JPH11184390A - 画像形成装置とその製造方法 - Google Patents

画像形成装置とその製造方法

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JPH11184390A
JPH11184390A JP35345297A JP35345297A JPH11184390A JP H11184390 A JPH11184390 A JP H11184390A JP 35345297 A JP35345297 A JP 35345297A JP 35345297 A JP35345297 A JP 35345297A JP H11184390 A JPH11184390 A JP H11184390A
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image forming
positioning
substrate
forming apparatus
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JP35345297A
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English (en)
Inventor
Koichiro Nakanishi
宏一郎 中西
Osamu Takamatsu
修 高松
Kazuyuki Ueda
和幸 上田
Masahiro Tagawa
昌宏 多川
Shinya Koyama
信也 小山
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平板型画像形成装置の組み立て精度を高精度
とし、さらに、生産性の高い装置とその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 本発明により、第1の基体、第2の基
体、及び該第1の基体と第2の基体間を支持する支持枠
からなり、該第1の基体と第2の基体の端面に複数の位
置決め固定部材が配設されたことを特徴とする画像形成
装置およびその製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶やプラズマ、
取り分け電界電子放出素子、表面伝導型電子放出素子等
に有用な画像形成装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平板型画像形成装置として、近年、アク
テブマトリクス型液晶が、CRTに代わって、用いられ
るようになってきた。また、アクテブマトリクス型液晶
は、自発光型でないため、バックライトを用いて表示を
行うものであるが、光の利用効率が低いために、さらに
明るい画像形成装置が望まれていた。このため、プラズ
マデスプレー、電界電子放出素子、表面伝導型電子放出
素子(例えば、特開平7−235255号公報)等の冷
陰極電子放出素子から放出した電子を加速して、衝突さ
せ、蛍光体を発光させることにより表示を行う自発光型
画像形成装置の開発が実用化されつつある。これらの平
板型画像形成装置は、数十インチの大面積化も行われつ
つあり、特に、高精度でかつ容易に組み立て可能な方法
の開発が望まれている。
【0003】図10に、これら平板型画像形成装置の組
み立て例としての液晶表示装置を挙げ、特開平5−23
2451を用いて説明する。液晶ガラス基板の一対の基
板1および2(以下第1の基板(体)、第2の基板
(体))の位置合わせを説明する。第1の基板および第
2の基板には、電極パターン、位置合わせパターン、シ
ール材が、施されている。これらの第1の基板および第
2の基板は、位置合わせ装置に設置され、位置合わせ装
置において、第1の基板および第2の基板は、加熱、保
温される。次に、第1の基板と第2の基板は、位置合わ
せパターンを介して位置合わせがなされる。次に、第1
の基板および第2の基板は加圧され、同時に位置合わせ
がなされる。最後に、加圧した状態で、所定時間保持さ
れた後、加圧が解除され、組み立てられた液晶セルは、
位置合わせ装置から取り外される。こうして、高温状態
で位置ずれが発生しても、位置合わせが行われるため、
高精度に第1の基板と第2の基板が位置合わせができる
とされている。また、前記公報においては、室温で位置
合わせした後、光硬化性接着材で仮止めを行い、さらに
シール材を加熱、硬化させる方法も記述されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】平板型画像形成装置に
おいて、第1の基体上の素子と第2の基体上の画像形成
部材を1:1に対応させ、数十μm〜数百μmの画素を
形成する。この際、素子と画像形成部材の位置合わせが
不十分な場合、画素の輝度ばらつきの原因となったり、
カラーの場合は、RGBの各色が混色する等、画像品位
を損なうことが発生する。このため、第1の基体上の素
子と第2の基体上の画像形成部材の位置合わせは、高精
度であることが必要でとなる。上記液晶においては、第
1の基体と第2の基体を高温で加熱し、第1の基体と第
2の基体間に配された接着材を軟化しながら加圧し、さ
らに、高温加熱状態で第1の基体と第2の基体の位置合
わせを行った後、接着材の固化を行うことで、第1の基
体と第2の基体の位置合わせが行われる。このため、高
温槽内でアライメントを行う場合や加圧治具にヒーター
を設置したりして行う場合がある。このため、アライメ
ント装置は、高温仕様の精度が要求され、複雑な工程と
なり、生産性の低下の問題等を発生する。一方、前記公
報でも指摘しているように、室温位置合わせと仮止めに
よる製造方法では、接着材の軟化により、位置ずれが発
生する等の問題が認められている。
【0005】一方、前記電子放出素子から発生した電子
線を蛍光体に衝突発光させる画像形成装置においては、
さらに真空容器を構成する必要があり、前記第1の基体
と第2の基体間に配された接着材にあたる接合材は、ガ
ラス材料を用いて真空を維持するように接合される。こ
のため、上記液晶の場合においては、有機系接着材の軟
化温度が150℃前後であるのに比べ、400℃以上の
高温であるため、上記高精度の位置合わせおよび組み立
て装置上の問題は、さらに厳しいものとなる。また、第
1の基体と第2の基体を加熱する際の温度分布や温度差
は、第1の基体と第2の基体の熱膨張差を発生し、位置
合わせの精度の低下や応力の発生をともない、真空容器
の破壊を発生する場合もあった。
【0006】本発明は、これらの平板型画像形成装置の
組み立て精度を高精度とし、さらに、生産性の高い平板
型画像形成装置とその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、第1の基体、第2の基体、および該第1の基体と第
2の基体間を支持する支持枠からなり、該第1の基体と
第2の基体の端面に複数の位置決め固定部材が配設され
たことを特徴とする画像形成装置である。
【0008】上記した本発明においては、第1の基体、
第2の基体、および該第1の基体と第2の基体間を支持
する支持枠から構成される真空容器を形成することが好
ましい。
【0009】また、該複数の位置決め固定部材は、互い
になす角度がほぼ120度でかつ3個であることが好ま
しく、これによって組み立て中の熱応力が平均的に分散
できる。
【0010】また、該複数の位置決め固定部材は、基体
1および2の端面に設けられた凹部と球状または棒状の
部材との組み合わせからなるものであり、凹部と球状ま
たは棒状部材の組み合わせにより凹部と凸部の組み合わ
せ構造が形成された構成であることが好ましい。
【0011】本発明の画像形成装置は、上記液晶のみな
らず、第1の基体には冷陰極電子放出素子等の電子放出
素子が配設され、第2の基体には蛍光体等の画像形成部
材が配設されていることが好ましい。
【0012】なお、本発明の画像形成装置としては、プ
ラズマデスプレー等を対象とするものであるが、必ずし
もこれに限らず、第1の基体と第2の基体間の位置合わ
せが必要な画像形成装置では、本発明が適用される。
【0013】本発明は、さらに画像形成装置の製造方法
を提供するものであり、以下のステップ、第1の基体お
よび第2の基体の端面に位置決め固定部材を配設するス
テップ、第1の基体および第2の基体に支持枠を配置す
るステップ、第1の基体および第2の基体を位置決め固
定部材を介して接合するステップ、第1の基体およびま
たは第2の基体を加圧するステップ、第1の基体および
第2の基体または支持枠に配設された接合部材を軟化す
るステップ、および該接合部材を固化するステップを有
することを特徴とする製造方法である。
【0014】上記した本発明において、第1の基体およ
び第2の基体に支持枠を配設するステップ並び第1の基
体および第2の基体を位置決め固定部材を介して接合す
るステップは、室温で行われることが好ましい。
【0015】また、第1の基体および第2の基体との間
に間隔保持部材を配置するステップ、並び第1の基体お
よび第2の基体の端面にあらかじめ作成した位置決め固
定部材を接着するステップを有することが好ましい。
【0016】本発明の画像形成装置によれば、該第1の
基体と第2の基体の端面に配設された複数の位置決め固
定部材によって、室温あるいはその近傍で位置決めと固
定が容易に行われるため、複雑なアライメント装置を用
いる必要もなく、高精度に第1の基体と第2の基体の位
置合わせが行われる。
【0017】また、本発明の画像形成装置によれば、該
複数の位置決め固定部材が、基体1および2の端面に配
設され、寸法を基体1および2の間隔と独立に設定でき
るため、設計の自由度が増加し、特に基体1および2の
間隔が狭い場合には、基体1および2の間隔よりも大き
な寸法の部材を位置決め固定部材として使用できるた
め、熱応力に耐え得る強度を確保することが容易に行え
る。
【0018】該複数の位置決め固定部材の互いになす角
度が、荷重が平均的に分散された配置である本発明の画
像形成装置によれば、第1の基体と第2の基体の熱膨張
の差による応力は分散されたものとなり、組み立て工程
中においても高精度な位置合わせが維持される。
【0019】本発明の画像形成装置は、前記液晶のみな
らず、上記構成であるため、第1の基体には、冷陰極電
子放出素子等の電子放出素子が配設され、第2の基体に
は、蛍光体等の画像形成部材が配設された画像形成装置
の真空容器やプラズマデスプレーの容器も構成できる。
【0020】また、本発明の画像形成装置の製造方法に
よれば、室温で第1の基体または第2の基体の位置合わ
せと固定を行い、接合材の軟化、固化のための高温加
熱、および冷却工程での位置合わせを行わないため、高
精度かつ容易な位置合わせが実施可能である。さらに
は、高温に対応したアライメント装置も必要なく、装置
の簡略化が行われる。
【0021】以上のように、本発明の画像形成装置およ
びその製造方法によれば、複雑なアライメント装置もな
く、高精度な組み立てが実現できるため、安価で、高品
位な画像形成装置が実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、液晶やプラズマとりわ
け電界電子放出素子、表面伝導型電子放出素子等の電子
放出素子を複数配置し、蛍光体等の画像形成部材を発光
し表示する平板型画像形成装置の新規な構成および製造
方法を提供するものである。
【0023】まず、本発明の画像形成装置の主要な構成
の一例を図1および図2を用いて説明する。図1aは、
本発明の画像形成装置の平面図のA−A断面図である。
1は第1の基体、2は第2の基体(以下、基体1および
2と略記する)、3は支持枠、4,5,6は位置決め固
定部材で、各部材とも2つあるいは3つの部材から構成
される。図2aは、位置決め固定部材4の部分拡大図で
あり、4−3は球状、棒状等のガラス、セラミック材等
である。一方、図2−bでは、4−3の部材がなく、直
接4−1,4−2が、嵌合した例である。
【0024】基体1は、ガラス等で構成されたリアプレ
ートであり、電極、配線等のパターンが形成されてい
る。さらに、電子放出素子を用いた画像形成装置では、
電子放出素子が配置される。また、プラズマデスプレー
では、プラズマ領域を限定するための隔壁、さらに、反
射型では蛍光体等が設置される。
【0025】基体2は、ガラス等で構成されたフェイス
プレートであり、電極、配線等のパターンが形成されて
いる。さらに、電子放出素子を用いた画像形成装置で
は、電子と衝突し発光する蛍光体が配置される。また、
プラズマデスプレーでは、配線等が設置される。
【0026】支持枠3は、基体1および2と同様の材料
で構成され、基体1および2ならびに支持枠3によっ
て、容器が構成される。電子放出素子を用いた画像形成
装置では、内部は真空とされる。また、プラズマを用い
た画像形成装置では、ガスが封入される。なお、支持枠
3は、印刷隔壁を用いてもよく、あるいは、フェイスプ
レートまたはリアプレートと一体化されていてもよく、
必ずしも、基体1と基体2とは別部材である必要はな
い。
【0027】支持枠3と基体1および基体2の間は、接
着材やフリットガラスによって接着される。
【0028】位置決め固定部材4,5,6は、あらかじ
め基体1およびに形成されており、基体1と基体2の位
置合わせを簡易に行うことができ、同時に接着材等がな
くても仮固定がなされるように、図2−aに示すよう
に、位置決め固定部材によって円錐状の凹部を形成し、
2つの部材間に球状、棒状等のガラス、セラミック等か
らなる部材4−3によって嵌合する。また図4に示され
るように、基体1および2に位置決め固定部材として、
基体上に設けられた2本の棒状部材の間隙によって凹部
を形成し、図2aと同様に、球状、棒状等のガラス、セ
ラミック等からなる部材によって嵌合する。この場合、
球状、棒状等のガラス、セラミック等からなる部材で基
体間の間隙が設定されるので、高精度の高さ規定ができ
る。
【0029】また、位置決め固定部材は、4,5,6に
示されるように3個でもよいが、3個に限られるもので
はない。なお、3個の場合は、加熱工程で発生する熱応
力に耐えられるように、図1bに示すように、約120
度の内角で、熱応力を平均的に分散する構造とするのが
好ましい。画像形成装置段階で組み立て完了後、位置決
め固定部材4,5,6を切り落として画像形成装置を構
成してもよい。
【0030】なお、真空容器として使用する場合は、不
図示の排気管より容器内が排気され、真空が形成された
後、排気管が封止される。
【0031】次に本発明の画像形成装置の製造方法の一
部を、図3を用いて説明する。
【0032】(1)基体1および基体2にあらかじめ、
電極、配線、素子、蛍光体等を形成し、位置決め固定部
材4,5,6を設置する。なお、同時に接着材が基体1
および2または支持枠に配設される。
【0033】(2)基体1および2を組み立て装置に配
設する。さらに、支持枠3を基体1上に配設する。
【0034】(3)位置決め固定部材4−1,4−2.
4−3,〜5−1〜6−3がそれぞれ嵌合される。
【0035】(4)組み立て装置により、第1の基体お
よび第2の基体を加圧する。
【0036】(5)基体1,2等を組み立て装置より加
熱し、接着材を流動させ、所望の時間加熱、加圧保持す
る。
【0037】(6)冷却する。
【0038】(7)加圧を解除する。
【0039】こうして画像形成装置の容器が製造され
る。以上に説明したように、特別な基体1および2の位
置合わせは存在せず、しかも室温で位置決め固定部材を
嵌合するだけで、基体1および2の間の位置合わせ並び
に仮固定が行われ、さらに支持枠を介して容器が構成さ
れる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0041】実施例1 本発明の第1の実施例は、図1に示される構成の容器を
用いた画像形成装置である。本実施例では、冷陰極電子
放出素子である表面伝導型放出素子を電子放出素子とし
て、複数個第1の基体に形成し、第2の基体には、蛍光
体を設置し、有効表示エリアを対角15インチとする
縦、横比3:4のカラー画像形成装置を作成した。ま
ず、本発明の画像形成装置を図4を用いて説明し、次に
その製造方法を説明する。
【0042】図4は、実施例に用いた画像形成装置の斜
視図であり、内部構造を示すためパネルの一部を切り欠
いて示している。
【0043】図中、65はリアプレート、66は支持
枠、67はフェースプレートであり、65〜67に表示
パネルの内部を真空に維持するための気密容器を形成し
ている。気密容器を組み立てるにあたっては、各部材の
接合部に十分な強度と気密性を保持させるため封着する
必要がある。
【0044】リアプレート65上には、表面伝導型放出
素子62がN×M個形成されている。(N,Mは2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定される。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的
とした表示装置においては、N=3000,M=100
0以上の数を設定することが望ましい。本実施例におい
ては、N=333,M=250とした。)前記N×M個
の表面伝導型放出素子は、M本の行方向配線63(上配
線と述べる場合もある)とNの列方向配線64(下配線
と述べる場合もある)により単純マトリクス配線されて
いる。
【0045】図5は、本発明を適用可能な表面伝導型電
子放出素子の構成を示す模式図であり、図5aは平面
図、図5bは断面図である。
【0046】図5において71は基板、72と73は素
子電極、74は導電性薄膜、75は電子放出部である。
【0047】素子電極2,3を通じて、導電性薄膜4に
フォーミング処理を施すことで、導電性薄膜を局所的に
破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態
にした電子放出部75を形成し、さらに、放出電流を著
しく改善する活性化工程を該表面伝導型電子放出素子の
上述導電性薄膜74に電圧を印加し、素子に電流を流す
ことにより、上述の電子放出部75より電子を放出せし
めるものである。(なお、従来技術で述べた特許公報特
開平7−235255と同様のものである。) また、図4に示すフェースプレート67の下面には、蛍
光膜68が形成されている。本実施例はカラー表示装置
であるため、蛍光膜68の部分にCRTの分野で用いら
れる赤、緑、青、の3原色の蛍光体が塗り分けられてい
る。各色の蛍光体は、例えば図6の(a)に示すように
ストライプ状に塗り分けられ、蛍光体のストライプの間
には黒色の導電体81が設けてある。黒色の導電体81
を設ける目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれが
あっても表示色にずれが生じないようにすることや、外
光の反射を防止して表示コントラストの低下を防ぐこ
と、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止す
ること等である。黒色の導電体81には、黒鉛を主成分
として用いたが、上記の目的に適するものであればこれ
以外の材料を用いてもよい。
【0048】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図6(a)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、例えば、図6(b)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列であってもよい。
【0049】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜68に用いれば
よく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよい。
【0050】また、図4に示す蛍光膜68のリアプレー
ト側の面には、CRTの分野では公知のメタルバック6
9を設けてある。メタルバック69を設けた目的は、蛍
光膜68が発する光の一部を鏡面反射して光利用率を向
上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜68を保護
することや、電子ビーム加速電圧を印加するための電極
として作用させることや、蛍光膜68を励起した電子の
導電路として作用させること等である。メタルバック6
9は、蛍光膜68をフェースプレート67上に形成した
後、蛍光膜表面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸
着する方法により形成した。なお、蛍光膜68に低電圧
用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック69は
用いない。
【0051】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート67と蛍光膜68との間に、例えばITO
を材料とする透明電極を設けてもよい。
【0052】また、図4に示すDx1〜DxmおよびD
y1〜DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の
電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の
電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビ
ーム源の行方向配線63と、Dy1〜Dynはマルチ電
子ビーム源の列方向配線64と、Hvはフェースプレー
トのメタルバック69と電気的に接続している。
【0053】以上、本発明を適用した画像形成装置の基
本構成を説明した。
【0054】次に、本発明の画像形成装置の製造方法に
ついて説明する。 第1の基体1の作成 工程−1 青板ガラス上にシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した
第1の基体1の上に下配線をスクリーン印刷で形成し
た。次に、下配線と上配線間に層間絶縁層を形成し、さ
らに、上配線を形成した。次に、下配線と上配線とに接
続された素子電極を形成した。次に、導電性薄膜をスパ
ッタ法で形成した後、パターニングし、所望の形態とし
た。
【0055】工程−2 支持枠を固定するためのフリットガラスを印刷によっ
て、所望の位置に形成した。さらに、位置決め固定部材
を図1の位置に形成した。位置決め固定部材は図2−a
の形状に予め加工されたものをフリットガラスで固定し
た。なお、位置決め固定部材は、H=2mm、hl=h
2=2mm、R=5mm、r=3mmとした。凹部は、
円錐状の形態である。
【0056】以上の工程により、第1の基体1に単純マ
トリクス配線した表面伝導型放出素子、支持枠用の接着
材、位置決め固定部材等を形成した。
【0057】第2の基体2の作成 工程−3 青板ガラス基板に蛍光体、黒色導電体を印刷法により形
成した。蛍光膜の内面側表面の平滑化処理を行い、その
後Alを真空蒸着法等を用いて堆積させメタルバック形
成した。
【0058】工程−4 支持枠を固定するためのフリットガラスを、印刷によっ
て、所望の位置に形成した。さらに、位置決め固定部材
を図1の位置に形成した。位置決め固定部材は図2−a
の形状で、工程2で用いたものと同一の大きさに予め加
工されたものをフリットで固定した。
【0059】以上の工程により、第2の基体2に3原色
の蛍光体、ストライブ状の配列蛍光体、支持枠用の接着
材、位置決め固定部材等を形成した。
【0060】工程−5 次に、上記第1の基体1および第2の基体2を図7に示
す加圧装置の概念図に従って設置した。(なお図1と同
符号のものは、図1と同一のものである。)加圧装置
は、上ホルダー91、下ホルダー92、加圧手段93、
ホルダ−スライドガイド94等から構成される。
【0061】下ホルダー92上に、第1の基体1を設置
し、支持枠、直径3mmのガラスビーズを位置決め固定
部材の凹部に配置する。次に、第2の基体2の位置決め
固定部材を、第1の基体1の位置決め固定部材と嵌合す
るように設置する。その後、上ホルダーをホルダースラ
イドガイドを通じて、第2の基体2の上に設置し、加圧
手段により加圧する。
【0062】工程−6 上記加圧装置および画像形成装置の容器を、加熱炉に導
入し、加熱する。
【0063】工程−7 所望の時間後、加熱炉を徐冷し、フリットを硬化させ
る。最後に加圧装置により、第1の基体1および第2の
基体2と支持枠が接着した画像形成装置用の容器を取り
出した。
【0064】工程−8 以上のようにして完成した容器内の雰囲気を排気管(図
示せず)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に
達した後、容器外端子Dx1ないしDxmとDy1ない
しDynを通じ電子放出素子に電圧を印加し、電子放出
部3を、導電性薄膜4をフォーミング工程、活性化を施
することにより作成した。さらに、一連の工程終了後、
250℃で、10時間ベーキングを行った。
【0065】工程−9 次に、室温で、10-8Torr程度の真空度まで排気
し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し外囲器の封止を行った。
【0066】最後に封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行った。
【0067】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1な
いしDxm,Dy1ないしDynを通じ、走査信号およ
び変調信号を不図示の信号発生手段でそれぞれ印加する
ことにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタ
ルバック69、あるいは透明電極(不図示)に数kV以
上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜68に
衝突させ、励起・発光させることで画像を表示した。
【0068】その結果、電子放出素子、蛍光体の位置ず
れがなく、位置ずれに起因した輝度ばらつきや、混色は
観察されなかった。
【0069】実施例2 本発明の第2の実施例は、電子放出素子として冷陰極放
出素子の一種である電界放出素子を用い、また、軽量化
を図るために耐大気圧部材としてスペーサを設置した場
合である。まず、電界放出素子について図8を用いて説
明し、次いで図9を用いて画像形成装置について説明す
る。図8において、131はリアプレート、132はフ
ェイスプレート、133は陰極、134はゲート電極、
135はゲート/陰極間の絶縁層、136は収束電極で
ある。図9において、141はリアプレート、142は
フェースプレート、143は支持枠、144,145,
146は位置決め固定部材、147はスペーサである。
【0070】画像形成装置の有効表示エリアの大きさ
は、縦、横比3:4で、対角10インチである。位置決
め固定部材144,145,146は、第1の基体1お
よび第2の基体2の端面に配置され、各位置決め部材の
なす角は、内角が120度である。なお、位置決め固定
部材は、深さ2.1mmの凹部をもつ部材と、直径3.
0mmで長さ25mmの棒状部材とした。これらは基体
1および2と熱膨張係数が概略同一の材料であるセラミ
クスで形成した。基体1と2の間隙は、1.5mmであ
る。
【0071】次に、本発明の画像形成装置の製造方法に
ついて説明する。
【0072】第1の基体1の作成 工程−1 青板ガラスを基板として、公知の方法によって、図8の
陰極、ゲート電極、配線等を作成した。なお、陰極材料
はMOとした。次に基板の端面の所望の位置に位置決め
固定用の凹部を有する部材を設置した。本実施例におい
て、この位置決め固定用の凹部を有する部材の基板への
接着は無機接着剤であるAREMCO社製の商品名セラ
マボンド569を用いた。
【0073】工程−2 支持枠を固定するためのフリットガラスを印刷によっ
て、所望の位置に形成した。
【0074】以上の工程により、第1の基体1に単純マ
トリクス配線した電界放出型電子放出素子、支持枠用の
接着材、位置決め固定部材等を形成した。
【0075】第2の基体2の作成 工程−3 青板ガラス基板に透明導電体、蛍光体、黒色導電体を印
刷法により形成した。蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させメタ
ルバックを形成した。
【0076】工程−4 青板ガラスを基板として、基板の周辺の所望の位置に位
置決め固定用の凹部を有する部材を設置した。接着剤と
して、工程1と同様に無機接着剤のAREMCO社製、
商品名セラマボンド569を用いた。支持枠を固定する
ためのフリットガラスを印刷によって、所望の位置に形
成した。さらに、スペーサを黒色導電体に、フリットで
接着した。
【0077】以上の工程により、第2の基体2に3原色
の蛍光体、ストライブ状の配列蛍光体、支持枠用の接着
材、位置決め部材、スペーサ等を形成した。
【0078】工程−5 次に、実施例1と同様に、上記基体1および2を図7に
示す加圧装置の概念図に設置した。上ホルダー、下ホル
ダー、加圧手段、ホルダースライドガイドから構成され
る。
【0079】下ホルダー上に、第1の基体1を設置し、
支持枠、直径3.0mmのセラミクス棒を基板に加工さ
れた位置決め固定用の凹部に配置する。次に、第2の基
体2の位置決め固定用の凹部を、基体1の位置決め用固
定用の凹部と嵌合するように設置する。その後、上ホル
ダーをホルダースライドガイドを通じて、基体2の上に
設置し、加圧手段により加圧する。
【0080】工程−6 上記加圧装置および画像形成装置の容器を、加熱炉に導
入し、加熱する。
【0081】工程−7 所望の時間後、加熱炉を徐冷し、フリットを硬化させ
る。最後に加圧装置により、基体1および2、支持枠が
接着した画像形成装置用の容器を取り出した。
【0082】工程−8 以上のようにして完成した容器内の雰囲気を排気管(図
示せず)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に
達した後、容器外端子を通じ電子放出素子に電圧を印加
し、エージングすることにより作成した。さらに、エー
ジング終了後、250℃で、10時間ベーキングを行っ
た。
【0083】工程−9 次に、室温で、10-8Torr程度の真空度まで排気
し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し外囲器の封止を行った。
【0084】最後に封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行った。
【0085】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子を通じ、
信号を不図示の信号発生手段でそれぞれ、印加すること
により、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバ
ック、あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の高圧
を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜に衝突させ、励
起・発光させることで画像を表示した。また、このと
き、混色が起こらず、かつ、容易に位置合わせができ
た。
【0086】
【発明の効果】第1の基体、第2の基体、および該第1
の基体と第2の基体間を支持する支持枠からなり、該第
1の基体と第2の基体の端面に複数の位置決め固定部材
が配設されたことを特徴とする本発明の画像形成装置に
よれば、該第1の基体と第2の基体の端面に配設された
複数の位置決め固定部材によって、室温あるいはその近
傍で位置決めと固定が容易に行われるため、複雑なアラ
イメント装置を用いる必要がなく、高精度に第1の基体
と第2の基体の位置合わせが行われる。
【0087】また、本発明の画像形成装置によれば、該
複数の位置決め固定部材が、第1の基体1と第2の基体
2の端面に配設されて寸法を基体1,2の間隔と独立に
設定できるため、設計の自由度が増加する。特に基体1
および2の間隔が狭い場合には、基体1および2の間隔
よりも大きな寸法の部材を位置決め固定部材として使用
できるために、熱応力に耐え得る強度を確保することが
容易に行える。
【0088】また、複数の位置決め固定部材は、互いに
なす角度が、荷重が平均的に分散された配置であること
を特徴とする本発明の画像形成装置によれば、第1の基
体と第2の基体の熱膨張の差による応力も分散されたも
のとなり組み立て工程中も高精度の位置合わせが維持さ
れる。
【0089】本発明の画像形成装置は、上記の構成であ
るため、第1の基体には冷陰極電子放出素子等の電子放
出素子が配設され、第2の基体には蛍光体等の画像形成
部材が配設された画像形成装置の真空容器やプラズマデ
スプレーの容器も構成できる。
【0090】また、本発明による画像形成装置の製造方
法によれば、室温で第1の基体あるいは第2の基体の位
置合わせおよび固定を行い、接合材の軟化および固化の
ための高温加熱や冷却工程で位置合わせを行わないた
め、高精度かつ容易に位置合わせが可能となる。さらに
は、高温に対応したアライメント装置も必要なく、装置
の簡略化が行われる。
【0091】以上のように、本発明の画像形成装置およ
びその製造方法によれば、複雑なアライメント装置もな
く、高精度な組み立てが実現できるため、安価で、高品
位な画像形成装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の主要な構成の平面図お
よび断面図の一例である。
【図2】本発明の位置決め固定部材の一例である。
【図3】本発明の画像形成装置の組み立て工程の一例で
ある。
【図4】実施例1の画像形成装置の斜視図の一例であ
る。
【図5】実施例1で用いた冷陰極の表面伝導型電子放出
素子の平面図および断面図の一例である。
【図6】実施例1で用いた蛍光膜の一例である。
【図7】実施例1で用いた画像形成装置組み立て用装置
(加圧装置)の断面図の一例である。
【図8】実施例2で用いた電界放出素子の断面図の一例
である。
【図9】実施例2で用いた画像形成装置の平面図および
断面図の一例である。
【図10】従来の組み立て例の一例である。
【符号の説明】
1 第1の基体 2 第2の基体 3 支持枠 4,5,6 位置決め固定部材 62 表面伝導型放出素子 63 行方向配線 64 列方向配線 65 リアプレート 66 支持枠 67 フェースプレート 68 蛍光膜 69 メタルバック 71 基板 72,73 素子電極 74 導電性薄膜 75 電子放出部 81 黒色の導電体 91 上ホルダー 92 下ホルダー 93 加圧手段 94 ホルダースライドガイド 101 リアプレート 102 ファイスプレート 103 支持枠 104 位置決め固定部材 105 スペーサ 131 リアプレート 132 フェイスプレート 133 陰極 134 ゲート電極 135 ゲート/陰極間の絶縁層 136 収束電極 141 リアプレート 142 フェイスプレート 143 支持枠 144,145,146 位置決め固定部材 147 スペーサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 31/12 H01J 31/12 C (72)発明者 多川 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小山 信也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基体、第2の基体、および該第1
    の基体と第2の基体間を支持する支持枠からなり、該第
    1の基体と第2の基体の端面に複数の位置決め固定部材
    が配設されたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 第1の基体、第2の基体、および該第1
    の基体と第2の基体間を支持する支持枠から構成される
    真空容器からなることを特徴とする請求項1記載の画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 該複数の位置決め固定部材は、互いにな
    す角度がほぼ120度でかつ3個であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 該複数の位置決め固定部材は、基体1お
    よび2の端面に設けられた凹部と球状または棒状の部材
    との組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 第1の基体には電子放出素子が配設さ
    れ、第2の基体には画像形成部材が配設されたことを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 該画像形成部材が、蛍光体であることを
    特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 該電子放出素子が、冷陰極電子放出素子
    であることを特徴とする請求項5または6記載の画像形
    成装置。
  8. 【請求項8】 第1の基体および第2の基体に位置決め
    固定部材を配設するステップ、 第1の基体または第2の基体に支持枠を配設するステッ
    プ、 第1の基体および第2の基体を位置決め固定部材を介し
    て接合するステップ、 第1の基体およびまたは第2の基体を加圧するステッ
    プ、 第1の基体および第2の基体または支持枠に配設された
    接合部材を軟化するステップ、および該接合部材を固化
    するステップ、を有することを特徴とする画像形成装置
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の基体または第2の基体に支持枠を
    配設するステップおよび第1の基体および第2の基体を
    位置決め固定部材を介して接合するステップが室温で行
    われることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の基体および第2の基体に位置決
    め固定部材を配設するステップが、さらに第1の基体お
    よび第2の基体との間に間隔保持部材を配置するステッ
    プ、および第1の基体ならびに第2の基体の端面にあら
    かじめ作成した位置決め固定部材を接着するステップを
    有することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置の
    製造方法。
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