectrometer compensating ion beam fluctuations |
-
1997
- 1997-12-16 JP JP9364117A patent/JPH11185698A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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